JP2019042709A - ゼオライト触媒の製造方法 - Google Patents

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博 内田
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守 橘川
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俊一 小林
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Abstract

【課題】オリゴシランを製造しうる、また、メタンから芳香族化合物を製造しうる、高い触媒活性を有するモリブデン担持ゼオライト触媒を簡便に製造する新規な方法を提供する。【解決手段】(I)ゼオライトを含む担体にモリブデン含有溶液を含浸させる工程、(II)前記含浸工程後のゼオライトを加熱する加熱処理工程、を含むモリブデン担持ゼオライト触媒の製造方法であって、前記含浸工程において、95Mo−NMR法により測定される、−10ppmから0ppmの範囲に観測される95Moのピークの積分強度面積をA、15ppmから70ppmの範囲に観測されるピークの積分強度面積をBとするとき、A/(A+B)が、0.4以上であるモリブデン含有溶液を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、ゼオライト触媒の製造方法に関し、より詳しくはヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを生成する方法やメタンから芳香族化合物を生成する方法に使用しうるモリブデン担持ゼオライト触媒の製造方法に関する。
アルミノケイ酸塩の一種であるゼオライトは、結晶構造に分子サイズの微細空孔を有し、そのサイズに見合った分子を吸着・脱着したり、サイズの異なる分子を分離したりできるため、例えば分離膜、イオン交換体、種々の吸着剤や触媒の担体など幅広い用途に用いられている。
ゼオライト触媒が適用される例として、低級炭化水素を原料とし、芳香族化合物を製造する反応が知られており、特許文献1にはモリブデンが担持されたメタロシリケートからなるゼオライトが開示されている。
本発明者らは、ゼオライトに遷移元素を含ませたゼオライト触媒が、ジシラン製造触媒として活性を示すことを見出し、オリゴシラン製造用ゼオライト触媒を開発してきた(特許文献2)。 特許文献2に記載されているように、ゼオライトへの遷移元素の配合方法として、含浸法、イオン交換法、昇華法が知られている。
含浸法のような湿式法によりモリブデン(Mo)をゼオライトに担持させる場合、例えば、非特許文献1、特許文献1に記載されているように、通常、水溶性の七モリブデン酸六アンモニウムを用いて調製した水溶液を用い、ゼオライトをモリブデン水溶液に含浸後、高温で焼成する。
また、酸化モリブデン(VI)とゼオライト粉末を物理的に混合後に、400℃以上の高温で焼成する乾式法によりモリブデン(Mo)をゼオライトに担持させる方法が提案されている(非特許文献2)。
特開2010−125342号公報 国際公開第2016/027743号
Catalysis Letters 35, 1995, 233. Journal of Physical Chemistry B, 1999, Vol.103, p.5787-5796.
本発明者らの検討によると、七モリブデン酸六アンモニウム水溶液に含浸させたゼオライトをオリゴシラン製造触媒として使用するためには、含浸後、約400℃以上の高温で焼成しないと、触媒活性が発現しないことがわかった。また、非特許文献2で提案されている酸化モリブデン(VI)とゼオライト粉末を物理的に混合した後に、400℃以上の高温で焼成する乾式法によりモリブデン(Mo)を担持させたゼオライトをオリゴシランの製造に用いたところ、触媒活性は示したが、七モリブデン酸六アンモニウム水溶液を用いた湿式法によるゼオライト触媒より活性が低かった。
本発明は、オリゴシランを製造しうる、また、メタンから芳香族化合物を製造しうる、高い触媒活性を有するMo担持ゼオライト触媒を簡便に製造する新規な方法を提供するこ
とを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、少なくとも1種のモリブデンを含む化合物を用いて、(I)ゼオライトを含む担体にモリブデン含有溶液を含浸させる工程、(II)前記含浸工程後の担体を加熱する工程、を含む製造方法であって、前記含浸工程において、95Mo−NMR法により測定される、−10ppmから0ppmの範囲に観測される95Moのピークの積分強度面積をA、15ppmから70ppmの範囲に観測されるピークの積分強度面積をBとするとき、A/(A+B)が、0.4以上、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.8以上であるモリブデン含有溶液を用いる製造方法により得られうるMo担持ゼオライト触媒の使用により、効率よくヒドロシランを脱水素縮合させられることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の実施形態には以下が含まれる。
<1>
(I)ゼオライトを含む担体にモリブデン含有溶液を含浸させる含浸工程
(II)前記含浸工程後の担体を100℃以上に加熱する加熱処理工程
を含むモリブデン担持ゼオライト触媒の製造方法であって、
前記含浸工程において、95Mo−NMR法により測定される、−10ppmから0ppmの範囲に観測される95Moのピークの積分強度面積をA、15ppmから70ppmの範囲に観測されるピークの積分強度面積をBとするとき、A/(A+B)が、0.4以上であるモリブデン含有溶液を用いることを特徴とする、モリブデン担持ゼオライト触媒の製造方法。
<2>
前記A/(A+B)が、0.8以上である、<1>に記載のモリブデン担持ゼオライト触媒の製造方法。
<3>
前記モリブデン含有溶液のpHが7.2〜14である、<1>又は<2>に記載のモリブデン担持ゼオライト触媒の製造方法。
<4>
前記モリブデン含有溶液の溶媒がアンモニア水である、<1>〜<3>のいずれかに記載のモリブデン担持ゼオライト触媒の製造方法。
<5>
前記加熱処理工程の温度が100〜1000℃である、<1>〜<4>のいずれかに記載のモリブデン担持ゼオライト触媒の製造方法。
<6>
<1>〜<5>のいずれかに記載の製造方法により得られたゼオライト触媒を用いて脱水素反応を行うステップを含む、脱水素カップリング方法。
<7>
<6>記載の脱水素カップリング方法によりシラン化合物の脱水素カップリングを行う、オリゴシランの製造方法。
本発明の一態様により、湿式法により、オリゴシランを製造しうる、またメタンから芳香族化合物を製造しうる、より高い触媒活性を有するゼオライト触媒を簡便に製造する新規な方法が提供される。また、この方法により、ヒドロシランやメタンに高い活性を示し、遷移元素複合固体酸触媒として、特に、ヒドロシランを脱水素縮合してオリゴシランを製造する、またメタンから芳香族化合物を製造する触媒として好適に用いることができるMo担持ゼオライト触媒が提供される。
Mo7質量%アンモニア水溶液のpHとA/(A+B)の関係を示すグラフである。 オリゴシランの製造方法に使用することができる反応器の概念図である((a):回分反応器、(b):連続槽型反応器、(c):連続管型反応器)。 反応温度のプロファイルを表した概念図である。 オリゴシランの製造用反応装置の概念図の一例である。 実施例1に用いたモリブデン含有溶液の95Mo−NMRスペクトルである。 実施例2に用いたモリブデン含有溶液の95Mo−NMRスペクトルである。 実施例10に用いたモリブデン含有溶液の95Mo−NMRスペクトルである。 実施例11に用いたモリブデン含有溶液の95Mo−NMRスペクトルである。 比較例1に用いたモリブデン含有溶液の95Mo−NMRスペクトルである。 実施例3及び比較例2のモリブデン担持触媒の500℃焼成前後、酸化モリブデン(VI)、ゼオライトのXRD(X線回折)パターンである。
本発明の第一の態様は、ゼオライト触媒の製造方法であり、(I)ゼオライトを含む担体にモリブデン含有溶液を含浸させる含浸工程、(II)前記含浸工程後の担体を加熱する加熱工程、を含むモリブデン担持ゼオライト触媒の製造方法であって、前記含浸工程において、95Mo−NMR(核磁気共鳴)法により測定される、−10ppmから0ppmの範囲に観測される95Moのピークの積分強度面積をA、15ppmから70ppmの範囲に観測されるピークの積分強度面積をBとするとき、A/(A+B)が、0.4以上、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.8以上であるモリブデン含有溶液を用いることを特徴とする。以下、含浸工程を「工程(I)」、加熱工程を「工程(II)」と表記することもある。
湿式法によりモリブデン(Mo)をゼオライトに担持させる場合、通常、水溶性の七モリブデン酸六アンモニウムを用いて調製した水溶液を用いる。前述の通り本発明者らの検討によると、七モリブデン酸六アンモニウム水溶液に含浸させたゼオライトをオリゴシラン製造触媒として使用するためには、含浸後、約400℃以上の高温で焼成しないと、触媒活性が発現しない。これは、ポリ酸である七モリブデン酸六アンモニウムイオン(Mo24 6−)のサイズがゼオライトの細孔径より大きいため、細孔内に入ることが出来ず、また、含浸では、大きな水性モリブデン酸イオンはH−ZSM−5等の担体ゼオライトのカチオン交換サイトと直接カチオン交換できないためと考えられる。七モリブデン酸六アンモニウム水溶液を用いる場合、ゼオライトをモリブデン水溶液に含浸後、約400℃以上で焼成することにより、ゼオライト表面上で、七モリブデン酸六アンモニウムは酸化モリブデン(VI)(MoO3)に変換され、このMoO3が、表面物理拡散により、ゼオライト細孔内に移動してゼオライトの酸点と複合化して触媒活性が発現すると考えられる。
一方、驚くべきことに、本発明の一態様である、95Mo−NMR法により測定される、−10ppmから0ppmの範囲に観測される95Moのピークの積分強度面積をA、15ppmから70ppmの範囲に観測されるピークの積分強度面積Bとするとき、A/(A+B)が、0.4以上、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.8以上であるモリブデン含有溶液を用いる方法により得られうるMo担持ゼオライト触媒は、比較的低温での加熱処理により高い触媒活性を示す。また、高温で焼成することにより、より活性の高い触媒が得られる。95Mo−NMRの測定方法は後述する。
本発明者らの検討により、七モリブデン酸六アンモニウムの7質量%水溶液では、95Mo−NMR法により観測される主ピークは35ppm付近であり、0ppm付近、220ppm付近にも小さなピークが観測されることがわかった。そして、七モリブデン酸六アンモニウム水溶液を50℃〜80℃に昇温させたところ、主ピークはブロード化した。一方、水溶液の温度を80℃から室温に下げたところ、NMRのチャートは、昇温前と同様のピークを示した。これらの結果から、高温の水溶液中ではMo24 6−とMoO 2−の交換速度が速くなり、MoO 2−がゼオライトの細孔内に入ることにより、溶液での平衡組成がずれて、それに伴いMoO 2−が再生するものと推定される。
さらに、七モリブデン酸六アンモニウムをアンモニア水に溶解して、95Mo−NMRの測定を行ったところ、0ppm近傍のピークしか観察されなくなった。本ピークはMoO 2−に基づくピークと推測され、MoO 2−側に平衡が移動することが推測される。すなわち、水溶液のアルカリ性側へのpHの変化により、Mo24 6−とMoO 2−の平衡が移動し、その結果、MoO 2−がゼオライトの細孔内に入ることにより、より活性の高い触媒が得られるものと推定される。
以下、各工程について詳細に説明する。
(I)ゼオライトを含む担体にモリブデン含有溶液を含浸させる含浸工程
本発明の一態様であるゼオライト触媒の製造方法は、第一工程としてゼオライトを含む担体にモリブデン含有溶液を含浸させる含浸工程(I)を含む。
<原料>
まず、ゼオライトを含む担体、モリブデン化合物、溶媒について、説明する。
(ゼオライトを含む担体)
本発明の一態様であるMo担持ゼオライト触媒の製造方法に用いる担体は、短径0.43nm以上、長径0.69nm以下の細孔を有するゼオライトを含んでいれば特に限定されない。ゼオライトは熱安定性の点で好ましく、また、ゼオライトの細孔空間は、脱水素縮合の反応場として働くものと考えられ、「短径0.43nm以上、長径0.69nm以下」という細孔サイズが、過度な重合を抑制して、オリゴシランの選択率を向上させるために最適であると考えられる。
なお、「短径0.43nm以上、長径0.69nm以下の細孔を有するゼオライト」は、実際に「短径0.43nm以上、長径0.69nm以下の細孔」を有するゼオライトのみを意味するものではなく、結晶構造から理論的に計算された細孔の「短径」と「長径」がそれぞれ後述の条件を満たすゼオライトも含まれるものとする。ちなみに細孔の「短径」と「長径」については、「ATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORK TYPES, Ch. Baerlocher, L.B.McCusker and D.H. Olson, Sixth Revised Edition 2007,published on behalf of the structure Commission of the international Zeolite Association」を参考にすることができる。
ゼオライトの短径は、好ましくは0.45nm以上、特に好ましくは0.47nm以上である。
ゼオライトの長径は、好ましくは0.65nm以下、特に好ましくは0.60nm以下である。
なお、細孔の断面構造が円形であること等によってゼオライトの細孔径が一定である場合には、細孔径が「0.43nm以上0.69nm以下」であるものと考える。
複数種類の細孔径を有するゼオライトの場合は、少なくとも1種類の細孔の細孔径が「0.43nm以上0.69nm以下」であればよい。
具体的なゼオライトとしては、国際ゼオライト学会(International Zeolite Association)でデータベース化されている構造コ−ドで、AFR、AFY、ATO、BEA、BOG、BPH、CAN、CON、DFO、EON、EZT、GON、IMF、ISV、ITH、IWR、IWV、IWW、MEI、MEL、MFI、OBW、MOZ、MSE、M
TT、MTW、NES、OFF、OSI、PON、SFF、SFG、STI、STF、TER、TON、TUN、USI、VETに該当するゼオライトが好ましい。
構造コ−ドが、ATO、BEA、BOG、CAN、IMF、ITH、IWR、IWW、MEL、MFI、OBW、MSE、MTW、NES、OSI、PON、SFF、SFG、STF、STI、TER、TON、TUN、VETに該当するゼオライトがより好ましい。
構造コ−ドが、BEA、MFI、TON、に該当するゼオライトが特に好ましい。
構造コ−ドがBEAに該当するゼオライトとしては、Beta(ベータ)、[B−Si−O]−BEA、[Ga−Si−O]−BEA、[Ti−Si−O]−BEA、Al−rich beta、CIT−6、Tschernichite、pure silica
beta等を挙げられる。
構造コ−ドがMFIに該当するゼオライトとしては、*ZSM−5、[As−Si−O]−MFI、[Fe−Si−O]−MFI、[Ga−Si−O]−MFI、AMS−1B、AZ−1、Bor−C、Boralite C、Encilite、FZ−1、LZ−105、Monoclinic H−ZSM−5、Mutinaite、NU−4、NU−5、Silicalite、TS−1、TSZ、TSZ−III、TZ−01、USC−4、USI−108、ZBH、ZKQ−1B、ZMQ−TB、organic−free ZSM−5等が挙げられる。
構造コ−ドがTONに該当するゼオライトとしては、Theta−1、ISI−1、KZ−2、NU−10、ZSM−22等が挙げられる。
特に好ましいゼオライトは、ZSM−5、ベータ、ZSM−22である。
シリカ/アルミナ比(モル/モル比)としては、5〜5000が好ましく、10〜500がより好ましく、15〜100が特に好ましい。
担体は市販品を入手して使用してもよいし、自ら担体を調製して使用してもよい。また、例えば500℃で焼成してプロトン型として使用してもよいし、未焼成のまま使用してもよい。
担体の具体的種類は、前述したようにゼオライトを含むが、本発明の効果を損なわない範囲で、該ゼオライト以外にも、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、活性炭、リン酸アルミニウム等を含んでいてもよい。
担体の大きさは、反応器に充填できるものであれば適用できる。ゼオライトはもともとは、粉状であり、1次粒子の大きさは、3〜20μmで2次粒子としては0.01mm〜0.5mmであり、粉状としてそのまま使用できるが、充填しやすいようにビーズ状、ペレット状に成形して用いることが好ましい。この場合のビ−ズやペレットの大きさは、特に制限がないが、直径0.15mm〜4.8mmに成形されたものを用いることが好ましい。
(モリブデン含有溶液)
本発明の一態様のゼオライト触媒の製造方法においては、95Mo−NMR法により測定される、−10ppmから0ppmの範囲に観測される95Moのピークの積分強度面積をA、15ppmから70ppmの範囲に観測されるピークの積分強度面積をBとするとき、A/(A+B)が、0.4以上、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.8以上であるモリブデン含有溶液を用いる。モリブデンは、ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを生成する方法やメタンから芳香族化合物を生成する方法等の脱水素カップリング反応触媒として有効である。
95Mo−NMR法により測定される、−10ppmから0ppmの範囲に観測される95Moのピークの積分強度面積をA、15ppmから70ppmの範囲に観測されるピークの積分強度面積をBとするとき、A/(A+B)が、0.4以上であるモリブデン含有溶液は、モリブデン含有化合物をアルカリ性の溶媒に溶解させることで調製することが出来る。
モリブデン含有化合物としては、七モリブデン酸六アンモニウム四水和物(NH
Mo24・4HO、リンモリブデン酸(12MoO・HPO)、ケイモリブデン酸n水和物(SiO・12MoO・nHO)、三酸化モリブデン(VI)(MoO)、モリブデン酸ナトリウム(NaMoO)、モリブデン酸二アンモニウム((NHMoO)、モリブデン酸カルシウム(CaMoO)、モリブデン酸(HMoO)、モリブデン酸バリウム(BaMoO)、二硫化モリブデン(MoS)が挙げられる。
モリブデン化合物の形状は、特に制限はないが、溶媒へ溶解する観点から径が0.01μm〜1mmの粉末状のものを使用することが好ましい。
モリブデン化合物は市販品を入手して使用してもよいし、合成して使用してもよい。モリブデン化合物は1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
モリブデン化合物を溶解させる溶媒としては、通常は純水にアンモニア等のアルカリ成分を溶解させたもの、例えば、25質量%アンモニア水、35質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液などが用いられる。また、モリブデン含有化合物を溶解するものであればメタノール、エタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドやジメチルスルホキシドのような有機溶媒を用いることもできる。また、これらの有機溶媒と水との混合溶媒を用いることもできる。モリブデン化合物の溶解性は有機溶媒に比べて水の方が高いので、水を用いる方が好ましい。有機溶媒と水との混合溶媒を用いる場合は、混合溶媒中の水の割合(水/(有機溶媒+水))が0.5以上であることが好ましく、0.7以上であることが好ましく、0.8以上であることがさらに好ましい。
アルカリ成分は、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノ−n−プロピルアミン、モノ−n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、及びN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンのような1級、2級、3級有機アミンなども使用することが出来る。一方、ゼオライトの酸点の多くが消費されてしまうような強アルカリを使用した場合、触媒の活性が十分得られなくなる場合がある。
モリブデン含有溶液の調製方法としては、純水にアンモニアのようなアルカリ成分を溶解させた水溶液にモリブデン化合物を溶解させてもよいし、モリブデン化合物を純水などの溶媒に投入してから、アンモニア等のアルカリ成分を添加してもよい。
モリブデン含有溶液のモリブデン含有化合物の濃度は、特に限定されないが、取扱い性の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、好ましくは通常30質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
触媒活性の観点から、得られるゼオライト触媒に対して、モリブデン元素として0.1質量%〜5質量%になるように担持量を調整することが好ましい。
モリブデン含有溶液のpHは、ピーク強度比の観点から、7〜14が好ましく、7.2〜14がより好ましく、7.4〜14がさらに好ましい。七モリブデン酸六アンモニウムを、溶媒として25質量%アンモニア水に溶解して調製したMo7質量%アンモニア水溶液P(金属Moとして7質量%)と、七モリブデン酸六アンモニウムを溶媒として純水に溶解して調製したMo7質量%純水溶液Q(金属Moとして7質量%)と、の混合溶液中のMo7質量%アンモニア水溶液Pの割合(P/(P+Q))を変更した種々の混合溶液のpHと95Mo−NMR法により得られたA/(A+B)との関係を図1に示す。
(容器)
モリブデン含有溶液を調製する容器は、特に限定されないが、生産性の観点から、含浸工程(I)、加熱処理工程(II)に連続して用いることができるものが好ましく、通常は常圧で処理できる容器で十分であるが、アンモニア臭等を考慮して、例えば、ガラス製やステンレス製の密閉可能な容器を用いることも出来る。
<含浸工程(I)>
含浸工程(I)では、予め調製したモリブデン含有溶液の中にゼオライトを含む担体を投入してもよいし、ゼオライトを含む担体を入れた容器にモリブデン含有溶液を投入してもよい。
含浸工程のモリブデン含有溶液の温度は、生産性の観点から、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上、さらに好ましくは15℃以上であり、モリブデン含有溶液のpH維持の観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下、さらに好ましくは50℃以下である。
ゼオライトとモリブデン含有溶液の接触(含浸)時間は、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上、さらに好ましくは1時間以上であり、含浸時間が長くてもそれほど悪影響は与えないが触媒の生産効率の点から好ましくは2日以下、より好ましくは1日以下、さらに好ましくは12時間以下である。
また、含浸工程を実施する雰囲気は、通常大気雰囲気である。
含浸工程では、処理中の水の蒸発や外部からのゴミ等の混入を抑制する上でも密閉系で行うことも好ましい。
容器を加熱する場合の加熱方法に特に制限はなく、容器を所定の温度に設定したホットプレート上に載置したり、所定の温度に設定したオイルバス、あるいはウォーターバスに浸したり、加熱装置の中に容器内部を混合可能な振とう機ごと入れ加熱することができる。加圧雰囲気下で加温する場合は、耐圧のオートクレ−ブを用いることができる。圧力を調整するために、空気や窒素などの不活性ガスで加圧することも可能である。
また、容器を冷却する際は、容器を上記加熱手段から離し空冷してもよいし、あるいは冷蔵庫、冷凍庫等の強制冷却装置等で冷却してもよい。
本実施態様のモリブデン化合物含有溶液を用いた含浸処理を行うことにより、従来の低温(室温)処理や乾式処理より高い活性を有するゼオライト触媒を製造することができる。
この含浸工程(I)では、担体表面に均一にモリブデン含有化合物を接触(モリブデン元素を担持)させるため混合することが好ましい。混合手段としては、公知の方法を適宜用いることができる。例えば、マグネチックスターラーを用い、容器を、ホットプレート上で加熱しながら担体とモリブデン含有溶液を撹拌混合してもよい。
<加熱処理工程(II)>
本発明の一態様である触媒の製造方法は、前記含浸工程(I)で得られた生成物を加熱する加熱処理工程(II)を含む。
この加熱処理工程(II)では、含浸工程(I)で得られた生成物に含まれる水分を除去するために乾燥させたり、その後必要に応じて焼成したりする。乾燥と焼成とは、別々に行ってもよいし、連続して実施してもよい。
乾燥、焼成条件について、以下に説明する。
乾燥時の加熱温度は、通常溶媒を乾燥できる温度であるが、好ましくは100℃以上、より好ましくは110℃以上であり、好ましくは400℃以下、より好ましくは300℃以下である。加熱時間としては、所定の温度に到達してからの時間を、好ましくは30分以上、24時間以下とする。より好ましくは1時間以上、12時間以下とする。前記所定温度、所定時間範囲内で加熱すると、活性のより高い触媒を製造することができる。乾燥時の雰囲気に特に制限はなく、大気雰囲気下、不活性雰囲気下のいずれでも実施できるが、通常大気雰囲気下である。
モリブデン含有化合物は、含浸工程(I)により、モリブデン化合物の一部がサイズの小さなモリブデン酸イオンMoO 2−になり、ゼオライトの細孔内に導入され、ゼオライトに担持され、100℃以上300℃以下の乾燥のみでも触媒活性を示すと考えられる。
また、焼成することにより、より高い触媒活性を有する触媒が得られる。
乾燥が焼成を兼ねる場合や乾燥後に焼成を行う場合の加熱温度は、好ましくは500℃以上、より好ましくは600℃以上、さらに好ましくは700℃以上であり、好ましくは1000℃以下、より好ましくは950℃以下である。
ただし、ゼオライトの種類によっては、適用できる温度が異なることがあり、例えば担体がZSM−5である場合の加熱温度は、好ましくは700℃以上、より好ましくは750℃以上、さらに好ましくは800℃以上であり、好ましくは1050℃以下、より好ましくは1000℃以下、さらに好ましくは950℃以下である。
また、ゼオライトがベータ型である場合の加熱温度は、好ましくは500℃以上、より好ましくは600℃以上、さらに好ましくは700℃以上であり、好ましくは1000℃以下、より好ましくは900℃以下、さらに好ましくは800℃以下である。
加熱時間としては所定の温度に到達してから、好ましくは30分以上、24時間以内であり、より好ましくは1時間以上、12時間以内である。前記範囲内であると、活性のより高い触媒を製造することができる。
また、焼成を実施する雰囲気は、通常大気雰囲気である。
(Mo担持ゼオライト触媒)
本発明の製造方法によって得られたMo担持触媒は、ゼオライトを含む担体の細孔内表面に金属や金属酸化物の状態でMoが担持されているもの、イオン交換や複合化で担体内部(担体骨格)にMoが導入されているものが存在すれば、触媒における遷移元素の状態や組成も特に限定されない。例えば、担体の表面(外表面)に金属や金属酸化物の状態で担持されていてもよい。また、担体の表面(外表面)や細孔内に第3〜5族、第7〜12族およびMo以外の第6族遷移元素や典型元素(アルカリ金属、アルカリ土類金属等)が、Mo担持ゼオライト触媒の性能を損なわない範囲で担持されていてもよい。
触媒における遷移元素の総含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。上記範囲内であると、より効率良くオリゴシランを製造することができる。
本発明の一態様により得られるゼオライト触媒は粉体を球状、円柱状(ペレット状)、リング状、ハニカム状等に成形した成形体の形態であることが好ましい。なお、粉体を成形するためにアルミナや粘土化合物等のバインダーを使用してもよい。バインダーの使用量があまりに少ないと成形体の強度を保つことができないし、バインダーの使用量があまりに多いと触媒活性への悪影響を与えるので、バインダーとしてアルミナを使用する場合のアルミナの含有量(アルミナ、遷移元素及び典型元素を含まない(元の粉状の)担体100質量部に対して)は、好ましくは2質量部以上、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上であり、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下である。上記範囲内であると、担体強度を保ちながら触媒活性への悪影響を抑えることができる。
(脱水素カップリング方法)
本発明の一態様は、上記製造方法により得られたゼオライト触媒を用いて脱水素反応を行うステップを含む、脱水素カップリング方法である。
本発明の一態様に係る製造方法により得られたゼオライト触媒は、テトラヒドロシラン(SiH、「シラン」、「モノシラン」ともいう)を脱水素縮合させてオリゴシランを生成する脱水素カップリング方法や、メタンから芳香族化合物を生成する脱水素カップリング方法などの触媒として高い活性を有する。
メタンからベンゼン等の芳香族に至るメカニズムとしては、まずメタンが脱水素カップリングしてエチレン等が生成し、さらに環化三量化が進行する又はメタンから脱水素したメチレン中間体が順次環状化してベンゼンへの反応が進行していると考えられる。モリブデン担持ゼオライト触媒が特に優れているのは、非常に安定であるメタンの脱水素反応に
モリブデンが触媒として有効に作用するとともに、ゼオライトの酸点と形状選択性により、コ−キングを抑えながらベンゼン環への環状化を、有効に促進しているためと推測される。
同様に、シランからオリゴシランへの反応に関しても、シランの脱水素カップリングをモリブデンが反応を加速しているとともに、ゼオライトの酸点と形状選択性により固体状ポリシランの生成を抑えながら、この場合には原子半径の違いにより環化せずにシリレン中間体等が二量化し、ジシランや更にトリシランへ反応していくものと推測される。
(オリゴシランの製造方法)
脱水素カップリングの一例として、ヒドロシランを脱水素縮合させるオリゴシランの製造について以下に詳細に説明する。
オリゴシランの製造に使用する反応器、操作手順、反応条件等は特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。以下、反応器、操作手順、反応条件等について具体例を挙げて説明するが、これらの内容に限定されるものではない。
反応器は、図2(a)に示されるような回分反応器、図2(b)に示されるような連続槽型反応器、図2(c)に示されるような連続管型反応器の何れのタイプの反応器を使用してもよい。
操作手順は、例えば回分反応器を用いる場合、乾燥させた本発明に係るゼオライト触媒を反応器内に設置し、反応器内の空気を減圧ポンプ等を利用して除去した後、テトラヒドロシラン等を投入して密閉し、反応器内を反応温度まで昇温して反応を開始する方法が挙げられる。
一方、連続槽型反応器又は連続管型反応器を用いる場合、乾燥させた本発明に係るゼオライト触媒を反応器内に設置し、反応器内の空気を減圧ポンプ等を利用して除去した後、ヒドロシラン等を流通させ、反応器内を反応温度まで昇温して反応を開始する方法が挙げられる。
反応器には、ヒドロシラン及び本発明に係るゼオライト触媒以外の化合物を投入又は流通させてもよい。ヒドロシラン及び本発明に係るゼオライト触媒以外の化合物としては、水素ガス、ヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガス等のガスやシリカ、水素化チタンなどのヒドロシランに対してほとんど反応性の無い固形物等が挙げられるが、特に水素ガスの存在下で行われることが好ましい。水素ガスの存在下であると、ゼオライト等の劣化が抑制されて、長時間安定的にオリゴシランを製造することができる。
ヒドロシランの脱水素縮合によって、下記反応式(i)に示されるようにジシラン(Si)が生成することになるが、生成したジシランの一部は下記反応式(ii)に示されるようにテトラヒドロシラン(SiH)とジヒドロシリレン(SiH)に分解されるものと考えられる。さらに生成したジヒドロシリレンは、下記反応式(iii)に示されるように重合して固体状のポリシラン(SiHとなり、このポリシランがゼオライトの表面に吸着して、ヒドロシランの脱水素縮合活性が低下するためにジシランを含むオリゴシランの収率等が低下するものと考えられる。
一方、水素ガスが存在すると、下記反応式(iv)に示されるようにジヒドロシリレンからテトラヒドロシランが生成して、ポリシランの生成が抑制されるため、長時間安定的にオリゴシランを製造することができるものと考えられる。
2SiH → Si + H (i)
Si → SiH + SiH (ii)
nSiH → (SiH (iii)
SiH +H →SiH (iv)
なお、反応器内は、水分が極力含まれないことが好ましい。例えば、反応前にゼオライト触媒や反応器を十分に乾燥させたりすることが好ましい。
反応温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以上、さらに好ましくは200℃以上であり、好ましくは450℃以下、より好ましくは400℃以下、さらに好ましくは350℃以下である。上記範囲内であると、より効率良くオリゴシランを製造することができる。なお、反応温度は、図3(a)に示されるように、反応工程中において一定に設定するほか、図3(b1)、(b2)に示されるように、反応開始温度を低めに設定し、反応工程中において昇温させても、或いは図3(c1)、(c2)に示されるように、反応開始温度を高めに設定し、反応工程中において降温させてもよい(反応温度の昇温は、図3(b1)に示されるように連続的であっても、図3(b2)に示されるように段階的であってもよい。同様に反応温度の降温は、図3(c1)に示されるように連続的であっても、図3(c2)に示されるように段階的であってもよい。)。特に反応開始温度を低めに設定し、反応工程中において反応温度を昇温させることが好ましい。反応開始温度を低めに設定することによって、本発明に係るゼオライト等の劣化が抑制され、より効率良くオリゴシランを製造することができる。反応温度を昇温させる場合の反応開始温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは150℃以上であり、好ましくは350℃以下、より好ましくは300℃以下、さらに好ましくは250℃以下である。
反応圧力は、絶対圧力で好ましくは0.1MPa以上、より好ましくは0.15MPa以上、さらに好ましくは0.2MPa以上であり、好ましくは10MPa以下、より好ましくは5MPa以下、さらに好ましくは1MPa以下である。なお、テトラヒドロシランの分圧は、好ましくは0.0001MPa以上、より好ましくは0.0005MPa以上、さらに好ましくは0.001MPa以上であり、好ましくは通常100MPa以下、より好ましくは50MPa以下、さらに好ましくは10MPa以下である。上記範囲内であると、より効率良くオリゴシランを製造することができる。
反応工程が水素ガスの存在下で行われる場合の水素ガスの分圧は、好ましくは0.01MPa以上、より好ましくは0.03MPa以上、さらに好ましくは0.05MPa以上であり、好ましくは10MPa以下、より好ましくは5MPa以下、さらに好ましくは1MPa以下である。上記範囲内であると、長時間安定的にオリゴシランを製造することができる。
連続槽型反応器又は連続管型反応器を用いる場合、流通させるヒドロシランの流量は、触媒との接触時間が短いと転化率が低くなりすぎるし、あまりに長いとポリシランが生成しやすくなるので、接触時間が0.01秒から30分になるように設定することが好ましい。この場合、本発明に係るゼオライト触媒1.0gに対して、テトラヒドロシランガスの流量(1分間に流通させるテトラヒドロシランガスの標準状態(0℃−1atm)での体積換算量)は好ましくは0.01mL/分以上、より好ましくは0.05mL/分以上、さらに好ましくは0.1mL/分以上であり、好ましくは1000mL/分以下、より好ましくは500mL/分以下、さらに好ましくは100mL/分以下である。上記範囲内であると、より効率良くオリゴシランを製造することができる。また、オートクレーブ等により回分式で反応を行う場合にも、長時間にわたり反応を行うとポリシランができやすくなるし、あまりに短時間では反応転化率が低くなりすぎるので、反応時間は1分から1時間が好ましく、より好ましくは5分から30分程度である。
反応工程が水素ガスの存在下で行われる場合の流通させる水素ガスの流量は、本発明に係るゼオライト触媒1.0gに対して、水素ガス流量(1分間に流通させる水素ガスの標準状態(0℃−1atm)での体積換算量)は好ましくは0.01mL/分以上、より好ましくは0.05mL/分以上、さらに好ましくは0.1mL/分以上であり、好ましくは100mL/分以下、より好ましくは50mL/分以下、さらに好ましくは10mL/分以下である。上記範囲内であると、長時間安定的にオリゴシランを製造することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
95Mo−NMRの測定方法>
試料(モリブデン含有溶液)4.2gを0.45μmメンブランフィルターでろ過後、NMRのサンプル管の外管(10mmφ)に試料、内管(5mmφ)に重水(DO)を入れ、95Mo−NMRを測定した。基準物質として、20質量%NaMoO 重水溶液(0ppm)、NMR測定装置としてBruker Biospin AV400(Bruker Biospin社製)を使用した。測定温度は特に指定がない場合は室温で測定した。
試料(モリブデン含有溶液)のpHは、堀場製作所製twin pHメーター AS−212を用いて測定した。
<XRDの測定方法>
XRD測定は以下の装置および条件で行った。
装置:PANalytical製 X’ Pert Pro MPD
X線源:Cu Kα線
出力:45kV 40mA
光学系:集中光学系
検出器:半導体検出器 X’ Celerator
測定法:粉末法(ガラスホルダー使用)
走査域 2θ:2.0−90.0°
Step幅:0.02°
Time/step:20s
なお、反応例は、実施例及び比較例で得られた触媒を図4に示される加熱可能な反応装置の反応管内の固定床に固定して、シラン類を含む反応ガスを流通させて実施した。生成したガスは、株式会社島津製作所製ガスクロマトグラフGC−17Aを用いて、TCD検出器で分析を行った。ジシランの補正および同定は、既知の濃度のシランおよびジシランの混合ガスを標準ガスとして用いて実施した。ジシラン等の定性分析は、MASS(質量分析計)で行った。なお、図4のフィルター10は、反応ガスサンプルリング用ではあるが、実施例では特に冷却等を行いサンプリングするような操作はせず、直接反応ガスをガスクロマトグラフに導入して分析した。本評価に使用した反応装置は試験、研究用であるため、生成物を安全な形で系外に排出するための除害装置13を装備している。また、以下の実施例、比較例において、110℃での乾燥は「いすゞ製作所社製 熱風循環式定温乾燥器 ASF−111S」を使用した。また、900℃での焼成は「ヤマト科学社製電気炉 FO−100」を使用した。
[実施例1]
七モリブデン酸六アンモウム四水和物0.184g(触媒全体(担体とモリブデン酸アンモニウムの総量)に対するMoとしての含有量は1質量%)を25質量%アンモニア水10gに溶解した。このモリブデン含有溶液の95Mo−NMRを測定した。95Mo−NMR測定結果を図5に示す。図5から、このモリブデン含有溶液の95Mo−NMRスペクトルは−2ppm付近に単一ピークしか検出されない(A/(A+B)=1)ことが確認された。また、このモリブデン含有溶液のpHは10.9であった。このモリブデン含有溶液を担体であるZSM−5(東ソー製:製品名 822HOA シリカ/アルミナ比:23 粉状)10.0gに加えて、大気雰囲気下、室温で2時間含浸させた。その後、エバポレーターにより、40℃の水浴に漬けて、突沸しないようにゆっくりと減圧しな
がら、アンモニア、水分を蒸発させた。引き続き、大気雰囲気下、110℃で2時間乾燥させた後、大気雰囲気下、900℃で2時間焼成して、粉体状の触媒を得た。
[実施例2]
酸化モリブデン(VI)0.150g(触媒全体(担体とモリブデン酸アンモニウムの総量)に対するMoとしての含有量は1質量%)を25質量%アンモニア水10gに溶解した。このモリブデン含有溶液の95Mo−NMRを測定した。95Mo−NMR測定結果を図6に示す。図6から、このモリブデン含有溶液の95Mo−NMRスペクトルは、実施例1と同様に−2ppm付近に単一ピークしか検出されない(A/(A+B)=1)ことが確認された。また、このモリブデン含有溶液のpHは8.8であった。このモリブデン含有溶液を担体であるZSM−5(東ソー製:製品名 822HOA シリカ/アルミナ比:23 粉状)10.0gに加えて、大気雰囲気下、室温で2時間含浸させた。
その後、実施例1と同様にして乾燥、焼成を行い、粉体状の触媒を得た。
[実施例3]
酸化モリブデン(VI)0.600g(触媒全体(担体とモリブデン酸アンモニウムの総量)に対するMoとしての含有量は4質量%)を25質量%アンモニア水10gに溶解した。ほんのわずかに不溶物(使用した酸化モリブデンの数%程度)があったので、0.45μmメンブランフィルターでろ過後、このモリブデン含有溶液の95Mo−NMRを測定した結果、実施例2と同様に−2ppm付近に単一ピークしか検出されない(A/(A+B)=1)ことが確認された。また、このモリブデン含有溶液のpHは8.2であった。濾過後のモリブデン含有溶液を担体であるZSM−5(東ソー製:製品名 822HOA シリカ/アルミナ比:23 粉状)10.0gに加えて、大気雰囲気下、室温で2時間含浸させた。
その後、焼成温度を500℃に変更した以外は実施例1と同様にして、乾燥、焼成を行い、粉体状の触媒を得た。
[実施例4]
七モリブデン酸六アンモウム四水和物0.131g(触媒全体(担体とモリブデン酸アンモニウムの総量)に対するMoとしての含有量は1質量%)を25質量%アンモニア水2.73g(約3ml)に溶解した。このモリブデン含有溶液の95Mo−NMRを測定した結果、実施例1と同様に−2ppm付近に単一ピークしか検出しない(A/(A+B)=1)ことが確認された。また、このモリブデン含有溶液のpHは10.7であった。このモリブデン含有溶液を担体であるペレット状のZSM−5(東ソー製:製品名 822HOD3A シリカ/アルミナ比:23 バインダーとしてアルミナ約20質量%を用いてペレット状にしたもの)7.10g(10ml)に加えて、大気雰囲気下、室温で2.0時間含浸させた。
その後、実施例1と同様にして乾燥、焼成を行い、ペレット状の触媒を得た。
[実施例5]
七モリブデン酸六アンモウム四水和物0.131g(触媒全体(担体とモリブデン酸アンモニウムの総量)に対するMoとしての含有量は1質量%)を28質量%トリメチルアミン水溶液3.0gに溶解した。このモリブデン含有溶液の95Mo−NMRを測定した結果、−3.9ppm付近に単一ピークしか検出しない(A/(A+B)=1)ことが確認された。また、このモリブデン含有溶液のpHは10.0であった。このモリブデン含有溶液を担体であるペレット状のZSM−5(東ソー製:製品名 822HOD3A シリカ/アルミナ比:23 バインダーとしてアルミナ約20質量%を用いてペレット状にしたもの)7.10g(10ml)に加えて、大気雰囲気下、室温で2.0時間含浸させた。
その後、実施例1と同様にして乾燥、焼成を行い、ペレット状の触媒を得た。
[実施例6]
七モリブデン酸六アンモウム四水和物0.131g(触媒全体(担体とモリブデン酸アンモニウムの総量)に対するMoとしての含有量は1質量%)を70質量%モノエチルアミン水溶液3.0gに溶解した。このモリブデン含有溶液の95Mo−NMRを測定した結果、−2.3ppm付近に単一ピークしか検出しない(A/(A+B)=1)ことが確認された。また、このモリブデン含有溶液のpHは11.3であった。このモリブデン含有溶液を担体であるペレット状のZSM−5(東ソー製:製品名 822HOD3A シリカ/アルミナ比:23 バインダーとしてアルミナ約20質量%を用いてペレット状にしたもの)7.10g(10ml)に加えて、大気雰囲気下、室温で2.0時間含浸させた。
その後、実施例1と同様にして乾燥、焼成を行い、ペレット状の触媒を得た。
[実施例7]
七モリブデン酸六アンモウム四水和物0.131g(触媒全体(担体とモリブデン酸アンモニウムの総量)に対するMoとしての含有量は1質量%)をモノエタノールアミン:純水=3:2(質量比)の混合溶媒3.0gに溶解した。このモリブデン含有溶液の95Mo−NMRを測定した結果、−5.1ppm付近に単一ピークしか検出しない(A/(A+B)=1)ことが確認された。また、このモリブデン含有溶液のpHは10.6であった。このモリブデン含有溶液を担体であるペレット状のZSM−5(東ソー製:製品名
822HOD3A シリカ/アルミナ比:23 バインダーとしてアルミナ約20質量%を用いてペレット状にしたもの)7.10g(10ml)に加えて、大気雰囲気下、室温で2.0時間含浸させた。
その後、実施例1と同様にして乾燥、焼成を行い、ペレット状の触媒を得た。
[実施例8]
七モリブデン酸六アンモウム四水和物0.131g(触媒全体(担体とモリブデン酸アンモニウムの総量)に対するMoとしての含有量は1質量%)をジエタノールアミン:純水=3:2(質量比)の混合溶媒3.0gに溶解した。このモリブデン含有溶液の95Mo−NMRを測定した結果、−7.1ppm付近に単一ピークしか検出しない(A/(A+B)=1)ことが確認された。また、このモリブデン含有溶液のpHは9.6であった。このモリブデン含有溶液を担体であるペレット状のZSM−5(東ソー製:製品名 822HOD3A シリカ/アルミナ比:23 バインダーとしてアルミナ約20質量%を用いてペレット状にしたもの)7.10g(10ml)に加えて、大気雰囲気下、室温で2.0時間含浸させた。
その後、実施例1と同様にして乾燥、焼成を行い、ペレット状の触媒を得た。
[実施例9]
焼成条件を300℃−24時間に変更した以外は、実施例1と同様に触媒を調製し、粉体状の触媒を得た。
[実施例10]
七モリブデン酸六アンモウム四水和物0.184g(触媒全体(担体とモリブデン酸アンモニウムの総量)に対するMoとしての含有量は1質量%)を、純水8g、25質量%アンモニア水2gを混合した溶液に溶解した。このモリブデン含有溶液の95Mo−NMRを測定した。95Mo−NMR測定結果を図7に示す。図7から、このモリブデン含有溶液の95Mo−NMRスペクトルは0ppm付近にシャープな大きなピークが観察され、35ppm付近にもブロードなピークが検出されることが確認された(A/(A+B)=0.75)。また、このモリブデン含有溶液のpHは7.4であった。このモリブデン含有溶液を担体であるZSM−5(東ソー製:製品名 822HOA シリカ/アルミナ
比:23 粉状)10.0gに加えて、大気雰囲気下、室温で2時間含浸させた。その後、エバポレーターにより、40℃の水浴に漬けて、突沸しないようにゆっくりと減圧しながら、アンモニア、水分を蒸発させた。引き続き、大気雰囲気下、110℃で2時間乾燥させた後、大気雰囲気下、300℃で24時間焼成して、粉体状の触媒を得た。
[実施例11]
七モリブデン酸六アンモウム四水和物0.184g(触媒全体(担体とモリブデン酸アンモニウムの総量)に対するMoとしての含有量は1質量%)を純水9.5g、25質量%アンモニア水0.5gを混合した溶液に溶解した。このモリブデン含有溶液の95Mo−NMRを測定した。95Mo−NMR測定結果を図8に示す。図8から、このモリブデン含有溶液の95Mo−NMRスペクトルは0ppm付近にシャープなピークと35ppm付近にブロードなピークが検出され、220ppm付近にもブロードなピークが観察されることが確認された(A/(A+B)=0.47)。また、このモリブデン含有溶液のpHは7.1であった。このモリブデン含有溶液を担体であるZSM−5(東ソー製:製品名 822HOA シリカ/アルミナ比:23 粉状)10.0gに加えて、大気雰囲気下、室温で2時間含浸させた。その後、実施例10と同様にして乾燥、焼成を行い、粉体状の触媒を得た。
[比較例1](モリブデン酸アンモニウム 水溶液含浸法 粉使用)
七モリブデン酸六アンモウム四水和物 0.184g(触媒全体(担体とモリブデン酸アンモニウムの総量)に対するMoとしての含有量は1質量%)を純水10gに溶解した。このサンプルの95Mo−NMRを測定した。95Mo−NMR測定結果を図9に示す。図9から、このモリブデン含有溶液の95Mo−NMRスペクトルは35ppm付近にブロードな大きなピークが検出され、0ppm、220ppm付近にもブロードなピークが検出されることが確認された(A/(A+B)=0.02)。また、このモリブデン含有溶液のpHは6.0であった。このモリブデン水溶液を担体であるZSM−5(東ソー製:製品名 822HOA シリカ/アルミナ比:23 粉状)10.0gに加えて、大気雰囲気下、室温で2時間含浸させた。
その後、実施例1と同様にして乾燥、焼成を行い、粉体状の触媒を得た。
[比較例2]
酸化モリブデン(VI) 0.600g(触媒全体(担体とモリブデン酸アンモニウムの総量)に対するMoとしての含有量は4質量%)を純水10gに溶解しようとしたが、懸濁したままでほとんど溶解しなかった。上澄み液を、0.45μmメンブランフィルターでろ過後、このサンプルの95Mo−NMRを測定しようとしたが、ほとんどピークが検出されなかった。上澄み液を濾過した液を元の懸濁液に戻し、モリブデン懸濁水を担体であるZSM−5(東ソー製:製品名 822HOA シリカ/アルミナ比:23 粉状)10.0gに加えて、極力混合した。
その後乾燥機を用いて大気雰囲気下、110℃で2時間乾燥させた後、大気雰囲気下、500℃で2時間焼成して、粉体状の触媒を得た。
図10に、モリブデン担持後の500℃焼成前後での比較例2および実施例3の触媒のXRDパターンを酸化モリブデン(VI)、ゼオライトのXRDパターンと併せて示す。
図10より、比較例2のものは、乾燥しただけでは酸化モリブデン(VI)のパターンが残っており、ゼオライトの外表面に付着しただけの可能性が高いことがわかる。
[比較例3]
(モリブデン酸アンモニウム 水溶液含浸法 ペレット使用)
七モリブデン酸六アンモウム四水和物 0.131g(触媒全体(担体とモリブデン酸アンモニウムの総量)に対するMoとしての含有量は1質量%)を純水3.00g(約3ml)に溶解した。このサンプルの95Mo−NMRを測定した結果、比較例1と同様に
35ppm付近にブロードで大きなピークが検出され、0ppm、220ppm付近にもブロードなピークが検出されることが確認された(A/(A+B)=0.02)。また、このモリブデン含有溶液のpHは6.0であった。このモリブデン水溶液に担体であるペレット状のZSM−5(東ソー製:製品名 822HOD3A シリカ/アルミナ比:23 バインダーとしてアルミナ約20%を用いてペレット状にしたもの)7.10g(10ml)を加えて、大気雰囲気下、室温で2時間含浸させた。
その後、実施例1と同様にして乾燥、焼成を行い、ペレット状の触媒を得た。
[比較例4]
焼成条件を300℃−24時間に変更した以外は、比較例1と同様に触媒を調製し、粉体状の触媒を得た。
[反応例1]
実施例1で調製した触媒0.10gを反応管(内径8mm、長さ50mm、材質:SUS−316L)に入れ、反応管内を減圧ポンプで空気を除去した後にHeガスに置換した。反応管にHeガスを20mL/分の速度で流通させ、300℃に昇温後1時間流通させた。その後、Arガス20モル%、シラン(テトラヒドロシラン)ガス80モル%の混合ガスを3mL/分、水素ガス1mL/分で、ガスミキサーにて混合し、反応管に流通させた。反応時間(反応管内のガス滞留時間)は3.4秒であった。所定の圧力(絶対圧力0.3MPa)に達してから、所定の時間経過後の反応ガス組成をガスクロマトグラフィーで分析した。評価結果を表1に示す。
また、実施例2〜実施例8、比較例1〜3の触媒も反応例1と同様にシランを反応させた。結果を表2〜表11に示す。
また、実施例9〜11、比較例4の触媒を反応例1と同様にシランを反応させた。反応温度300℃−4時間後の結果を表12に示す。
実施例9〜11、比較例4では、シランの転化率が低く、シランのピーク面積より求めると誤差が大きかったので、以下の数式より求めた。

シラン転化率(%)=ジシラン収率+トリシラン収率
同一種類の担体、モリブデン化合物を使用した、実施例1と比較例1との比較、実施例2、3と比較例2との比較、実施例4と比較例3との比較から、いずれも実施例の方が比較例に比べてジシランの収率が高く、反応性が良好であることがわかる。また、実施例4〜8より、触媒を調製する際に用いるモリブデン含有溶液の溶媒の種類によらず、−10ppmから0ppmの範囲に単一のピークが観測されるモリブデン含有溶液を用いれば反応性が良好であることがわかる。
また、表12より、低温焼成の場合、A/(A+B)=0.02(−10ppmから0ppmの範囲に観測される95Moのピークの積分強度面積をA、15ppmから70ppmの範囲に観測されるピークの積分強度面積をB)のものは殆ど反応しないのに対し、A/(A+B)が、0.4以上であればジシランが得られていることがわかる。
本発明の一態様により、モリブデン担持ゼオライト触媒を簡便に製造することが出来、工業的に有利である。本発明の一態様により得られるモリブデン担持触媒は、ヒドロシランを脱水素縮合させる触媒として非常に有用である。本発明の一態様により得られる触媒を用いる反応により得られるジシランは半導体シリコンの製造ガスとして利用することができ、ジシランの収率・選択率の向上から、半導体産業における生産性の向上が期待できる。
1 テトラヒドロシランガス(SiH)ボンベ(Ar20モル%混合)
2 水素ガス(H)ボンベ
3 ヘリウムガス(He)ボンベ
4 緊急遮断弁(ガス検連動遮断弁)
5 減圧弁
6 マスフローコントローラ(MFC)
7 圧力計
8 ガスミキサー
9 反応管
10 フィルター
11 ロータリーポンプ
12 ガスクロマトグラフ
13 除害装置

Claims (7)

  1. (I)ゼオライトを含む担体にモリブデン含有溶液を含浸させる含浸工程
    (II)前記含浸工程後の担体を100℃以上に加熱する加熱処理工程
    を含むモリブデン担持ゼオライト触媒の製造方法であって、
    前記含浸工程において、95Mo−NMR法により測定される、−10ppmから0ppmの範囲に観測される95Moのピークの積分強度面積をA、15ppmから70ppmの範囲に観測されるピークの積分強度面積をBとするとき、A/(A+B)が、0.4以上であるモリブデン含有溶液を用いることを特徴とする、モリブデン担持ゼオライト触媒の製造方法。
  2. 前記A/(A+B)が、0.8以上である、請求項1に記載のモリブデン担持ゼオライト触媒の製造方法。
  3. 前記モリブデン含有溶液のpHが7.2〜14である、請求項1又は2に記載のモリブデン担持ゼオライト触媒の製造方法。
  4. 前記モリブデン含有溶液の溶媒がアンモニア水である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のモリブデン担持ゼオライト触媒の製造方法。
  5. 前記加熱処理工程の温度が100〜1000℃である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモリブデン担持ゼオライト触媒の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法により得られたゼオライト触媒を用いて脱水素反応を行うステップを含む、脱水素カップリング方法。
  7. 請求項6記載の脱水素カップリング方法によりシラン化合物の脱水素カップリングを行う、オリゴシランの製造方法。
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