JP5471052B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関し、特に、不純物を含む水素ガスの排出システムを備える燃料電池システムに関する。
車両の駆動源として用いられる燃料電池として、固体高分子電解質膜の両側にアノードとカソードを備え、アノードに燃料ガスとしての水素ガスを、カソードに酸化剤ガスとしての空気をそれぞれ供給して、これらの酸化還元反応により生じるエネルギを電気エネルギとして取り出すものが知られている。
このような燃料電池において、カソードに供給された空気中の窒素に一部は、固体高分子電解質膜を透過して、アノード側で水素ガスに混入する。また、当該酸化還元反応によりカソード側で生成された水の一部も、固体高分子電解質膜を透過して、アノード側へ侵入する。これらの水分や窒素等といった不純物は、燃料電池の発電を不安定にする要因となる。
そこで、特許文献1では、不純物を含む水素ガスを、水素循環流路中に設けた排出弁から燃料電池システム外部へ排出する不純物パージ制御を実行することによって、水素ガス中の不純物濃度を低減させている。ここでは、不純物パージ制御を実行する時間を、水素循環流路内と排出弁下流側との圧力差等の発電状態に応じて設定することで、水素ガスの排出量を、発電状態に応じた過不足のない量にすることを目的としている。
特開2005−141977号公報
しかしながら、特許文献1では、燃料電池システムを一定時間連続して運転したときに水素ガスの排出を実行する構成となっており、すべての運転領域で水素ガスの排出が実行され得る。このため、不純物パージ制御によって不純物とともに排出される水素ガス量が増大して、燃料電池システムの効率が低下してしまうという問題がある。
そこで、本発明では、不純物をパージすることによるシステムの効率の低下を抑制し得る燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明の燃料電池システムは、燃料ガスと空気中の酸素との電気化学反応により発電する燃料電池スタックと、燃料電池スタックの燃料極から排出された排出水素を燃料極に循環させるための循環経路及び循環手段とを備える。また、燃料極に燃料ガスを供給する供給経路及び循環経路を含むアノード系から排出水素を外部に排出するパージ弁と、パージ弁の開度を制御するパージ弁制御手段と、を備える。そして、燃料極に供給される燃料ガス中の窒素分圧を検知する燃料極窒素分圧検知手段と、空気極に供給される空気中の窒素分圧を検知する空気極窒素分圧検知手段と、燃料ガスの目標圧力を設定し、その目標圧力となるように燃料ガス圧力を制御する燃料ガス圧力制御手段とを備え、燃料ガス圧力制御手段は、空気中の窒素分圧が燃料ガス中の窒素分圧以上になる出力の範囲の下限が、目標圧力を燃料電池スタックに要求される発電量を実現するのに必要な圧力に設定した場合に比べて高出力側となるように、燃料ガスの目標圧力を燃料電池スタックに要求される発電量を実現するのに必要な圧力以上に設定し、燃料ガス中の窒素分圧が空気中の窒素分圧以上になる出力範囲で、パージ弁制御手段がパージ弁を開放する。
本発明によれば、アノード系からの排出水素のパージを、燃料ガス中の窒素分圧が空気中の窒素分圧以上になる運転領域でのみ行うので、全運転領域で行う場合よりもパージの頻度を低減させることができる。このため、燃料の利用効率が向上し、また燃料消費量が低減して、燃料電池システムの効率が向上する。
第1実施形態の燃料電池システムの構成図である。 第1実施形態で制御装置が実行する制御ルーチンを説明するためのフローチャートである。 アクセル操作量及び車速と必要電力の関係を示すマップである。 目標出力と目標カソードガス圧力との関係を示す図である。 目標カソードガス圧力及びカソード窒素分圧と目標アノードガス圧力との関係を示す図である。 ガス温度と飽和水蒸気圧力の関係を示す図である。 目標アノードガス圧力について説明するための図である。 パージを実施するか否かを判定する際の基準となる圧力について説明するための図である。 第1実施形態に係る燃料電池システムの動作を示すタイムチャートである。 燃料電池システムの負荷とその負荷で走行する頻度の関係を示す図である。 目標アノードガス圧力の設定方法の一例を示す図である。 第2実施形態の燃料電池システムの構成図である。 第2実施形態で制御装置が実行する制御ルーチンを説明するためのフローチャートである。 第2実施形態に係るアノード系内の水蒸気分圧の演算法について説明するための図である。
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムの構成を模式的に示すブロック図である。本燃料電池システムは、例えば、電動モータを駆動源とする移動体である車両に搭載されて、電動モータに電力を供給するものである。
燃料電池システムは、燃料電池スタック1と、燃料ガスを貯蔵する燃料タンク10と、燃料タンク10から燃料電池スタック1に燃料ガスを供給するための水素供給流路L1と、酸化剤ガスを供給するための空気供給流路L4と、を備える。
また、燃料電池スタック1の燃料極1aからの排出ガスを燃料極1aに循環させるための水素循環流路L2と、水素循環流路L2から不純物をパージするためのパージ流路L3と、酸化剤極1bからの排出ガスを外部に排出するための空気排出流路L5と、を備える。
さらに、燃料電池スタック1の出力を取り出すための出力取り出し装置2と、燃料電池システム全体を統合的に制御する制御装置3を備える。
燃料電池スタック1は、固体高分子電解質膜を介して燃料極1aと酸化剤極1bとが対設された燃料電池構造体を、セパレータを介して複数積層することにより構成される。そして、燃料極1aに燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤極1bに酸化剤ガスが供給されることにより、燃料ガス及び酸化剤ガスを電気化学的に反応させて電力を発生する。ここでは、燃料ガスとして水素を、酸化剤ガスとして空気を用いる場合について説明する。そして、燃料極1aと、燃料極1aに水素を供給するための水素供給流路L1と、水素循環流路L2とをアノード系といい、酸化剤極1bと、酸化剤極1bに空気を供給するための空気供給流路L4をカソード系という。
水素供給流路L1には、例えば高圧水素ボンベのような燃料タンク10の下流にタンク元バルブ11が設けられている。水素は、燃料タンク元バルブ11が開状態のときに、その下流に設けられた減圧弁12によって機械的に所定の圧力に減圧されて水素供給流路L1へ供給され、さらに下流に設けられた水素調圧バルブ13によって圧力が調整される。
タンク元バルブ11の開閉及び水素調圧バルブ13の開度は、制御装置3によって、燃料電池スタック1の燃料極1aにおける水素圧力が、例えば、電気化学的な反応に必要となる水素量となる圧力のような所望の圧力になるように制御される。
水素循環流路L2は、一方の端部が燃料極1aに接続され、他方の端部が水素調圧バルブ13と燃料極1aの間に設けられたエゼクタ14に接続されている。この水素循環流路L2には、水素を循環させるための水素循環ポンプ16が設けられており、これにより燃料電池スタック1からの排出ガスは燃料電池スタック1に再度循環させられる。また、水素循環流路L2には、パージバルブ17を備えるパージ流路L3が接続されている。
ところで、酸化剤ガスとして空気を用いる場合には、酸化剤極1bに供給された空気に含まれる不純物、例えば窒素、が燃料極1a側に透過することがある。不純物が透過することで燃料極1a及び水素循環流路L2を含む循環系内の不純物濃度が増加すると、水素分圧が低下し、これにより燃料電池スタック1の出力が低下する等の弊害が生じる。そこで、パージバルブ17の開閉状態を制御して、水素循環流路L2を流れる循環ガスを必要に応じて外部に排出することで、循環系内の不純物濃度を調整する。
空気供給流路L4には、コンプレッサ20が設けられている。このコンプレッサ20は外部から空気を取り込み、これを加圧して吐出する。加圧された空気は燃料電池スタック1の酸化剤極1bに供給される。
空気排出流路L5には、空気調圧バルブ21が設けられており、これにより燃料電池スタック1の酸化剤極1bにおける空気の圧力が調整される。
出力取り出し装置2は、燃料電池スタック1から例えば電流等の出力を制御するものである。ここで取り出された電力は、車両駆動用の電動モータ等のような電気負荷に供給される。
制御装置3は、燃料電池システムの状態に基づいて各種の演算を実行し、この演算結果を制御信号として各種アクチュエータに出力する。これにより、各種バルブの状態、水素循環ポンプ16、コンプレッサ20の回転速度、及び出力取り出し装置2による取り出し電流が制御される。制御装置3としては、例えばCPUと、ROMと、RAMと、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。
また、制御装置3には、システムの状態を検出するために、各種センサ等からの信号が入力される。例えば、燃料電池スタック1に供給される水素及び空気の流量及び圧力や、燃料電池スタック1から実際に取り出される取り出し電流や、燃料電池スタック1の総電圧や、燃料電池スタック1を構成する単位発電セルのセル電圧等をセンサにより検出し、特定する。
ここで、上記燃料電池システムに用いられている各種センサについて説明する。
電圧センサ32は、燃料電池スタック1の電圧、燃料電池スタック1を構成するセルの電圧、またはセル複数個によって構成されるセル群の電圧を計測するものである。電流センサ35は、燃料電池スタック1から取り出される電流を計測するものである。
カソード圧力センサ33は、空気供給流路L4のコンプレッサ20より酸化剤極1b側に設けられ、酸化剤極1bに供給される空気の圧力を検出するものである。
アノード圧力センサ34は、燃料供給流路L1のエゼクタ14より燃料極1a側に設けられ、燃料電池スタック1の燃料極1aに供給される水素の圧力を検出するものである。
アノード温度センサ36は、燃料極1a出口に設けられており、燃料電池スタック1の燃料極1aから排出されるガスの温度を検出するものである。
次に、制御装置3による燃料電池システムの制御について説明する。
図2は制御装置3が実行する制御ルーチンを説明するためのフローチャートである。この制御ルーチンは、例えば10ミリ秒毎のように所定時間毎に実行する。以下、ステップに従って説明する。
ステップS101では、燃料電池スタック1から取り出したい出力である目標出力を演算する。例えば、車両の動力源として燃料電池スタック1から供給される電力を使用する場合には、図3に示すような、運転者のアクセル操作量及び車速に応じて車両駆動用の電動モータ等の外部負荷に供給すべき電力を求めるマップをコントローラに予め記憶しておき、必要に応じてこのマップを検索する。目標出力を演算したらステップS102へ進む。
ステップS102では、目標出力に基づいて、酸化剤極1bの目標圧力である目標カソードガス圧力、及び目標流量である目標カソードガス流量を演算する。この演算は、例えば、目標とする圧力及び流量から定まる目標ガス動作点を目標出力から求めるマップを制御装置3に記憶しておき、これを検索することによって行う。
図4は、上記演算の結果得られた、目標出力と目標カソードガス圧力との関係を示す図である。図中の点線が目標カソードガス圧力を示している。さらに、目標カソードガス圧力と、供給される空気中の窒素濃度(通常では大気中の約80%)から、図中の一点鎖線のようにカソードの窒素分圧を求めることができる。
ステップS103では、ステップS101、S102での演算結果に基づいて、アノード系の目標圧力である目標アノードガス圧力、及び目標流量である目標アノードガス流量を設定する。図5は目標カソードガス圧力及びカソード窒素分圧と目標アノードガス圧力との関係を示す図である。ここでは、図中の実線にように、目標カソードガス圧力に対して、燃料電池スタック1の許容膜間差圧範囲内で、かつ水素供給系に用いる部品の耐圧限界以下となる圧力を目標アノードガス圧力設定する。なお、目標アノードガス圧力の設定については、後述する。
ステップS104では、ステップS103までに求めた目標出力等に基づいて、水素調圧バルブ13等の各種バルブの状態と、水素循環ポンプ16及びコンプレッサ20の回転速度と、出力取り出し装置2による取り出し電流と、についての制御を実行する。
ステップS105では、アノード圧力センサ34及びカソード圧力センサ33を用いて、アノード系ないしカソード系の圧力を検出する。また、アノード温度センサ36を用いて水素ガス温度を検出する。
ステップS106では、アノード系内の水蒸気分圧を演算する。ここでは、アノード系内を水蒸気飽和状態と仮定し、ステップS105にて検出した水素ガス温度を用いて、図6に示すようなガス温度と飽和水蒸気圧力の関係から、アノード系の水蒸気分圧を演算する。
ステップS107では、水素循環流路L2から不純物をパージするアノード不純物ガスパージ処理を実行するか否かを判定する。判定方法について、図7を用いて説明する。
図7の格子範囲は発電に必要となる水素分圧を示しており、点描範囲はステップS106で演算したアノード水蒸気分圧を示している。また、実線は目標アノードガス圧力を、点線は目標カソードガス圧力を、一点鎖線はカソード窒素分圧を、破線はアノード窒素分圧設定値を、それぞれ示している。
まず、ステップS103で設定した目標アノードガス圧力と、ステップS106で演算した水蒸気分圧と、取り出したい出力に応じた発電のために必要となる水素分圧と、から、アノード窒素分圧設定値を設定する。このアノード窒素分圧設定値は、発電に必要な水素分圧を確保して発電を継続することが可能な、アノード系内で保持することが許容される窒素分圧の設定値である。
つまり、燃料電池スタック1の安定した発電を継続させるためには、アノード不純物ガスパージ処理により、アノード系の窒素分圧をアノード窒素分圧設定値以下に制御する必要がある。ここで、カソード窒素分圧がアノード窒素分圧設定値を上回る負荷領域を領域W1とすると、領域W1においては、カソード系の不純物ガスが燃料極1a側に透過することで、アノード窒素分圧がアノード窒素分圧設定値を超える可能性がある。
そこで、図8に示す領域W1に対応した圧力範囲にあるか否かを判定し、当該圧力範囲にあると判定した場合にはアノード不純物ガスパージ処理の実行を要として、ステップS108へ進み、ないと判定した場合は処理を終了する。図8は領域W1と、アノードガス圧力及びカソードガス圧力の判定基準との関係について説明するための図である。同図に示すように、アノードガス圧力がPja以上、あるいはカソードガス圧力がPjc以上となる領域が領域W1に対応することがわかる。
ステップS108では、パージバルブ17を開状態にして、水素循環流路L2からの不純物ガスパージを実行する。
ここで、目標アノードガス圧力の設定方法について説明する。上述したとおり、目標アノードガス圧力は、目標カソードガス圧力に対して許容膜間差圧かつ水素系の部品耐圧以下、という上限圧力範囲内において任意に設定可能である。しかし、アノード不純物ガスパージ処理を実行する頻度を低くするためには、次のような設定方法が考えられる。
図10は燃料電池システムの負荷と、その負荷で運転する頻度との関係を示す図である。システムの使用環境によって異なるが、例えば車両で考えた場合に、アイドルや一定速度での巡航等、比較的低負荷での使用頻度と比して、坂道や発進といった比較的高負荷が要求される頻度は低くなることが想定される。そこで、相対的に頻度が低く、上記領域W1より高負荷な領域W2を設定する。図11はこのようにして設定した領域W2に基づいて目標アノードガス圧力を設定した場合を、図7と同様に示している。すなわち、領域W2の下限にあたるカソード窒素分圧を求め、その窒素分圧をアノード窒素分圧設定値(図11中の破線)に設定する。そして、発電に必要な水素分圧、及びアノード水蒸気分圧を加算して、目標アノードガス圧力を設定する。このような設定方法によれば、運転中に出現する頻度を考慮して、アノード不純物ガスパージ処理の頻度を低減することができる。
図9は、燃料電池システム運転中の、アノードガス圧力及びカソードガス圧力の変動と、アノード不純物ガスパージ処理を実行するか否かの判定結果について示したタイムチャートである。
T1で出力上昇の要求があると、それに従い、アノードガス圧力、カソードガス圧力も上昇させることになる。ここで、アノード系側は、高圧な上流供給水素圧力を水素調圧バルブ13で調圧するだけなのに対し、カソード系側は、コンプレッサ20の駆動が必要となるため、圧力上昇に相対的な遅れを伴うことが一般的である。
制御装置3では、検出したアノードガス圧力またはカソードガス圧力が、それぞれ領域W1に対応する判定圧力Pja、あるいはPjc以上の圧力になっているか否かの判定を行い、いずれかが判定圧力を超えている場合にはアノード不純物ガスパージ処理を実行するよう判定し、判定値をclearからsetにする。ここでは、T2においてアノードガス圧力がPjaに達したので、ここでsetする。
その後、出力要求は一定となり、T3以降は低下し始める。これに伴い、アノードガス圧力、カソードガス圧力も同様に減圧させるが、空気調圧バルブ21を開放することで減圧ができるカソード系に対して、アノード系の減圧は相対的な遅れを伴うことが一般的である。制御装置3では、検出したアノードガス圧力とカソードガス圧力が、それぞれ領域W1に対応する判定圧力PjaとPjcより低い圧力になっているか否かの判定を行い、判定値をclearする。ここでは、T4でclearしている。
上記のような制御を実行することで、アノード不純物ガスパージ処理は特定の負荷領域でのみ実行されることとなる。このため、全負荷領域で当該処理を実行する場合に比べて実行する頻度を低減し、燃料電池システムの燃費向上を図ることができる。
以上により本実施形態では、次のような効果を得ることができる。
(1)空気中の窒素分圧が水素ガス中の窒素分圧以上になる運転領域で、パージバルブ17を開放してアノード不純物ガスパージ処理を実行するので、全運転領域でパージ処理を許容するシステムに比べて、パージ処理頻度を低減できる。その結果、燃料電池システムの効率を向上させることができる。
(2)目標アノードガス圧力を、燃料電池スタック1に要求される発電量を実現するのに必要な圧力以上に設定するので、パージ処理を実行する運転領域をより高負荷側にすることができる。これにより、燃料電池システムの燃料消費率を低減することができる。
(3)目標アノードガス圧力を、アノード系部品の耐圧強度以下に設定するので、アノード系部品の耐久性を確保できる。
(4)目標アノードガス圧力を、燃料電池スタック1の電解質膜の許容膜間差圧以下となるように設定するので、燃料電池スタック1の耐久性を確保できる。
(5)アノードガス温度が高いほど目標アノードガス圧力を高く設定するので、必要な水素流量を確保できる。このため、水素スタベーションによる燃料電池スタック1の性能低下を防止できる。
第2実施形態について説明する。
図12は、本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムの構成を模式的に示すブロック図である。基本的な構成は図1と同様であるが、燃料極1a出口に湿度センサ37を設けた点が異なる。
図13は、本実施形態において制御装置3が実行する制御ルーチンを説明するためのフローチャートである。
ステップS201からS204と、ステップS207とステップS208の処理については、図2のステップS101からS104と、ステップS107とステップS108の処理と同様なので、説明を省略する。
ステップS205では、制御装置3はアノード圧力センサ34とカソード圧力センサ33を用いて、アノード系及びカソード系の圧力を検出する。また、アノード温度センサ36とアノード湿度センサ37を用いて、アノードガス温度とアノードガス湿度も検出する。
ステップS206では、ステップS205で検出したアノードガス温度を用いて燃料極1a内の飽和水蒸気圧、つまりアノード側の水蒸気分圧を演算する点については第1実施形態と同様であるが、本実施形態では、アノード湿度も考慮して演算する。図14は本実施形態の飽和水蒸気圧を演算するためのブロック図である。図6と同様にアノードガス温度に基づいて飽和水蒸気圧を求め、これにアノードガス湿度を乗じたものをアノード側の水蒸気分圧とする。
このような構成にすることで、アノード系の水蒸気分圧をより精度よく検出することができ、以ってアノード不純物ガスパージ処理を行う頻度を低減する効果をより高めることができる。
以上により本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果に加え、さらに次のような効果が得られる。
(6)アノードガス湿度が高いほど目標アノードガス圧力を高く設定するので、必要な水素流量を確保できる。このため、水素スタベーションによる燃料電池スタック1の性能低下を防止できる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。例えば、上述した実施形態では、アノードオフガスを再び燃料電池スタック1に供給するための循環ポンプ16と、水素循環流路L2と、エゼクタ14とを備える構成としているが、これらを廃して、アノードオフガスをパージバルブ17との間の閉鎖された経路内に閉じ込める、いわゆるデッドエンドシステムへ適用することも可能である。
また、燃料電池システムは、車両の動力源として搭載されたものに限らず、定置式のシステムであってもよい。
1 燃料電池スタック
2 出力取り出し装置
3 制御装置
10 燃料タンク
11 タンク元バルブ
12 減圧弁
13 水素調圧バルブ
14 エゼクタ
16 水素循環ポンプ
17 パージバルブ
20 コンプレッサ
21 空気調圧バルブ
32 電圧センサ
33 カソード圧力センサ
34 アノード圧力センサ
35 電流センサ
36 アノード温度センサ
37 アノード湿度センサ

Claims (5)

  1. 燃料極に供給された燃料ガスと空気極に供給された空気中の酸素との電気化学反応により発電する燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックの燃料極から排出された排出水素を前記燃料極に循環させるための循環経路及び循環手段と、
    燃料極に燃料ガスを供給する供給経路及び前記循環経路を含むアノード系から前記排出水素を外部に排出するパージ弁と、
    前記パージ弁の開度を制御するパージ弁制御手段と、
    前記燃料極に供給される燃料ガス中の窒素分圧を検知する燃料極窒素分圧検知手段と、
    前記空気極に供給される空気中の窒素分圧を検知する空気極窒素分圧検知手段と、
    燃料ガスの目標圧力を設定し、その目標圧力となるように燃料ガス圧力を制御する燃料ガス圧力制御手段と、
    を備え、
    前記燃料ガス圧力制御手段は、前記空気中の窒素分圧が前記燃料ガス中の窒素分圧以上になる出力の範囲の下限が、前記目標圧力を前記燃料電池スタックに要求される発電量を実現するのに必要な圧力に設定した場合に比べて高出力側となるように、前記燃料ガスの目標圧力を燃料電池スタックに要求される発電量を実現するのに必要な圧力以上に設定し、
    前記空気中の窒素分圧が前記燃料ガス中の窒素分圧以上になる出力範囲で、前記パージ弁制御手段が前記パージ弁を開放することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料ガス圧力制御手段は、前記燃料ガスの目標圧力を、前記燃料電池スタックを含むアノード系の部品の耐圧強度以下になるように設定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料ガス圧力制御手段は、前記燃料ガスの目標圧力を、前記燃料電池スタックの電解質膜の許容膜間差圧以下となるように設定することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記アノード系内のガス温度であるアノードガス温度を検知するアノードガス温度検知手段をさらに備え、
    前記燃料ガス圧力制御手段は、前記アノードガス温度が高いほど前記燃料ガスの目標圧力を高く設定することを特徴とする請求項2または3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記アノード系内のガスの湿度であるアノードガス湿度を検知するアノードガス湿度検知手段をさらに備え、
    前記燃料ガス圧力制御手段は、前記アノードガス湿度が高いほど前記燃料ガスの目標圧力を高く設定することを特徴とする請求項2から4のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
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