従来、平面形状が略長方形に形成された底部の相対する長辺部に、ヒンジ部材を介して連結された長側壁と、同じく上記底部の相対する短辺部に、ヒンジ部材を介して連結された短側壁とからなり、底部に対して略垂直に長側壁と短側壁を立てることにより、箱型に組み立てられ、また、底部の上に重なるように、長側壁及び短側壁を倒すことにより、折り畳むようにした折り畳みコンテナーが知られている。そして、箱型に組み立てられ状態においては、長側壁或いは短側壁が、底部方向に倒れないように、互いに、ロック機構により、ロックされるように構成されており、ロック機構は、長側壁或いは短側壁に形成された、先端に係止突部が形成された弾性を有する係止弾性片を有し、箱型に組み立てられた状態において、係止弾性片が形成されていない一方の側壁の内壁面に、係止弾性片に形成された係止突部を当接することにより、側壁が、底部方向に倒れないように構成されている。
上述した折り畳みコンテナーには、長側壁と短側壁のロック機構によるロック状態を解除するロック解除部材が配設されており、ロック解除部材は、上述した係止弾性片が形成されていない側壁に配設されている。そして、ロック解除部材を操作することにより、係止弾性片を、係止弾性片の弾性力に抗して、外側に湾曲変形させて、係止弾性片の係止突部を、係止弾性片が当接している側壁から外し、係止弾性片によるロック状態を解除するように構成されている。
本出願人は、先の出願である以下の特許文献1において、箱型に組み立てられた状態から、先に倒される側壁に配設されたロック解除部材を構成する操作ブロックを下動させることにより、弾性片押出ブロックを外方向に水平移動させて、後から倒される側壁に形成された係止弾性片を外側に湾曲変形させて、前記先に倒される側壁と後から倒される側壁との係合を解除するように構成した折り畳みコンテナーを提案した。
先ず最初に、上述した先の出願において開示されている折り畳みコンテナーについて説明する。
先ず最初に、図5〜図7を用いて、本発明の折り畳みコンテナーの全体構成について説明する。
1は、底部であり、底部1の長辺側土手部1aには、適当なヒンジ部材を介して.長側壁2が連結されており、また、底部1の短辺側土手部1bには、適当なヒンジ部材を介して.短側壁3が連結されている。本実施例においては、底部1の長辺側土手部1aは、短辺側土手部1bより高く構成されている。
図5に示されている箱型に組み立てられた状態から、先ず最初に、短側壁3を、図6に示されているように、底部1に重なるように倒し、次いで、長側壁2を、底部1に重ねられた短側壁3に重なるように倒すことにより、図7に示されているように、折り畳みコンテナーをコンパクトに折り畳むことができるように構成されている。また、図7に示されている状態から、長側壁2を、略垂直に立て、次いで、短側壁3を略垂直に立てることにより、図4に示されているように、折り畳まれていた折り畳みコンテナーを、箱型に組み立てることができる。
図8に示されているように、底部1の長辺側土手部1aには、上端にフックを有する公知のヒンジフックH1が、複数個(本実施例には、3個のヒンジフックH1が配設されている例が示されている。)、配設されており、同様に、短辺側土手部1bにも、同様のヒンジフックH1が、複数個(本実施例には、2個のヒンジフックH1が配設されている例が示されている。)、配設されている。
図9及び図10に示されているように、長側壁2は、横長の略長方形状の板状部2aを有しており、板状部2aには、板状部2aの上下端辺及び左右端辺に沿って、板状部2aの面に対して垂直に延在する周辺リブ2bが延設されている。周辺リブ2bにより囲まれた板状部2aには、適宜、垂直方向及び水平方向に延在する補強リブ2cが、適当本数、形成されている。周辺リブ2bや補強リブ2cが形成されている側が、箱型に組み立てられた際の折り畳みコンテナーの外側に位置し、このような周辺リブ2bや補強リブ2cが形成されていない板状部2aの平坦な面が、長側壁2の内壁面2a1を形成することになる。
長側壁2の両垂直端には、板状部2aに略垂直に、且つ、長側壁2の内壁面2a1方向に延在する、縦長の係合枠2dが形成されており、係合枠2dには、板状部2aに略平行な嵌合孔2d1が形成されている。本実施例には、係合枠2dに1個の嵌合孔2d1が形成されている例が示されているが、上下方向に、複数の嵌合孔2d1を形成することもできる。
長側壁2の板状部2aの上部両端角部付近には、それぞれ、コの字状のスリット2eが形成されており、コの字状のスリット2eを形成することにより、スリット2eで囲まれた部分が、片持ち状の係止弾性片2fに形成されている。係止弾性片2fの先端には、板状部2aの内壁面2a1を越えて突出した係止突部2f1が突設されており、係止突部2f1の係合枠2d側の端面2f2は、略垂直な面に形成されている。また、公知のように、長側壁2の下面には、凹部2gが形成されており、凹部2gを形成する相対する壁面2g1には、底部1の長辺側土手部1aに配設されたヒンジフックH1に対応して、ヒンジピンH2が架橋されている。
図11及び図12に示されているように、短側壁3は、横長の略長方形状の板状部3aを有しており、板状部3aの周囲には、板状部3aに対して垂直な周状リブ3bが形成されている。また、周状リブ3bを構成する上部リブ部3b1の直下には、上部リブ部3b1に沿って、板状部3aを、外側(図5に示されているように、箱型に組み立てられた際に、折り畳みコンテナーの外側に位置する側)から、内側(図5に示されているように、箱型に組み立てられた際に、折り畳みコンテナーの内側に位置する側)に向かって、膨出させることにより、板状部3aの略全幅に亘たって、上部横長凹部3cが形成されており、この上部横長凹部3c内は、所定の間隔を置いて形成された垂直区画リブ3c1により仕切られている。
上述したように、板状部3aを、外側から内側に向かって膨出させて、板状部3aに、上部横長凹部3cを形成したことにより、短側壁3の板状部3aの内面(図5に示されているように、箱型に組み立てられた際に、折り畳みコンテナーの内側に位置する面)3a1の周状リブ3bを構成する上部リブ部3b1の直下には、上部横長凸部3dが突設されることになる。この上部横長凸部3dの長さ方向に対して垂直な断面形状は、略コの字状に形成されており、周状リブ3bを構成する上部リブ部3b1が、上部横長凸部3dの天板を構成するように構成されている。
横長凹部3cの直ぐ下、換言すれば、上部横長凸部3dの直ぐ下に位置する板状部3aの中央部には、手が挿入可能な横長の長方形状の持ち手用透孔3eが穿設されている。また、持ち手用透孔3eの下方に位置する板状部3aを、外側(図5に示されているように、箱型に組み立てられた際に、折り畳みコンテナーの外側に位置する側)から、内側(図5に示されているように、箱型に組み立てられた際に、折り畳みコンテナーの内側に位置する側)に向かって、膨出させることにより、持ち手用透孔3eの略全幅に亘たって、下部凹部3fが形成されている。このように、板状部3aを、外側から内側に向かって、膨出させて、板状部3aに下部凹部3fを形成したことにより、短側壁3の内側には、下部凸部3f’が突設されることになる。なお、持ち手用透孔3eの内縁には、板状部3aに対して垂直で、且つ、板状部3aから、周状リブ3bを構成する上部リブ部3b1と同方向に延在する、略口の字状の窓枠3gが形成されており、略口の字状の窓枠3gは、水平上部3g1と、水平下部3g2と、水平上部3g1と水平下部3g2の両端部を連結する、相対する垂直部3g3とから形成されている。
周状リブ3bを構成する相対する垂直リブ部3b2の略上半分には、垂直リブ部3b2の先端から板状部3aと略平行に延在する縦長の張出枠3hが形成されており、張出枠3hには、嵌合突部3jが突設されている。折り畳みコンテナーを、図5に示されているように、箱型に組み立てられた際には、短側壁3に形成された張出枠3hに形成された嵌合突部3jが、長側壁2に形成された係合枠2dに穿設された嵌合孔2d1に挿入されるように構成されている。長側壁2に形成された係合枠2dに穿設された嵌合孔2d1が、複数個の場合には、嵌合孔2d1の数に対応して、同じ数の嵌合突部3jが、短側壁3の張出枠3hに形成されることになる。
上述した構成により、短側壁3の板状部3aの内面3a1側には、上部横長凸部3d、周状リブ3b、下部凸部3f’及び窓枠3gの垂直部3g3により区画される、後述するロック解除部材が収納される一対のロック解除部材収納凹部Aが並設されている。
短側壁3の板状部3aのロック解除部材収納凹部A内に位置する内面3a1には、板状部3aに対して垂直なリブ状の下部規制部材4が形成されており、下部規制部材4は、上部横長凸部3dを形成する底板3d1と平行で、且つ、持ち手用透孔3e側に位置する水平部(以下、中央側水平部という。)4aと、中央側水平部4aの周状リブ3bの垂直リブ部3b2側に形成された略U状の下方屈曲部4bと、垂直リブ部3b2に向かって、上方に傾斜した傾斜部4cと、傾斜部4cから、垂直リブ部3b2を越えて、張出枠3hまで延在する端部側水平部4dとから形成されている。そして、上記の下方屈曲部4bにより、下部凹部4b1が形成されている。
上述した下部規制部材4の中央側水平部4aと上部横長凸部3dの底板3d1の水平中心線を挟んで、下部規制部材4の下部凹部4b1と線対称に、上部横長凸部3dの底板3d1には、上部凹部5aが形成されており、また、下部規制部材4の上方に傾斜した傾斜部4cと線対称に、上部横長凸部3dの底板3d1には、下方に傾斜した傾斜面5bが形成されており、更に、下部規制部材4の端部側水平部4dと線対称に、端部側水平部面5cが形成されている。このように、上部横長凸部3dの底板3d1には、下部規制部材4の中央側水平部4aと相対する持ち手用透孔3e側に位置する水平面(以下、中央側水平面という。)5dと上部凹部5aと傾斜面5bと端部側水平部面5cとからなる上部規制面5が形成されている。
また、上述した下部規制部材4を形成する端部側水平部4dと上部規制面5を形成する端部側水平部面5cとは、架橋片6で連結されており、架橋片6と板状部3aの内面3a1との間には、スリット7が形成されている。
更に、上述した下部規制部材4を形成する中央側水平部4aには、上方に延在する下部規制突部4a1が立設されており、また、上部規制面5を形成する中央側水平面5dには、上記の下部規制突部4a1と対向するように、同様の上部規制突部5d1が垂設されている。
更にまた、上述した下部規制部材4と上部規制面5との中間で、持ち手用透孔3e付近に位置する板状部3aの内面3a1には、持ち手用透孔3eの内縁に形成された窓枠3gの相対する垂直部3g3に沿って係止片8が立設されており、係止片8の先端部には、持ち手用透孔3e方向に延在する係合フック8aが突設されている。
なお更に、持ち手用透孔3eの内縁に形成された窓枠3gの相対する垂直部3g3の先端部には、持ち手用透孔3e側に延在する係合フック9が突設されている。また、公知のように、短側壁3の下面には、凹部3iが形成されており、凹部3iを形成する相対する壁面3i1には、底部1の短辺側土手部1bに配設されたヒンジフックH1に対応して、ヒンジピンH2が架橋されている。
上述した底部1と長側壁2とは、底部1の長辺側土手部1aに配設されたヒンジフックH1に、長側壁2の下面に配設されたヒンジピンH2を係合させることにより、ヒンジ連結されるように構成されており、同様に、底部1と短側壁3とは、底部1の短辺側土手部1bに配設されたヒンジフックH1に、短側壁3の下面に配設されたヒンジピンH2を係合させることにより、ヒンジ連結されるように構成されている。
次に、図13及び図14を用いて、ロック解除部材Lについて説明する。
ロック解除部材Lは、1個の操作ブロックL1と、操作ブロックL1の両側に配置されているとともに、操作ブロックL1の操作により、移動される一対の弾性片押出ブロックL2とから構成されている。
操作ブロックL1は、帯状の板状材により形成された略口の字状の窓枠部10を有しており、窓枠部10は、上部枠10aと、下部枠10bと、上部枠10aの両端と下部枠10bの両端とを連結する相対する側枠10cとから形成されている。そして、窓枠部10には、上部枠10aと下部枠10bと相対する側枠10cとにより囲まれた、手が挿入可能な横長の長方形状の透孔10dが形成されている。
上述した操作ブロックL1の窓枠部10は、短側壁3に穿設された持ち手用透孔3eの内縁に形成された窓枠3g内に挿入されるように構成されており、操作ブロックL1の窓枠部10が、持ち手用透孔3eの内縁に形成された窓枠3g内に挿入された際には、操作ブロックL1の窓枠部10の相対する側枠10cは、持ち手用透孔3eの内縁に形成された窓枠3gの相対する垂直部3g3の接近して位置するように構成されており、また、操作ブロックL1は、持ち手用透孔3eの内縁に形成された窓枠3g内において、上下方向に、所定の距離、移動可能になるように構成されている。
操作ブロックL1の窓枠部10を構成する相対する側枠10cの外壁面の両端部からは、上部枠10a及び下部枠10bに沿って、所定の間隔を置いて、一対の連結片11が連接されており、また、連結片11には、窓枠部10に並設して、押出部12が連接されている。
上述した押出部12は、窓枠部10の上部枠10aに沿って延在する上部枠12aと、窓枠部10の下部枠10bに沿って延在する、上部枠12aより短い下部枠12bと、上部枠12aの連結片11側の先端と下部枠12bの連結片11側の先端を連結するとともに、窓枠部10の一方の側枠10cと所定の間隙D1を置いて位置する垂直枠12cと、上部枠12aの連結片11から遠い側の先端と下部枠12bの連結片11から遠い側の先端を連結するとともに、下部枠12bから上部枠12aに向かって、上方に傾斜した、その表面が平坦な傾斜枠12dとを有している。また、帯状の板状材により形成された上部枠12a、下部枠12b、垂直枠12c及び傾斜枠12dに囲まれた領域には、平坦な板部12eが配設されており、この平坦な板部12eは、上部枠12a、下部枠12b、垂直枠12c及び傾斜枠12dの幅方向の中央部に配設されている。
上述した押出部12の板部12eには、押出部12の垂直枠12cに略平行な、換言すれば、窓枠部10の側枠10cに略平行な係止スリット12e1が形成されている。また、上述したように、窓枠部10の押出部12側の側枠10cと、該側枠10cと対向する押出部12の垂直枠12cとの間には、間隙D1が形成されており、窓枠部10の押出部12側の側枠10cには、間隙D1方向に突出した係合フック10c1が突設されている。
ロック解除部材Lを構成する一対の弾性片押出ブロックL2は、基部13を有しており、基部13は、上部枠13aと、上部枠13aより長い下部枠13bと、上部枠13aの一方の端部と下部枠13bの一方の端部を連結する、略くの字状の前方枠13cと、上部枠13aのもう一方の端部と下部枠13bのもう一方の端部を連結するとともに、下部枠13bから上部枠13aに向かって、上方に傾斜した、その表面が平坦な傾斜枠13dとを有している。上部枠13aと下部枠13bと略くの字状の前方枠13cと傾斜枠13dに囲まれた領域には、弾性片押出ブロックL2の強度や剛性を考慮して、必要に応じて、平坦な板部13eを配設することも、また、上部枠13aと下部枠13bとを連結する垂直連結リブ13fを形成することもできる。
弾性片押出ブロックL2を形成する略くの字状の前方枠13cの先端部には、連結部14が連接されており、連結部14の先端には、上下方向に、且つ、略くの字状の前方枠13c方向に傾斜した一対の弾性条片15が形成されている。また、弾性片押出ブロックL2には、連結部14を、弾性条片15を越えて、更に延在することにより、押圧片16が形成されている。また、上部枠13aの上面には、上部枠13aの長手方向に沿ってガイド突条13a1が突設されており、また、下部枠13bの下面にも、下部枠13bの長手方向に沿ってガイド突条13b1が垂設されている。
次に、上述した1個の操作ブロックL1と一対の弾性片押出ブロックL2とからなるロック解除部材Lの短側壁3の内面3a1への取り付けについて説明する。
ロック解除部材Lを構成する操作ブロックL1の窓枠部10を、短側壁3に穿設された持ち手用透孔3eの内縁に形成された窓枠3g内に挿入するとともに、操作ブロックL1の窓枠部10の押出部12側の側枠10cと該側枠10cと対向する押出部12の垂直枠12cとの間に形成された間隙D1に、持ち手用透孔3eの内縁に形成された窓枠3gの相対する垂直部3g3を嵌合することにより、該垂直部3g3の先端部に突設された係合フック9と、窓枠部10の側枠10cに突設された係合フック10c1とを係合させる。また、短側壁3の板状部3aの内面3a1に立設された係止片8を、押出部12の板部12eに形成された係止スリット12e1内を上下動可能なように挿入するとともに、係止片8の先端部に形成された係止フック8aを、押出部12の板部12eに係合させる。このようにして、ロック解除部材Lを構成する操作ブロックL1を、操作ブロックL1の押出部12が、短側壁3の板状部3aの内面3a1側に形成された一対のロック解除部材収納凹部Aに収納されるように、短側壁3の内面3a1に配設する。
また、ロック解除部材Lを構成する弾性片押出ブロックL2を、ロック解除部材収納凹部Aに配設することになるが、弾性片押出ブロックL2は、弾性片押出ブロックL2の平坦な傾斜枠13dが、ロック解除部材Lを構成する操作ブロックL1の押出部12の平坦な傾斜枠12dに、略全面的に面接触するように配置されるとともに、弾性片押出ブロックL2の押圧片16が、架橋片6と板状部3aの内面3a1との間に形成されたスリット7に挿入されるように配置し、更に、弾性片押出ブロックL2に形成された一対の弾性条片15のうち、下方に位置する弾性条片15の先端部が、下部規制部材4の下方屈曲部4bにより形成される下部凹部4b1に挿入され、弾性片押出ブロックL2に形成された一対の弾性条片15のうち、上方に位置する弾性条片15の先端部が、上部規制面5を形成する上部凹部5aに挿入されるように構成されている。そして、上方に位置する弾性条片15の先端部は、上部規制面5を形成する上方凹部5aの周状リブ3bの垂直リブ部3b2側に位置する側面5a1に当接し、また、下方に位置する弾性条片15の先端部は、下部規制部材4の下方凹部4b1の周状リブ3bの垂直リブ部3b2側に位置する側面4b1’に当接するように構成されており、一対の弾性片押出ブロックL2は、弾性条片15により、互いに、接近する方向に付勢されている。
更に、ロック解除部材Lを構成する弾性片押出ブロックL2が、ロック解除部材収納凹部Aに配設された際には、弾性片押出ブロックL2の上部枠13aに突設されたガイド突条13a1が、上部規制面5を形成する中央側水平面5dに垂設された上部規制突部5d1とロック解除部材収納凹部A内に位置する板状部3aの内面3a1との間に形成された間隙に挿入され、弾性片押出ブロックL2の下部枠13bの下面に垂設されたガイド突条13b1が、下部規制部材4を形成する中央側水平部4aに突設された下部規制突部4a1が、ロック解除部材収納凹部A内に位置する板状部3aの内面3a1との間に形成された間隙に挿入されるように構成されている。このように構成することにより、弾性片押出ブロックL2が、短側壁3から外れることを防止することができるとともに、弾性片押出ブロックL2の板状部3aの内面3a1に沿ったスライド移動をスムースに行うことができる。
ロック解除部材Lが、短側壁3の内面3a1に配設された状態においては、図16に示されているように、弾性片押出ブロックL2の押圧片16の先端部は、張出枠3hから突出していないように構成されている。また、上述したように、一対の弾性片押出ブロックL2は、弾性条片15により、互いに、接近する方向に付勢されており、且つ、弾性片押出ブロックL2の基部13の傾斜枠13dと、操作ブロックL1の押出部12の傾斜枠12dとは、略全面的に面接触するように構成されているので、操作ブロックL1は、弾性条片15の弾性力により、上方に付勢され、操作ブロックL1の窓枠部10の上部枠10aが、短側壁3に配設された窓枠3gの水平上部3g1に当接或いは近接するように配置されている。従って、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを運搬する際に、短側壁3に穿設された持ち手用透孔3e及び操作ブロックL1に配設された窓枠部10の透孔10dに手を入れても、ロック解除部材Lを構成する操作ブロックL1が、短側壁3に配設された窓枠3gに当接し、上動するようなことがないように構成されている。また、窓枠部10の下部枠10bと持ち手用透孔3eの内縁に形成された窓枠3gの水平上部3g1との間には、操作ブロックL1が下動可能な所定の間隔が形成されている。
折り畳みコンテナーが、図5に示されているように、箱型に組み立てられた状態においては、長側壁2の係合枠2dに穿設された嵌合孔2d1に、短側壁3の張出枠3hに形成された嵌合突部3jが嵌合しているとともに、長側壁2の板状部2aの上部両端角部付近に形成された係止弾性片2fを形成する係止突部2f1の係合枠2d側の端面2f2が、短側壁3の張出枠3hに当接している。
このように、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを、図7に示されているように、折り畳むには、先ず最初に、短側壁3に配設されたロック解除部材Lを構成する操作ブロックL1の窓枠部10に形成された透孔10d及び短側壁3の板状部3aに穿設された持ち手用透孔3eに、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内側から、或いは、外側から、手を入れるとともに、操作ブロックL1の窓枠部10の下部枠10bに手を当てて、図17に示されているように、操作ブロックL1を下方に移動させる。
図17に示されているように、上述した操作ブロックL1の下動により、操作ブロックL1を構成する押出部12の傾斜枠12dが、該傾斜枠12dと面接触している傾斜枠13dが形成されている弾性片押出ブロックL2を、長側壁2方向に移動させて、弾性片押出ブロックL2の押圧片16により、長側壁2に形成された係止弾性片2fを、その弾性力に抗して外側方向に湾曲させて、係止弾性片2fの係止突部2f1を、短側壁3の張出枠3hから離反させる。その後、略垂直な短側壁3を、底部1方向に倒して、図6に示されているように、底部1に重ねる。その後、略垂直な長側壁2を、底部1方向に倒して、底部1に重ねられている短側壁3の上に重ねることにより、図5に示されているように、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを、図3に示されているように、折り畳むことができる。上記の操作ブロックL1の下動の際には、弾性片押出ブロックL2に配設されている一対の弾性条片15は、その弾性力に抗して、互いに接近する方向に湾曲変形することになる。
箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを、折り畳む際には、上述したように、操作ブロックL1の窓枠部10の下部枠10bに手を当てて、操作ブロックL1を下方に移動させることになるが、長側壁2に形成された係止弾性片2fの係止突部2f1を、短側壁3の張出枠3hから離反させた後には、操作ブロックL1から、手を離すことにより、一対の弾性片押出ブロックL2は、弾性条片15の弾性力により、操作ブロックL1方向に移動し、操作ブロックL1を、操作ブロックL1の窓枠部10の上部枠10aが、短側壁3に形成された上部横長凸部3dの底板3d1に当接或いは近接した位置である、元の位置に戻ることになる。
以下に、図1〜図4を用いて、本発明の実施の形態について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら、本実施例に限定されるものではない。
なお、ロック解除部材Lを構成する操作ブロックL1の押出部12の構成とロック解除部材Lを構成する弾性片押出ブロックL2の基部13の構成が部分的に異なる以外は、本発明の折り畳みコンテナーは、上述した先の出願に開示されている折り畳みコンテナーとその構成が同じであるので、先の出願に開示されている折り畳みコンテナーと同じ構成部材については、同じ符号を使用するとともに、その詳細な説明は省略する。
図1に示されている実施例においては、ロック解除部材Lを構成する操作ブロックL1については、押出部12を含め、上述した先の出願で開示されている操作ブロックL1と同じである。即ち、押出部12は、上部枠12aと、下部枠12bと、垂直枠12cと、下部枠12bから上部枠12aに向かって上方に傾斜しているとともに、その表面が平坦な傾斜枠12dとを有している。
一方、ロック解除部材Lを構成する弾性片押出ブロックL2の基部13は、上部枠13aと、下部枠13bと、略くの字状の前方枠13cと、下部枠13bから上部枠13aに向かって上方に傾斜した傾斜枠13dとを有しているが、上述した先の出願において開示されている、その表面が平坦な傾斜枠13dとは異なり、下部枠13bから上部枠13aに向かって上方に傾斜した傾斜枠130dは、該傾斜枠130dと当接する押出部12の傾斜枠12d方向に向かって湾曲した円弧状面130d’を有している。
上述したように、弾性片押出ブロックL2の基部13を構成する傾斜枠130dには、該傾斜枠130dと当接する押出部12の傾斜枠12d方向に向かって湾曲した円弧状面130d’が形成されているので、弾性片押出ブロックL2の基部13を構成する傾斜枠130dと操作ブロックL1の押出部12を構成する表面が平坦な傾斜枠12dとの接触面積が、上述した先の出願で開示されている操作ブロックL1の押出部12に形成された傾斜枠12dと弾性片押出ブロックL2の基部13に形成された傾斜枠13dとが、略全面的に面接触している場合に比べて小さいので、従って、弾性片押出ブロックL2の基部13を構成する傾斜枠130dと操作ブロックL1の押出部12を構成する表面が平坦な傾斜枠12dとの摩擦抵抗も小さく、よって、より小さな力で、操作ブロックL1を下動させることができ、従って、ロック解除部材Lによるロック解除作業の作業性が向上する。
また、ロック解除部材Lを構成する操作ブロックL1と弾性片押出ブロックL2は、それぞれ、合成樹脂で一体に成形されているが、上述した先の出願で開示されているロック解除部材Lによるロック解除作業のように、大きな力で操作ブロックL1を下動させると、操作ブロックL1及び弾性片押出ブロックL2が変形し、弾性片押出ブロックL2の長側壁2方向への水平移動が円滑に行えなかったり、或いは、弾性片押出ブロックL2の長側壁2方向への水平移動が十分でないために、弾性片押出ブロックL2の押圧片16により、長側壁2に形成された係止弾性片2fを外側方向に湾曲させることができず、ロック解除部材Lによるロック解除作業ができないという問題があった。しかしながら、本発明においては、上述した構成により、より小さな力で、操作ブロックL1を下動させることができ、従って、操作ブロックL1及び弾性片押出ブロックL2の変形が少なく、弾性片押出ブロックL2の長側壁2方向への水平移動を円滑に行えるとともに、確実に、弾性片押出ブロックL2の押圧片16により、長側壁2に形成された係止弾性片2fを外側方向に湾曲させることができ、従って、ロック解除部材Lによるロック解除作業を行うことができる。
次に、図2を用いて、本発明の別の実施例について説明する。
この実施例におては、弾性片押出ブロックL2の基部13を構成する傾斜枠13dに、上述した実施例のように、円弧状面130d’を形成することなく、上述した先の出願において開示されている傾斜枠13dと同様に、その表面が平坦に形成されている。
操作ブロックL1の押出部12を構成する傾斜枠12dは、上述した先の出願において開示されている傾斜枠12dと同様に、その表面が平坦に形成されているが、本実施例においては、平坦な傾斜枠12dの表面に、傾斜枠12dの幅方向に延在する当接リブ12fが突設されている。
上述したように、操作ブロックL1の押出部12を構成する平坦な傾斜枠12dの表面に、当接リブ12fを形成したので、弾性片押出ブロックL2の基部13に形成された傾斜枠13dには、操作ブロックL1の押出部12の傾斜枠12dに突設された当接リブ12fのみが接触することになる。従って、上述した実施例と同様に、弾性片押出ブロックL2の基部13を構成する傾斜枠13dと操作ブロックL1の押出部12を構成する表面が平坦な傾斜枠12dとの接触面積が、上述した先の出願で開示されている操作ブロックL1の押出部12に形成された傾斜枠12dと弾性片押出ブロックL2の基部13に形成された傾斜枠13dとが、略全面的に面接触している場合に比べて小さいので、従って、弾性片押出ブロックL2の基部13を構成する傾斜枠13dと操作ブロックL1の押出部12を構成する表面が平坦な傾斜枠12dとの摩擦抵抗も小さく、よって、より小さな力で、操作ブロックL1を下動させることができことになる。
なお、当接リブ12fの垂直側断面形状(短側壁3の板状部3aに平行な断面形状)を、半円形状や台形状に形成することにより、弾性片押出ブロックL2の基部13を構成する傾斜枠13dと操作ブロックL1の押出部12を構成する表面が平坦な傾斜枠12dとの接触面積をより小さくすることができるとともに、操作ブロックL1の下動を円滑に行うことができる。
次に、図3を用いて、本発明の更に別の実施例について説明する。
図3に示されている実施例は、上述した図1に示されている実施例の構成と図2に示されている実施例の構成とを結合させたものである。即ち、弾性片押出ブロックL2の基部13を構成する傾斜枠130dには、該傾斜枠130dと当接する押出部12の傾斜枠12d方向に向かって湾曲した円弧状面130d’が形成されているとともに、操作ブロックL1の押出部12を構成する平坦な傾斜枠12dには、傾斜枠12dの幅方向に延在する当接リブ12fが突設されている。このように構成することにより、上述した図1に示されている実施例及び図2に示されている実施例と同様の作用効果を奏することができる。
また、弾性片押出ブロックL2の基部13を構成する傾斜枠130dに、円弧状面130d’を形成するとともに、操作ブロックL1の押出部12を構成する平坦な傾斜枠12dに、当接リブ12fを突設することにより、操作ブロックL1及び/又は弾性片押出ブロックL2が変形した場合に、弾性片押出ブロックL2の基部13を構成する傾斜枠130dと操作ブロックL1の押出部12を構成する傾斜枠12dとが面接触する可能性を低減化することができる。
次に、図4を用いて、本発明のなお更に別の実施例について説明する。
この実施例は、弾性片押出ブロックL2の基部13を構成する下部枠13bの下面に垂設されているガイド突条13b1の先端部分(傾斜枠13d、130d側部分)に、傾斜枠13d、130dに向かって、上方に傾斜した傾斜面13b1’を形成したものである。
上述した先の出願で開示されている弾性片押出ブロックL2の基部13を構成する下部枠13bの下面に垂設されているガイド突条13b1には、上述したような傾斜面13b1’が形成されていないので、図12に示されているように、下部枠13bの下面に垂設されているガイド突条13b1は、短側壁3に形成されたリブ状の下部規制部材4と、略全面的に接触することになり、従って、弾性片押出ブロックL2を、長側壁2方向へ移動させた際には、下部枠13bの下面に垂設されているガイド突条13b1と短側壁3に形成された下部規制部材4との間に、大きな摩擦力が発生することになる。よって、弾性片押出ブロックL2を、長側壁2方向へ移動させるためには、操作ブロックL1を、より大きな力で、下方に押さなければならない。
本実施例のように、弾性片押出ブロックL2の基部13を構成する下部枠13bの下面に垂設されているガイド突条13b1の先端部分に、傾斜面13b1’を形成することにより、下部枠13bの下面に垂設されているガイド突条13b1と短側壁3に形成された下部規制部材4との接触面積が減少し、従って、より小さな力で、弾性片押出ブロックL2を、長側壁2方向へ移動させることができ、よって、操作ブロックL1を下動させる力が小さくて済み、ロック解除部材Lによるロック解除作業の作業性が向上することになる。
なお、図4には、弾性片押出ブロックL2の基部13を構成する傾斜枠130dに、円弧状面130d’が形成されているとともに、操作ブロックL1の押出部12を構成する傾斜枠12dに、当接リブ12fが突設されている、図3に示されている実施例に、弾性片押出ブロックL2の基部13を構成する下部枠13bの下面に垂設されているガイド突条13b1の先端部分に、傾斜面13b1’を形成した構成を付加した例が示されているが、図1及び図2に示されている実施例に、弾性片押出ブロックL2の基部13を構成する下部枠13bの下面に垂設されているガイド突条13b1の先端部分に、傾斜面13b1’を形成した構成を付加することもできる。
また、操作ブロックL1の下動を、無駄な力を用いることなく、且つ、円滑に行うとともに、操作ブロックL1の下動による弾性片押出ブロックL2の水平移動も、無駄な力を用いることなく、且つ、円滑に行うためは、操作ブロックL1及び弾性片押出ブロックL2の剛性を上げて、変形を少なくすることが重要である。
操作ブロックL1及び弾性片押出ブロックL2の剛性を上げるために、操作ブロックL1及び弾性片押出ブロックL2の成形材料として、強化材入りの合成樹脂材料を使用することが好ましい。強化材としては、含水珪酸マグネシウムや炭酸マグネシウムや珪酸カルシウムや炭酸カルシウム等を用いることができる。強度や剛性や耐久性を上げるためには、含水珪酸マグネシウムや炭酸マグネシウムを用いることが好ましく、成形材料の価格を下げるためには、珪酸カルシウムや炭酸カルシウムを用いることが好ましい。また、操作ブロックL1と弾性片押出ブロックL2の両方の成形材料として、強化材入りの合成樹脂材料を使用することができるが、折り畳みコンテナーの価格や重量が上昇するので、特に、操作ブロックL1のみの成形材料として、強化材入りの合成樹脂材料を使用することが好ましい。
上述したように、操作ブロックL1及び弾性片押出ブロックL2を強化材入りの成形材料を用いて成形することにより、操作ブロックL1及び弾性片押出ブロックL2の剛性が向上し、従って、操作ブロックL1の下動や弾性片押出ブロックL2の水平移動を、無駄な力を用いることなく、且つ、円滑に行うことができ、よって、ロック解除部材Lによるロック解除作業の作業性を更に向上することができる。
また、操作ブロックL1のみを、強化材入りの成形材料を用いて成形することにより、折り畳みコンテナーの価格や重量の上昇を抑えつつ、操作ブロックL1の剛性を向上することができる。このように、操作ブロックL1の剛性を向上することにより、操作ブロックL1の下動の際に、操作ブロックL1の変形、特に、窓枠部10の変形を抑制することができるので、操作ブロックL1の下動により、弾性片押出ブロックL2の水平移動を、無駄な力を用いることなく、且つ、確実に行うことができ、よって、ロック解除部材Lによるロック解除作業の作業性を更に向上することができる。
また、弾性片押出ブロックL2の基部13を構成する下部枠13bの下面に垂設されているガイド突条13b1と短側壁3に形成された下部規制部材4との間の摩擦を軽減するために、例えば、長側壁2や短側壁3や操作ブロックL1を、ポリプロピレンで成形し、弾性片押出ブロックL2のみを、ポリプロピレンに対して、小さい静摩擦係数及び動摩擦係数を有するポリアセタールで成形することが好ましい。なお、弾性片押出ブロックL2の成形材料として、ポリプロピレンに対して、小さい静摩擦係数及び動摩擦係数を有するナイロンや高密度ポリエチレンを使用することもできる。
上述したように、弾性片押出ブロックL2を、短側壁3より、静摩擦係数及び動摩擦係数の小さな成形材料で成形することにより、弾性片押出ブロックL2の水平移動を、無駄な力を用いることなく、且つ、円滑に行うことができるので、従って、ロック解除部材Lによるロック解除作業の作業性を更に向上することができる。
なお、上述した実施例には、短側壁3の板状部3aの内面3a1側に、ロック解除部材が収納されるロック解除部材収納凹部Aを形成し、ロック解除部材Lを、短側壁3の板状部3aの内面3a1に配設するようにした例が示されているが、短側壁3の板状部3aの外面側に、ロック解除部材が収納されるロック解除部材収納凹部Aを形成し、ロック解除部材Lを、短側壁3の板状部3aの外面に配設するように構成することもできる。
また、上述した実施例には、箱型に組み立てられた状態から、先に倒される短側壁3に、ロック解除部材Lを配設し、長側壁2に、片持ち状の係止弾性片2fを形成した例が示されているが、箱型に組み立てられた状態から、先に、長側壁2を倒すように構成することもでき、この場合には、ロック解除部材Lは、先に倒される長側壁2に配設され、片持ち状の係止弾性片2fは、短側壁3に形成されることになるとともに、先に倒される長側壁2がヒンジ連結される底部1の長辺側土手部1aの高さは、後から倒される短側壁3がヒンジ連結される底部1の短辺側土手部1aの高さより、低く形成されることになる。