JP2006083160A - ラクタム化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
従来のものよりも高い活性を示す固体触媒を簡便な方法で調製し、該固体触媒を用いて
硫安を副生しないカプロラクタムの製造方法を提供する。
【解決手段】
タングステン化合物とシリカゾルを含む水溶液もしくは水溶性有機物溶液からゾルゲル法を用いて調製したタングステン含有固体触媒と、環状ケトオキシム化合物を気固相で接触させることを特徴とするカプロラクタムの製造方法により達成され、好ましくは、タングステン含有固体触媒中のタングステン元素の含有率が、0.5重量%〜25重量%である触媒を使用することにより達成される。
【選択図】 なし。

Description

本発明は炭素数4〜7の環状ケトオキシム化合物を気固相でベックマン転位させて、ラクタム化合物を製造する方法に関する。更に詳しくは、タングステン化合物とシリカゾルを含む溶液より調製した固体触媒を使用し、この触媒と環状ケトオキシム化合物を気固相で接触させるラクタム化合物の製造方法に関する。
ラクタム化合物としては、ε−カプロラクタムが代表的であるが、ε−カプロラクタムは、シクロヘキサノンとヒドロキシルアミンより合成されたシクロヘキサノンオキシムをベックマン転位することにより製造される。現在稼動しているε−カプロラクタムの商業プラントでは、触媒として濃硫酸が主に用いられている。この場合、生成物であるε-カプロラクタムは硫酸と塩を形成しているため、ε-カプロラクタムを単離するには、例えば、アンモニアと反応させて硫安の形にして硫酸を除去している。生成する硫安は、かつては肥料としての需要があり、製造原価から控除され、このプロセスを経済的に優位にしていたが、現状では硫安の需要は少なく、硫安を副生しない製造プロセスの確立が求められている。
ところで、シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位において硫安を副生しないプロセスとしては、固体酸触媒を用いた気相ベックマン転位が提案されている。例えば、非特許文献1には、固体酸であるH型のゼオライトYを触媒とする方法が、非特許文献2には、市販のSiO−Alを触媒とする方法が記載されている。しかしながら、いずれの触媒も、ε-カプロラクタムの収率は67%と低いものであった。
さらに、特許文献1には、Si/Al(原子比)が500以上である結晶性アルミノシリケートを用いる方法が、特許文献2には、Si/金属(Al以外の金属)(原子比)が500以上である結晶性メタロシリケートであり、細孔外酸量が特定の値以下であるものを用いる方法が記載されている。また、特許文献3には、Si/Al(原子比)が500以上である結晶性アルミノシリケートを用いる反応系において、炭素数6以下の低級アルコールを共存させることによって、93%と高い選択率でε−カプロラクタムを製造する方法が記載されている。
しかしながら、このようなSi/金属(Alも含む)(原子比)が500以上である結晶性メタロシリケート又は結晶性アルミノシリケートを製造するには、Si源として不純物含量の低い高純度の原料を用いることが必要であり(特許文献1参照)、製造の過程においても、不純物の混入を防ぐことが要求される。このため、Si/金属(Alも含む)(原子比)が大きい結晶性メタロシリケート又は結晶性アルミノシリケートの工業的な生産は容易ではない。
その他、特許文献4には、タングステン酸アンモニウムを用いて調製されたタングステン担持触媒を用いたベックマン転位が記載されている。しかし、この触媒では、活性成分であるタングステンの担持量が20〜数十重量%と多いにもかかわらず、目的物のε−カプロラクタムの収率は70%程度と低いものであった。
非特許文献3には、WClから調製されたシリカ坦持タングステン酸化物触媒を用いる方法が記載されており、ε−カプロラクタムの収率も90%程度と高収率である。しかしながら、この触媒の調製法は、四塩化炭素にWClを溶解させた後に、シリカゲルを含浸させ、さらに硝酸処理を行い、水洗処理で塩素を除去するという煩雑な工程が必要である。また、四塩化炭素という有害物質を使用しなければならないということも問題点であった。
特許文献5には、塩基性条件下でシリカゲルの表面上にタングステン酸化物を担持させたタングステン含有固体触媒を用いたベックマン転位反応が記載されており、ε−カプロラクタムの選択率が93%という結果が報告されている。しかし、低いシクロヘキサノンオキシムのフィード量 WHSV(重量空間速度)(0.0975hr−1)での成績であり、このWHSVでは、工業的に考えた場合、生産性に欠ける。
J.Catal.,6,p.245(1966) 日本化学会誌,p.77(1977) Catal.Lett.,49,p.229(1997) 加賀美 敏郎、林 瑛、「高純度シリカの応用技術」,シーエムシー,1991,p.220〜222 特開昭62−123167号公報 特開昭63−54358号公報 特開平2−275850号公報 特公昭48−16516号公報 特開2002−145853号公報 特開昭55−53267号公報 特開昭53−35691号公報 特開2000−229939号公報
本発明は、簡便な方法で調製できる固体触媒を用いて、硫安を副生する事無く、ラクタム化合物を収率良く製造する方法を提供することを課題とする。
本発明の課題は、タングステン化合物とシリカゾルを含む水溶液もしくは水溶性有機物溶液からゾルゲル法を用いて調製したタングステン元素含有固体触媒と、環状ケトオキシム化合物とを気固相で接触させることを特徴とするラクタム化合物の製造方法により解決される。
本発明により、環状ケトオキシム化合物を気相でベックマン転位させラクタム化合物を製造する方法において、簡便な方法で調製できるタングステン元素含有固体触媒を使用することにより、硫安を生成する事なく、高いWHSVにおいても高い転化率および選択率でラクタム化合物を製造することができる。
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明で使用するタングステン元素含有固体触媒は、タングステン化合物とシリカゾルを含む水溶液もしくは水溶性有機物溶液からゾルゲル法を用いて調製される。
ここで、タングステン化合物としては、例えば、タングステン酸、パラタングステン酸、若しくはメタタングステン酸などのタングステン酸、又は、これらのタングステン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、若しくは各種金属塩、ホウ化タングステン、炭化タングステン、塩化タングステン、タングステンヘキサカルボニル、二ケイ化タングステン、或いは、リンタングステン酸、ケイタングステン酸などのヘテロポリタングステン酸、又は、これらのヘテロポリタングステン酸のアルカリ金属塩、若しくはアンモニウム塩などが挙げられる。
好ましくは、タングステン酸、パラタングステン酸、若しくはメタタングステン酸などのタングステン酸、又は、これらのタングステン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、若しくは各種金属塩、或いは、リンタングステン酸、ケイタングステン酸などのヘテロポリタングステン酸、又は、これらのヘテロポリタングステン酸の塩アルカリ金属塩、アンモニウム塩であり、より好ましくは、タングステン酸、パラタングステン酸、若しくはメタタングステン酸、又は、これらのタングステン酸のアルカリ金属塩、若しくはアンモニウム塩である。
これらの化合物は、単独でも2種以上を混合して使用しても良い。
本発明で使用するシリカゾルの製法としては、電気透析法、ケイ酸塩の酸による中和法、有機ケイ素化合物の加水分解法、四塩化ケイ素の加水分解法、気相法シリカの解重合法、イオン交換樹脂法、解膠法などが挙げられる。(非特許文献4参照)
これらのシリカゾルの製法においては、シリカゾルが安定に存在する条件であれば、溶媒、液性(pH、イオン強度)等は特に限定されない。
また、ゾルの形態としてはシリカゾルが分散している溶媒は水であっても良いし、水溶性有機物、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ジオキサン等の環状エーテル、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類などであっても良い。また上記の、水もしくは水溶性有機物の混合物が溶媒となっていても良い。
タングステン化合物とシリカゾルを含む水溶液もしくは水溶性有機物溶液の調製は、シリカゾルを含む水溶液もしくは水溶性有機物溶液中に、タングステン化合物を溶解させても良く、最初にタングステン化合物を水もしくは水溶性有機物に溶解させた後に、シリカゾルを含む水溶液もしくは水溶性有機物溶液と混合しても良い。この場合、タングステン化合物を溶解させる溶媒とシリカゾルが溶けている溶媒が同種である必要はない。
タングステン化合物とシリカゾルを含む水溶液もしくは水溶性有機物溶液の濃度は1〜80重量%、好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは15〜60重量%である。
この調製時の温度は室温が好ましい。
本発明において、触媒中に含まれるタングステン元素の含有率は、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1〜25重量%である。
タングステン化合物とシリカゾルを含む水溶液もしくは水溶性有機物溶液のゾルゲル法としては、ゲル化剤を添加してゲル化する方法、タングステン化合物とシリカゾルを含む水溶液もしくは水溶性有機物溶液のpHを中性近傍に調製してゲル化する方法、タングステン化合物水溶液とシリカゾル水溶液との混合操作によってゲル化する方法、上記水溶液もしくは水溶性有機物溶液から溶媒(水および/または水溶性有機物)を除去してゲル化する方法が挙げられる。
ゲル化剤を添加してゲル化する方法では、ゲル化剤として、水溶性の2価以上の金属塩、若しくは、界面活性剤を使用することができる。水溶性の2価以上の金属塩としては、例えば、バリウム,マグネシウム,カルシウム,銅,ニッケル,コバルト,アルミニウム等の硝酸塩,酢酸塩,硫酸塩,塩化物塩等が好適に使用できる。

界面活性剤としては、例えば、アルキルアンモニウム塩,アルキルグリシン等が好適に使用できる。
タングステン化合物とシリカゾルを含む水溶液もしくは水溶性有機物溶液のpHを中性近傍に調製してゲル化する方法は、タングステン化合物とシリカゾルを含む水溶液もしくは水溶性有機物溶液が塩基性であれば、酸を添加してpHを中性近傍(pH6〜8)に調整することによりゲル化させることができる。また、酸性である場合には、塩基を添加してpHを中性近傍に調製することで、ゲル化させることができる。酸としては、特に限定されるものではないが、硝酸、塩酸等の鉱物酸、酢酸等の有機酸が使用できる。塩基としては、特に限定されるものではないが、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が使用できる。
タングステン酸化合物水溶液とシリカゾル水溶液との常温における混合操作によるゲル化は、例えば、塩基性を示すシリカゾル水溶液に酸性を示すタングステン化合物水溶液を混合するのみでも、タングステン化合物濃度が高い場合はゲル化が進行する。
タングステン化合物とシリカゾルを含む水溶液もしくは水溶性有機物溶液から、溶媒を除去することによってゲル化する方法としては、これらの水溶液もしくは水溶性有機物溶液を加熱して溶媒を蒸発させる方法、減圧して溶媒を蒸発させる方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらのゾルゲル法により得られるタングステン元素含有固体触媒の前駆体(ゲル)を、マッフル炉あるいは管状炉を用いて200〜1000℃、好ましくは250〜600℃の温度範囲で、空気中あるいは窒素等の不活性ガス中、1時間から18時間、好ましくは2時間から6時間焼成することによって、本発明のタングステン元素含有固体触媒が調製される。
このタングステン元素含有固体触媒を使用した環状ケトオキシム化合物のベックマン転位反応は、以下のようにして行うことができる。
反応温度は、好ましくは100℃〜500℃、より好ましくは250〜450℃である。反応温度がこの範囲より低いと、十分な反応が進行せず、また、この範囲より高いとコーキング等の副反応を生じる。
反応圧は、好ましくは0.01〜20atmで行うことができるが、常圧で好適に反応を行うことができる。
環状ケトオキシム化合物としては炭素数4〜7の環状オキシム化合物が挙げられる。具体的には、シクロブタノンオキシム、2−メチルシクロブタノンオキシム、3−メチルシクロブタノンオキシム、2−エチルシクロブタノンオキシム、3−エチルシクロブタノンオキシム、2−プロピルシクロブタノンオキシム、3−プロピルシクロブタノンオキシム、2−イソプロピルシクロブタノンオキシム、3−イソプロピルシクロブタノンオキシム、シクロペンタノンオキシム、2−メチルシクロペンタノンオキシム、3−メチルシクロペンタノンオキシム、2−エチルシクロペンタノンオキシム、3−エチルシクロペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、2−メチルシクロヘキサノンオキシム、3−メチルシクロヘキサノンオキシム、4−メチルシクロヘキサノンオキシム、シクロヘプタノンオキシム、(2E)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−オンオキシムなどが挙げられる。
環状ケトオキシム化合物は、室温で液体のものと固体のものがあるが、固体の場合は有機溶媒に溶かして反応に供される。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ヘキサノール、ヘキシルアルコール、オクタノール等の脂肪族アルコール、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン等が好適に使用される。
環状ケトオキシム化合物の上記有機溶媒との溶液における濃度は、0.1〜90重量%、好ましくは1〜50重量%である。
シクロヘキサノンオキシムの供給量 WHSV(重量空間速度)は、0.01hr-1〜20hr-1の範囲であり、好ましくは0.05hr-1〜10hr-1である。
本発明は、上述の通り固定床反応系によって行うことが出来るが、これに限定されること無く、例えば、特許文献6、特許文献7、又は特許文献8などに記載されているような流動層反応系でも実施できる。
また、環状ケトオキシム化合物を加熱し、反応に不活性な窒素、ヘリウムガス、アルゴンガス等をキャリアーガスとして用いて触媒上に供給する方法も可能である。この場合、環状ケトオキシム化合物とキャリアーガスとの比率は、モル比で環状ケトオキシム化合物/キャリアーガス=1/200〜10/1の幅広い範囲を取れるが、好ましくは1/100〜1/1である。なお、ガス量が多すぎると触媒と環状ケトオキシムとの接触時間が短くなることで転化率が低下し、少なすぎると触媒と環状ケトオキシムとの接触時間が長くなりコーク量が増える場合がある。
以下に実施例を挙げ、具体的に説明する。
触媒を通過した直後の反応混合物は気体であるがこれを氷冷されたトラップにより捕集し、その中に含まれる原料および生成化合物を、ガスクロマトグラフィーにより分析した。
実施例1
メタタングステン酸アンモニウム塩水溶液(日本無機化学工業製:MW−2 酸化タングステン換算含有量 50重量%)0.5g、塩基性シリカゾル(日産化学工業製:スノーテックスN pH=10、シリカ含有量 20重量%)25g、および濃度28重量%のアンモニア水4mlを混合し、pHが12である溶液を調製した(酸化タングステン:シリカの重量比は1:20となる)。この溶液を室温で2時間攪拌した後、攪拌しながら、35%硝酸1mlを1分間かけて添加してゲル化させた。その後、室温で3時間乾燥させ、300℃で2時間空気焼成を行った。得られたタングステン元素含有固体触媒のタングステンの含量をプラズマ励起発光分光分析法(ICP)にて定量したところ、タングステン(W)元素として2.3重量%であった。
得られたタングステン元素含有固体触媒0.5gを内径12mmφ×長さ300mmのガラス製反応管に充填し、シクロヘキサノンオキシムと1−ヘキサノールを重量比1:19で混合した溶液を2.2g/hr(WHSV=0.22hr-1)で供給し、窒素ガスを38ml/minで流通させながら300℃で反応を行った。反応開始から6時間後、得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、シクロヘキサノンオキシムの転化率は100モル%であり、ε−カプロラクタムの選択率は92.2モル%であった。
実施例2
酸化タングステン:シリカの重量比を1:4とした以外は実施例1と同様にタングステン元素含有固体触媒を調製し、得られたタングステン元素含有固体触媒を用いて反応を行った。触媒中のタングステン含量はICPにより12重量%と定量された。反応開始から6時間後、得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、シクロヘキサノンオキシムの転化率は100モル%であり、ε−カプロラクタムの選択率は94.7モル%であった。
実施例3
塩基性シリカゾル(日産化学工業製:スノーテックスN pH=10、シリカ含有量 20重量%)40.4gおよび濃度28重量%のアンモニア水60mlを混合し、攪拌しながらメタタングステン酸アンモニウム塩水溶液8.1gを0.5時間かけて滴下した(酸化タングステン:シリカの重量比は1:2となる)。滴下後のpHは12.6となり、滴下後、約10分後にゲル化した。得られたゲルをそのまま室温で2時間攪拌した後、60℃から80℃の範囲で加熱攪拌しながら減圧乾固させ白色固体を得た。これを100℃で1時間空気乾燥した後、300℃で2時間空気焼成を行った。得られた均一白色のタングステン元素含有固体触媒のタングステン含量をICPにて定量したところ、タングステン(W)元素として23重量%であった。
得られたタングステン元素含有固体触媒0.5gを内径12mmφ×長さ300mmのガラス製反応管に充填し、これにシクロヘキサノンオキシムと1−ヘキサノールを重量比1:9で混合した溶液を0.5g/hr(WHSV=0.1hr−1)で供給し、窒素ガスを30ml/minで流通させながら300℃で反応を行った。反応開始から4時間後、得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、シクロヘキサノンオキシムの転化率は100モル%であり、ε−カプロラクタムの選択率は93.5モル%であった。
実施例4
酸化タングステン:シリカの重量比を1:200とした以外は実施例1と同様にタングステン元素含有固体触媒を調製し、反応を行った。触媒中のタングステン含量はICPにより0.24重量%であった。このタングステン元素含有固体触媒を用いて実施例1と同一の反応条件で反応を行ったところ、シクロヘキサノンオキシムの転化率は88.4モル%であり、ε−カプロラクタムの選択率は84.6モル%であった。
実施例5
実施例2で調製したタングステン元素含有固体触媒0.5gを、内径10mmφ×長さ300mmの石英製反応管に充填し、シクロヘキサノンオキシムと1−ヘキサノールを重量比1:9で混合した溶液を5.2g/h(WHSV=1.0hr−1)で供給し、窒素ガスを38ml/minで流通させながら300℃で反応を行った。反応開始から2時間後、得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、シクロヘキサノンオキシムの転化率は100モル%であり、ε−カプロラクタムの選択率は87.7モル%であった。
実施例6
塩基性シリカゾル25.0gおよび濃度28重量%のアンモニア水30mlを混合し、室温で攪拌しながらメタタングステン酸アンモニウム塩水溶液1.0gを滴下した(酸化タングステン:シリカの重量比は1:10)。滴下後、pHは12.5であったが、この時点ではゲル化せず、均一溶液であった。この溶液を引続き2時間攪拌した後、60℃から80℃の範囲で加熱攪拌しながら減圧したところ、溶液はゲル化し、その後、乾固して白色固体を得た。これを100℃で1時間空気乾燥した後、300℃で2時間空気焼成を行った。
得られた均一白色であるタングステン元素含有固体触媒のタングステン含量をICPにて定量したところ、タングステン(W)元素として6.5重量%であった。
得られたタングステン元素含有固体触媒0.5gを内径12mmφ×長さ300mmのガラス製反応管に充填し、シクロヘキサノンオキシムと1−ヘキサノールを重量比1:9で混合した溶液を4.7g/hr(WHSV=1.0hr−1)で供給し、窒素ガスを30ml/minで流通させながら300℃で反応を行った。反応開始から4時間後、得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、シクロヘキサノンオキシムの転化率は100モル%であり、ε−カプロラクタムの選択率は87.7モル%であった。
実施例7
実施例3で調製したタングステン元素含有固体触媒0.5gを、内径10mmφ×長さ300mmの石英製反応管に充填し、シクロヘキサノンオキシムと1−ヘキサノールを、重量比1:9で混合した溶液を4.7g/h(WHSV=1.0hr−1)で供給し、窒素ガスを30ml/minで流通させながら300℃で反応を行った。反応開始から4時間後、得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、シクロヘキサノンオキシムの転化率は100モル%であり、ε−カプロラクタムの選択率は83.1モル%であった。
実施例8
実施例2で調製したタングステン元素含有固体触媒0.375gを、内径10mmφ×長さ300mmの石英製反応管に充填し、シクロヘキサノンオキシムと1−ヘキサノールを、重量比1:1.8で混合した溶液を8.4g/h(WHSV=8.0hr−1)で供給し、窒素ガスを68ml/minで流通しながら350℃で反応を行った。反応開始から2時間後、得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、シクロヘキサノンオキシムの転化率は84.1モル%であり、ε−カプロラクタムの選択率は75.8モル%であった。
実施例9
塩基性シリカゾル75.0gおよび濃度28重量%のアンモニア水30mlを混合し、攪拌しながらメタタングステン酸アンモニウム塩水溶液1.5gを滴下した(酸化タングステン:シリカの重量比は1:20)。この溶液を室温で2時間攪拌した後、60℃から80℃の範囲で加熱攪拌しながら減圧した。この過程で溶液はゲル化し、その後、乾固して白色固体を得た。これを100℃で1時間空気乾燥した後、400℃で3時間空気焼成を行った。得られた均一白色であるタングステン元素含有固体触媒のタングステン含量をXRFにて定量したところ、タングステン(W)元素として4.0重量%であった。
得られたタングステン元素含有固体触媒0.5gを内径12mmφ×長さ300mmのガラス製反応管に充填し、シクロヘキサノンオキシムと1−ヘキサノールを重量比1:9で混合した溶液を40g/hr(WHSV=8.0hr−1)で供給し、窒素ガスを30ml/minで流通させながら350℃で反応を行った。反応開始から2時間後、得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、シクロヘキサノンオキシムの転化率は98.6モル%であり、ε−カプロラクタムの選択率は89.9モル%であった。
実施例10
タングステン元素含有固体触媒の前駆体(白色固体)の焼成雰囲気を、空気焼成から窒素雰囲気下での焼成に変更したこと以外は実施例9と同様に触媒調製およびシクロヘキサノンオキシムの反応を行った。得られた均一白色である触媒タングステン元素含有固体触媒のタングステン含量をXRF(蛍光X線分析法)にて定量したところ、タングステン(W)元素として4.2重量%であった。また、シクロヘキサノンオキシムの反応は、シクロヘキサノンオキシムの転化率が99.8モル%であり、ε−カプロラクタムの選択率が92.3モル%であった。
比較例1
メタタングステン酸アンモニウム塩水溶液を濃度28重量%のアンモニア水でpHが13となるように調製した溶液(タングステン酸の含有量5重量%)20mlに、500℃で2時間空気焼成したシリカゲル粒状成形品(日産化学工業製:粒径1.0〜2.0mmφ、平均細孔径30nm)5gを浸漬し、タングステン化合物を担持させた。その後、濾過し、室温で3時間乾燥した後、300℃で2時間空気焼成を行った。得られたタングステン酸化物担持シリカ触媒のタングステン担持量をプラズマ励起発光分光分析法(ICP)にて定量したところ、タングステン(W)元素として6.1重量%であった。得られたタングステン酸化物担持シリカ触媒0.5gを、内径10mmφ×長さ300mmの石英製反応管に充填し、シクロヘキサノンオキシムと1−ヘキサノールを、重量比1:9で混合した溶液を5.2g/h(WHSV=1.0hr−1)で供給し、窒素ガスを38ml/minで流通しながら300℃で反応を行った。反応開始から2時間後、得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、シクロヘキサノンオキシムの転化率は97.9モル%であり、ε−カプロラクタムの選択率は69.4モル%であった。
比較例2
比較例1で調製したタングステン酸化物担持シリカ触媒0.375gを、内径10mmφ×長さ300mmの石英製反応管に充填し、シクロヘキサノンオキシムと1−ヘキサノールを、重量比1:1.8で混合した溶液を8.4g/h(WHSV=8.0hr−1)で供給し、窒素ガスを68ml/minで流通しながら350℃で反応を行った。反応開始から2時間後、得られた反応混合物をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、シクロヘキサノンオキシムの転化率は65.7モル%であり、ε−カプロラクタムの選択率は68.1モル%であった。
実施例1〜8の結果を表1に示す。
Figure 2006083160
比較例1〜2の結果を表2に示す。
Figure 2006083160

Claims (4)

  1. タングステン化合物とシリカゾルを含む水溶液もしくは水溶性有機物溶液からゾルゲル反応を用いて調製したタングステン含有固体触媒と、環状ケトオキシム化合物を気固相で接触させることを特徴とするラクタム化合物の製造方法。
  2. タングステン含有固体触媒中のタングステン元素の含有率が、0.5重量%〜50重量%である請求項1に記載のラクタム化合物の製造方法。
  3. タングステン化合物が、タングステン酸、パラタングステン酸、メタタングステン酸、これらタングステン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び各種金属塩、ホウ化タングステン、炭化タングステン、塩化タングステン、タングステンヘキサカルボニル、二ケイ化タングステン、ヘテロポリタングステン酸、ヘテロポリタングステン酸のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩からなる群より選ばれた少なくとも1化合物である請求項1または2に記載のラクタム化合物の製造方法。
  4. 環状ケトオキシム化合物が炭素数4〜7の環状ケトオキシム化合物である請求項1、2又は3記載のラクタム化合物の製造方法。
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