JP4309322B2 - 燃料電池の起動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のセルを積層してなる燃料電池スタックを備える燃料電池を氷点下の温度で起動する際における燃料電池の起動方法に関するものである。
近年、車両の駆動源として燃料電池を備えた燃料電池車両が提案されている。この種の燃料電池としては、アノードとカソードとの間に固体高分子電解質膜を介装したセルを所定数積層された構造をとるものが知られている。そして、アノードに水素(燃料ガス)を、カソードにエア(酸化剤ガス)をそれぞれ導入することで、水素と酸素との電気化学反応によって発電する。
この種の燃料電池は、一般に70〜80゜Cが発電に最適な温度域とされているが、使用環境によっては起動してから前記温度に達するまでに長い時間がかかる場合があり、その対策を講じる必要がある。
特に、移動手段としての燃料電池車両の場合には、低温時にも速やかな始動性が必要とされるので、燃料電池の低温起動性は極めて重要である。
例えば、特許文献1には、発電電流を周期的に変化させることにより、発電効率を低下させ発熱量を増やす技術が提案されている。
また、他の方法としては、燃料電池セルの出力電流を増大させて発電に伴う発熱量を増加させる方法も知られている。
特開2002−313388号公報
しかしながら、従来の技術においては、以下のような問題がある。
すなわち、発電電流を周期的に変化させる技術においては、発熱量を増加させるためとは言え発電効率が低下してしまい、燃料電池に非効率的な運転を強いることになるため燃料電池の運転上好ましくない。
また、氷点下で燃料電池を起動する場合には、燃料電池スタック内に残留する残留水が凍結して十分に反応ガスを電極(アノード、カソード)に供給できず、正常に発電が行えない場合がある。そして、従来の技術のいずれにおいても、燃料電池スタックに電流が過剰に流れると、上述のように正常に発電が行えない場合には、電極の触媒成分が電気化学反応して腐食してしまう(以下、電食、と称す)虞があり、性能や寿命を低下させてしまう虞がある。
従って、本発明は、氷点下の温度で起動するときに、電極の電食を防止して、燃料電池の寿命を延ばすことができるとともに、性能低下を抑制することができる燃料電池の起動方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、複数のセル(例えば、実施の形態におけるセル3)を積層してなる燃料電池スタック(例えば、実施の形態における燃料電池スタック4)を備えた燃料電池(例えば、実施の形態における燃料電池2)の起動方法であって、該燃料電池スタックを少なくとも氷点下の温度で起動するときに、該起動前における前記燃料電池スタック停止時での燃料電池スタック内の保有水分量を算出し、前記保有水分量と前記燃料電池スタックの内部温度とに基づいて各セルに流し得る流通可能最大電流値を算出して、該セル電流を前記流通可能最大電流値以下に制御するとともに、前記燃料電池スタックの外周からの放熱量と、冷媒流路中を循環する冷媒の吸熱量との合計よりも、前記燃料電池スタックの発電による発熱量が上回るように発電可能最小電流値を算出し、前記流通可能最大電流値と前記発電可能最小電流値との間で前記セルに流す電流値を制御することを特徴とする。
この発明によれば、前記保有水分量を算出することにより前記セルの有する電極の抵抗値や発電状態を判定することができ、さらに前記保有水分量と前記内部温度とから前記セルに流す電流に応じた発電の安定性を判定することができる。すなわち、前記保有水分量と前記内部温度とを算出することで、発電を安定して行える前記流通可能最大電流値を算出することができる。そして、前記セル電流を前記流通可能最大電流値以下に制御することで、過大な電流の流れによる電食の発生を防止することができる。さらに、前記流通可能最大電流値以下の範囲内で、セルに流す電流値を増加させることで、各セルにおける発電やこれに伴う暖機を促進することができる。
また、前記燃料電池スタックの発電による発熱量が、燃料電池スタックの外周からの放熱量と、冷媒流路中を循環する冷媒の吸熱量との合計よりも上回るように算出した最小電流値を流すことで、燃料電池スタック内の昇温を確保することができ、燃料電池スタック外部の暖機手段に依存することなく発電による発熱のみによって前記燃料電池スタックの暖機を行うことができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のものであって、前記保有水分量は、前記燃料電池停止前における前記燃料電池スタック内部からの排出水量に基づいて算出することを特徴とする。
この発明によれば、前記燃料電池を起動する際に、該起動前の、換言すれば前回起動時での前記燃料電池スタック停止前に、前記燃料電池スタック内部から排出された排出水の量を用いて前記保有水分量を算出することで、前記保有水分量を一定の精度で簡便に算出することができる。すなわち、前記排出水量が多い場合には前記燃料電池スタック内のセル電極が保有する保有水分量は少なくなっていると判定でき、前記排出水量が少ない場合には前記燃料電池スタック内のセル電極が保有する保有水分量は多くなっていると判定できる。従って、簡便な制御で燃料電池の起動を行うことができる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載のものであって、前記保有水分量は、前記燃料電池停止前における前記燃料電池スタック内部からの排水処理前後での前記燃料電池スタックの重量変化に基づいて算出することを特徴とする。
この発明によれば、前記燃料電池を起動する際に、該起動前の、換言すれば前回起動時での前記燃料電池スタック停止前に、前記燃料電池スタック内部からの排水処理前後での前記燃料電池スタックの重量変化を用いて前記保有水分量を算出することで、前記保有水分量を一定の精度で簡便に算出することができる。すなわち、前記重量変化が大きい場合には前記燃料電池スタック内のセル電極が保有する保有水分量は少なくなっていると判定でき、前記重量変化が小さい場合には前記燃料電池スタック内のセル電極が保有する保有水分量は多くなっていると判定できる。従って、簡便な制御で燃料電池の起動を行うことができる。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載のものであって、前記保有水分量は、前記燃料電池停止前における前記燃料電池スタック内部からの排水処理後の燃料電池抵抗過電圧(燃料電池スタック4の電圧)に基づいて算出することを特徴とする。
この発明によれば、前記燃料電池を起動する際に、該起動前の、換言すれば前回起動時での前記燃料電池スタック停止前に、前記燃料電池スタック内部からの排水処理後の前記燃料電池抵抗過電圧を用いて前記保有水分量を算出することで、前記保有水分量を一定の精度で簡便に算出することができる。すなわち、前記燃料電池抵抗過電圧が大きい場合には前記燃料電池スタック内のセル電極が保有する保有水分量は少なくなっていると判定でき、前記燃料電池抵抗過電圧が小さい場合には前記燃料電池スタック内のセル電極が保有する保有水分量は多くなっていると判定できる。従って、簡便な制御で燃料電池の起動を行うことができる。
請求項5に係る発明は、請求項1に記載のものであって、前記保有水分量は、前記燃料電池停止前における前記燃料電池スタック内部からの排水処理後の前記燃料電池スタックの締結荷重に基づいて算出することを特徴とする。
この発明によれば、前記燃料電池を起動する際に、該起動前の、換言すれば前回起動時での前記燃料電池スタック停止前に、前記燃料電池スタック内部からの排水処理後の前記燃料電池スタックの締結荷重を用いて前記保有水分量を算出することで、前記保有水分量を一定の精度で簡便に算出することができる。すなわち、前記セル電極は水分を含有すると膨潤して荷重が増大するため、前記燃料電池スタックの締結荷重が小さい場合には前記燃料電池スタック内のセル電極が保有する保有水分量は少なくなっていると判定でき、前記締結荷重が大きい場合には前記燃料電池スタック内のセル電極が保有する保有水分量は多くなっていると判定できる。従って、簡便な制御で燃料電池の起動を行うことができる。
請求項1に係る発明によれば、前記保有水分量と前記内部温度とから前記セルに流す電流に応じた発電の安定性を判定することができる。また、過大な電流の流れによる電食の発生を防止することができる。さらに、燃料電池スタック外部の暖機手段に依存することなく発電による発熱のみによって前記燃料電池スタックの暖機を行うことができる。
請求項2〜請求項5に係る発明によれば、前記保有水分量を一定の精度で簡便に算出することができる。
以下、この発明の実施の形態における燃料電池の起動方法を図面と共に説明する。なお、本実施の形態では、燃料電池を車両に搭載した場合の燃料電池システムについて説明する。
図1は、本発明の実施の形態における燃料電池の起動方法が適用される燃料電池システムの概略構成図である。
同図に示す燃料電池2は、複数のセル3…3を積層してなるスタック4を、一対のプレート5、5で挟持してなる構成を備えている。これらのプレート5、5は、各セル3の積層方向に貫通するボルト(図示せず)により締結されている。
各セル3は、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜をアノードとカソードとで両側から挟み込んで形成される。各セルのアノードに燃料として水素を供給するとともに、カソードに酸化剤として酸素を含むエアを供給すると、アノードで触媒反応により発生した水素イオンが、電解質膜を通過してカソードまで移動して、カソードで酸素と電気化学反応を起こして発電する。
なお、発電の際にはカソード側で水が生成されるとともに、カソード側で生じた生成水の一部が電解質膜を介してアノード側に逆拡散するためアノード側にも生成水が存在する。
水素タンク6から供給される水素は、遮断弁7やレギュレータ(図示せず)を介し、水素供給流路8を通って燃料電池2のアノードに供給される。そして、発電により消費されなかった未反応の水素オフガスは、アノード側の生成水等の残留水と共に、アノードから水素オフガス循環流路9に排出され、エゼクタ10を介して水素供給流路8に合流する。
つまり、燃料電池2から排出された水素オフガスは、水素タンク6から供給される新鮮な水素と合流して、再び燃料電池2のアノードに供給される。また、水素オフガス循環流路9から分岐した水素オフガス排出流路11は希釈ボックス(図示せず)に接続される。水素オフガス排出流路11には水素パージ弁12が設けられ、水素パージ弁12を開弁することにより利用済の水素オフガスを水素オフガス排出流路11から希釈ボックスに排出する。
一方、エアはコンプレッサ13によりエア供給流路14に圧送され、燃料電池2のカソードに供給される。燃料電池2のカソードに供給されたエアは発電に供された後、燃料電池2からカソード側の生成水等の残留水と共にオフガスとしてエアオフガス排出流路15に排出される。
エアオフガス排出流路15は上述の希釈ボックス(図示せず)に接続され、エアオフガス排出流路15から排出されるエアオフガスは希釈ボックス内で水素オフガスと混合される。これにより、水素オフガス排出流路11から排出された水素オフガスは、希釈ボックスにより所定濃度以下に希釈される。
さらに、燃料電池2は、冷却水を循環させる循環ポンプを備えた冷却水流路(図示せず)などを備えている。燃料電池2の作動時に冷却水を循環させることにより、燃料電池2は電気化学反応に適した温度(例えば80°C)に制御される。
また、燃料電池2は車両駆動用モータなどの負荷16に電線17を介して接続され、燃料電池2の発電で得られた電力を電線17を介して負荷16に供給する。
また、本実施の形態においては、燃料電池2の内部温度を把握するために、複数箇所に温度センサ19〜21を設けている。すなわち、エアオフガス排出流路15に温度センサ19を、水素オフガス排出流路11に温度センサ20を、燃料電池2のプレート5に温度センサ21を、それぞれ設けている。さらに、燃料電池2を循環する図示しない冷媒通路にも、温度センサを設けている。なお、上述の全ての温度センサを備える構成に限られず、少なくとも1つの温度センサを備える構成であっても良い。
また、燃料電池2の電流Iを測定するために、負荷16に接続された電線17に電流センサ22を設けている。さらに、燃料電池2の電圧を測定する電圧センサ23や、各セル3の電圧を検出するための電圧センサ25…25、スタック4を挟持するプレート5、5にかかる荷重を検出する圧力センサ26、スタック4から排出された水量を検出する水量センサ27、スタック4の重量を検出する重量センサ28も設けられている。
燃料電池システム1には、該システム1の制御を行うためのコントロールユニット(制御部)24が設けられている。この制御部24には、イグニッションスイッチ(IG SW)が接続されている。制御部24には、イグニッションスイッチからのイグニッションON、OFF(IG−ON、IG−OFF)の信号や、温度センサ19〜21や電流センサ22、電圧センサ23、25、圧力センサ26、水量センサ27、重量センサ28からの検出値が入力される。そして、制御部24は、これらの入力された検出値や信号に基づいて、水素タンク6、コンプレッサ13、水素パージ弁12を駆動させる信号を出力するようになっている。
図2は燃料電池システムの起動方法の処理内容を示すフローチャートである。
まず、ステップS10で、イグニッションスイッチがONになり(IG−ON)、車両が始動されたことを検出すると、水素タンク6やコンプレッサ13を駆動して、燃料電池2のアノードやカソードにそれぞれ反応ガス(水素、エア)を供給する制御を行い、始動運転を開始する。
次に、ステップS12では、上述した温度センサ19〜21や冷媒通路に設けた温度センサで検出した温度に基づいて、燃料電池2の内部温度を把握する。ステップS14では、燃料電池2の内部温度が0度より大きいか否かを判定する。この判定結果がYESの場合には十分暖機がされていると判定できるので、ステップS32に進む。ステップS32では、電流制限を解除し通常発電の制御に移行して本フローチャートの処理を終了する。この場合には燃料電池2内の残留水は凍結していないと判断できるためである。
一方、ステップS14の判定結果がNOの場合(低温起動時と判断される場合)にはステップS16に進む。ステップS16では、燃料電池スタック4内の保有水分量を把握する。本実施の形態では、今回の起動前の前回停止時における燃料電池スタック4内部からの排水処理前後での前記燃料電池スタック4の重量変化に基づいて算出する。これについて図3を用いて説明する。
図3は前回停止時の掃気処理の内容を示すフローチャートである。同図に示すように、ステップS40で、イグニッションスイッチがOFFになり(IG−OFF)、車両の停止指示がされたことを検出すると、ステップS42で掃気前の状態を確認する。本実施の形態では、掃気前の燃料電池スタック4の重量を重量センサ28により検出し、その検出値をコントロールユニット24のメモリ(図示せず)に記録する。次に、ステップS44で、燃料電池スタック4内に空気等の掃気用ガスを送り込み、燃料電池スタック4内部から残留水を排出する掃気処理を行う。掃気処理から一定時間経過後に、ステップS46で、掃気処理を終了する。なお、掃気処理終了の判定は、時間以外にも例えば燃料電池スタック4の湿度等で行ってもよい。
そして、ステップS48では掃気後の状態を確認する。本実施の形態では、掃気後の燃料電池スタック4の重量を重量センサ28により検出し、その検出値をコントロールユニット24のメモリ(図示せず)に記録する。その後、ステップS50で、燃料電池スタック4の掃気前後の重量変化に基づいて保有水分量を算出して、算出した保有水分量をメモリに記録する。コントロールユニット24には、重量変化と保有水分量との関係をマップ(図示せず)として保持され、このマップから保有水分量を求めることができる。
重量変化と保有水分量とは略正比例の関係であり、前記重量変化が大きい場合には前記燃料電池スタック内のセル電極が保有する保有水分量は少なくなっていると判定でき、前記排出水量が小さい場合には前記燃料電池スタック内のセル電極が保有する保有水分量は多くなっていると判定できる。そして、ステップS16の処理に進む。
ステップS16では、上述のように記録した保有水分量を読み出して把握する。ステップS18では発電条件マップを参照し、ステップS20では、セル電極が保有する保有水分量と、このマップに基づいて流通可能最大電流を計算する。これについて図4〜図6を用いて説明する。図4は燃料電池の保有水分量と流通可能最大電流との関係を示すグラフ図である。図5は燃料電池の保有水分量と流通可能最大電流との関係を燃料電池内部温度毎に示すグラフ図である。図6は燃料電池の保有水分量と流通可能最大電流との関係を起動条件毎に示すグラフ図である。
図4に示すラインLは、所定温度Tにおける、保有水分量に対する流通可能最大電流値を示している。ここで、ラインLの示す流通可能最大電流は、発電を安定して行える(電食の発生を防止しうる)最大の電流値である。また、ラインL以下の領域aは発電を安定して行える領域であり、ラインLを超える領域bは発電を安定して行えず燃料電池2の性能劣化が懸念される領域である。
同図に示すように、ラインLは略凸状に突出した曲線となっている。すなわち、保有水分量が0から増加するにつれて流通可能最大電流値は増加していくが、その後保有水分量が増加しても流通可能最大電流値はさほど増加せず略一定値となり、さらに保有水分量が増加すると流通可能最大電流値は減少していく。保有水分量が少ないときには、セル3の電解質膜内の抵抗値が高まり電子が通り難くなるため、流通可能最大電流値は小さくなっている。また、保有水分量が多いときには、セル3の電極表面が生成水等の水分で覆われて反応ガスの供給が妨げられるため、やはり流通可能最大電流値は小さくなっている。
また、図5に示すラインLA、LB、LCは、温度TA、TB、TCのときの保有水分量に対する流通可能最大電流値をそれぞれ示している。ここで、TA、TB、TCの順に温度が低くなっている。同図に示すように、起動時の内部温度が低下するほど、起動時の流通可能最大電流値が減少する。
また、図6に示すラインLα、Lβは、起動条件α、βのときの保有水分量に対する流通可能最大電流値をそれぞれ示している。ここで、起動条件としては、水素やエアの圧力や流量の制御の少なくともいずれかを含むものであり、条件αよりも条件βの方が上述の圧力や流量を低く設定している。同図に示すように、起動条件を向上させると、掃気時の排水量に対する流通可能最大電流値が増大する。
これら図4〜図6に示したマップを用いて、ステップS20で流通可能最大電流値を計算する。
次に、ステップS22で、燃料電池スタック4内の温度を把握する。この温度は、スタック4の外表面と、燃料電池スタック4内の温度と、燃料電池スタック4を通る冷却水の入口または出口の温度に基づいて算出される。
そして、ステップS24で発電可能最小電流値を計算する。ここで、最小電流値の求め方について説明する。本実施の形態においては、前記燃料電池スタック4の外周からの放熱量と、冷媒流路中を循環する冷媒の吸熱量との合計よりも、前記燃料電池スタック4の発電による発熱量が上回るように最小電流値を算出している。このように算出した最小電流値を流すことで、燃料電池スタック4内の昇温を確保することができ、燃料電池スタック4外部の暖機手段(ヒータ等)に依存することなく発電による発熱のみによって前記燃料電池スタック4の暖機を行うことができる。なお、燃料電池スタック4の外周からの放熱量は、燃料電池スタック4の内部温度と燃料電池スタック4の周囲温度とに基づいて、求めることができる。また、冷媒流路中を循環する冷媒の吸熱量は、燃料電池2を流通する冷媒の入口と出口での温度差に、冷媒の比熱と比重、冷媒の流量をそれぞれ乗じることで求めることができる。
そして、ステップS26では、流通可能最大電流値と発電可能最小電流値とを比較して、流通可能最大電流値が発電可能最小電流値よりも大きいか否かを判定する。この判定結果がYESであればステップS28に進み、判定結果がNOであればステップS30に進む。
ステップS28では、発電可能最小電流以上の電流を流すことができるので、前記最小電流値以上かつ前記最大電流値以下で発電を行い、ステップS12に戻る。この場合には、電食を防止しつつ自己の発電による発熱のみによって前記燃料電池スタック4の暖機を行うことができる。また、ステップS30では、最小電流値以上の電流を流すことができないので、システムの起動を拒否して、ステップS12に戻る。
以上説明したように、本実施の形態では、前記保有水分量と前記内部温度とからセル3に流す電流に応じた発電の安定性を判定することができる。また、過大な電流の流れによる電食の発生を防止することができる。
なお、本発明の内容は上述の実施の形態のみに限られるものでないことはもちろんである。例えば、実施の形態では、燃料電池を車両に搭載した場合について説明したが、車両以外の燃料電池システムにも適用してもよい。
また、実施の形態では、前回起動時での燃料電池スタック4停止前に掃気処理前後の状態変化(この場合は重量変化)に基づいて保有水分量を算出したが、他の方法を用いてもよい。具体的には、水量センサ27により掃気処理で排出された排出水の量を用いてもよいし、電圧センサ23により掃気処理後の燃料電池抵抗過電圧を用いてもよいし、圧力センサ26により掃気処理後の燃料電池スタックの締結荷重を用いてもよい。なお、ステップS14の閾値については、0℃でなくてもよく、燃料電池2のセル3が暖機されているかを判断するための所定値であればよい。
本発明の実施の形態における燃料電池システムの全体構成図である。 燃料電池システムの起動方法の処理内容を示すフローチャートである。 前回停止時の掃気処理の内容を示すフローチャートである。 燃料電池の保有水分量と流通可能最大電流との関係を示すグラフ図である。 燃料電池の保有水分量と流通可能最大電流との関係を燃料電池内部温度毎に示すグラフ図である。 燃料電池の保有水分量と流通可能最大電流との関係を起動条件毎に示すグラフ図である。
符号の説明
1…燃料電池システム
2…燃料電池
3…セル
4…スタック
19〜21…温度センサ
22…電流センサ
23…電圧センサ
24…コントロールユニット

Claims (5)

  1. 複数のセルを積層してなる燃料電池スタックを備えた燃料電池の起動方法であって、
    該燃料電池スタックを少なくとも氷点下の温度で起動するときに、
    該起動前における前記燃料電池スタック停止時での燃料電池スタック内の保有水分量を算出し、
    前記保有水分量と前記燃料電池スタックの内部温度とに基づいて各セルに流し得る流通可能最大電流値を算出して、
    該セル電流を前記流通可能最大電流値以下に制御するとともに、
    前記燃料電池スタックの外周からの放熱量と、冷媒流路中を循環する冷媒の吸熱量との合計よりも、前記燃料電池スタックの発電による発熱量が上回るように発電可能最小電流値を算出し、
    前記流通可能最大電流値と前記発電可能最小電流値との間で前記セルに流す電流値を制御することを特徴とする燃料電池の起動方法。
  2. 前記保有水分量は、前記燃料電池停止前における前記燃料電池スタック内部からの排出水量に基づいて算出することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の起動方法。
  3. 前記保有水分量は、前記燃料電池停止前における前記燃料電池スタック内部からの排水処理前後での前記燃料電池スタックの重量変化に基づいて算出することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の起動方法。
  4. 前記保有水分量は、前記燃料電池停止前における前記燃料電池スタック内部からの排水処理後の燃料電池抵抗過電圧に基づいて算出することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の起動方法。
  5. 前記保有水分量は、前記燃料電池停止前における前記燃料電池スタック内部からの排水処理後の前記燃料電池スタックの締結荷重に基づいて算出することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の起動方法。
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