JP4639781B2 - アミド化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、オキシム化合物をベックマン転位反応により対応するアミド化合物を製造する方法に関するものである。得られるアミド化合物は、ナイロンの原料として重要な化合物である。
オキシム化合物のラクタム化合物への転位反応は、ベックマン転位反応として知られている。具体的には、シクロヘキサノンオキシムの転位によるε−カプロラクタムの工業的製造では、触媒として発煙硫酸を用いた液相系の反応が採用されている。しかし、この方法ではε−カプロラクタムを分離回収するために、通常、硫酸等の強酸をアンモニアで中和する必要があり、大量の硫酸アンモニウムが副生すること、また、装置の腐食など工程上の問題も多く、効率的な転位用触媒の開発が期待されている。
そこで、硫酸触媒を使用しない液相でのベックマン転位反応に関し、均一系触媒或いは不均一系触媒について種々の検討が行われてきている。均一系触媒に関しては、シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位反応によるε−カプロラクタムの製造方法に関して、N,N−ジメチルホルムアミドとクロルスルホン酸から生成するイオン対(ビスマイヤー錯体)を触媒とする方法(非特許文献1)、エポキシ化合物と強酸(三弗化ホウ素・エーテエラート)から得られるアルキル化剤とニトリル化合物からなる触媒を用いる方法(非特許文献2)、ヘプタン溶媒中でリン酸又は縮合リン酸化合物存在下で行う方法(特許文献1)、N,N−ジアルキルアミドなどの化合物、リン酸および含フッ素強酸あるいはその誘導体の存在下にオキシムを転位させる方法(特許文献2)、過レニウム酸及び強酸又はその誘導体の存在下にオキシムを転位させる方法(特許文献3)、非含フッ素スルホン酸無水物およびN,N−二置換アミド化合物の存在下で行う方法(特許文献4)等が提案されている。
しかしながら、上述したビスマイヤー錯体を触媒とするシクロヘキサノンオキシムのベックマン転位反応では、生成ラクタムと触媒が1:1の錯体を形成するため、オキシムに対し等モル以上の触媒を必要とするなど、十分な反応を行うためには多量の触媒を必要とするなどの問題があり充分ではない。また、これらの方法では、強酸を共存させているため、反応後、アルカリでの複雑な中和工程が必要となるため経済的な工業製法とは言えない。
均一系触媒は触媒の分離が煩雑となるため、工業的には触媒の分離が容易な不均一系触媒を用いた反応が好ましい。不均一系触媒を用いた反応としては、たとえば、イミニウムイオンを担持したゼオライトを触媒とする方法(特許文献5)、亜鉛を含有したベータゼオライトを触媒とする方法(特許文献6)、Si/M比が2000以下のゼオライトを触媒とする方法等が提案されている(特許文献7)。
しかしながら、不均一系触媒を用いた反応は、いずれも十分な触媒活性を有しておらず、また、高価なN,N−二置換アミド化合物、およびニトリル化合物を溶媒として用いるため、経済的に好ましいとは言えない。
M.A.Kiraand,Y.M.Shaker,Egypt.J.Chem.,16,551(1973) Y.Izumi,Chemistry Letters,.2171(1990) 特開昭62−149665号公報 特開平05−105654号公報 特開平05−051366号公報 特開2002−234870号公報 特開平09−40641号公報 特開2001−19670号公報 特開2001−72658号公報
本発明は、シクロアルカノンオキシム化合物のベックマン転位反応を行うにあたり、上述の問題点の無い経済的に優れた固体触媒を使用し、温和な反応条件下でラクタム化合物を効率的に製造する方法を提供することを課題とする。
液相中にて、ベックマン転位反応によりオキシム化合物から対応するアミド化合物を製造する方法において、ヘテロポリ酸と酸化物からなる触媒の存在下、オキシム化合物をベックマン転位させることを特徴とするアミド化合物の製造方法により解決される。
本発明の方法により、温和な反応条件下、効率的(高活性で、かつ、高選択率)に目的物であるアミド化合物を得ることが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するオキシム化合物は、好ましくは炭素数5〜12個を有する環状脂肪族炭化水素オキシム化合物である。具体的には、シクロペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、シクロヘプタノンオキシム、シクロオクタノンオキシム、シクロノナノンオキシム、シクロデカノンオキシム、シクロウンデカノンオキシム、シクロドデカノンオキシムが挙げられる。好ましくは、炭素数10〜12個を有する環状脂肪族炭化水素オキシム化合物である。
これら環状脂肪族炭化水素オキシム化合物は、塩の形で使用することもできる。塩としては、塩酸塩や硫酸塩で使用される。
また、これらの環状脂肪族炭化水素オキシム化合物は、単独での使用ならびに2種以上を混合して使用しても何ら問題はない。
本発明で得られる対応するアミド化合物の具体例としては、シクロペンタノンオキシムからはバレロラクタム、シクロヘキサノンオキシムからはカプロラクタム、シクロヘプタノンオキシムからはエナントラクタム、シクロオクタノンオキシムからはカプリロラクタム、シクロデカノンオキシムからはカプリノラクタム、シクロドデカノンオキシムからはラウロラクタムが挙げられる。
本発明におけるヘテロポリ酸とは、基本骨格を形成する配位原子と、ヘテロ原子のオキソ酸の縮合酸素酸である。ヘテロポリ酸は水素、ヘテロ原子、ポリ原子、酸素からなる。ヘテロ原子としては、具体的には、リン、ゲルマニウム、ホウ素または珪素が挙げられる。ポリ原子としては周期律表(族番号に1−18の通し番号を用いる1989年改訂のIUPAC無機化学命名法に従う)4〜7族元素、具体的にはタングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、バナジウム等である。ヘテロポリ酸中のポリ原子/ヘテロ原子の原子比は、通常2.5〜12が好ましい。さらに、ヘテロポリ酸は単量体に限らず二量体や三量体などの重合体も用いることができる。具体的な化合物としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸等が挙げられる。ヘテロポリ酸は文献等に記載の方法に従い調製することもできるし、市販のものをそのまま用いることもできる。また、ヘテロポリ酸のプロトンの一部をアルカリ金属、アルカリ土類金属元素などで置換して不溶化もしくは難溶化したヘテロポリ酸塩を用いることもできる。置換元素としてはこれらに限定されるものではなく、広く遷移金属元素などで置換されたヘテロポリ酸塩を使用することもできる。また、アンモニア、アミン系化合物等の含窒素化合物でヘテロポリ酸のプロトンの一部を置換したものも用いることができる。
本発明で使用する酸化物は、ヘテロポリ酸に対して安定であり、かつ比表面積の大きいものが良く、シリカ、シリカアルミナ、チタニアなどがあげられる。珪素を主成分とする酸化物が好ましく、特に、珪素のみからなる酸化物が好ましく使用される。酸化物の比表面積は特に制限されないが、ヘテロポリ酸を高分散化させるためには担体の比表面積は大きいほど良く、好ましくは300m/g以上、更に好ましくは600m/g以上、特に好ましくは1000m/g以上である。また、酸化物の有する細孔径は特に制限されないが、ヘテロポリ酸の分子サイズよりも大きな細孔径を持つものが好ましい。
本反応で使用される触媒は、ヘテロポリ酸を酸化物の表面上に形成させたものが用いられる。ヘテロポリ酸を酸化物の表面に形成する方法としては、特に制限はないが、蒸発乾固、ポアフィリング、含浸担持などが用いられる。酸化物の表面上に形成させるヘテロポリ酸の量は、触媒のヘテロポリ酸の含有量(g)が酸化物の表面積(m)あたり0.0004g/m以上であることが好ましい。
ヘテロポリ酸と酸化物からなる触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、オキシム化合物に対し0.000001〜1重量倍用いることができる。
本発明のベックマン転位反応は、液相中にて行われるので、有機溶媒を使用する。有機溶媒としては、反応を阻害しなければ、何ら制限はない。具体的な溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素化合物、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素化合物、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ドデカン等の脂肪族炭化水素化合物を挙げることができ、これらを単独でも混合しても使用できる。中でもベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素化合物を溶媒として用いた時、収率が向上し特に好ましい。これら溶媒の使用量は特に限定されるものではないが、シクロアルカノンオキシム化合物に対し、1〜10000重量倍使用することができる。
本発明のベックマン転位反応は、通常、シクロアルカノンオキシム化合物、ヘテロポリ酸と酸化物からなる触媒を適当な溶媒に導入後、加熱することによって行われる。反応は、通常空気または転位反応に不活性なガスの存在下、好ましくは転位反応に不活性なガスの存在下で行う。転位反応に不活性なガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。反応温度は、通常30〜350℃、好ましくは50℃〜250℃、さらに好ましくは60〜200℃で実施される。反応圧力は、特に限定されるものではなく、常圧下、加圧下いずれでも実施される。転位反応温度が低すぎると、反応がほとんど進行しない。また、反応温度が高すぎると副反応が進行し、目的物のラクタムの収率が減少し、好ましくない。
反応形式はバッチ反応、連続流通反応いずれでも良く、また縣濁床、固定床、流動床のいずれでも実施される。反応時間或いは滞留時間は反応条件により異なるが、1分〜24時間で実施される。
得られるラクタム化合物は、蒸留操作等により分離・精製される。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、比表面積および細孔径は高速比表面積・細孔径分布測定装置(NOVA−1200;ユアサアイオニクス社製)を用いて、窒素吸着によるBET比表面積測定(120℃真空下で30分間前処理)により測定した。また、X線回折パターン(Cu−Kα線)は粉末X線回折装置(RAD−RX:理学電機社製)を用いて測定した。オキシム化合物の転化率およびアミド化合物の収率は、内部標準法(シクロヘキサノンオキシムは安息香酸プロピルを内部標準に使用)により、反応液を液体クロマトグラフィーを用いて分析し、算出した。
(担体の調製)
ドデシルアミン60mmol/エタノール1.2mol溶液に水7.2molを加えて5分間攪拌後、テトラエチルオルトシリケート0.2molを加えて室温で1時間激しく攪拌した。生成した白色ゲルを室温で48時間熟成させた後、白色固体を濾取して水及びエタノールで洗浄し、105℃で24時間乾燥した。次いで、空気中、室温から600℃まで1.7℃/分の昇温速度で、600℃、2時間の焼成を行った。得られた焼成物について分析を行ったところ、X線回折測定(Cu−Kα線)および窒素吸着測定による窒素吸着等温線からメソ多孔体であることを確認した。また、細孔径及び比表面積はそれぞれ24Å、1065m/gであった。以下、これをMS−1と略記する。
ヘキサデシルトリメチルアンモニウム ブロマイド9.0mmol/HO4.6mol溶液へ、27wt%珪酸ナトリウム水溶液10gを加えた。続いて1規定塩酸を用いてpHを8〜9に調製した混合溶液をテフロン(登録商標)製容器に移し、オートクレーブ中で100℃、20時間加熱攪拌を行った。水熱合成により得られた白色固体を濾取して水及びエタノールで洗浄し、85℃で24時間乾燥した。次いで、空気中、室温から600℃まで1.7℃/分の昇温速度で、600℃、2時間の焼成を行った。得られた焼成物について分析を行ったところ、X線回折測定(Cu−Kα線)からメソ多孔体であることを確認した。以下、これをMS−2と略記する。また、細孔径及び比表面積はそれぞれ24.8Å、1120m/g。
Pluronic P123(EO20PO70EO20 triblockcopolymer)6gを水156g/濃塩酸30ml溶液に加え、均一になるまで室温で攪拌を行った。続いてテトラエチルオルトシリケート61mmolを加え、室温で10分間攪拌した後、100℃で24時間熟成を行った。生成した白色固体を濾取、洗浄した後、105℃で24時間乾燥した。次いで、空気中、室温から600℃まで1.7℃/分の昇温速度で、600℃、2時間の焼成を行った。得られた焼成物について分析を行ったところ、X線回折測定(Cu−Kα線)および窒素吸着測定による窒素吸着等温線からメソ多孔体であることを確認した。また、細孔径及び比表面積はそれぞれ66Å、632m/gであった。以下、これをMS−3と略記する。
硝酸アルミニウム8.1mmol/イソプロパノール216mmol溶液を70℃で30分攪拌し、テトラエチルオルトシリケート192mmol/エタノール2mol溶液と混合した。得られた混合液(1)を、ドデシルアミン55mmolと水7.2molの混合液(2)に加えて室温で1時間激しく攪拌した。生成した白色ゲルを室温で48時間熟成させた後、白色固体を濾取して水及びエタノールで洗浄し、105℃で24時間乾燥した。次いで、空気中、室温から600℃まで3.3℃/分で昇温して、600℃で2時間焼成した。得られた焼成物について分析を行ったところ、ICP分析よりSi/Al(原子比)=24であった。また、X線回折測定(Cu−Kα線)および窒素吸着測定による窒素吸着等温線からメソ多孔体であることを確認した。以下、これをAl−MS−1と略記する
実施例1
(触媒の調製)
50mlのガラス製フラスコにケイタングステン酸1.0gを水5mlで溶解させたケイタングステン酸水溶液中に、MS−1 1.0gを加えて5分間、攪拌を行った。続いて、エバポレーターを用いて減圧下、揮発成分を除去した後、100℃で乾燥を行った。以下、これを50wt%HSiW/MS−1と示す。表面積(m)あたりのケイタングステン酸量は0.0009g/mであった。
(ベックマン転位反応によるラクタムの合成)
30mlのガラス製フラスコに、50wt%HSiW/MS−1を8.0mg、シクロドデカノンオキシムを220.6mg、トルエンを10ml充填し、還流下で2時間反応を行った。室温に冷却後、反応溶液を一部抜き取り、内部標準の安息香酸プロピルを加え、液体クロマトグラフィーを用いて分析を行った。その結果、シクロドデカノンオキシムの転化率は86.1モル%、ラウロラクタムの選択率は97.8モル%であった。
実施例2
(触媒の調製)
実施例1において、ケイタングステン酸を0.43g加えたこと以外は同様の方法で触媒の調製を行った。得られた触媒は、以下、30wt%HSiW/MS−1と示す。表面積(m)あたりのケイタングステン酸量は0.0004g/mであった。
(ベックマン転位反応によるラクタムの合成)
30mlのガラス製フラスコに、30wt%HSiW/MS−1を8.2mg、シクロドデカノンオキシムを221.2mg、トルエンを10ml充填し、還流下で2時間反応を行った。シクロドデカノンオキシムの転化率は53.9モル%、ラウロラクタムの選択率は98.9モル%であった。
実施例3
(触媒の調製)
実施例1において、ケイタングステン酸を2.34g加えたこと以外は同様の方法で触媒の調製を行った。得られた触媒は、以下、70wt%HSiW/MS−1と示す。表面積(m)あたりのケイタングステン酸量は0.0022g/mであった。
(ベックマン転位反応によるラクタムの合成)
30mlのガラス製フラスコに、70wt%HSiW/MS−1を8.2mg、シクロドデカノンオキシムを220.5mg、トルエンを10ml充填し、還流下で2時間反応を行った。シクロドデカノンオキシムの転化率は82.9モル%、ラウロラクタムの選択率は97.7モル%であった。
実施例4
(ベックマン転位反応によるラクタムの合成)
30mlのガラス製フラスコに、50wt%HSiW/MS−1を8.4mg、シクロドデカノンオキシムを331.2mg、トルエンを15ml充填し、還流下で2時間反応を行った。シクロドデカノンオキシムの転化率は77.4モル%、ラウロラクタムの選択率は95.3モル%であった。
実施例5
(ベックマン転位反応によるラクタムの合成)
30mlのガラス製フラスコに、50wt%HSiW/MS−1を8.4mg、シクロドデカノンオキシムを413.5mg、トルエンを20ml充填し、還流下で2時間反応を行った。シクロドデカノンオキシムの転化率は67.9モル%、ラウロラクタムの選択率は96.6モル%であった。
実施例6
(ベックマン転位反応によるラクタムの合成)
30mlのガラス製フラスコに、30wt%HSiW/MS−1を25.3mg、シクロドデカノンオキシムを101.0mg、トルエンを5ml充填し、還流下で5時間反応を行った。シクロドデカノンオキシムの転化率は98.1モル%、ラウロラクタムの選択率は96.0モル%であった。
実施例7
(ベックマン転位反応によるラクタムの合成)
30mlのガラス製フラスコに、30wt%HSiW/MS−1を24.7mg、シクロドデカノンオキシムを105.7mg、トルエンを1ml充填し、還流下で5時間反応を行った。シクロドデカノンオキシムの転化率は61.5モル%、ラウロラクタムの選択率は75.0モル%であった。
実施例8
(ベックマン転位反応によるラクタムの合成)
30mlのガラス製フラスコに、50wt%HSiW/MS−1を7.9mg、シクロドデカノンオキシムを220.5mg、キシレンを10ml充填し、還流下で2時間反応を行った。シクロドデカノンオキシムの転化率は60.9モル%、ラウロラクタムの選択率は87.3モル%であった。
実施例9
(ベックマン転位反応によるラクタムの合成)
ガラス製試験管に、50wt%HSiW/MS−1を3.5mg、シクロドデカノンオキシムを103.5mg、ベンゼンを5ml充填し、ガラス製試験管を封管した後、120℃で2時間反応を行った。室温に冷却後、反応溶液を一部抜き取り、内部標準の安息香酸プロピルを加え、液体クロマトグラフィーを用いて分析を行った。その結果、シクロドデカノンオキシムの転化率は74.6モル%、ラウロラクタムの選択率は97.9モル%であった。
実施例10
(触媒の調製)
実施例1において、ヘテロポリ酸をケイタングステン酸からリンタングステン酸(0.43g)に変更した以外は同様の方法で触媒の調製を行った。得られた触媒は、以下、30wt%HPW/MS−1と示す。表面積(m)あたりのリンタングステン酸量は0.0004g/mであった。
(ベックマン転位反応によるラクタムの合成)
30mlのガラス製フラスコに、30wt%HPW/MS−1を23.0mg、シクロドデカノンオキシムを103.9mg、トルエンを10ml充填し、還流下で5時間反応を行った。シクロドデカノンオキシムの転化率は97.1モル%、ラウロラクタムの選択率は85.1モル%であった。
実施例11
(触媒の調製)
実施例1において、担体をMS−1からMS−2に変更した以外は同様の方法で触媒の調製を行った。得られた触媒は、以下、50wt%HSiW/MS−2と示す。表面積(m)あたりのケイタングステン酸量は0.0009g/mであった。
(ベックマン転位反応によるラクタムの合成)
30mlのガラス製フラスコに、50wt%HSiW/MS−2を7.5mg、シクロドデカノンオキシムを212.8mg、トルエンを10ml充填し、還流下で2時間反応を行った。シクロドデカノンオキシムの転化率は81.5モル%、ラウロラクタムの選択率は94.8モル%であった。
実施例12
(触媒の調製)
実施例1において、担体をMS−1からMS−3に変更した以外は同様の方法で触媒の調製を行った。得られた触媒は、以下、50wt%HSiW/MS−3と示す。表面積(m)あたりのケイタングステン酸量は0.0016g/mであった。
(ベックマン転位反応によるラクタムの合成)
30mlのガラス製フラスコに、50wt%HSiW/MS−3を7.5mg、シクロドデカノンオキシムを212.8mg、トルエンを10ml充填し、還流下で2時間反応を行った。シクロドデカノンオキシムの転化率は59.0モル%、ラウロラクタムの選択率は92.3モル%であった。
実施例13
(触媒の調製)
実施例1において、担体をMS−1からCARiACT Q−10(富士シリシア社製、比表面積:約300m/g、細孔径:100Å)に変更した以外は同様の方法で触媒の調製を行った。得られた触媒は、以下、50wt%HSiW/Q−10と示す。表面積(m)あたりのケイタングステン酸量は0.0033g/mであった。
(ベックマン転位反応によるラクタムの合成)
30mlのガラス製フラスコに、50wt%HSiW/Q−10を8.2mg、シクロドデカノンオキシムを225.9mg、トルエンを10ml充填し、還流下で2時間反応を行った。シクロドデカノンオキシムの転化率は68.8モル%、ラウロラクタムの選択率は94.2モル%であった。
実施例14
(触媒の調製)
実施例1において、ケイタングステン酸を0.177g加えたこと以外は同様の方法で触媒の調製を行った。得られた触媒は、以下、15wt%HSiW/MS−1と示す。表面積(m)あたりのケイタングステン酸量は0.0002g/mであった。
(ベックマン転位反応によるラクタムの合成)
30mlのガラス製フラスコに、15wt%HSiW/MS−1を7.1mg、シクロドデカノンオキシムを204.5mg、トルエンを10ml充填し、還流下で2時間反応を行った。シクロドデカノンオキシムの転化率は44.2モル%、ラウロラクタムの選択率は91.6モル%であった。
比較例1
(触媒の調製)
実施例1において、担体をMS−1から活性炭(武田薬品工業社製シラサギ、比表面積:981m/g、平均細孔径:24Å)に変更した以外は同様の方法で触媒の調製を行った。得られた触媒は、以下、50wt%HSiW/Cと示す。
(ベックマン転位反応によるラクタムの合成)
30mlのガラス製フラスコに、50wt%HSiW/Cを8.1mg、シクロドデカノンオキシムを101.6mg、トルエンを5ml充填し、還流下で2時間反応を行った。シクロドデカノンオキシムの転化率は11.5モル%、ラウロラクタムの選択率は67.4モル%であった。
比較例2
(ベックマン転位反応によるラクタムの合成)
30mlのガラス製フラスコに、Al−MS−1を52.6mg、シクロドデカノンオキシムを100.1mg、トルエンを10ml充填し、還流下で5時間反応を行った。シクロドデカノンオキシムの転化率は39.9モル%、ラウロラクタムの選択率は60.6モル%であった。
比較例3
30mlのガラス製フラスコに、Cs2.50.5PW1240を3.6mg、シクロドデカノンオキシムを203.0mg、トルエンを10ml充填し、還流下で2時間反応を行った。シクロドデカノンオキシムの転化率は15.8モル%、ラウロラクタムの選択率は73.5モル%であった。
比較例4
30mlのガラス製フラスコに、ケイタングステン酸を8.3mg、シクロドデカノンオキシムを222.4mg、トルエンを10ml充填し、還流下で2時間反応を行った。シクロドデカノンオキシムの転化率は36.4モル%、ラウロラクタムの選択率は91.4モル%であった。
比較例5
(ベックマン転位反応によるラクタムの合成)
30mlのガラス製フラスコに、Amberlist15を53.1mg、シクロドデカノンオキシムを103.5mg、トルエンを10ml充填し、還流下で5時間反応を行った。シクロドデカノンオキシムの転化率は57.6モル%、ラウロラクタムの選択率は44.3モル%であった。
比較例6
(ベックマン転位反応によるラクタムの合成)
30mlのガラス製フラスコに、p−トルエンスルホン酸(p−TsOHと略記する。)を54.4mg、シクロドデカノンオキシムを104.2mg、トルエンを10ml充填し、還流下で5時間反応を行った。シクロドデカノンオキシムの転化率は35.7モル%、ラウロラクタムの選択率は5.4モル%であった。
実施例15
(ベックマン転位反応によるラクタムの合成)
30mlのガラス製フラスコに、50wt%HSiW/MS−1を8.2mg、シクロデカノンオキシムを168.4mg、トルエンを10ml充填し、還流下で2時間反応を行った。シクロデカノンオキシムの転化率は51.8モル%、カプリノラクタムの選択率は98.0モル%であった。
以上、シクロドデカノンオキシムおよびシクロデカノンオキシムを用いたベックマン転位反応の結果、実施例1〜15を表1に、比較例1〜6を表2に示した。
Figure 0004639781

Figure 0004639781


Claims (5)

  1. ヘテロポリ酸と比表面積が300m/g以上である酸化物からなる触媒の存在下、ベンゼン、トルエン又はキシレン中にて、オキシム化合物をベックマン転位させることを特徴とするアミド化合物の製造方法。
  2. 酸化物が珪素を主成分とする酸化物であることを特徴とする請求項1に記載のアミド化合物の製造方法。
  3. 触媒のヘテロポリ酸含有量(g)が、酸化物の表面積(m)あたり0.0004g/m以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のアミド化合物の製造方法。
  4. オキシム化合物が炭素数10以上の環状脂肪族炭化水素オキシム化合物であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のアミド化合物の製造方法。
  5. ヘテロポリ酸担持触媒を、オキシム化合物に対し0.000001〜1重量倍の範囲で使用することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のアミド化合物の製造方法。
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