JP4008848B2 - 燃料電池のパージ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池のパージ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池内に不反応ガスや生成水が滞留、蓄積すると、発電力が低下する。そこで、例えば特許文献1に記載される技術にあっては、所定の時間間隔ごとに、所定時間にわたってパージを実行し、滞留した不反応ガスや生成水を排出すると共に、燃料電池の出力電圧を監視し、所定電圧以下に低下した場合に追加的なパージを行うようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−243417号公報(段落0027から0029など)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
燃料電池内に発生する不反応ガスや生成水の量は、燃料電池の運転状態(負荷)によって左右される。しかしながら、上記した従来技術にあっては、パージ間隔(パージを実行してから次回のパージを実行するまでの時間間隔)が所定の時間に設定されているため、必ずしも最適なタイミングでパージが実行されるとは限らず、滞留した不反応ガスや生成水が蓄積される、あるいは不要なパージが繰り返し実行される可能性があった。
【0005】
また、出力電圧が所定電圧以下になったときにパージを実行するようにすると、負荷の大きい外部機器が接続されて出力電圧が低い値で安定したとき、不要なパージが繰り返し実行されるという不具合があった。
【0006】
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、燃料電池の運転状態(負荷)に応じた最適なタイミングでパージを実行し、燃料電池内に不反応ガスや生成水が蓄積されるのを防止すると共に、不要なパージが繰り返し実行されるのを防止するようにした燃料電池のパージ装置を提供することにある。
【0007】
また、上記した従来技術にあっては、パージ時間(1回のパージの実行時間)が所定の時間に設定されていることから、不反応ガスや生成水の滞留量によってはパージ時間が十分でなく、不反応ガスや生成水の排出が完了されない、あるいはパージ時間が長すぎて未反応の水素ガスが外部に排出されてしまうという不具合があった。
【0008】
従って、この発明のさらなる目的は、燃料電池内に滞留した不反応ガスや生成水の量に関わらず、それらの排出を完了させると共に、未反応の水素が排出されないようにした燃料電池のパージ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を解決するために、請求項1項においては、第1の開閉バルブを介して水素ガスを燃料電池に供給する第1の流路と、前記燃料電池から排出される前記水素ガスの不反応分を前記燃料電池に還流させる還流流路と、第2の開閉バルブを介して不活性ガスを前記燃料電池に供給する第2の流路と、前記水素ガスの不反応分を外部に排出する排出流路と、前記燃料電池の出力電流を検出する電流センサと、および前記電流センサによって検出された出力電流が大きくなるに従って短くなるように設定される時間間隔ごとに前記第1の開閉バルブを閉弁しつつ、前記第2の開閉バルブを開弁して前記不活性ガスによって前記水素ガスの不反応分を前記燃料電池および前記還流流路の少なくともいずれかから前記排出流路を介して排出するパージを実行するパージ実行手段とを備えた燃料電池のパージ装置において、前記パージ実行手段は、前記排出流路に設けられて前記水素ガスの不反応分を検出する水素センサを備えると共に、前記パージを実行しているとき、前記排出流路に前記水素ガスの不反応分が検出されなくなった場合、前記パージを終了するように構成した。
【0010】
このように、請求項1項においては、燃料電池の出力電流を検出する電流センサを設けると共に、前記電流センサの検出値(換言すれば、燃料電池の負荷)に応じて決定される時間間隔ごとにパージを実行するように構成したので、燃料電池の運転状態(負荷)に応じた最適なタイミングでパージを実行することが可能となり、不反応ガスや生成水が蓄積されるのを防止できると共に、不要なパージが繰り返し実行されるのを防止することができる。
【0012】
また、請求項1項にあっては、前記パージ実行手段は、排出流路に設けられて水素ガスの不反応分検出する水素センサを備えると共に、パージを実行しているとき、排出流路に水素ガスの不反応分が検出されなくなった場合、パージを終了するように構成したので、燃料電池内に滞留した不反応ガスや生成水の量に関わらずそれらの排出を完了できると共に、未反応の水素ガスが外部に排出されるのを防止することができる。
【0013】
また、請求項2項にあっては、前記パージ実行手段は、前記燃料電池の出力電圧を検出する電圧センサを備えると共に、前記パージを終了した後、前記電圧センサの検出値が前記電流センサによって検出された出力電流が大きくなるに従って小さくなるように設定されるしきい値以下になった場合、前記パージを実行するように構成した。
【0014】
このように、請求項2項にあっては、前記パージ実行手段は、燃料電池の出力電圧を検出する電圧センサを備えると共に、前記パージを終了した後、前記電圧センサの検出値が電流センサによって検出された出力電流が大きくなるに従って小さくなるように設定されるしきい値以下になった場合、パージを実行するように構成した、より具体的には、電圧センサの検出値が、電流センサの検出値が大きくなる(即ち、燃料電池の負荷が大きくなる)にしたがって小さい値に決定されるしきい値以下になったとき、追加的なパージを実行するように構成したので、不反応ガスや生成水の発生量が短期間に増加した場合にも対応することができると共に、負荷の大きい外部機器が接続されて出力電圧が低下した場合であっても、不要なパージが実行されることがない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に即してこの発明の一つの実施の形態に係る燃料電池のパージ装置について説明する。
【0016】
図1は、この実施の形態に係る燃料電池のパージ装置を示す概略図である。
【0017】
図1において、符合10は、この実施の形態に係る燃料電池のパージ装置を備えた発電ユニットを示す。発電ユニット10は、燃料電池12や配管類など、発電に必要な要素が携帯自在な大きさにパッケージ化されてなる。
【0018】
燃料電池12(具体的には積層体(セルスタック))は、単電池14(セル)を複数個、具体的には70個積層して形成され、定格出力1.05kwを発生する。尚、単電池14は、電解質膜(固体高分子膜)と、それを挟持する空気極(カソード電極)と燃料極(アノード電極)と、各電極の外側に配置されるセパレータとからなる公知の固体高分子型燃料電池であり、詳しい説明は省略する。
【0019】
燃料電池12には、燃料電池12に空気を供給する空気供給系20が接続される。空気供給系20は、空気を吸引するエアブロワ22と、エアブロワ22を燃料電池12に接続する空気供給路24とからなる。空気供給路24は、燃料電池12の手前で冷却空気供給用流路24aと反応空気供給用流路24bに分岐される。
【0020】
また、燃料電池12には、燃料電池12に水素ガスを供給する水素ガス供給系30が接続される。水素ガス供給系30は、水素を高圧で封入した水素ガスボンベ32と、水素ガスボンベ32を燃料電池12に接続する流路34a〜34dと、それらの途中に配置された後述する各要素とからなる。
【0021】
水素ガスボンベ32は、手動のボンベバルブ36を介してレギュレータ38に接続され、レギュレータ38は、第1の流路34aを介してエジェクタ40に接続される。第1の流路34aの途中には、メインバルブ42(手動弁)が配置されると共に、メインバルブ42をバイパスする第2の流路34bが接続される。第2の流路34bの途中には、第1の電磁バルブ44と第2の電磁バルブ46が配置される。
【0022】
エジェクタ40は、第3の流路34cおよび第4の流路34dを介して燃料電池12の各燃料極に接続される。尚、第3の流路34cが供給側の流路であり、第4の流路34dが排出側の流路である。
【0023】
また、第1の流路34aにおいてメインバルブ42の下流には、パージガス(不活性ガス。この実施の形態にあっては、窒素ガスを使用する)を燃料電池12に供給する窒素ガス供給系50が接続される。窒素ガス供給系50は、窒素を高圧で封入した窒素ガスボンベ52と、窒素ガスボンベ52を第1の流路34aに接続する第5の流路54と、それらの途中に配置された後述する各要素とからなる。
【0024】
窒素ガスボンベ52は、手動のボンベバルブ56を介してレギュレータ58に接続され、レギュレータ58は、第5の流路54を介して第1の流路34aに接続される。また、第5の流路54の途中には、第3の電磁バルブ60が配置される。
【0025】
燃料電池12には、さらに空気排出系70が接続される。空気排出系70は、エキゾーストマニホールド72と、燃料電池12をエキゾーストマニホールド72に接続する空気排出路74とからなる。空気排出路74は、冷却空気排出用流路74aと反応空気排出用流路74bに分岐されて燃料電池12に接続されると共に、それらはエキゾーストマニホールド72の手前で1つの流路に集合させられる。
【0026】
また、前記したエジェクタ40には、パージガス排出系80が接続される。パージガス排出系80は、エジェクタ40をエキゾーストマニホールド72に接続するパージガス排出路82と、パージガス排出路82の途中に配置された第4の電磁バルブ84とからなる。また、パージガス排出路82において第4の電磁バルブ84より上流側(燃料電池12側)には水素センサ86が設けられる。水素センサ86は、パージガス排出路82に水素ガスが流入したか否かを示す信号(オン・オフ信号)を出力する。この実施の形態にあっては、水素ガスを検出しなくなったときにオン信号を、検出するときにオフ信号を出力するものとする。
【0027】
尚、図1において、水素ガスやパージガスの流路となる各流路を太い実線で示し、空気の流路となる各流路を2重線で示した。
【0028】
図1の説明を続けると、燃料電池12の出力端子には、出力回路100が接続される。出力回路100は、第1のDC−DCコンバータ102およびリレー104を介して図示しない外部機器に接続されると共に、第2のDC−DCコンバータ106を介してECU110に接続される。ECU110には、外部からオン・オフ自在な運転スイッチ112が接続されると共に、前記したリレー104が接続される。
【0029】
また、出力回路100において、燃料電池12の出力端子と第1のDC−DCコンバータ102の間には、電流センサ114が設けられる。電流センサ114は、燃料電池12の出力電流Iの大きさに応じた信号を出力する。
【0030】
さらに、燃料電池12の各単電池14には電圧センサ116が設けられ、電圧センサ116は、燃料電池12の出力電圧Vの大きさに応じた信号を出力する。水素センサ86、電流センサ114および電圧センサ116の各出力は、ECU110に送出される。
【0031】
以上の構成において、この実施の形態に係る燃料電池のパージ装置は、水素ガス供給系30と、窒素ガス供給系50と、パージガス排出系80と、水素センサ86と、ECU110と、電流センサ114および電圧センサ116とからなる。
【0032】
次いで、上記した構成を前提に燃料電池12の発電動作について説明する。
【0033】
水素ガスボンベ32に封入された高圧の水素は、ボンベバルブ36が手動で開弁されることによってレギュレータ38に供給される。レギュレータ38で減圧、調圧された水素ガスは、メインバルブ42が手動で操作(開弁)されることによって第1の流路34aを介してエジェクタ40に供給され、さらに第3の流路34cを介して燃料電池12の燃料極に供給される。尚、図1に示す第1から第4の電磁バルブ44,46,60,84は、燃料電池12の非運転時に水素ガスや窒素ガスが外部に流出するのを防止するため、燃料電池12の運転終了時に全て閉弁されているものとする。換言すれば、第1から第4の電磁バルブ44,46,60,84は、いずれもノーマル・クローズ型の電磁バルブ(非通電時に閉弁し、通電時に開弁する電磁バルブ)である。
【0034】
燃料電池12の各単電池14では、燃料極に供給された水素ガスが空気極に存在する空気(酸素)と電気化学反応を生じることにより、発電が開始される。尚、燃料極に供給された水素ガスのうち、空気との電気化学反応に供されなかった未反応ガスは、第4の流路34dを介してエジェクタ40に還流され、第3の流路34cを介して再度燃料極に供給される。
【0035】
燃料電池12の発電が開始されると、その電力は出力回路100に設けられた第2のDC−DCコンバータ106で適宜な大きさの直流電圧に変換された後、ECU110に動作電源として供給される。
【0036】
電力の供給を受けて起動させられたECU110は、第1の電磁バルブ44と第2の電磁バルブ46を開弁し、第2の流路34bを介して水素ガスを燃料極に供給すると共に、エアブロワ22を動作させ、空気供給路24に空気を流入させる。エアブロワ22を介して空気供給路24に流入された空気は、冷却空気用流路24aと反応空気用流路24bに所定の割合で分配された後、冷却空気用流路24aを介して各単電池14に冷却用の空気として供給されると共に、反応空気用流路24bを介して各空気極に反応用の空気として供給される。
【0037】
各単電池14の冷却に使用された冷却空気、および空気極を通過した反応空気は、それぞれ冷却空気排出用流路74aと反応空気排出用流路74bを介して燃料電池12内から流出した後、エキゾーストマニホールド72を介して外部へと排出される。
【0038】
尚、ECU110が起動して第1の電磁バルブ44と第2の電磁バルブ46が開弁されると、メインバルブ42を手動で操作する必要がなくなる。このため、ECU110は、燃料電池12の発電が開始されてECU110が起動したこと、換言すれば、外部機器への電力供給の準備が整ったことを、音声や表示などの適宜な報知手段(図示せず)を介して操作者に報知する。
【0039】
そして、外部機器への電力供給の準備が整ったことを知った操作者によって運転スイッチ112が手動で操作(オン)されると、ECU110は、出力回路100に設けられたリレー104を動作させて第1のDC−DCコンバータ102と外部機器を導通させる。これにより、燃料電池12で発電された電力は、第1のDC−DCコンバータ102で適宜な大きさの直流電圧に変換された後、リレー104を介して外部機器へと供給される。
【0040】
次いで、この実施の形態に係る燃料電池のパージ装置が実行するパージ動作について説明する。
【0041】
ECU110は、各電磁バルブを動作させ、定期的に燃料電池12のパージを実行する。具体的には、第2の流路34bに配置された第1の電磁バルブ44と第2の電磁バルブ46を閉弁して水素ガスの供給を遮断すると共に、第5の流路54に配置された第3の電磁バルブ60とパージガス排出路82に配置された第4の電磁バルブ84を開弁することで、パージを行う。図2に、各電磁バルブの開閉タイミングをタイム・チャートで示す。
【0042】
これにより、窒素ガスボンベ52に封入された高圧の窒素は、ボンベバルブ56を介してレギュレータ58に供給され、そこで減圧、調圧された後に第5の流路54、エジェクタ40および第3の流路34cを介して燃料電池12の燃料極に供給される。尚、ボンベバルブ56は、燃料電池12の運転開始時に操作者によって予め開弁されるものとする。
【0043】
燃料極に供給された窒素ガスは、燃料極内に滞留した不反応ガスや生成水を燃料電池12内から押し出しつつ、第4の流路34d、エジェクタ40、パージガス排出路82およびエキゾーストマニホールド72を介して外部に排出される。
【0044】
ところで、燃料電池12内に発生する不反応ガスや生成水の量は、燃料電池12の運転状態(負荷)によって左右される。このため、パージを実行するタイミングを適切に管理しないと、不反応ガスや生成水を蓄積させてしまう、あるいは、不要なパージが繰り返し実行されるおそれがある。そこで、この実施の形態にあっては、パージを実行してから次回のパージを実行するまでの時間間隔(図2に符号tで示す。以下「パージ間隔」という)を電流センサ114の検出値に応じて決定するようにした。
【0045】
具体的には、燃料電池12の発電量の増加、即ち、水素ガスや空気の供給量の増加に伴って生成水や不反応ガスの発生量が増加すると考えられることから、図3に示すように、電流センサ114の検出値(出力電流I)が大きくなる(換言すれば、燃料電池12の負荷が大きくなる)にしたがってパージ間隔tが短くなるように設定した。これにより、燃料電池12の運転状態(負荷)に応じた最適なタイミングでパージを実行することが可能となり、不反応ガスや生成水が蓄積されるのを防止できると共に、不要なパージが繰り返し実行されるのを防止することができる。
【0046】
尚、燃料電池12の負荷が急激に増加すると、生成水や不反応ガスの発生量が短期間に増加し、次回のパージまでの間に発電量が低下するおそれがある。このため、図2に示すように、パージ間隔t内であっても、電圧センサ116の検出値(出力電圧V)がしきい値#V以下に低下したときは、追加的なパージが実行される。
【0047】
しかしながら、出力電圧Vの低下に応じてパージを実行する場合、燃料電池12に負荷の大きい外部機器が接続されて出力電圧が低い値で安定したときに、不要なパージが繰り返し実行されるおそれがあるのは、課題で述べたとおりである。
【0048】
そこで、この実施の形態にあっては、図3に示すように、パージの実行条件となるしきい値#Vを、電流センサ114の検出値に応じて決定するようにした。具体的には、電流センサ114の検出値が大きくなる、即ち、燃料電池12の負荷が大きくなるにしたがって、しきい値#Vを小さい値に決定するようにした。これにより、不反応ガスや生成水の発生量が短期間に増加した場合にも対応することができると共に、負荷の大きい外部機器が接続されて出力電圧が低下した場合であっても、不要なパージが実行されることがない。
【0049】
また、パージを実行した際、燃料電池12内の不反応ガスや生成水を完全に排出できることが望ましいのは言うまでもない。そのためには、1回のパージ実行時間(以下「パージ時間」という)をある程度長く確保する必要があるが、必要以上に長く実行すると、未反応の水素ガスを外部に排出してしまうおそれがある。
【0050】
そこで、この実施の形態にあっては、図2に示すように、水素センサ86によってパージガス排出路82に水素ガスが検出されなくなったとき(オン信号が出力されたとき)、パージを終了する、具体的には、パージガス排出路82において水素センサ86より下流に配置された第4の電磁バルブ84を閉弁して水素ガスの流出を遮断するのと同時に、第5の流路に配置された第3の電磁バルブ60を閉弁して窒素ガスの供給を遮断し、第2の流路に配置された第1の電磁バルブ44と第2の電磁バルブ46を開弁して水素ガスの供給を開始するようにした。これにより、燃料電池12内に滞留した不反応ガスや生成水の量に関わらずそれらの排出を完了できると共に、未反応の水素が外部に排出されるのを防止することができる。
【0051】
このように、この発明の一つの実施の形態に係る燃料電池のパージ装置にあっては、燃料電池12の出力電流Iを検出する電流センサ114を設けると共に、電流センサ114の検出値(即ち、燃料電池12の負荷)に応じてパージ間隔tを決定するように構成したので、燃料電池12の運転状態(負荷)に応じた最適なタイミングでパージを実行することが可能となり、不反応ガスや生成水が蓄積されるのを防止できると共に、不要なパージが繰り返し実行されるのを防止することができる。
【0052】
また、燃料電池12の出力電圧Vを検出する電圧センサ116を設けると共に、電圧センサ116の検出値が電流センサ114の検出値に応じて決定されるしきい値#V以下になったとき、パージを実行するように構成したので、不反応ガスや生成水の発生量が短期間に増加した場合にも対応することができると共に、負荷の大きい外部機器が接続されて出力電圧が低下した場合であっても、不要なパージが実行されることがない。
【0053】
さらに、パージガス排出路82に水素センサ86を設けると共に、水素センサ86によってパージガス排出路82に水素ガスが検出されなくなったとき、パージを終了するように構成したので、燃料電池内に滞留した不反応ガスや生成水の量に関わらずそれらの排出を完了できると共に、未反応の水素ガスが外部に排出されるのを防止することができる。
【0054】
以上の如く、この発明の一つの実施の形態にあっては、第1の開閉バルブ(44,46)を介して水素ガスを燃料電池(12)に供給する第1の流路(34a,34b,34c)と、前記燃料電池(12)から排出される前記水素ガスの不反応分を前記燃料電池(12)に還流させる還流流路(34c,34d)と、第2の開閉バルブ(60)を介して不活性ガスを前記燃料電池(12)に供給する第2の流路(54,34c)と、前記水素ガスの不反応分を外部に排出する排出流路(82)と、前記燃料電池の出力電流を検出する電流センサ(114)と、および前記電流センサによって検出された出力電流が大きくなるに従って短くなるように設定される時間間隔tごとに前記第1の開閉バルブを閉弁(44,46)しつつ、前記第2の開閉バルブ(60)を開弁して前記不活性ガス(窒素ガス)によって前記水素ガスの不反応分を前記燃料電池(12)および前記還流流路(34c,34d)の少なくともいずれかから前記排出流路を介して排出するパージを実行するパージ実行手段とを備えた燃料電池のパージ装置において、前記パージ実行手段は、前記排出流路(82)に設けられて前記水素ガスの不反応分を検出する水素センサ(86)を備えると共に、前記パージを実行しているとき、前記排出流路に前記水素ガスの不反応分が検出されなくなった場合、前記パージを終了するように構成した。
【0056】
また、前記パージ実行手段は、前記燃料電池(12)の出力電圧Vを検出する電圧センサ(116)を備えると共に、前記パージを終了した後、前記電圧センサ(116)の検出値が前記電流センサ(114)によって検出された出力電流が大きくなるに従って小さくなるように設定されるしきい値(#V)以下になった場合、前記パージを実行するように構成した。
【0057】
【発明の効果】
請求項1項にあっては、燃料電池の出力電流を検出する電流センサを設けると共に、前記電流センサの検出値に応じて決定される時間間隔ごとにパージを実行するように構成したので、燃料電池の運転状態(負荷)に応じた最適なタイミングでパージを実行することが可能となり、不反応ガスや生成水が蓄積されるのを防止できると共に、不要なパージが繰り返し実行されるのを防止することができる。
【0058】
また、請求項1項にあっては、前記パージ実行手段は、排出流路に設けられて水素ガスの不反応分検出する水素センサを備えると共に、パージを実行しているとき、排出流路に水素ガスの不反応分が検出されなくなった場合、パージを終了するように構成したので、燃料電池内に滞留した不反応ガスや生成水の量に関わらずそれらの排出を完了できると共に、未反応の水素ガスが外部に排出されるのを防止することができる。
【0059】
また、請求項2項にあっては、前記パージ実行手段は、燃料電池の出力電圧を検出する電圧センサを備えると共に、前記パージを終了した後、前記電圧センサの検出値が電流センサによって検出された出力電流が大きくなるに従って小さくなるように設定されるしきい値以下になった場合、パージを実行するように構成したので、不反応ガスや生成水の発生量が短期間に増加した場合にも対応することができる共に、負荷の大きい外部機器が接続されて出力電圧が低下した場合であっても、不要なパージが実行されることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施の形態に係る燃料電池のパージ装置を示す概略図である。
【図2】図1に示す各電磁バルブの開閉タイミングなどを示すタイム・チャートである。
【図3】図1に示す燃料電池の出力電流とパージ間隔の関係などを示す表である。
【符号の説明】
12 燃料電池
82 パージガス排出路
86 水素センサ
114 電流センサ
116 電圧センサ
Claims (2)
- 第1の開閉バルブを介して水素ガスを燃料電池に供給する第1の流路と、前記燃料電池から排出される前記水素ガスの不反応分を前記燃料電池に還流させる還流流路と、第2の開閉バルブを介して不活性ガスを前記燃料電池に供給する第2の流路と、前記水素ガスの不反応分を外部に排出する排出流路と、前記燃料電池の出力電流を検出する電流センサと、および前記電流センサによって検出された出力電流が大きくなるに従って短くなるように設定される時間間隔ごとに前記第1の開閉バルブを閉弁しつつ、前記第2の開閉バルブを開弁して前記不活性ガスによって前記水素ガスの不反応分を前記燃料電池および前記還流流路の少なくともいずれかから前記排出流路を介して排出するパージを実行するパージ実行手段とを備えた燃料電池のパージ装置において、前記パージ実行手段は、前記排出流路に設けられて前記水素ガスの不反応分を検出する水素センサを備えると共に、前記パージを実行しているとき、前記排出流路に前記水素ガスの不反応分が検出されなくなった場合、前記パージを終了することを特徴とする燃料電池のパージ装置。
- 前記パージ実行手段は、前記燃料電池の出力電圧を検出する電圧センサを備えると共に、前記パージを終了した後、前記電圧センサの検出値が前記電流センサによって検出された出力電流が大きくなるに従って小さくなるように設定されるしきい値以下になった場合、前記パージを実行することを特徴とする請求項1項記載の燃料電池のパージ装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003151990A JP4008848B2 (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | 燃料電池のパージ装置 |
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