JP2006088197A - 拡大頭部を有する軸状製品の製造方法及びエンジンバルブの製造方法並びに拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型 - Google Patents

拡大頭部を有する軸状製品の製造方法及びエンジンバルブの製造方法並びに拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型 Download PDF

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Abstract

【課題】 拡大頭部の外径と軸部の軸径との比の大きい軸状製品を製造する。
【解決手段】 第1の冷間鍛造工程で、ブランク1の一端側に外径を小さくする絞り軸部2bを成形する。第2の冷間鍛造工程で、ブランク3の一端側に外径を小さくする所定の軸長の小径軸部3cを成形する。第3の冷間鍛造工程で、第2の冷間鍛造工程を経たブランク4の他端側に外径を拡大する拡大頭部4cを成形する。第4の冷間鍛造工程で、第3の冷間鍛造工程を経たブランク3の拡大頭部4cを所定形状の拡大頭部4cに成形する。第3の冷間鍛造工程の鍛造型30が、パンチピン36、スライドパンチ37、ばね部材38により構成されるスライドパンチ機構SPを備える。パンチピン36の加圧力により拡大頭部4cを成形するとともに、該拡大頭部4cに拡大する圧力によりスライドパンチ37をばね部材38の付勢力に抗して後退される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、拡大頭部を有する軸状製品の製造方法及びエンジンバルブの製造方法並びに拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型に関するものである。
従来、拡大頭部を有する軸状製品、例えばエンジンバルブの製造方法としては、次のものがある。
(1)アプセット鍛造法…アプセット用丸棒材を切断して、電気アプセッターにより通電加熱しながら据込みを行うことにより拡大頭部(いわゆるオニオン)を成形し、その後で、熱間での拡大頭部の据込みにより傘部を成形する方法。
(2)熱間押出し鍛造法…丸棒材を切断して、誘導加熱により加熱し、熱間での押出しによりオニオンの軸部を成形し、熱間での据込みにて傘部を成形する方法。
(3)全冷間鍛造法…丸棒材を切断し、冷間鍛造にてオニオンを成形し、その後、冷間でのオニオンの据込みにより傘部を成形する方法。
(4)冷・熱間鍛造法…丸棒またはコイル材を切断して、冷間鍛造にてオニオンを成形し、その後、誘導加熱によりオニオンを加熱して、熱間でのオニオンの据込みにより傘部を成形する方法。なお、このような冷・熱間鍛造法としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
特開平10−323735号公報
上記したエンジンバルブの製造方法では、軸状のブランク(「材料」ともいう。)の拡大頭部を成形する部分の外径の拡大にかかる据込み時におけるパンチとブランクとの間の摩擦抵抗、ブランクに発生する座屈の防止等の諸条件の制限によって、傘部の外径(「傘径」という。)と軸部の軸径との比(「傘径/軸径」、又は、「傘/軸比」という。)の大きい軸状製品を製造することが難しいという問題があった。
なお、拡大頭部を有する軸状製品としての自動車用エンジンバルブは、エンジンの吸排気効率の向上のための傘径の拡大、及び、軽量化のための軸部の細径化が求められている。すなわち、エンジンの吸排気効率を向上させるためには、吸排気口面積を拡大することが必要で、エンジンバルブの傘径を拡大する傾向にある。また、エンジンの最高回転数を向上するためには、エンジンバルブを軽量化して高速応答性を向上することが必要で、エンジンバルブの軸部を細くする傾向にある。
本発明が解決しようとする課題は、拡大頭部の外径と軸部の軸径との比の大きい軸状製品を製造することのできる拡大頭部を有する軸状製品の製造方法及びエンジンバルブの製造方法並びに拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型を提供することにある。
前記した課題は、特許請求の範囲の欄に記載された構成を要旨とする、「拡大頭部を有する軸状製品の製造方法」、及び、「エンジンバルブの製造方法」、並びに、「拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型」により解決することができる。
すなわち、特許請求の範囲の請求項1にかかる拡大頭部を有する軸状製品の製造方法によると、第1及び第2の冷間鍛造工程により、軸状のブランクの一端側に小径化した軸部を段階的に成形する一方、第3及び第4の冷間鍛造工程により、前記ブランクの他端側に拡大頭部を段階的に成形する。
そして、第3の冷間鍛造工程に用いる鍛造型が、ブランクの他端面を加圧可能なパンチピン、パンチピンを内挿しかつブランクの他端側に外挿されるスライドパンチ、スライドパンチを加圧方向に付勢するばね部材により構成されるスライドパンチ機構を備えている。さらに、パンチピンを内挿するスライドパンチの型孔が、該パンチピンを所定の隙間をもって内挿するストレート孔部と、そのストレート孔部に連続しかつ隙間がブランク入口側に向けて次第に増加するテーパ孔部とを有している。さらに、スライドパンチをブランクの他端側に嵌合した状態で、パンチピンの加圧力により拡大頭部を成形するとともに、該拡大頭部に拡大する圧力によりスライドパンチをばね部材の付勢力に抗して後退されるように構成されている。
このような鍛造型を第3の冷間鍛造工程に用いることにより、ブランクの拡大頭部の成形にかかる部分の鍛造前の長さLと材料径Dとの比(L/D)が大きい場合であっても、その部分の据込み時のスライドパンチとブランクとの間に発生する摩擦抵抗によるスライドパンチの後退が阻害されることなく、ブランクの座屈の発生を防止あるいは低減することができる。これにより、拡大頭部の外径と軸部の軸径との比(「頭径/軸径」という。)の大きい軸状製品を製造することができる。
また、特許請求の範囲の請求項2にかかる拡大頭部を有する軸状製品の製造方法によると、第3の冷間鍛造工程において、ブランクの他端部にスライドパンチのストレート孔部に嵌合しかつ拡大頭部から突出した突出軸部が形成される。そして、第4の冷間鍛造工程に用いる鍛造型が、ブランクの他端面を加圧可能なパンチピンと、パンチピンを内挿しかつ該ブランクの突出軸部に外挿される固定パンチとを備えている。さらに、パンチピンを内挿する固定パンチの型孔が、該パンチピンを所定の隙間をもって内挿するストレート孔部と、そのストレート孔部に連続しかつ前記隙間がブランク入口側に向けて次第に増加するテーパ孔部とを有している。そして、固定パンチをブランクの他端側に嵌合した状態で、パンチピンの加圧力により前記拡大頭部を所定形状に成形する構成されている。
このような鍛造型を第4の冷間鍛造工程に用いることにより、第3の冷間鍛造工程で形成したブランクの突出軸部を固定パンチのストレート孔部に内挿することにより、ブランクの座屈の発生を防止あるいは低減する座屈の発生を防止した状態で、拡大頭部を所定形状に成形すなわち据込むことができる。
また、特許請求の範囲の請求項3にかかる拡大頭部を有する軸状製品の製造方法によると、請求項1又は2に記載の拡大頭部を有する軸状製品の製造方法により製造された軸状製品の拡大頭部を加熱手段により加熱し、その後の熱間鍛造工程において、拡大頭部の外径をさらに拡大して所定形状の傘部を成形する。これにより、傘部の傘径と軸部の軸径の比の大きいエンジンバルブ、すなわち傘径が拡大されかつ軸部が細径化されたエンジンバルブを製造することができる。したがって、傘径の拡大によりエンジンの吸排気効率を向上するとともに、軸部の細径化による軽量化により高速応答性を向上することのできるエンジンバルブを提供することができる。
また、エンジンバルブを冷間鍛造工程と熱間鍛造工程の組合せにより製造することにより、傘部の傘径と軸部の軸径の比の大きいエンジンバルブを安価に製造することができる。
また、特許請求の範囲の請求項4にかかる拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型によると、請求項1にかかる拡大頭部を有する軸状製品の製造方法における第3の冷間鍛造工程に用いる鍛造型と同等の作用・効果を得ることができる。
また、特許請求の範囲の請求項5にかかる拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型によると、スライドパンチの型孔におけるテーパ孔部のテーパ角が6〜20°である。これにより、ブランクの拡大頭部の据込み成形中のスライドパンチの後退不良及びブランクの座屈の発生を防止あるいは低減することができる。
すなわち、前記テーパ孔部のテーパ角が6°未満の場合には、ブランクの拡大頭部の据込み成形中において、スライドパンチを後退させる力(いわゆる押上げる力)に比べ、ブランクの外径の拡大によるスライドパンチに対する摩擦抵抗が大きくなり、スライドパンチが後退不良をきたすことになる。また、前記テーパ孔部のテーパ角が20°を超える場合には、ブランクの拡大頭部の据込み成形中において、スライドパンチの後退のタイミングが早くなりすぎてブランクに座屈を発生することになる。したがって、前記テーパ孔部のテーパ角を6〜20°とすることにより、ブランクの拡大頭部の据込み成形中のスライドパンチの後退不良及びブランクの座屈の発生を防止あるいは低減することができる。
また、特許請求の範囲の請求項6にかかる拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型によると、スライドパンチの型孔におけるストレート孔部とパンチピンとの間の隙間が、パンチピンのピン外径に対して2〜5%である。これにより、ブランクの拡大頭部の据込み成形中のスライドパンチの後退不良及びパンチピンの塑性変形を防止あるいは低減することができる。
すなわち、スライドパンチとパンチピンとの間の隙間が2%未満の場合には、ブランクの拡大頭部の据込み成形中において、パンチピンの弾性変形によりそのピン外径が拡大し、そのパンチピンとスライドパンチとの間の隙間が小さくなり、スライドパンチの後退(押上げ)を阻害する摩擦抵抗が発生し、スライドパンチが後退不良をきたすことになる。また、前記ストレート孔部とパンチピンとの間の隙間が5%を超える場合には、パンチピンの断面積が小さくなり、成形荷重により発生する応力が過大となるため、パンチピンが塑性変形することになる。したがって、スライドパンチ(詳しくは、型孔におけるストレート孔部)とパンチピンとの間の隙間を、パンチピンのピン外径に対して2〜5%とすることにより、ブランクの拡大頭部の据込み成形中のスライドパンチの後退不良及びパンチピンの塑性変形を防止あるいは低減することができる。
また、特許請求の範囲の請求項7にかかる拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型によると、スライドパンチの型孔におけるストレート孔部のテーパ孔部側内周面に0.03〜0.10°の抜き勾配が設定されている。これにより、ブランクの拡大頭部の据込み成形中のスライドパンチの後退不良及びブランクの座屈の発生を防止あるいは低減することができる。
すなわち、前記ストレート孔部のテーパ孔部側内周面に0.03°未満の抜き勾配が設定された場合には、ブランクの拡大頭部の据込み成形中において、スライドパンチの弾性変形により、ブランクの外径が拡大し過ぎとなるため、スライドパンチの後退を阻害する摩擦抵抗が発生し、スライドパンチが後退不良をきたすことになる。また、前記ストレート孔部のテーパ孔部側内周面に0.10°を超える抜き勾配が設定された場合には、スライドパンチ(詳しくは、ストレート孔部のテーパ孔部)とブランクとの間の隙間が大きくなり過ぎることにより、スライドパンチがブランクの座屈防止の役割を果たすことができず、ブランクに座屈を発生することになる。したがって、前記ストレート孔部のテーパ孔部側内周面に0.03〜0.10°の抜き勾配を設定することにより、ブランクの拡大頭部の据込み成形中のスライドパンチの後退不良及びブランクの座屈の発生を防止あるいは低減することができる。
また、特許請求の範囲の請求項8にかかる拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型によると、パンチピンのピン先端部を除くピン本体の外周面がφ0.1〜0.5mmの逃しをもって形成されている。これにより、ブランクの拡大頭部の据込み成形中のスライドパンチの後退不良及びパンチピンの塑性変形を防止あるいは低減することができる。
すなわち、パンチピンのピン本体の外周面がφ0.1未満の逃しをもって形成された場合には、ブランクの拡大頭部の据込み成形中において、パンチピンの弾性変形によりそのピン外径が拡大し、そのパンチピンとスライドパンチとの間の隙間が小さくなり、スライドパンチの後退(押上げ)を阻害する摩擦抵抗が発生し、スライドパンチが後退不良をきたすことになる。また、パンチピンのピン本体の外周面がφ0.5を超える逃しをもって形成された場合には、パンチピンのピン本体の断面積が小さくなり、成形荷重により発生する応力が過大となるため、パンチピンが塑性変形することになる。したがって、パンチピンのピン本体の外周面をφ0.1〜0.5mmの逃しをもって形成することにより、ブランクの拡大頭部の据込み成形中のスライドパンチの後退不良及びパンチピンの塑性変形を防止あるいは低減することができる。
本発明によれば、拡大頭部の外径と軸部の軸径との比の大きい軸状製品を製造することのできる、「拡大頭部を有する軸状製品の製造方法」、及び、「エンジンバルブの製造方法」、並びに、「拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型」を提供することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について実施例を参照して説明する。
本発明の一実施例を図面にしたがって説明する。本実施例では、自動車用エンジンバルブの製造方法及びその製造に用いる鍛造装置について例示する。
図1はエンジンバルブの鍛造工程を説明するもので、(a)は軸状のブランクを示す側面図、(b)は第1の冷間鍛造工程を終えたブランクを示す側面図、(c)は第2の冷間鍛造工程を終えたブランクを示す側面図、(d)は第3の冷間鍛造工程を終えたブランクを示す側面図、(e)は第4の冷間鍛造工程を終えたブランクを示す側面図、(f)は第5の熱間鍛造工程を終えたエンジンバルブを示す側面図である。
図1(f)に示されている製品であるエンジンバルブ6は、材料である軸状のブランク1(図1(a)参照)から(b)〜(f)の5段階の鍛造工程を経て製造される。
図1(a)に示されている軸状のブランク1は、例えばビッカース硬さHVが180〜300程度の鋼材、例えばSUH11の冷鍛用コイル材からなる丸棒状のものである。このブランク1は、例えば、軸長(全長)1Lが88.3mm、軸径(直径)1Dが約φ10.3mmである。
また、図1(b)に示すように、前記第1の冷間鍛造工程を終えたブランク(第1のブランクという。)2は、本体軸部2aと、その本体軸部2aの一端部(図1において下端部)にほぼテーパ状の絞り軸部2bを介して連続する突出軸部2cとを有している。絞り軸部2bにおける突出軸部2c側の端部の外周面には、断面凸型円弧状の丸み2dが付されている。この丸み2dは、後述する次工程(第3の冷間鍛造工程)の鍛造型20(図2参照)におけるダイス22の型孔22aに第1のブランク2を挿入する際に、その型孔22aの上面開口部に絞り軸部2bをソフトに当接させるために形成されている。この第1のブランク2は、例えば、突出軸部2cの軸長2cLが約6mm、残りの軸長2nLが82.6mm、本体軸部2aの軸径2aDが約φ10.55mmである。
また、図1(c)に示すように、前記第2の冷間鍛造工程を終えたブランク(第2のブランクという。)3は、本体軸部3aと、その本体軸部3aの一端側(下端側)にほぼテーパ状の絞り軸部3bを介して連続する小径軸部3cとを有している。絞り軸部3bにおける小径軸部3c側の端部の外周面には、断面凸型円弧状の丸み3dが付されている。この丸み3dは、後述する次工程(第4の冷間鍛造工程)の鍛造型30におけるダイス30の型孔22aに第2のブランク3を挿入する際に、その型孔22aの上面開口部に絞り軸部3bをソフトに当接させるために形成されている。この第2のブランク3は、例えば、小径軸部3cの軸長3cLが70.7mm、残りの軸長3nLが約55.2mm、絞り軸部2bの軸長3bLが12mm、本体軸部2aの軸径3aDが約φ10.65mm、小径軸部3cの軸径3cDが6.75mmである。
また、図1(d)に示すように、前記第3の冷間鍛造工程を終えたブランク(第3のブランクという。)4は、図1(d)において上端側から下端側に順に、突出軸部4aと、その突出軸部4aにテーパ部4bを介して連続する拡大頭部4cと、その拡大頭部4cにほぼテーパ状の絞り軸部4dを介して連続する小径軸部4eと、その小径軸部4eに連続する軸端部4fとを有している。この第3のブランク4は、例えば、小径軸部4eの軸長4eLが63mm、軸端部4fの軸長4fLが11mm、残りの軸長4nLが40.8mm、突出軸部4aの軸長4aLが18mm、拡大頭部4cの軸長4cLが5mmである。また、突出軸部4aの軸径4aDが約φ10.7mm、拡大頭部4cの外径(軸径)4cDがφ16.0mm、小径軸部4eの軸径4eDが約φ6.75mm、軸端部4fの軸径4fDが5.77mmである。また、突出軸部4aと拡大頭部4cとの接続部分における外周面は、例えば、20mmの半径4hRの凹曲面で形成されている。
また、前記第3の冷間鍛造工程における据込みにかかる据込み前の第2のブランク3(図1(c)参照)の該当部分の軸長3nLが約55.2mm、軸径3aDが約φ10.65mmである。このため、第3の冷間鍛造工程の据込みによる長さ(L)と材料径(D)との比(L/D)は、
L/D=55.2/10.65=5.18
L/D>4.0
となる。このため、従来の成形可能な長さ(L)と材料径(D)との比(L/D)が最大4.0であったのに比べると大きくなっている。
また、図1(e)に示すように、前記第4の冷間鍛造工程を終えたブランク(第4のブランクという。)5は、図1において上端側から下端側に順に、突出軸部5aと、その突出軸部5aにテーパ部5bを介して連続する拡大頭部5cと、その拡大頭部5cにほぼテーパ状の絞り軸部5dを介して連続する小径軸部5eと、その小径軸部5eに連続する軸端部5fを有している。この第4のブランク5は、例えば、全長5Lが約126.7mm、軸端部5fの軸長5fLが29.2mm、軸端部5fを含む小径軸部5eの軸長5eLが約92.2mm、残りの軸長5nLが34.5mm、突出軸部5aの軸長5aLが10mm、拡大頭部5cの軸長5cLが6.45mmである。また、突出軸部5aの軸径5aDが約φ10.8mm、拡大頭部5cの外径5cDが約φ18.3mm、小径軸部5eの軸径5eDが約φ5.8mm、軸端部5fの軸径5fDが約5.77mmである。また、テーパ部5bのテーパ角5bθが20°である。また、突出軸部5aと拡大頭部5cとの接続部分における外周面は、例えば、20mmの半径5hRの凹曲面で形成されている。また、拡大頭部5cと絞り軸部5dとの接続部分における外周面は、例えば、8mmの半径5iRの凹曲面で形成されている。
また、前記第4の冷間鍛造工程における据込みにかかる据込み前の第3のブランク4(図1(d)参照)の該当部分の軸長4nLが約40.8mm、外径(軸径)4aDが約φ10.7mmである。このため、第4の冷間鍛造工程の据込みによる長さ(L)と材料径(D)との比(L/D)は、
L/D=40.8/10.7=3.81
L/D>2.5
となる。このため、従来の成形可能な長さ(L)と材料径(D)との比(L/D)が最大2.5であるのに比べると大きくなっている。なお、第4の冷間鍛造工程を終えたブランク5(図1(e)参照)は、本明細書でいう「軸状製品」に相当する。
また、図1(f)に示すように、前記第5の熱間鍛造工程を終えて、軸部6bの先端部(図1(f)において上端部)に円板状の傘部6aを有する製品すなわちエンジンバルブ6となる。この製品6は、全長(軸長)6Lが約110mm、軸部6bの軸長6bLが約95mm、傘部6aの外径(傘径)6aDがφ38mm、軸部6bの軸径6bDが約5.5mmであり、傘/軸比が6.9になっている。
次に、前記第1〜第4の冷間鍛造工程にかかる鍛造装置について説明する。図2は、冷間鍛造工程にかかる鍛造装置を示すもので、(a)は切断ステーションを示す断面図、(b)は第1の冷間鍛造ステーションを示す断面図、(c)は第2の冷間鍛造ステーションを示す断面図、(d)は第3の冷間鍛造ステーションを示す断面図、(e)は第4の冷間鍛造ステーションを示す断面図である。この鍛造装置には、ボルトホーマ、ナットホーマ等と称される多段式トランスファープレス(図示省略)が用いられる。このトランスファープレスには、図2に示すように、右から左方へ順に、切断ステーションSC、第1の冷間鍛造ステーションS1、第2の冷間鍛造ステーションS2、第3の冷間鍛造ステーションS3、第4の冷間鍛造ステーションS4が等間隔で設定されている。
図2(a)に示すように、切断ステーションSCにおいて、ダイブロック7には、ダイス孔8aを有する剪断用ダイス8が設けられている。ダイブロック7の下方から剪断用ダイス8のダイス孔8a内に冷鍛用コイル材Cを挿入し、前記ブランク1(図1(a)参照)の軸長1Lに対応する長さだけ剪断用ダイス8の上方へ突出させる(図2(a)中、二点鎖線C参照)。そして、この状態で、待機しているカッター9(図2(a)中、二点鎖線9参照)の第1の冷間鍛造ステーションS1側(図示左方)への移動により、冷鍛用コイル材Cからブランク1が剪断すなわち切断されかつ第1の冷間鍛造ステーションS1へ送られる。
前記第1〜第4の各鍛造ステーションS1,S2,S3,S4には、それぞれ鍛造型10,20,30,40が設けられている。各鍛造型10,20,30,40は、トランスファープレスのダイブロック7にそれぞれ設けられたダイス12,22,32,42と、ダイブロック7に対して進退移動を繰り返すトランスファープレスのラム50にそれぞれ設けられたパンチ15,25,35,45とを備えている。各ダイス12,22,32,42内には、その下方から突出しピン13,23,33,43がそれぞれ軸方向(上下方向)にスライド可能に挿入されている。また、各ダイス12,22,32,42は、それぞれダイスホルダー11,21,31,41によって支持されている。
以下、第1の冷間鍛造ステーションS1の鍛造型10、第2の冷間鍛造ステーションS2の鍛造型20、第4の冷間鍛造ステーションS4の鍛造型40、第3の冷間鍛造ステーションS3の鍛造型30の順で説明する。
まず、第1の冷間鍛造ステーションS1の鍛造型10を説明する。図2(b)に示すように、鍛造型10におけるダイス12の型孔12aは、前記第1のブランク2(図1(b)参照)に対応する形状を呈している。
また、鍛造型10におけるパンチ15のパンチピン16の先端部すなわち下端部は、前記ラム50の前進端(下降端が相当する。)でダイス12の型孔12a内に所定量挿入される。
次に、第2の冷間鍛造ステーションS2の鍛造型20を説明する。図2(c)に示すように、鍛造型20におけるダイス22の型孔22aは、前記第2のブランク3(図1(c)参照)に対応する形状を呈している。
また、鍛造型20におけるパンチ25のパンチピン26の先端部すなわち下端部は、前記ラム50の前進端(下降端が相当する。)でダイス22の型孔22a内に所定量挿入される。
次に、第4の冷間鍛造ステーションS4の鍛造型40を説明する。図2(e)に示すように、鍛造型40におけるダイス42の型孔42aは、前記第4のブランク5(図1(e)参照)における絞り軸部5d及び小径軸部5e並びに軸端部5fに対応する形状を呈している。
また、鍛造型40におけるパンチ45は、第4のブランク5(図1(e)参照)の突出軸部5a及びテーパ部5bに対応する型孔45aを有しており、その軸心部にパンチピン46を軸方向(上下方向)にスライド可能に挿入されている。この型孔45aは、前記ラム50の前進端(下降端が相当する。)でダイス42の上面近くまで接近することにより、該ダイス42の型孔42aと協働して、第4のブランク5にほぼ対応する型孔を形成する。なお、パンチ45は、本明細書でいう「固定パンチ」に相当する。
さらに、パンチピン46を内挿する固定パンチ45の型孔45aが、該パンチピン46及び前記第3のブランク4(図1(d)参照)の突出軸部4aを所定の隙間をもって内挿するストレート孔部45bと、そのストレート孔部45bに連続しかつ前記隙間がブランク入口側に向けて次第に増加しかつ第4のブランク5(図1(e)参照)のテーパ部5bを成形するテーパ孔部45cとを有している。そして、固定パンチ45をブランクの他端側すなわち第3のブランク4(図1(d)参照)の上端部に嵌合した状態で、パンチピン46の加圧力により前記拡大頭部4c(5c)を所定形状に据込むすなわち成形するように構成されている。
次に、第3の冷間鍛造ステーションS3の鍛造型30を説明する。図3は鍛造型30を示す断面図である。
鍛造型30におけるダイス32の型孔32aは、前記第3のブランク4(図1(d)参照)の絞り軸部4d及び小径軸部4e並びに軸端部4fに対応する形状を呈している。
また、鍛造型30におけるパンチ35は、スライドパンチ機構SPを備えている。スライドパンチ機構SPは、パンチピン36の他、スライドパンチ37及びばね部材38並びに連動筒39を備えている。
前記パンチピン36は、パンチ35の軸心部に軸方向(上下方向)にスライド可能にかつ第2のブランク3(第3のブランク4)の上端面を加圧可能に設けられている。
また、前記スライドパンチ37は、インナーパンチ70とアウターパンチ75とを一体的に備えている。
インナーパンチ70は、前記パンチピン36を軸方向(上下方向)にスライド可能に内挿しかつ第3のブランク4の突出軸部4a及びテーパ部4bに対応する型孔71を有している。インナーパンチ70は、前記ラム50の前進端(下降端が相当する。)でダイス32の上面付近まで接近することにより、該ダイス32の型孔32aと協働して第3のブランク4にほぼ対応する型孔を形成する。
また、アウターパンチ75は、ラム50に固定されたホルダ筒52内に軸方向(上下方向)にスライド可能に設けられており、その下部内に前記インナーパンチ70を固定している。
また、前記連動筒39は、前記アウターパンチ75の上部内に軸方向(上下方向)にスライド可能に設けられている。連動筒39は、前記スライドパンチ37(インナーパンチ70及びアウターパンチ75)を下方へ押動可能に設けられている。また、連動筒39内には、パンチピン36を加圧する加圧ピン53に設けられたガイド54が軸方向(上下方向)にスライド可能に嵌合されている。
また、ばね部材38は、前記ラム50側のばね座51と連動筒39のフランジ部39aとの間に介装されており、常に連動筒39を所定の付勢力をもって下方へ付勢している。
そして、上記したスライドパンチ機構SPは、スライドパンチ37を、ダイス32の型孔32a内に挿入された第2のブランク3の上部に嵌合した状態で、パンチピン36の加圧力により拡大頭部4cを成形するとともに、該拡大頭部4cが拡大する圧力によりスライドパンチ37がばね部材38の付勢力に抗して後退されるように構成されている。
しかして、図5に示すように、前記パンチピン36は、所定の軸長のピン本体60と、そのピン本体60の基端部(上端部)に固着されたピンガイド65とを備えている。ピン本体60の先端部62は、例えば、軸長62Lが5mm、ピン外径62Dが約φ10.65mmで形成されている。ピン本体60の先端部62を除いた本体部61の外周面は、例えば、ピン外径61Dが約φ10.45mmで形成されている。すなわち、ピン本体60の本体部61の外周面が、先端部62の外周面に対してφ0.2mm(62D−61D=φ10.65−10.45mm)の逃し63をもって形成されている。
前記パンチピン36のピン本体60の逃し63をφ0.1〜0.5mmの範囲内で設定することにより、第3のブランク4(図1(d)参照)の拡大頭部4cの据込み成形中のスライドパンチ37の後退不良及びパンチピン36のピン本体60の塑性変形を防止あるいは低減することができる。
例えば、ピン本体60の逃し63がφ0.1未満の場合には、第3のブランク4の拡大頭部4cの据込み成形中において、パンチピン36のピン本体60の弾性変形によりピン本体60のピン外径が拡大し、そのパンチピン36のピン本体60とスライドパンチ37との間の隙間が小さくなり、スライドパンチ37の後退(押上げ)を阻害する摩擦抵抗が発生し、スライドパンチ37が後退不良をきたすことになる。
また、ピン本体60の逃し63がφ0.5を超える場合には、パンチピン36のピン本体60の断面積が小さくなり、成形荷重により発生する応力が過大となるため、パンチピン36のピン本体60が塑性変形することになる。
したがって、パンチピン36のピン本体60の本体部61の外周面をφ0.1〜0.5mmの逃し63をもって形成することにより、第3のブランク4の拡大頭部4cの据込み成形中のスライドパンチ37の後退不良及びパンチピン36のピン本体60の塑性変形を防止あるいは低減することができる。
また、図6に示すように、前記インナーパンチ70の型孔71は、前記パンチピン36(図5参照)のピン本体60を所定の隙間をもって内挿するストレート孔部72と、そのストレート孔部72に連続しかつ前記隙間がブランク入口側(下方)に向けて次第に増加するテーパ孔部76とを有している。
しかして、図7に示すように、前記インナーパンチ70の型孔71におけるテーパ孔部76のテーパ角αは、6〜20°に設定されている。
この点について、図8の説明図を参照して説明する。図8に示すように、型孔71のストレート孔部72の成形にかかる有効長さをL1とし、テーパ孔部76の有効長さをL2とし、テーパ孔部76に直角に加わる成形圧力をPとする。この場合、ばね部材38(図3参照)によるスライドパンチ37の圧下力(付勢力)は無視する。
インナーパンチ70の押上げ方向に加わる単位面積当たりの押上力P1は、
1=Psinα
となる。また、ストレート孔部72及びテーパ孔部76のそれぞれの面に対する摩擦抵抗P2は、摩擦係数をμとすると、
2=μ・P
となる。また、前記押上力P1の妨げとなる単位面積当たりの抵抗力P3は、
3=μ・Pcosαとなる。
また、前記インナーパンチ70が上昇するために必要な押上力FAは、
A=PL2・sinα
であり、また、単位面積当たりの押上力P1に抵抗する摩擦抵抗FSは、
S=μ・PL1+μ・PL2・cosα=μ・P(L1+L2・cosα)
である。
したがって、
PL2・sinα>μ・P(L1+L2・cosα)
の条件の満たすことにより、摩擦抵抗FSに抗してインナーパンチ70が上昇することができる。
そして、L1=0とすると、
sinα>μ・cosα
となり、
tanα>μ
となる。このとき、摩擦係数μ=0.1とすると、
α>5.71°
となる。したがって、テーパ角αは、6°以上に設定すればよい。すなわち、テーパ角αが6°未満の場合には、第3のブランク4(図1(d)参照)の拡大頭部4cの据込み成形中において、インナーパンチ70を押上力FAに比べ、第3のブランク4の外径の拡大によるインナーパンチ70に対する摩擦抵抗FSが大きくなり、インナーパンチ70すなわちスライドパンチ37が後退不良をきたすことになる。
また、前記テーパ孔部76のテーパ角αが20°を超える場合には、第3のブランク4(図1(d)参照)の拡大頭部4cの据込み成形中において、インナーパンチ70すなわちスライドパンチ37の後退のタイミングが早くなりすぎてブランク4に座屈を発生することになる。
したがって、前記テーパ孔部76のテーパ角αを6〜20°とすることにより、第3のブランク4の拡大頭部4cの据込み成形中のスライドパンチ37の後退不良及びブランクの座屈の発生を防止あるいは低減することができる。
また、図9はテーパ角αと押上力P1との関係を示す特性線図である。図9において、横軸がインナーパンチ70のテーパ孔部76のテーパ角α(図8参照)であり、縦軸がインナーパンチ70すなわちスライドパンチ37の押上力P1(図8参照)である。また、特性線M1は初期のスライドパンチ37にかかる摩擦抵抗を示し、特性線M2は後期のスライドパンチ37にかかる摩擦抵抗を示している。また、特性線N1は初期のスライドパンチ37の押上力を示し、特性線N2は後期のスライドパンチ37の押上力を示している。また、特性線M1と特性線N1はテーパ角αの20°付近で交差しており、特性線M2と特性線N2はテーパ角αの6°付近で交差している。
したがって、図9から明らかなように、テーパ角αが6〜20°の範囲内にあれば、スライドパンチ37の後退不良を防止あるいは低減することができる。
さらに、前記インナーパンチ70の型孔71におけるストレート孔部72(図6参照)と、前記パンチピン36のピン本体60の本体部61(図6参照)との間の隙間は、そのピン本体60の本体部61のピン外径61Dに対して2〜5%に設定されている。これにより、第3のブランク4(図1(d)参照)の拡大頭部4cの据込み成形中のスライドパンチ37の後退不良及びパンチピン36のピン本体60の塑性変形を防止あるいは低減することができる。
また、エンジンバルブ材(例えば、SUH3)の場合、当該工程の成形圧力σは約2000MPaである。これによると、パンチピン61の軸方向の歪は、εで表わされる。
ε=σ/E=2000/(211.4×103)=0.00946
ここで、Eは、弾性係数を表わす。
また、ポアソン比ν=0.3とすると、径方向の拡大量Wは、
W=εν=0.00946×0.3=0.28(%)
である。
したがって、例えば、前記隙間が2%未満の場合には、第3のブランク4の拡大頭部4cの据込み成形中において、ピン本体60の本体部61の弾性変形によりそのピン外径61Dが拡大し、隙間が1.62%以下と非常に小さくなり、潤滑油中に混在する固形物等の影響によりスライドパンチ37の後退(押上げ)を阻害する摩擦抵抗が発生し、スライドパンチ37のインナーパンチ70が後退不良をきたすことになる。
また、前記隙間が5%を超える場合には、ピン本体60の本体部61の断面積が小さくなり、成形荷重により発生する応力が過大となるため、ピン本体60の本体部61が塑性変形することになる。
隙間が5%存在すると、パンチピン36の径はインナーパンチ70の内径の0.95倍となり、受圧面積は0.952≒0.9、すなわち約10%の減少となる。したがって、パンチピン36の圧縮応力が1/0.9倍となり、型材の耐圧力を超える場合がある。
したがって、前記隙間を、ピン本体60の本体部61のピン外径61Dに対して2〜5%とすることにより、第3のブランク4の拡大頭部4cの据込み成形中のスライドパンチ37の後退不良及びパンチピン36のピン本体60の塑性変形を防止あるいは低減することができる。
また、図10に前記隙間の比率(%)と、パンチピン36のピン本体60に加わる偏心荷重との関係が示されている。図11において、横軸が隙間の比率(%)であり、縦軸が偏心荷重である。
そして、図11の特性線Aから明らかなように、隙間の比率(%)を2〜5%の範囲内に設置することにより、スライドパンチ37の後退不良を防止あるいは低減することができる。
さらに、図7に示すように、前記インナーパンチ70の型孔71におけるストレート孔部72のテーパ孔部76側内周面には、0.03〜0.10°の抜き勾配βが設定されている。これにより、第3のブランク4(図1(d)参照)の拡大頭部4cの据込み成形中のスライドパンチ37のインナーパンチ70の後退不良及びブランク4の座屈の発生を防止あるいは低減することができる。
例えば、抜き勾配βが0.03°未満の場合には、第3のブランク4の拡大頭部4cの据込み成形中において、ピン先端部62に近い部分の内圧が、パンチピン36から10mm離れた部分の内圧よりも300MPa以上大きくなると、抜き勾配がなくなる。これ以上の圧力差が生じると逆テーパとなり、インナーパンチ70の後退を阻害する。また、抜き勾配βが0.10°を超える場合は、前記隙間が大きくなり過ぎることにより、据え込み時にインナーパンチ70が入口部でブランク4を拘束できず、ブランク4に座屈を発生することになる。
したがって、抜き勾配βを0.03〜0.10°の範囲内に設定することにより、第3のブランク4の拡大頭部4cの据込み成形中のスライドパンチ37の後退不良及びブランクの座屈の発生を防止あるいは低減することができる。
なお、前記したパンチピン36の逃し63(図5参照)、インナーパンチ70のテーパ角α及び抜き勾配β(図7参照)、ストレート孔部72とピン本体60との間の隙間にかかる数値設定については、例えば、ビッカース硬さHVが180〜300程度の鋼材を冷鍛用コイル材Cとして用いる場合に好適である。
また、鍛造装置(図2参照)において、1鍛造毎に各突出しピン13,23,33,43により各ダイス12,22,32,42から突出される各ブランク2,3,4,5は、周知のブランク搬送装置(図示省略)によって下流側の鍛造ステーションへ搬送されるようになっている。
上記した鍛造装置(図2参照)において、ブランク1(図1(a)参照)から第4のブランク5を製造する製造工程を説明する。
まず、切断ステーションSCにおいて、カッター9により冷鍛用コイル材Cから所定の軸長1Lのブランク1が剪断すなわち切断され、第1の冷間鍛造ステーションS1に搬送される。
次に、第1の冷間鍛造ステーションS1の鍛造型10により、ブランク1が鍛造されて第1のブランク2が成形される。第1のブランク2は、ブランク搬送装置により第2の冷間鍛造ステーションS2に搬送される。
次に、第2の冷間鍛造ステーションS2の鍛造型20により、第1のブランク2が鍛造されて第2のブランク3が成形される。第2のブランク3は、ブランク搬送装置により第3の冷間鍛造ステーションS3に搬送される。
次に、第3の冷間鍛造ステーションS3の鍛造型30により、第2のブランク3が鍛造されて第3のブランク4が成形される。第3のブランク4は、ブランク搬送装置により第4の冷間鍛造ステーションS4に搬送される。
次に、第4の冷間鍛造ステーションS4の鍛造型10により、第3のブランク4が鍛造されて第4のブランク5が成形される。
また、前記のようにして製造された第4のブランク5(図1(e)参照)は、ブランク搬送装置により図示しない加熱鍛造ステーションに搬送される。その加熱鍛造ステーションにおいて、第4のブランク5の拡大頭部5c(突出軸部5a、テーパ部5b及び拡大頭部5cを含む。)が加熱手段により加熱されて軟化された後に、図示しない鍛造装置を用いて前記拡大頭部5cの外径5cD(図1(e)参照)がさらに拡大されて所定形状の傘部6a(図1(f)参照)が成形されことにより、製品すなわちエンジンバルブ6が製造される。なお、熱間鍛造ステーションにかかる鍛造装置及び加熱手段については、周知のものと同様であるからその説明を省略する。
また、前記第3の冷間鍛造ステーションS3における鍛造型30(図3参照)のスライドパンチ機構SPによる据込み過程について説明する。図4はスライドパンチ機構による据込み過程を示すもので、(a)は据込み開始状態を示す断面図、(b)は据込み途中の状態を示す断面図、(c)は据込み完了状態を示す断面図である。
まず、図4(a)に示すように、据込み開始にともない、ばね部材38の付勢力により、スライドパンチ37(インナーパンチ70及びアウターパンチ75)が先に下降し、パンチピン36が遅れて下降する。
さらに、図4(b)に示すように、据込み途中においては、パンチピン36により据込まれた材料により、スライドパンチ37(インナーパンチ70及びアウターパンチ75)が押上げられていく。このため、閉塞据込み状態(図4(a)参照)から自由据込み状態(図4(c)参照)になるまでに、パンチピン36にかかる成形荷重を従来の鍛造型と同等としながらも、拡大頭部4cを座屈が発生することなく据込み成形することができる。
上記した拡大頭部5cを有するブランク5の製造方法によると、第1及び第2の冷間鍛造工程により、ブランクの一端側に小径軸部3cを段階的に成形する一方、第3及び第4の冷間鍛造工程により、前記ブランクの他端側に拡大頭部5cを段階的に成形する(図2参照)。
そして、第3の冷間鍛造工程に用いる鍛造型30(図3参照)が、ブランクの他端面を加圧可能なパンチピン36、パンチピン36を内挿しかつブランクの他端側に外挿されるスライドパンチ37、スライドパンチ37を加圧方向に付勢するばね部材38により構成されるスライドパンチ機構SPを備えている。さらに、パンチピン36を内挿するスライドパンチ37のインナーパンチ70の型孔71が、該パンチピン36のピン本体60を所定の隙間CLをもって内挿するストレート孔部72と、そのストレート孔部72に連続しかつ隙間CLがブランク入口側に向けて次第に増加するテーパ孔部76とを有している。さらに、スライドパンチ37をブランクの他端側に嵌合した状態で、パンチピン36の加圧力により拡大頭部4cを成形するとともに、該拡大頭部4cに拡大する圧力によりスライドパンチ37をばね部材38の付勢力に抗して後退されるように構成されている。
このような鍛造型30を第3の冷間鍛造工程に用いることにより、ブランクの拡大頭部4cの成形にかかる部分の鍛造前の長さ(L)と材料径(D)との比(L/D)が大きい場合であっても、その部分の据込み時のスライドパンチ37とブランクとの間に発生する摩擦抵抗によるスライドパンチ37の後退が阻害されることなく、ブランクの座屈の発生を防止あるいは低減することができる。これにより、頭径/軸径の大きいブランク3(図1(d)参照)を製造することができる。
また、第3の冷間鍛造工程(図3参照)において、ブランクの他端部にスライドパンチ37のストレート孔部72に嵌合しかつ拡大頭部4cから突出した突出軸部4aが形成される。そして、第4の冷間鍛造工程に用いる鍛造型40(図2参照)が、ブランクの他端面を加圧可能なパンチピン46と、パンチピン46を内挿しかつ該ブランク4の突出軸部4aに外挿される固定パンチ45とを備えている。さらに、パンチピン46を内挿する固定パンチ45の型孔45aが、該パンチピン46を所定の隙間をもって内挿するストレート孔部45bと、そのストレート孔部45bに連続しかつ前記隙間がブランク入口側に向けて次第に増加するテーパ孔部45cとを有している。さらに、固定パンチ45をブランクの他端側に嵌合した状態で、パンチピン46の加圧力により前記拡大頭部4c(5c)を所定形状に成形する構成されている。
このような鍛造型40を第4の冷間鍛造工程に用いることにより、第3の冷間鍛造工程で形成したブランク4(図1(d)参照)の突出軸部4aを固定パンチ45のストレート孔部72に内挿することにより、ブランクの座屈の発生を防止あるいは低減する座屈の発生を防止した状態で、拡大頭部5cを所定形状に成形すなわち据込むことができる。
また、第4のブランク5(図1(e)参照)の拡大頭部5cを加熱手段により加熱し、その後の熱間鍛造工程において、拡大頭部5cの外径をさらに拡大して所定形状の傘部6aを成形する。これにより、傘部6aの傘/軸比の大きいエンジンバルブ6、すなわち傘径6aDが拡大されかつ軸部6bが細径化されたエンジンバルブ6(図1(f)参照)を製造することができる。したがって、傘径6aDの拡大によりエンジンの吸排気効率を向上するとともに、軸部6bの細径化による軽量化により高速応答性を向上することのできるエンジンバルブ6を提供することができる。
また、エンジンバルブ6を冷間鍛造工程と熱間鍛造工程の組合せにより製造することにより、傘部6aの傘径6aDと軸部6bの軸径6bDの比の大きいエンジンバルブ6を安価に製造することができる。
ちなみに、前記エンジンバルブ6の成形速度は、従来のアプセット鍛造法によると4〜10本/分程度であり、熱間押出し鍛造法によると12〜20本/分程度であったのに対し、本実施例によると、従来の固定パンチ式の冷・熱間鍛造法と同程度の70〜140本/分で大量生産が可能である。
また、材料として、冷鍛用コイル材Cを使用することにより、丸棒材を使用する場合に比べて、材料コストを低減することができる。例えば、アプセット鍛造法に用いる丸棒材では、通電性を確保するために表面を研削する工程が必要であり、また、丸棒材では細くするための伸線工程が必要であるため、製造工程数が多く、材料コストが高い。さらに、丸棒材では、端材が増え、歩留りが悪い。これに対し、冷鍛用コイル材Cは、製造工程数が少なく、材料コストが安いうえ、端材が少なく、歩留りが良い。また、丸棒材では、鍛造装置に対する材料(丸棒材)の入替え回数が多く、設備停止回数が増加するため、生産性が悪いという問題があるのに対し、冷鍛用コイル材Cは、鍛造装置に対する材料の入替え回数が少なく、設備停止回数が少ないため、生産性が良い。
また、第1〜第4の冷間鍛造工程の採用により、拡大頭部5cいわゆるオニオン形状が安定するため、後工程の熱間鍛造工程による鍛造後のエンジンバルブ6(図1(f)参照)の品質も向上することができる。例えば、傘部6aの傘径6aDのばらつきが、従来品よりも小さくなり、後工程の切削加工による加工しろを減少することができた。
また、上記したエンジンバルブ6(図1(f)参照)の製造方法によると、傘/軸比が6.9といった大きいエンジンバルブ6を製造することができる。図11はエンジンバルブの傘/軸比の関係を示す説明図である。
図11において、従来のアプセット鍛造法、熱間押出し鍛造法、全冷間鍛造法、固定パンチ式の冷・熱間鍛造法によると、傘/軸比が線Cで示す5前後もしくは線Bで示す6前後のエンジンバルブを製造するのが限界であった。これに対し、本実施例によると、傘/軸比が線Aで示す7前後というように傘/軸比の大きいエンジンバルブ6を製造することができる。
また、従来の全冷間鍛造法と本製造方法とを比較したところ次の結果が得られた。
例えば、材料に関しては、全冷間鍛造法では、耐熱性の劣る材料であるSCM435(ビッカース硬さHVが180程度)等を対象としている。これに対し、本製造方法によると、耐熱鋼であるSUH11、SUH3(ビッカース硬さHVが235〜290程度)を対象として成形することができる。
また、傘/軸比に関しては、全冷間鍛造法では、傘径がφ25mm、軸径がφ5.5で、傘/軸比=4.5であったのに対し、本製造方法によると、傘径がφ38mm、軸径がφ5.5で、傘/軸比=6.9とすることができた。
また、傘部6aのフェース面の加工しろに関しては、全冷間鍛造法ではφ1.2mmであったのに対し、本製造方法によるとφ0.4mmとすることができた。
また、冷間鍛造工程における鍛造速度に関しては、全冷間鍛造法では1秒/本であったのに対し、本製造方法によると0.45秒/本とすることができた。
また、型寿命に関しては、全冷間鍛造法では10万ショットであったのに対し、本製造方法によると25万ショット以上とすることができた。
また、本製造方法によると、従来のアプセット鍛造法に対して鍛造原価を約15%低減することが可能になった。
また、上記した拡大頭部4cを有するブランク4の製造に用いる鍛造型30(図3参照)によると、前に述べた作用・効果を得ることができる。
また、鍛造型30のスライドパンチ37のインナーパンチ70の型孔71におけるテーパ孔部76のテーパ角αが6〜20°である。これにより、第3のブランク4の拡大頭部4cの据込み成形中のスライドパンチ37の後退不良及びブランクの座屈の発生を防止あるいは低減することができる。
また、鍛造型30のスライドパンチ37のインナーパンチ70の型孔71におけるストレート孔部72とパンチピン36のピン本体60との間の隙間が、パンチピン36のピン本体60の本体部61のピン外径61Dに対して2〜5%である。これにより、第3のブランク4の拡大頭部4cの据込み成形中のスライドパンチ37の後退不良及びパンチピン36のピン本体60の塑性変形を防止あるいは低減することができる。
また、鍛造型30のスライドパンチ37のインナーパンチ70の型孔71におけるストレート孔部72のテーパ孔部76側内周面に0.03〜0.10°の抜き勾配βが設定されている(図8参照)。これにより、第3のブランク4の拡大頭部4cの据込み成形中のスライドパンチ37の後退不良及びブランクの座屈の発生を防止あるいは低減することができる。
また、鍛造型30のパンチピン36のピン先端部62を除くピン本体60の本体部61の外周面がφ0.1〜0.5mmの逃し63をもって形成されている(図5参照)。これにより、第3のブランク4の拡大頭部4cの据込み成形中のスライドパンチ37の後退不良及びパンチピン36のピン本体60の塑性変形を防止あるいは低減することができる。
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。
本発明の一実施例にかかるエンジンバルブの鍛造工程を説明するもので、(a)は軸状のブランクを示す側面図、(b)は第1の冷間鍛造工程を終えたブランクを示す側面図、(c)は第2の冷間鍛造工程を終えたブランクを示す側面図、(d)は第3の冷間鍛造工程を終えたブランクを示す側面図、(e)は第4の冷間鍛造工程を終えたブランクを示す側面図、(f)は第5の熱間鍛造工程を終えたエンジンバルブを示す側面図である。 冷間鍛造工程にかかる鍛造装置を示すもので、(a)は切断ステーションを示す断面図、(b)は第1の冷間鍛造ステーションを示す断面図、(c)は第2の冷間鍛造ステーションを示す断面図、(d)は第3の冷間鍛造ステーションを示す断面図、(e)は第4の冷間鍛造ステーションを示す断面図である。 第3の冷間鍛造工程にかかる鍛造型を示す断面図である。 スライドパンチ機構による据込み過程を示すもので、(a)は据込み開始状態を示す断面図、(b)は据込み途中の状態を示す断面図、(c)は据込み完了状態を示す断面図である。 パンチピンを示す断面図である。 インナーパンチを示す断面図である。 インナーパンチの型孔にかかる説明図である。 インナーパンチのテーパ孔部のテーパ角にかかる説明図である。 インナーパンチのテーパ孔部のテーパ角とスライドパンチの押上力との関係を示す特性線図である。 パンチピンのピン外径に対するスライドパンチとパンチピンとの間の隙間の比率とパンチピンに加わる偏心荷重との関係を示す特性線図である。 エンジンバルブの傘/軸比の関係を示す説明図である。
符号の説明
1 ブランク
2 第1のブランク
2b 絞り軸部
2c 突出軸部
3 第2のブランク
3c 小径軸部
4 第3のブランク
4a 突出軸部
4c 拡大頭部
5 第4のブランク(軸状製品)
5a 突出軸部
5c 拡大頭部
6 エンジンバルブ(製品)
30 鍛造型
36 パンチピン
37 スライドパンチ
38 ばね部材
40 鍛造型
45 固定パンチ
45a 型孔
45b ストレート孔部
45c テーパ孔部
46 パンチピン
60 ピン本体
62 ピン先端部
70 インナーパンチ
71 型孔
72 ストレート孔部
76 テーパ孔部
SP スライドパンチ機構

Claims (8)

  1. 第1〜第4の冷間鍛造工程を備え、
    前記第1の冷間鍛造工程において、軸状のブランクの一端側に外径を次第に小さくする絞り軸部を成形し、
    前記第2の冷間鍛造工程において、前記第1の冷間鍛造工程を経たブランクの一端側に外径を小さくする所定の軸長の小径軸部を成形し、
    前記第3の冷間鍛造工程において、前記第2の冷間鍛造工程を経たブランクの他端側に外径を拡大する拡大頭部を成形し、
    前記第4の冷間鍛造工程において、前記第3の冷間鍛造工程を経たブランクの拡大頭部を所定形状に成形する、
    拡大頭部を有する軸状製品の製造方法であって、
    前記第3の冷間鍛造工程に用いる鍛造型が、前記ブランクの他端面を加圧可能なパンチピン、前記パンチピンを内挿しかつ該ブランクの他端側に外挿されるスライドパンチ、そのスライドパンチを加圧方向に付勢するばね部材により構成されるスライドパンチ機構を備え、
    前記パンチピンを内挿する前記スライドパンチの型孔が、該パンチピンを所定の隙間をもって内挿するストレート孔部と、そのストレート孔部に連続しかつ前記隙間がブランク入口側に向けて次第に増加するテーパ孔部とを有しており、
    前記スライドパンチを前記ブランクの他端側に嵌合した状態で、前記パンチピンの加圧力により前記拡大頭部を成形するとともに、該拡大頭部に拡大する圧力によりスライドパンチを前記ばね部材の付勢力に抗して後退されるように構成した
    ことを特徴とする拡大頭部を有する軸状製品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の拡大頭部を有する軸状製品の製造方法であって、
    前記第3の冷間鍛造工程において、前記ブランクの他端部に前記スライドパンチのストレート孔部に嵌合しかつ前記拡大頭部から突出した突出軸部を形成し、
    前記第4の冷間鍛造工程に用いる鍛造型が、前記ブランクの他端面を加圧可能なパンチピンと、前記パンチピンを内挿しかつ該ブランクの突出軸部に外挿される固定パンチとを備え、
    前記パンチピンを内挿する前記固定パンチの型孔が、該パンチピンを所定の隙間をもって内挿するストレート孔部と、そのストレート孔部に連続しかつ前記隙間がブランク入口側に向けて次第に増加するテーパ孔部とを有しており、
    前記固定パンチを前記ブランクの他端側に嵌合した状態で、前記パンチピンの加圧力により前記拡大頭部を所定形状に成形するように構成した
    ことを特徴とする拡大頭部を有する軸状製品の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の拡大頭部を有する軸状製品の製造方法により製造された軸状製品の拡大頭部を加熱手段により加熱し、その後の熱間鍛造工程において、前記拡大頭部の外径をさらに拡大して所定形状の傘部を成形することを特徴とするエンジンバルブの製造方法。
  4. 軸状のブランクを鍛造することにより、そのブランクの他端側に外径を拡大する拡大頭部を成形する鍛造型であって、
    前記ブランクの他端面を加圧可能なパンチピン、前記パンチピンを内挿しかつ該ブランクの他端側に外挿されるスライドパンチ、そのスライドパンチを加圧方向に付勢するばね部材により構成されるスライドパンチ機構を備え、
    前記パンチピンを内挿する前記スライドパンチの型孔が、該パンチピンを所定の隙間をもって内挿するストレート孔部と、そのストレート孔部に連続しかつ前記隙間がブランク入口側に向けて次第に増加するテーパ孔部とを有しており、
    前記スライドパンチを前記ブランクの他端側に嵌合した状態で、前記パンチピンの加圧力により前記拡大頭部を成形するとともに、該拡大頭部に拡大する圧力によりスライドパンチを前記ばね部材の付勢力に抗して後退されるように構成した
    ことを特徴とする拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型。
  5. 請求項4に記載の拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型であって、
    前記スライドパンチの型孔におけるテーパ孔部のテーパ角が6〜20°であることを特徴とする拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型。
  6. 請求項4又は5に記載の拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型であって、
    前記スライドパンチの型孔におけるストレート孔部と前記パンチピンとの間の隙間が、前記パンチピンのピン外径に対して2〜5%であることを特徴とする拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型。
  7. 請求項4〜6のいずれか1つに記載の拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型であって、
    前記スライドパンチの型孔におけるストレート孔部のテーパ孔部側内周面に0.03〜0.10°の抜き勾配が設定されていることを特徴とする拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型。
  8. 請求項4〜7のいずれか1つに記載の拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型であって、
    前記パンチピンのピン先端部を除くピン本体の外周面がφ0.1〜0.5mmの逃しをもって形成されていることを特徴とする拡大頭部を有する軸状製品の製造に用いる鍛造型。

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