JP4604512B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、単電池からなる燃料電池、または単電池が複数積層されてなる燃料電池を含む燃料電池システムに関する。
燃料電池作動中における燃料電池内の燃料ガス(水素リッチガス)の流動態様としては、(1)反応に用いられた燃料ガス(アノード排出ガス)が再度、燃料極に投入される循環型の燃料電池に見られる、燃料電池内に燃料ガスの流動が存在する態様、(2)燃料極に供給された燃料ガスを燃料電池内に止めて運転する燃料電池に見られる、燃料電池内、特に下流端に燃料ガスの流動がほとんど存在しない態様が知られている。
燃料電池内部に燃料ガスを止めて運転する燃料電池(例えば、特許文献1参照)では、燃料電池の運転時間の経過と共に、燃料電池内に残留する窒素、水分といった不純物によって、電極触媒が被覆されることに起因して起電反応が阻害され、出力電圧が低下するという問題を有していた。
これに対して、従来の燃料電池内部に燃料ガスを止めて運転する燃料電池では、出力電圧が所定の基準電圧以下となった場合に、燃料電池内(アノード側)の不純物を含むアノード排ガスを燃料電池外に排出することによって出力電圧の回復が図られていた。
特開平9−312167号公報
しかしながら、燃料電池内に滞留する不純物に対する従来の解決手法では、不純物の排出時期を決定するパラメータとして出力電圧を用いているため、燃料電圧の出力電圧が高い頻度で変動するという問題があった。
また、従来の燃料電池内部に燃料ガスを止めて運転する燃料電池では、燃料電池内の圧力を一定の圧力に保持することで、消費された燃料ガス量と同量の燃料ガスが供給されていた。したがって、特に燃料電池末端では燃料ガスの流れ・拡散がほとんどなく、十分な発電が行われ難い。この結果、燃料電池の出力電圧は頻繁に低下し、燃料電池内に滞留する不純物の排出頻度を高めなければ必要な出力電圧を得ることができないという問題がある。かかる場合には、不純物の排出と共に、燃料電池内の燃料ガスも排出されるため、燃料電池の燃費性能が低下するという問題が生じる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、アノード排ガスを内部に止めて運転する燃料電池において、燃料電池性能の低下の抑制、燃料電池の燃費性能の向上を目的とする。
上記課題を解決するために本発明の第1の態様は、アノード排ガスを燃料電池内部に止めて運転する燃料電池システムを提供する。本発明の第1の態様に係る燃料電池システムは、燃料電池と、燃料ガス供給源と、前記燃料ガス供給源と前記燃料電池とを接続する燃料ガス供給管と、前記燃料ガス供給管に配置され、前記燃料電池に供給すべき前記燃料ガス流量を調整する燃料ガス流量調整手段と、前記燃料電池に対して必要流量よりも多くの供給流量にて前記燃料ガスが供給されるよう前記燃料ガス流量調整手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明の第1の態様に係る燃料電池システムによれば、燃料電池に対して必要流量よりも多くの供給流量にて燃料ガスが供給されるよう燃料ガス流量調整手段が制御されるので、燃料電池の下流領域においても燃料ガスの流れが維持される。したがって、燃料電池内部の不純物は燃料電池の末端部に寄せられ、燃料ガスの拡散性が損なわれることがない。この結果、アノード排ガスを内部に止めて運転する燃料電池において、燃料電池性能の低下の抑制、燃料電池の燃費性能の向上を図ることができる。
本発明の第1の態様に係る燃料電池システムにおいて、前記燃料電池は、供給された燃料ガスが上流から下流に向けて流れる燃料ガス流路を内部に有し、前記燃料ガス流路の下流端は塞がれていても良い。かかる場合には、燃料電池システムの構成を簡略化することができると共に、燃料電池性能の低下を抑制することができる。
本発明の第1の態様に係る燃料電池システムはさらに、所定条件時に、前記燃料電池内部と前記燃料電池外部とを連通させる連通機構を備えても良い。かかる場合には、アノード排ガスと共に、燃料電池内に滞留する不純物を燃料電池外に排出することができる。
本発明の第1の態様に係る燃料電池システムはさらに、前記燃料電池と前記連通機構との間に、前記燃料電池から排出された前記アノード排出ガスを貯める貯蔵容器を備えることを特徴とする。かかる場合には、燃料電池の下流領域においても維持される燃料ガス流により燃料電池内部の不純物が貯蔵容器に導入されるので、燃料電池から不純物を除去することができる。したがって、燃料電池内部における燃料ガスの良好な拡散性を維持することができると共に、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
本発明の第1の態様に係る燃料電池システムはさらに、前記燃料電池内の圧力を検出する圧力検出手段を備え、前記所定条件時は、前記圧力検出手段により検出された圧力が、前記燃料電池の許容圧力を超えた場合であっても良い。かかる場合には、燃料電池の許容圧力以下の圧力で燃料電池を運転させることができる。
本発明の第1の態様に係る燃料電池システムにおいて、前記燃料電池は固体高分子膜を有し、前記燃料電池の許容圧力は、前記固体高分子膜の許容圧力であっても良い。かかる場合には、一般的に機械的強度の低い固体高分子膜の損傷を防止することができる。
本発明の第1の態様に係る燃料電池システムにおいて、前記制御手段はさらに、前記許容圧力への到達時間が所定時間よりも長くなるように前記供給流量を決定する供給流量決定手段を備えても良い。かかる場合には、不純物を燃料電池外へ排出する回数を低減することが可能となり、不純物の排出と共に燃料電池外に排出される燃料ガス量を低減することができる。この結果、燃料電池の燃費性能を向上させることができる。
本発明の第1の態様に係る燃料電池システムにおいて、前記所定時間は、前記所定条件時を、前記燃料電池の出力電圧が所定電圧以下となった時とする場合における、前記連通機構の作動間隔時間であっても良い。かかる場合には、常に一定の電圧を出力することができると共に、不純物の排出と共に燃料電池外に排出される燃料ガス量を低減することができる。
本発明の第2の態様は、アノード排ガスを燃料電池内部に止めて運転する燃料電池システムを提供する。本発明の第2の態様に係る燃料電池システムは、燃料電池と、燃料ガス供給源と、前記燃料ガス供給源と前記燃料電池とを連通する燃料ガス供給管と、前記燃料電池内における、前記燃料電池によって消費される燃料量である消費燃料量に対する前記燃料電池に供給される燃料量である供給燃料量の比が常に1より大きくなるように前記供給燃料量を決定する供給燃料量決定手段と、前記燃料ガス供給管に配置され、前記決定された供給燃料量の燃料ガスを前記燃料電池に供給する燃料ガス供給手段とを備えることを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る燃料電池システムによれば、燃料電池によって消費される燃料量である消費燃料量に対する燃料電池に供給される燃料量である供給燃料量の比が常に1より大きくなるように供給燃料量が決定され、決定された供給燃料量の燃料ガスが燃料電池に供給されるので、アノード排ガスを内部に止めて運転する燃料電池において、燃料電池性能の低下の抑制、燃料電池の燃費性能の向上を図ることができる。また、本発明の第2の態様に係る燃料電池システムは、本発明の第1の態様に係る燃料電池システムと同様にして種々の態様にて実現され得る。
以下、本発明に係る燃料電池システムについて図面を参照しつつ、実施例に基づいて説明する。
図1を参照して本実施例に係る燃料電池システムの概略構成について説明する。図1は本実施例に係る燃料電池システムの一構成例を模式的に示す説明図である。
燃料電池システム10は、燃料電池20、高圧水素タンク30、流量制御弁40、バッファ50、制御回路60、遮断弁62を備えている。
燃料電池20は、例えば、複数の単セルがスタック状に積層されてなる。各単セルは、膜電極接合体と、膜電極接合体を挟持するアノードセパレータとカソードセパレータとを備えている。膜電極接合体は、例えば、固体高分子電解質膜と、固体高分子電解質膜の両面に形成された拡散層(電極)を備えている。燃料電池20によって発電された電力は、電気モータ等の負荷63に給電される。
燃料電池20は、各単セルに対して燃料ガスを供給するための燃料ガス流路21(燃料ガスマニホールド)、各単セルに対して酸化ガスを供給するための酸化ガス流路22(酸化ガスマニホールド)を備えている。燃料ガス流路21に供給された燃料ガスは、各単セル内に形成されているセル内燃料ガス流路(図示しない)に供給される。燃料ガス流路21の上流端には、高圧水素タンクから供給された燃料ガスを燃料ガス流路21へと導入するための燃料ガス導入部211が備えられ、燃料ガス流路21の下流端には、燃料ガス流路21を流れる燃料ガスを燃料電池20外部へ排出するための燃料ガス排出部212が備えられている。酸化ガス流路22の上流端には、酸化ガスを酸化ガス流路22へと導入するための酸化ガス導入部221が備えられ、酸化ガス流路22の下流端には、酸化ガス流路22を流れる酸化ガスを燃料電池20外部へ排出するための酸化ガス排出部222が備えられている。酸化ガス排出部222にはアノード排ガス排出管51が接続されている。
本実施例に係る燃料電池20は、アノード排ガスを内部に止めて運転するアノード排ガス非循環型の燃料電池であり、燃料ガス排出部212から排出されるアノード排ガスは、再度、燃料ガス導入部211に投入されない。具体的には、アノード排ガス排出管51に、燃料電池20(燃料ガス流路21)と大気とを連通または非連通状態のいずれかの状態に切り換えるために遮断弁62が備えられており、遮断弁62が非連通(閉弁)状態とされることによって、燃料電池20は、アノード排ガスを内部に止めた状態にて運転される。また、遮断弁62が連通(開弁)状態とされることにより、アノード排ガスと共に燃料電池20内部に滞留する不純物を燃料電池20外部に排出することができる。なお、アノード排ガスとは、起電反応に用いられた、水分、窒素といった不純物を含む燃料ガスを意味する。
ただし、本実施例においては、後述するように、不純物は一旦、バッファ50に蓄積(滞留)させられる。なお、燃料電池20の末端領域(下流領域DS)とは、燃料電池20における燃料ガス排出部212近傍の領域を意味する。
高圧水素タンク30は、燃料ガスとしての水素を貯蔵する。高圧水素タンク30は、燃料ガス供給管31を介して燃料電池20の燃料ガス導入部211と連通されている。本実施例では、燃料ガス供給源として、高圧水素タンク30を用いているが、この他にも、水素吸蔵合金を利用した水素タンク、水素リッチガスを貯蔵する水素リッチガス貯蔵器または水素リッチガスを生成する水素リッチガス生成器を燃料ガス供給源として用いても良い。
流量制御弁40は、燃料ガス供給管31上に備えられている。流量制御弁40は、制御信号線を介して制御回路60と接続されており、制御回路60から送信される制御信号に従って、燃料電池20へ供給する燃料ガス流量を調整する。すなわち、本実施例では、燃料電池20に供給される燃料ガス流量は、消費量に見合った成り行き量ではなく、制御回路60によって決定された調整量となる。なお、流量制御弁40は、絞り量によって流量を制御するものであっても良く、あるいは、デューティー比によって流量を制御するものであっても良い。
燃料電池20の燃料ガス導入部211と流量制御弁40の間における燃料ガス供給管31上には、燃料電池20(燃料ガス流路21)の圧力を検出する圧力センサが配置されている。
バッファ50は、燃料電池20と遮断弁62との間のアノード排ガス排出管51上に備えられている。バッファ50は所定容量の内容積を有しており、燃料電池20の燃料ガス排出部212から排出されたアノード排ガスを一時的に貯蔵する。すなわち、本実施例に係る燃料電池システム10では、燃料電池20内部の不純物は、燃料電池20の末端領域(下流領域DS)ではなく、バッファ50に蓄積される。
制御回路60は、燃料電池システム10の動作を制御するための制御手段であり、中央演算処理装置(CPU)、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等を備える。制御回路60は、流量制御弁40、遮断弁62、圧力センサ61と信号線を介して接続されている。
図2〜図6を参照して本実施例に係る燃料電池システム10の動作について説明する。図2は本実施例の燃料電池20(燃料ガス流路21)の内部圧力変動と遮断弁62の開弁(連通)タイミングとの関係を示す説明図である。図3は本実施例の燃料電池20の出力電圧の時間変化を示す説明図である。図4は本実施例の燃料電池20(燃料ガス流路21)を流れる燃料ガス流量の変化を模式的に示す説明図である。図5は従来例の燃料電池100を流れる燃料ガス流量の変化を模式的に示す説明図である。図6は従来例に係る燃料電池100の出力電圧の時間変化を示す説明図である。
本実施例に係る燃料電池システム10では、燃料電池20に供給される燃料ガス流量は、制御回路60によって制御される流量制御弁40によって調整される。具体的には、制御回路60は、必要流量(消費量)よりも多くの供給流量(供給量)の燃料ガスが、燃料電池20に対して供給されるように流量制御弁40を制御する。換言すれば、供給流量/必要流量>1となるように供給流量が決定される。例えば、制御回路60は、設計消費流量が10l/minに燃料電池20に対して、燃料ガスの供給流量を11l/minに設定する。なお、燃料ガスの供給流量は、燃料電池20の内圧の経時的上昇率ができるだけ緩やかになると共に、燃料電池20の下流領域DSにおいて燃料ガスの流動性が十分確保できるように決定される。
本実施例では、燃料電池20に対して、設計消費量より多くの供給量にて燃料ガスが供給されるため、燃料電池20の内圧は、図2に示すように、時間の経過と共に増加する。したがって、燃料電池20の耐圧を超えないように燃料電池20の内圧を制御する必要がある。制御回路60は、圧力センサ61によって検出された燃料電池20の内圧を監視し、検出された内圧値が開弁判定値を超えると、遮断弁62を開弁(連通)し、燃料電池20内部の圧力を大気圧とする。燃料電池20の耐圧は、例えば、固体高分子電解質膜の耐圧性能、各セパレータの耐圧性能、シール部材の耐圧性能に依存する。
本実施例では、燃料電池20に対して、常に、必要量に対して過剰な供給量の燃料ガスを供給しているので、燃料電池20を構成する各セルにおける発電量は安定する。この結果、図3に示すように、本実施例の燃料電池20の出力電圧は、経過時間によらずほぼ一定となり、安定した電力供給を実現することができる。
必要流量(消費量)よりも多くの供給流量(供給量)の燃料ガスが、燃料電池20に対して供給された場合における、燃料電池20内部における流量変化について図4および図5を参照して説明する。なお、説明を簡単にするため、所定電圧を出力する際に1l/minの燃料ガスを消費するセル(C1〜C10)が10個積層されており、設計消費流量が10l/minの燃料電池20を例示的に用いる。
制御回路60は、設計消費流量が10l/minの燃料電池20に対して、例えば、燃料ガスの供給流量を11l/minに設定する。かかる設定流量の下、高圧水素タンク30から流量制御弁40を介して燃料ガスが燃料電池20に供給されると、供給された燃料ガスの流量は、燃料ガス流路21を介してセルC1〜C10を通過する毎に順次減っていくが、セルC10通過後、すなわち、燃料電池20(燃料ガス流路21)の末端壁24においても1l/minの流量が残存する。すなわち、燃料電池20(燃料ガス流路21)の下流領域DSにおいてもなお、燃料ガスの流れが存在する。この結果、燃料電池20の下流領域DSに滞留する不純物は、燃料電池20の末端壁24へと移動させられるので、燃料電池20の下流領域DSにおける燃料ガスの拡散は不純物の影響を受けにくくなり、下流領域DSのセル、例えば、セルC9、C10においても所定の電力を発電することができる。
さらに、本実施例においては、燃料電池20と遮断弁62との間のアノード排ガス排出管51上にバッファ50が配置されているので、燃料電池20の末端壁24へと移動させられた不純物は、順次、矢印L1として示すように、燃料電池20外部、すなわち、バッファ50内に導かれる。したがって、燃料電池20内部から不純物を除去することが可能となり、燃料電池20の下流領域DSのセル、例えば、C9、C10における発電性能の維持をさらに確実なものとすることができる。
これに対して、従来の燃料電池システムでは、圧力制御弁によって燃料電池の内圧を一定値に維持することで消費量と同量の燃料ガスが供給されているので、燃料ガス流量は一定値となり、燃料ガスの流量制御は実行されていなかった。かかる従来例では、図5に示すとおり、設計消費流量が10l/minの燃料電池に対して、供給流量を10l/minにて燃料ガスが供給される。かかる場合には、高圧水素タンクから圧力制御弁を介して燃料ガスが燃料電池100に供給されると、供給された燃料ガスの流量は、燃料ガス流路を介してセルC1〜C10を通過する毎に順次減少し、セルC10通過後、すなわち、燃料電池100の末端壁101においては流量は0となる。すなわち、燃料電池100の下流領域DSにおいてはもはや、燃料ガスの流れは存在しない。この結果、燃料電池100の下流領域DSには不純物が滞留し、燃料ガス流路21における燃料ガスの拡散が妨げられ、下流領域DSのセルにおいては過電圧が上昇し、所定の電力が発電されなくなる。
この結果、従来例の燃料電池100においては、図6に示すように、時間の経過と共に出力電圧が低減し、出力電圧値が燃料電池100に要求される最低出力電圧値(開弁基準値)になると、遮断弁を開弁(連通)して、不純物を燃料電池100の外部に排出しなければならない。したがって、従来例の燃料電池100の出力電圧は、時間の経過と共に増減し、一定の電圧値を出力することができなかった。
以上説明したように、本実施例に係る燃料電池システム10によれば、燃料電池に対して、燃料電池20の必要流量(必要量)よりも多い供給流量(供給量)、すなわち、供給流量/必要流量>1にて、燃料ガスを供給するので、燃料電池20(燃料ガス流路21)の下流領域DSにおいても燃料ガスの流れを維持することができる。したがって、燃料電池20の下流領域DSにおける不純物を燃料電池20の末端壁24近傍に保持することが可能となり、燃料ガス流路21における不純物の滞留を防止し、燃料電池20の下流領域DSにおける燃料ガスの良好な拡散性を確保することができる。また、滞留する不純物によるアノード電極の被覆を防止することができる。この結果、不純物の影響を受けることなく、燃料電池20の出力電圧を常に略一定値に維持することが可能となり、安定した出力電圧を出力させることができる。
また、本実施例に係る燃料電池システム10は、燃料電池20の燃料ガス排出部212と連通されているアノード排ガス排出管51にバッファ50を備えている。したがって、本来、燃料電池20の末端壁24近傍に存在する不純物が、燃料電池20の下流領域DSにおいても維持される燃料ガス流によってバッファ50へと導かれ、燃料電池20(燃料ガス流路21)から不純物が除去される。この結果、不純物に起因する、燃料ガス流路21における燃料ガスの拡散性の低下を解消することが可能となり、また、滞留する不純物によるアノード電極の被覆を防止することができる。よって、燃料電池20の下流領域DSにおける各単セルの発電効率をさらに高めることができると共に、燃料電池20としてさらに安定した電力を供給することができる。
さらに、本実施例に係る燃料電池システム10は、バッファ50を備えることによって、遮断弁62の閉弁(非連通)期間T1を長くすることができる。すなわち、バッファ50の内容積分だけ燃料電池20の内容積が増加することとなり、内圧が開弁基準値に到達するまでの時間を引き延ばすことができる。特に、遮断弁62の閉弁期間T1を、従来例における遮断弁の閉弁期間T2よりも十分に長く取ることが可能となり、遮断弁62の開弁回数を低減することができる。この結果、燃料電池20から排出される燃料ガス量を低減することが可能となり、燃料電池20の運転効率を向上させることができる。また、燃料電池20の内圧の経時的上昇率が十分緩やかになると共に、燃料電池20の下流領域DSにおける燃料ガスの流動性を確保するように燃料ガスの供給流量を決定することによって、遮断弁62の閉弁期間T1をさらに長くすることができる。
・その他の実施例:
上記実施例では、燃料電池システム10は、バッファ50を備えているが、バッファ50は備えられなくても良い。かかる場合であっても、燃料電池20に対する燃料ガス供給量を必要流量よりも多くすることで、上述したとおり、不純物に影響を受けることなく良好な燃料ガス拡散性を実現することができる。
上記実施例では、固体高分子電解質膜を備える燃料電池20を例によって説明したが、この他にも、金属製、非金属性の分離膜を備える燃料電池20を用いても良い。例えば、燃料電池20の耐圧性が分離膜によって規定される場合には、分離膜として、機械的強度の高いものを用いることにより、開弁判定値を大きく取ることが可能となり、遮断弁62の開弁回数を低減することができる。
上記実施例では、単セルがスタック状に積層された燃料電池を例にとって説明したが、本発明は、単セル型の燃料電池においても適用可能である。例えば、燃料ガス供給孔から供給された燃料ガスがセル内燃料ガス流路を流れ、燃料ガス排出孔からセル外(燃料ガス排出マニホールド)に排出される単セルにおいても、燃料ガス排出孔近傍における不純物の滞留が問題となる。かかる場合、従来例では、燃料ガス排出孔近傍においては不純物が電極を覆うことにより発電が妨げられ、また、不純物により燃料ガスの拡散が妨げられていた。これに対して、上記実施例と同様にして、単セル内に必要流量よりも多い供給流量にて燃料ガスを供給することにより、燃料ガス排出孔近傍に滞留する不純物を除去することが可能となり、発電領域の偏り、燃料ガスの拡散不良を解消することができる。
上記実施例では、遮断弁62を閉弁することにより(非連通状態とすることにより)、アノード排ガスを燃料電池20内部に止める燃料電池システム10を例にとって説明したが、本発明は、遮断弁62を備えず、燃料ガス流路21の下流端が塞がれている燃料電池を備えた燃料電池システムに対しても適用可能であることは言うまでもない。かかる場合にも、燃料電池内は、アノード排ガスを止めた状態にて運転される。
上記実施例では、酸化ガスの供給態様について詳細に説明されていないが、例えば、外部の気体ポンプによってそれぞれ供給され得る。
以上、実施例に基づき本発明に係る燃料電池システムを説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
本実施例に係る燃料電池システムの一構成例を模式的に示す説明図である。 本実施例の燃料電池20(燃料ガス流路21)の内部圧力変動と遮断弁62の開弁(連通)タイミングとの関係を示す説明図である。 本実施例の燃料電池20の出力電圧の時間変化を示す説明図である。 本実施例の燃料電池20(燃料ガス流路21)を流れる燃料ガス流量の変化を模式的に示す説明図である。 従来例の燃料電池100を流れる燃料ガス流量の変化を模式的に示す説明図である。 従来例に係る燃料電池100の出力電圧の時間変化を示す説明図である。
符号の説明
10…燃料電池システム
20…燃料電池
21…燃料ガス流路
211…燃料ガス導入部
212…燃料ガス排出部
22…酸化ガス流路
221…酸化ガス導入部
222…酸化ガス排出部
24…末端壁
30…高圧水素タンク
31…燃料ガス供給管
40…流量制御弁
50…バッファ
51…アノード排ガス排出管
60…制御回路
61…圧力センサ
62…遮断弁
63…負荷
C1〜C10…セル

Claims (11)

  1. アノード排ガスを燃料電池内部に止めて運転する燃料電池システムであって、
    燃料電池と、
    燃料ガス供給源と、
    前記燃料ガス供給源と前記燃料電池とを接続する燃料ガス供給管と、
    前記燃料ガス供給管に配置され、前記燃料電池に供給すべき前記燃料ガス流量を調整する燃料ガス流量調整手段と、
    前記アノード排ガスを前記燃料電池内部に止めて運転する時に、前記燃料電池に対して設計消費流量よりも多くの供給流量にて前記燃料ガスが供給されるよう前記燃料ガス流量調整手段を制御する制御手段とを備える燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池は、供給された燃料ガスが上流から下流に向けて流れる燃料ガス流路を内部に有し、
    前記燃料ガス流路の下流端は塞がれている燃料電池システム。
  3. 請求項1に記載の燃料電池システムはさらに、
    所定条件時に、前記燃料電池内部と前記燃料電池外部とを連通させる連通機構を備える燃料電池システム。
  4. 請求項2または請求項3に記載の燃料電池システムはさらに、
    前記燃料電池と前記連通機構との間に、前記燃料電池から排出された前記アノード排出ガスを貯める貯蔵容器を備える燃料電池システム。
  5. 請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の燃料電池システムはさらに、
    前記燃料電池内の圧力を検出する圧力検出手段を備え、
    前記所定条件時は、前記圧力検出手段により検出された圧力が、前記燃料電池の許容圧力を超えた場合である燃料電池システム。
  6. 請求項5に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池は固体高分子膜を有し、
    前記燃料電池の許容圧力は、前記固体高分子膜の許容圧力である燃料電池システム。
  7. 請求項5または請求項6に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記制御手段はさらに、前記許容圧力への到達時間が所定時間よりも長くなるように前記供給流量を決定する供給流量決定手段を備える燃料電池システム。
  8. 請求項7に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記所定時間は、前記所定条件時を、前記燃料電池の出力電圧が所定電圧以下となった時とする場合における、前記連通機構の作動間隔時間である燃料電池システム。
  9. アノード排ガスを燃料電池内部に止めて運転する燃料電池システムであって、
    燃料電池と、
    燃料ガス供給源と、
    前記燃料ガス供給源と前記燃料電池とを連通する燃料ガス供給管と、
    前記アノード排ガスを前記燃料電池内部に止めて運転する時に、前記燃料電池内における、前記燃料電池によって消費される燃料量である設計消費燃料量に対する前記燃料電池に供給される燃料量である供給燃料量の比が常に1より大きくなるように前記供給燃料量を決定する供給燃料量決定手段と、
    前記燃料ガス供給管に配置され、前記決定された供給燃料量の燃料ガスを前記燃料電池に供給する燃料ガス供給手段とを備える燃料電池システム。
  10. 請求項9に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池は、供給された燃料ガスが上流から下流に向けて流れる燃料ガス流路を内部に有し、
    前記燃料ガス流路の下流端は塞がれている燃料電池システム。
  11. 請求項9に記載の燃料電池システムはさらに、
    所定条件時に、前記燃料電池内部と前記燃料電池外部とを連通させる連通機構を備える燃料電池システム。
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