JP2005063712A - 燃料電池システムおよびその運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 燃料電池で性能低下が起こったとき、あるいは性能低下を引き起こすガスの流れ不良が生じたときに、速やかに燃料電池の性能を回復させる。
【解決手段】 燃料電池システム10では、燃料電池22のアノードに供給する水素ガスにアノード排ガスが混合されており、所定の時間間隔で開閉弁66を開閉することで、水素ガス中の不純物濃度の上昇が抑えられている。燃料電池22において、水素ガスにおける流れ不良として圧損の上昇が検出されると、制御部70は、水素ガス流路における水詰まり解消のための動作として、水素ポンプ65の駆動量を連続して増減する脈動運転を行なわせる。脈動運転により圧損の上昇が解消しないときには、制御部70は、水素ガス中の不純物除去のための動作として、開閉弁66の単位時間当たりの開弁時間を長くする制御を行なう。
【選択図】 図1
Description
この発明は、燃料電池を備える燃料電池システムおよびその運転方法に関する。
水素を含有する燃料ガスが供給されて発電を行なう燃料電池において、従来、供給するガスにおいて流れ不良が生じたときに起こる性能低下に対する対策が検討されてきた。特許文献1では、燃料電池を構成する単セルの電圧を検出して、電圧が低下したときにはガス流路において水詰まりが発生したと判断して、ガス流量を増加させて溜まった水を排出する(パージを行なう)構成が開示されている。
しかしながら、電圧低下等として検出される燃料電池の性能低下の原因は、ガス流路における水詰まりに限られるものではなく、パージを行なっても燃料電池の性能が回復しない場合があった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池で性能低下が起こったとき、あるいは性能低下を引き起こすガスの流れ不良が生じたときに、速やかに燃料電池の性能を回復させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の燃料電池システムは、燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池に対して、水素を含有する燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、
前記燃料電池内部に形成され、前記燃料ガスが流れる燃料ガス流路と、
前記燃料電池に供給される前記燃料ガス中の不純物を除去する不純物除去部と、
前記燃料ガス流路における水詰まりを解消する水詰まり解消部と、
前記燃料ガス流路における前記燃料ガスの流れ不良を検知する流れ不良検知部と、
前記不純物の除去を前記流れ不良の検知に関わらず所定のタイミングで実行するように、前記不純物除去部を制御する不純物除去制御部と、
前記流れ不良検知部が前記流れ不良を検知したときに、前記不純物除去制御部が制御する前記タイミングに関わらず、前記不純物除去部および/または前記水詰まり解消部を制御して、前記不純物の除去または前記水詰まりの解消のいずれか一方を実行させると共に、前記流れ不良が解消されないときにはさらに、前記不純物の除去または前記水詰まりの解消の他方を実行させる流れ不良解消制御部と
を備えることを要旨とする。
前記燃料電池に対して、水素を含有する燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、
前記燃料電池内部に形成され、前記燃料ガスが流れる燃料ガス流路と、
前記燃料電池に供給される前記燃料ガス中の不純物を除去する不純物除去部と、
前記燃料ガス流路における水詰まりを解消する水詰まり解消部と、
前記燃料ガス流路における前記燃料ガスの流れ不良を検知する流れ不良検知部と、
前記不純物の除去を前記流れ不良の検知に関わらず所定のタイミングで実行するように、前記不純物除去部を制御する不純物除去制御部と、
前記流れ不良検知部が前記流れ不良を検知したときに、前記不純物除去制御部が制御する前記タイミングに関わらず、前記不純物除去部および/または前記水詰まり解消部を制御して、前記不純物の除去または前記水詰まりの解消のいずれか一方を実行させると共に、前記流れ不良が解消されないときにはさらに、前記不純物の除去または前記水詰まりの解消の他方を実行させる流れ不良解消制御部と
を備えることを要旨とする。
以上のように構成された本発明の第1の燃料電池システムによれば、燃料電池に供給される燃料ガスにおける流れ不良が生じたときに、その原因が、燃料ガス中の不純物増加であっても、燃料ガス流路における水詰まりであっても、速やかに流れ不良を解消することができる。すなわち、燃料ガスにおける流れ不良の原因を判別することが困難であっても、原因が、燃料ガス中の不純物増加あるいは燃料ガス流路における水詰まりである場合には、燃料電池システムを停止させることなく、ガス流れ不良を解消することができる。これにより、燃料ガスの流れ不良に起因して燃料電池の性能が低下するのを防止することができる。
本発明の第1の燃料電池システムにおいて、
前記流れ不良検知部は、前記流れ不良に代えて、前記流れ不良が原因となり得る前記燃料電池の性能低下を検知し、
前記流れ不良解消制御部は、前記流れ不良検知部が前記性能低下を検知したときに、前記不純物除去制御部が制御する前記タイミングに関わらず、前記不純物除去部および/または前記水詰まり解消部を制御して、前記不純物の除去または前記水詰まりの解消のいずれか一方を実行させると共に、前記性能低下が解消されないときにはさらに他方を実行させることとしても良い。
前記流れ不良検知部は、前記流れ不良に代えて、前記流れ不良が原因となり得る前記燃料電池の性能低下を検知し、
前記流れ不良解消制御部は、前記流れ不良検知部が前記性能低下を検知したときに、前記不純物除去制御部が制御する前記タイミングに関わらず、前記不純物除去部および/または前記水詰まり解消部を制御して、前記不純物の除去または前記水詰まりの解消のいずれか一方を実行させると共に、前記性能低下が解消されないときにはさらに他方を実行させることとしても良い。
このような場合にも、燃料ガス中の不純物増加あるいは燃料ガス流路における水詰まりによって燃料ガスの流れ不良が生じたときに、速やかにガス流れ不良を解消することができる。
本発明の第1の燃料電池システムにおいて、さらに、
前記燃料ガス流路において水詰まりが生じているか否かを判定する水詰まり判定部を備え、
前記流れ不良解消制御部は、前記水詰まり判定部が前記燃料ガス流路において水詰まりが生じていると判定したときには、前記不純物の除去に優先して前記水詰まりの解消を実行させることとしても良い。
前記燃料ガス流路において水詰まりが生じているか否かを判定する水詰まり判定部を備え、
前記流れ不良解消制御部は、前記水詰まり判定部が前記燃料ガス流路において水詰まりが生じていると判定したときには、前記不純物の除去に優先して前記水詰まりの解消を実行させることとしても良い。
あるいは、本発明の第1の燃料電池システムにおいて、さらに、
前記燃料ガス中の不純物濃度が上昇しているか否かを判定する不純物増加判定部を備え、
前記流れ不良解消制御部は、前記不純物濃度増加判定部が前記不純物濃度が上昇していると判定したときには、前記水詰まりの解消に優先して前記不純物の除去を実行させることとしても良い。
前記燃料ガス中の不純物濃度が上昇しているか否かを判定する不純物増加判定部を備え、
前記流れ不良解消制御部は、前記不純物濃度増加判定部が前記不純物濃度が上昇していると判定したときには、前記水詰まりの解消に優先して前記不純物の除去を実行させることとしても良い。
これらの構成によれば、燃料ガスにおける流れ不良が検知されたときに、流れ不良の原因に対応した必要な対策が優先的に実行される可能性が高くなり、望ましい。
本発明の第1の燃料電池システムにおいて、
前記流れ不良解消制御部は、前記不純物の除去の動作と前記水詰まりの解消の動作とのうち、実行に伴い消費される水素量がより少ない動作を優先して行なわせることとしても良い。
前記流れ不良解消制御部は、前記不純物の除去の動作と前記水詰まりの解消の動作とのうち、実行に伴い消費される水素量がより少ない動作を優先して行なわせることとしても良い。
このような構成とすれば、消費される水素量がより少ない動作により燃料ガスの流れ不良が解消される場合には、消費される水素量がより多い動作を行なう必要がないため、システム全体で消費する水素量の増加を抑えることができる。
あるいは、本発明の第1の燃料電池システムにおいて、
前記流れ不良解消制御部は、前記不純物の除去の動作と前記水詰まりの解消の動作とのうち、実行に伴い外部に排出される水素量がより少ない動作を優先して行なわせることとしても良い。
前記流れ不良解消制御部は、前記不純物の除去の動作と前記水詰まりの解消の動作とのうち、実行に伴い外部に排出される水素量がより少ない動作を優先して行なわせることとしても良い。
このような構成とすれば、外部に排出される水素量がより少ない動作により燃料ガスの流れ不良が解消される場合には、外部に排出される水素量がより多い動作を行なう必要がないため、システム全体から外部に排出される水素量の増加を抑えることができる。
本発明の第2の燃料電池システムは、燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池に対して、水素を含有する燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、
前記燃料電池内部に形成され、前記燃料ガスが流れる燃料ガス流路と、
前記燃料電池に供給される前記燃料ガス中の不純物を除去する不純物除去部と、
前記燃料ガス流路における水詰まりを解消する水詰まり解消部と、
前記燃料ガス流路における前記燃料ガスの流れ不良を検知する流れ不良検知部と、
前記不純物の除去を前記流れ不良の検知に関わらず所定のタイミングで実行するように、前記不純物除去部を制御する不純物除去制御部と、
前記流れ不良検知部が前記流れ不良を検知したときに、前記不純物除去制御部が制御する前記タイミングに関わらず、前記不純物除去部および前記水詰まり解消部を制御して、前記不純物の除去と前記水詰まりの解消との両方を実行させる流れ不良解消制御部と
を備えることを要旨とする。
前記燃料電池に対して、水素を含有する燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、
前記燃料電池内部に形成され、前記燃料ガスが流れる燃料ガス流路と、
前記燃料電池に供給される前記燃料ガス中の不純物を除去する不純物除去部と、
前記燃料ガス流路における水詰まりを解消する水詰まり解消部と、
前記燃料ガス流路における前記燃料ガスの流れ不良を検知する流れ不良検知部と、
前記不純物の除去を前記流れ不良の検知に関わらず所定のタイミングで実行するように、前記不純物除去部を制御する不純物除去制御部と、
前記流れ不良検知部が前記流れ不良を検知したときに、前記不純物除去制御部が制御する前記タイミングに関わらず、前記不純物除去部および前記水詰まり解消部を制御して、前記不純物の除去と前記水詰まりの解消との両方を実行させる流れ不良解消制御部と
を備えることを要旨とする。
以上のように構成された本発明の第2の燃料電池システムによれば、燃料電池に供給される燃料ガスにおける流れ不良が生じたときに、その原因が、燃料ガス中の不純物増加であっても、燃料ガス流路における水詰まりであっても、速やかに流れ不良を解消することができる。すなわち、燃料ガスにおける流れ不良の原因を判別することが困難であっても、原因が、燃料ガス中の不純物増加あるいは燃料ガス流路における水詰まりである場合には、燃料電池システムを停止させることなく、ガス流れ不良を解消することができる。これにより、燃料ガスの流れ不良に起因して燃料電池の性能が低下するのを防止することができる。
本発明の第2の燃料電池システムにおいて、
前記流れ不良検知部は、前記流れ不良に代えて、前記流れ不良が原因となり得る前記燃料電池の性能低下を検知し、
前記流れ不良解消制御部は、
前記流れ不良検知部が前記性能低下を検知したときに、前記不純物除去制御部が制御する前記タイミングに関わらず、前記不純物除去部および前記水詰まり解消部を制御して、前記不純物の除去と前記水詰まりの解消との両方を実行させることとしても良い。
前記流れ不良検知部は、前記流れ不良に代えて、前記流れ不良が原因となり得る前記燃料電池の性能低下を検知し、
前記流れ不良解消制御部は、
前記流れ不良検知部が前記性能低下を検知したときに、前記不純物除去制御部が制御する前記タイミングに関わらず、前記不純物除去部および前記水詰まり解消部を制御して、前記不純物の除去と前記水詰まりの解消との両方を実行させることとしても良い。
このような場合にも、燃料ガス中の不純物増加あるいは燃料ガス流路における水詰まりによって燃料ガスの流れ不良が生じたときに、速やかにガス流れ不良を解消することができる。
本発明の第1または第2の燃料電池システムにおいて、前記流れ不良検知部は、前記燃料電池における前記燃料ガスの圧力損失が基準値以上であることにより、前記流れ不良を検知することとしても良い。
このような構成とすれば、燃料電池から排出されるアノード排ガスの圧力と、燃料電池に供給される燃料ガスの圧力との差に基づいて、燃料ガスの流れ不良を簡便に検出することができる。
あるいは、本発明の第1または第2の燃料電池システムにおいて、前記流れ不良検知部は、前記燃料電池における出力電流に対する出力電圧の値が基準電圧以下であることにより、前記性能低下を検知することとしても良い。
このような構成とすれば、燃料電池において、出力電圧の低下という性能低下を検出したときに、不純物除去動作および/または水詰まり解消動作を行なうことで、性能低下の原因が、燃料ガス中の不純物濃度上昇あるいは燃料ガス流路における水詰まりである場合には、速やかに性能低下を解消することができる。
本発明の第1または第2の燃料電池システムにおいて、
前記燃料ガス供給部は、前記燃料ガスとして水素ガスを供給し、
前記燃料電池システムは、さらに、
前記燃料ガス供給部が前記燃料電池に供給する前記水素ガスに対して、前記燃料電池から排出されるアノード排ガスを混合する水素ガス循環部を備え、
前記不純物除去部は、前記アノード排ガスの一部を外部に排出することによって不純物を除去することとしても良い。
前記燃料ガス供給部は、前記燃料ガスとして水素ガスを供給し、
前記燃料電池システムは、さらに、
前記燃料ガス供給部が前記燃料電池に供給する前記水素ガスに対して、前記燃料電池から排出されるアノード排ガスを混合する水素ガス循環部を備え、
前記不純物除去部は、前記アノード排ガスの一部を外部に排出することによって不純物を除去することとしても良い。
このような場合には、循環する水素ガス中の不純物濃度が上昇した場合にも、水素ガス流路に水詰まりが起こった場合にも、燃料電池システムを停止することなく速やかに解消することができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、燃料電池システムの運転方法などの形態で実現することが可能である。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の全体構成:
B.不純物除去の制御:
C.ガス流れ不良検知時の制御:
D.変形例:
A.装置の全体構成:
B.不純物除去の制御:
C.ガス流れ不良検知時の制御:
D.変形例:
A.装置の全体構成:
図1は、本発明の実施例である燃料電池システム10の構成の概略を表わすブロック図である。燃料電池システム10は、発電の本体である燃料電池22と、燃料電池22に供給する水素を貯蔵する水素タンク23と、燃料電池22に圧縮空気を供給するためのエアコンプレッサ24と、を備えている。燃料電池22としては種々の種類の燃料電池を用いることが可能であるが、本実施例では、燃料電池22として固体高分子型燃料電池を用いている。この燃料電池22は、複数の単セルを積層したスタック構造を有している。
図1は、本発明の実施例である燃料電池システム10の構成の概略を表わすブロック図である。燃料電池システム10は、発電の本体である燃料電池22と、燃料電池22に供給する水素を貯蔵する水素タンク23と、燃料電池22に圧縮空気を供給するためのエアコンプレッサ24と、を備えている。燃料電池22としては種々の種類の燃料電池を用いることが可能であるが、本実施例では、燃料電池22として固体高分子型燃料電池を用いている。この燃料電池22は、複数の単セルを積層したスタック構造を有している。
水素タンク23は、例えば、高圧水素を貯蔵する水素ボンベとすることができる。あるいは、水素吸蔵合金を内部に備え、水素吸蔵合金に吸蔵させることによって水素を貯蔵するタンクとしても良い。水素タンク23に貯蔵された水素ガスは、水素ガス供給路60に放出される。水素ガス供給路60には、圧力調整弁62が設けられており、圧力調整弁62と燃料電池22との間には、水素ガス供給路60内の水素ガスの圧力を検出する圧力センサ50が設けられている。この圧力センサ50の検出値に基づいて圧力調整弁62が駆動されることで、水素タンク23から放出された水素ガスは所定の圧力に調整されて、燃料電池22のアノードに供給される。また、圧力調整弁62の上流側には、水素ガスの流量を検出するマスフロメータ54が設けられている。
アノードから排出されるアノード排ガスは、アノード排ガス路63に導かれて再び水素ガス供給路60に流入する。すなわち、アノード排ガス路63は、圧力調整弁62の下流側で、水素ガス供給路60に接続している。このように、アノード排ガス中の残余の水素ガスは流路内を循環して再度電気化学反応に供される。アノード排ガスを循環させるために、アノード排ガス路63には、水素ポンプ65が設けられている。水素ポンプ65は、ポンプ駆動用の交流モータであるポンプモータ65aを備えている。さらに、アノード排ガス路63には、アノード排ガス路63内のアノード排ガスの圧力を検出する圧力センサ52と、アノード排ガスの温度を検出する温度センサ56とが設けられている。
また、アノード排ガス路63から分岐して、排ガス排出路64が設けられている。この排ガス排出路64は、開閉弁66を備えている。開閉弁66を開状態とすることで、アノード排ガス路63を流れるアノード排ガスの一部を、排ガス排出路64を介して外部に排出可能となる。
ここで、排ガス排出路64は、排ガス排出路64よりも断面積が大きい容器である希釈器26に接続されている。この希釈器26は、アノード排ガスを外部に排出する際に、アノード排ガス中の水素を、排出に先立って後述するカソード排ガスによって希釈するための構造である。
また、アノード排ガス路63には、気液分離器27が設けられている。電気化学反応の進行に伴ってカソードでは水が生じるが、生じた水は、電解質膜を介してアノード側のガス内にも導入される。気液分離器27は、このようにしてアノード排ガス中に溜まった水蒸気を凝縮させて、アノード排ガス中から除去する。
エアコンプレッサ24は、加圧した空気を酸化ガスとして酸化ガス供給路67を介して燃料電池22のカソードに供給する。エアコンプレッサ24が空気を圧縮する際には、フィルタを備えたマスフロメータ28を介して、外部から空気を取り込む。カソードから排出されるカソード排ガスは、カソード排ガス路68に導かれて外部に排出される。ここで、酸化ガス供給路67およびカソード排ガス路68は、加湿モジュール25を経由している。加湿モジュール25では、酸化ガス供給路67の壁面の一部とカソード排ガス路68の壁面の一部とが接触しており、この接触部には、水蒸気透過性の膜が配設されている。水蒸気透過性の膜によって酸化ガス供給路67とカソード排ガス路68とを隔てることで、カソード排ガス側から加圧空気側に水蒸気が供給可能となっている。すなわち、カソード排ガスは、電気化学反応に伴って生じた生成水を水蒸気の状態で含有するが、加湿モジュール25では、上記水蒸気を含有するカソード排ガスを用いて、カソードに供給する加圧空気の加湿を行なっている。また、カソード排ガス路68において、燃料電池22と加湿モジュール25との間には圧力調整弁32が設けられており、燃料電池22と圧力調整弁32との間には圧力センサ33が設けられている。上記圧力センサ33の検出信号に基づいて圧力調整弁32の開度を調節することで、燃料電池22から排出されるカソード排ガスの圧力、すなわち燃料電池22内での酸化ガスの圧力が調節されている。燃料電池22では、圧力調整弁32によって酸化ガスの圧力を高く保つことで、電気化学反応の効率を向上させている。また、このカソード排ガス路68は、カソード排ガスを外部に導くのに先立って、既述した希釈器26を経由している。そのため、排ガス排出路64を介して希釈器26に流入したアノード排ガスは、希釈器26においてカソード排ガスと混合されることによって希釈されて、外部に排出される。
燃料電池システム10は、さらに、燃料電池22の運転温度が所定温度となるように燃料電池22を冷却するための冷却部40を備えている。冷却部40は、冷却水路41と、冷却ポンプ42と、ラジエータ29とを備えている。冷却水路41は、燃料電池22の内部とラジエータ29との間で冷却水が循環するように、冷却水を導く流路である。冷却ポンプ42は、冷却水路41内で冷却水を循環させる。ラジエータ29は、冷却ファンを備えており、燃料電池22内を経由して昇温した冷却水を冷却する。冷却水路41には、ラジエータ29に流入する冷却水温度を検出するための温度センサ43と、ラジエータ29から流出する冷却水温度を検出するための温度センサ44とが設けられている。この温度センサ43,44の検出結果に基づいて冷却ファンおよび冷却ポンプ42の駆動量を調節することで、燃料電池22の運転温度を制御している。なお、既述したエアコンプレッサ24や水素ポンプ65や冷却ポンプ42、あるいはラジエータファンや流路に設けた弁など、燃料電池22の発電に伴って動作する装置を、以後、燃料電池補機と呼ぶ。
燃料電池22には、燃料電池22を構成する個々の単セルの出力電圧を測定する電圧センサが設けられている。図1では、これら個々の単セルの出力電圧を測定する電圧センサ全体を、電圧センサ35として示してある。
また、燃料電池22には、燃料電池22から電力を供給される電力消費装置である負荷装置30が接続されている。なお、図1では、負荷装置30は、燃料電池システム10から独立した負荷として表わしているが、この負荷装置30には、既述した燃料電池補機が含まれる。すなわち、エアコンプレッサ24や水素ポンプ65等の燃料電池補機は、燃料電池22から電力を供給される。
さらに、燃料電池システム10は、燃料電池システム10の各部の動きを制御する制御部70を備えている。制御部は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを実行するCPUと、CPUで各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROMと、同じくCPUで各種演算処理をするのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAMと、各種の信号を入出力する入出力ポート等を備える。この制御部70は、既述した温度センサ43,44等の各種センサの検出信号や、負荷装置30における負荷要求に関する情報などを取得する。また、燃料電池システム10が備えるポンプや流路に設けられた弁やラジエータファンなど、燃料電池22の発電に関わる各部に駆動信号を出力する。なお、図1では、燃料電池システム10の構成要素と制御部70との間で信号のやり取りがなされる様子を表わすために、制御部70を燃料電池システム10の外部に記載している。
B.不純物除去の制御:
本実施例の燃料電池システム10は、アノード排ガス路63を水素ガス供給路60に接続して、アノード排ガスを再び電気化学反応に供する構成となっている。このように、燃料電池22とアノード排ガス路63との間で水素ガスを循環させると、電気化学反応の進行に伴って、水素ガス中にもともと微量に含まれていた窒素等の不純物が濃縮されることによって、水素ガス中の不純物濃度が上昇する。また、窒素を含有する空気が供給されるカソード側からアノード側に窒素がリークすることによっても、水素ガス中の窒素濃度が上昇する。本実施例の燃料電池システム10では、アノード排ガス路63と、このアノード排ガス路63よりも低圧な希釈器26とを連通させて、両者の圧力差を利用することによって、アノード排ガスの一部をアノード排ガス路63から排出している。具体的には、所定の時間間隔で開閉弁66を開閉することによって、アノード排ガスの一部を外部に排出して、アノードに供給するガス中の窒素等の不純物濃度の上昇を抑えている。
本実施例の燃料電池システム10は、アノード排ガス路63を水素ガス供給路60に接続して、アノード排ガスを再び電気化学反応に供する構成となっている。このように、燃料電池22とアノード排ガス路63との間で水素ガスを循環させると、電気化学反応の進行に伴って、水素ガス中にもともと微量に含まれていた窒素等の不純物が濃縮されることによって、水素ガス中の不純物濃度が上昇する。また、窒素を含有する空気が供給されるカソード側からアノード側に窒素がリークすることによっても、水素ガス中の窒素濃度が上昇する。本実施例の燃料電池システム10では、アノード排ガス路63と、このアノード排ガス路63よりも低圧な希釈器26とを連通させて、両者の圧力差を利用することによって、アノード排ガスの一部をアノード排ガス路63から排出している。具体的には、所定の時間間隔で開閉弁66を開閉することによって、アノード排ガスの一部を外部に排出して、アノードに供給するガス中の窒素等の不純物濃度の上昇を抑えている。
アノードに供給するガス中の不純物濃度は、燃料電池22における発電量が増えるほど高くなる。そのため、開閉弁66を開放する動作は、例えば所定の時間間隔で行なうこととしても良いし、燃料電池22による発電量の積算値が所定値になる毎に行なうこととしても良い。本実施例では、燃料電池22の温度と燃料電池22の出力電流とに基づいて、開閉弁66を開弁する時間および閉弁する時間を定めるマップ(以下、通常排気マップと呼ぶ)を、制御部70内に記憶している。開閉弁66の開閉動作を制御する際には、燃料電池22の温度として、温度センサ43が検出する冷却水温を取得している。また、燃料電池システム10は、燃料電池22と負荷装置30とを接続する回路において図示しない電流計を備えており、この電流計によって燃料電池22の出力電流を検出している。制御部70は、燃料電池22の温度と出力電流とに基づいて上記通常排気マップを参照することで開弁・閉弁時間を決定し、決定した時間毎に開弁と閉弁の動作を繰り返すように、開閉弁66の開閉動作を制御している。
なお、エアコンプレッサ24によってカソードに供給される空気量は、負荷要求に応じて制御部70がエアコンプレッサ24を駆動することによって、制御されている。これにより、負荷要求が大きいほど供給される空気量は多くなり、所望量の電力を発生するための電気化学反応が進行するのに充分量の酸素がカソードに供給される。また、既述したように、希釈器26には、燃料電池22の出力電流等に基づくタイミングでアノード排ガスが導入されるが、上記のように負荷要求に応じて空気の流量調節が行なわれるときには、希釈器26では充分に水素の希釈が行なわれる。
C.ガス流れ不良検知時の制御:
図2は、本発明の燃料電池システム10の制御部70において実行されるガス流れ不良時制御処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンは、燃料電池システム10の稼働中に繰り返し実行される。
図2は、本発明の燃料電池システム10の制御部70において実行されるガス流れ不良時制御処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンは、燃料電池システム10の稼働中に繰り返し実行される。
本ルーチンが実行されると、制御部70は、内部に備えるタイマをリセットする(ステップS100)。さらに制御部70は、燃料電池22における燃料ガスの圧損Pを算出する(ステップS110)。ここで、燃料電池22における燃料ガスの圧損を算出するために、制御部70は、燃料電池22に導入される水素ガスの圧力として圧力センサ50の検出値を読み込み、燃料電池22から排出されるアノード排ガスの圧力として圧力センサ52の検出値を読み込む。そして、制御部70は、排出ガス圧と導入ガス圧との差として、圧損Pを算出する。
また、制御部70は、理論圧損値PA を求める(ステップS120)。この理論圧損値PA とは、燃料電池22に供給する水素ガスにおいて流れ不良が生じていない場合の圧損として予測される値であり、燃料電池22に供給される水素ガスの流量と燃料電池22の温度とに基づいて求められる。燃料電池22に供給される水素ガスの流量は、マスフロメータ54の検出値および/または水素ポンプ65の駆動量と、燃料電池22に接続される負荷の大きさ(燃料電池22の発電量)とに基づいて求められる。また、燃料電池22の温度として、本実施例では、温度センサ56が検出したアノード排ガス温度を用いている。本実施例の制御部70は、実験に基づいて、水素ガスの流量および燃料電池22の温度と、理論圧損値PA とを対応させたマップを予め記憶しており、ステップS120では、このマップを参照することによって理論圧損値PA を求める。
この理論圧損値PA を求める時には、さらに、水素ガス中の水蒸気量を推定して、推定した水蒸気量に基づいて、上記マップを参照して求めた値を補正することとしても良い。燃料電池22に供給される水素ガス中の水蒸気量が多いほど、水素ガスの粘性が変化して圧損が大きくなるため、水素ガス供給路60に再び導入されるアノード排ガス中の水蒸気量を推定することによって、理論圧損値PA の補正を行なうことができる。アノード排ガス中の水蒸気量は、燃料電池22における発電量の積算値に基づいて推定することができる。また、圧損に影響するガスの粘性は、ガスの温度によっても変化するため、理論圧損値PA の補正を行なう際には、水素ガス温度(燃料電池22の内部温度としても良い)をさらに考慮することとしても良い。
理論圧損値PA を求めると、制御部70は、この理論圧損値PA と、実測値である圧損Pとを比較する(ステップS130)。ステップS130において圧損Pが理論圧損値PA よりも大きいと判断すると、制御部70は、既述したタイマを参照して、圧損Pが理論圧損値PA を上回る経過時間tが、所定の基準時間t1 に達したか否かを判断する(ステップS140)。ステップS140において、経過時間tが所定の基準時間t1 に達していないと判断すると、制御部70は、ステップS110に戻り、ステップS110以降の工程を再び実行する。
ステップS140において経過時間tが所定の基準時間t1 に達したと判断すると、すなわち、圧損Pが理論圧損値PA よりも大きい状態が基準時間t1 以上の間継続したと判断すると、制御部70は、燃料電池22に供給する燃料ガスにおいて流れ不良が生じていると判断する。このときには、制御部70は、水素ポンプ65に駆動信号を出力し、脈動運転を行なわせる(ステップS150)。水素ポンプ65の脈動運転とは、水素ポンプ65のポンプモータ65aにおける回転数を所定期間繰り返し増減させることによって、燃料電池22に供給される水素ガスの流れを脈動させる動作をいう。なお、このように水素ガスの流れを脈動させる際にも、単位時間当たりに燃料電池22に供給される水素ガス流量は、脈動運転を行なわない通常の運転時に負荷の大きさに応じて定められる流量と同等となるように、制御されている。このように、水素ポンプ65における回転数を増減して水素ガスの流れを脈動させると、水素ガスの流路において水詰まりが生じている場合には、この水詰まりを解消することが可能となる。ステップS150において水素ポンプ65の脈動運転を行なう時間は、上記水詰まりが生じている場合に、水素ガスを脈動させることによってこの水詰まりを解消可能となる時間として、予め設定されている。
水素ポンプ65の脈動運転を上記所定時間実行すると、制御部70は、ステップS110およびステップS120と同様に、実測値である圧損Pと、水素ガスの流量と燃料電池22の温度とに基づいて求められる理論圧損値PA とを求める(ステップS160、ステップS170)。その後制御部70は、ステップS160で求めた圧損Pと、ステップS170で求めた理論圧損値PA とを比較する(ステップS180)。
ステップS180において、圧損Pが理論圧損値PA よりも大きいと判断すると、制御部70は、既述したタイマを参照して、圧損Pが理論圧損値PA を上回る経過時間tが、基準時間t1 を超える所定の基準時間t2 に達したか否かを判断する(ステップS190)。ステップS190において、経過時間tが所定の基準時間t2 に達していないと判断すると、制御部70は、ステップS160に戻り、ステップS160以降の工程を再び実行する。
ステップS190において経過時間tが所定の基準時間t2 に達したと判断すると、制御部70は、水素ポンプ65の脈動運転を行なっても、水素ガスにおける流れ不良が解消していないと判断する。このときには、制御部70は、既述した通常排気マップを参照して開閉弁66を開閉させてアノード排ガスの一部を排出する動作を変更し、積極的にアノード排ガスを排出する動作を行なう(ステップS200)。ここでは、圧損Pが大きいほど水素ガス中の不純物濃度が高いと判断して、圧損Pが大きいほど、開閉弁66における単位時間当たりの開弁時間が長くなるように制御する。なお、このように単位時間当たりの開弁時間を長くする際には、1回当たりの開弁時間は、開閉の動作に伴って水素ガスが脈動するように充分に短く設定されている。このように、開閉弁66における単位時間当たりの開弁時間を長くすることで、水素ガス中の不純物濃度が上昇している場合には、不純物濃度を低減することが可能となる。
また、ステップS200では、制御部70は、開閉弁66における単位時間当たりの開弁時間を長くする制御を行なう他に、エアコンプレッサ24の駆動量と、水素ポンプ65の駆動量とを補正する。エアコンプレッサ24では、駆動量を増大させて、燃料電池22に供給する酸化ガス量を増加させる制御が行なわれる。これにより、開閉弁66から排出される水素量が増大しても、希釈器26を介して外部に排出される水素が、カソード排ガスによって充分に希釈されるようになる。また、水素ポンプ65では、駆動量を増大させて、燃料電池22に供給される水素ガス流量を増加させる制御が行なわれる。これにより、開閉弁66の単位時間当たりの開弁時間を長くしても、燃料電池22に供給される水素ガス量が確保される。
ステップS200の処理の後に、制御部70は、ステップS110と同様に、実測値に基づいて圧損Pを求める(ステップS210)。さらに、制御部70は、理論圧損値PA を求める処理と同様に、燃料電池22に供給される水素ガスの流量と燃料電池22の温度とに基づいて、基準圧損値PB を求める(ステップS230)。ここで、基準圧損値PB とは、燃料電池22において、ガス流路における水詰まりや水素ガス中の不純物濃度の上昇以外の理由で圧損が上昇していることを判断するための基準値として、水素ガス流量および燃料電池22の温度に対応して予め定めたものである。本実施例の制御部70は、水素ガスの流量および燃料電池22の温度と、基準圧損値PB とを対応させたマップを予め記憶しており、ステップS230では、このマップを参照することによって基準圧損値PB を求める。なお、この基準圧損値PB は、既述した理論圧損値PA に比べて高い値に設定されている。水素ガス中の不純物濃度の上昇と、水素ガス流路における水詰まり以外に、燃料電池22で圧損が上昇する他の原因としては、例えば、ガス流路内への異物侵入を挙げることができる。固体高分子型燃料電池では、ガス流路内の環境は強酸雰囲気となるため、スタック構造を構成する部材からの脱落物がガス流路内に生じる場合がある。
その後制御部70は、ステップS210で求めた圧損Pと、ステップS220で求めた基準圧損値PB とを比較する(ステップS230)。ステップS230において、圧損Pが基準圧損値PB よりも大きいと判断すると、制御部70は、既述したタイマを参照して、経過時間tが、基準時間t2 を超える所定の基準時間t3 に達したか否かを判断する(ステップS240)。ステップS240において、経過時間tが所定の基準時間t3 に達していないと判断すると、制御部70は、ステップS210に戻り、ステップS210以降の工程を再び実行する。
ステップS240において経過時間tが所定の基準時間t3 に達したと判断すると、制御部70は、圧損が上昇している理由が、ガス流路における水詰まりや水素ガス中の不純物濃度の上昇以外の理由であると判断する。この場合には、圧損の上昇として検知されたガス流れ不良を、脈動運転やアノード排ガスの排出促進などの動作によって解消することはできないと判断されるため、制御部70は、燃料電池システム10を停止する処理を実行して(ステップS250)、本ルーチンを終了する。
なお、ステップS230において、経過時間tが所定の基準時間t3 に達する前に、圧損Pが基準圧損値PB 以下であると判断される場合には、水素ガス流路における水詰まりや水素ガス中の不純物濃度の上昇以外の原因によるガス流れ不良は起こっていないと判断される。この場合には、制御部70は、本ルーチンを終了する。なお、本ルーチンは燃料電池システム10の稼働中には繰り返し実行されるため、水素ガス流路における水詰まりや水素ガス中の不純物濃度の上昇が充分に解消されていないときには、再びこれらに対する処理が実行されることになる。
また、ステップS180において、経過時間tが所定の基準時間t2 に達する前に、圧損Pが理論圧損値PA 以下であると判断される場合には、水素ガス流路中の水詰まりを解消する動作によって、圧損が高い状態から回復したと判断される。そのため、この場合には、制御部70は、本ルーチンを終了する。
ステップS130において、圧損Pが理論圧損値PA 以下であると判断される場合には、燃料電池22の水素ガスの流路において、圧損の上昇を伴うガスの流れ不良は生じていないと判断される。このときには、さらに制御部70は、理論圧損値PA を求める処理と同様に、燃料電池22に供給される水素ガスの流量と燃料電池22の温度とに基づいて、基準圧損値PC を求める(ステップS260)。ここで、基準圧損値PC とは、燃料電池22において、圧損の低下を伴うガスの流れ不良が生じていることを判断するための基準値として、水素ガス流量および燃料電池22の温度に対応して予め定めてマップとして記憶しておいたものである。燃料電池22における圧損低下を伴うガス流れ不良としては、例えば、燃料電池22が備える固体高分子電解質膜が破損した場合が考えられる。
その後制御部70は、ステップS110で求めた圧損Pと、ステップS260で求めた基準圧損値PC とを比較する(ステップS270)。ステップS270において、圧損Pが基準圧損値PC よりも小さいと判断すると、制御部70は、既述したタイマを参照して、圧損Pが基準圧損値PC を下回る経過時間tが、基準時間t4 に達したか否かを判断する(ステップS280)。ステップS280において、経過時間tが所定の基準時間t4 に達していないと判断すると、制御部70は、ステップS110と同様に、再び圧損Pを算出する(ステップS290)。その後、制御部70は、ステップS260以降の工程を再び実行する。
ステップS280において経過時間tが所定の基準時間t4 に達したと判断すると、制御部70は、燃料電池22において圧損低下を伴うガス流れ不良が生じているものと判断する。この場合には、制御部70は、燃料電池システム10を停止する処理を実行する(ステップS300)。さらに、この場合には、制御部70は、燃料電池システム10の各部を停止させた後に、エアコンプレッサ24を、所定の回転数で所定時間駆動した後に停止して(ステップS310)、本ルーチンを終了する。このように、最後にエアコンプレッサ24を駆動して、希釈器26内を掃気することによって、システム停止時に希釈器26内に濃度の高い水素ガスが滞留するのを防止している。
なお、ステップS270において、経過時間tが所定の基準時間t4 に達する前に、圧損Pが基準圧損値PC 以上であると判断される場合には、燃料電池22において圧損低下を伴うガス流れ不良は生じていないと判断される。そのため、この場合には、制御部70は、本ルーチンを終了する。
以上のように構成された本実施例の燃料電池システム10によれば、圧損が増大することで、燃料電池22に供給される水素ガスにおいてガス流れ不良が検出されたときには、水素ポンプ65の脈動運転が行なわれるため、水素ガスの流路で水詰まりが生じているときには、速やかに水詰まりが解消される。また、水素ポンプ65の脈動運転によっても圧損増大が解消されないときには、通常排気マップを参照して開閉弁66を開閉させる動作を変更し、単位時間当たりの開弁時間をより長くしてアノード排ガスの排出量を増加させるため、水素ガス中の不純物濃度が上昇しているときには、速やかに不純物濃度を低下させることができる。このように、いずれの原因で圧損が上昇している場合にも、圧損が高い状態から速やかに回復し、ガス流れ不良を解消することができる。これにより、水素ガスの流れ不良に起因して燃料電池の性能が低下するのを防止することができる。
燃料電池システム10では、通常排気マップに基づいて開閉弁66を開閉させることによって、水素ガス中の不純物濃度の上昇を抑える制御が常に行なわれている。しかしながら、このような制御を行なっても、通常排気マップに基づく予測を超えて水素ガス中の不純物濃度が上昇した場合には、水素ガスの流路においてガス流れ不良が起こってしまう。このように燃料電池22の圧損増大を検出した場合に、燃料電池に供給するガスにおいて生じた流れ不良に対する対策として、従来知られるように水詰まりの解消のための動作しか行なわないならば、ガス流れ不良を解消することはできない。また、原因が水詰まりであっても不純物濃度の上昇であっても、圧損が上昇する状態から原因を判別することができない。本実施例によれば、いずれの原因であっても速やかにガス流れ不良を解消できる。また、本実施例によれば、圧損増大として検出されるガス流れ不良のうち、ガス流路における水詰まりと水素ガス中の不純物増加とのいずれかが原因である場合には、発電を継続しつつガス流れ不良を解消することができるという効果を奏する。したがって、ガス流れ不良が検出されたときに、必要以上に燃料電池システムを停止させることがない。
なお、本実施例では、ステップS200において、開閉弁66の単位時間当たりの開弁時間を長くする制御を行なう際に、1回当たりの開弁時間は、開閉の動作に伴って水素ガスが脈動するように充分に短く設定している。そのため、水素ガス中の不純物除去の動作を定常時よりも積極的に行なう動作において、さらにガス流路中の水詰まりを解消する効果を得ることができる。従って、水素ガスの流路において水詰まりが生じており、ステップS150で充分に水詰まりを解消できなかった場合であっても、ステップS200の不純物除去の動作において、さらに水詰まりの解消を図ることができる。実施例では、ガスの流れ不良検知時に水詰まり解消の動作を先に実行しているが、このように、一方の動作が水詰まりの解消と不純物除去との両方を実現する効果を有する場合には、その動作を優先的に行なうこととしても良い。これにより、ガス流れ不良の原因が、不純物増加と水詰まりとのいずれであっても、ガス流れ不良をより早く解消することが可能となる。
また、本実施例では、圧損の上昇が検出されたときに、水素ガス中の不純物除去に優先して水素ポンプ65の脈動運転を行なうため、圧損増大の原因が水詰まりであるときには、外部に排出する水素量が増加することがない。したがって、圧損増大が検出されたときに、図2に従う順序で処理を行なうことで、燃料電池システム10から外部に排出される水素量の増加を抑えることができる。
あるいは、圧損増大が検出されたときに、システム全体としての水素消費量が少ない方の動作を優先して行なうこととしても良い。水素ポンプ65の脈動運転を行なう際には、水素ポンプ65における電力消費量が増加するため、燃料電池22で発電すべき電力量が増え、これによって消費水素量が増加する。開閉弁66の開弁時間を長くする制御を行なう際には、外部に排出する水素量が増えることによって消費水素量が増加すると共に、エアコンプレッサ24および水素ポンプ65の回転数を補正することによって電力消費量が増加して水素消費量が増加する。このような水素消費量の増加の程度を比較して、水素消費量の増加の程度が小さい方の動作を優先して行なうこととしても良い。
また、圧損が増大することで、水素ガスにおけるガス流れ不良が検知されたときに、さらに、その原因が水詰まりであるか水素ガス中の不純物濃度の上昇であるかを判定することとしても良い。例えば、燃料電池22に設けた電圧センサ35が検出する個々の単セルの出力電圧を参照して、出力電流に対する出力電圧の値が、特定の単セルで局部的に低下している時には、この電圧低下が起こっている単セルにおいて水詰まりが生じている可能性が高いと考えられる。また、燃料電池22を構成する単セル全体で、出力電流に対して電圧低下が起こっている場合には、圧損増大の原因が水素ガス中の不純物濃度の上昇である可能性が高いと考えられる。したがって、個々の単セルの出力電圧に基づいてガス流れ不良の原因を判定し、判定したガス流れ不良の原因を解消するための動作を優先して行なうこととすれば、不要な動作を行なうことなくガス流れ不良を解消できる可能性が高まる。
なお、ガス流れ不良の原因を判定する他の方法として、燃料電池22における温度分布を検出することとしても良い。燃料電池22の複数箇所に温度センサを設け、温度分布状態を検出可能とすれば、圧損増大時に局所的に温度が低下したときには、この温度低下部位で水詰まりが生じていると判定することが可能である。
既述した実施例では、圧損増大を検出した時には、水素ポンプ65の脈動運転を行なう制御と、開閉弁66の開閉時間を長くする制御とは、別々に行なうこととしたが、同時に行なうこととしても良い。このような構成とすれば、ガス流れ不良の原因に関わらず、また、必要な動作が後回しになることなく、直ちにガス流れ不良を解消することができる。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
実施例では、ガス流路における水詰まり解消のための動作として水素ポンプ65を脈動運転させる制御を行ない、水素ガス中の不純物濃度低減のための動作として、開閉弁66の開弁時間を長くする制御を行なったが、異なる制御を行なっても良い。例えば、水詰まり解消のための動作として、燃料電池22の温度を上昇させる制御を行なうこととしても良い。燃料電池22の温度を上昇させることにより、燃料電池22内での水の気化を促進し、水詰まりを解消することが可能となる。燃料電池22の温度を上昇させるためには、例えば、燃料電池22の発電量を増加させる、あるいは、ラジエータ29におけるラジエータファンを停止させる、等の動作を行なうことができる。さらに、冷却部40において、冷却水路41から分岐してラジエータ29をバイパスする流路を設け、冷却水の流路を切り替えて、ラジエータ29を経由しないように冷却水を循環させることとしても良い。
実施例では、ガス流路における水詰まり解消のための動作として水素ポンプ65を脈動運転させる制御を行ない、水素ガス中の不純物濃度低減のための動作として、開閉弁66の開弁時間を長くする制御を行なったが、異なる制御を行なっても良い。例えば、水詰まり解消のための動作として、燃料電池22の温度を上昇させる制御を行なうこととしても良い。燃料電池22の温度を上昇させることにより、燃料電池22内での水の気化を促進し、水詰まりを解消することが可能となる。燃料電池22の温度を上昇させるためには、例えば、燃料電池22の発電量を増加させる、あるいは、ラジエータ29におけるラジエータファンを停止させる、等の動作を行なうことができる。さらに、冷却部40において、冷却水路41から分岐してラジエータ29をバイパスする流路を設け、冷却水の流路を切り替えて、ラジエータ29を経由しないように冷却水を循環させることとしても良い。
また、水詰まり解消のための動作として、燃料電池22に供給する水素ガスの圧力を上昇させる制御を行なうこととしても良い。すなわち、負荷要求に応じて水素ポンプ65の駆動量を設定する時に、水素ポンプ65の駆動量をより大きく設定することとしても良い。このように、水素ガス流量を増大させることによっても、水詰まりの解消を促すことができる。
なお、水素ポンプ65の脈動運転を行なって水詰まり解消を図る時に、水素ポンプ65による水素ガスの加圧の程度を全体的に上昇させることとしても良い。このような場合には、水素ポンプ65における消費電力が増加するため、燃料電池22を冷却する動作を抑えるならば、脈動の効果と水素ガス圧上昇の効果に加えて、さらに、燃料電池22の温度が上昇する効果によっても水詰まりを解消することができる。
D2.変形例2:
実施例では、圧損増加を検出することにより、燃料電池22に供給される水素ガスにおいて生じているガス流れ不良を検知したが、異なる方法で上記ガス流れ不良を検出しても良い。あるいは、上記ガス流れ不良が原因となり得る燃料電池22における性能低下を検知することとしても良い。このような燃料電池22の性能低下として、例えば、燃料電池22における出力電流に対する出力電圧の低下を検知することとしても良い。水素ガス流路で水詰まりが起こったときには、電気化学反応に供されるガスの流れが阻害されるため出力電圧が低下する。また、水素ガス中の不純物濃度が上昇したときにも出力電圧が低下する。この場合には、燃料電池22全体の出力電圧の低下を検知することとしても良いが、個々の単セルの出力電圧に基づいて判断することで、より精度良く、ガス流れ不良に起因する燃料電池22における出力電圧の低下を検知することができる。なお、出力電圧の低下を検知する場合には、性能低下の原因が、水素ガス側にあるのか酸化ガス側にあるのか不明であるため、エアコンプレッサ24を制御して、酸化ガスについても脈動運転を行なうことが望ましい。
実施例では、圧損増加を検出することにより、燃料電池22に供給される水素ガスにおいて生じているガス流れ不良を検知したが、異なる方法で上記ガス流れ不良を検出しても良い。あるいは、上記ガス流れ不良が原因となり得る燃料電池22における性能低下を検知することとしても良い。このような燃料電池22の性能低下として、例えば、燃料電池22における出力電流に対する出力電圧の低下を検知することとしても良い。水素ガス流路で水詰まりが起こったときには、電気化学反応に供されるガスの流れが阻害されるため出力電圧が低下する。また、水素ガス中の不純物濃度が上昇したときにも出力電圧が低下する。この場合には、燃料電池22全体の出力電圧の低下を検知することとしても良いが、個々の単セルの出力電圧に基づいて判断することで、より精度良く、ガス流れ不良に起因する燃料電池22における出力電圧の低下を検知することができる。なお、出力電圧の低下を検知する場合には、性能低下の原因が、水素ガス側にあるのか酸化ガス側にあるのか不明であるため、エアコンプレッサ24を制御して、酸化ガスについても脈動運転を行なうことが望ましい。
D3.変形例3:
また、実施例では、燃料電池22のアノードに供給する燃料ガスとして水素ガスを用い、アノード排ガスを循環させて供給することとしたが、異なる構成としても良い。水素循環型の燃料電池システムに限らず、例えば改質反応で生成した改質ガスを燃料ガスとして用いるシステムにおいても本発明を適用することができる。改質ガスは通常、微量の一酸化炭素および二酸化炭素を不純物として含有しており、これらが燃料電池内の燃料ガス流路に蓄積される場合がある。したがって、本発明を適用することで、燃料ガス流路に不純物が蓄積された場合にも、燃料ガス流路で水詰まりが生じた場合にも、燃料ガスの流れにおけるガス流れ不良を速やかに解消することが可能となる。
また、実施例では、燃料電池22のアノードに供給する燃料ガスとして水素ガスを用い、アノード排ガスを循環させて供給することとしたが、異なる構成としても良い。水素循環型の燃料電池システムに限らず、例えば改質反応で生成した改質ガスを燃料ガスとして用いるシステムにおいても本発明を適用することができる。改質ガスは通常、微量の一酸化炭素および二酸化炭素を不純物として含有しており、これらが燃料電池内の燃料ガス流路に蓄積される場合がある。したがって、本発明を適用することで、燃料ガス流路に不純物が蓄積された場合にも、燃料ガス流路で水詰まりが生じた場合にも、燃料ガスの流れにおけるガス流れ不良を速やかに解消することが可能となる。
このとき、燃料ガス流路における水詰まり解消のためには、例えば燃料電池における発電量を増加させたり、燃料電池の冷却を抑えることによって、燃料電池の温度を上昇させることとすればよい。また、燃料ガス中の不純物除去のための動作としては、アノード排ガスを積極的に外部に排出する動作や、燃料電池に供給する燃料ガス流量を増加させる動作を挙げることができる。例えば、定常状態では、燃料ガス流量が所定値よりも小さい状態が続くときには、所定のタイミングで燃料ガス流量を強制的に増加させる制御を行ない、ガス流れ不良が検出されたときには、燃料ガス流量をさらに増加させて不純物除去を積極的に行なうこととすればよい。このとき、不純物除去の動作と水詰まり解消の動作とのいずれを優先的に実行するかは、既述したように、外部に排出する水素量や、システム全体で消費する水素量などに基づいて定めればよい。あるいは、不純物除去のために燃料ガス流量を一時的に増加させる場合には、この動作は水詰まり解消の効果も奏するため、燃料ガス流路の増加を優先的に実行させて、ガス流れ不良の原因に関わらず速やかにガス流れ不良の解消を図ることとしても良い。
10…燃料電池システム
22…燃料電池
23…水素タンク
24…エアコンプレッサ
25…加湿モジュール
26…希釈器
27…気液分離器
28…マスフロメータ
29…ラジエータ
30…負荷装置
32…圧力調整弁
33…圧力センサ
35…電圧センサ
40…冷却部
41…冷却水路
42…冷却ポンプ
43,44…温度センサ
50,52…圧力センサ
54…マスフロメータ
56…温度センサ
60…水素ガス供給路
62…圧力調整弁
63…アノード排ガス路
64…排ガス排出路
65…水素ポンプ
65a…ポンプモータ
66…開閉弁
67…酸化ガス供給路
68…カソード排ガス路
70…制御部
22…燃料電池
23…水素タンク
24…エアコンプレッサ
25…加湿モジュール
26…希釈器
27…気液分離器
28…マスフロメータ
29…ラジエータ
30…負荷装置
32…圧力調整弁
33…圧力センサ
35…電圧センサ
40…冷却部
41…冷却水路
42…冷却ポンプ
43,44…温度センサ
50,52…圧力センサ
54…マスフロメータ
56…温度センサ
60…水素ガス供給路
62…圧力調整弁
63…アノード排ガス路
64…排ガス排出路
65…水素ポンプ
65a…ポンプモータ
66…開閉弁
67…酸化ガス供給路
68…カソード排ガス路
70…制御部
Claims (13)
- 燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池に対して、水素を含有する燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、
前記燃料電池内部に形成され、前記燃料ガスが流れる燃料ガス流路と、
前記燃料電池に供給される前記燃料ガス中の不純物を除去する不純物除去部と、
前記燃料ガス流路における水詰まりを解消する水詰まり解消部と、
前記燃料ガス流路における前記燃料ガスの流れ不良を検知する流れ不良検知部と、
前記不純物の除去を前記流れ不良の検知に関わらず所定のタイミングで実行するように、前記不純物除去部を制御する不純物除去制御部と、
前記流れ不良検知部が前記流れ不良を検知したときに、前記不純物除去制御部が制御する前記タイミングに関わらず、前記不純物除去部および/または前記水詰まり解消部を制御して、前記不純物の除去または前記水詰まりの解消のいずれか一方を実行させると共に、前記流れ不良が解消されないときにはさらに、前記不純物の除去または前記水詰まりの解消の他方を実行させる流れ不良解消制御部と
を備える燃料電池システム。 - 請求項1記載の燃料電池システムであって、
前記流れ不良検知部は、前記流れ不良に代えて、前記流れ不良が原因となり得る前記燃料電池の性能低下を検知し、
前記流れ不良解消制御部は、前記流れ不良検知部が前記性能低下を検知したときに、前記不純物除去制御部が制御する前記タイミングに関わらず、前記不純物除去部および/または前記水詰まり解消部を制御して、前記不純物の除去または前記水詰まりの解消のいずれか一方を実行させると共に、前記性能低下が解消されないときにはさらに他方を実行させる
燃料電池システム。 - 請求項1または2記載の燃料電池システムであって、さらに、
前記燃料ガス流路において水詰まりが生じているか否かを判定する水詰まり判定部を備え、
前記流れ不良解消制御部は、前記水詰まり判定部が前記燃料ガス流路において水詰まりが生じていると判定したときには、前記不純物の除去に優先して前記水詰まりの解消を実行させる
燃料電池システム。 - 請求項1ないし3いずれか記載の燃料電池システムであって、さらに、
前記燃料ガス中の不純物濃度が上昇しているか否かを判定する不純物増加判定部を備え、
前記流れ不良解消制御部は、前記不純物濃度増加判定部が前記不純物濃度が上昇していると判定したときには、前記水詰まりの解消に優先して前記不純物の除去を実行させる
燃料電池システム。 - 請求項1記載の燃料電池システムであって、
前記流れ不良解消制御部は、前記不純物の除去の動作と前記水詰まりの解消の動作とのうち、実行に伴い消費される水素量がより少ない動作を優先して行なわせる
燃料電池システム。 - 請求項1記載の燃料電池システムであって、
前記流れ不良解消制御部は、前記不純物の除去の動作と前記水詰まりの解消の動作とのうち、実行に伴い外部に排出される水素量がより少ない動作を優先して行なわせる
燃料電池システム。 - 燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池に対して、水素を含有する燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、
前記燃料電池内部に形成され、前記燃料ガスが流れる燃料ガス流路と、
前記燃料電池に供給される前記燃料ガス中の不純物を除去する不純物除去部と、
前記燃料ガス流路における水詰まりを解消する水詰まり解消部と、
前記燃料ガス流路における前記燃料ガスの流れ不良を検知する流れ不良検知部と、
前記不純物の除去を前記流れ不良の検知に関わらず所定のタイミングで実行するように、前記不純物除去部を制御する不純物除去制御部と、
前記流れ不良検知部が前記流れ不良を検知したときに、前記不純物除去制御部が制御する前記タイミングに関わらず、前記不純物除去部および前記水詰まり解消部を制御して、前記不純物の除去と前記水詰まりの解消との両方を実行させる流れ不良解消制御部と
を備える燃料電池システム。 - 請求項7記載の燃料電池システムであって、
前記流れ不良検知部は、前記流れ不良に代えて、前記流れ不良が原因となり得る前記燃料電池の性能低下を検知し、
前記流れ不良解消制御部は、
前記流れ不良検知部が前記性能低下を検知したときに、前記不純物除去制御部が制御する前記タイミングに関わらず、前記不純物除去部および前記水詰まり解消部を制御して、前記不純物の除去と前記水詰まりの解消との両方を実行させる
燃料電池システム。 - 請求項1または7記載の燃料電池システムであって、
前記流れ不良検知部は、前記燃料電池における前記燃料ガスの圧力損失が基準値以上であることにより、前記流れ不良を検知する
燃料電池システム。 - 請求項2または8記載の燃料電池システムであって、
前記流れ不良検知部は、前記燃料電池における出力電流に対する出力電圧の値が基準電圧以下であることにより、前記性能低下を検知する
燃料電池システム。 - 請求項1ないし10いずれか記載の燃料電池システムであって、
前記燃料ガス供給部は、前記燃料ガスとして水素ガスを供給し、
前記燃料電池システムは、さらに、
前記燃料ガス供給部が前記燃料電池に供給する前記水素ガスに対して、前記燃料電池から排出されるアノード排ガスを混合する水素ガス循環部を備え、
前記不純物除去部は、前記アノード排ガスの一部を外部に排出することによって不純物を除去する
燃料電池システム。 - 燃料電池を備える燃料電池システムの運転方法であって、
(a)前記燃料電池に対して、水素を含有する燃料ガスを供給する工程と、
(b)前記燃料電池内部に形成され、前記燃料ガスが流れる燃料ガス流路における流れ不良を検知する工程と、
(c)前記燃料電池に供給される前記燃料ガス中の不純物の除去を、前記(b)工程による検知に関わらず所定のタイミングで実行する工程と、
(d)前記(b)工程により前記流れ不良が検知されたときに、前記(c)工程における前記所定のタイミングに関わらず、前記不純物の除去、または、前記燃料ガス流路における水詰まりの解消の、いずれか一方を実行すると共に、前記流れ不良が解消されないときにはさらに他方を実行する工程と
を備える燃料電池システムの運転方法。 - 燃料電池を備える燃料電池システムの運転方法であって、
(a)前記燃料電池に対して、水素を含有する燃料ガスを供給する工程と、
(b)前記燃料電池内部に形成され、前記燃料ガスが流れる燃料ガス流路における流れ不良を検知する工程と、
(c)前記燃料電池に供給される前記燃料ガス中の不純物の除去を、前記(b)工程による検知に関わらず所定のタイミングで実行する工程と、
(d)前記(b)工程により前記流れ不良が検知されたときに、前記(c)工程における前記所定のタイミングに関わらず、前記不純物の除去と、前記燃料ガス流路における水詰まりの解消との両方を実行する工程と
を備える燃料電池システムの運転方法。
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