JP2020104058A - オリゴシラン製造用触媒の製造方法 - Google Patents

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博 内田
吉満 石原
Yoshimitsu Ishihara
吉満 石原
佐藤 一彦
Kazuhiko Sato
一彦 佐藤
中島 裕美子
Yumiko Nakajima
裕美子 中島
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Abstract

【課題】寿命の長いオリゴシラン製造用触媒の製造方法を提供する。【解決手段】ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを生成する脱水素縮合用の触媒であり、担体としてゼオライトを含む不均一触媒の製造方法であって、前記担体にアルミニウムを担持させるアルミニウム導入工程、及び前記担体に第5族遷移元素及び第6族遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素を含有させる遷移元素導入工程、を含み、前記アルミニウム導入工程後に前記遷移元素導入工程を行うことを特徴とする、オリゴシラン製造用触媒の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、オリゴシラン製造用触媒の製造方法に関する。
ヘキサヒドロジシラン(Si,以下、「ジシラン」と略す場合がある。)やオクタヒドロトリシラン(Si,以下、「トリシラン」と略す場合がある。)等のオリゴシランは、テトラヒドロシラン(SiH,以下、「モノシラン」と略す場合がある。)に比べて反応性が高く、アモルファスシリコンやシリコン膜を形成するための前駆体等として非常に有用な化合物である。
オリゴシランを製造する方法として、例えば、シラン類の脱水素縮合法(特許文献1〜7参照)が挙げられる。本発明者らは、これまでに、テトラヒドロシランの脱水素縮合法を利用して効率良くオリゴシランを製造する方法、例えば、遷移元素を含有するオリゴシラン製造用触媒を開発してきた(特許文献7参照。)。
特開平01−198631号公報 特開平02−184513号公報 特開平05−032785号公報 特表2013−506541号公報 国際公開第2015/060189号 国際公開第2015/090996号 国際公開第2017/141889号
特許文献7に開示された遷移元素含有触媒は、効率良くオリゴシランを製造出来るが、使用時間の経過とともに触媒の性能は劣化する。
本発明は、ゼオライト及び特定の遷移元素を含むオリゴシラン製造用触媒を長寿命化する方法、すなわち、寿命の長いオリゴシラン製造用触媒の製造方法を提供することを主たる目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ゼオライトを含む担体及び周期表第5族遷移元素及び第6族遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素を含む触媒について、アルミニウム(Al)を担持させることにより、より寿命の長い触媒を実現し、効率よくヒドロシランを脱水素縮合させられることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の実施形態には以下が含まれる。
[1] ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを生成する脱水素縮合用の触媒であり、担体としてゼオライトを含む不均一触媒の製造方法であって、
前記担体にアルミニウムを担持させるアルミニウム導入工程、及び
前記担体に第5族遷移元素及び第6族遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素を含有させる遷移元素導入工程、
を含み、
前記アルミニウム導入工程後に前記遷移元素導入工程を行うことを特徴とする、オリゴシラン製造用触媒の製造方法。
[2] 前記触媒中、前記遷移元素の含有量が0.1質量%以上である、[1]に記載のオリゴシラン製造用触媒の製造方法。
[3] 前記触媒中、前記遷移元素の含有量が4.0質量%以下である、[2]に記載のオリゴシラン製造用触媒の製造方法。
[4] 前記アルミニウム導入工程が含浸工程を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載のオリゴシラン製造用触媒の製造方法。
[5] 前記遷移元素がバナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、及びタングステンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載のオリゴシラン製造用触媒の製造方法。
[6] 前記ゼオライトが、構造コ−ドBEA、MFI、TON、MOR、及びFERからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[5]のいずれかに記載のオリゴシラン製造用触媒の製造方法。
[7] 前記ゼオライトが、ZSM−5、ベータ、及びZSM−22からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[6]に記載のオリゴシランの製造方法。
[8] ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを生成する脱水素縮合工程を含み、
前記脱水素縮合工程を[1]〜[7]のいずれかに記載の方法により製造される触媒の存在下で行う、オリゴシランの製造方法。
本発明によれば、寿命の長いオリゴシラン製造用触媒の製造方法が提供される。
本発明のオリゴシランの製造方法に使用することができる反応器の概念図である((a):回分反応器、(b):連続槽型反応器、(c):連続管型反応器)。 反応温度のプロファイルを表した概念図である。 実施例に使用した反応装置の概念図である。
以下、本発明のオリゴシラン製造用触媒の製造方法について説明する。
本発明のオリゴシラン製造用触媒の製造方法の詳細を説明するに当たり、具体例を挙げて説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
本実施形態に係る発明は、ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを生成する脱水素縮合用の触媒であり、担体としてゼオライトを含む不均一触媒の製造方法であって、前記担体にアルミニウムを担持させるアルミニウム導入工程、及び前記担体に第5族遷移元素及び第6族遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素を含有させる遷移元素導入工程、を含み前記アルミニウム導入工程後に前記遷移元素導入工程を行うことを特徴とする。
オリゴシランの製造において、触媒は、反応過程で、活性成分の減少、活性成分の変質、破砕等による触媒の物理的な崩壊、被毒成分の蓄積等により、反応初期に有する反応活性が低下する。本発明者らは、ゼオライトを含む担体及び特定量の周期表第5族遷移元素及び第6族遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素を含む触媒を用いてヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを製造する場合、さらにアルミニウム、遷移元素の順に担体に導入してアルミニウムを担持する触媒とすることで、初期活性はほぼ同等であるものの、活性劣化を抑えることができ、より長い触媒の寿命を実現できることを見出し、本発明を完成させた。本明細書において「(ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを製造する場合の)触媒寿命が長い」とは、「後述の実施例2−1に記載の条件で反応開始後20時間で15%以上のジシラン収率を示し、かつ反応初期から反
応開始後20時間までにジシラン収率が単調増加する状態を維持すること」を意味する。
また、周期表第5族遷移元素や周期表第6族遷移元素はレアメタルであり、幅広い用途で用いられており、2050年に現有埋蔵量をほぼ使い切ることが予想されている。本発明者らは、触媒における遷移元素の使用量の低減を検討したところ、遷移元素の使用量を低減するとオリゴシラン製造用触媒の性能が低下し、さらには、触媒寿命も低下する場合があることがわかった。また、アルミニウムを担持することで、遷移元素の量を低減させても、アルミニウムを担持させない遷移元素の量が多い場合と同等以上の触媒寿命を実現できることを見出した。本発明の効果発現のメカニズムの詳細は明らかではないが、例えば、アルミニウムが触媒外表面にγ−アルミナとして存在し、高次シランを分解する等の作用を発揮することが推定される。但し、これは推定であって、本発明は、このメカニズムに限定されるものではない。
[担体]
本発明で用いられる担体は、少なくともゼオライトを含む。ゼオライトはジシラン選択率の点で好ましく、短径が0.43nm以上、長径が0.69nm以下の細孔を有するゼオライトがより好ましい。ゼオライトの細孔空間は、脱水素縮合の反応場として働くものと考えられ、「短径が0.43nm以上、長径が0.69nm以下」という細孔サイズが、過度な重合を抑制して、オリゴシランの選択率を向上させるために最適であると考えられる。
なお、「短径が0.43nm以上、長径が0.69nm以下の細孔を有するゼオライト」は、実際に「短径が0.43nm以上、長径が0.69nm以下の細孔」を有するゼオライトのみを意味するものではなく、結晶構造から理論的に計算された細孔の「短径」と「長径」がそれぞれ前述の条件を満たすゼオライトも含まれるものとする。ちなみに細孔の「短径」と「長径」については、「ATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORK TYPES, Ch. Baerlocher, L.B.McCusker and D.H. Olson, Sixth Revised Edition 2007,published on behalf of the Structure Commission of the International Zeolite Association」を参考にすることができる。
細孔の短径は、好ましくは0.43nm以上、より好ましくは0.45nm以上、さらに好ましくは0.47nm以上である。
細孔の長径は、好ましくは0.69nm以下、より好ましくは0.65nm以下、さらに好ましくは0.60nm以下である。
なお、細孔の断面構造が円形であること等によってゼオライトの細孔径が一定である場合には、細孔径が「0.43nm以上0.69nm以下」であるものと考える。
複数種類の細孔径を有するゼオライトの場合は、少なくとも1種類の細孔の細孔径が「0.43nm以上0.69nm以下」であればよい。
具体的なゼオライトとしては、国際ゼオライト学会(International Zeolite Association)でデータベース化されている構造コ−ドで、AFR、AFY、ATO、BEA、BOG、BPH、CAN、CON、DFO、EON、EZT、FER、GON、IMF、ISV、ITH、IWR、IWV、IWW、MEI、MEL、MFI、OBW、MOR、MOZ、MSE、MTT、MTW、NES、OFF、OSI、PON、SFF、SFG、STI、STF、TER、TON、TUN、USI、VETに該当するゼオライトが好ましい。
構造コ−ドが、ATO、BEA、BOG、CAN、FER、IMF、ITH、IWR、IWW、MEL、MFI、OBW、MOR、MSE、MTW、NES、OSI、PON、SFF、SFG、STF、STI、TER、TON、TUN、VETに該当するゼオライトがより好ましい。
構造コ−ドが、BEA、MFI、TON、MOR、及びFERに該当するゼオライトがさらに好ましい。
構造コ−ドが、BEA、MFI、TONに該当するゼオライトが特に好ましい。
構造コ−ドがBEAに該当するゼオライトとしては、Beta(ベータ)、[B−Si−O]−BEA、[Ga−Si−O]−BEA、[Ti−Si−O]−BEA、Al−rich beta、CIT−6、Tschernichite、pure silica
beta等を挙げられる。
構造コ−ドがMFIに該当するゼオライトとしては、*ZSM−5、[As−Si−O]−MFI、[Fe−Si−O]−MFI、[Ga−Si−O]−MFI、AMS−1B、AZ−1、Bor−C、Boralite C、Encilite、FZ−1、LZ−105、Monoclinic H−ZSM−5、Mutinaite、NU−4、NU−5、Silicalite、TS−1、TSZ、TSZ−III、TZ−01、USC−4、USI−108、ZBH、ZKQ−1B、ZMQ−TB、organic−free ZSM−5等が挙げられる。
構造コ−ドがTONに該当するゼオライトとしては、Theta−1、ISI−1、KZ−2、NU−10、ZSM−22等が挙げられる。
構造コ−ドが、MORに該当するゼオライトとしては、モルデナイトが挙げられる。
構造コ−ドが、FERに該当するゼオライトとしては、フェリエライトが挙げられる。
特に好ましいゼオライトは、ZSM−5、ベータ、ZSM−22である。
シリカ/アルミナ比(モル/モル比)としては、5〜5000が好ましく、10〜500がより好ましく、15〜100が特に好ましい。
担体は、本発明の効果を損なわない範囲で、ゼオライト以外を含むことができ、例えば、シリカ、アルミナが挙げられる。シリカ、アルミナは遷移元素を担持した場合の熱安定性の点で好ましい。
担体は市販品を入手して使用してもよいし、自ら担体を調製して使用してもよい。また、例えば500℃で焼成してプロトン型として使用してもよいし、未焼成のまま使用してもよい。
担体の大きさは、反応器に充填できるものであればよい。ゼオライトはもともとは、粉状であり、1次粒子の大きさは、3〜20μmで2次粒子としては0.01mm〜0.5mmであり、粉状としてそのまま使用できるが、充填しやすいようにビーズ状、ペレット状に成形して用いることが好ましい。この場合のビ−ズやペレットの大きさは、特に制限がないが、直径0.15mm〜4.8mmに成形されたものを用いることが好ましい。
[アルミニウム導入工程]
本実施形態のオリゴシラン製造用触媒の製造方法は、上記担体にアルミニウム(Al)を担持させるアルミニウム導入工程を含む。
アルミニウム導入工程は、含浸法、蒸着法等により行うことができる。含浸(以下、「含浸工程」ともいう)は、アルミニウム源が溶解した溶液に担体を接触させる。アルミニウム源としては、硝酸アルミニウム9水和物、アルミン酸ソーダ、塩化アルミニウム6水和物、過塩素酸アルミニウム6水和物、硫酸アルミニウム、二酢酸アルミニウム等の水溶性のアルミニウム化合物が挙げられる。溶媒については通常は純水が用いられるが、アルミニウム化合物が溶解するものであればメタノール、エタノール、酢酸やジメチルホルムアミドのような有機溶媒を用いることもできる。含浸工程は、室温(15℃〜35℃)で行ってもよいし、オートクレーブなどを用いて100℃〜200℃で行ってもよい。含浸時間は、好ましくは30分〜10時間であり、より好ましくは2時間〜6時間である。含浸工程中、アルミニウム含有溶液を撹拌してもよく、室温の場合は、撹拌することが好ましい。含浸工程を実施した後、乾燥、不活性(イナート)雰囲気、還元雰囲気または酸化雰囲気での焼成等の熱処理を行うことが好ましく、不活性(イナート)雰囲気または酸化雰囲気で焼成することがより好ましい。乾燥条件は、具体的には、100℃〜150℃程度の温度で、大気雰囲気が挙げられる。焼成条件は、具体的には、300〜600℃程度の温度で、大気雰囲気が挙げられる。
本工程によりアルミニウムが担体の表面(外表面及び/又は細孔内)に金属酸化物の状態で担持される。
なお、後述するアルミニウム成分(例えば非晶アルミナ)をバインダーとして用いてペレット状に成形した触媒の場合、酸、アルカリ処理をすると、バインダーのアルミニウム成分が溶解してゼオライトの表面に付着する。また、ゼオライト自体を強アルカリ処理すると、ゼオライトを構成するアルミニウム、珪素成分が一部溶解後、アルミニウム成分の方が珪素成分より析出しやすい。結果としてゼオライト表面のアルミニウム成分濃度を増加させることができる。このような薬剤処理によりアルミニウム成分を担体の表面(外表面及び/又は細孔内)に導入してもよい。
触媒におけるアルミニウムの含有量(担体100質量部に対して)は、アルミニウム原子の質量としてアルミニウム導入工程における仕込み量で、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上、特に好ましくは0.5質量部以上、より特に好ましくは1.0質量部以上、最も好ましくは2.1質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下である。上記範囲内であると、より効率良くオリゴシランを製造することができる。
[遷移元素導入工程]
本実施形態のオリゴシラン製造用触媒の製造方法は、上記担体に周期表第5族遷移元素及び第6族遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素(以下、単に「遷移元素」ともいう。)を含有させる工程を含む。第5族遷移元素としては、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)が挙げられる。第6族遷移元素としては、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)が挙げられる。
前記担体に前記遷移元素を含有させる工程は、含浸法、イオン交換法、蒸着法等により行うことができる。含浸(以下、「含浸工程」ともいう。)は、遷移元素含有化合物が溶解した溶液に担体を接触させる。溶媒については通常は純水が用いられるが、遷移元素含有化合物を溶解するものであればメタノール、エタノール、酢酸やジメチルホルムアミドのような有機溶媒を用いることもできる。水に対して不安定なものでは有機溶媒を使用する。また、遷移元素含有化合物によっては酸素に不安定なものもあり、このような場合には不活性ガス雰囲気で含浸させればよい。また、イオン交換(以下、「イオン交換工程」ともいう)は、遷移元素のイオンが溶解した溶液にゼオライト等酸点を持った担体を接触させて、担体の酸点に遷移元素のイオンを導入する。この場合も溶媒は純水が通常は用いられるが、遷移元素を溶解するものであればメタノール、エタノール、酢酸やジメチルホルムアミドのような有機溶媒を用いることもできる。蒸着方法は遷移元素そのものまたは遷移元素酸化物を加熱して、昇華等により揮発させて担体に蒸着させる。本工程においては、イオン交換法または含浸法等を用い、遷移元素を複合化させ担体骨格に導入することが好ましい。
含浸工程の温度は特に限定されないが、室温(15℃〜35℃)が好ましい。含浸時間は、好ましくは30分〜10時間であり、より好ましくは2時間〜6時間である。また、イオン交換工程の温度は、特に限定されないが、室温(15℃〜35℃)が好ましい。イオン交換工程の時間は、好ましくは30分〜10時間であり、より好ましくは2時間〜6時間である。含浸工程中又はイオン交換工程中、遷移元素含有溶液を撹拌してもよく、室温の場合は、撹拌することが好ましい。なお、含浸法、イオン交換法、蒸着法等を実施した後に、乾燥、不活性(イナート)雰囲気、還元雰囲気または酸化雰囲気での焼成等の処理を行うことが好ましく、不活性(イナート)雰囲気または酸化雰囲気で焼成することがより好ましい。具体的には、例えば100℃〜150℃の温度で、大気雰囲気で乾燥工程を行うことが出来る。また、具体的には、500℃〜1000℃で、大気雰囲気で焼成工程を行うことが出来る。
遷移元素含有化合物としては、モリブデンの場合には七モリブデン酸アンモニウム、ケイモリブデン酸、リンモリブデン酸、塩化モリブデン、酸化モリブデン等が挙げられる。タングステンの場合には、パラタングステン酸アンモニウム、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、塩化タングステン等が挙げられる。バナジウムの場合にはオキシ硫酸バ
ナジウム、オキシシュウ酸バナジウム、塩化バナジウム、三塩化酸化バナジウム、ビス(アセチルアセトナト)オキソバナジウム(IV)等が挙げられる。クロムの場合にはクロム酸アンモニウム、アセチルアセトンクロム(III)、ピリジン−2−カルボン酸クロム(III)等が挙げられる。ニオブの場合にはシュウ酸ニオブ、シュウ酸ニオブアンモニウム等が挙げられる。タンタルの場合にはペンタエトキシタンタル等が挙げられる。
本実施形態により得られる触媒における遷移元素の状態や組成は特に限定されず、例えば、金属酸化物(単一の金属酸化物、複合金属酸化物)やイオンの状態が挙げられる。すなわち、遷移元素は、担体の表面(外表面及び/又は細孔内)に金属酸化物、金属塩の状態で担持されていてもよいし、担体骨格に導入されていてもよい。遷移元素は金属酸化物(単一の金属酸化物、複合金属酸化物)であることが好ましい。
触媒活性の観点から、前記遷移元素が、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素であることが好ましく、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素がより好ましい。
触媒における遷移元素の総含有量(担体100質量部に対して)は、遷移金属の質量として仕込み量で、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは5.0質量部以下、さらに好ましくは4.0質量部以下、特に好ましくは3.0質量部以下である。上記範囲内であると、より効率良くオリゴシランを製造することができる。なお、遷移元素の量は仕込み量と実質的に同じであるとする。
本実施形態においては、前記アルミニウム導入工程でのアルミニウム仕込量と前記遷移元素導入工程での遷移元素仕込量(Al0/Mo0)がモル比で280以下、好ましくは140以下である。
本発明の一実施形態においては、アルミニウム導入工程後に遷移元素導入工程を行う。本発明によると、遷移元素の含有量を低減させてもアルミニウムを導入することで、アルミニウムの導入はなく遷移元素の含有量が多い場合と同等の触媒性能を有し、長寿命の触媒を得ることが出来、より効率良くオリゴシランを製造することができる。
[典型元素]
本実施形態のオリゴシラン製造用触媒の製造方法は、周期表第1族典型元素及び第2族典型元素からなる群より選択される少なくとも1種の典型元素(以下、「典型元素」と略す場合がある。)を導入する工程をさらに含んでもよい。なお、本実施形態の製造方法により得られるオリゴシラン製造用触媒における典型元素の状態や組成は特に限定されないが、金属酸化物(単一の金属酸化物、複合金属酸化物)やイオンの状態が挙げられる。また、担体の表面(外表面及び/又は細孔内)に金属酸化物、金属塩の状態で担持されているもの、イオン交換や複合化で内部(担体骨格)に典型元素が導入されたものが挙げられる。このような典型元素を含有することによって、初期のモノシランの転化率を抑えて過剰な消費を抑制するとともに、初期のジシランの選択率を高くすることができる。また、初期のモノシランの転化率を抑えることで、触媒寿命をより長くすることもできるものと言える。
第1族典型元素としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、フランシウム(Fr)が挙げられる。
第2族典型元素としては、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)が挙げられる。
この中でも、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、フランシウム(Fr)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)を含有することが好ましい。
触媒への典型元素の配合方法としては、含浸法、イオン交換法等が挙げられる。具体的には、例えば、国際公開第2017/141889号に記載を参照して、前記担体に典型
元素を含有させることが出来る。
触媒における典型元素の総含有量(担体100質量部に対して)は、仕込み量で、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上、特に好ましくは0.5質量部以上、より特に好ましくは1.0質量部以上、最も好ましくは2.1質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは4質量部以下である。上記範囲内であると、より効率良くオリゴシランを製造することができる。
[オリゴシラン製造用触媒]
上記の方法により製造されるオリゴシラン製造用触媒も本発明の一態様である。
本発明の一実施形態の触媒は、担体であるゼオライトが、構造コ−ドBEA、MFI、TON、MOR、及びFERからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、ZSM−5、ベータ、及びZSM−22からなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
上記触媒中、周期表第5族遷移元素及び第6族遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素の含有量が0.01質量%〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましく、0.1〜4質量%がさらに好ましい。遷移元素の量は仕込み量と実質的に同じであるといえるが、触媒中の遷移元素の含有量は、例えば、触媒を分解し、溶液化して、ICP発光分光分析(ICP−OES)やICP質量分析(ICP−MS)により求めることが出来る。
触媒は粉体を球状、円柱状(ペレット状)、リング状、ハニカム状等に成形した成形体の形態であることが好ましい。なお、粉体を成形するためにアルミナや粘土化合物等のバインダーを使用してもよい。バインダーの使用量があまりに少ないと成形体の強度を保つことができないし、バインダーの使用量があまりに多いと触媒活性への悪影響を与えるので、バインダーとしてアルミナを使用する場合のアルミナの含有量(アルミナ、アルミニウム導入工程で担持するアルミニウム、遷移元素及び典型元素を含まない(元の粉状の)担体100質量部に対して)は、好ましくは2質量部以上、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上であり、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下である。上記範囲内であると、担体強度を保ちながら触媒活性への悪影響を抑えることができる。
[オリゴシランの製造方法]
本発明で用いられるオリゴシランの製造方法は、ヒドロシランの脱水素縮合によってオリゴシランを生成させる反応工程(以下、「反応工程」と略す場合がある。)を含む製造方法であり、前述の触媒の存在下で行われるものであれば、その他は特に限定されない。
以下、オリゴシランの製造方法について説明する。なお、以下では本発明の一実施形態に係るオリゴシラン製造用触媒を、単に「触媒」と称する。
なお、本発明において「オリゴシラン」とは、(モノ)シランが複数個(10個以下)重合したシランのオリゴマーを意味するものとし、具体的にはジシラン、トリシラン、テトラシラン等が含まれるものとする。また、「オリゴシラン」は、直鎖状のオリゴシランのみに限られず、分岐構造、架橋構造、環状構造等を有するものであってもよいものとする。
また、「ヒドロシラン」とは、ケイ素−水素(Si−H)結合を有する化合物を意味するものとし、具体的にはテトラヒドロシラン(SiH)が含まれるものとする。さらに「ヒドロシランの脱水素縮合」とは、例えば下記反応式に示されるように、水素が脱離するヒドロシラン同士の縮合によって、ケイ素−ケイ素(Si−Si)結合が形成する反応を意味するものとする。

反応工程に使用する反応器、操作手順、反応条件等は特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。以下、反応器、操作手順、反応条件等について具体例を挙げて説明するが、これらの内容に限定されるものではない。
反応器は、図1(a)に示されるような回分反応器、図1(b)に示されるような連続槽型反応器、図1(c)に示されるような連続管型反応器の何れのタイプの反応器を使用してもよい。
操作手順は、例えば回分反応器を用いる場合、乾燥させた触媒を反応器内に設置し、反応器内の空気を減圧ポンプ等を利用して除去した後、ヒドロシラン等を投入して密閉し、反応器内を反応温度まで昇温して反応を開始する方法が挙げられる。
一方、連続槽型反応器又は連続管型反応器を用いる場合、乾燥させた触媒を反応器内に設置し、反応器内の空気を減圧ポンプ等を利用して除去した後、ヒドロシラン等を流通させ、反応器内を反応温度まで昇温して反応を開始する方法が挙げられる。
反応器には、ヒドロシラン及び触媒以外の化合物を投入又は流通させてもよい。ヒドロシラン及び触媒以外の化合物としては、ヒドロシランの希釈用や反応前後の置換用等としてのヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガス等のガスやシリカ、チタニアなどのヒドロシランに対してほとんど反応性の無い固形物等が挙げられる。
ヒドロシランの脱水素縮合によって、下記反応式(i)に示されるようにジシラン(Si)が生成することになるが、生成したジシランの一部は下記反応式(ii)に示されるようにテトラヒドロシラン(SiH)とジヒドロシリレン(SiH)に分解されるものと考えられる。さらに生成したジヒドロシリレンは、下記反応式(iii)に示されるように重合して固体状のポリシラン(SiHとなり、このポリシランがゼオライトの表面に吸着して、ヒドロシランの脱水素縮合活性が低下するためにジシランを含むオリゴシランの収率等が低下するものと考えられる。
2SiH → Si + H (i)
Si → SiH + SiH (ii)
nSiH → (SiH (iii)
なお、反応器内は、水分が極力含まれないことが好ましい。例えば、反応前にゼオライト触媒や反応器を十分に乾燥させたりすることが好ましい。
反応温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以上、さらに好ましくは200℃以上であり、好ましくは450℃以下、より好ましくは400℃以下、さらに好ましくは350℃以下である。上記範囲内であると、より効率良くオリゴシランを製造することができる。なお、反応温度は、図2(a)に示されるように、反応工程中において一定に設定するほか、図2(b1)、(b2)に示されるように、反応開始温度を低めに設定し、反応工程中において昇温させても、或いは図2(c1)、(c2)に示されるように、反応開始温度を高めに設定し、反応工程中において降温させてもよい(反応温度の昇温は、図2(b1)に示されるように連続的であっても、図2(b2)に示されるように段階的であってもよい。同様に反応温度の降温は、図2(c1)に示されるように連続的であっても、図2(c2)に示されるように段階的であってもよい。)。特に反応開始温度を低めに設定し、反応工程中において反応温度を昇温させることが好ましい。反応
開始温度を低めに設定することによって、本発明に係るゼオライト等の劣化が抑制され、より効率良くオリゴシランを製造することができる。反応温度を昇温させる場合の反応開始温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは150℃以上であり、好ましくは350℃以下、より好ましくは300℃以下、さらに好ましくは250℃以下である。
反応圧力は、絶対圧力で好ましくは0.1MPa以上、より好ましくは0.15MPa以上、さらに好ましくは0.2MPa以上であり、好ましくは10MPa以下、より好ましくは5MPa以下、さらに好ましくは1MPa以下である。なお、テトラヒドロシランの分圧は、好ましくは0.0001MPa以上、より好ましくは0.0005MPa以上、さらに好ましくは0.001MPa以上であり、好ましくは通常100MPa以下、より好ましくは50MPa以下、さらに好ましくは10MPa以下である。上記範囲内であると、より効率良くオリゴシランを製造することができる。
連続槽型反応器又は連続管型反応器を用いる場合、流通させるヒドロシランの流量は、触媒との接触時間が短いと転化率が低くなりすぎるし、あまりに長いとポリシランが生成しやすくなるので、接触時間が0.01秒から30分になるように設定することが好ましい。この場合、本発明に係るゼオライト触媒1.0gに対して、テトラヒドロシランガスの流量(1分間に流通させるテトラヒドロシランガスの標準状態(0℃−1atm(0.1MPa))での体積換算量)は好ましくは0.01mL/分以上、より好ましくは0.05mL/分以上、さらに好ましくは0.1mL/分以上であり、好ましくは1000mL/分以下、より好ましくは500mL/分以下、さらに好ましくは100mL/分以下である。上記範囲内であると、より効率良くオリゴシランを製造することができる。また、オートクレーブ等により回分式で反応を行う場合にも、長時間にわたり反応を行うとポリシランができやすくなるし、あまりに短時間では反応転化率が低くなりすぎるので、反応時間は1分から1時間が好ましく、より好ましくは5分から30分程度である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。実施例、比較例は、図3に示される反応装置(概念図)の反応管内の固定床にゼオライトを固定して、アルゴンガスで希釈したテトラヒドロシランを含む反応ガスを流通させることにより行った。フィルター10は、反応ガスサンプルリング用ではあるが、実施例、比較例では特に冷却等を行いサンプリングするような操作はせず、直接反応ガスをガスクロマトグラフに導入して分析した。本評価に使用した反応装置は試験、研究用であるため、生成物を安全な形で系外に排出するための除害装置13を装備している。生成したガスは、株式会社島津製作所社製ガスクロマトグラフGC−17Aを用いて、TCD(Thermal Conductivity Detector)検出器で分析を行った。ジシラン等の定性分析は、MASS(質量分析計)で行った。
触媒として使用したゼオライトの細孔は、以下の通りである。
・NH−ZSM−5(820NHA):
<100>短径 0.51nm、長径 0.55nm
<010>短径 0.53nm、長径 0.56nm
なお、細孔の短径、長径の数値は、「http://www.jaz-online.org/introduction/qanda.html」、及び「ATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORK TYPES, Ch. Baerlocher,L.B. McCusker and D.H. Olson, Sixth Revised Edition 2007,published on behalf of the structure Commission of the international Zeolite Association」に記載されているものである。
[実施例1−1]
(Al4質量% Mo0.2質量%/ZSM−5: 前Al 200℃熱水含浸)
硝酸アルミニウム9水和物 2.78g(担体100質量部に対するAlとしての含有量は4質量部)、蒸留水7gをガラス製容器に入れて室温で十分混和させて水溶液を調製した。この水溶液を担体であるNH−ZSM−5(東ソ−製:製品名 820NHA シリカ/アルミナ比:23 粉状)5.0g、に加えて室温で30分間撹拌しながら含浸させた。その後、オートクレ−ブに全量移液し、200℃ 4時間加熱を行った。冷却後、オートクレ−ブから取り出し、110℃、大気雰囲気下で2時間乾燥させた後、500℃、大気雰囲気下で2時間焼成して、粉体状の固体生成物を得た。
次に、7モリブデン酸アンモニウム4水和物 0.018g(担体100質量部に対するMoとしての含有量は0.2質量部)、蒸留水 5gをガラス製容器に入れて室温で十分混和させて水溶液を調製した。この水溶液を上記で得られた固体生成物に加えて室温で2時間撹拌しながら含浸させた。その後、110℃、大気雰囲気下で2時間乾燥させた後、900℃、大気雰囲気下で2時間焼成して、粉体状の固体生成物を得た。
[実施例1−2](Al4質量% Mo0.2質量%/ZSM−5: 前Al 室温含浸)
硝酸アルミニウム9水和物 2.78g(担体100質量部に対するAlとしての含有量は4質量部)、蒸留水7gをガラス製容器に入れて室温で十分混和させて水溶液を調製した。この水溶液を担体であるNH−ZSM−5(東ソ−製:製品名 820NHA シリカ/アルミナ比:23 粉状)5.0gに加えて室温で2時間撹拌しながら含浸させた。その後110℃、大気雰囲気下で2時間乾燥させた後、500℃、大気雰囲気下で2時間焼成して、粉体状の固体生成物を得た。
次に、上記で得られた粉体上の固体生成物に対し、実施例1−1と同様の操作によりMoを導入し、粉体状の固体生成物を得た。
[比較例1−1](Mo0.2質量%/ZSM−5: Alなし)
7モリブデン酸アンモニウム4水和物 0.018g(担体100質量部に対するMoとしての含有量は0.2質量部)、蒸留水 5gをガラス製容器に入れて室温で十分混和させて水溶液を調製した。この水溶液をNH−ZSM−5(東ソ−製:製品名 820NHA シリカ/アルミナ比:23 粉状)5.0gに加えて室温で2時間撹拌しながら含浸させた。その後、110℃、大気雰囲気下で2時間乾燥させた後、900℃、大気雰囲気下で2時間焼成して、粉体状の固体生成物を得た。
[比較例1−2](Mo0.2質量% Al4質量% /ZSM−5: 後Al 室温含浸)
比較例1−1に対し、蒸留水の量を7gから5gに変更し、焼成温度を900℃から500℃に変更した以外は、比較例1−1と同様の操作により、Moを導入した粉体状の固体生成物を得た。
次に、硝酸アルミニウム9水和物 2.79g(担体100質量部に対するAlとしての含有量は4質量部)、蒸留水 5gをガラス製容器に入れて室温で十分混和させて水溶液を調製した。この水溶液を上記で得られた固体生成物に加えて室温で2時間撹拌しながら含浸させた。その後、110℃、大気雰囲気下で2時間乾燥させた後、900℃、大気雰囲気下で2時間焼成して、粉体状の固体生成物を得た。
[実施例1−3](Al4質量% Mo2質量%/ZSM−5: 前Al 室温含浸)
実施例1−2に対し、7モリブデン酸アンモニウム4水和物の量を0.018gから0.18gに変更した以外は、実施例1−2と同様の操作を行って、粉体状の固体生成物を得た。
[比較例1−3](Mo2質量%/ZSM−5: Alなし)
7モリブデン酸アンモニウム4水和物の量を0.018gから0.18gに変更した以
外は、比較例1−1と同様の操作を行って、粉体状の固体生成物を得た。
[実施例1−4](Al2質量% Mo0.2質量%/ZSM−5: 前Al 室温含浸)
実施例1−2に対し、硝酸アルミニウム9水和物の量を2.78gから1.39gに変更した以外は実施例1−2と同様の操作を行って、粉体状の固体生成物を得た。
[実施例1−5](Al8質量% Mo0.2質量%/ZSM−5: 前Al 室温含浸)
実施例1−2に対し、硝酸アルミニウム9水和物の量を2.78gから5.56gに変更した以外は実施例1−2と同様の操作を行って、粉体状の固体生成物を得た。
[実施例1−6](Al4質量% Mo0.4質量%/ZSM−5: 前Al 室温含浸)
実施例1−2に対し、7モリブデン酸アンモニウム4水和物の量を0.018gから0.036gに変更した以外は実施例1−2と同様の操作を行って、粉体状の固体生成物を得た。
[実施例1−7](Al4質量% Mo0.1質量%/ZSM−5: 前Al 室温含浸)
実施例1−2に対し、7モリブデン酸アンモニウム4水和物の量を0.018gから0.0090gに変更した以外は実施例1−2と同様の操作を行って、粉体状の固体生成物を得た。
[比較例1−4](Mo0.1%/ZSM−5: Alなし)
比較例1−1に対し、7モリブデン酸アンモニウム4水和物の量を0.018gから0.0090gに変更した以外は比較例1−1と同様の操作を行って、粉体状の固体生成物を得た。
[実施例2−1]
実施例1−1で調製したAl4質量%Mo0.2質量%/ZSM−5(200℃熱水含浸)粉 0.50gを反応管(材質:SUS316、長さ:230mm、外径:19.05mm、肉厚:1.24mm)に入れ、反応管を減圧ポンプで減圧して空気を除去した後にHeガスに置換した。反応管にHeガス20ml/分を流通させ、250℃に昇温後1時間流通させた。その後Arガス20体積%、モノシラン(テトラヒドロシラン)ガス80体積%の混合ガス4ml/分を流通させた。所定の圧力(絶対圧力0.3MPa)に達してから、所定の時間経過後の反応ガス組成をTCD検出器つきガスクロマトグラフで分析した。評価結果を表1に示す。

[実施例2−2]
実施例1−2で調製した触媒を用いた以外は、実施例2−1と同様に反応を行い、反応ガスを分析した。結果を表2に示す。

[比較例2−1]
比較例1−1で調製した触媒を用いた以外は、実施例2−1と同様に反応を行い、反応ガスを分析した。結果を表3に示す。

[比較例2−2]
比較例1−2で調製した触媒を用いた以外は、実施例2−1と同様に反応を行い、反応ガスを分析した。結果を表4に示す。


[実施例2−3]
実施例1−3で調製した触媒を用いた以外は、実施例2−1と同様に反応を行い、反応ガスを分析した。結果を表5に示す。

[比較例2−3]
比較例1−3で調製した触媒を用いた以外は、実施例2−1と同様に反応を行い、反応ガスを分析した。結果を表6に示す。

[実施例2−4]
実施例1−4で調製した触媒を用いた以外は、施例2−1と同様に反応を行い、反応ガスを分析した。結果を表7に示す。


[実施例2−5]
実施例1−5で調製した触媒を用いた以外は、実施例2−1と同様に反応を行い、反応ガスを分析した。結果を表8に示す。

[実施例2−6]
実施例1−6で調製した触媒を用いた以外は、実施例2−1と同様に反応を行い、反応ガスを分析した。結果を表9に示す。

[実施例2−7]
実施例1−7で調製した触媒を用いた以外は、実施例2−1と同様に反応を行い、反応ガスを分析した。結果を表10に示す。

[比較例2−4]
比較例1−4で調製した触媒を用いた以外は、実施例2−1と同様に反応を行い、反応ガスを分析した。結果を表11に示す。

実施例2−2と比較例2−1との比較より、Alを担持することで触媒寿命が向上することが確認された。
比較例2−1、比較例2−3、比較例2−4の結果から、(Al添加なしで)Mo量を単純に低減すると触媒性能が低下するところ、実施例2−2と比較例2−3との比較より、Mo量を低減(Mo量が0.2質量%の場合)しても、Alを担持しない(Mo量が2質量%の場合)時と同程度かそれ以上の触媒性能、触媒寿命を達成できることがわかる。また、さらに、ジシラン選択率も改善できることがわかる。 実施例2−7より比較例2−3に対して1/20であるMo0.1質量%で、24時間経過後にほぼ同程度の触媒性能が得られることが示された。
さらに、実施例2−2と比較例2−2との比較から、Alを単純に添加しても必ずしも触媒性能が向上しないことがわかる。比較例2−1は、24時間以降ジシラン収率の低下が見られ、比較例2−2は、初期からジシラン収率が低く、Alの後添加では触媒毒として働いていることが推定されるのに対して、実施例2−1、実施例2−2は、30時間までジシラン収率の低下が見られず、ジシラン収率の絶対値も高いことから、AlをZSM−5にMoよりも前担持することで、触媒劣化が抑制されていることがわかる。
本発明によれば、寿命の長いオリゴシラン製造用触媒の製造方法が提供される、経済上も、工業的にも非常に有用である。また、本発明のオリゴシランの製造方法によって得られたジシランは、半導体用シリコンの製造ガスとして利用されることが期待できる。
1 テトラヒドロシランガス(SiH)ボンベ(Ar20%混合)
2 水素ガス(H)ボンベ
3 ヘリウムガス(He)ボンベ
4 緊急遮断弁(ガス検連動遮断弁)
5 減圧弁
6 マスフローコントローラ(MFC)
7 圧力計
8 ガスミキサー
9 反応管
10 フィルター
11 ロータリーポンプ
12 ガスクロマトグラフ
13 除害装置

Claims (8)

  1. ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを生成する脱水素縮合用の触媒であり、担体としてゼオライトを含む不均一触媒の製造方法であって、
    前記担体にアルミニウムを担持させるアルミニウム導入工程、及び
    前記担体に第5族遷移元素及び第6族遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の遷移元素を含有させる遷移元素導入工程、
    を含み、
    前記アルミニウム導入工程後に前記遷移元素導入工程を行うことを特徴とする、オリゴシラン製造用触媒の製造方法。
  2. 前記触媒中、前記遷移元素の含有量が0.1質量%以上である、請求項1に記載のオリゴシラン製造用触媒の製造方法。
  3. 前記触媒中、前記遷移元素の含有量が4.0質量%以下である、請求項2に記載のオリゴシラン製造用触媒の製造方法。
  4. 前記アルミニウム導入工程が含浸工程を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオリゴシラン製造用触媒の製造方法。
  5. 前記遷移元素がバナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、及びタングステンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のオリゴシラン製造用触媒の製造方法。
  6. 前記ゼオライトが、構造コ−ドBEA、MFI、TON、MOR、及びFERからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のオリゴシラン製造用触媒の製造方法。
  7. 前記ゼオライトが、ZSM−5、ベータ、及びZSM−22からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載のオリゴシランの製造方法。
  8. ヒドロシランを脱水素縮合させてオリゴシランを生成する脱水素縮合工程を含み、
    前記脱水素縮合工程を請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法により製造される触媒の存在下で行う、オリゴシランの製造方法。
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