JP2007123530A - 熱電変換装置およびその装置の製造方法 - Google Patents

熱電変換装置およびその装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007123530A
JP2007123530A JP2005313360A JP2005313360A JP2007123530A JP 2007123530 A JP2007123530 A JP 2007123530A JP 2005313360 A JP2005313360 A JP 2005313360A JP 2005313360 A JP2005313360 A JP 2005313360A JP 2007123530 A JP2007123530 A JP 2007123530A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
thermoelectric
elements
moisture
pair
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005313360A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Matsuoka
彰夫 松岡
Yasuhiko Niimi
康彦 新美
Akinosuke Tera
亮之介 寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2005313360A priority Critical patent/JP2007123530A/ja
Publication of JP2007123530A publication Critical patent/JP2007123530A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

【課題】熱電素子収容室への外部から湿気の侵入を防止することができる熱電変換装置およびその装置の製造方法を実現する。
【解決手段】一対の熱電素子12、13と電極部材16とが電気的に直列接続されることで複数の熱交換部材25が吸熱側と放熱側とに区画して配設される熱電変換装置において、絶縁基板14に複数の電極部材16を一対の熱電素子12、13の配列状態に対応する所定の配列形状に配列にしてなる一対の電極素子基板15が設けられ、この一対の電極素子基板15との間に熱電素子基板10が積層された状態において、一対の電極素子基板15および熱交換部材25の外表面には、無機材料からなる防湿、絶縁層17が形成されている。これにより、外部から湿気の侵入を防止することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、N型熱電素子、P型熱電素子からなる直列回路に直流電流を通電させることで吸熱、放熱が得られる熱電変換装置およびその装置の製造方法に関するものであり、特に、第1保持板に所定の配列形状に配設される熱電素子の防水性に関する。
従来、この種の熱電変換装置として、例えば、特許文献1のように、N型熱電素子およびP型熱電素子を含む複数の熱電素子を交互に、かつ並列に配列させた直列接続するために電極素子としてプリント基板に配設パターンを形成している。
そして、これら熱電素子の一方の側、および他方の側をそれぞれプリント基板の配線パターンと電気的に接合してあるとともに、プリント基板の所定位置に形成したスルーホールに熱交換部材の電極部を収容するとともに、熱交換部材の電極部を配線パターンと熱的に接合している装置が知られている。
この装置によれば、複数の熱電素子を収容する熱電素子収容室と複数の熱交換素子を収容する熱交換部収容室とが一対のプリント基板によって仕切られている。
また、例えば、特許文献2のように、可撓性を有するポリアミドからなる樹脂フィルム基板に電極素子を一体に形成して熱電素子の一方の側、および他方の側をそれぞれ樹脂フィルム基板の熱電素子に電気的に接合している装置が知られている。
この装置によれば、複数の熱電素子を収容する熱電素子収容室と複数の熱交換素子を収容する熱交換部収容室とが一対の樹脂フィルム基板によって仕切られている。
特開2000−91648号公報 特開2002−208741号公報
しかしながら、例えば、熱交換部収容室が上方に吸熱側、下方に放熱側となるように通電されると、吸熱側の熱交換部収容室内で生じた結露水が発生する。上記特許文献1および特許文献2では、熱電素子と熱交換素子とがプリント基板もしくは樹脂フィルム基板によって仕切られているため、吸熱側の結露水が直接熱電素子収容室側に漏れることがない。
ところが、プリント基板に用いられるガラス繊維入りエポキシ樹脂、積層板、紙フェノール、紙エポキシ、あるいは樹脂フィルム基板に用いられるポリアミドなどの樹脂材料は、透湿性があるため周囲の水蒸気(湿気)がこれらの樹脂基板を透過して熱電素子収容室側に結露を発生させることがある。つまり、電極素子と熱電素子との接合部、および熱電素子が結露してマイグレーションを引き起こす問題がある。
そこで、本発明の目的は、上記点を鑑みたものであり、熱電素子収容室への湿気の侵入を防止することができる熱電変換装置およびその装置の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項14に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、複数のP型熱電素子(12)と複数のN型熱電素子(13)を所定の配列形状に配列にしてなる熱電素子組立体(10)と、熱電素子組立体(10)に隣接する一対の熱電素子(12、13)のそれぞれを電気的に直列接続する複数の電極素子(16)とを備え、一対の熱電素子(12、13)のそれぞれと複数の電極素子(16)のそれぞれとが電気的に直列接続されることで複数の電極素子(16)が吸熱側と放熱側とに区画して配設される熱電変換装置において、
絶縁基板(14)に複数の電極素子(16)を一対の熱電素子(12、13)の配列状態に対応する所定の配列形状に配列にしてなる一対の電極素子組立体(15)が設けられ、この一対の電極素子組立体(15)との間に熱電素子組立体(10)が積層された状態において、一対の電極素子組立体(15)の外表面には、無機材料からなる防湿、絶縁層(17)が形成されていることを特徴としている。
この発明によれば、絶縁基板(14)の外表面に防湿、絶縁層(17)が形成されることで絶縁基板(14)の透湿性の改善が図れる。これにより、一対の電極素子組立体(15)により仕切られた熱電素子収納室内に外部からの湿気の侵入を防止することができる。
なお、熱電素子(12、13)は周囲の湿気により結露した水が凍結すると、凍結割れを発生する可能性があるため、熱電素子収納室内に湿気を侵入させないことによって、熱電素子(12、13)に保護膜等の耐水処理を必要としない。
また、一対の電極素子組立体(15)には吸熱側と放熱側との温度差により電極素子(16)に熱応力が作用するが、フィルム状の絶縁基板(14)は可撓性を有するため熱応力を吸収することができる。
請求項2に記載の発明では、複数の電極素子(16)のそれぞれには、電極素子(16)に伝熱可能に接合される電極部(25a)と、その電極部(25a)より伝熱される熱を熱交換する熱交換部(25b)とを有する複数の熱交換素子(25)が設けられ、防湿、絶縁層(17)は、電極素子(16)に電極部(25a)が接合される前に形成していることを特徴としている。
この発明によれば、電極素子(16)と電極部(25a)との間に防湿、絶縁層(17)が形成されることになるが、無機材料で形成される成膜は薄く形成することができるため、接合部の熱抵抗が上昇することはない。
請求項3に記載の発明では、複数の熱交換素子(25)のそれぞれは、複数の電極素子(16)のそれぞれの一端面に形成された防湿、絶縁層(17)上に形成された第2電極部(19)を介して電極部(25a)を半田により接合されていることを特徴としている。
この発明によれば、より具体的には、例えば、銅を主成分とする導電性ペーストを印刷し、加熱乾燥することで防湿、絶縁層(17)上に第2電極部(19)を形成できる。これにより、接合部の熱抵抗を小さくすることができる。
請求項4に記載の発明では、複数の電極素子(16)のそれぞれには、電極素子(16)に伝熱可能に接合される電極部(25a)と、その電極部(25a)より伝熱される熱を熱交換する熱交換部(25b)とを有する複数の熱交換素子(25)が設けられ、
防湿、絶縁層(17)は、電極素子(16)に電極部(25a)が接合された後に複数の熱交換素子(25)の外表面も含めて形成していることを特徴としている。
この発明によれば、この場合には、複数の熱交換素子(25)のそれぞれに電位が掛かることになる。しかし、複数の熱交換素子(25)のそれぞれが絶縁されることで隣り合う熱交換素子(25)相互間でのショートの発生を防止することができる。
また、複数の熱交換素子(25)およびその電極部(25a)に結露水が付着することでマイグレーションが生ずるが、防湿、絶縁層(17)によりマイグレーションの発生を抑制することができる。
請求項5に記載の発明では、防湿、絶縁層(17)は、アルミナ、チタニアもしくは酸化ケイ素のいずれか1種以上の無機材料を用いることを特徴としている。この発明によれば、これらの無機材料を用いることで防湿、絶縁層(17)の被膜厚さを薄くすることができるとともに、接合部の熱抵抗が上昇することはない。
請求項6に記載の発明では、防湿、絶縁層(17)は、成膜方法としてALD(Atomic Layer Deposition)法を用いて形成していることを特徴としている。
この発明によれば、この方法では外表面が複雑な形状に構成していても容易に防湿、絶縁層(17)の形成が可能である。また、隈なく防湿、絶縁層(17)の形成ができることで、絶縁基板(14)からの熱電素子収容室への湿気の侵入を防止することができる。
請求項7に記載の発明では、絶縁基板(14)同士が接着剤もしくは熱溶着のいずれかにより封止されていることを特徴としている。この発明によれば、絶縁基板(14)の端部から熱電素子収容室への湿気の侵入を防止することができる。
請求項8に記載の発明では、絶縁基板(14)はポリイミドからなる樹脂材で形成されていることを特徴としている。この発明によれば、絶縁基板(14)に可撓性を備えることができる。また、無機材料との成膜性が良好である。
請求項9に記載の発明では、複数のP型熱電素子(12)と複数のN型熱電素子(13)を所定の配列形状に配列する熱電素子組立体(10)の熱電素子配列工程と、
熱電素子組立体(10)に隣接する一対の熱電素子(12、13)のそれぞれを電気的に直列接続する複数の電極素子(16)を備え、絶縁基板(14)に複数の電極素子(16)を一対の熱電素子(12、13)の配列状態に対応する所定の配列形状に配列する電極素子組立体(15)の電極素子形成工程と、
一対の電極素子組立体(15)との間に熱電素子組立体(10)が積層された状態において、一対の電極素子組立体(15)の外表面に、無機材料からなる防湿、絶縁層(17)を形成する防湿、絶縁層形成工程と、
一対の電極素子組立体(15)との間に熱電素子組立体(10)が積層された状態において、一対の熱電素子(12、13)の端面に電極素子(16)を接合する電極素子接合工程とを具備することを特徴としている。
この発明によれば、防湿、絶縁層形成工程により絶縁基板(14)の外表面に無機材料の被膜を形成することで、絶縁基板(14)の透湿性が改善されることで熱電素子収容室への湿気の侵入を防止することができる。
請求項10に記載の発明では、電極素子(16)に伝熱可能に接合される電極部(25a)と、その電極部(25a)より伝熱される熱を熱交換する熱交換部(25b)とを有する複数の熱交換素子(25)を備え、電極素子組立体(15)に形成された複数の電極素子(16)のそれぞれに電極部(25a)を半田により接合する熱交換素子接合工程を有し、防湿、絶縁層形成工程は、熱交換素子接合工程の前に行うことを特徴としている。
この発明によれば、熱交換素子接合工程のときに、電極素子(16)と電極部(25a)との間に防湿、絶縁層(17)が形成されることになるが、無機材料で形成される被膜は薄く形成することができるため、接合部の熱抵抗が上昇することはない。
請求項11に記載の発明では、防湿、絶縁層形成工程により複数の電極素子(16)の一方面に形成された防湿、絶縁層(17)上に第2電極部(19)を形成する第2電極部形成工程を有し、熱交換素子接合工程は、第2電極部形成工程を行った後に複数の電極素子(16)のそれぞれに電極部(25a)を接合することを特徴としている。
この発明によれば、例えば、銅を主成分とする導電性ペーストを印刷し、加熱乾燥することによって防湿、絶縁層(17)上に第2電極部(19)を複数の接続部に容易、かつ確実に所定の位置に形成することができる。これにより、生産性の向上が図れる。
請求項12に記載の発明では、電極素子(16)に伝熱可能に接合される電極部(25a)と、その電極部(25a)より伝熱される熱を熱交換する熱交換部(25b)とを有する複数の熱交換素子(25)を備え、電極素子組立体(15)に形成された複数の電極素子(16)のそれぞれに電極部(25a)を半田により接合する熱交換素子接合工程を有し、防湿、絶縁層形成工程は、熱交換素子接合工程を行った後に、複数の熱交換素子(25)の外表面も含めて一対の電極素子組立体(15)の外表面に防湿、絶縁層(17)を形成することを特徴としている。
この発明によれば、複数の熱交換素子(25)およびその接合部のそれぞれが絶縁されることで隣り合う熱交換素子(25)相互間でのショートの発生を防止することができる。さらに、複数の熱交換素子(25)およびその電極部(25a)に結露水が付着することでマイグレーションが生ずるが、防湿、絶縁層(17)によりマイグレーションの発生を抑制することができる。
請求項13に記載の発明では、防湿、絶縁層形成工程は、無機材料としてアルミナ、チタニアもしくは酸化ケイ素のいずれかの2種以上を用いるとともに、成膜方法として、ALD(Atomic Layer Deposition)法により防湿、絶縁層(17)を形成していることを特徴としている。
この発明によれば、これらの無機材料を用いることで防湿、絶縁層(17)の被膜厚さを薄くすることができる。これにより、接合部の熱抵抗が上昇することはない。また、この方法によれば、外表面が複雑な形状に構成していても容易に防湿、絶縁層(17)の形成が可能である。さらに、隈なく防湿、絶縁層(17)の形成ができることで、絶縁基板(14)からの熱電素子収容室への湿気の侵入を防止することができる。
請求項13に記載の発明では、電極素子接合工程を行った後に、絶縁基板(14)同士もしくは一対の絶縁基板(14)の一方のいずれかで接着剤もしくは熱溶着のいずれかにより封止する封止工程を有することを特徴としている。この発明によれば、絶縁基板(14)の端部からの熱電素子収容室への湿気の侵入を防止することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態における熱電変換装置を図1ないし図8に基づいて説明する。図1は吸熱側に配設される熱交換部材25の配列形態を示す平面図、図2は放熱側に配設される熱交換部材25の配列形態を示す下面図である。図3は図1に示すA−A断面図であって、熱電変換装置の全体構成を示している。
また、図4は図3に示すC−C断面図、図5は図3に示すD−D断面図である。図6は熱電変換装置の全体構成を示す分解模式図である。また、図7は図1に示すB−B断面図、図8は熱電変換装置の製造工程の流れを示す説明図である。
本実施形態の熱電変換装置は、車両に搭載される冷却装置もしくは加熱装置に適用させた熱電変換装置であり、例えば、車両用のシートの着座部内と背当部内とにそれぞれ熱電変換装置を配設し、その熱電変換装置により冷却された冷風をシート表面から吹き出すシート空調装置に適用させている。
従って、本実施形態の熱電変換装置は、設置空間の狭い車両用のシート内に搭載できるように熱電変換装置の小型化を図っている。
本実施形態の熱電変換装置は、図3および図6に示すように、複数のP型、N型の熱電素子12、13を配列した熱電素子組立体である熱電素子基板10、電極素子である電極部材16を所定の配列形状に配列した電極素子組立体である一対の電極素子基板15、その電極部材16のそれぞれに伝熱可能に結合する熱交換素子である複数の熱交換部材25、およびケース部材28から構成している。
熱電素子組立体である熱電素子基板10は、図4および図5に示すように、熱電素子12、13の保持板である第1保持板11と、P型、N型からなる複数の熱電素子12、13とから一体に構成している。
具体的には、平板状の絶縁材料(例えば、ガラスエポキシ、PPS樹脂、LCP樹脂もしくはPET樹脂など)からなる第1保持板11に、P型熱電素子12とN型熱電素子13とを交互に複数対配列してなる熱電素子群を列設して略碁盤目状に配列している。
そして、P型熱電素子12はBi−Te系化合物からなるP型半導体により構成され、N型熱電素子12はBi−Te系化合物からなるN型半導体により構成された極小部品である。ここで、P型熱電素子12およびN型熱電素子13は、その上端面、下端面が第1保持板11の表面よりも突き出すように形成している。
そして、図中に示す左右上端に配設する熱電素子12、13には、それぞれ端子24a、24bが設けられ、その端子24a、24bには、図示しない直流電源の正側端子を端子24aに接続し、負側端子を端子24bに接続するようにしている。
電極素子組立体である電極素子基板15は、図3ないし図6に示すように、フィルム状からなる絶縁基板14に複数の電極部材16を一対の熱電素子12、13の配列状態に対応する位置に所定の配列形状に配列にして一体に構成している。
より具体的には、絶縁基板14を、例えば、ポリアミドからなる樹脂材で薄膜のフィルム状(例えば、板厚が10〜25μm程度)に形成し、その片面に銅材からなる銅箔層(例えば、18〜300μm)などの導電性金属を積層させて、例えば、その銅箔層をエッチング加工により、一対の熱電素子12、13の配列状態に対応する位置に所定の形状の電極部材16を形成している。
電極部材16は、複数の熱電素子12、13を電気的に直列接続する電極であり、熱電素子基板10に配列された熱電素子群のうち、隣接するP型熱電素子12の一方の端面とN型熱電素子13の一方の端面とを電気的に接続している。より具体的には、図3に示すように、上方に配置される電極部材16は、隣接するN型熱電素子13からP型熱電素子12に向けて電流を流すための電極であり、下方に配置される電極部材16は、隣接するP型熱電素子12からN型熱電素子13に電流を流すための電極である。
なお、それぞれの電極部材16は、熱電素子12、13の端面に予めペーストハンダなどをスクリーン印刷で薄く均一に塗っておいてから半田で接合される。また、電極部材16における所定の形状とは、隣接する一対の熱電素子12、13の端面を覆う程度の平面面積を有する略矩形状であり、全てが同一形状に形成している。
そして、熱電素子基板10の一方側(図4参照)に配設する電極部材16は、熱電素子群の外端に隣接する熱電素子12、13に配設する場合と、熱電素子群の外端より内側に隣接する熱電素子12、13に配設する場合とは、配設方向が異なる方向に配設している。
つまり、熱電素子群の外端に隣接する熱電素子12、13に配設するときは、熱電素子群に直交する方向に配設し、熱電素子群の外端より内側に隣接する熱電素子12、13に配設するときは、熱電素子群に沿う方向に配設している。一方、熱電素子基板10の他方側(図5参照)に配設する電極部材16は、全て熱電素子群に沿う方向に配設している。
ところで、電極部材16と一体に形成される絶縁基板14には、この電極部材16に対向する位置に、電極部材16の平面面積よりも小さい開口面積を有する開口孔14aを形成している。つまり、電極部材16の外縁が開口孔14aの外周縁に密着された状態で開口孔14aを形成している。
これにより、電極部材16を絶縁基板14に一体に形成することができる。なお、この開口孔14aは、詳しくは後述するが、電極部材16と熱交換部材25の電極部25aとで接合部を形成する空間であって、この空間に半田18が盛られて熱交換部材25と電極部材16とが接合される。
さらに、絶縁基板14は、図3に示すように、一対の電極素子基板15の間に熱電素子基板10が積層状態において、下側に配置される絶縁基板14の末端が第1保持板11の端部に接するように形成するとともに、上側に配置される絶縁基板14の末端が下側の絶縁基板14の末端に接するように形成している。
そして、第1保持板11の端部と下側の絶縁基板14の末端面との間に、接着剤で第1保持板11の外周端を封止するように接着するとともに、下側の絶縁基板14の末端面と上側の絶縁基板14の末端面との間に接着剤で熱電素子収容室内を封止するように接着している。これは、一対の電極素子基板15によって区切られた熱電素子収容室内に外部から湿気が侵入しないように第1保持板11の外周端を封止構造となるように構成したものである。
なお、このときに、一対の絶縁基板14の外周端にも接着剤で封止するように接着する。これにより、絶縁基板14の外周端から熱電素子収容室内に湿気が侵入しない。従って、熱電素子収容室内に配設される第1保持板11、熱電素子12、13および電極部材16のマイグレーションによる劣化の防止が図れる。
次に、熱交換素子である複数の熱交換部材25は、銅材などの導電性金属からなる薄肉の板材を用いて、図7に示すように、断面が略U字状からなり底部に平面状の電極部25aを形成し、その電極部25aの両端辺から外方に向けて立ち上げて延出された板状のフィン状部位を形成している。
このフィン状部位は、その多くの部位が熱交換媒体としての空気と熱交換するべく送風通路に突き出して配置されている。その平面には、熱交換を促進するために、ルーバー状の熱交換部25bが形成されている。この熱交換部25bは、電極部25aから伝熱される熱を吸熱、放熱するためのフィン部材であり、切り起こしなどの成形加工により電極部25aと一体に形成している。
また、電極部25aは、その平面の形状が電極部材16と略同等の大きさとなる略矩形状に形成している。そして、複数の熱交換部材25は、それらの平面状の電極部25aが電極素子基板15に配列された電極部材16の配列状態に対応する所定の位置に配置して接合される。
具体的には、図7に示すように、一対の熱電素子12、13の端面と電極部材16の一方面とが半田18で接合されるとともに、電極素子基板15に形成された開口孔14aに半田18が盛られて電極部25aと電極部材16とが接合される。
なお、複数の熱交換部材25は、電極素子基板15に電極部25aおよび熱交換部25bが風の流れに沿う方向に同一方向となるように配設している。より具体的には、電極素子基板15の一方側(図1参照)に配設する熱交換部材25は、熱電素子群の外端に配設する場合と熱電素子群の外端の内側に配設する場合とは異なる形状で形成して所定の位置に配設している。
なお、電極素子基板15の他方側(図2参照)に配設する熱交換部材25は、上述した熱電素子群の外端の内側に配設する場合と同一形状のものを4列配設している。
ところで、ポリアミドからなる絶縁基板14は、透湿性が劣ることで、絶縁基板14の外表面、および端部から周囲の水蒸気(湿気)が透過して内部の熱電素子収容室側に結露を発生させる問題がある。
そこで、本実施形態の熱電変換装置では、一対の電極素子基板15の間に熱電素子基板10を積層状態に組みつけるとともに、それぞれの電極素子基板15の外方に複数の熱交換部材25を接合した後に、電極素子基板15の外表面全体を図7に示すように、符号17で示された二点鎖線に渡って無機材料による成膜処理を行っている。
この成膜処理の成膜方法として、例えば、ALD(Atomic Layer Deposition)法を用いて成膜処理を行っている。この方法は、化学気相成長法の一種であり、2種類以上の材料(元素もしくは化合物)を交互に供給して、絶縁基板14表面の吸着反応、材料と目的生成物との蒸気圧の差を利用することにより1原子層または1分子層ずつ結晶成長する方法である。
例えば、HOとAlClを交互に供給することによって、置換反応によりALを成膜することができる。つまり、原子層レベルで成膜する手法で、複雑構造物にも容易に成膜できる特徴があるため電極素子基板15の外表面全体に成膜することが可能である。より具体的には、絶縁基板14、および熱交換部材25の外表面に、無機材料を用いてALD法により防湿、絶縁層17を形成している。
なお、成膜する材料として、アルミナ、チタニア、酸化ケイ素のいずれかの無機材料を用いている。また、ALD法によれば、防湿、絶縁層17の膜厚が一層あたり数nmで有って、全体の膜厚が50〜250nm程度に積層させることができる。
これにより、電極素子基板15の外表面全体に防水性、透過性の優れる防水、防湿膜を形成するとともに、無機材料による電気絶縁性の優れる絶縁層を形成することができる。従って、ポリアミドからなる絶縁基板14の透湿性の改善が図れるとともに、熱交換部材25の外表面に防湿、絶縁層17が形成されることで、隣り合う熱交換部材25同士に電位が掛かっているがそれぞれが電気的に絶縁されることになる。
また、絶縁基板14、および熱交換部材25の外表面の他に、電極部25a周りの半田18にも防湿、絶縁層17が形成できることで、特に、吸熱側で発生する結露水の付着による半田18のマイグレーションの防止を図ることができる。
ここで、以上の構成による本実施形態の熱電変換装置では、端子24aから入力された直流電源は、図3に示すように、図中に示す左端のP型熱電素子12の上端に配設された電極部材16からP型熱電素子12に流れ、下側の電極部材16を介して右隣のN型熱電素子13に直列的に流れ、次に、このN型熱電素子13から上方の電極部材16を介して右隣のP型熱電素子12に直列的に流れるようになっている。
このときに、NP接合部を構成する上方の電極部材16は、ペルチェ効果によって低温の状態となり、PN接合部を構成する下方の電極部材16は高温の状態となる。つまり、上方に配設された熱交換部25bは吸熱部である吸熱熱交換部を形成して低温の熱が伝熱されて冷却流体が接触され、下方に配設された熱交換部25bは放熱部である放熱熱交換部を形成して高温の熱が伝熱されて被冷却流体が接触される。
言い換えれば、図3に示すように、一対の電極素子基板15を区画壁として、電極素子基板15の両側にケース部材28で送風通路を形成して、その送風通路に空気を流通することで、熱交換部25bと空気とが熱交換され、電極素子基板15を区画壁として、上方の熱交換部25bで空気を冷却することができ、下方の熱交換部25bで空気を加熱することができる。
なお、本実施形態では、直流電源の正側端子を端子24a側に接続し、負側端子を端子24b側に接続して端子24aに直流電源を入力させたが、これに限らず、直流電源の正側端子を端子24b側に接続し、負側端子を端子24a側に接続して端子24bに直流電源を入力させても良い。ただし、このときには、上方の熱交換部25bが放熱熱交換部を形成し、下方の熱交換部25bが吸熱熱交換部を形成する。
また、一対の電極素子基板15を区画壁として、複数の熱電素子12、13が収容される空間に熱電素子収容室が形成される。従って、一対の電極素子基板15により、外部からの湿気が熱電素子収容室内に浸入することはない。
次に、以上の構成による熱電変換装置の製造方法について説明する。まず、複数の熱電素子12、13は、第1保持板11に形成された図示しない基板穴にP型、N型を交互に略碁盤目状の所定の配列形状に配列する。これにより、複数の熱電素子12、13が第1保持板11に一体に構成する。これを請求項で熱電素子配列工程と称する。
なお、このときに、複数の熱電素子12、13を第1保持板11に配置するために、半導体、電子部品などを制御基板に組み付けるための製造装置であるマウンター装置を用いて製造してもよい。以上の工程を熱電素子基板10の熱電素子配列工程と請求項で称する。
次に、絶縁基板14に複数の電極部材16を一体に形成する。より具体的には、図8(a)ないし図8(c)に基づいて説明する。図8(a)に示すように、例えば、ポリイミドからなる樹脂材で薄膜のフィルム状(例えば、板厚が10〜25μm程度)の絶縁基板14を形成するとともに、その絶縁基板14のいずれか一方の片面に銅材からなる銅箔層(例えば、18〜300μm)16aを積層させて一体に形成する。
そして、図8(b)に示すように、その片面の銅箔層16aを、例えば、エッチング加工により、一対の熱電素子12、13の配列状態に対応する位置に所定の形状の電極部材16を複数個形成する。
そして、図8(c)に示すように、絶縁基板14の電極部材16に対向する位置に、例えば、エッチング加工により開口孔14aを形成する。このときの開口孔14aの開口面積は電極部材16よりも小さく形成する。これにより、電極部材16の外縁と開口孔14aの外周縁とが密着されていることで絶縁基板14に電極部材16を一体に構成することができる。
また、電極部材16が絶縁基板14に密着されていることにより、吸熱側の熱交換部材25で結露した結露水が開口孔14aから絶縁基板14の裏側に漏れることはない。なお、絶縁基板14に電極部材16を一体に構成されたものが電極素子組立体である電極素子基板15である。以上の工程を電極素子基板15の電極素子形成工程と請求項で称する。
次に、図8(d)に示すように、まず、熱電素子基板10に配列された複数の熱電素子12、13の両端面にペーストハンダなどをスクリーン印刷で薄く均一に塗っておく。そして、熱電素子基板10の上方に一方の電極素子基板15を重ねる。このとき、それぞれの電極部材16が一対の熱電素子12、13の配列状態に対応する所定の位置に配列された状態で両者が対向して配置される。
そして、熱電素子12、13と電極部材16との間に半田18を用いて接合する。このときには、複数の熱電素子12、13と複数の電極部材16とが一斉に接合される。そして、熱電素子基板10と一方の電極素子基板15との接合体を反転させる。そして、この接合体の上方に他方の電極素子基板15を重ねて、上記同様に電極部材16と一対の熱電素子12、13とが対向して配置される。
そして、熱電素子12、13と電極部材16との間に半田18を用いて接合する。これにより、一対の電極素子基板15との間に電極素子基板15が積層される。以上の工程を電極素子接合工程と請求項で称する。
そして、一対の電極素子基板15との間に熱電素子基板10が積層され状態において、図8(e)に示すように、第1保持板11の端部と下側の絶縁基板14の末端面との間に接着剤21により接着するとともに、下側の絶縁基板14の末端面と上側の絶縁基板14の末端面との間に接着剤21で接着する。
なお、このときに、上側および下側の絶縁基板14の端部にも接着剤21で封止する。これにより、一対の電極素子基板15によって仕切られた熱電素子収容室と外部とが封止される。従って、熱電素子基板10の外周端から熱電素子収容室内に空気が侵入することはない。以上の工程を封止工程と請求項で称する。
なお、本実施形態では、外部と熱電素子収容室とを封止するために接着剤21を用いて封止させたが、これに限らず、絶縁基板14同士、もしくは第1保持板11と絶縁基板14との熱溶着で第1保持板11の端部を封止させても良い。
次に、図8(f)に示すように、一対の電極素子基板15との間に熱電素子基板10が積層された状態において、電極素子基板15に形成された開口孔14aにペーストハンダなどをスクリーン印刷で薄く均一に塗っておく。
そして、一方の電極素子基板15に形成された開口孔14aそれぞれの上方に熱交換部材25の電極部25aを配置させる。そして、電極部25aと電極部材16との間に半田18を用いて接合する。このときには、複数の熱交換部材25と複数の電極部材16とが一斉に接合される。
そして、接合体を反転させて他方の電極素子基板15に形成された開口孔14aそれぞれの上方に熱交換部材25の電極部25aを配置させる。そして、電極部25aと電極部材16との間に半田18を用いて接合する。これにより、複数の熱交換部材25が電極素子基板15の外方に配設される。
また、電極部25aと電極部材16との接合部は、電極部材16が電極部25aよりも小さく形成しても良いし、大きく形成しても良い。以上の工程を熱交換素子接合工程と請求項で称する。
次に、図8(g)に示すように、一対の電極素子基板15との間に熱電素子基板10が積層された状態において、電極素子基板15および熱交換部材25の外表面全体に無機材料を用いてALD法により原子層を成膜させて防湿、絶縁層17を形成している。
このときの材料として、アルミナ、チタニア、酸化ケイ素のいずれか1種類もしくは2種類以上を積層した無機材料を成膜させて、全体の膜厚が50〜250nm程度の防湿、絶縁層17を形成している。
これにより、電極素子基板15の外表面全体に防水性、透過性の優れる防水、防湿膜を形成するとともに、無機材料による電気絶縁性の優れる絶縁層を形成することができる。以上の工程を防湿、絶縁層形成工程と請求項で称する。
そして、一方の電極素子基板15の上方側、他方の電極素子基板15の下方側を、図3に示すように、ケース部材28により送風経路を形成するように組み付けることで、上方側に吸熱熱交換部が形成され、下方側に放熱熱交換部が形成されて、これに空気を流通させることで冷風、温風を得ることが可能となる。
以上の第1実施形態による熱電変換装置によれば、フィルム状からなる絶縁基板14に複数の電極素子16を一対の熱電素子12、13の配列状態に対応する所定の配列形状に配列にしてなる一対の電極素子基板15が設けられ、この一対の電極素子基板15との間に熱電素子基板10が積層された状態において、一対の電極素子基板15、および複数の熱交換部材25の外表面には、無機材料からなる防湿、絶縁層17が形成されている。
これによれば、絶縁基板14の外表面に防湿、絶縁層17が形成されることで絶縁基板14の透湿性の改善が図れる。これにより、一対の電極素子基板15により仕切られた熱電素子収納室内に外部からの湿気の侵入を防止することができる。
なお、熱電素子12、13は周囲の湿気により結露した水が凍結すると、凍結割れを発生する可能性があるため、熱電素子収納室内に湿気を侵入させないことによって、熱電素子12、13に保護膜等の耐水処理を必要としない。
また、一対の電極素子基板15には吸熱側と放熱側との温度差により電極部材16に熱応力が作用するが、フィルム状の絶縁基板14は可撓性を有するため熱応力を吸収することができる。
また、熱交換部材25の外表面に防湿、絶縁層17が形成されることで、隣り合う熱交換部材25同士に電位が掛かっているがそれぞれが電気的に絶縁されることになる。さらに、これら隣り合う熱交換部材25同士との空間は非常に狭く設定していることで、送風通路に異物が混入されるとショートの恐れがあるが、成膜処理によりショートの発生を防止することができる。
また、絶縁基板14、および熱交換部材25の外表面の他に、電極部25a周りの半田18にも防湿、絶縁層17が形成できることで、特に、吸熱側で発生する結露水の付着による半田18のマイグレーションの防止を図ることができる。
防湿、絶縁層17は、アルミナ、チタニアもしくは酸化ケイ素のいずれかの無機材料を用いて、ALD法による成膜処理することにより、外表面が複雑な形状に構成していても容易に防湿、絶縁層17の形成が可能である。
また、隈なく防湿、絶縁層17の形成ができることで、絶縁基板14からの熱電素子収容室への湿気の侵入を防止することができる。さらに、これらの無機材料を用いることで防湿、絶縁層17の膜厚を薄く形成することができる。
また、第1保持板11は、その端部が一対の絶縁基板14同士もしくは一対の絶縁基板14の一方のいずれかで接着剤もしくは熱溶着により封止されていることにより、第1保持板11の端部から熱電素子収容室への湿気の侵入を防止することができる。
(第2実施形態)
以上の第1実施形態では、電極素子基板15および熱交換部材25の外表面に防湿、絶縁層17を形成するように構成したが、これに限らず、熱交換部材25を電極素子基板15に接合する前の状態で防湿、絶縁層17を形成するように構成しても良い。
具体的には、図9(e)に示す封止工程の後に、防湿、絶縁層形成工程を行うように構成している。より具体的には、図9(f)ないし図9(h)に示す製造工程の流れに基づいて説明する。ここで、図9(a)ないし図9(e)までの製造工程は、第1実施形態と同じ工程であるため説明を省略する。
従って、図9(e)に示す封止工程の後に、図9(f)に示す防湿、絶縁層形成工程を行うようにしている。より具体的には、図9(f)に示すように、一対の電極素子基板15との間に熱電素子基板10を積層させた状態において、第1保持板11の外周端を絶縁基板14で封止させた後に、一対の電極素子基板15の外表面に図中に2点鎖線で示す防湿、絶縁層17を形成している。
これにより、ポリアミドからなる絶縁基板14の透湿性の改善が図れることで、一対の電極素子基板15により仕切られた熱電素子収納室内に外部からの湿気の侵入を防止することができる。以上の工程を防湿、絶縁層形成工程と請求項で称する。
次に、図9(g)に示すように、一対の電極素子基板15との間に熱電素子基板10が積層された状態において、電極素子基板15に形成された開口孔14aに銅などを主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷で薄く均一に塗布し、加熱乾燥させて防湿、絶縁層17上に第2電極部19を形成する。これにより、防湿、絶縁層17上に接触抵抗の小さい状態の第2電極部19が形成できる。以上の工程を第2電極部形成工程と請求項で称する。
次に、図9(h)に示すように、一方の電極素子基板15に形成された開口孔14aそれぞれの上方に熱交換部材25の電極部25aを配置させる。そして、電極部25aと電極部材16との間に半田18を用いて接合する。
そして、接合体を反転させて他方の電極素子基板15に形成された開口孔14aそれぞれの上方に熱交換部材25の電極部25aを配置させる。そして、電極部25aと電極部材16との間に半田18を用いて接合する。これにより、複数の熱交換部材25が電極素子基板15の外方に配設される。
以上の第2実施形態による熱電変換装置によれば、熱交換部材25の電極部25aと接合される電極部材16に防湿、絶縁層17が形成され、その上方に第2電極部19が形成されるが、無機材料で形成される防湿、絶縁層17は、膜厚が薄く形成することができるため、接合部の熱抵抗が小さい。
また、防湿、絶縁層17の表面に形成された防湿、絶縁層17を介して電極部25aと電極部材16とを半田18で接合するため熱抵抗をより小さくすることができる。これにより、電極部25aと電極部材16とを半田18で直接接合したときと同等の熱電変換性能が得られる。
(他の実施形態)
以上の実施形態では、電極部材16を絶縁基板14に一体に形成して熱電素子12、13の端面に接合するように構成したが、これに限らず、電極部材16を平板状に形成して絶縁基板14に接着により一体に構成しても良い。
また、以上の実施形態では、絶縁基板14を薄膜のフィルム状で形成したが、これに限らず、ガラスエポキシ樹脂などの絶縁基板14で形成し、その絶縁基板14に平板状からなる電極部材16を一体に構成しても良い。
また、以上の実施形態では、熱交換部材25の熱交換部25bをルーバー状に形成したが、これに限らず、熱交換部25bの形状をオフセット状に形成しても良い。
本発明の第1実施形態における吸熱側に配設される熱交換部材25の配列形態を示す平面図である。 本発明の第1実施形態における放熱側に配設される熱交換部材25の配列形態を示す下面図である。 図1に示すA−A断面図である。 図3に示すC−C断面図である。 図3に示すD−D断面図である。 本発明の第1実施形態における熱電変換装置の全体構成を示す分解模式図である。 図1に示すB−B断面図である。 (a)ないし(g)は本発明の第1実施形態における熱電変換装置の製造工程の流れを示す説明図である。 (a)ないし(h)は本発明の第2実施形態における熱電変換装置の製造工程の流れを示す説明図である。
符号の説明
10…熱電素子基板(熱電素子組立体)
12…P型熱電素子、熱電素子
13…N型熱電素子、熱電素子
14…絶縁基板
14a…開口孔
15…電極素子基板(電極素子組立体)
16…電極部材(電極素子)
17…防湿、絶縁層
19…第2電極部
25…熱交換部材(熱交換素子)
25a…電極部
25b…熱交換部

Claims (14)

  1. 複数のP型熱電素子(12)と複数のN型熱電素子(13)を所定の配列形状に配列にしてなる熱電素子組立体(10)と、
    前記熱電素子組立体(10)に隣接する一対の熱電素子(12、13)のそれぞれを電気的に直列接続する複数の電極素子(16)とを備え、
    前記一対の熱電素子(12、13)のそれぞれと前記複数の電極素子(16)のそれぞれとが電気的に直列接続されることで前記複数の電極素子(16)が吸熱側と放熱側とに区画して配設される熱電変換装置において、
    絶縁基板(14)に前記複数の電極素子(16)を前記一対の熱電素子(12、13)の配列状態に対応する所定の配列形状に配列にしてなる一対の電極素子組立体(15)が設けられ、
    前記一対の電極素子組立体(15)との間に前記熱電素子組立体(10)が積層された状態において、前記一対の電極素子組立体(15)の外表面には、無機材料からなる防湿、絶縁層(17)が形成されていることを特徴とする熱電変換装置。
  2. 前記複数の電極素子(16)のそれぞれには、前記電極素子(16)に伝熱可能に接合される電極部(25a)と、その電極部(25a)より伝熱される熱を熱交換する熱交換部(25b)とを有する複数の熱交換素子(25)が設けられ、
    前記防湿、絶縁層(17)は、前記電極素子(16)に前記電極部(25a)が接合される前に形成していることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換装置。
  3. 前記複数の熱交換素子(25)のそれぞれは、前記複数の電極素子(16)のそれぞれの一端面に形成された前記防湿、絶縁層(17)上に形成された第2電極部(19)を介して前記電極部(25a)を半田により接合されていることを特徴とする請求項2に記載の熱電変換装置。
  4. 前記複数の電極素子(16)のそれぞれには、前記電極素子(16)に伝熱可能に接合される電極部(25a)と、その電極部(25a)より伝熱される熱を熱交換する熱交換部(25b)とを有する複数の熱交換素子(25)が設けられ、
    前記防湿、絶縁層(17)は、前記電極素子(16)に前記電極部(25a)が接合された後に前記複数の熱交換素子(25)の外表面も含めて形成していることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換装置。
  5. 前記防湿、絶縁層(17)は、アルミナ、チタニアもしくは酸化ケイ素のいずれか2種以上の無機材料を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の熱電変換装置。
  6. 前記防湿、絶縁層(17)は、成膜方法としてALD(Atomic Layer Deposition)法を用いて形成していることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の熱電変換装置。
  7. 前記絶縁基板(14)同士が接着剤もしくは熱溶着のいずれかにより封止されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の熱電変換装置。
  8. 前記絶縁基板(14)はポリイミドからなる樹脂材で形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の熱電変換装置。
  9. 複数のP型熱電素子(12)と複数のN型熱電素子(13)を所定の配列形状に配列する熱電素子組立体(10)の熱電素子配列工程と、
    前記熱電素子組立体(10)に隣接する一対の熱電素子(12、13)のそれぞれを電気的に直列接続する複数の電極素子(16)を備え、絶縁基板(14)に前記複数の電極素子(16)を前記一対の熱電素子(12、13)の配列状態に対応する所定の配列形状に配列する電極素子組立体(15)の電極素子形成工程と、
    前記一対の電極素子組立体(15)との間に前記熱電素子組立体(10)が積層された状態において、前記一対の電極素子組立体(15)の外表面に、無機材料からなる防湿、絶縁層(17)を形成する防湿、絶縁層形成工程と、
    前記一対の電極素子組立体(15)との間に前記熱電素子組立体(10)が積層された状態において、前記一対の熱電素子(12、13)の端面に前記電極素子(16)を接合する電極素子接合工程とを具備することを特徴とする熱電変換装置の製造方法。
  10. 前記電極素子(16)に伝熱可能に接合される電極部(25a)と、その電極部(25a)より伝熱される熱を熱交換する熱交換部(25b)とを有する複数の熱交換素子(25)を備え、前記電極素子組立体(15)に形成された前記複数の電極素子(16)のそれぞれに前記電極部(25a)を半田により接合する熱交換素子接合工程を有し、
    前記防湿、絶縁層形成工程は、前記熱交換素子接合工程の前に行うことを特徴とする請求項9に記載の熱電変換装置の製造方法。
  11. 前記防湿、絶縁層形成工程により前記複数の電極素子(16)の一方面に形成された前記防湿、絶縁層(17)上に第2電極部(19)を形成する第2電極部形成工程を有し、
    前記熱交換素子接合工程は、前記第2電極部形成工程を行った後に前記複数の電極素子(16)のそれぞれに前記電極部(25a)を接合することを特徴とする請求項10に記載の熱電変換装置の製造方法。
  12. 前記電極素子(16)に伝熱可能に接合される電極部(25a)と、その電極部(25a)より伝熱される熱を熱交換する熱交換部(25b)とを有する複数の熱交換素子(25)を備え、前記電極素子組立体(15)に形成された前記複数の電極素子(16)のそれぞれに前記電極部(25a)を半田により接合する熱交換素子接合工程を有し、
    前記防湿、絶縁層形成工程は、前記熱交換素子接合工程を行った後に、前記複数の熱交換素子(25)の外表面も含めて前記一対の電極素子組立体(15)の外表面に防湿、絶縁層(17)を形成することを特徴とする請求項9に記載の熱電変換装置の製造方法。
  13. 前記防湿、絶縁層形成工程は、無機材料としてアルミナ、チタニアもしくは酸化ケイ素のいずれかの1種以上を用いるとともに、成膜方法として、ALD(Atomic Layer Deposition)法により前記防湿、絶縁層(17)を形成していることを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれか一項に記載の熱電変換装置の製造方法。
  14. 前記電極素子接合工程を行った後に、前記絶縁基板(14)同士もしくは前記一対の絶縁基板(14)の一方のいずれかで接着剤もしくは熱溶着のいずれかにより封止する封止工程を有することを特徴とする請求項9ないし請求項13のいずれか一項に記載の熱電変換装置の製造方法。
JP2005313360A 2005-10-27 2005-10-27 熱電変換装置およびその装置の製造方法 Pending JP2007123530A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005313360A JP2007123530A (ja) 2005-10-27 2005-10-27 熱電変換装置およびその装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005313360A JP2007123530A (ja) 2005-10-27 2005-10-27 熱電変換装置およびその装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007123530A true JP2007123530A (ja) 2007-05-17

Family

ID=38147049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005313360A Pending JP2007123530A (ja) 2005-10-27 2005-10-27 熱電変換装置およびその装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007123530A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013157446A (ja) * 2012-01-30 2013-08-15 Kyocera Corp 熱電モジュール
WO2014162700A1 (ja) * 2013-04-03 2014-10-09 株式会社デンソー 熱交換器の製造方法および熱交換器
JP2016015860A (ja) * 2014-07-03 2016-01-28 パナソニックIpマネジメント株式会社 発電装置
EP3107423A4 (en) * 2014-02-17 2017-10-25 Marlow Industries, Inc. System for over-molded pcb sealing ring for tec heat exchangers
JP7461138B2 (ja) 2019-12-19 2024-04-03 株式会社Kelk 熱電モジュール及び光モジュール
JP7461137B2 (ja) 2019-12-19 2024-04-03 株式会社Kelk 熱電モジュール及び光モジュール

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06237019A (ja) * 1993-02-10 1994-08-23 Matsushita Electric Works Ltd 電子加熱冷却装置
JPH07307495A (ja) * 1994-05-12 1995-11-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd ペルチェ素子
JPH1187786A (ja) * 1997-09-08 1999-03-30 Seru Appl Kk 電子冷却・加熱装置
JP2003318455A (ja) * 2002-04-19 2003-11-07 Da Vinch Co Ltd ペルチェ素子とその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06237019A (ja) * 1993-02-10 1994-08-23 Matsushita Electric Works Ltd 電子加熱冷却装置
JPH07307495A (ja) * 1994-05-12 1995-11-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd ペルチェ素子
JPH1187786A (ja) * 1997-09-08 1999-03-30 Seru Appl Kk 電子冷却・加熱装置
JP2003318455A (ja) * 2002-04-19 2003-11-07 Da Vinch Co Ltd ペルチェ素子とその製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013157446A (ja) * 2012-01-30 2013-08-15 Kyocera Corp 熱電モジュール
WO2014162700A1 (ja) * 2013-04-03 2014-10-09 株式会社デンソー 熱交換器の製造方法および熱交換器
JP2014202390A (ja) * 2013-04-03 2014-10-27 株式会社デンソー 熱交換器の製造方法および熱交換器
US9956654B2 (en) 2013-04-03 2018-05-01 Denso Corporation Method for manufacturing heat exchanger, and heat exchanger
EP3107423A4 (en) * 2014-02-17 2017-10-25 Marlow Industries, Inc. System for over-molded pcb sealing ring for tec heat exchangers
US10161642B2 (en) 2014-02-17 2018-12-25 Marlow Industries, Inc. System for over-molded PCB sealing ring for TEC heat exchangers
JP2016015860A (ja) * 2014-07-03 2016-01-28 パナソニックIpマネジメント株式会社 発電装置
JP7461138B2 (ja) 2019-12-19 2024-04-03 株式会社Kelk 熱電モジュール及び光モジュール
JP7461137B2 (ja) 2019-12-19 2024-04-03 株式会社Kelk 熱電モジュール及び光モジュール

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080000511A1 (en) Thermoelectric conversion device and manufacture method of the same
JP5956608B2 (ja) 熱電モジュール
US20080041067A1 (en) Thermoelectric conversion device and manufacture method of the same
US11152557B2 (en) Thermoelectric module with integrated printed circuit board
JP2007103904A (ja) 熱電変換装置
JP2007036178A (ja) 熱電変換装置および冷暖装置
TWI382507B (zh) Semiconductor package
US20150183295A1 (en) Electrical vehicle heater, in particular for vehicles having a hybrid drive or having an electric drive
JP4935220B2 (ja) パワーモジュール装置
JP4297060B2 (ja) 熱電変換装置
WO2005117153A1 (ja) 熱電変換装置およびその製造方法
JP2006294648A (ja) 熱電変換装置
JP2007123530A (ja) 熱電変換装置およびその装置の製造方法
US20140291832A1 (en) Integrated cooling modules of power semiconductor device
JP2005045960A (ja) 電力変換装置
JP2008078222A (ja) 熱電変換装置
JP2006310506A (ja) 熱電変換装置
JP2008021931A (ja) 熱電変換装置
JP4682756B2 (ja) 熱電変換装置およびその装置の製造方法
US20060219286A1 (en) Thermoelectric transducer and manufacturing method for the same
JP2008066663A (ja) 熱電変換装置
JP2007294548A (ja) 熱電変換装置
JPH11135715A (ja) 積層型実装体
JP4626263B2 (ja) 熱電変換装置およびその熱電変換装置の製造方法
JP4795103B2 (ja) サーモモジュールおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110419

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110823