JP2006083543A - 建築物の基礎構造及びこの構造を用いた建築物の増築方法 - Google Patents
建築物の基礎構造及びこの構造を用いた建築物の増築方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 建築物を支持するための基礎構造として、建築物の柱を、フーチング、地中梁、基礎スラブ等のコンクリート構造体を介することなく、地中に打ち込んだ杭と接続してなる基礎構造を用いる。
【選択図】 図1
Description
しかし、近年の建築基準法の改正や規制緩和などによって、従来は2階建ての建築物しか認可されない地域等においても、3階建ての建築物の建築が許容されるようになってきており、これによって、敷地に余裕が無くても2階建ての建築物を3階建てとする増築が可能となった。
これら特許文献に記載の発明は、図7乃至図9に示すように、既存建築物(A)の基礎の外側に、新たな基礎を設けてその上に新たな柱を立設することにより既設建築物の上方に新規建築物を構築するという斬新な発想に基づいたものであり、従来の増築方法に関わる問題点の多くを解決することができる非常に斬新で優れたものである。
この問題は、例えば、新たな基礎(b)を既存基礎(B)から距離を空けて設けることで、少なくとも外周部分については解決することができるかもしれないが、そもそも上記特許文献に開示された増築方法は、敷地に殆ど余裕が無い場合に適用されるものであるから、このような解決方法を採用することは現実的には不可能であった。
請求項2に係る発明は、前記柱の下端部にベースプレートが接合されるとともに、前記杭頭には杭頭プレートが接合され、これらベースプレートと杭頭プレートとが中間プレートを介して接合されてなることを特徴とする請求項1記載の建築物の基礎構造に関する。
請求項4に係る発明は、前記ベースプレートと中間プレートの間に免震機構が介在されてなることを特徴とする請求項2又は3記載の建築物の基礎構造に関する。
また、地中梁を設けずとも充分な耐震性が得られる基礎構造であるため、既存建築物を維持したままで既存建築物の上方に新たな階を増築する増築方法において、新たに設けられる増築用基礎として用いた場合に、既存建築物の基礎や地中梁の存在を問題とせずに高い耐震性を有する増築建築物を得ることが可能となる。
更に、フーチングや地中梁が不要となるので、その分の掘削工事が必要なくなり、しかも従来の方法では不可避であった、掘り出された土の周囲への堆積や、運搬用のトラックの出入りが不要となるので、工事上の煩雑さや周囲への迷惑を減少させることができる。
請求項3に係る発明によれば、中間プレートが、複数本の鋼材をプレート状に接合したものであるため、1枚板のプレートに比べて高強度の中間プレートとなり、しかも所要面積の中間プレートを現場にて容易に得ることができる。
請求項4に係る発明によれば、ベースプレートと中間プレートの間に免震機構が介在されているので、建築物の耐震性を大きく高めることが可能となる。
更に、フーチングや地中梁が不要となるので、その分の掘削工事が必要なくなり、しかも従来の方法では不可避であった、掘り出された土の周囲への堆積や、運搬用のトラックの出入りが不要となるので、工事上の煩雑さや周囲への迷惑を減少させることができる。
図1及び図2は本発明に係る建築物の基礎構造を示す図であって、図1は分解斜視図、図2(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は側面図である。
また、杭(2)の杭頭には、該杭頭面により一回り大きい外形を有する鋼板等からなる杭頭プレート(4)が溶接等の固着手段を用いて接合されている。
杭頭プレート(4)と中間プレート(5)は、杭頭プレート(4)の上面を中間プレート(5)の下面に密接させた状態で、両者を溶接することにより固定されている。
これにより、ベースプレート(3)と杭頭プレート(4)とは、中間プレート(5)を介して接合されている。
複数本の鋼材(51)を接合する方法としては、単に鋼材間を溶接するのみでもよいが、更に図示するように、表面に鋼材(51)の長さ方向と直角方向に補強プレート(52)を配置し、この補強プレート(52)を複数本の鋼材(51)夫々と溶接する方法を用いると、高い接合強度を得ることができるため好ましい。
このようにして得られた中間プレート(5)の幅方向(鋼材(51)の幅方向)の両辺には、幅方向端部の強度を補強するために、鋼板等からなる複数本の補強リブ(53)が縦方向に設けられる。
但し、本発明において用いられる中間プレート(5)の形態はこれに限定されず、例えば1枚板のプレートを用いてもよいが、図示のような中間プレート(5)は1枚板のプレートに比べて高い剛性や曲げ強度を有するため好適に用いられる。
(a)図は1本の柱(1)に対して1本の杭(2)を接続したもの、(b)図は1本の柱(1)に対して2本の杭(2)を接続したもの、(c)図は1本の柱(1)に対して3本の杭(2)を接続したもの、(d)図は1本の柱(1)に対して4本の杭(2)を接続したもの、である。
このように、本発明に係る基礎構造においては、1本の柱(1)に対して1本又は複数本の杭(2)を接続することができ、1本の柱に接続される杭の本数は、地盤の強度が弱い場合や支えられる建築物の重量が大きい場合等には増やされる。
免震機構(7)としては、免震ゴムや免震ダンパー等の建築物において用いられている公知の免震機構を利用することができる。
図4は増築前の既存建築物(10)を示す概略平面図であり、図5及び図6は夫々本発明に係る方法により増築が完了した状態を示す概略平面図及び概略側面図である。尚、図5において、実線斜線部が増築された部分を示している。
本発明に係る増築方法は、既存建築物(10)(図4参照)の基礎(11)の外側近傍位置に新たな基礎(12)を設け、該新たな基礎(12)の上部に新たな柱(13)を立設し、既存建築物(10)の上方において該新たな柱(13)に梁(14)を架設して床及び屋根を設けることにより、既存建築物(10)の上方に所要階数(図示例では3階)の増築階(15)を設ける増築方法において、新たな基礎(12)と新たな柱(13)の接続構造として上記構成からなる基礎構造を用いるものである。
そして、中間プレート(5)の上面に、柱(13)の下端部に対して一体に固定されたベースプレート(4)をアンカーボルト等により固定することにより、新たな基礎(12)の上部に新たな柱(13)が一体に接合された基礎構造が得られる。
そのため、新たな基礎同士を連結するための地中梁が不要となり、敷地に余裕が無い場合であっても、既存建築物の基礎や地中梁の存在を問題とせずに既存建築物の上方への増築が可能となる。
また、新たな柱を、フーチング、地中梁、基礎スラブ等のコンクリート構造体を介することなく杭と接続するので、従来の杭基礎を用いる場合に比べて施工期間を大幅に短縮することができる。
2 杭
3 ベースプレート
4 杭頭プレート
5 中間プレート
51 鋼材
6 アンカーボルト
10 既存建築物
11 既存建築物の基礎(既存基礎)
12 新たな基礎(増築用基礎)
13 新たな柱
14 梁
15 増築階
Claims (5)
- 建築物を支持するための基礎構造であって、建築物の柱を、フーチング、地中梁、基礎スラブ等のコンクリート構造体を介することなく、地中に打ち込んだ杭と接続してなることを特徴とする建築物の基礎構造。
- 前記柱の下端部にベースプレートが接合されるとともに、前記杭頭には杭頭プレートが接合され、これらベースプレートと杭頭プレートとが中間プレートを介して接合されてなることを特徴とする請求項1記載の建築物の基礎構造。
- 前記中間プレートが、複数本の鋼材を接合して形成したものであることを特徴とする請求項2記載の建築物の基礎構造。
- 前記ベースプレートと中間プレートの間に免震機構が介在されてなることを特徴とする請求項2又は3記載の建築物の基礎構造。
- 既存建築物の基礎の外側に新たな基礎を設け、該新たな基礎の上部に新たな柱を立設し、前記既存建築物の上方において該新たな柱に梁を架設して床及び屋根を設けることにより、既存建築物の上方に新たな階を増設する増築方法であって、前記新たな基礎と柱の接続構造を、新たな柱をフーチング、地中梁、基礎スラブ等のコンクリート構造体を介することなく、地中に打ち込んだ杭と接続した構造とすることを特徴とする建築物の増築方法。
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