JP3737025B2 - 冷間押出成形用の金型装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジンバルブなどの一部を軸部とした部材を冷間成形する金型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンバルブを冷間鍛造するには、断面減少率が大きくなると割れが発生するため、図4に示すように、例えば、切断スラブから第1中間素材を成形し、第1中間素材から第2中間素材を成形し、第2中間素材から第3中間素材を成形し、この第3中間素材からエンジンバルブを成形するようにしている。
【0003】
上記の各成形工程で用いる金型装置は、例えば特開平2−284739号公報にも開示されるように、金型とパンチとノックアウトピンを備えている。
図5に第2中間素材を成形する金型装置を示す。この図に示すように従来の金型装置は、金型100に頭部成形用キャビティ101を設け、このキャビティ101の底部に軸部を成形するための成形ランド102を設け、この成形ランド102の下方を逃げ部103としている。そして、素材Wをパンチ104で加圧して軸部W1を押出し成形した後、金型100の底面から挿入したノックアウトピン105で成形後の素材を払い出す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようにノックアウトピンで成形後の素材を払い出すには、軸部の下端を突き上げるようにしている。一方、成形後の軸部には圧縮応力が作用しているが、軸部の下端を突き上げることにより下端部に径方向外側に広がる力が作用し、圧縮応力が減少する。この減少の度合いを図4に示す。
【0005】
そして圧縮応力が減少することにより逆に引っ張り応力が発生し、図6に示すように、軸部下端にクラックが発生することがある。
特に、吸気用エンジンバルブの材料として用いるステンレス系耐熱鋼は排気用エンジンバルブ素材として用いるインコネルに比較して靭性に劣るためクラックが発生しやすい。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく本発明に係る冷間押出成形用の金型装置は、成形ランドを有する金型内に素材をセットしパンチで押圧することで軸部を押出し成形し、成形後にノックアウトピンで成形品を金型から払い出す冷間押出成形用の金型装置であって、前記金型には成形ランドに続いて成形ランドよりも大径の逃げ部を形成し、更にこの逃げ部の端部に成形後の軸部の先端が入り込む成形ランドよりも大径で逃げ部よりも小径の拘束部を設けた。
【0007】
尚、従来の金型においても、逃げ部の下方に小径部を設けたものは存在する。しかしながら、その小径部は成形時の座屈を防止するためのものであり、軸部と小径部とのクリアランスは摺動性を確保するため大きくとられている。
一方、本発明の拘束部は軸部下端を下方から突き上げる際の径方向外側に広がる力による圧縮応力の減少を防ぐためのものであり、そのクリアランスは摺動性を確保するものではなく、拘束するものであり、具体的には成形ランドの径よりも0.01〜0.02mm大きくし、その長さは軸部の先端が2〜12mm入り込む長さとするのが好ましい。
【0008】
また、摺動性を確保するための逃げ部については、成形ランドの径よりも0.1〜0.5mm大きくし、更に逃げ部と拘束部との間の傾斜部の角度は10°〜45°とし、逃げ部から拘束部へ素材が容易に導入されるようにするのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る冷間押出成形用の金型装置による鍛造時の断面図、図2は同冷間押出成形用の金型装置の払い出し時の断面図、図3は同冷間押出成形用の金型装置の拘束部の拡大図である。
【0010】
金型装置は金型1、パンチ20及びノックアウトピン30から構成され、金型1には頭部成形用のキャビティ2、このキャビティ2の底部に軸部を押出し成形する成形ランド3、この成形ランド3の下方に連続する逃げ部4及びこの逃げ部4の下端に連続する拘束部5がそれぞれ形成されている。
【0011】
前記拘束部5の径は成形ランド3の径よりも0.01〜0.02mm大きく設定している。
0.01mm以上大きくしたのは、成形ランド3から押し出された軸部W1はスプリングバックにより若干径が大きくなる。そのため、拘束部5の径と成形ランド3の径とを等しくすると、拘束部5に導入される際に再度成形されることになり、成形荷重の増大を招くとともに座屈を生じるおそれがあるので、0.01mm以上大きくする。
また、拘束部5の径をあまり大きくすると、素材軸部と拘束部5内周との間のクリアランスが大きくなり、払い出し時に軸部下端に引張応力が生じ、クラック発生の原因になる。
したがって、拘束部5の径は成形ランド3の径よりも0.01〜0.02mm大きく設定する。
【0012】
また、拘束部5の長さは軸部W1の先端が2〜12mm入り込む長さとするのが好ましい。即ち、2mm未満では拘束の効果が薄く、12mmを超えると、払い出し時の荷重が大きくなりすぎるので、上記の範囲とする。
【0013】
また、前記逃げ部4は軸部の摺動性を確保するために設けるので、成形ランド3の径よりも0.1〜0.5mm大きく設定するのが好ましい。即ち、0.1mm未満では成形ランドに対する逃げ量が少ないため、成形時及び払い出し時に素材と金型とが干渉する部分が大きくなり荷重が増大し、また0.5mmを超えると曲がり量が大きくなり、場合によっては座屈が発生するので、上記の範囲とする。
【0014】
更に前記逃げ部4と拘束部5とは傾斜部6で連続しており、この連続部6の傾斜角は10°〜45°とする。これは10°未満では傾斜部6が長くなりすぎ、45°を超えると軸部W1が傾斜部6に接触した際の抵抗が大きくなり成形荷重の増大を招くことによる。
【0015】
以上の金型装置を用い、金型のキャビティ2に素材をセットし、パンチ20で押出し成形し、この後、図3に示すようにノックアウトピン30で成形品を払い出したところ、軸部にクラックは発生しなかった。
【0016】
また、図4に示した第2中間素材、第3中間素材及びエンジンバルブ(最終形状品)を成形する金型に拘束部を設けて成形した場合の圧縮応力を同図に示した。この数値からも明らかなように、本発明による場合には軸部の圧縮応力の減少が少ないため、払い出し時にクラックが入りにくい。
【0017】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、エンジンバルブなどの軸付き部品を冷間鍛造する金型装置に、成形された軸部の先端を拘束する拘束部を設けたので、ノックアウトピンで当該軸部の下端を突き上げて払い出す際に、軸部の圧縮応力が減少して引張応力が生じるのを防止でき、したがって、軸部にクラックが発生しにくくなる。
特に、吸気用エンジンバルブとして使用しているステンレス系耐熱鋼は靭性が小さく払い出し時にクラックが入りやすいので、この素材に適用することが有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷間押出成形用の金型装置による鍛造時の断面図
【図2】同冷間押出成形用の金型装置の払い出し時の断面図
【図3】同冷間押出成形用の金型装置の拘束部の拡大図
【図4】切断スラブから中間素材を介してエンジンバルブに至るまでの形状変化と軸部下端の圧縮応力変化を示した図
【図5】従来の金型装置の断面図
【図6】従来の金型装置にするクラックの発生を示す図
【符号の説明】
1…金型、2…キャビティ、3…成形ランド、4…逃げ部、5…拘束部、6…傾斜部、20…パンチ、30…ノックアウトピン、W…素材、W1…軸部。
Claims (4)
- 成形ランドを有する金型内に素材をセットしパンチで押圧することで軸部を押出し成形し、成形後にノックアウトピンで成形品を金型から払い出す冷間押出成形用の金型装置において、前記金型には成形ランドに続いて成形ランドよりも大径の逃げ部が形成され、更にこの逃げ部の端部に成形後の軸部の先端が入り込む成形ランドよりも大径で逃げ部よりも小径の拘束部を設けたことを特徴とする冷間押出成形用の金型装置。
- 請求項1に記載の冷間押出成形用の金型装置において、前記拘束部の径は前記成形ランドの径よりも0.01〜0.02mm大きく、その長さは成形後の軸部の先端が2〜12mm入り込む長さとしたことを特徴とする冷間押出成形用の金型装置。
- 請求項1または請求項2に記載の冷間押出成形用の金型装置において、前記逃げ部の内径を前記成形ランドの径よりも0.1〜0.5mm大きくしたことを特徴とする冷間押出成形用の金型装置。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の冷間押出成形用の金型装置において、前記逃げ部と拘束部とは傾斜部で連続し、この傾斜部の角度は10°〜45°としたことを特徴とする冷間押出成形用の金型装置。
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