JP2006112537A - トルクロッド及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両衝突時の衝撃的な大荷重によりロッド本体が応力集中部を起点とし、所定の方向へ確実に変形してパワーユニットを路面側へ脱落させる。
【解決手段】 トルクロッド10では、ゴム弾性体26の外周面に外周側へ凸状とされた突起部40が形成されると共に、第2円環部16の内周面における連結ステー部18との接合部付近に突起部が挿入される凹状のノッチ部42が形成されている。これにより、車両の衝突時に衝撃的な大荷重が主軸方向に沿ってロッド本体12に作用した場合には、ロッド本体12を、ノッチ部42付近を起点として所定の方向へ確実に変形又は破壊することができるので、車両の衝突時に一定の大きさ以上の衝撃的な荷重が主軸方向と略一致する車両前後方向に沿ってパワーユニットに作用した際に、パワーユニットを路面側へ脱落するような方向へ移動できる。この結果、パワーユニット及びその周辺構造物が車内側へ移動しなくなり、これらが搭乗者に損傷を与えることを効果的に効果的に防止できる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両におけるエンジンを含んで構成されるパワーユニットの車体に対する防振支持機構を構成するマウントの一種であって、主としてパワーユニットから車体に及ぼされるトルク反力等が負荷荷重として入力するトルクロッド及びその製造方法に関するものである。
従来から、自動車等の車両においては、主たる振動発生源であるエンジンを含むパワーユニットから車体への振動伝達を抑えて優れた乗り心地を実現すると共に、車体及び車体に取り付けられた各種部品を振動から保護するために、パワーユニットが防振支持機構を介して車体に支持されている。かかる防振支持機構は、一般に、ゴム弾性体を用いた複数のマウント部材によって構成されるが、このようなマウント部材の一種として、複数のエンジンマウント等により車体に支持されたパワーユニットから車体に及ぼされるトルク反力が主として負荷荷重として入力するエンジントルクロッド(以下、単に「トルクロッド」と呼称する。)が知られている。この種のトルクロッドとしては、例えば、パワーユニットにおけるトルクロール軸から外れた外周部分を車体に弾性的に連結し、パワーユニットの車体に対するローリング方向の変位量を緩衝的に制限するものがある(例えば、特許文献1参照)。
ところで、近年、車両に対しては正面衝突やオフセット衝突時に極めて高い安全性が要求されるようになっており、このような車両正面側における衝突時の安全性を高める構造として、例えば、車両が衝突した際の衝撃的な大荷重によりパワーユニットがエンジンルーム内から下方(路面側)へ脱落するようにしたものが開発されている。これにより、車両衝突時にパワーユニット及びその周辺構造物が車内側へ移動し、これらが搭乗者に損傷を与えることを効果的に防止できるようになる。
上記のようなパワーユニットの脱落構造を実現するためには、例えば、パワーユニットを車体側へ連結するトルクロッドの一部分に意図的に応力集中部を形成し、この応力集中部を起点として車両衝突時の衝撃的な大荷重によりパワーユニットを脱落させる所定の方向へ変形、破壊することが考えられる。
特開2001−200892号公報
しかしながら、上記のような応力集中部が形成されたトルクロッドは、このような応力集中部が存在しない従来のトルクロッドと比較し、その形状及び構造が不可避的に複雑なものになり、製造コストが高いものになるという問題が生じる。
本発明の目的は、上記事実を考慮して、車両衝突時の衝撃的な大荷重によりロッド本体が応力集中部を起点とし、所定の方向へ確実に変形してパワーユニットを路面側へ脱落させることができ、しかも応力集中部を設けることによる装置の製造コストの増加を効果的に抑制できるトルクロッド及び、その製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に係るトルクロッドは、エンジンを含むパワーユニットを車体側に弾性的に連結するトルクロッドであって、第1の円環部、第2の円環部及び、前記第1の円環部の外周部分から径方向に沿って外周側へ延出し前記第2の円環部の外周部分に接合される連結ステー部が設けられたロッド本体と、前記第1の円環部の内周側に配置され、パワーユニット及び車体の一方に連結される第1の取付部材と、前記第2の円環部の内周側に配置され、パワーユニット及び車体の他方に連結される第2の取付部材と、前記第1の円環部と前記第1の取付部材との間に配設されて第1の円環部と第1の取付部材とを弾性的に連結した第1のゴム弾性体と、前記第2の円環部と前記第2の取付部材との間に配設されて第2の円環部と第2の取付部材とを弾性的に連結した第2のゴム弾性体とを有し、前記第2のゴム弾性体の外周面に外周側へ凸状とされた突起部を形成すると共に、前記第2の円環部の内周面における前記連結ステー部との接合部付近に前記突起部が挿入される凹状のノッチ部を形成したことを特徴とする。
本発明の請求項1に係るトルクロッドの作用を以下に説明する。
請求項1に係るトルクロッドでは、第2のゴム弾性体の外周面に外周側へ凸状とされた突起部を形成すると共に、第2の円環部の内周面における連結ステー部との接合部付近に前記突起部が挿入される凹状のノッチ部を形成したことをにより、第2の円環部におけるノッチ部の外周側の肉厚が他の部分よりも薄くなると共に、ノッチ部の形状的な作用(応力集中作用)により第2の円環部におけるノッチ部付近に応力集中が生じやすくなるので、第2の円環部におけるノッチ部付近の強度を適宜設定しておけば、通常の車両運転時に定常的な荷重がロッド本体に作用しても、この定常的な荷重によりロッド本体が変形又は破壊することを確実に防止でき、また車両の衝突時に衝撃的な大荷重がロッド本体に作用した場合には、衝撃的な大荷重によりロッド本体を第2の円環部におけるノッチ部付近を起点としてパワーユニットを路面側へ脱落させるような所定の方向へ確実に変形又は破壊することができる。
この結果、請求項1に係るトルクロッドによれば、車両衝突時にパワーユニット及びその周辺構造物の移動方向を車内側に対してずらすことができるので、これらが搭乗者に損傷を与えることを効果的に効果的に防止できる。
また請求項1に係るトルクロッドでは、ロッド本体を所定の方向へ変形又は破壊するための応力集中部が存在しない従来のトルクロッドと比較し、第2のゴム弾性体に突起部が形成されると共に、第2の円環部に前記突起部が挿入される凹状のノッチ部が形成されているだけで、ロッド本体の形状及び構造が実質的に複雑化しないので、ロッド本体を所定の方向へ変形又は破壊するための応力集中部を設けることによる装置の製造コストの増加を効果的に抑制できる。
また本発明の請求項2に係るトルクロッドは、請求項1記載のトルクロッドにおいて、前記第1のゴム弾性体の外周面に外周側へ凸状とされた突起部を形成すると共に、前記第1の円環部の内周面における前記連結ステー部との接合部付近に前記突起部が挿入される凹状のノッチ部を形成したことを特徴とする。
本発明の請求項2に係るトルクロッドでは、第2のゴム弾性体及び第2の円環部と同様に、第1のゴム弾性体及び第1の円環部に突起部及びノッチ部を形成したことにより、車両の衝突時に衝撃的な大荷重がロッド本体に作用した場合には、衝撃的な大荷重によりロッド本体を第1の円環部のノッチ部付近及び第2の円環部におけるノッチ部付近の2箇所をそれぞれ起点としてパワーユニットを路面側へ脱落させるような所定の方向へ変形又は破壊することができる。
また本発明の請求項3に係るトルクロッドは、請求項1記載のトルクロッドにおいて、前記円環部における前記ノッチ部の外周側の部分である屈曲部の肉厚を、車両衝突時にパワーユニットに衝撃的な荷重が作用すると、該衝撃的な荷重により前記屈曲部が前記ロッド本体における他の部分よりも優先的に屈曲変形するように設定したことを特徴とする。
ここで、この請求項3における円環部は、第1及び第2の円環部の一方にのみノッチ部が形成される場合には第2の円環部を意味し、第1及び第2の円環部の双方にノッチ部が形成される場合には第1及び第2の円環部を意味している。
また本発明の請求項4に係るトルクロッドは、請求項1、2又は3記載のトルクロッドにおいて、前記ロッド本体を樹脂により一体成形したことを特徴とする。
また本発明の請求項5に係るトルクロッドの製造方法は、請求項1乃至4の何れか1項記載のトルクロッドの製造方法であって、前記円環部の形状に対応するキャビティを有するモールド内に前記ゴム弾性体をインサートコアとして装填した後、前記モールドのキャビティ内に溶融樹脂を注入して前記ゴム弾性体の外周側に前記円環部を成形すると同時に、該円環部に前記ゴム弾性体に形成された前記突起部により前記ノッチ部を成形する成形工程を有することを特徴とする。
本発明の請求項5に係るトルクロッドの製造方法では、円環部に対応するキャビティを有するモールド内に第2のゴム弾性体をインサートコアとして装填した後、モールドのキャビティ内に溶融樹脂を注入してゴム弾性体の外周側に前記円環部を成形すると同時に、この円環部に突起部の形状を転写することによりノッチ部を成形することにより、ゴム弾性体に予めノッチ部に対応する形状を有する突起部を形成しておけば、ノッチ部を有する円環部を成形(モールド成形)するために専用のモールドを用いる必要がなくなり、このようなノッチ部が存在しない従来の円環部を成形するためのモールドと共通のモールドを用いてノッチ部を有する円環部を成形できるので、ロッド本体を所定の方向へ変形又は破壊するための応力集中部を第1の円環部及び第2の円環部の一方又は双方に設けることによる装置の製造コストの増加を効果的に抑制できる。
このとき、モールドにロッド本体全体に対応するキャビティが連続的に設けられている場合には、このキャビティ内に溶融樹脂を注入するだけで、第1の円環部、第2の円環部及び連結ステー部を含むロッド本体全体を一体的に成形することができる。
以上説明したように、本発明のトルクロッド及びその製造方法によれば、車両衝突時の衝撃的な大荷重によりロッド本体が応力集中部を起点とし、所定の方向へ確実に変形してパワーユニットを路面側へ脱落させることができ、しかも応力集中部を設けることによる装置の製造コストの増加を効果的に抑制できる。
以下、本発明の実施形態に係るトルクロッドについて図面を参照して説明する。
(実施形態の構成)
図1及び図2には、本発明の実施形態に係るトルクロッドが示されている。このトルクロッド10は、車両におけるエンジンを含んで構成されるパワーユニットの車体に対する防振支持機構を構成するマウントの一種であって、例えば、パワーユニットの後端部と車体との間に介装され、パワーユニットのトルク反力や慣性力によりパワーユニットがロール方向及び車体前後方向へ変位することを制限する。
図1及び図2に示されるように、トルクロッド10は全体として一方向に沿って細長く形成された樹脂製のロッド本体12を備えている。ロッド本体12には、その長手方向に沿った一端側(図1及び図2では左側)に略円環状とされた第1円環部14が設けられると共に、他端側に第1円環部14よりも大径の円環状とされた第2円環部16が設けられている。またロッド本体12には、第1円環部14の外周部分からロッド本体12の長手方向に沿って外周側へ延出し、第2取付部材の外周部分に接合される連結ステー部18が設けられている。なお、第1円環部14の径方向及び厚さ方向に沿った中心と第2円環部16の径方向及び厚さ方向に沿った中心とを結んだ直線をトルクロッド10の主軸Sとし、この主心Sに沿った方向をトルクロッド10の主軸方向として以下の説明を行う。
トルクロッド10には、第1円環部14及び第2円環部16の内周側それぞれパイプ状に形成された第1取付部材20及び第2取付部材22が略同軸的に配設されている。トルクロッド10には、図2に示されるように、第1円環部14の内周面と第1取付部材20の外周面との間に円筒状のゴムブッシュ24が設けられ、このゴムブッシュ24は、その内周面が第1取付部材20の外周面に加硫接着されると共に、外周面が第1円環部14の内周面に接着等により固着されている。これにより、第1取付部材20は第1円環部14に弾性的に連結される。
またトルクロッド10には、図1に示されるように、第2円環部16の内周面と第1取付部材20の外周面との間に略肉厚円筒状のゴム弾性体26が設けられており、このゴム弾性体26は、その外周面が第2円環部16の内周面に接着等により固着されている。ゴム弾性体26には、主軸方向に沿って第2取付部材22の両側にそれぞれ隣接するように2個のすぐり部28,30が形成されており、これらのすぐり部28,30は、それぞれ第2取付部材22の軸方向に沿ってゴム弾性体26を貫通している。
ゴム弾性体26は、主軸方向に沿ってすぐり部28の外側(図1では右側)の部分がストッパ部32とされると共に、すぐり部30の内側(図1では左側)の部分がストッパ部34とされている。これらのストッパ部32,34は、それぞれ第2取付部材22が主軸方向に沿って所定量以上、第2円環部16に対して相対変位すると、第2取付部材22へ当接して第2取付部材22の主軸方向に沿った相対変位を制限する。
ゴム弾性体26には、周方向に沿ってすぐり部28とすぐり部30との間に一対のゴム連結部36,38が形成されている。これらのゴム連結部36,38は、その内周側の端面が第2取付部材22の外周面に加硫接着されている。これにより、一対のゴム連結部36,38は、第2取付部材22を第2円環部16に弾性的に連結し、第2取付部材22が主軸方向に沿って相対変位すると、主として剪断方向へ弾性変形し、第2取付部材22がその径方向であって主軸方向と直交する方向に沿って相対変位すると、主として引張り及び圧縮方向へ弾性変形する。
トルクロッド10では、例えば、第1取付部材20がブラケット(図示省略)を介して車両におけるエンジンを含むパワーユニットに連結固定されると共に、第2取付部材22が車体側に設けられたトルクロッド取付部(図示省略)へボルト等の締結部材により連結固定される。これにより、パワーユニットは、そのトルク反力や車両の急発進や急停止時の慣性力によりロール方向及び車体前後方向へ変位することがトルクロッド10により緩衝的に制限される。
ゴム弾性体26には、図1に示されるように、その外周面に外周側へ凸状とされた突起部40が形成されている。この突起部40は、その断面形状が内周側から外周側へ向って幅が徐々に狭くなるテーパ状とされている。突起部40は、第2取付部材22の軸方向に沿ってゴム弾性体26の全幅に亘って延在している。一方、第2円環部16には、その内周面における連結ステー部18との接合部付近であって一方のゴム連結部36側に突起部40が挿入される凹状のノッチ部42が形成されている。このノッチ部42は、その断面形状が突起部40の断面形状と対応する形状とされており、ノッチ部42の内周側の面には、突起部40の外周側の面が隙間なく密着している。
ここで、第2円環部16におけるノッチ部42の外周側の部分は屈曲部44とされており、この屈曲部44は、車両衝突時にパワーユニットに衝撃的な荷重が作用し、この衝撃的な荷重が主軸方向に沿ってトルクロッド10に伝達されると、この衝撃的な荷重によりロッド本体12における他の部分よりも優先的に屈曲変形するように、その肉厚が設定されている。具体的には、屈曲部44は、衝撃的な荷重が主軸方向に沿ってトルクロッド10に伝達されると、図3に示されるように、ノッチ部42の最外周側の底部付近を起点として外周側へ開くように屈曲変形する。これにより、ロッド本体12全体は、ノッチ部42付近を起点として変形前の主軸Sに対して変形後の主軸S´がV字状になるように屈曲変形する。
次に、上記のように構成されたトルクロッド10の製造方法について説明する。トルクロッド10を製造する際には、先ず、第1取付部材20を、インサートコアとしてゴムブッシュ24に対応する中空部(キャビティ)を有する加硫成形用の第1モールド(図示省略)内にインサートコアとして装填した後、この第1モールド内へ加硫ゴムを注入し、第1取付部材20の外周側にゴムブッシュ24を加硫成形すると同時に、第1取付部材20にゴムブッシュ24を加硫接着する。ゴム弾性体26についても同様に、第2取付部材22をゴム弾性体26に対応するキャビティを有する加硫成形用の第2モールド(図示省略)内にインサートコアとして装填した後、この第2モールド内へ加硫ゴムを注入し、第2取付部材22の外周側にゴム弾性体26を加硫成形すると同時に、第2取付部材22にゴム弾性体26のゴム連結部36,38をそれぞれ加硫接着する。
次いで、上記のようして第1取付部材20の外周側に成形されたゴムブッシュ24と、第2取付部材22の外周側に成形されたゴム弾性体26とをそれぞれロッド本体12に対応する中空部(キャビティ)を有する出射成形用の第3モールド(図示省略)内にインサートコアとして装填した後、この第3モールド内へ溶融樹脂を出射し、ゴムブッシュ24及びゴム弾性体26の外周側に第1及び第2円環部14,16を出射成形すると共に、第1及び第2円環部14,16間に連結ステー部18を出射成形する。
このとき、、ゴム弾性体26には予め突起部40が成形されているので、第2円環部16の成形と同時に、第2円環部16の内周面には凸状の突起部40に対応する形状の凹状のノッチ部42が転写成形される。またゴムブッシュ24及びゴム弾性体26の外周面に予め接着処理を施しておくことにより、円環部14,16の成形と同時に、これらの円環部14,16がゴムブッシュ24及びゴム弾性体26にそれぞれ接着される。
(実施形態の作用)
次に、上記のように構成された本発明の実施形態に係るトルクロッド10の作用について説明する。
本実施形態に係るトルクロッド10では、ゴム弾性体26の外周面に外周側へ凸状とされた突起部40を形成すると共に、第2円環部16の内周面における連結ステー部18との接合部付近に突起部が挿入される凹状のノッチ部42を形成したことをにより、第2円環部16におけるノッチ部42の外周側における屈曲部44の肉厚が他の部分よりも薄くなると共に、ノッチ部42の形状的な作用(応力集中作用)により第2円環部におけるノッチ部42付近に応力集中が生じやすくなるので、第2円環部におけるノッチ部42付近の強度を適宜設定しておけば、通常の車両運転時に定常的な荷重がロッド本体12に作用しても、この定常的な荷重によってはロッド本体12が変形又は破壊することを確実に防止できるが、車両の衝突時に衝撃的な大荷重が主軸方向に沿ってロッド本体12に作用した場合には、この衝撃的な大荷重によりロッド本体12を第2円環部16におけるノッチ部42付近を起点として所定の所定の方向へ確実に変形又は破壊することができ。この結果、本実施形態に係るトルクロッド10によれば、ノッチ部42を起点とするロッド本体12の変形又は破壊の方向を、トルクロッド10により車体側へ連結されたパワーユニットを路面側へ脱落させるような方向(脱落方向)へ設定しておけば、車両が衝突時に一定の大きさ以上の衝撃的な荷重が主軸方向と略一致する車両前後方向に沿ってパワーユニットに作用した際に、パワーユニットを路面側へ脱落するような方向へ移動できるので、車両衝突時にパワーユニット及びその周辺構造物が車内側へ移動しなくなり、これらが搭乗者に損傷を与えることを効果的に効果的に防止できる。
また本実施形態に係るトルクロッド10では、ロッド本体12を所定の方向へ変形又は破壊するための応力集中部が存在しない従来のトルクロッド10と比較しても、ゴム弾性体26に突起部40が形成されると共に、第2円環部16に突起部40が挿入される凹状のノッチ部42が形成されているだけで、ロッド本体12の形状及び構造が実質的に複雑化しないので、ロッド本体12を所定の方向へ変形又は破壊するための応力集中部(本実施形態では、ノッチ部42)を設けることによるトルクロッド10の製造コストの増加を効果的に抑制できる。
また本実施形態に係るトルクロッド10の製造方法では、ロッド本体12に対応するキャビティを有する第3モールド内にゴム弾性体26をインサートコアとして装填した後、モールドのキャビティ内に溶融樹脂を出射して第2ゴム弾性体26の外周側に第2円環部16を成形すると同時に、この第2円環部16に突起部40の形状を転写してノッチ部42を成形することにより、ゴム弾性体26に予めノッチ部42に対応する形状を有する突起部40を形成しておけば、ノッチ部42を有する第2円環部16を含むロッド本体12を成形(モールド成形)するために専用のモールドを用いる必要がなくなり、このようなノッチ部が存在しない従来のロッド本体を成形するためのモールドと共通のモールドを用いてノッチ部42を有するロッド本体12を成形できるので、ロッド本体12を所定の方向へ変形又は破壊するためのノッチ部42をロッド本体12の第2円環部16に設けることによる製造コストの増加を更に効果的に抑制できる。
なお、本実施形態に係るトルクロッド10では、突起部40及びノッチ部42を車体側に配置される第2ゴム弾性体26及び第2円環部16にそれぞれ設けたが、トルクロッド10の主軸Sを中心とする回転方向を適宜調整することにより、ゴム弾性体26及び第1円環部14にそれぞれ突起部40及びノッチ部42を設けても、車両が衝突時に一定の大きさ以上の衝撃的な荷重が主軸方向と略一致する車両前後方向に沿ってパワーユニットに作用した際に、トルクロッド10の変形又は破壊に伴ってパワーユニットを路面側へ脱落するような方向へ移動させる、という作用を得ることが可能になる。
また本実施形態では、突起部40及びノッチ部42の断面形状が略三角形とされていたが、これらの突起部40及びノッチ部42の断面形状については、所要の応力集中作用が得られれば半円状、矩形状等の他の形状でも良い。
また、図4に示されるトルクロッド60のように、車体側に配置される第2ゴム弾性体26及び第2円環部16にそれぞれ突起部40及びノッチ部42を設けることに加え、エンジン側に配置される第1ゴム弾性体24及び第1円環部14にも、それぞれ突起部40及びノッチ部42と同様な形状及び作用を有する突起部50及びノッチ部52を設けるようにしても良い。このように、第1円環部14及び第2円環部16にそれぞれ突起部50,40及びノッチ部52,42を設けることより、一方の円環部14,16のみに突起部50,40及びノッチ部52,42を設ける場合と比較し、例えば、車両衝突時に一定の大きさ以上の衝撃的な荷重が作用した際に、エンジンの移動方向(脱落方向)を斜め下方(下方外側)へ設定することも可能になるので、エンジン及びその周辺構造物が車内の搭乗者へ与える影響を更に効果的に低減できるようになる。
本発明の実施形態に係るトルクロッドの構成を示す側面図である。 図1に示されるトルクロッドを主軸回りに90°回転させた状態を示す側面図である。 図1に示されるトルクロッドに衝撃な大荷重が作用してロッド本体が変形した状態を示す側面図である。 本発明の実施形態に係るトルクロッドの変形例の構成を示す側面図である。
符号の説明
10 トルクロッド
12 ロッド本体
14 第1円環部
16 第2円環部
18 連結ステー部
20 第1取付部材
22 第2取付部材
24 ゴムブッシュ(第1のゴム弾性体)
26 ゴム弾性体(第2のゴム弾性体)
36 ゴム連結部
40 突起部
42 ノッチ部
44 屈曲部

Claims (5)

  1. エンジンを含むパワーユニットを車体側に弾性的に連結するトルクロッドであって、
    第1の円環部、第2の円環部及び、前記第1の円環部の外周部分から径方向に沿って外周側へ延出し前記第2の円環部の外周部分に接合される連結ステー部が設けられたロッド本体と、
    前記第1の円環部の内周側に配置され、パワーユニット及び車体の一方に連結される第1の取付部材と、
    前記第2の円環部の内周側に配置され、パワーユニット及び車体の他方に連結される第2の取付部材と、
    前記第1の円環部と前記第1の取付部材との間に配設されて第1の円環部と第1の取付部材とを弾性的に連結した第1のゴム弾性体と、
    前記第2の円環部と前記第2の取付部材との間に配設されて第2の円環部と第2の取付部材とを弾性的に連結した第2のゴム弾性体とを有し、
    前記第2のゴム弾性体の外周面に外周側へ凸状とされた突起部を形成すると共に、前記第2の円環部の内周面における前記連結ステー部との接合部付近に前記突起部が挿入される凹状のノッチ部を形成したことを特徴とするトルクロッド。
  2. 前記第1のゴム弾性体の外周面に外周側へ凸状とされた突起部を形成すると共に、前記第1の円環部の内周面における前記連結ステー部との接合部付近に前記突起部が挿入される凹状のノッチ部を形成したことを特徴とする請求項1記載のトルクロッド。
  3. 前記円環部における前記ノッチ部の外周側の部分である屈曲部の肉厚を、車両衝突時にパワーユニットに衝撃的な荷重が作用すると、該衝撃的な荷重により前記屈曲部が前記ロッド本体における他の部分よりも優先的に屈曲変形するように設定したことを特徴とする請求項1又は2記載のトルクロッド。
  4. 前記ロッド本体を樹脂により一体成形したことを特徴とする請求項1、2又は3記載のトルクロッド。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項記載のトルクロッドの製造方法であって、
    前記円環部の形状に対応するキャビティを有するモールド内に前記ゴム弾性体をインサートコアとして装填した後、
    前記モールドのキャビティ内に溶融樹脂を注入して前記ゴム弾性体の外周側に前記円環部を成形すると同時に、該円環部に前記ゴム弾性体に形成された突起部により前記ノッチ部を成形する成形工程を有することを特徴とするトルクロッドの製造方法。
JP2004301276A 2004-10-15 2004-10-15 トルクロッド及びその製造方法 Active JP4694815B2 (ja)

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