JP2006093440A - 熱電変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱電素子の側面の熱が低温側となる電極部材に熱伝達しないように構成することで、熱電変換効率の向上が図れる熱電変換装置を実現する。
【解決手段】 第1絶縁基板11に、P型熱電素子12、N型熱電素子13を交互に複数個配列してなる熱電素子群を列設して構成された熱電素子基板10と、その熱電素子基板10の両側に対向して配置され、隣接して配列された熱電素子12,13とを電気的に接続する電極部25と吸熱、放熱するコルゲートフィン26とを有する第1電極部材22を第2絶縁基板21に複数個配列して構成された一対の吸熱/放熱電極基板20とを備え、吸熱/放熱電極基板20は、熱電素子12、13の両端に電極部25を介して直列的に接続するように構成し、かつ電極部25と熱電素子12、13との接合面近傍に第2絶縁基板21の一端面を配置するように構成した。これにより、熱電変換効率の向上が図れる。
【選択図】 図2
【解決手段】 第1絶縁基板11に、P型熱電素子12、N型熱電素子13を交互に複数個配列してなる熱電素子群を列設して構成された熱電素子基板10と、その熱電素子基板10の両側に対向して配置され、隣接して配列された熱電素子12,13とを電気的に接続する電極部25と吸熱、放熱するコルゲートフィン26とを有する第1電極部材22を第2絶縁基板21に複数個配列して構成された一対の吸熱/放熱電極基板20とを備え、吸熱/放熱電極基板20は、熱電素子12、13の両端に電極部25を介して直列的に接続するように構成し、かつ電極部25と熱電素子12、13との接合面近傍に第2絶縁基板21の一端面を配置するように構成した。これにより、熱電変換効率の向上が図れる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、N型熱電素子、P型熱電素子からなる直列回路に直流電流を流通させることで吸熱、放熱が得られる熱電変換装置に関するものであり、特に、ペルチェ効果により熱電素子で発生する熱の熱損失の防止に関する。
従来、この種の熱電変換装置として、例えば、特許文献1に示すように、一方に熱交換部を有して平板状の金属材料からなる一対の金属基板の間に、複数個のP型熱電素子とN型熱電素子とを電極部材を介して直列に接合して形成した熱電素子を配置し、隣り合う電極部材のいずれか一方を金属基板のいずれか一方に接続し、隣り合う電極部材のいずれか他方を隣り合う電極部材のいずれか他方に接続し、金属基板の間に熱遮蔽板を設けている。
つまり、間近に対向する高温側となる金属基板と低温側となる金属基板との間に、熱遮蔽板を設けることで熱放射による高温側から低温側への熱移動の防止を図っている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−093148号公報
しかしながら、上記特許文献1によれば、高温側から低温側への熱放射による熱移動は防止できるが、この熱損失の他に熱電素子内に電流が流れることで熱電素子自体の抵抗によりジュール熱が発生することで熱電素子が発熱するとともに、素子自体が高熱となって、低温側の接合部以外が高温となる。
特に素子側面と低温の接合部に接続される電極部材との間には対流による熱伝達が作用することで素子側面の熱が低温側となる電極部材に熱損失として熱伝達される。しかも、この種の装置ではペルチェ効果により発生する吸熱量は極めて小さいため僅かな熱損失が生ずると吸熱量が低下して熱電変換効率が低減する問題がある。
そこで、本発明の目的は、上記点を鑑みたものであり、熱電素子の側面からの熱が低温側となる電極部材に熱伝達しないように構成することで、熱電変換効率の向上が図れる熱電変換装置を提供することにある。
上記、目的を達成するために、請求項1ないし請求項4に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、絶縁材料からなる第1絶縁基板(11)に、P型熱電素子(12)およびN型熱電素子(13)を交互に複数個配列してなる熱電素子群を列設して構成された熱電素子基板(10)と、この熱電素子基板(10)の両側に対向して配置され、熱電素子基板(10)に隣接して配列されたP型熱電素子(12)とN型熱電素子(13)とを電気的に接続する電極部(25)、およびその電極部(25)より伝熱される熱を吸熱、放熱する熱交換部(26)を有する第1電極部材(22)を絶縁材料からなる第2絶縁基板(21)に略碁盤目状に複数個配列して構成された一対の吸熱/放熱電極基板(20)とを備え、
吸熱/放熱電極基板(20)は、隣接して配列されたP型熱電素子(12)とN型熱電素子(13)との両端にそれぞれ電極部(25)を直列的に接続するように構成し、かつその電極部(25)とP型熱電素子(12)およびN型熱電素子(13)との接合面近傍に第2絶縁基板(21)の一端面を配置するように構成したことを特徴としている。
吸熱/放熱電極基板(20)は、隣接して配列されたP型熱電素子(12)とN型熱電素子(13)との両端にそれぞれ電極部(25)を直列的に接続するように構成し、かつその電極部(25)とP型熱電素子(12)およびN型熱電素子(13)との接合面近傍に第2絶縁基板(21)の一端面を配置するように構成したことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、第1絶縁基板(11)の両側に第2絶縁基板(21)が対向して配置されることで、高温側となる第1電極部材(22)と低温側となる第1電極部材(22)とが第1絶縁基板(11)により遮断されることで高温側から低温側への熱伝達が防止できる。
また、第2絶縁基板(21)の一端面を熱電素子(12、13)の接合面近傍に配置させることにより、低温側となる第1電極部材(22)の熱電素子(12、13)側に対して露出する表面積を低下することができる。例えば、電極部(25)が第2絶縁基板(21)の一端面に対して突き出さないように第1電極部材(22)を構成させることで、第1電極部材(22)の電極部(25)のみが熱電素子(12、13)側に露出している。従って、熱電素子(12、13)の側面から対流により低温側となる第1電極部材(22)への熱伝達量を低下することができる。これにより、低温側の接合部の吸熱量を低下させないため熱電変換効率の向上が図れる。
請求項2に記載の発明では、電極部(25)が低温側となる第1電極部材(22)を構成した一方の吸熱/放熱電極基板(20)は、電極部(25)とP型熱電素子(12)およびN型熱電素子(13)との接合面近傍に第2絶縁基板(21)の一端面を配置するように構成したことを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、この種の装置では、直列的に接続した熱電素子(12、13)に流れる電流の方向を切り替えることで第1電極部材(22)を高温側/低温側に可変可能であるが、電流の流れ方向を切り替えないように構成した吸熱/放熱電極基板(20)であれば、低温側となる第1電極部材(22)の露出する表面積を低下するように第2絶縁基板(21)の一端面を配置することで、低温側となる第1電極部材(22)の吸熱量を低下させないため熱電変換効率の向上が図れる。
請求項3に記載の発明では、吸熱/放熱電極基板(20)は、電極部(25)とP型熱電素子(12)およびN型熱電素子(13)との接合面が、好ましくは第2絶縁基板(21)の一端面から第2絶縁基板(21)の板厚(t1)と電極部(25)の板厚(t2)とを加算した突き出し寸法(L)の範囲内に配置されるか、より好ましくは第2絶縁基板(21)の一端面から内側に配置されることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、具体的には、第1電極部材(22)の熱電素子(12、13)側に対して露出する表面積が、好ましくは突き出し寸法(L)が(t1+t2)>Lであれば、熱電素子(12、13)の側面から対流により低温側となる第1電極部材(22)への熱伝達量を低下することができる。
より好ましくは、電極部(25)を第2絶縁基板(21)の一端面から突き出さないように第1電極部材(22)を構成させることで熱電素子(12、13)側に対して露出する表面積が最も小さくすることができる。これにより、低温側の接合部の吸熱量を低下させないため熱電変換効率の向上が図れる。
請求項4に記載の発明では、絶縁材料からなる第1絶縁基板(11)に、P型熱電素子(12)およびN型熱電素子(13)を交互に複数個配列してなる熱電素子群を列設して構成された熱電素子基板(10)と、この熱電素子基板(10)に隣接して配列されたP型熱電素子(12)とN型熱電素子(13)とを電気的に接続する第2電極部材(22a)と、熱電素子基板(10)の両側に対向して配置され、一方に第2電極部材(22a)より伝熱される熱を吸熱、放熱する熱交換部(26)を有し、金属材料からなる一対の金属基板(20a)とを備え、
隣接して配列されたP型熱電素子(12)とN型熱電素子(13)とは、その両端に第2電極部材(22a)を介して直列的に接続するとともに、金属基板(20a)は、第2電極部材(22a)に対向する位置に絶縁材料からなる絶縁層(21a)を形成し、その絶縁層(21a)に第2電極部材(22a)を接合するように構成したことを特徴としている。
隣接して配列されたP型熱電素子(12)とN型熱電素子(13)とは、その両端に第2電極部材(22a)を介して直列的に接続するとともに、金属基板(20a)は、第2電極部材(22a)に対向する位置に絶縁材料からなる絶縁層(21a)を形成し、その絶縁層(21a)に第2電極部材(22a)を接合するように構成したことを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、金属基板(20a)および熱交換部(26)が電気的に絶縁されるタイプの熱電変換装置においても、金属基板(20a)との間に、第1絶縁基板(11)を配置することで、高温側となる第2電極部材(22a)と低温側となる第2電極部材(22a)とが第1絶縁基板(11)により遮断されることで高温側から低温側への熱伝達が防止できる。
また、金属基板(20a)には、絶縁層(21a)を形成し、その絶縁層(21a)に第2電極部材(22a)を接合するように構成したことにより、低温側となる第2電極部材(22a)の熱電素子(12、13)側に対して露出する表面積を低下することができる。これにより、熱電素子(12、13)の側面から対流による低温側となる第2電極部材(22a)側への熱伝達量を低下することができる。従って、低温側の接合部の吸熱量を低下させないため熱電変換効率の向上が図れる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態における熱電変換装置を図1ないし図4に基づいて説明する。図1は本実施形態における熱電変換装置の全体構成を示す模式図であり、図2は熱電変換装置の主要部の構成を示す分解模式図である。また、図3は図1に示すA−A断面図である。
以下、本発明の第1実施形態における熱電変換装置を図1ないし図4に基づいて説明する。図1は本実施形態における熱電変換装置の全体構成を示す模式図であり、図2は熱電変換装置の主要部の構成を示す分解模式図である。また、図3は図1に示すA−A断面図である。
本実施形態の熱電変換装置は、図1ないし図3に示すように、第1絶縁基板11にP型熱電素子12およびN型熱電素子13を交互に複数個配列してなる熱電素子群を列設して構成された熱電素子基板10と、この熱電素子基板10の両側に対向して配置される一対の吸熱/放熱電極基板20から構成している。
まず、熱電素子基板10は、平板状の絶縁材料(例えば、ガラスエポキシ、PPS樹脂、LCP樹脂、もしくはPET樹脂など)からなる第1絶縁基板11に、P型熱電素子12およびN型熱電素子13を交互に複数個配列してなる熱電素子群を列設して一体構成にしたものである。P型熱電素子12はBi−Te系化合物からなるP型半導体により構成され、N型熱電素子13はBi−Te系化合物からなるN型半導体により構成された極小部品である。
また、熱電素子基板10は、P型熱電素子12およびN型熱電素子13を第1絶縁基板11に略碁盤目状に配列するように基板穴(図示せず)を一体成形で形成している。このときに、P型熱電素子12およびN型熱電素子13の両端は、絶縁基板11よりも上端面、下端面が外方に突き出すように形成している。
吸熱/放熱電極基板20は、図1および図2に示すように、熱電素子基板10に配列された熱電素子群のうち、隣接するP型熱電素子12およびN型熱電素子13を電気的に接続する電極基板である。一方の上方側に配される吸熱/放熱電極基板20は、隣接するP型熱電素子12からN型熱電素子13に電流を流すように複数個の第1電極部材22を平板状の絶縁材料(例えば、ガラスエポキシ、PPS樹脂、LCP樹脂、もしくはPET樹脂など)からなる第2絶縁基板21に一体構成している。
他方の下方側に配される吸熱/放熱電極基板20は隣接するN型熱電素子13からP型熱電素子12に電流を流すように複数個の第1電極部材22を平板状の絶縁材料(例えば、ガラスエポキシ、PPS樹脂、LCP樹脂、もしくはPET樹脂など)からなる第2絶縁基板21に一体構成している。
また、第1電極部材22は、熱電素子基板10に隣接して配列されたP型熱電素子12とN型熱電素子13とを電気的に接続する電極であって、銅材などの導電性金属からなる板材を略U字状に形成し、その底部に平面状からなる電極部25を形成している。そして、熱電素子12、13の上方側に配設される第1電極部材22は、その電極部25がP型からN型に電流が流れるように接続し、熱電素子12、13の下方側に配設される第1電極部材22は、N型からP型に電流が流れるように接続している。
なお、互いに隣接する第1電極部材22同士は、それぞれ電気的に絶縁されている。また、図中に示す左右端に配設される第1電極部材22は、上方の末端にそれぞれ端子24a、24bが設けられている。そして、その端子24a、24bには、図示しない直流電源の正側端子を端子24aに接続し、負側端子を端子24bに接続するようにしている。
そして、図1に示すように、熱電素子基板10に配設された左端からP型熱電素子12、N型熱電素子13、P型熱電素子12の順に電気的に接続するように複数個配設されて、奥行き方向に列設して碁盤目状に構成される。
ここで、熱電素子12、13の両端がそれぞれ第1電極部材22で電気的に接続されることで、端子24aから入力された直流電源は、図中に示す左端のP型熱電素子12から上方側の第1電極部材22を介してN型熱電素子13に直列的に流れ、次に、このN型熱電素子13から下方側の第1電極部材22を介してP型熱電素子12に直列的に流れる。
このときに、NP接合部を構成する下方側の電極部25は、ペルチェ効果によって低温の状態となり、PN接合部を構成する上方側の電極部25は高温の状態となる。ところで、この第1電極部材22には、熱交換部であるコルゲートフィン26が設けられている。このコルゲートフィン26は、銅板などの熱伝導性の良好な金属板を波型に折り曲げて構成して、電極部25より伝熱される熱を吸熱、放熱するためのフィンである。
そして、上方側に配設されるコルゲートフィン26は、高温側となる電極部25より高温の状態の熱が伝熱される。言い換えれば、放熱熱交換部が形成されて冷却流体が接触される。一方、下方側のコルゲートフィン26は、低温側となる電極部25より低温の状態の熱が伝熱される。言い換えれば吸熱熱交換部が形成されて被冷却流体が接触される。
そこで、第2絶縁基板21を区画壁として区画して、上方側、下方側にそれぞれ図示しないケース部材で空気通路を形成して、それぞれの空気通路に空気を流通させると、コルゲートフィン26と空気とが熱交換され、上方側のコルゲートフィン26で空気を加熱することができ、下方側のコルゲートフィン26で空気を冷却することができる。
なお、第1電極部材22に切り起こしなどの加工によって、ルーバー、オフセットフィンなどを形成して熱交換フィンとし、この熱交換フィンにより空気と熱交換しても良い。
次に、以上の構成による熱電変換装置の組み付け方法について説明する。図2に示すように、熱電素子基板10は、熱電素子12、13を第1絶縁基板11に設けられた基板穴にP型とN型を交互に略碁盤目状に複数個配列して一体に構成する。そして、吸熱/放熱電極基板20は、第1電極部材22を第2絶縁基板21に設けられた基板穴に略碁盤目状に複数個配列して一体に構成する。ここで、第1電極部材22は、第2絶縁基板21の一端面と電極部25の平面が同一面となるように第2絶縁基板21に一体に構成する。
そして、一対の吸熱/放熱電極基板20の間に熱電素子基板10を挟んで組み合わせることにより、上方側に配設される吸熱/放熱電極基板20では、電極部25が隣接して配列されたP型熱電素子12とN型熱電素子13とを直列的に接続されるとともに、下方側に配設される吸熱/放熱電極基板20では、電極部25が隣接して配列されたN型熱電素子13とP型熱電素子12とを直列的に接続される。
次に、熱電素子12、13の両端と電極部25との接合部は半田付けなどで接合する。そして、上方側、下方側を図示しないケース部材により空気経路を形成するように組み付けることで、上方側に放熱熱交換部が形成され、下方側に吸熱熱交換部が形成されて、これに空気を流通させることで冷風、温風を得ることが可能となる。
ところで、この種の熱電変換装置では、熱電素子12、13に電流が流れると上述したように、熱電素子12、13の両端と電極部25との接合部が下方側で低温の状態、上方側で高温の状態となるとともに、熱電素子12、13自体がジュール熱により発熱することで、側面側も高温の状態となっている。
つまり、熱電素子12、13の側面から低温側となる下方の電極部25に向けて対流による熱伝達による熱損失を生ずるが、本実施形態では、第1電極部材22を熱電素子12、13側に対して露出する表面積を少なくするように第2絶縁基板21に構成させたことで、熱電素子12、13の側面から低温側となる第1電極部材22への熱伝達量を小さくすることができる。これにより、冷温側の接合部の吸熱量を低下させないため熱電変換効率の向上が図れる。
さらに、高温側となる上方の電極部25と、低温側となる下方の電極部25との間に、例えば、第1絶縁基板11が設けられていないときは、高温側の電極部25と低温側の電極部25とが接近しているため対流により高温側の電極部25から低温側の電極部25に熱移動による熱損失が生ずるが、本発明では第1絶縁基板11を設けることで、上方の電極部25と下方の電極部25とが区画されることで高温側から低温側への熱伝達が防止できる。
なお、本実施形態では、第2絶縁基板21に一体に構成する第1電極部材22を、電極部25の平面が第2絶縁基板21の一端面と同一となるように構成したが、これに限らず、図4(a)に示すように、第1電極部材22が第2絶縁基板21の一端面よりも突き出すように構成しても良い。これは発明者らが検討して見い出したものであり、具体的には、第2絶縁基板21の板厚t1と電極部25の板厚t2とを加算した突き出し高さLの範囲内であれば、熱電素子12、13の側面から低温側となる第1電極部材22への熱伝達量を小さくできる。
また、より好ましくは、図4(b)に示すように、接合部が第2絶縁基板21の一端面よりも内側に収まるように第1電極部材22を第2絶縁基板21に構成しても良い。これによれば、上記実施形態よりもより熱伝達量を小さくできる。
なお、本実施形態では、図示しない直流電源の正側端子を端子24a側に接続し、負側端子を端子24b側に接続して端子24aに直流電源を入力させたが、これに限らず、図示しない直流電源の正側端子を端子24b側に接続し、負側端子を端子24a側に接続して端子24bに直流電源を入力させるように構成しても良い。
ただし、このときは、上方側にPN接合部が形成されることで上方側に吸熱熱交換部が形成され、下方側にNP接合部が形成されることで下方側に放熱熱交換部が形成される。つまり、隣接して配列された熱電素子12、13に流す電流の流れ方向を切り替えることで冷却もしくは加熱を切り替えることができる。因みに、この種の熱電変換装置として、半導体や電気部品などの発熱部品の冷却用や暖房装置などの加熱用に用いられる。
以上の第1実施形態による熱電変換装置によれば、第1絶縁基板11の両側に第2絶縁基板21が対向して配置されることで、高温側となる第1電極部材22と低温側となる第1電極部材22とが第1絶縁基板11により遮断されることで高温側から低温側への熱伝達が防止できる。
また、第2絶縁基板21の一端面を熱電素子12、13の接合面近傍に配置させることにより、低温側となる第1電極部材22の熱電素子12、13側に対して露出する表面積を低下することができる。例えば、電極部25が第2絶縁基板21の一端面に対して突き出さないように第1電極部材22を構成させることで、第1電極部材22の電極部25のみが熱電素子12、13側に露出している。
従って、熱電素子12、13の側面から対流により低温側となる第1電極部材22への熱伝達量を低下することができる。これにより、冷温側の接合部の吸熱量を低下させないため熱電変換効率の向上が図れる。
また、一対の吸熱/放熱電極基板20は、具体的に、電極部25とP型熱電素子12およびN型熱電素子13との接合面が、好ましくは第2絶縁基板21の一端面から第2絶縁基板21の板厚t1と電極部25の板厚t2とを加算した突き出し寸法Lの範囲内に配置されるか、より好ましくは第2絶縁基板21の一端面から内側に配置されることにより、第1電極部材22の熱電素子12、13側に対して露出する表面積が、好ましくは突き出し寸法Lが(t1+t2)>Lであれば、熱電素子12、13の側面から対流により低温側となる第1電極部材22への熱伝達量を低下することができる。
そして、より好ましくは、電極部25を第2絶縁基板21の一端面から突き出さないように第1電極部材22を構成させることで熱電素子12、13側に対して露出する表面積が最も小さくすることができる。これにより、冷温側の接合部の吸熱量を低下させないため熱電変換効率の向上が図れる。
(第2実施形態)
以上の第1実施形態では、一対の吸熱/放熱電極基板20の間に熱電素子基板10を挟んで組み合わせて、熱電素子12、13に流す電流の流れ方向を切り替えることで冷却もしくは加熱を切り替えるように構成したが、これに限らず、熱電素子12、13に流す電流の流れ方向を一定として、一方の接合部が低温の状態となり、他方の接合部が高温の状態となるように構成したときは、図5に示すように、冷温側となる接合部のみに第1電極部材22を第1実施形態と同じように第2絶縁基板21に一体に構成させるようにしても良い。
以上の第1実施形態では、一対の吸熱/放熱電極基板20の間に熱電素子基板10を挟んで組み合わせて、熱電素子12、13に流す電流の流れ方向を切り替えることで冷却もしくは加熱を切り替えるように構成したが、これに限らず、熱電素子12、13に流す電流の流れ方向を一定として、一方の接合部が低温の状態となり、他方の接合部が高温の状態となるように構成したときは、図5に示すように、冷温側となる接合部のみに第1電極部材22を第1実施形態と同じように第2絶縁基板21に一体に構成させるようにしても良い。
言い換えれば、NP接合部を構成する電極部25を有する上方側の第1電極部材25は、第2絶縁基板21が第1電極部材25の上方端に配置するように一体に構成しても良い。そして、一対の吸熱/放熱電極基板20の周囲をケース部材27により覆うことで、下方側には吸熱熱交換部の空気通路が形成され、上方側には放熱熱交換部の空気通路が形成される。なお、上方端に配置する第2絶縁基板21はケース部材27と兼用しても良い。
これによれば、上述のように電流の流れ方向を切り替えないように構成した吸熱/放熱電極基板20であれば、低温側となる第1電極部材22の露出する表面積を低下するように第2絶縁基板21の一端面を配置することで、低温側となる第1電極部材22の吸熱量を低下させないため熱電変換効率の向上が図れる。なお、高温側となる上方側に配設される第1電極部材22から放熱される熱は熱損失にならない。
(第3実施形態)
以上の実施形態では、電極部25より伝熱される熱を吸熱、放熱する熱交換部であるコルゲートフィン26に電位が印加された熱電変換装置に本発明を適用させたが、熱交換部であるコルゲートフィン26が電気的に絶縁された熱電変換装置に本発明を適用させても良い。
以上の実施形態では、電極部25より伝熱される熱を吸熱、放熱する熱交換部であるコルゲートフィン26に電位が印加された熱電変換装置に本発明を適用させたが、熱交換部であるコルゲートフィン26が電気的に絶縁された熱電変換装置に本発明を適用させても良い。
具体的には、図6に示すように、絶縁材料からなる第1絶縁基板11に、P型熱電素子12およびN型熱電素子13を交互に複数個配列してなる熱電素子群を列設して構成された熱電素子基板10と、この熱電素子基板10に隣接して配列されたP型熱電素子12とN型熱電素子13とを電気的に接続する第2電極部材22aと、熱電素子基板10の両側に対向して配置され、一方に第2電極部材22aより伝熱される熱を吸熱、放熱する熱交換部であるコルゲートフィン26を有し、金属材料からなる一対の金属基板20aとから構成している。
熱電素子基板10は、以上の実施形態と同じように構成している。第2電極部材22aは、平板状の銅材などの導電性金属からなる板材で形成して、熱電素子基板10に隣接して配列されたP型熱電素子12とN型熱電素子13とを直列的に接続するように配設される。そして、金属基板20aは、第2電極部材22aに対向する位置に絶縁材料からなる絶縁層21aを形成し、その絶縁層21aに第2電極部材22aを接合するように構成している。
言い換えれば、高温側となる上方の第2電極部材22aと、低温側となる下方の第2電極部材22aとの間に、以上の実施形態と同じように第1絶縁基板11を設けて上方の第2電極部材22aと下方の第2電極部材22aとが区画されることで高温側から低温側への熱伝達が防止できるようにしている。
そして、第2電極部材22aを熱電素子12、13側に対して露出する表面積を少なくするように形成して、金属基板20aに絶縁層21aを介して接合させるように構成している。これにより、冷温側の接合部の吸熱量を低下させないため熱電変換効率の向上が図れる。
ここで、金属基板20aは、銅、アルミニウム、銀、真鍮などの熱伝導性に優れた材料で形成している。その一方に第2電極部材22aにより伝熱される熱を吸熱、放熱するための熱交換部であるフィン部材26が接合されている。また、金属基板20aに形成する絶縁層21は、例えば、絶縁フィルムの接合やダイヤモンドライクカーボンコーティング(DLC)法などの成膜方法などで形成している。
なお、絶縁層21の成膜方法は上述したこのダイヤモンドライクカーボンコーティング(DLC)法に限らず、其の外に、アルミナ(Al203)または窒化アルミニウム(AlN)をエアロゾルデポジション法で成膜させても良い。また、これらの他に、セラミック塗料(例えば、シリカアルミナ系液体セラミックス)をディッピングで塗布後、乾燥させて成膜させても良い。
(他の実施形態)
以上の第1、第2実施形態では、第1電極部材22を略U字状に形成するとともに、平面状の電極部25を形成したが、これに限らず、図7および図8のように、形成しても良い。図7の場合は第1電極部材22を略W字状に形成したものである。つまり、熱電素子12、13側に露出する電極部25の面積を接合部に相当する面積まで低下させている。
以上の第1、第2実施形態では、第1電極部材22を略U字状に形成するとともに、平面状の電極部25を形成したが、これに限らず、図7および図8のように、形成しても良い。図7の場合は第1電極部材22を略W字状に形成したものである。つまり、熱電素子12、13側に露出する電極部25の面積を接合部に相当する面積まで低下させている。
これによれば、熱交換部であるコルゲートフィン26の伝熱面積を拡大できるとともに、冷温側となる電極部25の露出面積を小さくすることができる。また、図8の場合は第1電極部材22を平板状の電極部25の背面に多数の棒状からなるフィン部材26を一体構成している。
これにより、熱交換部であるフィン部材26の伝熱面積を拡大できることで、熱電素子12、13の放熱側接合部および吸熱側接合部で発生した熱のフィン部材26から空気への熱交換が促進されるため熱電変換効率の向上が図れる。
10…熱電素子基板
11…第1絶縁基板
12…P型熱電素子
13…N型熱電素子
20…吸熱/放熱電極基板
20a…金属基板
21…第2絶縁基板
21a…絶縁層
22…第1電極部材
22a…第2電極部材
25…電極部
26…コルゲートフィン、フィン部材(熱交換部)
11…第1絶縁基板
12…P型熱電素子
13…N型熱電素子
20…吸熱/放熱電極基板
20a…金属基板
21…第2絶縁基板
21a…絶縁層
22…第1電極部材
22a…第2電極部材
25…電極部
26…コルゲートフィン、フィン部材(熱交換部)
Claims (4)
- 絶縁材料からなる第1絶縁基板(11)に、P型熱電素子(12)およびN型熱電素子(13)を交互に複数個配列してなる熱電素子群を列設して構成された熱電素子基板(10)と、
前記熱電素子基板(10)の両側に対向して配置され、前記熱電素子基板(10)に隣接して配列された前記P型熱電素子(12)と前記N型熱電素子(13)とを電気的に接続する電極部(25)、およびその電極部(25)より伝熱される熱を吸熱、放熱する熱交換部(26)を有する第1電極部材(22)を絶縁材料からなる第2絶縁基板(21)に略碁盤目状に複数個配列して構成された一対の吸熱/放熱電極基板(20)とを備え、
前記吸熱/放熱電極基板(20)は、隣接して配列された前記P型熱電素子(12)と前記N型熱電素子(13)との両端にそれぞれ前記電極部(25)を直列的に接続するように構成し、かつその電極部(25)と前記P型熱電素子(12)および前記N型熱電素子(13)との接合面近傍に前記第2絶縁基板(21)の一端面を配置するように構成したことを特徴とする熱電変換装置。 - 前記電極部(25)が低温側となる前記第1電極部材(22)を構成した一方の前記吸熱/放熱電極基板(20)は、前記電極部(25)と前記P型熱電素子(12)および前記N型熱電素子(13)との接合面近傍に前記第2絶縁基板(21)の一端面を配置するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の熱電変換装置。
- 前記吸熱/放熱電極基板(20)は、前記電極部(25)と前記P型熱電素子(12)および前記N型熱電素子(13)との接合面が、好ましくは前記第2絶縁基板(21)の一端面から前記第2絶縁基板(21)の板厚(t1)と前記電極部(25)の板厚(t2)とを加算した突き出し寸法(L)の範囲内に配置されるか、より好ましくは前記第2絶縁基板(21)の一端面から内側に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱電変換装置。
- 絶縁材料からなる第1絶縁基板(11)に、P型熱電素子(12)およびN型熱電素子(13)を交互に複数個配列してなる熱電素子群を列設して構成された熱電素子基板(10)と、
前記熱電素子基板(10)に隣接して配列された前記P型熱電素子(12)と前記N型熱電素子(13)とを電気的に接続する第2電極部材(22a)と、
前記熱電素子基板(10)の両側に対向して配置され、一方に前記第2電極部材(22a)より伝熱される熱を吸熱、放熱する熱交換部(26)を有し、金属材料からなる一対の金属基板(20a)とを備え、
隣接して配列された前記P型熱電素子(12)と前記N型熱電素子(13)とは、その両端に前記第2電極部材(22a)を介して直列的に接続するとともに、
前記金属基板(20a)は、前記第2電極部材(22a)に対向する位置に絶縁材料からなる絶縁層(21a)を形成し、その絶縁層(21a)に前記第2電極部材(22a)を接合するように構成したことを特徴とする熱電変換装置。
Priority Applications (4)
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JP2004277795A JP2006093440A (ja) | 2004-09-24 | 2004-09-24 | 熱電変換装置 |
US11/597,972 US20070220902A1 (en) | 2004-05-31 | 2005-05-31 | Thermoelectric Converter |
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DE112005001273T DE112005001273T5 (de) | 2004-05-31 | 2005-05-31 | Thermoelektrischer Wandler und Verfahren zu seiner Herstellung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004277795A JP2006093440A (ja) | 2004-09-24 | 2004-09-24 | 熱電変換装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112368834A (zh) * | 2018-07-18 | 2021-02-12 | 株式会社自动网络技术研究所 | 电路基板 |
-
2004
- 2004-09-24 JP JP2004277795A patent/JP2006093440A/ja active Pending
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