JP2006122008A - 栄養補助剤の製造方法及び栄養補助剤並びにそれを用いた穀類加工食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸湿現象が発生し難く固結し難いため取扱性に優れるとともに、褐変現象も起こり難く、長期の保存・貯蔵が可能で保存性に優れるとともに商品価値を高めることができ、また旨味、栄養価、栄養バランスを高めることができ、また生臭みや獣臭を感じ難いばかりか豊潤なフレーバーを付与することができ、さらにこれまで大部分が廃棄されていた魚のアラや畜骨を有用な食品資源として有効に活用できる栄養補助食品の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、燻製された魚のアラ及び/又は畜骨を含む抽出原料を熱水中に浸漬し抽出残渣物を分離し抽出液を得る抽出液生成工程と、前記抽出液を穀類、塊根類、おから、茶葉、糠、果皮の1種以上の植物性吸収材に吸収させる抽出液吸収工程と、前記抽出液が吸収された前記吸収材を乾燥し粉末化する乾燥粉末化工程と、を備える。
【選択図】なし

Description

本発明は、魚のアラや畜骨を利用した栄養補助剤の製造方法及び栄養補助剤並びにそれを用いた穀類加工食品に関するものである。
従来より、魚の骨,豚骨,牛骨,鶏骨等の廃棄される食品資源や小魚等を利用して無機質類やビタミン類が配合された栄養添加料や食品が開発されている。また、老化防止や健康増進を目的としてビタミンやミネラル類がバランスよく配合された種々の栄養補助剤も開発されている。
魚の骨,豚骨,牛骨,鶏骨,小魚等を利用した従来の技術としては、例えば(特許文献1)に「数種類の野菜と、魚骨,豚骨,牛骨,鶏骨等と、を湯煮し、煮汁を精製し、軟粒及び顆粒状のエキスとした栄養添加料」が開示されている。
(特許文献2)に「茶葉、小魚、海藻の各粉粒体が所定の割合で混合された栄養バランス食品」が開示されている。
特開平6−217734号公報 特開2001−309762号公報
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に開示の技術では、魚骨,豚骨等の煮汁を精製して生成した軟粒及び顆粒状の動物性エキスは、吸湿性が著しく、しかも一旦吸湿すると急速に粘着性を生じ、次いで軟化固結してしまい取扱性に欠けるとともに、特に多湿条件下では固結し易く商品価値が著しく減損されるという課題を有していた。
(2)魚骨,豚骨,牛骨,鶏骨等を湯煮すると、魚や肉の旨味が抽出される他、魚の生臭みや鳥獣の獣臭が感じられることがあり、得られた軟粒及び顆粒状のエキスは特有の臭気を発することがあるという課題を有していた。
(3)魚骨から抽出された抽出液を濃縮すると、旨味成分の主体であるアミノ酸と糖類が結合して味を悪くする褐変現象が起こり易く、品質が短期間の内に低下し易いという課題を有していた。
(4)(特許文献2)に開示の技術は、容易に粉砕できる小魚を利用したものなので、ミキサ等の簡便な粉砕機で粉粒体を生成して栄養バランス食品として活用することができるが、魚の骨,豚骨,牛骨,鶏骨等は硬く粉砕し難いため、有用な食品資源でありながら、十分に活用することができないという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、吸湿現象が発生し難く固結し難いため取扱性に優れるとともに、褐変現象も起こり難く、長期の保存・貯蔵が可能で保存性に優れるとともに商品価値を高めることができ、また旨味、栄養価、栄養バランスを高めることができ、また生臭みや獣臭を感じ難いばかりか豊潤なフレーバーを付与することができ、さらにこれまで大部分が廃棄されていた魚のアラや畜骨を有用な食品資源として有効に活用できる栄養補助剤の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、旨味、栄養価、栄養バランスに優れ、長期の保存・貯蔵が可能で保存性に優れ、小麦粉等の他の食品素材に混ぜたり、ペレット状等に成形して錠剤に加工したりでき応用性に優れ、吸湿現象が発生し難く固結し難いため取扱性に優れ、また褐変現象も起こり難く商品価値を高めることができ、生臭みや獣臭を感じ難いばかりか豊潤なフレーバーを有し、これまで大部分が廃棄されていた魚のアラや畜骨を有用な食品資源として有効に活用できる栄養補助剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、コラーゲン,ムコ多糖類,アミノ酸,カルシウム,鉄,亜鉛等の栄養素やミネラル、植物性タンパク質、炭水化物、無機質、ビタミン類を付与し、栄養価の高い穀類加工食品を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明の栄養補助剤の製造方法及び栄養補助剤並びにそれを用いた穀類加工食品は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の栄養補助剤の製造方法は、燻製された魚のアラ及び/又は畜骨を含む抽出原料を熱水中に浸漬し抽出残渣物を分離し抽出液を得る抽出液生成工程と、前記抽出液を穀類、塊根類、おから、茶葉、糠、果皮の1種以上の植物性吸収材に吸収させる抽出液吸収工程と、前記抽出液が吸収された前記吸収材を乾燥し粉末化する乾燥粉末化工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)抽出液生成工程において、骨の髄質からコラーゲン,ムコ多糖類,アミノ酸,カルシウム,鉄,亜鉛等のミネラルを含む旨味成分が熱水中に溶け出し抽出され、抽出液吸収工程において、穀類、おから等の植物性吸収材が旨味成分の溶けた抽出液を吸収するので、植物性吸収材の旨味、栄養価、栄養バランスを高めることができる。
(2)乾燥粉末化工程を備えているので、茶葉,塊根類等の植物性吸収材を粉末化して食べ易くすることができるとともに、水分が除去されるので長期の保存・貯蔵が可能で保存性に優れ、さらに小麦粉等の他の食品素材に混ぜたり、ペレット状等に成形して錠剤に加工したりでき応用性に優れる。
(3)動物性の抽出液を植物性吸収材に吸収させ、これを乾燥し粉末化しているので、動物性の抽出液が植物性吸収材に分散されるため、動物性の抽出液自体を乾燥させて顆粒状にした場合にみられる吸湿現象が発生し難く、固結し難いため取扱性に優れ、また、褐変現象も起こり難く商品価値を高めることができる。
(4)燻乾された魚のアラや畜骨を用いているので、魚の生臭みや獣臭を感じ難く、また燻煙による豊潤なフレーバーを付与することができる。
(5)これまで大部分が廃棄されていた魚のアラや畜骨を用い、魚のアラや畜骨から旨味成分を抽出しているので、魚のアラや畜骨を低コストで有用な食品資源として有効に活用できる。
ここで、抽出原料の魚のアラとしては、魚をおろして身を取り除いた後に残る頭,かま,中骨等が用いられ、主として練り製品の原料となるすり身を製造する際に残渣として生じるものである。魚は、イワシ,タラ,スケトウタラ,スズキ,メルルーサ,ホキ,サケ等を用いることができるが、これに限られるものではない。
魚のアラの中骨には脂肪の多い魚肉が多量に付着しているため、魚肉が付着したまま用いることで、呈味成分を増加させることができる。
抽出原料の畜骨としては、鶏肉やダチョウ肉等の鳥肉を生産するときに生じた頭部及び足以外の骨で、頸骨から背骨や肋骨が一体となった部分であるガラ、ももや足の小骨等の鳥骨が用いられる。また、牛、馬、豚、羊等の家畜から食肉を生産したときに生じた大腿骨、上腕骨、肋骨等の骨を用いることができる。畜骨には肉が付着していなくてもよいが、多少付着している方が好ましい。呈味成分を増加させ食欲を増加させることができるからである。
抽出原料の魚のアラや畜骨は、予め、血抜き洗浄する血抜き洗浄工程を行うのが好ましい。苦味や生臭さ等を感じさせないようにできるからである。特に、鶏がらや魚のアラを用いる場合、汚物や土、血液等が付着している場合に効果的である。処理方法は、5〜30分間、水や熱水、次亜塩素酸ソーダ,二酸化塩素の希釈水溶液等に浸漬処理して洗浄、血抜きを行うものである。冷凍骨の場合は、希薄次亜塩素酸ソーダ、二酸化塩素等の溶液中で解凍、血抜きを行いながら水洗してもよい。
豚骨や牛骨等の大きな畜骨は、一部にヒビを入れて丸のまま、又は2〜3cm程度の長さに切断してから燻乾するのが望ましい。燻乾した後に2〜3cm程度の大きさに切断し、熱水中に浸漬することもできる。また、鶏がら等の小さな畜骨は、燻乾した後や燻乾する前に3mm〜3cm程度の大きさに切断したり粉砕し、処理することができる。いずれも抽出液を得る際の抽出効率を高めるためである。
燻乾としては、木材等の燻材を燃焼あるいは燻して煙を発生させアラや畜骨に付着させるものが用いられる。塩漬けや各種調味漬け等の前処理を行うこともできる。燻煙中のタール等の成分が魚のアラや畜骨の表面に付着し、一部は内部に浸透するので、独特の風味が得られ呈味成分を増やすとともに、細菌の発生を抑え殺菌作用が付与され、さらに油脂の酸化を防止し品質が低下するのを防止でき貯蔵性を付与できる。
燻材としては、ナラ、カシ、カエデ、クヌギ、ヒバ、サクラ等の種々の木材、緑茶葉等の茶葉、柑橘類やブドウ等の果実の果皮の1種又は複数種を用いることができる。
燻材として用いる茶葉は、茶を煎じた後の食品廃棄物としての茶葉(茶殻)を用いると、食品廃棄物の有効利用を図ることができ好ましい。また、果皮も食品廃棄物の有効利用を図ることができるので好ましい。
燻乾は、抽出原料の表面温度が60〜120℃になるような条件で処理されるのが好ましい。60℃より低くなるにつれ、抽出液に燻製特有のフレーバーが感じられ難くなる傾向がみられ、120℃より高くなるにつれ、抽出液に苦味や刺激味が感じられる傾向がみられ、いずれも旨味を低下させるからである。
抽出液生成工程において、畜骨等の抽出原料と熱水との重量割合としては、抽出原料の重量に対し熱水の重量4〜10倍好ましくは5〜8倍が好適に用いられる。熱水の重量が5倍より少なくなるにつれ抽出原料の旨味の熱水中への抽出効率が低下する傾向がみられ、8倍より多くなるにつれ旨味を十分に感じ難くなる傾向がみられる。特に、4倍より少なくなるか10倍より多くなると、これらの傾向が著しいため、いずれも好ましくない。
抽出液生成工程における熱水の温度と抽出原料の浸漬時間、即ち熱水の加熱時間としては、温度80〜100℃、加熱時間1〜10時間、好ましくは温度90〜95℃、加熱時間1.5〜4時間が好適である。熱水の温度が90℃より低くなる或いは加熱時間が1.5時間より短くなるにつれ、抽出原料に含まれる旨味成分を熱水中に十分に抽出させることができなくなる傾向がみられる。熱水の温度が95℃より高くなる或いは加熱時間が4時間より長くなるにつれ、抽出液の風味からコクが失われ深みが乏しくなる傾向がみられる。特に、熱水の温度が80℃より低くなる或いは加熱時間が1時間より短くなるか、加熱時間が10時間より長くなると、これらの傾向が著しくなるため、いずれも好ましくない。
なお、抽出原料が魚のアラを含む場合、抽出液生成工程における熱水の温度と抽出原料の浸漬時間としては、温度70〜100℃、加熱時間0.2〜1時間、好ましくは温度80〜95℃、加熱時間0.3〜0.5時間が好適である。熱水の温度が80℃より低くなる或いは浸漬時間が0.3時間より短くなるにつれ、抽出原料に含まれる旨味成分を熱水中に十分に抽出させることができなくなる傾向がみられる。熱水の温度が95℃より高くなる或いは加熱時間が0.5時間より長くなるにつれ、抽出された魚油が酸化され易く、魚油の酸化に伴い不快臭を発し抽出液の呈味成分及び香気が失われる傾向がみられる。特に、熱水の温度が70℃より低くなる或いは浸漬時間が0.2時間より短くなるか、加熱時間が1時間より長くなると、これらの傾向が著しくなるため、いずれも好ましくない。
なお、抽出液生成工程においては、抽出原料と水とを圧力鍋に入れ高温高圧下の熱水で抽出液を生成することもできる。これにより、短時間で抽出液を得ることができ生産性を高めることができる。この場合の条件は、圧力120〜210kPa、温度105〜120℃が好適に用いられる。圧力が120kPaより低く温度が105℃より低くなるにつれ、抽出時間が短縮され難くなる傾向がみられ、圧力が210kPaより高く温度が120℃より高くなるにつれ堅牢な加圧容器等が必要になるとともに省エネルギー性に欠けるため、いずれも好ましくない。
また、熱水中に塩、イノシン酸塩、グルタミン酸塩、唐辛子等を入れることもできる。これにより、抽出液の旨味を増すことができ好適である。
抽出原料を熱水中に浸漬した後抽出残渣物を分離し、抽出液を採取する。熱水に浮き上がった灰汁をすくい取ることもできる。抽出残渣物の分離除去は、ろ過処理、遠心分離処理等によって行うことができる。
なお、抽出原料が魚のアラを含む場合、抽出液中の魚油を遠心分離等によって分離除去するのが好ましい。抽出液中の魚油の含有量を少なくして酸化を防止し、旨味成分や香気を長く保ち貯蔵性を高めるためである。
抽出液吸収工程において用いる植物性吸収材の穀類としては、米,小麦,大麦,ライ麦,はとむぎ,そば,えんばく,きび,ひえ,あわ,とうもろこし等が用いられる。穀類を用いることにより、植物性タンパク質、炭水化物、無機質、ビタミン類(B群・Eなど)等を加えることができ栄養バランスを整えることができる。
植物性吸収材の塊根類としては、じゃがいも,さつまいも,里芋等が用いられる。炭水化物,カリウム,ビタミンC等を豊富に含むからである。
植物性吸収材としておからを用いることにより、炭水化物、植物性タンパク質によって栄養バランスを整えることができるとともに、おからが有する食物繊維によって肥満、糖尿病、高血圧等の疾病の予防が期待できる。また、豆腐製造時の豆乳の絞り粕であり大量に発生するがあまり活用されておらず大半のものが廃棄されているおからの利用拡大を図ることができ、廃棄物を有効に利用することができる。
植物性吸収材の茶葉としては、紅茶等の発酵茶用の茶葉、ウーロン茶や包種茶等の半発酵茶用の茶葉、プアール茶等の後発酵茶用の茶葉、緑茶等の不発酵茶用の茶葉等が用いられる。茶葉を用いることにより、無機質類,カリウム,ビタミン類(A・B類・Eなど)を加えることができる。茶葉は、茶を煎じた後の食品廃棄物としての茶葉を用いると、食品廃棄物の有効利用を図ることができ好ましい。
植物性吸収材の糠としては、米糠,小麦ふすま,麦糠等の穀類の精穀や製粉等により除かれた外皮が用いられる。なかでも米糠が好適に用いられる。玄米を精白する際に大量に発生し、タンパク質、無機質、ビタミンB群等を多量に含み、栄養価が高いからである。
糠は、焙焼したものを用いるのが好ましい。糠中のタンパク質、脂肪、糖質等から熱反応によって、独特の味、香りが形成されるため旨味を増すことができるからである。
植物性吸収材の果皮としては、ミカン,カボス等の柑橘類やブドウ等の果皮の1種又は複数種が用いられる。これにより、香りを付与することができるともに、柑橘類の果皮に含まれるビタミンC等やブドウ等の果皮に含まれるポリフェノール等を加えることができ、栄養価を高めることができる。また、食品工場等で大量に発生する食品廃棄物としての果皮を有効に利用でき、省資源性に優れる。
果皮は乾燥させた後、粉砕して粉状にして加えるのが好ましい。抽出液を吸収させるとともに均一に分散させるためである。
以上のような植物性吸収材は、生の状態のもの、適宜切断されているもの、粉砕されたもの、乾燥されたもの、加熱されたもの、冷凍されたもの等を用いることができる。なかでも、水分含量が5〜60%程度に乾燥された植物性吸収材が好適に用いられる。抽出液の吸収効率が高いため生産性に優れるとともに、抽出液吸収工程において抽出液の風味が揮散劣化するのを防止できるからである。
なお、植物性吸収材が油分を多く含む場合には、予めその部分を除去したり脱脂した後に用いるのが好ましい。抽出液の吸収を促進させるためである。
抽出液吸収工程において、植物性吸収材に抽出液を吸収させる方法としては、抽出液中で植物性吸収材を大気圧条件下や圧力鍋等で煮る方法、減圧条件下においた植物性吸収材に抽出液を接触させる方法等が用いられる。なかでも、抽出液中で植物性吸収材を大気圧条件下や圧力鍋等で煮る方法が好適に用いられる。加熱によって植物性吸収材を軟化させることができ、乾燥粉末化工程において、植物性吸収材を微粒子化できるからである。
乾燥粉末化工程において、抽出液を吸収した植物性吸収材は、必要に応じて圧搾、粉砕等されて、抽出液の存在する状態でスラリー状にされた後、噴霧乾燥,真空ドラム乾燥,凍結乾燥,熱風乾燥等によって乾燥される。植物性吸収材がスラリー状にされている場合は、噴霧乾燥,真空ドラム乾燥,凍結乾燥等によって水分を除去するとともに粉末化させることができる。乾燥条件を適宜選択することによって顆粒状にすることもできる。
植物性吸収材がスラリー状になっていない場合は、植物性吸収材を乾燥した後、若しくは乾燥前の抽出液の存在する状態で、チョッパー、カッター、衝撃式粉砕機等、通常食品産業で利用される粉砕機を用いて粉砕し微細化することができる。この場合、粉砕された植物性吸収材の大きさは、例えば500μm以下好ましくは300μm以下の大きさにするのが好ましい。食した際に異物間を感じさせず食感や舌触り等を滑らかにするためである。
乾燥粉末化工程によって、乾燥粉末化された植物性吸収材の水分活性は、0.2〜0.6好ましくは0.3〜0.5にされるのが好適である。水分活性が0.3より低くなるにつれ旨味が乏しくなる傾向がみられ、0.5より多くなるにつれカビ等が発生し易く保存性が低下する傾向がみられる。特に、水分活性が0.2より低くなるか0.6より高くなると、これらの傾向が著しいため、いずれも好ましくない。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の栄養補助剤の製造方法であって、前記抽出原料が、野菜類、果皮、海藻類の1種以上を含む構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)抽出原料が、野菜類、果皮、海藻類の1種以上を含むので、抽出液に野菜類、果皮、海藻の風味が加わり、甘味が増し、抽出液の旨味をより深みのあるものにすることができるとともに、魚や肉の生臭みや獣臭を少なくすることができる。
ここで、野菜類としては、例えば、キャベツ、芽キャベツ、玉葱、ニンジン、かぶ、セロリ、大根、カリフラワー、グリンピース、ニンニク、コーン、エシャロット、パセリ、ブロッコリー、ネギ、白菜、トマト、カボチャ、椎茸、エノキダケ、マッシュルーム等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、タイム,ローリエ等のハーブ類を加えることもできる。
果皮としては、ミカン,カボス等の柑橘類やブドウ等の果実の皮が用いられる。
海藻類としては、例えば、ワカメ、昆布、ヒジキ等が用いられるが、これらに限定されるものではない。
野菜類、果皮、海藻類の1種以上を抽出原料に加える場合、抽出原料の全量に対する魚のアラ及び/又は畜骨の量は、10〜60重量%好ましくは35〜55重量%にするのが好適である。これにより、深いコク味をもったバランスの良い抽出液を得ることができる。
なお、抽出原料の全量に対する魚のアラ及び/又は畜骨の量が35重量%より少なくなるにつれ、魚や肉の旨味が少なくなるとともに野菜類等の種類にもよるが、野菜の青臭さや渋味が強くなる傾向がみられ、55重量%より多くなるにつれ、野菜類等の甘味が少なくなりコク味が少なくなる傾向がみられる。特に、10重量%より少なくなるか60重量%より多くなると、これらの傾向が著しくなるため、いずれも好ましくない。
本発明の請求項3に記載の栄養補助剤は、燻乾された魚のアラ及び/又は畜骨の抽出液が吸収され乾燥粉末化された穀類、おから、茶葉、糠、塊根類の1種以上からなる植物性吸収材を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)乾燥粉末化された穀類等の植物性吸収材が、畜骨等から溶け出したコラーゲン,ムコ多糖類,アミノ酸,カルシウム,鉄,亜鉛等のミネラルを含む抽出液を吸収しているので、旨味、栄養価、栄養バランスに優れる。
(2)茶葉,塊根類等の植物性吸収材が粉末化されているので食べ易くすることができるとともに、乾燥されているので長期の保存・貯蔵が可能で保存性に優れ、さらに小麦粉等の他の食品素材に混ぜたり、ペレット状等に成形して錠剤に加工したりでき応用性に優れる。
(3)動物性の抽出液が植物性吸収材に吸収され、植物性吸収材が乾燥粉末化されているので、動物性の抽出液が植物性吸収材に分散されているため、吸湿現象が発生し難く、固結し難いため取扱性に優れ、また、褐変現象も起こり難く商品価値を高めることができる。
(4)燻乾された魚のアラや畜骨を用いているので、魚の生臭みや獣臭を感じ難く、また燻煙による豊潤なフレーバーを付与することができる。
(5)これまで大部分が廃棄されていた魚のアラや畜骨を用い、魚のアラや畜骨から旨味成分を抽出しているので、魚のアラや畜骨を低コストで有用な食品資源として有効に活用できる。
ここで、燻乾、魚のアラ、畜骨、植物性吸収材、抽出液としては、請求項1で説明したものと同様なので、説明を省略する。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の栄養補助剤であって、前記植物性吸収材に、野菜類、果皮、海藻類の1種以上の抽出液が吸収された構成を有している。
この構成により、請求項3で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)植物性吸収材に、野菜類、果皮、海藻類の1種以上の抽出液が吸収されているので、野菜類、果皮、海藻の風味が加わり、甘味が増し、旨味をより深みのあるものにすることができるとともに、魚や肉の生臭みや獣臭を少なくすることができる。
ここで、野菜類、果皮、海藻類としては、請求項2で説明したものと同様のものなので、説明を省略する。
なお、植物性吸収材に漢方薬の抽出液を吸収させることもできる。これにより、漢方薬による薬効を得ることができる。
漢方薬としては、例えば、甘草、生姜、薬用人参、麻黄、大黄、うこん等を挙げることができ、これらは適宜選択することができる。
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の栄養補助剤であって、乾燥粉末化された前記植物性吸収材に、健康食品,栄養強化剤,菌類,甘味料,食酢の内のいずれか1種以上が混合された構成を有している。
この構成により、請求項3又は4で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)乾燥粉末化された植物性吸収材に健康食品,栄養強化剤,食酢が混合されると、植物性吸収材が不足する栄養素や機能を栄養強化剤等で補うことができ、栄養バランスに優れ、生活習慣病の予防や老化防止、ダイエット食品としても優れた栄養補助剤を得ることができる。
(2)健康食品や栄養強化剤の高濃度の栄養素等の成分を、植物性吸収材で希釈化させるので、健康食品等の過剰摂取による健康障害が生じるのを防ぐとともに、胃などの消化器官に与える負荷を少なくすることができる。健康食品や栄養強化剤は、栄養素等の成分を通常の食品より高濃度に含有させたものが多いので、過剰摂取による健康障害を起こす可能性や、高濃度の栄養素が体内に一度に入った場合には、胃などの消化器官に負担をかけたり、吸収しきれない栄養素が多量に発生し体外に排出されてしまうので、健康食品や栄養強化剤を摂取しても期待した効果が得られないばかりか、健康を害することもあるからである。
(3)植物性吸収材に甘味料が混合されると嗜好性等を高めることができ、菌類が混合されると感染防御能、免疫能等を高めることができる。
ここで、健康食品としては、例えば、クロレラ、すっぽん加工食品、プルーンエキス加工食品、ビタミンC含有食品、ローヤルゼリー等が用いられるが、これらに限定されるものではない。
栄養強化剤としては、アミノ酸類、ビタミン類、ミネラル類等の栄養素を補う目的で添加される食品添加剤等を用いることができる。例えば、コラーゲン,ポリフェノール,カルニチン,ビタミンK,キトサン,玉葱粉末,カイアポ芋,グァバ茶等を挙げることができる。
菌類としては、ラクトバチルス,ビフィズス菌,腸球菌等の常在性腸内細菌、紅麹菌等が用いられる。
甘味料としては、オリゴ糖、羅漢果、黒砂糖等が用いられる。
食酢としては、例えば、米,麦,酒粕,とうもろこし等の穀類を主原料として製造される穀物酢、りんご,ぶどう,柑橘類等の果実を主原料として製造される果実酢等を用いることができる。
植物性吸収材に対する健康食品,栄養強化剤等の混合量は、不足している栄養素や目的に応じて、適宜選択することができる。
本発明の請求項6に記載の穀類加工食品は、請求項3乃至5の内いずれか1に記載の栄養補助剤が含有された構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)栄養補助剤が含有されているので、畜骨等から抽出されたコラーゲン,ムコ多糖類,アミノ酸,カルシウム,鉄,亜鉛等の栄養素やミネラル、穀類や塊根類の植物性タンパク質、炭水化物、無機質、ビタミン類を付与し、栄養価を高めるとともに嗜好性を高めることができる。
(2)食品のバリエーションを増やすことができ、常食しても飽きさせ難くすることができる。
(3)主食にすることができるとともに、栄養補助剤が多種の食品からなるので、一つの穀類加工食品を食するだけで多種の食品を摂取することができる。
ここで、穀類加工食品としては、小麦や米等の穀類を主原料として成形、乾燥、加熱等の加工を施し製造された食品が用いられる。例えば、小麦粉や米粉等の穀類を主原料として加工したうどん,ひやむぎ,そうめん,ラーメン,マカロニ,ヌードル,パスタ等の麺類、クッキー,ビスケット,カステラ,ケーキ,せんべい,かきもち,あられ,饅頭等の菓子類、パン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これらの穀類加工食品は、小麦粉や米等の穀類と適量の栄養補助剤と水とを混合し生地を捏ね、所定の形状に成形することで製造することができる。エクストルーダーを用いて粒状や棒状等の形状に押出加工したり、膨化成形することもできる。また、生地を型に入れて焼く、生地を成形し乾燥させた後に焼く、生地を成形し蒸す等の手段で製造することもできる。また、加工されたものに、請求項1で説明した燻乾処理を施すこともできる。さらに、燻乾処理を施す際に、醤油,酢,油等を含有した漬けたれを塗布することもできる。これにより、嗜好性や保存性を高めることができる。
なお、穀類と栄養補助剤との混合量は、食品の用途に応じて適宜選択することができる。
以上のように、本発明の栄養補助剤の製造方法及び栄養補助剤並びにそれを用いた穀類加工食品によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1の発明によれば、
(1)骨の髄質からコラーゲン,ムコ多糖類,アミノ酸,カルシウム,鉄,亜鉛等のミネラルを含む旨味成分が熱水中に溶け出し抽出され抽出液を生成し、穀類、おから等の植物性吸収材が旨味成分の溶けた抽出液を吸収するので、植物性吸収材の旨味、栄養価、栄養バランスを高めることができる栄養補助剤の製造方法を提供することができる。
(2)茶葉,塊根類等の植物性吸収材を粉末化して食べ易くすることができるとともに、水分が除去されるので長期の保存・貯蔵が可能で保存性に優れ、さらに小麦粉等の他の食品素材に混ぜたり、ペレット状等に成形して錠剤に加工したりでき応用性に優れた栄養補助剤の製造方法を提供することができる。
(3)動物性の抽出液が植物性吸収材に分散されるため、動物性の抽出液自体を乾燥させて顆粒状等にした場合にみられる吸湿現象が発生し難く、固結し難いため取扱性に優れ、また、褐変現象も起こり難く商品価値を高めることができる栄養補助剤の製造方法を提供することができる。
(4)魚の生臭みや獣臭を感じ難く、また燻煙による豊潤なフレーバーを付与することができる栄養補助剤の製造方法を提供することができる。
(5)これまで大部分が廃棄されていた魚のアラや畜骨を、低コストで有用な食品資源として有効に活用できる栄養補助剤の製造方法を提供することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)野菜類、果皮、海藻の風味が加わり、甘味が増し、旨味をより深みのあるものにすることができるとともに、魚や肉の生臭みや獣臭を少なくすることができる栄養補助剤の製造方法を提供することができる。
請求項3の発明によれば、
(1)乾燥粉末化された穀類等の植物性吸収材が、畜骨等から溶け出したコラーゲン,ムコ多糖類,アミノ酸,カルシウム,鉄,亜鉛等のミネラルを含む抽出液を吸収しているので、旨味、栄養価、栄養バランスに優れた栄養補助剤を提供することができる。
(2)茶葉,塊根類等の植物性吸収材が粉末化されているので食べ易くすることができるとともに、乾燥されているので長期の保存・貯蔵が可能で保存性に優れ、さらに小麦粉等の他の食品素材に混ぜたり、ペレット状等に成形して錠剤に加工したりでき応用性に優れた栄養補助剤を提供することができる。
(3)吸湿現象が発生し難く、固結し難いため取扱性に優れ、また、褐変現象も起こり難く商品価値を高めることができる栄養補助剤を提供することができる。
(4)燻乾された魚のアラや畜骨を用いているので、魚の生臭みや獣臭を感じ難く、また燻煙による豊潤なフレーバーを付与することができる栄養補助剤を提供することができる。
(5)これまで大部分が廃棄されていた魚のアラや畜骨を、低コストで有用な食品資源として有効に活用できる栄養補助剤を提供することができる
請求項4の発明によれば、請求項3の効果に加え、
(1)野菜類、果皮、海藻の風味が加わり、甘味が増し、旨味をより深みのあるものにすることができるとともに、魚や肉の生臭みや獣臭を少なくすることができる栄養補助剤を提供することができる。
請求項5の発明によれば、請求項3又は4の効果に加え、
(1)乾燥粉末化された植物性吸収材に健康食品,栄養強化剤,食酢が混合されると、植物性吸収材が不足する栄養素や機能を栄養強化剤等で補うことができ、栄養バランスに優れ、生活習慣病の予防や老化防止、ダイエット食品としても優れた栄養補助剤を提供することができる。
(2)健康食品等の過剰摂取による健康障害が生じるのを防ぐとともに、胃などの消化器官に与える負荷を少なくすることができる栄養補助剤を提供することができる。
(3)嗜好性や感染防御能、免疫能等を高めることができる栄養補助剤を提供することができる。
請求項6の発明によれば、
(1)畜骨等から抽出されたコラーゲン,ムコ多糖類,アミノ酸,カルシウム,鉄,亜鉛等の栄養素やミネラル、穀類や塊根類の植物性タンパク質、炭水化物、無機質、ビタミン類を付与し、栄養価を高めるとともに嗜好性を高めることができる穀類加工食品を提供することができる。
(2)食品のバリエーションを増やすことができ、常食しても飽きさせ難い穀類加工食品を提供することができる。
(3)主食にすることができるとともに、栄養補助剤が多種の食品からなるので、一つの穀類加工食品を食するだけで多種の食品を摂取できる穀類加工食品を提供することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
2cm幅に切断した畜骨としての牛バラ骨100重量部を燻煙装置内の網棚に載せ、ナラ材を燻材として用い、燻煙装置内の温度(畜骨の表面の温度と同じ)が90℃になるようにしながら1時間燻煙をかけ、畜骨の燻乾を行った。
水500重量部が入った鍋の中に燻乾された畜骨を入れて水を加熱し、温度90℃の熱水中に畜骨を3時間浸漬した。十分に灰汁をすくい取った後、熱水をろ過して畜骨の抽出残渣物を分離除去し抽出液を得た(抽出液生成工程)。
得られた抽出液に、植物性吸収材として皮をむいて切断したじゃがいも50重量部、精米(洗米したもの)100重量部を加えて煮込み、植物性吸収材に抽出液を吸収させた(抽出液吸収工程)。加熱を続け、植物性吸収材のじゃがいもや米が軟化したら、これらを粉砕して、抽出液をスラリー状にした。
スラリー状の抽出液を噴霧乾燥し(乾燥粉末化工程)、実施例1の栄養補助剤を得た。
(実施例2)
魚のアラとしてのスズキのアラ100重量部を水で洗浄し血抜きした(血抜き洗浄工程)。次に、燻煙装置内の網棚に載せ、カシ材を燻材として用い、燻煙装置内の温度(畜骨の表面の温度と同じ)が70℃になるようにしながら2時間燻煙をかけ、魚のアラの燻乾を行った。
水400重量部が入った鍋の中に燻乾された魚のアラ、ネギ2重量部を入れて水を加熱し、温度80℃の熱水中に魚のアラを0.5時間浸漬した。十分に灰汁をすくい取った後、熱水をろ過してネギや魚のアラの抽出残渣物を分離除去し抽出液を得た(抽出液生成工程)。
得られた抽出液に、植物性吸収材として大麦(ひき割り麦)100重量部、おから50重量部を加えて煮込み、植物性吸収材に抽出液を吸収させた(抽出液吸収工程)。
抽出液を吸収させた植物性吸収材を熱風乾燥機で80〜90℃にて12時間乾燥し、乾燥物を得た。この乾燥物を粉砕機によって粉砕し粉末化し(乾燥粉末化工程)、実施例2の栄養補助剤を得た。
(実施例3)
3cm幅に切断した畜骨としての鶏がら100重量部を水で十分に洗浄し血抜きした(血抜き処理工程)。次に、燻煙装置内の網棚に載せ、サクラ材を燻材として用い、燻煙装置内の温度(畜骨の表面の温度と同じ)が100℃になるようにしながら1時間燻煙をかけ、畜骨の燻乾を行った。
水400重量部が入った鍋の中に燻乾された畜骨、玉葱30重量部、キャベツ30重量部、エノキダケ10重量部、ニンジン10重量部、椎茸5重量部、セロリ3重量部、ブドウの果皮(乾燥したもの)2重量部、昆布2重量部を抽出原料として入れて水を加熱し、温度90℃の熱水中で抽出原料を4時間加熱した。加熱後、ろ過して畜骨等の抽出残渣物を分離除去し抽出液を得た(抽出液生成工程)。
得られた抽出液に、植物性吸収材として皮をむいて切断したさつまいも50重量部、米糠(脱脂したもの)50重量部、茶葉(緑茶を煎じた後の乾燥したもの)3重量部を加えて煮込み、植物性吸収材に抽出液を吸収させた(抽出液吸収工程)。
抽出液を吸収させた植物性吸収材を熱風乾燥機で80〜90℃にて12時間乾燥し、乾燥物を得た。この乾燥物を粉砕機によって粉砕し粉末化し(乾燥粉末化工程)、実施例3の栄養補助剤を得た。
(比較例1)
2cm幅に切断した畜骨としての牛バラ骨100重量部を、水500重量部が入った鍋の中に入れて水を加熱し、温度90℃の熱水中に畜骨を3時間浸漬した。十分に灰汁をすくい取った後、熱水をろ過して畜骨の抽出残渣物を分離除去し抽出液を得た。得られた抽出液を噴霧乾燥し、比較例1の栄養補助剤を得た。
(比較例2)
魚のアラとしてのスズキのアラ100重量部を用い、燻乾を行わない以外は実施例2と同様にして、比較例2の栄養補助剤を得た。
(比較例3)
畜骨としての鶏がら100重量部を用い、燻乾を行わない以外は実施例3と同様にして、比較例3の栄養補助剤を得た。
(栄養補助剤の評価)
実施例1〜3、比較例1〜3の栄養補助剤を、サンプラーの10人の男女に食べてもらい、「栄養補助剤のべたつき難さ」、「魚・肉の生臭さや獣臭」、「魚・肉の旨味」、「フレーバー」、「野菜の旨味」の4項目について比較評価してもらった。なお、評価は、++(非常に良好)、+(良好)、±(普通)、−(不良)、− −(非常に不良)の5段階評価を官能で行ったものである。具体的には、以下のとおりである。
「栄養補助剤のべたつき難さ」:非常に良好…皿の上に放置した粉末同士が固結し難くべたつき難い、良好…皿の上に放置した粉末同士が若干固結するがほとんど気にならない、普通…皿の上に放置した粉末同士が若干固結する、不良…皿の上に放置した粉末同士が固結し若干べたつく、非常に不良…皿の上に放置した粉末同士がべたつく。
「魚・肉の生臭さや獣臭」:非常に良好…生臭さや獣臭が全く感じられない、良好…生臭さ等が感じられない、普通…生臭さ等が若干感じられるがそれほど気にならない、不良…生臭さ等が感じられる、非常に不良…生臭さ等が非常に感じられる。
「魚・肉の旨味」:非常に良好…旨味が非常に感じられる、良好…旨味が感じられる、普通…旨味がわずかに感じられる、不良…旨味がほとんど感じられない、非常に不良…旨味が全く感じられない。
「野菜等の旨味」:非常に良好…穀類,塊根類,野菜類等の旨味が非常に感じられる、良好…旨味が感じられる、普通…旨味がわずかに感じられる、不良…旨味がほとんど感じられない、非常に不良…旨味が全く感じられない。
以上の基準で官能評価した10人の平均を、(表1)に示す。
Figure 2006122008
(表1)に示すように、実施例1〜3の栄養補助剤では、粉末同士が固結し難くべたつき難く、また生臭さや獣臭が全く感じられず、肉や魚の旨味、野菜類等の旨味も十分に感じられたという評価を得た。さらに、サンプラーからは、食したときに豊潤な風味が感じられるという高い評価を得た。
一方、比較例1〜3の栄養補助剤では、生臭さや獣臭が感じられ不快感を訴えるサンプラーもいた。特に、比較例1の栄養補助剤では、皿の上に放置した粉末同士がべたつき取扱性に欠けると評価するサンプラーが多かった。
以上のように、本実施例によれば、吸湿現象が発生し難く固結し難いため取扱性に優れ、また生臭みや獣臭を感じ難いばかりか旨味を高め、さらに豊潤なフレーバーを付与することができることが明らかになった。また、多種の食品から構成できるので、栄養バランスにも優れることが明らかである。
なお、実施例1において、塩、イノシン酸塩、グルタミン酸塩、唐辛子等の内のいずれか1種を熱水中に入れて畜骨の抽出を行ったものも作成した。これらの抽出液を用いて製造した栄養補助剤は、さらに旨味が増したと評価するサンプラーが多かった。
本発明は、魚のアラや畜骨を利用した栄養補助剤の製造方法及び栄養補助剤並びにそれを用いた穀類加工食品に関し、吸湿現象が発生し難く固結し難いため取扱性に優れるとともに、褐変現象も起こり難く、長期の保存・貯蔵が可能で保存性に優れるとともに商品価値を高めることができ、また旨味、栄養価、栄養バランスを高めることができ、また生臭みや獣臭を感じ難いばかりか豊潤なフレーバーを付与することができ、さらにこれまで大部分が廃棄されていた魚のアラや畜骨を有用な食品資源として有効に活用できる栄養補助剤の製造方法を提供でき、また、旨味、栄養価、栄養バランスに優れ、長期の保存・貯蔵が可能で保存性に優れ、小麦粉等の他の食品素材に混ぜたり、ペレット状等に成形して錠剤に加工したりでき応用性に優れ、吸湿現象が発生し難く固結し難いため取扱性に優れ、また褐変現象も起こり難く商品価値を高めることができ、生臭みや獣臭を感じ難いばかりか豊潤なフレーバーを有し、これまで大部分が廃棄されていた魚のアラや畜骨を有用な食品資源として有効に活用できる栄養補助剤を提供でき、また、コラーゲン,ムコ多糖類,アミノ酸,カルシウム,鉄,亜鉛等の栄養素やミネラル、植物性タンパク質、炭水化物、無機質、ビタミン類を付与し、栄養価の高い穀類加工食品を提供できる。

Claims (6)

  1. 燻乾された魚のアラ及び/又は畜骨を含む抽出原料を熱水中に浸漬し抽出残渣物を分離し抽出液を得る抽出液生成工程と、前記抽出液を穀類、塊根類、おから、茶葉、糠、果皮の1種以上の植物性吸収材に吸収させる抽出液吸収工程と、前記抽出液が吸収された前記植物性吸収材を乾燥し粉末化する乾燥粉末化工程と、を備えていることを特徴とする栄養補助剤の製造方法。
  2. 前記抽出原料が、野菜類、果皮、海藻類の1種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の栄養補助剤の製造方法。
  3. 燻乾された魚のアラ及び/又は畜骨の抽出液が吸収され乾燥粉末化された穀類、おから、茶葉、糠、塊根類の1種以上からなる植物性吸収材を備えていることを特徴とする栄養補助剤。
  4. 前記植物性吸収材に、野菜類、果皮、海藻類の1種以上の抽出液が吸収されていることを特徴とする請求項3に記載の栄養補助剤。
  5. 乾燥粉末化された前記植物性吸収材に、健康食品,栄養強化剤,菌類,甘味料,食酢の内のいずれか1種以上が混合されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の栄養補助剤。
  6. 請求項3乃至5の内いずれか1に記載の栄養補助剤が含有されていることを特徴とする穀類加工食品。
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