JP2006083496A - 食品抽出用合繊エアレイド複合シート - Google Patents

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Abstract

【課題】ケミカルバインダーや、抄紙助剤などの化学薬剤などを使用せず、地球環境への影響のない、人への安全性、衛生性に優れ、製袋加工性、熱安定性、地合いの均一性、抽出性などの性能を満たす、食品抽出用エアレイド複合シート。
【解決手段】接着性複合繊維のみを原料とする、少なくとも二層の繊維ウェブからなり、一方の繊維ウェブの低融点側の成分が融点Amである熱接着性複合繊維(A)の繊維ウェブであり、反対面の繊維ウェブの低融点側の成分が融点Bmである熱接着性複合繊維(B)の繊維ウェブであって、かつ上記AmとBmが下記式(1)を満たしており、これらの繊維ウェブをエアレイド法により層状に作製し加熱によって繊維間結合を一体化させる。 Am≦Bm・・・・・(1)
【選択図】なし

Description

本発明は、緑茶・紅茶・麦茶・コーヒー・ジュースなどのような飲料、ダシ・煮汁などのような味付けスープなどにおいて、不織布のような多孔性シートを袋状に成形して用いる食品抽出用シートに関する。
従来から、茶葉を収容するバッグを、紙、不織布などで形成し、これをカップに入れてから熱湯を注入することにより、バッグ本体内の茶葉成分を抽出する、いわゆるお茶バッグ、ティーバッグ、コーヒーバッグなどが使用されている。
あるいは、いわし節、かつお節などの魚節や、昆布類などのダシを収納したバッグを、ダシの素として容器に入れ、熱湯中で煮出す味付けスープとしても活用されている。これらのバッグを用いると、使用者は、直接粉末を扱う必要がないので、調理作業性を向上できる。
これらのバッグのシート材料としては、既にいくつかの提案がある。例えば、メルトブロー不織布のような極細繊維からなる不織布を複合して微細な茶葉粒子の粉漏れを少なくした抽出フィルター材料(特許文献1:特開平6−65851号公報)、特定の成分の芯鞘型複合繊維を含有する、抄紙時に浮き種が無く、ヒートシール性のある湿式不織布(特許文献2:特開平9−268434号公報)、ヒートシール層と非ヒートシール層を複合した、ヒートシール性に優れるカード不織布、またはスパンボンド不織布(特許文献3:特開2001−315239号公報)、芯鞘の熱バインダー繊維を20重量%以上含有し、特定のろ過速度、ろ過面積を有する不織布(特許文献4:特開平9−271617号公報)などが挙げられる。
しかしながら、特許文献1の方法では、極細繊維不織布によって粉漏れを防げるものの、目詰まりしやすく、抽出に時間がかかりやすくなってしまう。また、特許文献2の湿式不織布は、あくまでも湿式で抄紙する湿式不織布に関する提案であり、抄紙には繊維分散剤、粘剤、発泡抑制剤などの抄紙助剤が用いられることが多い。これらの剤は化学薬剤であって、抄紙工程からの排水および製造された紙に微量残存し、地球環境や人に対するなんらかの影響がある可能性を完全に否定することは困難である。より万全な安全性、安心感を考えれば、必ずしも人の飲料用に供するには安全性が高いとは考えにくく、好ましい方法ではないと言う意見もある。特許文献3の不織布は、ヒートシール性に配慮した構造となっているものの、不織布の製法がカード法やスパンボンド法であって、地合いや均一性に優れる提案内容ではないため、不均一性に起因して、粉漏れのリスクや、ヒートシール部の強度安定性が少ないなどの課題が残されている。さらに、特許文献4の不織布も、やはり不織布の製法がニードルパンチング、サーマルボンディングなどのいわゆる既存の製法なので、上記した課題を有している。
このように、本用途に求められる、製袋加工性、熱安定性、地合いの均一性、抽出性などの性能をすべて満足させるものでは無かった。
特開平06−65851号公報 特開平09−268434号公報 特開2001−315239号公報 特開平09−271617号公報
また、従来から知られているエアレイド不織布は、パルプ繊維層をベースとしてポリアクリル酸エステル系やポリ酢酸ビニル系などのケミカルバインダー樹脂を表層にスプレーしたり塗布したり、全体に含浸したりして繊維間結合を形成しているが、この方法では微量の残存モノマーや架橋剤としてのホルマリン発生の懸念があり、好ましくない。
このように、食品抽出用シートには、抽出するべき成分の速やかな抽出性や微細な粉末の漏れ防止などの実用性能、ヒートシールや超音波シール、溶断などの製袋加工性、熱湯でも剥がれないシール性能、方向性が少ないバランスの取れた強度などが求められる。
特に、抽出性と粉漏れ防止性の両立や、安定した不織布強度、シール強度を図って行くには、従来使用され、提案されている湿式不織布、カード法不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布などではそれぞれ不十分な点があり必ずしも万全とは言えない。
本発明は、このような、問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、抽出性、粉漏れ防止性、ヒートシール性に優れると共に、安全性にも優れた食品抽出用合繊エアレイド複合シートを提供することにある。
本発明は、少なくとも二層の繊維ウェブからなり、一方の繊維ウェブが芯鞘型複合繊維の低融点成分である鞘成分、あるいはサイドバイサイド型複合繊維の低融点側の成分の融点Amが110〜155℃で、繊度が1.5〜4.5dtである熱接着性複合合成繊維(A)からなる目付2〜30g/mの低融点の繊維ウェブであり、
反対面の繊維ウェブが、芯鞘型複合繊維の低融点成分である鞘成分、あるいはサイドバイサイド型複合繊維の低融点側の成分の融点Bmが140〜180℃で、繊度が1.5〜4.5dtである熱接着性複合繊維(B)と、融点が200℃以上で繊度が1.5〜4.5dtである高融点合成繊維(C)との混合からなる目付2〜30g/mの高融点の繊維ウェブであって、
かつ上記AmとBmが下記式(1)を満たしており、これらの繊維ウェブをエアレイド法により層状に作製し加熱によって繊維間結合を一体化させてなる、食品抽出用合繊エアレイド複合シートに関する。
Am≦Bm・・・・・(1)
ここで、低融点の繊維ウェブを構成する熱接着性複合繊維(A)、ならびに高融点の繊維ウェブを構成する、熱接着性複合繊維(B)および高融点合成繊維(C)が、ポリエステル系成分からなるものが好ましい。
また、高融点の繊維ウェブを構成する、熱接着性複合繊維(B)と高融点合成繊維(C)との混合比率が、80/20重量%〜30/70重量%であることが好ましい。
本発明においては、繊維分散の均一性、地合いの良さ、タテ/ヨコの強度バランスなどの点で優れるエアレイド法を基本として、熱接着性複合繊維を使用し、表裏層で構成を変えて融点差を設けることによって、ヒートシール、超音波シールなどの製袋加工機械の加工適性を向上させ、さらに繊維の種類、繊度および不織布目付などを適性化することによって、食品抽出用シートとして好適な不織布を提供するものである。さらに、繊維以外の添加物は全く使用しないので、安全性が高い食品抽出用合繊エアレイド複合シートを得ることができる。
エアレイド不織布製造法による繊維層の形成:
本発明は、エアレイド不織布製造法によって繊維層を形成する。すなわち、多孔質ネットコンベアー上に位置する多数台の噴き出し部から、繊維長2〜10mm、繊度1.5〜4.5dtの合成繊維、および/または熱接着性複合合成繊維を噴出し、ネットコンベアー下面に配置した空気サクション部で吸引しながらネットコンベアー上に繊維層を形成する。この際、繊維の構成を変えた二層を順次噴出させ、積層ウェブを作製する。その後、熱風処理および/または熱圧カレンダー処理して繊維間結合を形成して不織布として一体化させる。
繊維量、噴き出し条件、空気サクション条件、熱処理条件などを調節することにより所定の厚さに仕上げて、本発明に用いられる繊維層を得ることができる。
低融点の繊維層に使用する熱接着性複合繊維(A)としては、熱で溶融して相互に結合する繊維であれば、どのような繊維でもよいが、熱接着成分である芯鞘型複合繊維の鞘成分あるいはサイドバイサイド型複合繊維の低融点成分の融点Amは110〜155℃である必要がある。好ましくは120〜150℃である。110℃未満の場合、熱湯中でシール部が剥離し易く、麦茶やダシ汁などの場合は特に沸騰水に数分〜数十分浸漬されていても剥がれないことが求められるので、融点は重要である。一方、155℃を超えると、製袋加工のヒートシールもしくは超音波シール工程において高温、低速が必要となり、生産性が落ち実用的でない。
一方、高融点の繊維ウェブは、高融点の熱接着性複合繊維(B)と、さらに高融点の合成繊維(C)との混合物を使用する。高融点の熱接着性複合繊維(B)としては、熱で溶融して相互に結合する繊維であれば、どのような繊維でもよいが、熱接着成分である芯鞘型複合繊維の低融点成分である鞘成分あるいはサイドバイサイド型複合繊維の低融点成分の融点Bmは140〜180℃である必要がある。好ましくは、145〜175℃である。また、これに混合するさらに高融点の合成繊維(C)としては、融点が200℃以上であればどのような合成繊維でも構わないが、特にポリエステル系合成繊維が、水よりも比重が大であること、コストパフォーマンスに優れていることなどの点から好ましい。合繊繊維(C)の融点は、好ましくは210〜280℃である。
高融点の熱接着性複合繊維(B)とさらに高融点の合成繊維(C)との混合比率は、好ましくは80/20重量%〜30/70重量%である。高融点の合成繊維(C)の比率が20重量%未満の場合は、表裏の融点差が小さいので、ヒートシール製袋機のシールバーへの粘着が経時生じ易くなる。特に、なんらかの機械トラブルによって停台した場合には、シールバーに粘着して製袋加工が困難となり、生産効率ダウンを招き易い。一方、高融点の合成繊維(C)の比率が70重量%を超えると、繊維脱落のリスクが生じ、食品抽出液にシートから脱落した繊維が混入する心配がある。さらに好ましくは、70/30〜35/65重量%である。
低融点の繊維ウェブを形成する熱接着性複合繊維(A)の芯鞘型複合繊維の低融点成分である鞘成分あるいはサイドバイサイド型複合繊維の低融点成分の融点Amと、高融点の繊維ウェブを形成する熱接着性複合繊維(B)の低融点成分である鞘成分あるいはサイドバイサイド型複合繊維の低融点成分の融点Bmとは、次の式(1)を満足する必要がある。
Am≦Bm・・・・(1)
AmがBmよりも高い場合は表裏の融点差が逆転し、本発明が意図するヒートシール適性に合致しなくなる。Am=Bmであっても、Bmの層にはさらに高融点の合成繊維が混合されているので、必要なヒートシール適性が発揮される。
本発明は、このような融点の差を設けることにより、優れたヒートシール性を発揮するものである。
本発明の低融点の繊維層および高融点の繊維層を構成する熱接着性複合繊維としては、高融点成分を芯成分、あるいは内部成分とし、低融点成分を鞘成分、あるいは外周成分とする芯鞘型、あるいは一方が低融点成分、他方が高融点成分を構成するサイドバイサイド型が好適である。これら成分の組み合わせの具体例としては、PP/共重合PP、PET/PE,PET/共重合PP、PET/共重合PETなどが挙げられる。
特に、ポリエステル系の場合はオレフィン系より水にやや馴染みやすい上、比重が1より大なので、水に沈降し易く、好適である。お茶バッグは、通常、水に沈み易い方が使い良い。ここで、熱接着性共重合ポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどを基本骨格として、イソフタル酸、5−金属スルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの脂肪族多価アルコールの変性共重合などが挙げられるが、本発明の趣旨にそって作用効果を発揮するものであればこれらに限定されるものではない。
また、結晶性の高いポリマーの場合は、融点未満の温度では結合が緩みにくい特徴があるのでさらに好適である。
これらの合成繊維は、繊維長が2〜10mmであることが好ましく、さらに好ましくは3〜5mmである。繊維長が2mm未満であると粉末状に近づくため多孔質ネットコンベアーから抜け落ちる割合が高くなり歩留まりが悪くコストアップするばかりか、加工も難かい。一方、繊維長が10mmを超えると繊維の紡出量が減るため生産性が悪化するばかりか、繊維の分散も悪化し、抽出性や粉漏れ防止の性能にも影響が出易い。
また、熱接着性複合繊維(A),(B)、高融点合繊繊維(C)の繊度は、1.5〜4.5dtであり、好ましくは1.7〜3.3dtである。繊度が1.5dt未満であると、繊維間距離が接近して繊維どうしで形成される微少な穴からの抽出性がダウンしてくるばかりか、目詰りも起きやすくなる。さらに。未解繊、未分散の繊維も多くなって不織布地合いが悪くなる傾向がある。一方、繊度が4.5dtを超えると、抽出スピードはアップするものの、微少な茶葉粉末、食品粉末が漏れ易くなり、本用途に適さなくなる。
なお、これらの繊維は捲縮していても、していなくてもよく、またストランドチョップであってもよい。捲縮している場合、ジグザグ型の二次元捲縮繊維およびスパイラル型やオーム型などの三次元(立体)捲縮繊維の何れも使用できる。
本発明においては、これらの繊維以外の繊維、例えばPP繊維、PET繊維、PBT繊維、6−ナイロン繊維、66−ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、合成パルプ、木材パルプ、麻、レーヨン、溶融ビスコース繊維などを本発明の趣旨、効果を阻害しない範囲で混合しておいても良い。この場合、他の繊維の比率は10重量%以下に留めるのが好ましい。10重量%を超えると、不織布強力やヒートシール性に影響が出るばかりか、熱接着性のない繊維は実使用中に脱落し易くなる。
以上のような繊維を原料とするエアレイド不織布製造法は、カード法などの既存の乾式不織布製造法に較べて、長さの短い繊維を使用できるので、空気流によって容易に単繊維に解繊され易い。従って、極めて地合いの良好な、つまり均一性の良好な不織布が得られるという大きな特徴を有する。食品抽出の用途において、粉漏れが少なく、かつ抽出性が良いという性能は重要な特性であり、既存のカード法不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布では得られ難い。また、本製造法によれば、タテ/ヨコの強力比率がほぼ1/1に近いというメリットも有する。
さらに、抄紙薬剤やケミカルバインダーを使用していないので、食品用として安全性が高いばかりか、製造時や廃棄時における環境汚染の恐れもない。
熱風処理:
繊維間結合を形成するための熱風処理としては、特に高融点層を構成する熱接着性複合合成繊維(B)の低融点成分(芯鞘複合繊維の鞘成分あるいはサイドバイサイド型複合繊維の低融点成分)の融点Bm以上の温度が必要である。しかしながら、Bmよりも30℃を超えて高い場合、あるいは高融点成分(芯鞘複合繊維の芯成分あるいはサイドバイサイド型複合繊維の高融点成分)の融点以上の場合は、繊維の熱収縮が大きくなり易く、地合いの悪化を招くので好ましくない。
従って、熱風処理温度は、通常、140〜200℃、好ましくは145〜180℃である。
熱圧処理:
さらに、本発明においては、熱圧処理することもできる。熱圧処理には、通常、カレンダー処理が用いられる。熱風処理後にカレンダー処理しても良いし、熱風処理単独、あるいはカレンダー処理単独、でも良い。両者の併用が最も強力アップが期待できるので好ましい。カレンダー処理に用いるローラーとしては、全体に均一な熱圧を加えるため、平滑表面の一対の金属ローラー、または金属ローラーと弾性ローラーの組合わせを用いることが好ましいが、多段ローラーであっても良い。また、本発明の趣旨を損なわない範囲であれば、凸凹表面のエンボスローラーであっても良い。
カレンダー処理により熱接着する際の温度は、低融点の繊維層に接するローラーは、熱接着性複合繊維(A)の低融点成分の融点Amから常温までの任意の温度を選択できる。Amに近いほど強力アップが期待できるが、Amを超えるとローラー表面への粘着を生じるリスクが生じ、常温に近い場合は厚さ調整の役割のみとなる。高融点の繊維ウェブ層に接するローラー温度については、熱接着性複合繊維(B)の低融点成分の融点Bmプラス20℃からマイナス30℃までの範囲が好ましい。Bmプラス20℃を超える場合は、ローラー表面への粘着リスクが生じ、Bmマイナス30℃未満の場合は、熱接着性複合繊維(B)による高融点合成繊維(C)の固定が不十分となりやすく、脱落繊維のリスクが増大し、好ましくない。さらに好ましくはBmプラス15℃マイナス20℃である。
この熱圧処理は、あらかじめ熱風処理してない場合には、AmからAmマイナス30℃の範囲が適切である。強度アップには極力高温が好ましいが、Amを超えるとローラー表面への粘着が発生しやすくなるので好ましくない。一方、Amマイナス30℃未満の場合は、ローラー圧力をアップしても不織布強力が低く、実用に耐えられない。
また、カレンダー処理の線圧は、幅方向で均一な線圧になるよう設定すれば、任意の圧力を選択することができる。高圧の場合は不織布強力がアップし、厚さがダウンする。低圧の場合は勿論これに反する影響が出る。熱風処理せずに熱圧処理のみの場合は、極力高圧のほうが不織布強力の点で好ましい。通常、10〜100kgf/cmが好ましい。
本発明の食品抽出用合繊エアレイド複合シートの目付は、低融点の繊維ウェブ層、高融点の繊維ウェブ層共に2〜30g/mであり、好ましくは5〜25g/mである。目付が2g/m未満では、強度が弱すぎて実用上の問題を生じ、一方、30g/mを超えると繊維間間隔が密に過ぎて抽出性が悪化する。
なお、本発明の食品抽出用合繊エアレイド複合シート全体の目付は、通常、10〜50g/m、好ましくは15〜40g/mである。
なお、得られる本発明の食品抽出用合繊エアレイド複合シートの厚さは、通常、カレンダー処理をしたシートでは0.05〜0.4mm、カレンダー処理をしていないシート(熱風処理のみ)では0.3〜1.5mmである。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
原料繊維として、芯がポリエチレンテレフタレート(PET)で、鞘が融点135℃の高密度ポリエチレンからなる熱接着性複合繊維(繊度2.2dt、長さ5mm、帝人ファイバー(株)製)を用い、送風ブロアで大量の空気流と混合しつつ送綿し、ネット下部からサクションで空気を排気しながらネット上に噴出しネット上に目付10g/mの低融点層として捕集した。次に、このウェブの上に、芯がPET,鞘が融点150℃のイソフタル酸共重合ポリエステルからなる熱接着性複合繊維(繊度2.2dt、長さ5mm、帝人ファイバー(株)製)50重量%、融点250℃のPET繊維(1.7dt、長さ5mm、帝人ファイバー(株)製)を50重量%の割合で混合したものを、同様にして目付8g/mの高融点層として積層捕集した。この積層ウェブを150℃の熱風オーブンで2分間加熱してから、低融点層側温度115℃、高融点層側温度155℃、線圧20kgf/cmの一対の金属ローラーでカレンダー仕上げした。得られた層状複合エアレイド不織布は均整度が高く、地合い良好なシートであり、ヒートシール製袋加工機のシールバーへの粘着トラブルが無く、お茶の抽出性能が良好で、熱湯でもヒートシール部の剥離がない、食品抽出用シートとして優れて良好な実用性能を有していた。
<実施例2>
原料繊維として、芯がPETで、鞘が融点150℃のイソフタル酸共重合ポリエステルからなる熱接着性複合繊維(繊度1.7dt、長さ5mm、帝人ファイバー(株)製)を用い、実施例1と同様にしてネット上に目付8g/mの低融点層として捕集した。
次に、このウェブの上に、芯がPET,鞘が融点150℃のイソフタル酸共重合ポリエステルからなる熱接着性複合繊維(繊度2.2dt、長さ5mm、帝人ファイバー(株)製)40重量%、融点250℃のPET繊維(2.2dt、長さ5mm)を60重量%の割合で混合したものを、同様にして目付10g/mの高融点層として積層捕集した。この積層ウェブを155℃の熱風オーブンで2分間加熱してから、低融点層側温度125℃、高融点層側温度160℃、線圧20kgf/cmの一対の金属ローラーでカレンダー仕上げした。得られた層状複合エアレイド不織布は実施例1と同様に均整度が高く、地合い良好なシートであり、ヒートシール製袋加工機のシールバーへの粘着トラブルが無く、お茶の抽出性能が良好で、熱湯でもヒートシール部の剥離がない、食品抽出用シートとして優れた実用性能を有していた。
<比較例1>
原料繊維として、芯がポリプロピレン(PP)で、鞘が融点135℃の高密度ポリエチレンからなる熱接着性複合繊維(繊度3.3dt、長さ51mm、チッソ(株)製)をカーディング機にて解繊、ウェブ化した。得られたカードウェブを搬送コンベアにて温度133℃、線圧40kgf/cmの一対の金属ローラーに送り込み、カレンダー仕上げした。得られた乾式不織布は製袋加工機のヒートシールバー面に経時粘着傾向があり、特に停台した場合はシール部に固着する場合があった。また、実施例1,2と比較して地合いが悪く、粉末煎茶のお茶バッグとして使用した場合、粉漏れが多くて抽出液は濁り大で実用上問題のあるものであった。
これらの結果を表1に示す。









Figure 2006083496
なお、各測定方法は次の方法で行った。
乾燥時引張強度:
測定方法は試料サイズが巾25mmチャック間100mmで引張速度300mm/分で測定した。なお、MDは長さ方向、CDは幅方向を示す。以下、同じ。
湿潤時引張強度:
25℃の水に3分間浸漬したあと、金網上で5分間放置した後に、乾燥時引張強力と同様にした。
ヒートシール強度:
MD方向に幅25mmの試料を切り出し、2枚を重ねてからCD方向にシール巾1.5mmでヒートシールした。ヒートシールは、石崎電機製作所製、NL−301Jインパルスシーラーを使用し、目盛5でシールした。その後、このシールされた試料の両端部をチャック間100mmとなるようチャックで把持し、引張速度100mm/分でヒートシール強度を測定した。なお、湿潤時は上記の湿潤時引張強度と同様にしてから測定した。
地合:
肉眼判定によった。斑の少ない状態を◎、斑が大きい状態を×とした。
通気度:
JIS L1096A法(フラジール法)によった。
濾水度:
JIS P3801(ヘルツベルヒ濾過速度試験法)によった。ただし、水量は500ccとした。
お茶の抽出性:
粉末煎茶10gを収納したタテ/ヨコ各5cmのバッグをヒートシール法で作製し、これを90℃の熱水250ccと共に容器中で攪拌棒でゆるやかに攪拌し続けながら2分間抽出させた。その後バッグを取り出した後の抽出液の濃度、粉漏れの有無を観察した。濃度は、粉末煎茶10gを直接熱水中に入れて抽出させた場合と比較し、ほぼ同等な濃さが得られた場合を◎、やや薄い場合を○、明らかに薄い場合を×とした。
熱湯によるシール部の安定性:
沸水中に3分浸漬してから、シール部が剥離しないか観察した。
◎・・・・湯中で攪拌しても剥離せず、取り出してから指でシール部を引っ張っても剥離しない。
○・・・・取り出してから指で引張ると一部剥離するが、湯中攪拌では剥離せず、実用上問題はない。
△・・・・取り出してから引張ると容易に剥離し、湯中で攪拌した場合に一部剥離が観察される。
×・・・・湯中攪拌でシール部が剥離して粉末煎茶が湯中に流出し、抽出シートとして不適である。
ヒートシール加工性:
上記ヒートシール強度試験に使用したヒートシーラーの、シール面に対する粘着状況を観察した。
本発明の食品抽出用合繊エアレイド複合シートは、食品抽出性、ヒートシール性、安全性に優れ、ティーバック、コーヒーフィルター、だしパック、などの用途に好ましく用いることができる。

Claims (3)

  1. 少なくとも二層の繊維ウェブからなり、一方の繊維ウェブが芯鞘型複合繊維の低融点成分である鞘成分、あるいはサイドバイサイド型複合繊維の低融点側の成分の融点Amが110〜155℃で、繊度が1.5〜4.5dtである熱接着性複合繊維(A)からなる目付2〜30g/mの低融点の繊維ウェブであり、
    反対面の繊維ウェブが、芯鞘型複合繊維の低融点成分である鞘成分、あるいはサイドバイサイド型複合繊維の低融点側の成分の融点Bmが140〜180℃で、繊度が1.5〜4.5dtである熱接着性複合繊維(B)と、融点が200℃以上で繊度が1.5〜4.5dtである高融点合成繊維(C)との混合からなる目付2〜30g/mの高融点の繊維ウェブであって、
    かつ上記AmとBmが下記式(1)を満たしており、これらの繊維ウェブをエアレイド法により層状に作製し加熱によって繊維間結合を一体化させてなる、食品抽出用合繊エアレイド複合シート。
    Am≦Bm・・・・・(1)
  2. 低融点の繊維ウェブを構成する熱接着性複合繊維(A)、ならびに高融点の繊維ウェブを構成する、熱接着性複合繊維(B)および高融点合成繊維(C)が、ポリエステル系成分からなる、請求項1記載の食品抽出用合繊エアレイド複合シート。
  3. 高融点の繊維ウェブを構成する、熱接着性複合繊維(B)と高融点合成繊維(C)との混合比率が、80/20重量%〜30/70重量%である請求項1または2記載の食品抽出用合繊エアレイド複合シート。

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