JP2019188344A - オリゴシラン製造用再生触媒の製造方法 - Google Patents

オリゴシラン製造用再生触媒の製造方法 Download PDF

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清志 埜村
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博 内田
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吉満 石原
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Abstract

【課題】ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを製造する際に使用して経時的に性能が低下した、特定の遷移元素を含む触媒を再生させ、オリゴシラン製造用再生触媒を得る方法を提供する。【解決手段】オリゴシラン製造用再生触媒の製造方法であって、ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを製造する際に使用した劣化触媒に、400℃以上1100℃以下の温度で酸素ガス含有ガスを接触させる加熱処理工程、を含み、再生触媒がシリカ、アルミナ及びゼオライトからなる群より選択される少なくとも1種の担体並びに周期表第5族遷移元素及び第6族遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素を含む、ことを特徴とする、オリゴシラン製造用再生触媒の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、オリゴシラン製造用再生触媒の製造方法に関する。
ヘキサヒドロジシラン(Si,以下、「ジシラン」と略す場合がある。)やオクタヒドロトリシラン(Si,以下、「トリシラン」と略す場合がある。)等のオリゴシランは、テトラヒドロシラン(SiH,以下、「モノシラン」と略す場合がある。)に比べて反応性が高く、アモルファスシリコンやシリコン膜を形成するための前駆体等として非常に有用な化合物である。
従来、オリゴシランを製造する方法としては、マグネシウムシリサイドの酸分解法(非特許文献1参照)、ヘキサクロロジシランの還元法(非特許文献2参照)、テトラヒドロシランの放電法(特許文献1参照)、シランの熱分解法(特許文献2、3参照)、並びに触媒を用いたシランの脱水素縮合法(特許文献4〜11参照)等が報告されている。
テトラヒドロシラン(SiH)の脱水素縮合法を利用したオリゴシランの製造方法は、安価で入手しやすい原料を用いるという点において、比較的低コストでオリゴシランを製造することができる工業的に優れた方法である。
米国特許第5478453号明細書 特許第4855462号公報 特開平11−260729号公報 特開平03−183613号公報 特開平01−198631号公報 特開平02−184513号公報 特開平05−032785号公報 特表2013−506541号公報 国際公開第2015/060189号 国際公開第2015/090996号 国際公開第2017/141889号
Hydrogen Compounds of Silicon. I. The Preparation of Mono- and Disilane, WARREN C. JOHNSON and SAMPSON ISENBERG, J. Am. Chem. Soc., 1935, 57, 1349. The Preparation and Some Properties of Hydrides of Elements of the Fourth Group of the Periodic System and of their Organic Derivatives, A. E. FINHOLT,A. C. BOND,J R., K. E. WILZBACH and H. I. SCHLESINGER, J. Am. Chem. Soc., 1947, 69, 2692.
本発明者らは、これまでに、テトラヒドロシラン(SiH)の脱水素縮合法を利用して効率良くオリゴシランを製造する方法、例えば、遷移元素を含有するオリゴシラン製造用触媒を開発してきた(特許文献11参照。)。当該遷移元素含有触媒は、効率良くオリゴシランを製造出来るが、使用時間の経過とともに触媒の性能は劣化する。
特許文献9には、ゼオライト構造を有する多孔質酸化物を用いる高級シランの製造触媒
に関し、低級シランの転化率が減少した場合には、触媒賦活処理を施すことにより低級シラン転化率を向上させることができること、該触媒賦活処理として水素ガスを含有するガスを流通させることが好ましいことが記載されている。
しかしながら、本発明者らが特許文献11に記載の遷移元素含有触媒に対して水素処理を行ったところ、周期表第5族遷移元素や第6族遷移元素を含むオリゴシラン製造用触媒については触媒性能が復活するどころか、逆に劣化することがわかった。
上記に鑑み、本発明は、ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを製造する際に使用して経時的に性能が低下した、特定の遷移元素を含む触媒を再生する方法、すなわち、オリゴシラン製造用再生触媒の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、シリカ、アルミナ及びゼオライトからなる群より選択される少なくとも1種の担体並びに周期表第5族遷移元素及び第6族遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素を含む触媒を用いて、ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを製造した際、反応時間の経過とともに劣化した触媒に、400℃以上1100℃以下の温度で酸素ガス含有ガスを接触させる加熱処理を行うことで、触媒の活性が回復し、効率よくヒドロシランを脱水素縮合させられることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の実施形態には以下が含まれる。
[1] オリゴシラン製造用再生触媒の製造方法であって、
ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを製造する際に使用した劣化触媒に、400℃以上1100℃以下の温度で酸素ガス含有ガスを接触させる加熱処理工程、を含み、
再生触媒がシリカ、アルミナ及びゼオライトからなる群より選択される少なくとも1種の担体並びに周期表第5族遷移元素及び第6族遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素を含む、
ことを特徴とする、オリゴシラン製造用再生触媒の製造方法。
[2] 前記酸素ガス含有ガス中の酸素濃度が5体積%以上100体積%以下である、[1]に記載のオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法。
[3] 前記加熱処理工程を800℃以上950℃以下かつ0.1MPa以上1MPa以下の条件下で行う、[1]又は[2]に記載のオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法。[4] 前記加熱処理工程を10分〜24時間行う、[1]〜[3]の何れかに記載のオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法。
[5] 前記酸素ガス含有ガスが水素ガスを含まない、[1]〜[4]の何れかに記載のオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法。
[6] 前記ゼオライトが、短径が0.43nm以上、長径が0.69nm以下の細孔を有する、[1]〜[5]の何れかに記載のオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法。
[7] 前記遷移元素が、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素である、[1]〜[6]の何れかに記載のオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法。
[8] 前記再生触媒が、周期表第1族典型元素及び第2族典型元素からなる群より選択される少なくとも1種の典型元素をさらに含有する、[1]〜[7]の何れかに記載のオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法。
[9] 前記ヒドロシランが、テトラヒドロシラン(SiH)であり、前記オリゴシランがヘキサヒドロジシラン(Si)を含む、[1]〜[8]の何れかに記載のオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法。
[10] ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを生成する反応工程を含むオリゴシランの製造方法であって、
前記反応工程が、[1]〜[9]のいずれかに記載のオリゴシラン製造用再生触媒の存在下で行われる、オリゴシランの製造方法。
本発明によれば、ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを製造する際に使用して経時的に性能が低下した触媒を再生する方法、すなわち、オリゴシラン製造用再生触媒の製造方法が提供される。
本発明のオリゴシランの製造方法に使用することができる反応器の概念図である((a):回分反応器、(b):連続槽型反応器、(c):連続管型反応器)。 反応温度のプロファイルを表した概念図である。 実施例及び比較例に使用した反応装置の概念図である。
以下、本発明のオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法について説明する。
本発明のオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法の詳細を説明するに当たり、具体例を挙げて説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
本実施形態に係る発明は、オリゴシラン製造用再生触媒の製造方法であって、ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを製造する際に使用した劣化触媒に、400℃以上1100℃以下の温度で酸素ガス含有ガスを接触させる加熱処理工程、を含み、再生触媒がシリカ、アルミナ及びゼオライトからなる群より選択される少なくとも1種の担体並びに周期表第5族遷移元素及び第6族遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素を含む、ことを特徴とする。本発明の一実施形態であるオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法は、経時的に性能が低下したオリゴシラン製造用触媒の再生方法でもある。
オリゴシランの製造において、触媒は、反応過程で、活性成分の減少、活性成分の変質、破砕等による触媒の物理的な崩壊、被毒成分の蓄積等により、反応初期に有する反応活性が低下する。本発明者らは、シリカ、アルミナ及びゼオライトからなる群より選択される少なくとも1種の担体並びに周期表第5族遷移元素及び第6族遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素を含む触媒を用いてヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを製造する場合、反応の進行とともに活性が低下した触媒に対して水素ガス処理を行ったところ、触媒性能が復活するどころか、反応活性が一層低下するという知見を得た。さらに、反応の進行とともに活性が低下した触媒に対して400℃以上1100℃以下の温度で酸素ガス含有ガスに接触させることで、このような経時的に劣化した触媒を、初期の触媒活性を示す再生触媒に再生することが可能となることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の効果発現のメカニズムの詳細は明らかではないが、下記の通りと推定している。但し、これらは推定であって、本発明は、これらメカニズムに限定されるものではない。ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを製造する場合、白金やパラジウムなどの遷移元素を含有する触媒は水素ガスにより還元されて触媒活性が復活する。一方、周期表第5族遷移元素や第6族遷移元素を含有する触媒は、水素ガス処理により反応活性が一層低下する。水素ガスは強い還元剤であり、原料ガスのモノシランも還元作用を有することから、周期表第5族遷移元素や第6族遷移元素を含有する触媒の活性種の形態は酸化物であることが推察される。そして、モノシランや水素ガスの還元作用により、酸化物が還元され活性種が減少して反応活性が低下することが推察され、周期表第5族遷移元素や第6族遷移元素の遷移元素は、高温で酸素ガス含有ガスに接触させることで、高原子価の遷移元素酸化物となり、触媒活性が復活すると推察される。
本実施形態に係る方法によると、簡便に触媒の活性を回復することが出来、また、触媒を再生することにより、長期間にわたり安定してヒドロシランからオリゴシランを製造で
きる。また、コストも低減の効果も期待出来る。
[劣化触媒]
本発明において、劣化触媒は、ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを製造する際に使用した触媒であり、シリカ、アルミナ及びゼオライトからなる群より選択される少なくとも1種の担体並びに周期表第5族遷移元素及び第6族遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素を含む。
担体は、シリカ、アルミナ及びゼオライトからなる群より選択される少なくとも1種を含む。シリカ、アルミナ、ゼオライトは遷移元素を担持した場合の熱安定性の点で好ましく、ゼオライトがジシラン選択率の点でより好ましく、短径が0.43nm以上、長径が0.69nm以下の細孔を有するゼオライトがさらに好ましい。ゼオライトの細孔空間は、脱水素縮合の反応場として働くものと考えられ、「短径が0.43nm以上、長径が0.69nm以下」という細孔サイズが、過度な重合を抑制して、オリゴシランの選択率を向上させるために最適であると考えられる。
なお、「短径が0.43nm以上、長径が0.69nm以下の細孔を有するゼオライト」は、実際に「短径が0.43nm以上、長径が0.69nm以下の細孔」を有するゼオライトのみを意味するものではなく、結晶構造から理論的に計算された細孔の「短径」と「長径」がそれぞれ前述の条件を満たすゼオライトも含まれるものとする。ちなみに細孔の「短径」と「長径」については、「ATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORK TYPES, Ch. Baerlocher, L.B.McCusker and D.H. Olson, Sixth Revised Edition 2007,published on behalf of the structure Commission of the international Zeolite Association」を参考にすることができる。
細孔の短径は、好ましくは0.43nm以上、より好ましくは0.45nm以上、さらに好ましくは0.47nm以上である。
細孔の長径は、好ましくは0.69nm以下、より好ましくは0.65nm以下、さらに好ましくは0.60nm以下である。
なお、細孔の断面構造が円形であること等によってゼオライトの細孔径が一定である場合には、細孔径が「0.43nm以上0.69nm以下」であるものと考える。
複数種類の細孔径を有するゼオライトの場合は、少なくとも1種類の細孔の細孔径が「0.43nm以上0.69nm以下」であればよい。
具体的なゼオライトとしては、国際ゼオライト学会(International Zeolite Association)でデータベース化されている構造コ−ドで、AFR、AFY、ATO、BEA、B
OG、BPH、CAN、CON、DFO、EON、EZT、GON、IMF、ISV、ITH、IWR、IWV、IWW、MEI、MEL、MFI、OBW、MOZ、MSE、MTT、MTW、NES、OFF、OSI、PON、SFF、SFG、STI、STF、TER、TON、TUN、USI、VETに該当するゼオライトが好ましい。
構造コ−ドが、ATO、BEA、BOG、CAN、IMF、ITH、IWR、IWW、MEL、MFI、OBW、MSE、MTW、NES、OSI、PON、SFF、SFG、STF、STI、TER、TON、TUN、VETに該当するゼオライトがより好ましい。
構造コ−ドが、BEA、MFI、TON、に該当するゼオライトが特に好ましい。
構造コ−ドがBEAに該当するゼオライトとしては、Beta(ベータ)、[B−Si−O]−BEA、[Ga−Si−O]−BEA、[Ti−Si−O]−BEA、Al−rich beta、CIT−6、Tschernichite、pure silica
beta等を挙げられる。
構造コ−ドがMFIに該当するゼオライトとしては、*ZSM−5、[As−Si−O]−MFI、[Fe−Si−O]−MFI、[Ga−Si−O]−MFI、AMS−1B、AZ−1、Bor−C、Boralite C、Encilite、FZ−1、LZ−
105、Monoclinic H−ZSM−5、Mutinaite、NU−4、NU−5、Silicalite、TS−1、TSZ、TSZ−III、TZ−01、USC−4、USI−108、ZBH、ZKQ−1B、ZMQ−TB、organic−free ZSM−5等が挙げられる。
構造コ−ドがTONに該当するゼオライトとしては、Theta−1、ISI−1、KZ−2、NU−10、ZSM−22等が挙げられる。
特に好ましいゼオライトは、ZSM−5、ベータ、ZSM−22である。
シリカ/アルミナ比(モル/モル比)としては、5〜5000が好ましく、10〜500がより好ましく、15〜100が特に好ましい。
担体は市販品を入手して使用してもよいし、自ら担体を調製して使用してもよい。また、例えば500℃で焼成してプロトン型として使用してもよいし、未焼成のまま使用してもよい。
担体の大きさは、反応器に充填できるものであれば適用できる。ゼオライトはもともとは、粉状であり、1次粒子の大きさは、3〜20μmで2次粒子としては0.01mm〜0.5mmであり、粉状としてそのまま使用できるが、充填しやすいようにビーズ状、ペレット状に成形して用いることが好ましい。この場合のビ−ズやペレットの大きさは、特に制限がないが、直径0.15mm〜4.8mmに成形されたものを用いることが好ましい。
劣化触媒は、周期表第5族遷移元素及び第6族遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素を含む。
第5族遷移元素としては、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)が挙げられる。
第6族遷移元素としては、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)が挙げられる。
前記遷移元素が、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素であることが好ましく、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素がより好ましい。
劣化触媒における遷移元素の総含有量(担体100質量部に対して)は、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上であり、好ましくは50質量部以下、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。上記範囲内であると、より効率良くオリゴシランを製造することができる。
劣化触媒は粉体を球状、円柱状(ペレット状)、リング状、ハニカム状等に成形した成形体の形態であることが好ましい。なお、粉体を成形するためにアルミナや粘土化合物等のバインダーを使用してもよい。バインダーの使用量があまりに少ないと成形体の強度を保つことができないし、バインダーの使用量があまりに多いと触媒活性への悪影響を与えるので、バインダーとしてアルミナを使用する場合のアルミナの含有量(アルミナ、遷移元素及び後述する典型元素を含まない(元の粉状の)担体100質量部に対して)は、好ましくは2質量部以上、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上であり、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下である。上記範囲内であると、担体強度を保ちながら触媒活性への悪影響を抑えることができる。
前記担体に前記遷移元素を担持させる方法としては、溶液状態の前駆体を用いた含浸法、イオン交換法、前駆体を昇華等により揮発させて担体に蒸着させる方法等が挙げられる。なお、含浸法は、遷移元素含有化合物が溶解した溶液に担体を接触させて、遷移元素含有化合物を担体表面に吸着させる方法である。溶媒については通常は純水が用いられるが、遷移元素含有化合物を溶解するものであればメタノール、エタノール、酢酸やジメチル
ホルムアミドのような有機溶媒を用いることもできる。但し、水に対して不安定なものでは有機溶媒を使用する(例えば、後述のペンタエトキシタンタルを使用する場合はエタノールを使用する)。また、遷移元素含有化合物によっては酸素に不安定なものもあり、このような場合には不活性ガス雰囲気で含浸させる。また、イオン交換法は、遷移元素のイオンが溶解した溶液にゼオライト等酸点を持った担体を接触させて、担体の酸点に遷移元素のイオンを導入する方法である。この場合も溶媒は純水が通常は用いられるが、遷移元素を溶解するものであればメタノール、エタノール、酢酸やジメチルホルムアミドのような有機溶媒を用いることもできる。蒸着方法は遷移元素そのものまたは遷移元素酸化物を加熱して、昇華等により揮発させて担体に蒸着させる方法である。なお、含浸法、イオン交換法、蒸着法等の後に、乾燥、不活性(イナート)雰囲気、還元雰囲気または酸化雰囲気での焼成等の処理を行い、触媒として活性化処理を行うことが好ましく、不活性(イナート)雰囲気または酸化雰囲気で焼成することがより好ましい。
遷移元素の前駆体としては、モリブデンの場合には七モリブデン酸アンモニウム、ケイモリブデン酸、リンモリブデン酸、塩化モリブデン、酸化モリブデン等が挙げられる。タングステンの場合には、パラタングステン酸アンモニウム、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、塩化タングステン等が挙げられる。バナジウムの場合にはオキシ硫酸バナジウム、オキシシュウ酸バナジウム、塩化バナジウム、三塩化酸化バナジウム、ビス(アセチルアセトナト)オキソバナジウム(IV)等が挙げられる。クロムの場合にはクロム酸アンモニウム、アセチルアセトンクロム(III)、ピリジン−2−カルボン酸クロム(III)等が挙げられる。ニオブの場合にはシュウ酸ニオブ、シュウ酸ニオブアンモニウム等が挙げられる。タンタルの場合にはペンタエトキシタンタル等が挙げられる。
劣化触媒は、周期表第1族典型元素及び第2族典型元素からなる群より選択される少なくとも1種の典型元素(以下、「典型元素」と略す場合がある。)を含有することが好ましい。なお、触媒における典型元素の状態や組成は特に限定されないが、金属酸化物(単一の金属酸化物、複合金属酸化物)やイオンの状態が挙げられる。また、担体の表面(外表面及び/又は細孔内)に金属酸化物、金属塩の状態で担持されているもの、イオン交換や複合化で内部(担体骨格)に典型元素が導入されたものが挙げられる。このような典型元素を含有することによって、初期のモノシランの転化率を抑えて過剰な消費を抑制するとともに、初期のジシランの選択率を高くすることができる。また、初期のモノシランの転化率を抑えることで、触媒寿命をより長くすることもできるものと言える。
第1族典型元素としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、フランシウム(Fr)が挙げられる。
第2族典型元素としては、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)が挙げられる。
この中でも、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、フランシウム(Fr)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)を含有することが好ましい。
触媒への典型元素の配合方法としては、含浸法、イオン交換法等が挙げられる。具体的には、例えば、国際公開第2017/141889号に記載を参照して、前記担体に典型元素を含有させることが出来る。
劣化触媒における典型元素の総含有量(担体100質量部に対して)は、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上、特に好ましくは0.5質量部以上、より特に好ましくは1.0質量部以上、最も好ましくは2.1質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは4質量部以下である。上記範囲内であると、より効率良くオリゴシランを製造することができる。
劣化触媒は、周期表第13族典型元素を含有してもよい。なお、触媒における周期表第13族典型元素の状態や組成は特に限定されないが、表面が酸化されていてもよい金属(単体金属、合金)の状態、金属酸化物(単一の金属酸化物、複合金属酸化物)の状態が挙げられる。また、担体の表面(外表面及び/又は細孔内)に金属酸化物の状態で担持されているもの、イオン交換や複合化で内部(担体骨格)に周期表第13族典型元素が導入されているものが挙げられる。周期表第13族典型元素を含有することによっても、初期のシランの転化率を抑えて過剰な消費を抑制するとともに、初期のジシランの選択率を高くすることができる。また、初期のシランの転化率を抑えることで、触媒寿命をより長くすることもできるものと言える。
第13族典型元素としては、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)が挙げられる。
触媒への周期表第13族典型元素の配合方法としては、周期表第1族典型元素等の場合と同様である。
劣化触媒における周期表第13族典型元素の含有量(担体100質量部に対して)は、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上、特に好ましくは0.5質量部以上、より特に好ましくは1.0質量部以上、最も好ましくは2.1質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは4質量部以下である。上記範囲内であると、より効率良くオリゴシランを製造することができる。
[加熱処理工程]
本発明の一実施形態に係るオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法は、劣化触媒に400℃以上1100℃以下の温度で酸素ガス含有ガスを接触させる加熱処理工程を含む。
加熱処理工程の温度は、400℃以上、好ましくは450℃以上、より好ましくは600℃以上、特に好ましくは800℃以上であり、また、1100℃以下、好ましくは1000℃以下、より好ましくは950℃以下である。
酸素ガス含有ガスは酸素ガス(O)を含むガスであればよく、酸素ガス含有ガス中の酸素ガス濃度は好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上、より好ましくは15体積%以上、好ましくは100体積%以下であり、より好ましくは80%以下であり、さらに好ましくは60%体積%以下である。
酸素ガス含有ガスが含んでもよい酸素ガス以外のガスとしては、窒素ガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスが挙げられ、窒素ガスを含むことが好ましい。前述のように逆に触媒を劣化させるおそれがあるため、水素ガスのような還元性ガスを含まないことが望ましい。
酸素ガスとしては、コストの観点から、空気を用いることが好ましい。具体的には、例えば、大気雰囲気下で所定の温度で加熱処理を行えばよい。
加熱時間としては所定の温度に到達してから、好ましくは10分以上、24時間以内であり、より好ましくは1時間以上、12時間以内である。前記範囲内であると、十分に活性が回復された再生触媒を得ることができる。
加熱処理工程の圧力は、絶対圧力で好ましくは0.01MPa以上、より好ましくは0.05MPa以上、さらに好ましくは0.1MPa以上、であり、また、好ましくは10MPa以下、より好ましくは5MPa以下、さらに好ましくは1.5MPa以下、特に好ましくは1MPa以下である。
加熱処理工程は、オリゴシラン製造反応器から劣化触媒を取り出して別容器で行ってもよいし、オリゴシランの製造を停止してオリゴシラン製造反応器内で行ってもよい。オリゴシラン製造反応器を二個以上備えるオリゴシラン製造装置の場合は、1個以上の反応器でオリゴシランの製造を行いながら、別の反応器で加熱処理を行って触媒の再生を行ってもよい。
加熱処理工程をオリゴシラン製造反応器から劣化触媒を取り出して別容器で行う場合、
オリゴシラン製造反応を停止した後、ヘリウムなどの不活性ガスを流通させ触媒を冷却することが好ましい。
また、加熱処理工程による触媒の再生は、複数回行うこともできる。すなわち、再生触媒をオリゴシラン製造に用いて劣化した場合、再度、加熱処理工程を行って再生触媒の活性を回復させてもよい。
また、加熱処理工程の前に、窒素ガスやヘリウムガスなどの不活性ガスによる処理を行い、触媒に付着した原料のモノシランや生成物のジシランも含むオリゴシランをその沸点以上で除去することが好ましい。
真空下での脱離処理を行うことがより好ましい。これにより、本発明の効果がより一層顕著となる。
不活性ガス又は真空下での脱離処理は、好ましくは300℃以上、より好ましくは400℃以上、好ましくは1100℃以下、より好ましくは1000℃以下の温度で行う。
[オリゴシラン製造用再生触媒]
本発明の一実施形態に係るオリゴシラン製造用再生触媒(以下、「再生触媒」とも表記する。)は、上記の劣化触媒に対して、オリゴシラン製造用再生触媒の製造方法によって製造されたものである。再生触媒の詳細については、[劣化触媒]で説明したものを適用でき、詳しい説明は省略する。
[オリゴシランの製造方法]
本発明で用いられるオリゴシランの製造方法は、ヒドロシランの脱水素縮合によってオリゴシランを生成させる反応工程(以下、「反応工程」と略す場合がある。)を含む製造方法であり、前述の再生触媒の存在下で行われるものであれば、その他は特に限定されない。
以下、オリゴシランの製造方法について説明する。なお、以下では「シリカ、アルミナ及びゼオライトからなる群より選択される少なくとも1種の担体並びに周期表第5族遷移元素及び第6族遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素を含む触媒」と「本発明の一実施形態に係るオリゴシラン製造用再生触媒」をまとめて、単に「触媒」と称する。
なお、本発明において「オリゴシラン」とは、(モノ)シランが複数個(10個以下)重合したシランのオリゴマーを意味するものとし、具体的にはジシラン、トリシラン、テトラシラン等が含まれるものとする。また、「オリゴシラン」は、直鎖状のオリゴシランのみに限られず、分岐構造、架橋構造、環状構造等を有するものであってもよいものとする。
また、「ヒドロシラン」とは、ケイ素−水素(Si−H)結合を有する化合物を意味するものとし、具体的にはテトラヒドロシラン(SiH)が含まれるものとする。さらに「ヒドロシランの脱水素縮合」とは、例えば下記反応式に示されるように、水素が脱離するヒドロシラン同士の縮合によって、ケイ素−ケイ素(Si−Si)結合が形成する反応を意味するものとする。
反応工程に使用する反応器、操作手順、反応条件等は特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。以下、反応器、操作手順、反応条件等について具体例を挙げて説明するが、これらの内容に限定されるものではない。
反応器は、図1(a)に示されるような回分反応器、図1(b)に示されるような連続槽型反応器、図1(c)に示されるような連続管型反応器の何れのタイプの反応器を使用してもよい。
操作手順は、例えば回分反応器を用いる場合、乾燥させた触媒を反応器内に設置し、反応器内の空気を減圧ポンプ等を利用して除去した後、ヒドロシラン等を投入して密閉し、反応器内を反応温度まで昇温して反応を開始する方法が挙げられる。
一方、連続槽型反応器又は連続管型反応器を用いる場合、乾燥させた触媒を反応器内に設置し、反応器内の空気を減圧ポンプ等を利用して除去した後、ヒドロシラン等を流通させ、反応器内を反応温度まで昇温して反応を開始する方法が挙げられる。
反応器には、ヒドロシラン及び触媒以外の化合物を投入又は流通させてもよい。ヒドロシラン及び触媒以外の化合物としては、ヒドロシランの希釈用や反応前後の置換用等としてのヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガス等のガスやシリカ、チタニアなどのヒドロシランに対してほとんど反応性の無い固形物等が挙げられる。
ヒドロシランの脱水素縮合によって、下記反応式(i)に示されるようにジシラン(Si)が生成することになるが、生成したジシランの一部は下記反応式(ii)に示されるようにテトラヒドロシラン(SiH)とジヒドロシリレン(SiH)に分解されるものと考えられる。さらに生成したジヒドロシリレンは、下記反応式(iii)に示されるように重合して固体状のポリシラン(SiHとなり、このポリシランがゼオライトの表面に吸着して、ヒドロシランの脱水素縮合活性が低下するためにジシランを含むオリゴシランの収率等が低下するものと考えられる。
2SiH → Si + H (i)
Si → SiH + SiH (ii)
nSiH → (SiH (iii)
なお、反応器内は、水分が極力含まれないことが好ましい。例えば、反応前にゼオライト触媒や反応器を十分に乾燥させたりすることが好ましい。
反応温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以上、さらに好ましくは200℃以上であり、好ましくは450℃以下、より好ましくは400℃以下、さらに好ましくは350℃以下である。上記範囲内であると、より効率良くオリゴシランを製造することができる。なお、反応温度は、図2(a)に示されるように、反応工程中において一定に設定するほか、図2(b1)、(b2)に示されるように、反応開始温度を低めに設定し、反応工程中において昇温させても、或いは図2(c1)、(c2)に示されるように、反応開始温度を高めに設定し、反応工程中において降温させてもよい(反応温度の昇温は、図2(b1)に示されるように連続的であっても、図2(b2)に示されるように段階的であってもよい。同様に反応温度の降温は、図2(c1)に示されるように連続的であっても、図2(c2)に示されるように段階的であってもよい。)。特に反応開始温度を低めに設定し、反応工程中において反応温度を昇温させることが好ましい。反応開始温度を低めに設定することによって、本発明に係るゼオライト等の劣化が抑制され、より効率良くオリゴシランを製造することができる。反応温度を昇温させる場合の反応開始温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは150℃以上であり、好ましくは350℃以下、より好ましくは300℃以下、さらに好ましくは250℃以下である。
反応圧力は、絶対圧力で好ましくは0.1MPa以上、より好ましくは0.15MPa以上、さらに好ましくは0.2MPa以上であり、好ましくは10MPa以下、より好ましくは5MPa以下、さらに好ましくは1MPa以下である。なお、テトラヒドロシランの分圧は、好ましくは0.0001MPa以上、より好ましくは0.0005MPa以上、さらに好ましくは0.001MPa以上であり、好ましくは通常100MPa以下、よ
り好ましくは50MPa以下、さらに好ましくは10MPa以下である。上記範囲内であると、より効率良くオリゴシランを製造することができる。
連続槽型反応器又は連続管型反応器を用いる場合、流通させるヒドロシランの流量は、触媒との接触時間が短いと転化率が低くなりすぎるし、あまりに長いとポリシランが生成しやすくなるので、接触時間が0.01秒から30分になるように設定することが好ましい。この場合、本発明に係るゼオライト触媒1.0gに対して、テトラヒドロシランガスの流量(1分間に流通させるテトラヒドロシランガスの標準状態(0℃−1atm(0.1MPa))での体積換算量)は好ましくは0.01mL/分以上、より好ましくは0.05mL/分以上、さらに好ましくは0.1mL/分以上であり、好ましくは1000mL/分以下、より好ましくは500mL/分以下、さらに好ましくは100mL/分以下である。上記範囲内であると、より効率良くオリゴシランを製造することができる。また、オートクレーブ等により回分式で反応を行う場合にも、長時間にわたり反応を行うとポリシランができやすくなるし、あまりに短時間では反応転化率が低くなりすぎるので、反応時間は1分から1時間が好ましく、より好ましくは5分から30分程度である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。実施例は、図3に示される反応装置(概念図)の反応管内の固定床にゼオライトを固定して、ヘリウムガスで希釈したテトラヒドロシランを含む反応ガスを流通させることにより行った。フィルター10は、反応ガスサンプルリング用ではあるが、実施例では特に冷却等を行いサンプリングするような操作はせず、直接反応ガスをガスクロマトグラフに導入して分析した。本評価に使用した反応装置は試験、研究用であるため、生成物を安全な形で系外に排出するための除害装置13を装備している。生成したガスは、株式会社島津製作所社製ガスクロマトグラフGC−17Aを用いて、TCD(Thermal Conductivity Detector)検出器で分析を行った。ジシラン等の定性分析は、MASS(質量分析計)で行った。
触媒として使用したゼオライトの細孔は、以下の通りである。
・NH−ZSM−5(820NHA):
<100>短径 0.51nm、長径 0.55nm
<010>短径 0.53nm、長径 0.56nm
・H−ZSM−5(822HO3DA):
<100>短径 0.51nm、長径 0.55nm
<010>短径 0.53nm、長径 0.56nm
なお、細孔の短径、長径の数値は、「http://www.jaz-online.org/introduction/qanda.html」、及び「ATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORK TYPES, Ch. Baerlocher,L.B. McCusker and D.H. Olson, Sixth Revised Edition 2007,published on behalf of the structure Commission of the international Zeolite Association」に記載されているものである。
[触媒調製例1]
7モリブデン酸アンモニウム4水和物 0.74g(担体100質量部に対するMoとしての含有量は2質量部)、蒸留水 20gをガラス製容器に入れて室温で十分混和させて水溶液を調製した。この水溶液を担体であるNH−ZSM−5(東ソ−製:製品名 820NHA シリカ/アルミナ比:23 粉状)20.0g、に加えて室温で2時間撹拌しながら含浸させた。その後、110℃、大気雰囲気下で2時間乾燥させた後、900℃、大気雰囲気下で2時間焼成して、粉体状の固体生成物を得た。
[触媒調製例2]
7モリブデン酸アンモニウム4水和物 0.74g(担体100質量部に対するMoと
しての含有量は2質量部)、蒸留水 8.5gをガラス製容器に入れて室温で十分混和させて水溶液を調製した。この水溶液を担体であるH−ZSM−5(東ソ−製:製品名 822HO3DA シリカ/アルミナ比:23 ペレット)20.0gに加えて容器を十分振り混ぜた後、撹拌せずに2時間含浸させた。その後、110℃、大気雰囲気下で2時間乾燥させ、ペレット状の固体生成物を得た。
次に、酢酸バリウム 0.93g(担体100質量部に対するBaとしての含有量は2.5質量部)、蒸留水 7.0gをガラス製容器に入れて室温で十分混和させて水溶液を調製した。この水溶液を上記のペレット状固体生成物に加えて容器を十分振り混ぜた後、撹拌せずに2時間含浸させた。その後、110℃、大気雰囲気下で2時間乾燥させた後、850℃、大気雰囲気下で2時間焼成して、ペレット状の固体生成物を得た。
[実施例1]
調製例1で調製した2%Mo ZSM−5 粉 0.20gを反応管(材質:SUS316、長さ:230mm、外径:19.05mm、肉厚:1.24mm)に入れ、反応管を減圧ポンプで減圧して空気を除去した後にHeガスに置換した。反応管にHeガス20ml/分を流通させ、250℃に昇温後1時間流通させた。その後Arガス20体積%、モノシラン(テトラヒドロシラン)ガス80体積%の混合ガス4ml/分を流通させた。所定の圧力(絶対圧力0.3MPa)に達してから、所定の時間(1時間〜20時間)経過後の反応ガス組成をTCD検出器つきガスクロマトグラフで分析した。評価結果を表1に示す。
次に20時間反応後に、Heガス20ml/分を流通させ、反応ガスをHeガスに置換させた。その後、触媒を冷却した後、反応後の触媒を劣化触媒として取り出した。この劣化触媒を空気雰囲気下850℃、2時間加熱処理し再生触媒を得た。得られた加熱処理後の触媒質量は、0.21gであった。この加熱処理後の再生触媒全量を反応管に入れ、加熱処理前と同じ方法で反応させ、反応ガスを同様に分析した。評価結果を表2に示す。
[実施例2]
調製例2で調製した触媒を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行い、反応ガスを分析した。結果を表3に示す。
次に20時間反応後に、Heガスを流通させ、実施例1と同様にして触媒を冷却した後、反応後の劣化触媒を取り出した。この劣化触媒を空気雰囲気下850℃で2時間加熱処理し再生触媒を得た。得られた加熱処理後の触媒質量は、0.25gであった。この加熱処理後の再生触媒全量を反応管に入れ、加熱処理前と同じ方法で反応させ、反応ガスを分析した。評価結果を表4に示す。
[比較例1]
調製例2で調製した触媒を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行い、反応ガスを分析した。結果を表5に示す。
次に20時間反応後に、Heガス20ml/分を流通させ、反応ガスを置換させた。その後、触媒を冷却させ、60℃以下になった時点で水素ガス10ml/分を流通させた後、150℃に昇温した。1時間、150℃で水素ガス処理後、250℃に昇温した。1時間、250℃で水素ガス処理後、350℃に昇温した。1時間、350℃で水素ガス処理後、450℃に昇温した。1時間、450℃で水素ガス処理後、Heガスに流通ガスを切り替えて、20ml/分で流通させながら、触媒を冷却させ、触媒を取り出した。触媒重量は、0.25gであった。この水素ガス処理触媒全量を反応管に入れ、水素ガス処理前と同じ方法で反応させ、反応ガスを分析した。評価結果を表6に示す。
表5の20時間反応後のジシラン収率が11.7%であるのに対して、表6のジシラン収率は最大で6.3%と、水素ガス処理しても処理前のジシラン収率まで回復していない、つまり水素ガス処理では触媒再生されていないことがわかる。
本発明によれば、ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを製造する際に使用して経時的に性能が低下した触媒を、簡便に再生して使用することが出来、経済上も、工業的にも非常に有用である。また、本発明のオリゴシランの製造方法によって得られたジシランは、半導体用シリコンの製造ガスとして利用されることが期待できる。
1 テトラヒドロシランガス(SiH)ボンベ(Ar20%混合)
2 水素ガス(H)ボンベ
3 ヘリウムガス(He)ボンベ
4 緊急遮断弁(ガス検連動遮断弁)
5 減圧弁
6 マスフローコントローラ(MFC)
7 圧力計
8 ガスミキサー
9 反応管
10 フィルター
11 ロータリーポンプ
12 ガスクロマトグラフ
13 除害装置

Claims (10)

  1. オリゴシラン製造用再生触媒の製造方法であって、
    ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを製造する際に使用した劣化触媒に、400℃以上1100℃以下の温度で酸素ガス含有ガスを接触させる加熱処理工程、を含み、
    再生触媒がシリカ、アルミナ及びゼオライトからなる群より選択される少なくとも1種の担体並びに周期表第5族遷移元素及び第6族遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素を含む、
    ことを特徴とする、オリゴシラン製造用再生触媒の製造方法。
  2. 前記酸素含有ガス中の酸素ガス濃度が5体積%以上100体積%以下である、請求項1に記載のオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法。
  3. 前記加熱処理工程を800℃以上950℃以下かつ0.1MPa以上1MPa以下の条件下で行う、請求項1又は2に記載のオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法。
  4. 前記加熱処理工程を10分〜24時間行う、請求項1〜3の何れか一項に記載のオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法。
  5. 前記酸素ガス含有ガスが水素ガスを含まない、請求項1〜4の何れか一項に記載のオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法。
  6. 前記ゼオライトが、短径が0.43nm以上、長径が0.69nm以下の細孔を有する、請求項1〜5の何れか一項に記載のオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法。
  7. 前記遷移元素が、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素である、請求項1〜6の何れか一項に記載のオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法。
  8. 前記再生触媒が、周期表第1族典型元素及び第2族典型元素からなる群より選択される少なくとも1種の典型元素をさらに含有する、請求項1〜7の何れか一項に記載のオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法。
  9. 前記ヒドロシランが、テトラヒドロシラン(SiH)であり、前記オリゴシランがヘキサヒドロジシラン(Si)を含む、請求項1〜8の何れか一項に記載のオリゴシラン製造用再生触媒の製造方法。
  10. ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを生成する反応工程を含むオリゴシランの製造方法であって、
    前記反応工程が、請求項1〜9のいずれか1項に記載のオリゴシラン製造用再生触媒の存在下で行われる、オリゴシランの製造方法。
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