JP2007308842A - 熱接着性と通気性に優れるポリエステル不織布 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱接着性、通気性に優れ、不織布の厚みが薄く、多孔性で繊維分散が均一な不織布であり、耐薬品性、寸法安定性に優れ、熱接着時に皺等の発生が少ないポリエステル不織布を提供する。
【解決手段】単繊維の繊維長が2mm〜8mmで平均繊維径20μm以下のポリエステル短繊維からなる、坪量5〜35g/m2、通気度200cm3/cm2/sec以上のポリエステル不織布であり、該ポリエステル不織布を150度で熱接着したポリエステル不織布のT型剥離強度が1.2N/cm以上であることを特徴とする熱接着性に優れた不織布であり、ポリエステル短繊維が複数の融点を持ち、80℃〜150℃及び200℃〜270℃の融点範囲を有する複合ポリエステル短繊維からなることを特徴とする熱接着性に優れた不織布である。
【選択図】なし
【解決手段】単繊維の繊維長が2mm〜8mmで平均繊維径20μm以下のポリエステル短繊維からなる、坪量5〜35g/m2、通気度200cm3/cm2/sec以上のポリエステル不織布であり、該ポリエステル不織布を150度で熱接着したポリエステル不織布のT型剥離強度が1.2N/cm以上であることを特徴とする熱接着性に優れた不織布であり、ポリエステル短繊維が複数の融点を持ち、80℃〜150℃及び200℃〜270℃の融点範囲を有する複合ポリエステル短繊維からなることを特徴とする熱接着性に優れた不織布である。
【選択図】なし
Description
本発明は良好な通気性を有し、熱接着性に優れるポリエステル不織布に関する。
従来から不織布は通気性、通液性、吸水性等が求められる衣料用、産業資材用、土木建築資材用、農芸園芸資材用、生活関連資材用、医療衛生材用等の種々の用途に使用されている。これらの通気性不織布に熱接着性を付与する方法としては、熱接着性芯鞘複合短繊維を含む短繊維不織布(例えば特許文献1参照)、通気性不織布に熱接着性樹脂等を塗布する方法(例えば特許文献2参照)、通気性不織布の繊維に熱接着性樹脂を鞘とした芯/鞘繊維等を含む通気性不織布の繊維を交絡させて一枚の通気性不織布とする方法(例えば特許文献3参照)がある。
特開2003−268631号公報
特開平9−300547号公報
特開平2−127551号公報
通気性不織布に熱接着性フィルムをラミネートする方法では、熱接着性フィルムによって通気性が損なわれるために別途フィルムの穿孔を行う必要があり、この方法では通気性不織布本来の通気性が失われ、またあらかじめ穿孔されたフィルムを用いる場合は強度が低く取り扱いが難しい。更に熱接着をおこなった場合、熱の影響で孔がふさがれることがある。一方、通気性不織布に熱接着性樹脂を塗布する方法では不織布の製造工程が複雑になり、熱接着性樹脂を多く塗布すると通気性が損なわれ、熱接着性樹脂が少ないと必要な強度が得られない。また、通気性不織布の繊維に熱接着性樹脂を鞘とした芯/鞘繊維等を含む通気性不織布の繊維を交絡させて一枚の通気性不織布とする方法では不織布の製造工程が複雑になり、あらかじめ決められた条件で不織布を生産するため基材の種類や物性等の選択性が劣る。また乾式不織布で熱接着性樹脂を鞘とした芯/鞘繊維を用いる方法があるが低坪量での繊維分散が劣り強度ムラが発生しやすくなるため坪量が高く通気性が劣るという問題がある。
本発明者らは上記問題に鑑み、鋭意検討した結果、高い通気性を有し、繊維の分散が均一な薄い熱接着性不織布を得ることによって上記問題が解決されることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明の第1は、単繊維の繊維長が2mm〜8mmで平均繊維径20μm以下のポリエステル短繊維からなる、坪量5〜35g/m2、通気度200cm3/cm2/sec以上のポリエステル不織布であり、該ポリエステル不織布を150度で熱接着したポリエステル不織布のT型剥離強度が1.2N/cm以上であることを特徴とする熱接着性に優れた不織布であり、本発明の第2は、ポリエステル短繊維が複数の融点を持ち、80℃〜150℃及び200℃〜270℃に融点を有する複合ポリエステル短繊維からなることを特徴とする熱接着性に優れた不織布である。
すなわち本発明の第1は、単繊維の繊維長が2mm〜8mmで平均繊維径20μm以下のポリエステル短繊維からなる、坪量5〜35g/m2、通気度200cm3/cm2/sec以上のポリエステル不織布であり、該ポリエステル不織布を150度で熱接着したポリエステル不織布のT型剥離強度が1.2N/cm以上であることを特徴とする熱接着性に優れた不織布であり、本発明の第2は、ポリエステル短繊維が複数の融点を持ち、80℃〜150℃及び200℃〜270℃に融点を有する複合ポリエステル短繊維からなることを特徴とする熱接着性に優れた不織布である。
本発明のポリエステル不織布は、熱接着性、通気性、に優れた非常に薄い多孔性で繊維分散が均一な不織布を提供するもので、熱接着性を有するポリエステル短繊維で構成されているため、不織布両面での接着が可能であり、接着する基材を貼り合わせの都度任意に選択することが可能である、従来に無い特徴を持つという顕著な効果を有するものである。
以下、本願発明について詳細に説明する。
本発明の熱接着性、通気性を有するポリエステル不織布は、ポリエステルの繊維長2mm〜8mmにカットされた短繊維を湿式抄紙法により不織布としたものであり、繊維の分散が極めて良好であるため、坪量5〜35g/m2という低坪量で高い通気性を有しかつ高強度が得られるものである。またポリエステル短繊維を用いているため耐水性、耐薬品性も高い。本発明に用いるポリエステル短繊維は繊維長2mm〜8mmにカットされた短繊維であることが好ましい。繊維長2mm以上とすることで抄紙時の紙強度を維持できる。より好ましくは3mm以上である。また、繊維長を8mm以下とすることで抄紙時の分散均一性を向上することができる。より好ましくは6mm以下であり、さらに好ましくは5mm以下である。繊維長の測定は任意に抽出した20本の繊維をマイクロスコープ(キーエンス社製)にて50倍に拡大投影し、モニター画面上に映し出した繊維の端部から端部迄を繊維の幅から大幅にずれないようにして各点間距離を計測した。
本発明の熱接着性、通気性を有するポリエステル不織布は、ポリエステルの繊維長2mm〜8mmにカットされた短繊維を湿式抄紙法により不織布としたものであり、繊維の分散が極めて良好であるため、坪量5〜35g/m2という低坪量で高い通気性を有しかつ高強度が得られるものである。またポリエステル短繊維を用いているため耐水性、耐薬品性も高い。本発明に用いるポリエステル短繊維は繊維長2mm〜8mmにカットされた短繊維であることが好ましい。繊維長2mm以上とすることで抄紙時の紙強度を維持できる。より好ましくは3mm以上である。また、繊維長を8mm以下とすることで抄紙時の分散均一性を向上することができる。より好ましくは6mm以下であり、さらに好ましくは5mm以下である。繊維長の測定は任意に抽出した20本の繊維をマイクロスコープ(キーエンス社製)にて50倍に拡大投影し、モニター画面上に映し出した繊維の端部から端部迄を繊維の幅から大幅にずれないようにして各点間距離を計測した。
また、ポリエステル短繊維は均一で薄いシートを作製するために平均繊維径20μm以下であることが好ましい。より好ましくは15μm以下である。またシートに適度な通気性を保つために平均繊維径は2μm以上が好ましい。より好ましくは5μm以上である。平均繊維径の測定は任意に抽出した20本の繊維についてマイクロスコープ(キーエンス社製)にて500倍に拡大投影し、モニター画面上に映し出した繊維1本あたり任意の3箇所の繊維径を計測し平均値を算出した。
本発明の不織布は坪量5〜35g/m2であることが好ましい。坪量を坪量5g/m2以上とすることで不織布の強度を得られる。より好ましくは8g/m2以上であり、さらに好ましくは10g/m2以上である。また、坪量を35g/m2以下とすることで高い通気性が得られる。より好ましくは30g/m2以下である。
本発明の不織布は坪量5〜35g/m2であることが好ましい。坪量を坪量5g/m2以上とすることで不織布の強度を得られる。より好ましくは8g/m2以上であり、さらに好ましくは10g/m2以上である。また、坪量を35g/m2以下とすることで高い通気性が得られる。より好ましくは30g/m2以下である。
本発明の不織布は厚み200μm以下であることが好ましい。熱接着不織布の厚みを薄とすることで熱接着後の製品の厚みを抑えることができ、多層に重ねて接着した場合の厚み変化を低減できる。より好ましくは150μm以下である。
本発明の不織布は通気度200cm3/cm2/sec以上とすることで通気性不織布と貼り合わせた後の通気性の低下を低く抑えることができる。より好ましくは250cm3/cm2/sec以上である。本発明の不織布をポリエステル繊維からなるスパンボンド法で生産された坪量30g/m2の通気性不織布と、熱プレス温度150度、熱プレス加重17kN、熱プレス時間5secで熱接着した後、剥離速度300mm/min、でT型剥離試験を行った場合の剥離強度が1.2N/cm以上であることが好ましい。より好ましくは1.5N/cm以上である。また、本発明の不織布をポリエステル繊維からなるスパンボンド法で生産された坪量30g/m2の通気性不織布と、熱プレス温度110度、熱プレス加重17kN、熱プレス時間5secで熱接着した後、剥離速度300mm/min、でT型剥離試験を行った場合の剥離強度が0.2N/cm以上あることにより熱プレス温度110度で基材と簡易接着をさせた後さらに150度で加熱して強固に接着させる等の作業が可能となるため好ましい。本発明に用いるポリエステル短繊維は複数の融点を持ち、80℃〜150℃及び200℃〜270℃に融点を有する複合ポリエステル短繊維からなることが好ましい。複数の融点を持つため熱接着時に不織布の寸法変化を低く抑えることが可能となる。より好ましくは100℃〜150℃の融点と200℃〜270℃の融点を有する複合ポリエステル短繊維からなることである。
本発明の不織布は通気度200cm3/cm2/sec以上とすることで通気性不織布と貼り合わせた後の通気性の低下を低く抑えることができる。より好ましくは250cm3/cm2/sec以上である。本発明の不織布をポリエステル繊維からなるスパンボンド法で生産された坪量30g/m2の通気性不織布と、熱プレス温度150度、熱プレス加重17kN、熱プレス時間5secで熱接着した後、剥離速度300mm/min、でT型剥離試験を行った場合の剥離強度が1.2N/cm以上であることが好ましい。より好ましくは1.5N/cm以上である。また、本発明の不織布をポリエステル繊維からなるスパンボンド法で生産された坪量30g/m2の通気性不織布と、熱プレス温度110度、熱プレス加重17kN、熱プレス時間5secで熱接着した後、剥離速度300mm/min、でT型剥離試験を行った場合の剥離強度が0.2N/cm以上あることにより熱プレス温度110度で基材と簡易接着をさせた後さらに150度で加熱して強固に接着させる等の作業が可能となるため好ましい。本発明に用いるポリエステル短繊維は複数の融点を持ち、80℃〜150℃及び200℃〜270℃に融点を有する複合ポリエステル短繊維からなることが好ましい。複数の融点を持つため熱接着時に不織布の寸法変化を低く抑えることが可能となる。より好ましくは100℃〜150℃の融点と200℃〜270℃の融点を有する複合ポリエステル短繊維からなることである。
ここでいう融点は任意に抽出した繊維をDSCにて昇温速度20℃/minで測定し、結晶融解ピークを与えるものはそのピーク温度、明瞭なピークを示さないものについては、加熱昇温顕微鏡下の観察にて昇温速度は1℃/minで観察し流動開始する温度を云う。
ここで用いるポリエステル短繊維としては、上述した複数の融点を持つポリエステル短繊維であれば任意に用いることができる。より好ましくは熱接着時の寸法安定性を向上するため、ポリエチレンテレフタレートとイソフタル酸共重合ポリエステルからなる芯/鞘構造、サイドバイサイド構造等に複合化した繊維を用いることである。
ここで用いるポリエステル短繊維としては、上述した複数の融点を持つポリエステル短繊維であれば任意に用いることができる。より好ましくは熱接着時の寸法安定性を向上するため、ポリエチレンテレフタレートとイソフタル酸共重合ポリエステルからなる芯/鞘構造、サイドバイサイド構造等に複合化した繊維を用いることである。
本発明の不織布は湿式抄造法で作製することができる。ポリエステル短繊維を離解機で水に均一に混合分散した後、円網抄紙機、長網抄紙機、または傾斜短網抄紙機、あるいはそれらを組み合わせたコンビネーション抄紙機などで抄造し、網上に該繊維が平面状に均一に分散した紙層を形成する。その後、ドラムドライヤー、ヤンキードライヤー、熱風ドライヤーなどの乾燥機でポリエステル繊維同士を融着して不織布の最終強度を発現させる。
本発明の不織布は重量のばらつきが15%以下であることが好ましい。これによって通気性、接着性の位置によるばらつきを抑え良好な性能を得ることができる。より好ましくは10%以下である。ここでいう不織布の重量のばらつきとは、不織布から任意に取り出した縦(MD)15cm×横(CD)15cmの試験片を均等に9分割(試験片は一辺が50mm±0.5mm以内とする。)した後、それぞれの試験片の重量を0.1mgの精度で測定し、重量のばらつきを以下の式で算出したものである。(測定重量の最大値(mg)−測定重量の最小値(mg))/9点の測定重量の平均値(mg)×100(%)
本発明の不織布は重量のばらつきが15%以下であることが好ましい。これによって通気性、接着性の位置によるばらつきを抑え良好な性能を得ることができる。より好ましくは10%以下である。ここでいう不織布の重量のばらつきとは、不織布から任意に取り出した縦(MD)15cm×横(CD)15cmの試験片を均等に9分割(試験片は一辺が50mm±0.5mm以内とする。)した後、それぞれの試験片の重量を0.1mgの精度で測定し、重量のばらつきを以下の式で算出したものである。(測定重量の最大値(mg)−測定重量の最小値(mg))/9点の測定重量の平均値(mg)×100(%)
本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。不織布の特性測定結果を表1に示す。
[実施例1]
平均繊維径10μm、繊維長3mmの芯鞘型ポリエステル短繊維100重量%に消泡剤を添加し、高速離解機で水分散し繊維分散液を調整した。この繊維分散液にポリエチレンオキサイドを添加し、190メッシュ相当の抄紙網を備えた傾斜短網抄紙機で抄紙し表面温度150℃のヤンキードライヤーで加熱乾燥し、坪量8g/m2、不織布重量のばらつき9%、厚み45μmの不織布を得た。
平均繊維径10μm、繊維長3mmの芯鞘型ポリエステル短繊維100重量%に消泡剤を添加し、高速離解機で水分散し繊維分散液を調整した。この繊維分散液にポリエチレンオキサイドを添加し、190メッシュ相当の抄紙網を備えた傾斜短網抄紙機で抄紙し表面温度150℃のヤンキードライヤーで加熱乾燥し、坪量8g/m2、不織布重量のばらつき9%、厚み45μmの不織布を得た。
[実施例2]
平均繊維径12μm、繊維長5mmの芯鞘型ポリエステル短繊維100重量%に消泡剤を添加し、高速離解機で水分散し繊維分散液を調整した。この繊維分散液にポリエチレンオキサイドを添加し、100メッシュの抄紙網を備えた円網抄紙機で抄紙し表面温度130℃のヤンキードライヤーで加熱乾燥し、坪量10g/m2、不織布重量のばらつき9%、厚み50μmの不織布を得た。
平均繊維径12μm、繊維長5mmの芯鞘型ポリエステル短繊維100重量%に消泡剤を添加し、高速離解機で水分散し繊維分散液を調整した。この繊維分散液にポリエチレンオキサイドを添加し、100メッシュの抄紙網を備えた円網抄紙機で抄紙し表面温度130℃のヤンキードライヤーで加熱乾燥し、坪量10g/m2、不織布重量のばらつき9%、厚み50μmの不織布を得た。
[実施例3]
平均繊維径10μm、繊維長3mmの芯鞘型ポリエステル短繊維100重量%に消泡剤を添加し、高速離解機で水分散し繊維分散液を調整した。この繊維分散液にポリエチレンオキサイドを添加し、190メッシュ相当の抄紙網を備えた傾斜短網抄紙機で抄紙し表面温度150℃のヤンキードライヤーで加熱乾燥し、坪量20g/m2、不織布重量のばらつき5%、厚み80μmの不織布を得た。
平均繊維径10μm、繊維長3mmの芯鞘型ポリエステル短繊維100重量%に消泡剤を添加し、高速離解機で水分散し繊維分散液を調整した。この繊維分散液にポリエチレンオキサイドを添加し、190メッシュ相当の抄紙網を備えた傾斜短網抄紙機で抄紙し表面温度150℃のヤンキードライヤーで加熱乾燥し、坪量20g/m2、不織布重量のばらつき5%、厚み80μmの不織布を得た。
[実施例4]
平均繊維径13.5μm、繊維長5mmの芯鞘型ポリエステル短繊維100重量%に消泡剤を添加し、高速離解機で水分散し繊維分散液を調整した。この繊維分散液にポリエチレンオキサイドを添加し、100メッシュの抄紙網を備えた円網抄紙機で抄紙し表面温度130℃のヤンキードライヤーで加熱乾燥し、坪量30g/m2、不織布重量のばらつき4%、厚み120μmの不織布を得た。
平均繊維径13.5μm、繊維長5mmの芯鞘型ポリエステル短繊維100重量%に消泡剤を添加し、高速離解機で水分散し繊維分散液を調整した。この繊維分散液にポリエチレンオキサイドを添加し、100メッシュの抄紙網を備えた円網抄紙機で抄紙し表面温度130℃のヤンキードライヤーで加熱乾燥し、坪量30g/m2、不織布重量のばらつき4%、厚み120μmの不織布を得た。
[比較例1]
平均繊維径10μm、繊維長10mmの芯鞘型ポリエステル短繊維80重量%に平均繊維径5μm、繊維長10mmのポリエステル短繊維20重量%を混合した後消泡剤を添加し、高速離解機で水分散し繊維分散液を調整した。この繊維分散液にポリエチレンオキサイドを添加し、100メッシュの抄紙網を備えた円網抄紙機で抄紙し表面温度130℃のヤンキードライヤーで加熱乾燥し、坪量50g/m2、不織布重量のばらつき20%、厚み160μmの不織布を得た。
平均繊維径10μm、繊維長10mmの芯鞘型ポリエステル短繊維80重量%に平均繊維径5μm、繊維長10mmのポリエステル短繊維20重量%を混合した後消泡剤を添加し、高速離解機で水分散し繊維分散液を調整した。この繊維分散液にポリエチレンオキサイドを添加し、100メッシュの抄紙網を備えた円網抄紙機で抄紙し表面温度130℃のヤンキードライヤーで加熱乾燥し、坪量50g/m2、不織布重量のばらつき20%、厚み160μmの不織布を得た。
[比較例2]
平均繊維径10μm、繊維長3mmの芯鞘型ポリエステル短繊維50重量%とリンターパルプ50重量%に消泡剤を添加し、高速離解機で水分散し繊維分散液を調整した。この繊維分散液にポリエチレンオキサイドを添加し、190メッシュ相当の抄紙網を備えた傾斜短網抄紙機で抄紙し表面温度150℃のヤンキードライヤーで加熱乾燥し、坪量20g/m2、不織布重量のばらつき10%、厚み72μmの不織布を得た。
平均繊維径10μm、繊維長3mmの芯鞘型ポリエステル短繊維50重量%とリンターパルプ50重量%に消泡剤を添加し、高速離解機で水分散し繊維分散液を調整した。この繊維分散液にポリエチレンオキサイドを添加し、190メッシュ相当の抄紙網を備えた傾斜短網抄紙機で抄紙し表面温度150℃のヤンキードライヤーで加熱乾燥し、坪量20g/m2、不織布重量のばらつき10%、厚み72μmの不織布を得た。
実施例1〜4および比較例1〜2で作製した不織布を以下の方法で評価比較した。
坪量:
恒温恒湿(20℃、65%RH)で24時間静置した試験片(31.5cm×31.5cm)10枚の質量を測定した。
厚み:
JISP−8118により測定した。
引張強さ:
定速伸張形引張試験機を用い、試験片幅15mm、試験片長100mmの試験片を伸張速度300mm/minで伸張し、破断までの最大荷重(N)を測定し、幅方向1cmあたりの最大荷重(N)に換算し引張強さ(N/cm)とした。
WET引張強さ:
試験片幅15mm、試験片長100mmの試験片を23℃の水中に20分浸漬した後、定速伸張形引張試験機を用い伸張速度300mm/minで伸張し、破断までの最大荷重(N)を測定し、幅方向1cmあたりの最大荷重(N)に換算しWET引張強さ(N/cm)とした。
坪量:
恒温恒湿(20℃、65%RH)で24時間静置した試験片(31.5cm×31.5cm)10枚の質量を測定した。
厚み:
JISP−8118により測定した。
引張強さ:
定速伸張形引張試験機を用い、試験片幅15mm、試験片長100mmの試験片を伸張速度300mm/minで伸張し、破断までの最大荷重(N)を測定し、幅方向1cmあたりの最大荷重(N)に換算し引張強さ(N/cm)とした。
WET引張強さ:
試験片幅15mm、試験片長100mmの試験片を23℃の水中に20分浸漬した後、定速伸張形引張試験機を用い伸張速度300mm/minで伸張し、破断までの最大荷重(N)を測定し、幅方向1cmあたりの最大荷重(N)に換算しWET引張強さ(N/cm)とした。
T型剥離強度:
本発明の不織布を幅9cm、長さ20cmにカットし、幅9cm、長さ20cmにカットしたポリエステル製スパンボンド不織布(エルタス:旭化成せんい製、坪量30g/m2)に重ね、長さ方向の一方の端から5cmまでは剥離測定時にチャックではさめるように相紙をはさみ貼り合わせ試料とした。この試料を熱接着の際に試料が熱プレス機のプレス面に熱接着することを防止するため、あらかじめ熱プレス機のプレス面にテフロン(登録商標)系スプレー剥離剤を噴霧した熱プレス機にて熱プレス温度150℃、熱プレス加重17kN、熱プレス時間5secで貼り合わせた後、幅1.5cm、長さ15cmにカットしてT型剥離強度用測定試料とした。
この試料の両端を測定器のチャックでつかみ、剥離速度300mm/minでT型剥離試験を行った時の剥離強度の最高強度3点と最低強度3点を読み取りその平均値を幅1cm当たりの剥離強度に換算した。
本発明の不織布を幅9cm、長さ20cmにカットし、幅9cm、長さ20cmにカットしたポリエステル製スパンボンド不織布(エルタス:旭化成せんい製、坪量30g/m2)に重ね、長さ方向の一方の端から5cmまでは剥離測定時にチャックではさめるように相紙をはさみ貼り合わせ試料とした。この試料を熱接着の際に試料が熱プレス機のプレス面に熱接着することを防止するため、あらかじめ熱プレス機のプレス面にテフロン(登録商標)系スプレー剥離剤を噴霧した熱プレス機にて熱プレス温度150℃、熱プレス加重17kN、熱プレス時間5secで貼り合わせた後、幅1.5cm、長さ15cmにカットしてT型剥離強度用測定試料とした。
この試料の両端を測定器のチャックでつかみ、剥離速度300mm/minでT型剥離試験を行った時の剥離強度の最高強度3点と最低強度3点を読み取りその平均値を幅1cm当たりの剥離強度に換算した。
通気度:
JIS−L−1096の通気性A法に準じフラジール型試験機によって行った。
分散性の評価:
不織布から任意に取り出した縦(MD)15cm×横(CD)15cmの試験片を均等に9分割(試験片は一辺が50mm±0.5mm以内とする。)した後、それぞれの試験片の重量を0.1mgの精度で測定し、重量のばらつきを以下の式で算出した。(測定重量の最大値(mg)−測定重量の最小値(mg))/9点の測定重量の平均値(mg)×100(%)
JIS−L−1096の通気性A法に準じフラジール型試験機によって行った。
分散性の評価:
不織布から任意に取り出した縦(MD)15cm×横(CD)15cmの試験片を均等に9分割(試験片は一辺が50mm±0.5mm以内とする。)した後、それぞれの試験片の重量を0.1mgの精度で測定し、重量のばらつきを以下の式で算出した。(測定重量の最大値(mg)−測定重量の最小値(mg))/9点の測定重量の平均値(mg)×100(%)
本発明は良好な通気性を有し、熱接着性に優れるポリエステル不織布であり、衣料生地の熱接着、通気性袋(例えばティーバッグ、乾燥剤、防虫剤包装袋や防塵カバー等)の貼り合わせ、内装材の基材への接着、フィルターの熱接着、壁紙、襖、障子紙の熱接着等の用途で好適に利用できる。
Claims (2)
- 単繊維の繊維長が2mm〜8mmで平均繊維径20μm以下のポリエステル短繊維からなる、坪量5〜35g/m2、通気度200cm3/cm2/sec以上のポリエステル不織布であり、該ポリエステル不織布を150度で熱接着したポリエステル不織布のT型剥離強度が1.2N/cm以上であることを特徴とする熱接着性に優れた不織布。
- ポリエステル短繊維が複数の融点を持ち、80℃〜150℃及び200℃〜270℃に融点を有する複合ポリエステル短繊維からなることを特徴とする請求項1の熱接着性に優れた不織布
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006140840A JP2007308842A (ja) | 2006-05-19 | 2006-05-19 | 熱接着性と通気性に優れるポリエステル不織布 |
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JP2006140840A JP2007308842A (ja) | 2006-05-19 | 2006-05-19 | 熱接着性と通気性に優れるポリエステル不織布 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2006083496A (ja) * | 2004-09-17 | 2006-03-30 | Kinsei Seishi Kk | 食品抽出用合繊エアレイド複合シート |
-
2006
- 2006-05-19 JP JP2006140840A patent/JP2007308842A/ja active Pending
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