以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の正面図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
<全体構成>
スロットマシン100の本体101の上部には、外周面に複数種類の絵柄が配置されたメインリールが3個(左リール191、中リール192、右リール193)収納され、中央には、外周面に複数種類の絵柄が配置されたサブリールが3個(左リール111、中リール112、右リール113)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施の形態においては、メインリールはサブリールより小さく設計されており、サブリールが本体101のほぼ中央に配置されていることから、遊技者は主にサブリールを見て遊技を行うようになっている。また、本実施形態において、メインリール及びサブリールの各絵柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール111乃至113、及び191乃至193が構成されている。リール111乃至113、及び191乃至193上の各絵柄は、遊技者から見ると、絵柄表示窓から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの絵柄が見えるようになっている。そして、各リール111乃至113、及び191乃至193を回転させることにより、遊技者から見える絵柄の組み合わせが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをそれぞれスロットマシン100の中央及び上部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、各々のリール111乃至113、及び191乃至193の背面には、絵柄表示窓に表示される個々の絵柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の絵柄ごとに遮蔽されて個々の絵柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。バックライトは、例えば、7色(赤、緑、青紫の三原色と、白色等をはじめとするこれらの混合色)の光を発することが可能であり、各原色に対応したLED等を含んで構成される。
なお、スロットマシン100内部において各々のリール111乃至113、及び191乃至193の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部のあいだを、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の絵柄の回転方向の位置を判断し、目的とする絵柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール111乃至113、及び191乃至193を停止させる。
尚、詳しくは、後述するが、本実施形態では、メインリールとサブリールの絵柄は異なっている。しかしながら、メインリールとサブリールの各絵柄は対応付けられており、メインリールにおいて停止した絵柄の組み合わせが何らかの入賞役に入賞するときは、サブリールの絵柄組み合わせにおいても、同一の入賞役を表示するように同期をとるようになっている。これにより、遊技者は、主にサブリールを見ながら遊技をした場合においても、回転中の絵柄を狙って停止操作する遊技を続けることができる。
入賞ライン表示ランプ125は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
貯留枚数表示器121は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器122は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。払出枚数表示器123は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ126は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入ブロック136は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口を形成するブロックである。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入ブロック136のメダル投入口から実際のメダルを投入することもできる。
スタートレバー132は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入ブロック136のメダル投入口に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー132を操作すると、これを契機としてリール111乃至113、及び191乃至193が回転し、遊技が開始される。ストップボタン133乃至135は、スタートレバー132の操作によって回転を開始したリール111乃至113、及び191乃至193に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール191乃至193(111乃至113)に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン133乃至135を操作すると対応するいずれかのリール191乃至193(111乃至113)が停止することになる。
メダル払出口151は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿144は、メダル払出口151から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿144は、本実施形態では発光可能な受皿を採用しており、以下受け皿ランプと呼ぶこともある。
音孔160及び181は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。サイドランプ141、腰部ランプ142、下部ランプ143、受皿ランプ144及び上部ランプ145は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプであり遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。
<制御部>
次に、図2を参照して、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信された制御情報(以下、コマンドと略称)に応じて各種機器を制御する副制御部400と、から構成されている。
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのバス370を備え、その他、以下に述べる構成を有する。
CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダルセンサー320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、リセットスイッチ324、設定スイッチ325、設定キースイッチ326の状態を検出し、各センサ及び各スイッチを監視している。
スタートレバーセンサ321はスタートレバー132の操作を検知するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン133乃至135のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検知するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検知するためのセンサである。リセットスイッチ324は、RAM313のデータをクリアするためのスイッチである。設定スイッチ325は、設定変更キースイッチ326がONの状態において押下すると、設定値が変更されるスイッチであり、設定キースイッチ326は、スロットマシン100の設定を変更するためのキースイッチである。
また、CPU310は、入力インタフェース380を介してインデックスセンサ(図示省略)と接続されている。インデックスセンサは、メインリールの各リール191乃至193の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサを通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース340には、メインリールのリール191乃至193を駆動させるためのモータを制御するモータ駆動部331と、ホッパーのモータを駆動するためのホッパー制御部332が接続されている。また、出力インタフェース350には、遊技ランプ類333が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路311がバス370を介して接続されている。乱数発生回路311は、水晶発振器(図示省略)から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。さらに、CPU310のバス370には、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース360が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
次に、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのバス460を備え、以下に述べる構成を有する。
CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM411や、データ等を一時的に保存するためのRAM412がバス460を介して接続されている。
CPU410には、バス460を介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース430が接続されており、入力インタフェース430を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のバス460には、楽音信号形成部450が接続されている。楽音信号形成部450は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、楽音信号形成部450は、音声データをアンプ451で増幅させてスピーカ452から出力する。
CPU410は、入力インタフェース470を介してインデックスセンサ(図示省略)と接続されている。インデックスセンサは、サブリールの各リール111乃至113の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサを通過するたびにHレベルになる。CPU410は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース440には、サブリールのリール111乃至113を駆動させるためのモータを制御するモータ駆動部450が接続されている。また、出力インタフェース420には、遊技ランプ類413が接続されている。
<メインリールの絵柄配列>
図3は、メインリールの各リール191乃至193に施される絵柄の配列を平面的に展開して示した図である。同図に示すように、各リール191乃至193には、複数種類の絵柄が所定コマ数(ここでは21コマ)だけ配置されている。絵柄表示窓には、21コマの内の3コマ分が表示される。
図3の左端に示した番号0乃至20は、リール上のどの位置のコマに各絵柄が配置されているか、すなわち、リール上の絵柄配置位置を示す番号である。この番号と絵柄とは1対1で対応しており、例えば、左リール191の番号1のコマにはリプレイ絵柄、中リール192の番号1のコマにはベル絵柄、右リール193の番号1のコマにはベル絵柄、がそれぞれ配置されている。
従って、入賞ライン114上にある絵柄が表示されるように回転中の各リール191乃至193を停止する場合には、例えば、適当な基準位置を設けて、その基準位置を通過する回転中の各リール191乃至193の絵柄配置位置を検出することで、各絵柄がどの位置にあるかをチェックする。そして、チェックの結果に従って、目的とする絵柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール191乃至193を停止させることとなる。
<入賞役>
図4は、スロットマシン100で採用可能な入賞役の種類と、対応するメインリールの絵柄組み合わせと、メダルの払い出し枚数と、抽選データとの例を示した図である。同図に示すように、入賞役としては、特別遊技を開始させるビッグボーナス(BB)、役物遊技を開始させるレギュラーボーナス(RB)、次回の遊技においてメダルの投入が不要な再遊技、小役、役物遊技を開始させるシフトレギュラーボーナス(SRB)、役物がある。各入賞役の抽選データは遊技の状態(通常遊技、特別遊技、役物遊技)毎に設定されており、設定1から設定6まで複数種類存在する(図4は設定1の場合を示している)。そして、通常遊技においては、設定6が最も内部当選確率が高くなるように抽選データが設定されており、以下設定1へ向かうに従って内部当選確率が低くなっている。すなわち、設定6の場合が遊技者にとって最も有利になる。
<メインリールの停止制御>
本実施形態におけるメインリールのリール191乃至193の停止制御は、予め定めた複数種類の停止制御テーブルの中から内部抽選結果に基づいていずれかを選択し、選択した停止制御テーブル(以下、主制御部300の停止制御テーブルT1ともいう)に基づき行う。停止制御テーブルT1は、遊技状態及び各入賞役の内部抽選の結果に応じて複数種類設定されている。また、本実施形態の場合、特に、BBとRBの内部当選中であるか否かで区分けしている。内部当選中とは、いわゆるフラグの持ち越し状態を意味し、BBかRBに内部当選したにも関わらず、その遊技においてそれらに入賞しなかった場合に、入賞するまで次遊技以降も、それらに内部当選したものとして取り扱う処理をいう。
停止制御テーブルT1は、内部抽選で内部当選した入賞役か、又は、いわゆるフラグ持ち越し中の入賞役については、対応する絵柄組合せが揃って表示されることが許容される一方、そうでない場合には各入賞役に対応する絵柄組合せが揃って表示されないように構成されている。例えば、小役2の「ベル−ベル−ベル」に内部当選していない場合、「ベル−ベル−ベル」の絵柄組合せが表示されるタイミングでリール191乃至193の停止操作が行われたとしても、リール191乃至193は直ちに停止せずにベルの絵柄組合せが揃わないように制御される。逆に、「ベル−ベル−ベル」に内部当選している場合には、ベルの絵柄組合せが表示されるタイミングでリール191乃至193の停止操作が行われなかったとしても、一定の範囲でリール191乃至193は直ちに停止せずにベルの絵柄組合せが揃うように制御されることになる。一定の範囲とは、予め定められた停止可能な範囲であり、停止操作が行われたときから移動可能な範囲である(引込みコマ数を多くすればするほどリールを滑らせて停止させることができるが、多すぎた場合、遊技者にとっては、停止操作を行ったにも係わらず、リールが回転しているという不自然さを与えることとなるため、この不自然に感じない程度の間隔で停止許可位置を設定することが好ましい。本実施形態では最大4コマ滑りとしている)。このことを引き込み制御と言う。また例えば、小役1の「スイカ−スイカ−スイカ」に内部当選している場合に、停止操作が行われたときの表示窓上の絵柄に「スイカ」の絵柄がなく、また、停止操作があったと判定してから移動可能な範囲内に「スイカ」の絵柄がない場合には「スイカ」の絵柄は表示窓上に停止しない。このように配置された絵柄の組み合わせで構成された入賞役を、取りこぼしが発生し得る入賞役という。本実施形態の場合、この取りこぼしが発生し得る入賞役に該当するのは、「BB」「RB」「小役1」「小役3」である。
<サブリールの絵柄配列>
図5は、サブリールの各リール111乃至113に施される絵柄の配列を平面的に展開して示した図である。同図に示すように、各リール111乃至113には、メインルールに施された絵柄とは異なる、複数種類の絵柄が所定コマ数(ここでは21コマ)だけ配置されている。メインリール同様、絵柄表示窓には、21コマの内の3コマ分が表示される。
ここで、図6を参照しながら、メインリールに施された絵柄とサブリールに施された絵柄の関係について説明する。メインリールに施された「赤7」絵柄は、サブリールに施された「太陽」絵柄に対応している。同様にして、「白7」絵柄は「太陽・雲」絵柄に、「BAR」絵柄は「雲」絵柄に、「スイカ」絵柄は「雪」絵柄に、「ベル」絵柄は「雷」絵柄に、「チェリー」絵柄は「雨」絵柄に、「リプレイ」絵柄は「傘」絵柄に、それぞれ対応している。さらに、図3及び図5によれば、「リプレイ(傘)」絵柄と「ベル(雷)」絵柄においては、配置を入れ替えて配置している。これは、「リプレイ(傘)」絵柄と「ベル(雷)」絵柄は、100%引き込み可能であり、取りこぼしが発生しないため、配置を変更し、遊技性を高めたものである。
そして、本実施形態においては、例えば、メインリールのリール191乃至193において、「赤7−赤7−赤7」(BB)が揃ったときは、サブリールのリール111乃至113において、「太陽−太陽−太陽」が揃うようになっている。一方、入賞役に内部当選しなかったときには、メインリール及びサブリールに表示される各絵柄は、対応付けられた絵柄同士は表示されない。
本実施形態においてサブリールの絵柄は、絵柄の天気が良いほど遊技者に大きな特典が与えられる可能性があるように設定した。また、サブリールには配置する絵柄の設定に法規則上の制限がないため、図5に示すように、サブリールの端部には目押し補助図柄501及び502が施されており、これにより、「太陽」絵柄、「雲」絵柄の目押しを補助できるようになっている。即ち、目押し補助図柄により、BB及びRBに入賞させやすくなっている。
尚、上述したように、本実施形態では、サブリールの径をメインリールの径より大きくなるようにし、メインリールとサブリールの絵柄数及び回転速度を同一としたが、取りこぼしが発生する入賞役をメインリールとサブリールそれぞれで同時に停止可能とする構成であれば、停止メインリールとサブリールの径は同一であってもよく、また、絵柄数、回転速度を異なるようにしてもよい。
<サブリールの停止制御>
従来、サブリールに表示された絵柄と、メインリールでの入賞役の絵柄が異なる場合、ボーナスに内部当選したことを意味するという演出手法が一般に知られている。よって、演出仕様を知らずに遊技するときであっても、遊技者はサブリールに表示された絵柄とメインリールでの入賞役の絵柄とが異なることを期待しながら遊技していた。
そこで、副制御部400では、ボーナスに内部当選していないときは、サブリールに表示する入賞役をメインリールに表示する入賞役に対応させるような処理をさせていた。この結果、例えばメインリールで小役「チェリー」絵柄を停止表示後に、副制御部400では小役「チェリー」に対応するサブリールの絵柄を表示させるためにサブリールを半周以上回転させることがあった。これでは遊技者は、停止操作を行ったにも係わらず一定時間内に停止しないサブリールに不自然さを感じざるを得なかった。
本発明のサブリールの停止制御は、これに鑑みてなされたものであり、一定時間内にサブリールが停止するとともに、該一定時間をメインリールとサブリールで同一としたものである。より詳しくは、サブリールのリール111乃至113の停止制御は、予め定めた複数種類の停止制御テーブル(以下、副制御部400の停止制御テーブルT2ともいう)に基づき行うようになっている。停止制御テーブルT2は、上述した停止制御テーブルT1と同様に、遊技状態及び各入賞役の内部抽選の結果に応じたテーブルが選択されるようになっている(例えば、内部抽選の結果、BBに内部当選したときは、BBに対応するテーブル停止制御テーブルT1及びT2が選択される)。
そして、副制御部400においても、停止制御テーブルT2を備えることにより、サブリールの回転動作の自由度を高めることができる一方、上述したように、入賞役に入賞したときはメインリールと同期をとって停止するようにもなっている。
図7は、主制御部300の停止制御テーブルT1と副制御部400の停止制御テーブルT2の関係を示す図である。取りこぼしが発生する入賞役であるBB(赤7−赤7−赤7)、RB(BAR−BAR−BAR)、小役1(スイカ−スイカ−スイカ)、小役3(チェリー−ANY−ANY)においては、主制御部300と副制御部400で停止操作があったことを知るタイミングが異なっていたとしても、メインリールに内部当選した入賞役を入賞させることができたときは、サブリールにもメインリールで入賞した入賞役に対応した絵柄組合せを表示することができる。従って、取りこぼしが発生する入賞役に内部当選中であるときは、主制御部300及び副制御部400の各停止制御テーブルは、同一の停止位置情報を備えるようになっている。また、逆に言えば、取りこぼしが発生しない入賞役に内部当選したとき、取りこぼしが発生する入賞役を取りこぼしたとき、及び内部抽選でハズレたときには、主制御部300及び副制御部400の各停止制御テーブルは、異なる停止位置情報を備えるようになっている。
次に、上述した取りこぼしが発生する入賞役に内部当選したときの停止制御について説明する。図8は、小役3に内部当選したときの左リール111及び191の中段位置における各停止制御テーブルT1及びT2の一例を説明する図である。後述するように、一般に、主制御部300から副制御部400への制御コマンド送信処理は、最大絵柄1コマ分の遅延を発生させているので、主制御部300の停止制御テーブルT1の滑りコマ数と副制御部400の停止制御テーブルT2の滑りコマ数とは、異なるように設定されている。図8はこのことを示すものである。ここで、図中の「●」が付された絵柄は、絵柄表示窓の中段位置で停止が許可されていることを示す。一方、「↑」が付された絵柄は、中段位置での停止が許可されていないことを示しており、これが中段位置を通過する際に、遊技者により停止操作がされたとしても、停止することなく絵柄を通過させることを表している。
図8によれば、メインリールの左リール191のストップボタン133が押下されたのが、仮に番号16のとき(絵柄表示窓の中段位置に「BAR」絵柄があるとき)であれば、番号12まで4コマ滑って、中段位置は「チェリー」絵柄で停止する。一方、副制御部400においては、左リール191のストップボタン133が押下されたのと同時に停止操作コマンドを受信できれば(遅延時間が0であれば)、番号16(「雲」絵柄)を取得できるので、メインリールと同様に、サブリールにおいても番号12まで4コマ滑って、中段位置は「雨」絵柄で停止する。しかしながら、制御コマンド送信処理において遅延が発生しているとき(例えば、絵柄1コマ分の遅延が発生しているとする)は、副制御部400において停止操作コマンドを受信できるのは、番号15のとき(「雲」絵柄は絵柄表示窓の下段位置まで進み、「雪」絵柄が中段位置にあるとき)であるので、3コマ滑って、中段位置を「雨」絵柄で停止するようになっている。
このように取りこぼしが発生する入賞役に内部当選中であるときの停止制御テーブルにおいて、該入賞役に入賞させるための操作範囲は、主制御部300の停止制御テーブルT1より副制御部400の停止制御テーブルT2の方が広く設定されている(図8において「チェリー」絵柄を絵柄表示窓の中段位置に停止させるための操作範囲は、停止制御テーブルT1においては、番号15及び16のみ、一方停止制御テーブルT2においては、番号15乃至17となっている。尚、操作範囲とは、遊技者がストップボタンを押下する位置の範囲をいう。)。また、この場合の主制御部300の停止制御テーブルT1において特徴的なのは、「チェリー」絵柄に停止させるための滑りコマ数に1、2を設定していないことである。例えば、番号13又は14で停止操作されたときには、1コマ又は2コマ滑って、「チェリー」絵柄で停止させるのではなく、3又は4コマ滑って、「リプレイ」絵柄で停止させるようになっている。
以上から、取りこぼしが発生する入賞役において、コマンド制御信号の遅延があったとしても、同一の入賞役をメインリールとサブリールに表示することができる。
尚、図9は、絵柄1コマ分の遅延が発生して制御コマンド送信処理が行われたときの、メインリールとサブリールの絵柄を具体的に表示したものである。
<遊技の基本的制御>
図10は、本実施形態のスロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の遊技処理を繰り返し実行する。
ステップS100では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、メダル投入の規定枚数を設定する。また投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ125を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。なお、規定枚数とは、その遊技においてベット可能な最大のメダル数を意味する。
また、ステップS100では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー132が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ライン114を確定する。
ステップS200では、乱数発生器311で発生させた乱数を取得する。
ステップS300では、取得した乱数値と、ROM312に格納されている抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う。抽選テーブルは、図4に示す内容を記憶するテーブルであり、遊技状態の種類に応じて異なる。
ステップS400では、ROM312に格納されている停止制御テーブルを選択して取得する。停止制御テーブルは、リールの停止制御を行うテーブルで、ステップS300の内部抽選結果に応じて、複数種類の停止制御テーブルが用意されている。
ステップS500では、選択された停止制御テーブルに合わせた演出を選択する。この処理に関しては、詳しくは、後述する。
ステップS600では、メインリールの回転準備処理を行う。これに関しても、詳しくは、後述する。
ステップS700では、メインリールのリール191乃至193の回転を開始させる。その後、全リールの回転速度が一定になったことを条件にストップボタン133乃至135の受け付けが可能となる。これに関しても、詳しくは、後述する。
ステップS800では、メインリールの停止制御を行う。ここでは、ストップボタン133乃至135に対する操作に応じて、リール191乃至193のうち、操作されたストップボタン133乃至135対応するいずれかのリールをS400で選択した停止制御テーブルに従って停止させる。
ステップS900では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、内部当選中の入賞役に対応する絵柄組み合わせが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。
ステップS1000では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS1100では、遊技状態制御処理を実行する。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BBやRBのようなボーナス入賞の場合に次回から対応するBB一般遊技や役物遊技を開始できるように準備し、それらの最終遊技では、次回から一般遊技が開始できるように準備する。以上により1ゲームが終了し、以降これを繰り返すことにより遊技が進行することとなる。
以下において、ステップS500の演出選択処理、ステップS600のメインリール回転準備処理、ステップS700のメインリール回転開始処理について詳しく説明するが、その前に、主制御部300から副制御部400への制御コマンド送信処理について説明する。これは、主制御部300の割り込み処理の1つであり、上記各ステップ及び下記処理のコマンド送信において実行されているものである。
<制御コマンド送信処理>
図11は、制御コマンド送信処理を説明するフローチャートである。
ステップST10では、制御コマンドに設定された遅延タイマ値が0であるか否かを判定する。
ここで、遅延タイマ値は、図12に示すように、抽選処理によりいずれかの遅延時間が選択され(図12においては22の遅延時間の中から1つが選択される)、該遅延時間が遅延タイマ値として設定されるものである。そして、このタイマ値を減算して、0になったときに制御コマンドを副制御部400に送信するようになっている。ここで、本実施形態においては、割込基準時間を1.877ms(例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる)としており、図12に示す遅延時間の算出、及び後述するタイマ値の減算もこの割込基準時間単位で行われる。尚、図12における最大遅延時間は、39.417msであり、リールの1コマ回転時間(37.540ms)以上となっている。
ステップST10において、制御コマンドに設定された遅延タイマ値が0でないときは、ステップST20に進み、制御コマンドのタイマ値を1減算する(1.877ms減算する)。
ステップST10において、制御コマンドに設定された遅延タイマ値が0のときは、ステップST30に進み、制御コマンド送信バッファが空であるか否かを判定する。制御コマンドバッファが空であるときは、ステップST40に進み、制御コマンドの送信要求があるか否かを判定し、制御コマンドの送信要求があるときは、ステップST50で、送信要求があった制御コマンドを制御コマンド送信バッファに設定し、ステップST60で、該制御コマンドの遅延タイマ値を上述した抽選処理により取得し、設定する。一方、ステップST40で、制御コマンドの送信要求がないときは、処理を終了する。
これに対して、ステップST30で、制御コマンド送信バッファが空でないときは、副制御部400に送信すべき制御コマンドがあり、かつ遅延タイマ値が0であるので、ステップST70に進み、制御コマンドを副制御部400に送信する。
ステップST80では、制御コマンド送信バッファをクリアする。
<演出選択処理>
図13は、図10のステップS500に示した演出選択処理を詳しく説明するフローチャートである。
ステップS510では、選択した停止制御テーブルに応じた演出コマンド選択情報を取得する。
ステップS520では、演出コマンド選択情報の中から演出コマンドを選択する。
ステップS530では、選択した演出コマンドを副制御部400に送信する。これにより、副制御部400は、演出コマンドを受け取るので、より実質的には、内部抽選の抽選結果(内部当選した入賞役)を把握することができる。
<メインリール回転準備処理>
図14は、図10のステップS600に示したメインリール回転準備処理を詳しく説明するフローチャートである。
本実施形態においては、主制御部300と副制御部400とに、表示絵柄を同一とするための処理を毎遊技実行させている。この処理は全てのケースに対応する設定であることが好ましいが、遊技間に従来以上の待機時間を設定してしまう処理があることは好ましくはない。そこで、処理時間が多くなるであろうことが予測できる場合の処理(以下で述べるメインリール回転処理2)を別に設けることで、通常遊技時の処理(以下で述べるメインリール回転処理1)の簡素化を図ることとした。
具体的には、遊技台の出荷時やメンテナンスで店員らがリールを手動で回転させてしまうおそれがある場合には、リールの停止位置を制御部が把握できないことから、この場合に実行させる処理(メインリール回転処理2)を通常処理(メインリール回転処理1)と別に設定した。店員らは必要と感じたときに設定変更処理を実行させることで、この別処理(メインリール回転処理2)を実行させることができる。
ステップS610では、設定変更フラグがONであるか否かを判定する。これは、設定変更フラグにより、上述した設定変更処理を伴っているか否かを判定するものである。
設定変更フラグがOFF、即ち、設定変更処理を伴わないときは、ステップS620に進み、主制御部メインリール回転処理1を選択する。これにより、次のステップS700のメインリール回転処理において、主制御部メインリール回転処理1が実行される。
これに対して、設定変更フラグがON、即ち、設定変更処理を伴うときは、ステップS630に進み、主制御部メインリール回転処理2を選択し、ステップS640で設定変更フラグをOFFに設定する。これにより、次のステップS700のメインリール回転処理において、主制御部メインリール回転処理2が実行される。
ここで、主制御部メインリール回転処理1は、メインリールとサブリールのリール位置が4コマ以内のズレであることを前提として、通常、行われる処理である。これに対して、主制御部メインリール回転処理2は、例えば、スロットマシン100の出荷時やメンテナンス等でリール位置を大きくずらしてしまった場合など、上記4コマを越えてリール位置が大きくずれている可能性があるときに行われる処理であり、このような場合には、一度設定変更処理を行って、リール位置を調整するようにしたものである。
<メインリール回転開始処理>
図15は、図10のステップS700に示したメインリール回転開始処理を詳しく説明するフローチャートである。
ここでは、主制御部メインリール回転処理1についてのみ説明し、主制御部メインリール回転処理2については、後述することとする。
ステップS710では、遊技間隔タイマがタイムアウトしたか否かを判定する。これは、一遊技と一遊技の間隔を所定の時間(例えば、具体的には、4.1秒など)あけるように制御しているためである。
遊技間隔タイマがタイムアウトしたとき(所定の時間経過したとき)は、ステップS720に進み、リール回転開始コマンドを副制御部400に送信する。一方、遊技間隔タイマがタイムアウトしていないときは、ステップS710を繰り返す。
ステップS730では、ステップS720のリール回転開始コマンド送信処理において、設定された遅延タイマ値を取得し、待機タイマ値として設定する(図11参照)。
ステップS740では、設定した待機タイマ値がタイムアウトしたか否かを判定する。これは、リール回転開始コマンドを副制御部400に送信する際の遅延時間と同じ時間を待機させて、副制御部400がリール回転開始コマンドを受信する時(サブリールを回転開始するとき)と、メインリールを回転開始する時との同期をとるようにしたものである。
設定した待機タイマ値がタイムアウトしたときは、ステップS750に進み、メインリールのリール191乃至193の回転を開始する。一方、設定した待機タイマ値がタイムアウトしていないときは、ステップS740を繰り返す。
ステップS760では、リール自動停止タイマを設定する。これは、リール回転開始時から所定の時間(例えば、具体的には、30秒など)以内に自動でリールを停止させないように設定するものである。
ステップS770では、次遊技に備え、上述した遊技間隔タイマを設定する。尚、遊技間隔タイマは、リール回転開始時からのタイマ値である。
これにより、本実施形態のメインリール回転処理においては、リール回転開始コマンドの送信に遅延時間が発生しても、該遅延時間分、メインリールの回転開始を遅らせることができるので、メインリールとサブリールの回転開始を同期をとって行うことができる。
<副制御部の処理>
次に、副制御部400の処理について説明する。図16(a)は、副制御部400の割り込み処理を示すフローチャートであり、図16(b)は、副制御部400のメイン処理を示すフローチャートである。
まず、副制御部400の割り込み処理について説明する。
ステップST2000では、主制御部300からのコマンド受信があるか否かを判定し、コマンドを受信したときには、ステップST2010に進み、コマンドを格納する。一方、コマンドを受信しないときは、処理を終了する。
次に、副制御部400のメイン処理について説明する。
ステップS2100では、主制御部300から送信されたコマンドがあるか否かを判定する。これは、上述した割り込み処理でコマンドを受信したか否かを判定するものである。
主制御部300から送信されたコマンドがあるときは、ステップS2200及びステップS2300に進み、コマンドの内容を判定し、コマンドに応じた演出処理を行う。これに対して、主制御部300から送信されたコマンドがないときは、メイン処理を終了する。尚、上述した動作は、1回の処理を説明するものであり、メイン処理は繰り返し行われる。
<副制御部のコマンド判定処理>
次に、ステップS2200のコマンド判定処理を詳しく説明する。図17は、コマンド判定処理を示すフローチャートである。尚、図17は、通常時、即ち、メインリールの回転が、主制御部メインリール回転処理1である場合の副制御部のコマンド判定処理であり、設定変更処理持、即ち、メインリールの回転が、主制御部メインリール回転処理2の場合の副制御部のコマンド判定処理については、後述する。
ステップS2210では、受信したコマンドが演出コマンドであるか否かを判定する。演出コマンドであるときは、ステップS2220に進み、演出コマンドに応じた停止制御テーブルを決定する(例えば、リプレイの演出であるときは、リプレイの停止制御テーブルを取得する)。次に、ステップS2230では、演出コマンドに応じた演出データを設定する。一方、受信したコマンドが演出コマンドでないときは、ステップS2240に進む。
ステップS2240では、受信したコマンドがリール回転開始コマンドであるか否かを判定する。リール回転開始コマンドであるときは、ステップS2250に進み、待機処理を行う。ここで、待機処理とは、メインリールとサブリールの前回の停止位置がずれていることがあり得るので、メインリールとサブリールのリール位置を同じとするために、サブリールの回転を調整する処理である。尚、待機処理の動作については、詳しくは後述する。一方、受信したコマンドがリール回転開始コマンドでないときは、ステップS2290に進む。
ステップS2290では、受信したコマンドに関して、その他の判定処理を行う。
<待機処理>
図18は、図17のステップS2250の待機処理を詳しく説明するフローチャートである。
ステップS2251では、サブリールの左リール111の待機時間を算出する。
ステップS2252では、サブリールの中リール112の待機時間を算出する。
ステップS2253では、サブリールの右リール113の待機時間を算出する。
ここで、上述した各リールの待機時間の算出方法は同一であるため、待機時間の算出処理を図19(a)を用いて具体的に説明する。ここで、図19(a)は待機時間算出処理を示すフローチャートである。
ステップS22511では、前回遊技におけるメインリールの停止位置情報を取得する。ここで、メインリールの停止位置情報は、詳しくは、主制御部メイン処理を示す図10のステップS900の入賞判定処理(前回遊技時)において、主制御部300からコマンド送信されているものである。具体的には、停止位置情報は、図20に示すようにメインリールの各リール191乃至193と、該各リール191乃至193の絵柄表示窓における中段位置を示す番号を対応付けた情報である。
ステップS22513では、前回遊技におけるサブリールの停止位置情報を取得する。
ステップS22515では、絵柄のズレ数を算出する。これは、サブリールの停止位置の番号とメインリールの停止位置の番号の差分が何コマあるかを算出するものである。尚、この計算は、前回遊技においてメインリールとサブリ−ルの停止位置が同じか、又はサブリ−ルの方がメインリールよりも先の停止位置で止まっている(制御コマンド送信の遅延による)という前提に立って行われる。
ステップS22517では、算出された絵柄ズレ数に基づいて、待機タイマ値を設定する。ここで、待機タイマ値は、例えば、図19(b)に示すように、1絵柄35.663msとして算出する。
図18に戻り、ステップS2254では、左リール111が回転中であるか否かを判定する。左リール111が回転中でないとき(停止しているとき)は、ステップS2255に進み、ステップS2251で算出された待機時間が経過したか否かを判定する。
左リール111の待機タイマ値がタイムアウトしたときは、ステップS2256に進み、左リール111の回転を開始する。一方、左リール111の待機タイマ値がタイムアウトしていないとき、又は、ステップS2254で左リールが回転中であるときは、ステップS2257に進む。
ステップS2257では、中リール112が回転中であるか否かを判定する。中リール112が回転中でないとき(停止しているとき)は、ステップS2258に進み、ステップS2252で算出された待機時間が経過したか否かを判定する。
中リール112の待機タイマ値がタイムアウトしたときは、ステップS2259に進み、中リール112の回転を開始する。一方、中リール112の待機タイマ値がタイムアウトしていないとき、又は、ステップS2257で中リールが回転中であるときは、ステップS2260に進む。
ステップS2260では、右リール113が回転中であるか否かを判定する。右リール113が回転中でないとき(停止しているとき)は、ステップS2261に進み、ステップS2253で算出された待機時間が経過したか否かを判定する。
右リール113の待機タイマ値がタイムアウトしたときは、ステップS2262に進み、右リール113の回転を開始する。一方、右リール113の待機タイマ値がタイムアウトしていないとき、又は、ステップS2260で右リールが回転中であるときは、ステップS2263に進む。
ステップS2263では、サブリール全てが回転中であるか否かを判定する。サブリールのリール111乃至113すべてが回転中であるときは、待機処理を終了する。一方、サブリールのリール111乃至113のいずれかが回転していないときは、ステップS2254に戻り、ステップS2254以降の処理を繰り返す。
これにより、本実施形態の待機処理においては、サブリールの各リールごとに算出した待機時間経過後に、それぞれのリールが回転するので、メインリールとサブリールの前回停止位置がずれていたとしても、リール停止位置を同じに調整することができる。
<設定変更時における回転開始処理>
次に、図14のステップS610で設定変更フラグがONであり、主制御部メインリール回転開始処理2が選択されたときのメインリール回転開始処理について説明する。上述したように、本処理は、メインリールとサブリールの絵柄停止位置が大きくずれている場合に、絵柄停止位置が同じになるように調整するための処理である。ここで、図21(a)は、メインリール回転開始処理2を示すフローチャートであり、図10のステップS700に示したメインリール回転開始処理を詳しく説明するものである。また、図21(b)は、主制御部300の割り込み処理の1つであるインデックス検出信号出力処理を示すフローチャートである。
まず、メインリール回転開始処理2について説明する。
ステップS1710では、リール回転開始コマンドを副制御部400に送信する。尚、この時点においては、メインリールは回転していない。
ステップS1720では、初期待機時間(例えば、具体的には、約2秒)を設定する。これは、後述するサブリールを初期位置に移動させるのに必要な時間を確保するものである。
ステップS1730では、設定された初期待機時間が経過したか否かを判定する。初期待機時間が経過したときは、ステップS1740に進み、リール191乃至193の回転を開始する。一方、初期待機時間が経過していないときは、ステップS1730を繰り返す。
ステップS1750では、全リール191乃至193のインデックス検出信号出力フラグをオンにする。
次に、主制御部300の割り込み処理の1つであるインデックス検出信号出力処理について説明する。
ステップS1810では、左リール191のインデックス検出信号フラグはオンであるか否かを判定する。左リール191のインデックス検出信号フラグがオンであるときは、ステップS1820に進み、左リール191のインデックス検出があるか否かを判定する。
左リール191のインデックス検出があるとき、即ち、左リール191が初期位置にあるときは、ステップS1830に進み、左リール191のインデックス検出信号を副制御部400に送信する。そして、ステップS1840では、左リール191のインデックス検出信号フラグをオフにする。
一方、左リール191のインデックス検出がないとき、又はステップS1810で左リール191のインデックス検出信号フラグがオフであるときは、ステップS1850に進む。
ステップS1850では、中リール192のインデックス検出信号フラグはオンであるか否かを判定する。中リール192のインデックス検出信号フラグがオンであるときは、ステップS1860に進み、中リール192のインデックス検出があるか否かを判定する。
中リール192のインデックス検出があるとき、即ち、中リール192が初期位置にあるときは、ステップS1870に進み、中リール192のインデックス検出信号を副制御部400に送信する。そして、ステップS1880では、中リール192のインデックス検出信号フラグをオフにする。
一方、中リール192のインデックス検出がないとき、又はステップS1850で中リール192のインデックス検出信号フラグがオフであるときは、ステップS1890に進む。
ステップS1890では、右リール193のインデックス検出信号フラグはオンであるか否かを判定する。右リール193のインデックス検出信号フラグがオンであるときは、ステップS1900に進み、右リール193のインデックス検出があるか否かを判定する。
右リール193のインデックス検出があるとき、即ち、右リール193が初期位置にあるときは、ステップS1910に進み、右リール193のインデックス検出信号を副制御部400に送信する。そして、ステップS1920では、右リール193のインデックス検出信号フラグをオフにする。
一方、右リール193のインデックス検出がないとき、又はステップS1890で右リール193のインデックス検出信号フラグがオフであるときは、インデックス検出信号出力処理を終了する。
これにより、初期待機時間経過後、メインリールの全リール191乃至193のそれぞれが最初に初期位置にきたときには、インデックス検出信号が副制御部400に出力される。
<設定変更時における副制御部の処理>
次に、設定変更時における副制御部400の処理、即ち、主制御部300が図21に示す動作をしたときの副制御部400の動作について説明する。ここで、図22(a)は、コマンド判定処理を示すフローチャートであり、図16(b)のステップS2200に示したコマンド判定処理を詳しく説明するものである。また、図22(b)は、サブリール回転開始処理を示すフローチャートである。
ステップS2410では、受信したコマンドがリール回転開始コマンドであるか否かを判定する。受信したコマンドがリール回転開始コマンドであるときは、ステップS2420に進み、サブリール回転開始処理をする。尚、サブリール回転開始処理については、詳しくは後述する。一方、受信したコマンドがリール回転開始コマンドでないときは、ステップS2440に進む。
ステップS2440では、受信したコマンドに関して、その他の判定処理を行う。
次に、上述したサブリール回転開始処理について詳しく説明する。
ステップS2421では、サブリールのリール111乃至113すべてをインデックス検知位置(初期位置)に移動させ、停止する。
ステップS2422では、メインリールの左リール191のインデックス検知信号を受信したか否かを判定する。左リール191のインデックス検知信号を受信したときは、ステップS2423に進み、サブリールの左リール111の回転設定をし、ステップS2224で、左リール111の回転を開始する。一方、左リール191のインデックス検知信号を受信しないときは、ステップS2425に進む。
ステップS2425では、メインリールの中リール192のインデックス検知信号を受信したか否かを判定する。中リール192のインデックス検知信号を受信したときは、ステップS2426に進み、サブリールの中リール112の回転設定をし、ステップS2427で、中リール112の回転を開始する。一方、中リール192のインデックス検知信号を受信しないときは、ステップS2428に進む。
ステップS2428では、メインリールの右リール193のインデックス検知信号を受信したか否かを判定する。右リール193のインデックス検知信号を受信したときは、ステップS2429に進み、サブリールの右リール113の回転設定をし、ステップS2430で、右リール113の回転を開始する。一方、右リール193のインデックス検知信号を受信しないときは、サブリール回転開始処理を終了する。
これにより、設定変更時における副制御部400の処理においては、サブリールをインデックス検知位置に移動して停止させ、各リールごとにインデックス検知信号を受信したときに各リールの回転を開始するので、メインリールとサブリールの絵柄停止位置が大きくずれていても、インデックス検知位置に合わせて同期をとって回転することができる。
以上、本実施の形態に係るスロットマシン100によれば、メインリールと異なる複数種類の絵柄が施されたサブリールを備え、かつ、副制御部400にも停止制御テーブルを備えて、サブリールに独自遊技性を持たせるとともに、入賞したときは、メインリールに表示される絵柄組み合わせの入賞役とサブリールに表示される絵柄組み合わせの入賞役が同一であるように制御するので、遊技者がサブリールを見ながら遊技したとしても、興趣をもって遊技することができる。
また、本実施形態においては、主制御部300がリール回転開始コマンドを遅延して副制御部400に送信しても、遅延時間分遅らせてメインリールを回転開始するので、メインリールとサブリールの回転開始の同期をとることでき、遊技者がサブリールを見ながら興趣をもって遊技することができる。
また、本実施形態においては、前回のメインリールとサブリールのリール停止位置にずれがあったとしても、副制御部400がリール停止位置の差分を求め、該差分に応じた時間分遅らせて、サブリールの回転を開始させるので、メインリールとサブリールの回転開始の同期をとることでき、遊技者がサブリールを見ながら興趣をもって遊技することができる。
さらには、本実施形態においては、出荷持などメインリールとサブリールのリール停止位置が大きくずれたときであっても、メインリール及びサブリールそれぞれをインデックス検知位置に合わせて同期をとりながら回転させるので、簡単にリール停止位置の調整をすることができる。
<その他の実施形態>
上記実施形態においては、副制御部400への制御コマンド送信処理において遅延時間を伴うため、主制御部300の停止制御テーブルとしては、ビタ止まり(目押しの余裕が0コマ)ができないようになっていた(図8参照。取りこぼしが発生する入賞役に入賞するには、3又は4コマ滑り)。これに対して、本実施の形態では、副制御部400への制御コマンド送信処理において、上記実施の形態と異なる方法で遅延時間を設定し、ビタ止まりも可能な停止制御テーブルを採用するものである。
図23は、本実施の形態における停止制御テーブル選択の概要を説明する図である。尚、本実施の形態においては、副制御部400への制御コマンド送信処理における遅延時間の取得方法及び取得された遅延時間に基づく停止制御テーブルの選択方法が、上記実施の形態とは異なるので、この異なる構成及び機能のみ説明し、その他の構成及び機能に関しては、説明を省略する。
本実施形態においては、停止操作(左・中・右)の制御コマンドが副制御部400に送信される際の遅延時間を、それ以前の他の処理に併せて設定するようになっている。例えば、具体的には、スタートレバー操作時(メインリール回転開始コマンド送信時)において、停止操作(左・中・右)の制御コマンドの遅延時間も同時に設定するものである(上記実施形態においては、停止操作(左・中・右)の制御コマンドの遅延時間は、停止操作(左・中・右)において設定され、取得される)。この結果、左・中・右の各停止操作時における停止操作コマンド送信の遅延時間がすべて0であるときは、図10のステップS400で選択された停止制御テーブルに代えてビタ止まりが可能な停止制御テーブル(図23に示すテーブルT1’)を再選択し、該停止制御テーブルに従って、停止操作をするものである。一方、左・中・右の各停止操作時における停止操作コマンド送信の遅延時間のいずれかが0でないときは、停止制御テーブルの書き換えは行わず、図10のステップS400で選択された停止制御テーブル(図23に示すテーブルT1)に従って、停止操作をする。
尚、図24は、本実施形態におけるメインリール回転処理のフローチャートを示す図であり、上記実施形態の図15に相当するものである。図24によれば、ステップS780において、リール停止操作時の遅延タイマ値を取得し、この結果により、停止制御テーブルの再選択処理が行われる。
従って、本実施形態に係る遊技台によれば、上記実施の形態の効果に加えて、ビタ止まりも可能であることから、遊技者の操作感を向上させることができ、より興趣ある遊技を実現することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施形態に対して種々の変形や変更を施すことができる。例えば、上記実施形態においては、メインリールとサブリールの絵柄を異なるようしたが、同一であってもよいものである。また、メインリール及びサブリールは、上記実施形態のリールに限定されず、ベルト式など回転体全体を含むものである。
さらに、上記実施形態においては、本発明に係る制御が全遊技を通して適用されるようになっていたが、これに限定されず、通常時は本発明に係る制御を適用するが、特定時(例えば、遊技者へ期待感を高める演出を提供したいときなど)には本発明に係る制御を適用せず、サブリールの回転方向や速度等を変化させるような制御を行ってもよい。これにより、遊技者により興趣ある遊技を提供することができる。