JP2006080164A - 磁気メモリ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 半導体素子領域への強磁性材料の拡散を低減できる磁気メモリを提供する。
【解決手段】 磁気メモリ1は、m行n列(m、nは2以上の整数)からなる2次元状に配列された複数の記憶領域3を備える。また、磁気メモリ1は、書き込みトランジスタ32のドレイン領域32a及びソース領域32cを含む半導体層6と、TMR素子4及び書き込み配線31を含む磁性材料層8と、半導体層6及び磁性材料層8に挟まれており、ビット配線13a及び13b、並びにワード配線14を含む配線層7とを備える。このように、磁性材料層8と半導体層6との間に配線層7を挟むことにより、TMR素子4から拡散(マイグレーション)した強磁性材料が半導体層6へ達しにくくなるので、ドレイン領域32a及びソース領域32cへの強磁性材料の拡散を低減できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子にデータを記憶する磁気メモリ及びその製造方法に関するものである。
近年、コンピュータや通信機器等の情報処理装置に用いられる記憶デバイスとして、MRAM(Magnetic Random Access Memory)が注目されている。MRAMは、磁気によってデータを記憶するので、揮発性メモリであるDRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static RAM)のように電源断によって情報が失われるといった不都合がない。また、従来のフラッシュEEPROMやハードディスク装置のような不揮発性記憶手段と比較して、アクセス速度、信頼性、消費電力等において非常に優れている。従って、MRAMは、DRAMやSRAMなどの揮発性メモリの機能、及びフラッシュEEPROMやハードディスク装置などの不揮発性記憶手段の機能をすべて代替できる可能性を有している。現在、いつ、どこにいても情報処理を行うことができる、いわゆるユビキタスコンピューティングを目指した情報機器の開発が急速に進められているが、MRAMは、このような情報機器におけるキーデバイスとしての役割が期待されている。
図39(a)は、従来のMRAMにおける一つの記憶領域100の構造例を示す側面断面図である。従来のMRAMは、一方向に延びる配線102と、配線102と交差する方向に延びる配線104とをそれぞれ複数備える。そして、記憶領域100は、配線102及び104が交差する領域毎に構成される。記憶領域100は、それぞれトンネル磁気抵抗効果(TMR:Tunneling Magneto-Resistive)を利用したトンネル磁気抵抗効果素子(以下、TMR素子という)101を有する。TMR素子101は、図39(b)に示すように、外部磁界によって磁化方向Aが変化する第1磁性層(感磁層)101aと、反強磁性層101dによって磁化方向Bが固定された第2磁性層101cと、第1磁性層101aと第2磁性層101cとの間に挟まれた非磁性絶縁層101bとを備える。そして、第1磁性層101aの磁化方向Aが、配線102及び104からの合成磁界によって磁化方向Bに対し平行または反平行に制御されることにより、0または1といった二値データがTMR素子101に書き込まれる。また、TMR素子101の厚さ方向の抵抗値は、第1磁性層101aの磁化方向Aと第2磁性層101cの磁化方向Bとが平行か反平行かによって異なる。従って、TMR素子101から二値データを読み出す際には、トランジスタ105を導通状態とし、第1磁性層101aに接続された配線102から第2磁性層101cに接続された配線103へ電流を流す。そして、このときの電流値、または第1磁性層101aと第2磁性層101cとの間の電位差に基づいて、二値データのうちいずれの値が記録されているかを判断する。
なお、上記MRAMと同様の構成は、例えば特許文献1及び2に開示されている。
しかし、図39に示したMRAM構成には次の問題点がある。すなわち、このMRAMにおいては、配線102及び104の双方から磁界を与えられたTMR素子101においてのみ、第1磁性層101aの磁化方向Aが反転することが望ましい。しかしながら、配線102及び104は、それぞれの延伸方向に沿って配置されている全てのTMR素子101に対して磁界を提供する。従って、二値データを書き込もうとするTMR素子101以外のTMR素子101においても、配線102または104からの磁界によって、誤って第1磁性層101aの磁化方向Aが反転してしまうおそれがある。
このような誤書き込みを防止するための技術として、例えば特許文献3に開示された磁気メモリがある。この磁気メモリは、各記憶領域(メモリセル)毎に、TMR素子と、TMR素子に書き込み電流を流す配線(セルビット線)と、セルビット線に接続されたトランジスタとを備える。そして、TMR素子に二値データを書き込むための書き込み電流をトランジスタによって制御することにより、二値データを書き込もうとするTMR素子に対してのみ磁界を与えることとしている。
特開2001−358315号公報 特開2002−110938号公報 特開2004−153182号公報
しかしながら、特許文献1〜3に開示された構成には、次の共通した課題がある。すなわち、これらのMRAM構成においては、TMR素子が、複数の記憶領域にわたって延びる配線(例えば、図39(a)の配線102、或いは特許文献3のビット線BLなど)と基板との間に配置される。換言すれば、複数の記憶領域にわたる配線系統が形成される層(配線層)の内部にTMR素子が配置される。他方、配線層が積層される基板の表面には、TMR素子から二値データを読み出すための電流を制御するトランジスタ(例えば、図39(a)のトランジスタ105など)や、TMR素子へ二値データを書き込むための書き込み電流を制御するためのトランジスタ(例えば、特許文献3の書き込み選択トランジスタ19)などの半導体素子領域が形成される。このようなMRAM構成では、TMR素子から配線層内部へ拡散(マイグレーション)したMn、Fe、Ni、Coなどの強磁性材料が、時を経るにつれて次第に基板表面のトランジスタまで達して他のドーパントと混ざり(コンタミネーション)、トランジスタの電気的特性を劣化させる。従って、MRAMの寿命が大幅に縮まってしまう。また、MRAMの製造工程においても、基板表面に形成された半導体素子領域へ強磁性材料が混入するおそれがある。
本発明は、上記した問題点を鑑みてなされたものであり、半導体素子領域への強磁性材料の拡散を低減できる磁気メモリ、及び、製造工程における半導体素子領域への強磁性材料の混入を防止できる磁気メモリの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明による磁気メモリは、m行n列(m、nは2以上の整数)からなる2次元状に配列された複数の記憶領域を備える磁気メモリであって、磁性材料層、半導体層、及び磁性材料層と半導体層との間に設けられた配線層を備え、磁性材料層は、外部磁界によって磁化方向が変化する感磁層を含み複数の記憶領域それぞれに設けられた磁気抵抗効果素子と、複数の記憶領域それぞれに設けられ、書き込み電流によって感磁層に外部磁界を提供する書き込み配線とを含み、半導体層は、複数の記憶領域それぞれにおいて、書き込み配線における書き込み電流の導通を制御する半導体書き込みスイッチ手段を構成する半導体領域を含み、配線層は、複数の記憶領域の各列に対応して設けられ、対応する列の記憶領域それぞれが有する書き込み配線に電気的に接続された第1の配線と、複数の記憶領域の各行に対応して設けられ、対応する行の記憶領域それぞれが有する半導体書き込みスイッチ手段の制御端子に電気的に接続された第2の配線とを含むことを特徴とする。
上記した磁気メモリでは、TMR素子を含む磁性材料層と、半導体素子領域の一種である半導体書き込みスイッチ手段を含む半導体層との間に、記憶領域の各列に対応した第1の配線、及び各行に対応した第2の配線を含む配線層が設けられている。このように、TMR素子を含む層(磁性材料層)と半導体素子領域を含む層(半導体層)との間に別の層(配線層)を挟むことにより、TMR素子から拡散した強磁性材料が半導体層へ達しにくくなるので、半導体書き込みスイッチ手段を構成する半導体領域への強磁性材料の拡散を低減できる。また、上記した磁気メモリでは、磁性材料層を製造する工程と配線層及び半導体層を形成する工程とを分離できるので、半導体書き込みスイッチ手段が配線層によって保護された状態でTMR素子を形成することができる。従って、製造工程において、半導体書き込みスイッチ手段を構成する半導体領域への強磁性材料の混入を防止できる。
なお、上記した磁気メモリにおいて、半導体書き込みスイッチ手段の制御端子に電気的に接続された第2の配線とは、該第2の配線の一部が半導体書き込み手段の制御端子(電極)を兼ねているような形態をも含むものとする。
また、磁気メモリは、磁性材料層と半導体層との間に設けられ、磁気抵抗効果素子に含まれる元素の半導体層への拡散を防ぐための拡散防止層を更に備えることを特徴としてもよい。これにより、半導体書き込みスイッチ手段を構成する半導体領域への強磁性材料の拡散を更に効果的に低減できるとともに、製造工程において、半導体書き込みスイッチ手段を構成する半導体領域への強磁性材料の混入を更に効果的に防止できる。
また、磁気メモリは、拡散防止層が、Ti及びRuのうち少なくとも一方の元素を含むことを特徴としてもよい。これにより、拡散防止層における、磁気抵抗効果素子に含まれる元素の半導体層への拡散防止機能を好適に実現できる。
また、磁気メモリは、磁性材料層が、複数の記憶領域それぞれに設けられて磁気抵抗効果素子に電気的に接続され、磁気抵抗効果素子に読み出し電流を流す読み出し配線を更に含み、半導体層が、複数の記憶領域それぞれにおいて、読み出し配線における読み出し電流の導通を制御する半導体読み出しスイッチ手段を構成する半導体領域を更に含むことを特徴としてもよい。これにより、TMR素子に記憶された二値データを好適に読み出すことができる。また、上述したように、この磁気メモリは半導体層と磁性材料層との間に配線層を挟んでいるので、半導体素子領域の一種である半導体読み出しスイッチ手段を構成する半導体領域への強磁性材料の拡散を低減できるとともに、製造工程において、半導体読み出しスイッチ手段を構成する半導体領域への強磁性材料の混入を防止できる。
本発明による磁気メモリの製造方法は、m行n列(m、nは2以上の整数)からなる2次元状に配列された複数の記憶領域を備える磁気メモリを製造する方法であって、半導体層を形成する半導体層形成工程と、半導体層上に配線層を形成する配線層形成工程と、配線層上に磁性材料層を形成する磁性材料層形成工程とを備え、半導体層形成工程は、複数の記憶領域それぞれにおいて半導体書き込みスイッチ手段を構成する半導体領域を半導体層に形成する工程を含み、配線層形成工程は、複数の記憶領域の各列に対応する第1の配線と、複数の記憶領域の各行に対応して設けられ、対応する行の記憶領域それぞれが有する半導体書き込みスイッチ手段の制御端子に電気的に接続された第2の配線とを配線層に形成する工程を含み、磁性材料層形成工程は、複数の記憶領域それぞれに設けられ、外部磁界によって磁化方向が変化する感磁層を含む磁気抵抗効果素子と、複数の記憶領域それぞれに設けられるとともに第1の配線に電気的に接続され、書き込み電流によって感磁層に外部磁界を提供する書き込み配線とを磁性材料層に形成する工程を含むことを特徴とする。
上記した磁気メモリの製造方法は、半導体素子領域の一種である半導体書き込みスイッチ手段を構成する半導体領域を形成する工程を含む半導体層形成工程と、第1及び第2の配線を形成する工程を含む配線層形成工程と、TMR素子を形成する工程を含む磁性材料層形成工程とを備えている。このように、半導体書き込みスイッチ手段を構成する半導体領域を形成する工程、並びに第1及び第2の配線を形成する工程と、TMR素子を形成する工程とを完全に分離することによって、磁性材料層内にTMR素子を作り込む際に強磁性材料が配線層によって遮断され、半導体書き込みスイッチ手段を構成する半導体領域への強磁性材料の混入を防止できる。
本発明による磁気メモリによれば、半導体素子領域への強磁性材料の拡散を低減できる。また、本発明による磁気メモリの製造方法によれば、製造工程における半導体素子領域への強磁性材料の混入を防止できる。
以下、添付図面を参照しながら本発明による磁気メモリ及びその製造方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
まず、本発明による磁気メモリの一実施形態の構成について説明する。図1は、本実施形態による磁気メモリ1の全体構成を示す概念図である。磁気メモリ1は、記憶部2、ビット選択回路11、ワード選択回路12、ビット配線13a及び13b、ワード配線14、並びに接地配線15を備える。記憶部2は、複数の記憶領域3からなる。複数の記憶領域3は、m行n列(m、nは2以上の整数)からなる二次元状に配列されている。複数の記憶領域3のそれぞれは、TMR素子4、書き込み配線31、及び読み出し配線33を含む磁性素子部9と、書き込みトランジスタ32と、読み出しトランジスタ34とを有する。
TMR素子4は、外部磁界によって磁化方向が変化する感磁層を含む磁気抵抗効果素子である。具体的には、TMR素子4は、感磁層である第1磁性層と、磁化方向が固定された第2磁性層と、第1磁性層及び第2磁性層に挟まれた非磁性絶縁層とを含んで構成される。TMR素子4は、書き込み配線31を流れる書き込み電流により発生する外部磁界を受けて第1磁性層の磁化方向が変化するように、書き込み配線31の一部分に沿って配置される。そして、書き込み電流によって第1磁性層の磁化方向が変化すると、第1磁性層の磁化方向と第2磁性層の磁化方向との関係に応じて第1磁性層と第2磁性層との間の抵抗値が変化する。
書き込み配線31は、書き込み電流によってTMR素子4の第1磁性層に外部磁界を提供するための配線である。書き込み配線31の一端は、ビット配線13aに電気的に接続されている。書き込み配線31の他端は、書き込みトランジスタ32のソースまたはドレインに電気的に接続されている。書き込みトランジスタ32は、書き込み配線31における書き込み電流の導通を制御するための半導体書き込みスイッチ手段である。書き込みトランジスタ32は、ドレイン及びソースの一方が書き込み配線31に電気的に接続されており、他方がビット配線13bに電気的に接続されている。書き込みトランジスタ32のゲートは、ワード配線14に電気的に接続されている。
読み出し配線33は、TMR素子4に読み出し電流を流すための配線である。具体的には、読み出し配線33の一端はビット配線13aに電気的に接続されており、読み出し配線33の他端は、TMR素子4の第1磁性層側に電気的に接続されている。また、読み出しトランジスタ34は、読み出し配線33における読み出し電流の導通を制御するための半導体読み出しスイッチ手段である。読み出しトランジスタ34のソース及びドレインの一方はTMR素子4の第2磁性層側に電気的に接続されており、ソース及びドレインの他方は接地配線15に電気的に接続されている。また、読み出しトランジスタ34のゲートは、ワード配線14に電気的に接続されている。なお、TMR素子4の第1磁性層側(第2磁性層側)とは、非磁性絶縁層に対して第1磁性層の側か或いは第2磁性層の側かを意味し、第1磁性層(第2磁性層)上に別の層が介在する場合を含むものとする。
ビット配線13a及び13bは、記憶領域3の各列に対応して配設されている。ビット配線13a及び13bは、本実施形態における第1の配線である。すなわち、ビット配線13aは、対応する列の記憶領域3それぞれが有する書き込み配線31の一端に電気的に接続されている。さらに、本実施形態のビット配線13aは、対応する列の記憶領域3それぞれが有する読み出し配線33の一端にも電気的に接続されている。ビット配線13bは、対応する列の記憶領域3それぞれが有する書き込みトランジスタ32のドレインまたはソースに電気的に接続されている。また、ワード配線14は、本実施形態における第2の配線である。すなわち、ワード配線14は、記憶領域3の各行に対応して配設されており、対応する行の記憶領域3それぞれが有する書き込みトランジスタ32の制御端子であるゲートに電気的に接続されている。
ビット選択回路11は、本実施形態における書き込み電流生成手段である。すなわち、ビット選択回路11は、各記憶領域3の書き込み配線31に正または負の書き込み電流を提供する機能を備える。具体的には、ビット選択回路11は、磁気メモリ1の内部または外部からデータ書き込み時に指示されたアドレスに応じて、該アドレスに該当する列を選択するアドレスデコーダ回路と、選択した列に対応するビット配線13aとビット配線13bとの間に、正または負の書き込み電流を供給するカレントドライブ回路とを含んで構成されている。また、ワード選択回路12は、磁気メモリ1の内部または外部からデータ書き込み時に指示されたアドレスに応じて、該アドレスに該当する行を選択し、選択した行に対応するワード配線14に制御電圧を提供する機能を備える。
以上の構成を備える磁気メモリ1は、次のように動作する。すなわち、磁気メモリ1の内部または外部からデータ書込みを行うアドレス(i行j列/1≦i≦m、1≦j≦n)が指定されると、ビット選択回路11及びワード選択回路12がそれぞれ該当するj列及びi行を選択する。ワード選択回路12に選択されたi行に含まれる記憶領域3の書き込みトランジスタ32においては、制御電圧がゲートに印加され、書き込み電流が導通可能な状態となる。また、ビット選択回路11に選択されたj列に含まれる記憶領域3においては、ビット配線13aとビット配線13bとの間に、データに応じた正または負の電圧が印加される。そして、ビット選択回路11に選択されたj列及びワード選択回路12に選択されたi行の双方に含まれる記憶領域3においては、書き込みトランジスタ32を介して書き込み配線31に書き込み電流が生じ、この書き込み電流による磁界によってTMR素子4の第1磁性層の磁化方向が反転する。こうして、指示されたアドレス(i行j列)の記憶領域3に二値データが書き込まれる。
また、磁気メモリ1の内部または外部からデータ読み出しを行うアドレス(k行l列/1≦k≦m、1≦l≦n)が指定されると、ビット選択回路11及びワード選択回路12がそれぞれ該当するl列及びk行を選択する。ワード選択回路12に選択されたk行に含まれる記憶領域3の読み出しトランジスタ34においては、制御電圧がゲートに印加され、読み出し電流が導通可能な状態となる。また、ビット選択回路11に選択されたl列に対応するビット配線13aには、読み出し電流を流すための電圧がビット選択回路11から印加される。そして、ビット選択回路11に選択されたl列及びワード選択回路12に選択されたk行の双方に含まれる記憶領域3においては、読み出し配線33からの読み出し電流がTMR素子4及び読み出しトランジスタ34を介して接地配線15へ流れる。そして、例えばTMR素子4における電圧降下量が判別されることにより、指示されたアドレス(k行l列)の記憶領域3に記憶された二値データが読み出される。
ここで、本実施形態における記憶部2の具体的な構成について詳細に説明する。図2は、記憶部2を行方向に沿って切断したときの断面構成を示す拡大断面図である。図3は、記憶部2を図2におけるI−I線で切断したときの拡大断面図である。図4は、記憶部2を図2におけるII−II線で切断したときの拡大断面図である。
図2〜図4を参照すると、記憶部2は、半導体層6、配線層7、磁性材料層8、及び拡散防止層36を備える。半導体層6は、半導体基板21を含み記憶部2全体の機械的強度を維持するとともに、トランジスタ等の半導体素子領域が形成される層である。磁性材料層8は、TMR素子4や、TMR素子4に磁界を効率的に与えるための磁気ヨーク5といった磁性材料を含む構成物(磁性素子部9)が形成される層である。配線層7は、半導体層6と磁性材料層8との間に設けられる。配線層7は、ビット配線13a、13b、及びワード配線14といった各記憶領域3を貫く配線が形成される層である。また、配線層7には、磁性材料層8に形成された磁性素子部9と、半導体層6に形成されたトランジスタなどの半導体素子領域とを互いに電気的に接続するための配線が形成される。拡散防止層36は、磁性素子部9に含まれる強磁性材料(強磁性元素)の半導体層6への拡散を防ぐための層である。
まず、半導体層6について説明する。半導体層6は、半導体基板21と、絶縁領域22と、書き込みトランジスタ32のドレイン領域32a及びソース領域32cと、読み出しトランジスタ34のドレイン領域34a及びソース領域34cとを有する。半導体基板21は、例えばSi基板からなり、p型またはn型の不純物がドープされている。絶縁領域22は、半導体基板21上において書き込みトランジスタ32及び読み出しトランジスタ34以外の領域に形成されており、書き込みトランジスタ32と読み出しトランジスタ34とを電気的に分離している。絶縁領域22は、例えばSiOといった絶縁性材料からなる。
図3を参照すると、読み出しトランジスタ34は、半導体基板21とは反対導電型の半導体領域であるドレイン領域34a及びソース領域34c、ゲート電極34b、並びに半導体基板21の一部によって構成されている。ドレイン領域34a及びソース領域34cは、例えばSi基板の表面近傍に、半導体基板21とは反対導電型の不純物がドープされて形成されている。ドレイン領域34aとソース領域34cとの間には半導体基板21が介在しており、その半導体基板21上に間隔をあけてゲート電極34bが配置されている。このような構成により、読み出しトランジスタ34では、ゲート電極34bに電圧(制御電圧)が印加されると、ドレイン領域34a及びソース領域34cが互いに導通する。なお、本実施形態では、ゲート電極34bは、半導体層6ではなく後述する配線層7に設けられている。
図4を参照すると、書き込みトランジスタ32は、半導体基板21とは反対導電型の半導体領域であるドレイン領域32a及びソース領域32c、ゲート電極32b、並びに半導体基板21の一部によって構成されている。ドレイン領域32a及びソース領域32cは、例えばSi基板の表面近傍に、半導体基板21とは反対導電型の不純物がドープされて形成されている。ドレイン領域32aとソース領域32cとの間には半導体基板21が介在しており、その半導体基板21上に間隔をあけてゲート電極32bが配置されている。このような構成により、書き込みトランジスタ32では、ゲート電極32bに電圧(制御電圧)が印加されると、ドレイン領域32a及びソース領域32cが互いに導通する。なお、本実施形態では、ゲート電極32bは、半導体層6ではなく後述する配線層7に設けられている。
次に、磁性材料層8について説明する。磁性材料層8は、絶縁領域24と、磁性素子部9とを含んで構成されている。磁性素子部9は、TMR素子4と、磁気ヨーク5と、書き込み配線31と、読み出し配線33とを有する。なお、磁性材料層8においては、磁性素子部9及び他の配線以外の領域は、絶縁領域24によって占められている。ここで、図5及び図6は、TMR素子4及びその周辺構造の拡大図である。図5は、記憶領域3の行方向に沿った断面であり、図6は、記憶領域3の列方向に沿った断面である。図5及び図6を参照すると、TMR素子4は、第1磁性層41、非磁性絶縁層42、第2磁性層43、及び反強磁性層44が順に積層されてなる。第1磁性層41は本実施形態における感磁層であり、書き込み配線31からの外部磁界によって磁化方向が変化し、二値データを記録することができる。第1磁性層41の材料としては、例えばCo、CoFe、NiFe、NiFeCo、CoPtなどの強磁性材料を用いることができる。
また、第2磁性層43では、反強磁性層44によって磁化方向が固定されている。すなわち、反強磁性層44と第2磁性層43との接合面における交換結合によって、第2磁性層43の磁化方向が安定化されている。第2磁性層43の磁化容易軸方向は、第1磁性層41の磁化容易軸方向に沿うように設定される。第2磁性層43の材料としては、例えばCo、CoFe、NiFe、NiFeCo、CoPtなどの強磁性材料を用いることができる。また、反強磁性層44の材料としては、IrMn、PtMn、FeMn、PtPdMn、NiO、またはこれらのうち任意の組み合わせの材料を用いることができる。
非磁性絶縁層42は、非磁性且つ絶縁性の材料からなる層である。第1磁性層41と第2磁性層43との間に非磁性絶縁層42が介在することにより、第1磁性層41と第2磁性層43との間には、トンネル磁気抵抗効果(TMR)が生じる。すなわち、第1磁性層41と第2磁性層43との間には、第1磁性層41の磁化方向と第2磁性層43の磁化方向との相対関係(平行または反平行)に応じた電気抵抗が生じる。非磁性絶縁層42の材料としては、例えばAl、Zn、Mgといった金属の酸化物または窒化物が好適である。
なお、第2磁性層43の磁化方向を安定化させる層として、反強磁性層44に代えて、非磁性金属層或いはシンセティックAF(反強磁性)層を介して第3磁性層を設けても良い。この第3磁性層が第2磁性層43と反強磁性結合を形成することにより、第2磁性層43の磁化方向をさらに安定化させることができる。また、第2磁性層43から第1磁性層41への静磁界の影響を防止できるので、第1磁性層41の磁化反転を容易にすることができる。このような第3磁性層の材料としては特に制限はないが、例えばCo、CoFe、NiFe、NiFeCo、CoPtなどの強磁性材料を単独で、或いは複合させて用いることが好ましい。また、第2磁性層43と第3磁性層との間に設けられる非磁性金属層の材料としては、Ru、Rh、Ir、Cu、Agなどが好適である。なお、非磁性金属層の厚さは、第2磁性層43と第3磁性層との間に強い反強磁性結合を得るために2nm以下であることが好ましい。
TMR素子4の第1磁性層41上には、読み出し配線33が設けられている。読み出し配線33は導電性の金属からなり、記憶領域3の行方向に延びている。読み出し配線33の一端は、第1磁性層41に電気的に接続されている。読み出し配線33の他端は、垂直配線16fを介して電極17bに電気的に接続されている(図2参照)。また、TMR素子4の反強磁性層44は、電極35上に設けられており、電極35と電気的に接続されている。この構成により、読み出し電流を読み出し配線33からTMR素子4へ流すことができる。
また、読み出し配線33上には、書き込み配線31が設けられている。読み出し配線33と書き込み配線31との間には間隙があいており、絶縁領域24の材料で満たされることによって互いに絶縁されている。書き込み配線31は導電性の金属からなり、記憶領域3の行方向に延びている。書き込み配線31の一端は、垂直配線16aを介して電極17aに電気的に接続されている(図2参照)。また、書き込み配線31の他端は、垂直配線16hを介して電極17cに電気的に接続されている(図2参照)。なお、TMR素子4の第1磁性層41の磁化容易軸方向は、書き込み配線31の長手方向と交差する方向(すなわち、書き込み電流の方向と交差する方向)に沿うように設定される。
磁気ヨーク5は、書き込み配線31の周囲を覆い、書き込み電流によって発生する磁界を効率よくTMR素子4へ提供するための強磁性部材である。磁気ヨーク5は、所定の長さの空隙を介して対向する少なくとも一対の開放端部を有する略環状体からなり、書き込み配線31の延在方向の一部において書き込み配線31の外周を囲むように配設されている。具体的には、本実施形態の磁気ヨーク5は、一対の対向ヨーク5bと、一対のピラーヨーク5cと、ビームヨーク5dとによって構成されている。このうち、一対の対向ヨーク5bは、一対の開放端部として一対の端面5aを有し、第1磁性層41の磁化容易軸方向に沿って互いに対向するように設けられている。そして、TMR素子4は、その一対の側面4a(図6参照)がそれぞれ一対の端面5aに対向するように、且つ第1磁性層41の磁化容易軸方向が一対の端面5aの並ぶ方向に沿うように配置される。また、ビームヨーク5dは、書き込み配線31におけるTMR素子4とは反対側の面に沿って設けられている。一対のピラーヨーク5cは、書き込み配線31の側面に沿って設けられており、一対の対向ヨーク5bそれぞれにおける端面5aとは異なる側の一端と、ビームヨーク5dの両端とを繋いでいる。以上の構成によって、対向ヨーク5b、ピラーヨーク5c、及びビームヨーク5dは、書き込み配線31の延在方向の一部(TMR素子4上の部分)において書き込み配線31の外周を囲んでいる。
磁気ヨーク5を構成する材料としては、例えばNi、Fe、Coのうち少なくとも一つの元素を含む金属が好適である。また、磁気ヨーク5は、その磁化容易軸方向がTMR素子4の第1磁性層41の磁化容易軸方向に沿うように形成されている。また、書き込み配線31の周方向と直交する面における磁気ヨーク5の断面積は、一対の端面5aにおいて最も小さくなっている。具体的には、磁気ヨーク5の対向ヨーク5b、ピラーヨーク5c、及びビームヨーク5dのうち対向ヨーク5bの断面積が最も小さくなっている。そして、さらに好適には、対向ヨーク5bが端面5aに近づくほど細くなっていることが好ましい。
なお、絶縁領域24の材料としては、半導体層6の絶縁領域22と同様に、SiOといった絶縁性材料を用いることができる。
次に、配線層7について説明する。配線層7は、絶縁領域23と、ビット配線13a及び13bと、ワード配線14と、接地配線15と、複数の垂直配線及び水平配線とを有する。なお、配線層7においては、各配線以外の領域は、すべて絶縁領域23によって占められている。絶縁領域23の材料としては、半導体層6の絶縁領域22と同様に、SiOといった絶縁性材料を用いることができる。また、垂直配線の材料としては例えばWを、水平配線の材料としては例えばAlを、それぞれ用いることができる。
図2を参照すると、磁性材料層8の書き込み配線31の一端が接続された電極17aは、垂直配線16bを介してビット配線13aに電気的に接続されている。また、TMR素子4の第2磁性層43側に電気的に接続された電極35は、配線層7の垂直配線16c〜16e及び水平配線18a、18bに電気的に接続されており、垂直配線16eは読み出しトランジスタ34のドレイン領域34aとオーミック接合されている。また、磁性材料層8においてTMR素子4の第1磁性層41側に読み出し配線33を介して電気的に接続された電極17bは、垂直配線16gを介して水平配線18cに電気的に接続されている。なお、水平配線18cは、図示しない配線によってビット配線13aに電気的に接続されている。
また、図3を参照すると、接地配線15は垂直配線16nに電気的に接続されており、垂直配線16nは読み出しトランジスタ34のソース領域34cとオーミック接合されている。また、ワード配線14の一部は、読み出しトランジスタ34のゲート電極34bとなっている。すなわち、図3に示すゲート電極34bは、記憶領域3の行方向に延びるワード配線14の一部によって構成されている。このような構成によって、ワード配線14は、読み出しトランジスタ34の制御端子(ゲート電極34b)に電気的に接続される。
また、図4を参照すると、磁性材料層8の書き込み配線31の他端が接続された電極17cは、配線層7の垂直配線16i〜16k及び水平配線18d、18eに電気的に接続されており、垂直配線16kは書き込みトランジスタ32のドレイン領域32aとオーミック接合されている。また、水平配線18hは垂直配線16qに電気的に接続されており、垂直配線16qは書き込みトランジスタ32のソース領域32cとオーミック接合されている。なお、水平配線18hは、図示しない配線によってビット配線13b(図2参照)に電気的に接続されている。また、ワード配線14の一部は、書き込みトランジスタ32のゲート電極32bとなっている。すなわち、図4に示すゲート電極32bは、記憶領域3の行方向に延びるワード配線14の一部によって構成されている。このような構成によって、ワード配線14は、書き込みトランジスタ32の制御端子(ゲート電極32b)に電気的に接続される。
次に、拡散防止層36について説明する。拡散防止層36は、磁性素子部9のTMR素子4及び磁気ヨーク5に含まれる強磁性材料(強磁性元素)の半導体層6への拡散を防ぐための層である。本実施形態では、拡散防止層36は、磁性材料層8と配線層7との間に設けられる。拡散防止層36は、強磁性材料の通過を阻止する材料、例えばTi及びRuのうち少なくとも一方の元素を含むことが好ましい。なお、拡散防止層36は、磁性材料層8と半導体層6との間に配置されていればよく、例えば配線層7と半導体層6との間、或いは配線層7の内部に配置されることもできる。また、本実施形態では電極17a〜17cが拡散防止層36に対して磁性材料層8側に位置しているが、電極17a〜17cは、拡散防止層36に対して配線層7側に位置してもよい。
ここで、図7及び図8を参照して、本実施形態の記憶領域3におけるTMR素子4周辺の動作について説明する。図7(a)に示すように、書き込み配線31に負の書き込み電流Iw1が流れると、書き込み配線31の周囲には書き込み配線31の周方向に磁界Φが発生する。磁界Φは、書き込み配線31の周囲に設けられた磁気ヨーク5の内部、及び一対の端面5a間の間隙を経由する閉じた経路を形成する。なお、本実施形態では、磁気ヨーク5の対向ヨーク5b、ピラーヨーク5c、及びビームヨーク5dのうち対向ヨーク5bの断面積が最も小さくなっているので、磁気ヨーク5内部に形成される磁界Φの磁束密度は、対向ヨーク5bにおいて最も大きくなる。
書き込み配線31の周囲に磁界Φが生じると、磁気ヨーク5の磁界閉じ込め作用によってTMR素子4の第1磁性層41に磁界Φ(外部磁界)が効率よく提供される。この磁界Φによって、第1磁性層41の磁化方向Aは磁界Φと同じ方向を向く。ここで、第2磁性層43の磁化方向Bが、反強磁性層44との交換結合によって予め磁界Φと同じ方向を向いている場合には、第1磁性層41の磁化方向Aと第2磁性層43の磁化方向Bとが互いに同じ向き、すなわち平行状態となる。こうして、TMR素子4に二値データの一方(例えば0)が書き込まれる。
TMR素子4に書き込まれた二値データを読み出す際には、図7(b)に示すように、読み出し配線33と電極35との間に読み出し電流Iを流し、その電流値の変化または読み出し配線33と電極35との間の電位差の変化を検出する。これにより、TMR素子4が二値データのうちいずれを記録しているか(すなわち、第1磁性層41の磁化方向Aが第2磁性層43の磁化方向Bと平行か反平行か)が判別できる。例えば、第1磁性層41の磁化方向Aが第2磁性層43の磁化方向Bと平行である場合、非磁性絶縁層42におけるトンネル磁気抵抗効果(TMR)によって、第1磁性層41と第2磁性層43との間の抵抗値が比較的小さくなる。従って、例えば読み出し電流Iを一定とした場合には読み出し配線33と電極35との間の電位差が比較的小さくなることから、TMR素子4に二値データとして0が書き込まれていることがわかる。
また、図8(a)に示すように、書き込み配線31に正の書き込み電流Iw2が流れると、書き込み配線31の周囲には磁界Φとは逆回りの磁界Φが発生する。磁界Φは、磁気ヨーク5の内部、及び一対の端面5a間の間隙を経由する閉じた経路を形成する。なお、磁界Φと同様に、磁気ヨーク5内部に形成される磁界Φの磁束密度は、対向ヨーク5bにおいて最も大きくなる。
書き込み配線31の周囲に磁界Φが生じると、磁気ヨーク5の磁界閉じ込め作用によってTMR素子4の第1磁性層41に磁界Φ(外部磁界)が効率よく提供される。この磁界Φによって、第1磁性層41の磁化方向Aは磁界Φと同じ方向を向く。ここで、第2磁性層43の磁化方向Bが磁界Φとは逆の方向を向いている場合には、第1磁性層41の磁化方向Aと第2磁性層43の磁化方向Bとが互いに逆向き、すなわち反平行状態となる。こうして、TMR素子4に二値データの他方(例えば1)が書き込まれる。
第1磁性層41の磁化方向Aが第2磁性層43の磁化方向Bと反平行である場合、非磁性絶縁層42におけるトンネル磁気抵抗効果(TMR)によって、第1磁性層41と第2磁性層43との間の抵抗値が比較的大きくなる。従って、例えば図8(b)に示すように読み出し配線33と電極35との間に一定の読み出し電流Iを流すと、読み出し配線33と電極35との間の電位差が比較的大きくなる。このことから、TMR素子4に二値データとして1が書き込まれていることがわかる。
以上に説明した、本実施形態による磁気メモリ1が有する効果について説明する。本実施形態の磁気メモリ1では、TMR素子4を含む磁性材料層8と、書き込みトランジスタ32を含む半導体層6との間に、記憶領域3の各列に対応したビット配線13a及び13b、及び各行に対応したワード配線14を含む配線層7が設けられている。このように、TMR素子4を含む層(磁性材料層8)と書き込みトランジスタ32を含む層(半導体層6)との間に別の層(配線層7)を挟むことにより、TMR素子4から拡散した強磁性材料が半導体層6へ達しにくくなるので、書き込みトランジスタ32のドレイン領域32a及びソース領域32cへの強磁性材料の拡散を低減できる。また、後述するように、本実施形態の磁気メモリ1では、磁性材料層8を製造する工程と、配線層7及び半導体層6を形成する工程とを分離できる。これにより、書き込みトランジスタ32が配線層7によって保護された状態でTMR素子4を形成することができる。従って、製造工程において、書き込みトランジスタ32のドレイン領域32a及びソース領域32cへの強磁性材料の混入を防止できる。
このような磁気メモリ1は、書き込みトランジスタ32を各記憶領域3毎に備えることによって実現される。すなわち、書き込みトランジスタ32が各記憶領域3毎に配置されることによって、図39(a)に示した従来の磁気メモリ100とは異なり、TMR素子4へ外部磁界Φ、Φを提供する書き込み配線31を各記憶領域3毎に独立して配置することができる。従って、複数の記憶領域3にわたって設置されるビット配線13a、13bを磁性材料層8から分離して設けることができ、磁性材料層8と配線層7及び半導体層6とを分離することが可能となった。
また、本実施形態のように、磁気メモリ1は、TMR素子4に含まれる元素の半導体層6への拡散を防ぐための拡散防止層36を磁性材料層8と半導体層6との間に備えることが好ましい。これにより、ドレイン領域32a及びソース領域32cへの強磁性材料の拡散を更に効果的に低減できるとともに、製造工程におけるドレイン領域32a及びソース領域32cへの強磁性材料の混入を更に効果的に防止できる。
また、本実施形態のように、複数の記憶領域3それぞれに設けられてTMR素子4に電気的に接続され、TMR素子4に読み出し電流Iを流す読み出し配線33を磁性材料層8が含むことが好ましい。そして、複数の記憶領域3それぞれにおいて、読み出し電流Iの導通を制御する読み出しトランジスタ34を構成するドレイン領域34a及びソース領域34cを半導体層6が含むことが好ましい。これにより、TMR素子4に記憶された二値データを好適に読み出すことができる。また、磁気メモリ1は半導体層6と磁性材料層8との間に配線層7を挟んでいるので、ドレイン領域34a及びソース領域34cへの強磁性材料の拡散を低減できるとともに、製造工程において、ドレイン領域34a及びソース領域34cへの強磁性材料の混入を防止できる。
また、本実施形態のように、磁気ヨーク5は、所定の長さの空隙を介して対向する少なくとも一対の開放端部(端面5a)を有する略環状体からなり、書き込み配線31の延在方向の一部において書き込み配線31の外周を囲むように配設されることが好ましい。これにより、書き込み電流Iw1、Iw2による磁界のうち、TMR素子4から逸れた方向へ放出される磁界を低減することができる。また、磁気ヨーク5が、TMR素子4の一対の側面4aのそれぞれに対向する一対の端面5aを有することによって、周方向に閉じた経路を構成する磁気ヨーク5内部の磁界Φ、ΦをTMR素子4の第1磁性層41へ効率よく提供することができる。このように、本実施形態の磁気メモリ1によれば、書き込み電流Iw1、Iw2による磁界Φ、ΦをTMR素子4へ効率よく提供できるので、TMR素子4の第1磁性層41の磁化方向Aを小さな書き込み電流Iw1、Iw2でもって反転させることができる。
また、本実施形態の磁気メモリ1によれば、上記した磁気ヨーク5の作用により、第1磁性層41の磁化方向Aを小さな書き込み電流Iw1、Iw2でもって反転できるので、書き込み電流Iw1、Iw2の導通を制御する書き込みトランジスタ32を小型化でき、各記憶領域3毎に書き込みトランジスタ32を容易に配置することができる。
また、本実施形態のように、磁気ヨーク5の磁化容易軸方向は、第1磁性層41の磁化容易軸方向に沿っていることが好ましい。また、磁気ヨーク5における周方向と直交する断面の面積は、一対の端面5aにおいて最も小さいことが好ましい。これらにより、磁気ヨーク5内部の磁界Φ、Φを、TMR素子4の第1磁性層41へ更に効率よく与えることができる。
続いて、本実施形態による磁気メモリ1の製造方法の一例について説明する。まず、図9〜図26を参照して、半導体層形成工程及び配線層形成工程について説明する。そして、図27〜図37を参照して、磁性材料層形成工程について説明する。なお、図9〜図37は、いずれも図2のI−I線及びII−II線に沿った断面であり、その製造過程を順に示している。
まず、図9に示すように、半導体基板21としてp型シリコン基板を用意する。そして、半導体基板21上に熱酸化法によりSiO膜61を成膜し、SiO膜61上に、例えばSiH及びNHを原料ガスとする熱CVDによりSi膜62を成膜する。次に、書き込みトランジスタ32及び読み出しトランジスタ34の活性領域(LOCOS)を形成するために、開口70aを有するレジストマスク70をフォトリソグラフィにより形成し、反応性イオンエッチング(RIE)によりSiO膜61及びSi膜62にそれぞれ開口61a及び62aを形成(パターニング)する(図10参照)。
続いて、レジストマスク70を除去した後、図11に示すように、Si膜62をマスクとして熱酸化法によりSiO膜61の露出部分を酸化させ、SiOのフィールド酸化膜(すなわち絶縁領域22)を形成する。その後、湿式エッチングによりSiO膜61及びSi膜62を除去する。
続いて、図12に示すように、半導体基板21上及び絶縁領域22上に、SiOからなるゲート絶縁膜23aを熱酸化法によって薄く成膜する。そして、図13に示すように、ゲート絶縁膜23a上に多結晶シリコン膜63を成膜する。このとき、多結晶シリコン膜63を、原料ガスとして例えばSiH及びNを用いた熱CVDによって成膜する。その後、図14に示すように、ゲート電極パターンを有するレジストマスクを多結晶シリコン膜63上に形成し、RIEによって多結晶シリコン膜63をエッチングすることにより、ゲート電極32b(34b)を形成する。なお、ゲート電極32b(34b)をワード配線14(図2〜図4参照)の一部として形成する場合には、ワード配線パターンを有するレジストマスクを多結晶シリコン膜63上に形成し、RIEによって多結晶シリコン膜63をエッチングすることにより、ワード配線14を形成するとよい。そして、ゲート絶縁膜23aのうち、ゲート電極32b(34b)と半導体基板21との間に存在する部分以外の部分を、ゲート電極32b(34b)をマスクとしてRIEにより除去する。なお、こうして成形されたゲート絶縁膜23aは、絶縁領域23(図2〜図4参照)の一部となる。続いて、ゲート電極32b(34b)をマスクとしてイオン80(例えばAs)を半導体基板21に注入することにより、ゲート電極32b(34b)に対して自己整合的に、n型のドレイン領域32a(34a)、並びにソース領域32c(34c)を形成する。こうして、半導体層6が完成する。
続いて、図15に示すように、原料ガスとして例えばSiH及びOを用いたCVDにより、SiOからなる層間絶縁膜23cを半導体基板21上の全面にわたって形成する。なお、この層間絶縁膜23cもまた、絶縁領域23の一部となる。そして、ドレイン領域32a(34a)、ゲート電極32b(34b)、及びソース領域32c(34c)のそれぞれに対応する電極引出し用コンタクトホールを形成するために、図16に示すように、層間絶縁膜23cにコンタクトホール23d〜23fを形成する。このとき、コンタクトホール23d〜23fの位置及び形状に応じた開口を有するレジストパターンを層間絶縁膜23c上に形成し、RIEにより層間絶縁膜23cをエッチングすることによりコンタクトホール23d〜23fを形成するとよい。
続いて、図17に示すように、層間絶縁膜23c上及びコンタクトホール23d〜23fの内部にAl膜64をスパッタにより成膜する。そして、図18に示すように、Al膜64を所定パターンのレジストマスクを用いてエッチング(RIE)することにより、ドレイン領域32a(34a)に電気的に接続された配線16r、ゲート電極32b(34b)に電気的に接続された配線16s、及びソース領域32c(34c)に電気的に接続された配線16tを形成する。なお、本製造方法においては、配線16r〜16tは垂直配線及び水平配線の双方を兼ねている。勿論、図2〜図4に示したように、垂直配線部分と水平配線部分とを別材料(別工程)にて形成してもよい。また、配線16r〜16tは、必要に応じて省略してもよい。特に、ゲート電極32b(34b)に電気的に接続される配線16sは、ゲート電極32b(34b)をワード配線14(図1参照)として兼用する場合には、不要となる。逆に、ゲート電極32b(34b)をワード配線14として利用しない場合には、配線16sをワード配線14としてもよい。
続いて、原料ガスとして例えばSiH及びOを用いたCVDにより、図19に示すように、SiOからなる層間絶縁膜23gを半導体基板21上の全面にわたって形成する。なお、この層間絶縁膜23gもまた、絶縁領域23の一部となる。そして、図20に示すように、垂直配線を設ける部位に開口を有するレジストパターンを層間絶縁膜23g上に形成後、層間絶縁膜23gをエッチング(RIE)することによって、層間絶縁膜23gにホール23h及び23iを形成する。続いて、図21に示すように、層間絶縁膜23g上、並びにホール23h及び23iの内部に、W膜65をCVDにより成膜する。そして、図22に示すように、化学機械研磨(CMP)により、ホール23h及び23i以外に成膜されたW膜65を除去するとともに、層間絶縁膜23gの表面を平滑化する。こうして、垂直配線16u、16vが形成される。なお、これら垂直配線16u、16vは、図2〜図4における各垂直配線の一例であり、所定の箇所に垂直配線を上記製造方法によって形成するとよい。
続いて、図23に示すように、平滑化された層間絶縁膜23g上及び垂直配線16u、16v上に、Al膜66をスパッタにより成膜する。そして、所定パターンのレジストマスクをAl膜66上に形成後、Al膜66をエッチング(RIE)することにより、図24に示すような水平配線18i及び18jを形成する。なお、これら水平配線18i、18jは、図2〜図4における各水平配線の一例であり、所定の箇所に水平配線を上記製造方法によって形成するとよい。また、このとき、複数の記憶領域3にわたって配置されるビット配線13a及び13bも、水平配線18i及び18jと同様の製造工程により形成する。この後、垂直配線及び水平配線を、前述した工程(図19〜図24参照)と同様にして繰り返し形成することにより、配線層7内部の全ての配線を形成する。なお、配線層7の形成工程は、垂直配線の形成並びに層間絶縁膜の平滑化にて完了する。すなわち、図25に示すように、最上段の層間絶縁膜23i(絶縁領域23の一部となる)を形成し、層間絶縁膜23iにホール23k及び23mを形成し、W膜67を層間絶縁膜23i上及びホール23k、23m内部に成膜する。そして、図26に示すように、CMPにより、ホール23k及び23m以外に成膜されたW膜67を除去するとともに、層間絶縁膜23iの表面を平滑化し、垂直配線16w、16xを形成する。この垂直配線16w、16xの形成工程と同様の工程により、図2〜図4に示した垂直配線16b、16c、16g、及び16iを形成する。こうして、配線層7が完成する。なお、層間絶縁膜23iの平滑面は、配線層7形成工程と磁性材料層8形成工程とのインターフェイス面7aとなる。インターフェイス面7aにおける配線層7と磁性材料層8との電気的な接合は、Wからなる垂直配線により行うとよい。
なお、磁気メモリ1に拡散防止層36を設ける場合には、層間絶縁膜23iの表面を平滑化した後、層間絶縁膜23i上に例えばスパッタ等によりTiまたはRuを成膜することにより拡散防止層36を形成するとよい。
続いて、磁性材料層形成工程について説明する。図27に示すように、配線層7の垂直配線16c上に電極35を形成する。その後、TMR素子4を形成するために、高真空(UHV)DCスパッタ装置により、例えば、Ta層下地層、IrMn層、CoFe層及びAl層を順次成膜する。その後、酸素プラズマによりAl層の酸化を行い、トンネル絶縁層(すなわち、図5及び図6に示した非磁性絶縁層42となる層)を形成した後、CoFe層及びTa保護層を形成する。
次に、図28に示すように、リソグラフィ装置によりレジストマスク71を形成した後、イオンミリングによりTMR素子4を形成する。その後、CVD装置を用いて、例えばSi(OCによりTMR素子4の側面及び電極35の上部にSiO絶縁層24aを形成する。さらに一対の対向ヨーク5bを形成するためにスパッタ装置により例えばNiFe膜68を成膜した後、レジストマスク71を除去する。そして、図29に示すように、対向ヨーク5bの形状に応じたレジストマスク72をNiFe膜68上及びTMR素子4上に形成し、イオンミリングによりNiFe膜68を成形することにより一対の対向ヨーク5bを形成する。その後、レジストマスク72を除去する。
続いて、図30に示すように、TMR素子4の上面と接するように読み出し配線33を形成する。次に、読み出し配線33上、絶縁層24a上、及び対向ヨーク5b上に、絶縁層24aと同じ材料からなる絶縁層24bをCVD法により形成する。そして、例えばCuなどの導電性の良い材料からなるめっき下地膜31aを、スパッタリングにより絶縁層24b上に形成する。
続いて、図31に示すように、めっき下地膜31a上に選択的にレジストマスク73を形成する。ここでは、TMR素子4上であってTMR素子4の上面よりも広い領域に開口を有するレジストマスク73を形成する。そして、全体をめっき槽に浸し、めっき下地膜31aを電極として利用しためっき処理によって書き込み配線31bを形成する。めっき処理を行ったのち、図32に示すように、レジストマスク73を除去し、さらに、めっき下地膜31aのうち露出した部分をミリング等により除去する。こうして、書き込み配線31が形成される。
続いて、図33に示すように、絶縁層24a及び24bと同じ材料からなる絶縁層24cを、CVD法により書き込み配線31上及び絶縁層24b上に形成する。そして、絶縁層24c上に選択的にレジストマスク74を形成する。ここでは、書き込み配線31上であって書き込み配線31の上面よりもやや広い領域にレジストマスク74を形成する。そして、絶縁層24b及び24cのうちレジストマスク74に覆われていない部分をRIE等により除去し、対向ヨーク5bを露出させた後、レジストマスク74を除去する(図34参照)。
続いて、図35に示すように、絶縁層24a上にレジストマスク75を選択的に形成する。このとき、対向ヨーク5b及び書き込み配線31を覆わないようにレジストマスク75を形成する。そして、レジストマスク75が設けられていない領域に、例えばスパッタリングにより一対のピラーヨーク5c及びビームヨーク5dを形成する。こうして、一対の対向ヨーク5b、一対のピラーヨーク5c、及びビームヨーク5dからなる磁気ヨーク5が形成される。最後に、図36に示すように、レジストマスク75を除去し、絶縁層24aと同じ材料からなる絶縁層24dを、絶縁層24a上及び磁気ヨーク5上にCVD法により形成する。こうして、絶縁領域24が形成され、磁性材料層8が完成する。
以上に説明した磁気メモリ1の製造方法では、書き込みトランジスタ32のドレイン領域32a及びソース領域32bを半導体層6に形成する工程、並びに半導体層6上の配線層7にビット配線13a及び13b並びにワード配線14を形成する工程と、磁性材料層8にTMR素子4及び磁気ヨーク5を形成する工程とが、互いに完全に分離されている。これにより、磁性材料層8内にTMR素子4及び磁気ヨーク5を作り込む際に強磁性材料が配線層7によって遮断され、書き込みトランジスタ32のドレイン領域32a及びソース領域32bへの強磁性材料の混入を効果的に防止できる。
また、上記した磁気メモリ1の製造方法では、半導体層形成工程及び配線層形成工程と磁性材料層形成工程とが互いに分離されていることによって、半導体層6及び配線層7と、磁性材料層8とをそれぞれモジュール化することも可能となる。従って、製造工程をより簡易とすることができる。
(変形例)
ここで、本実施形態による磁気メモリ1の変形例について説明する。図37及び図38は、それぞれ本変形例に係る磁気ヨーク51及び52の形状を示す断面図である。まず、図37を参照すると、磁気ヨーク51は、一対の対向ヨーク51b、一対のピラーヨーク51c、及びビームヨーク51dを含んで構成されている。このうち、一対のピラーヨーク51c及びビームヨーク51dの構成及び形状は、既述した磁気ヨーク5の一対のピラーヨーク5c及びビームヨーク5dの構成及び形状(図6参照)と同様である。一対の対向ヨーク51bは、その端面51aがTMR素子4の側面4aのうち第1磁性層41の側面と接している。磁気ヨーク51はこのような形状であってもよく、書き込み電流によって磁気ヨーク51内部に生成される磁界を第1磁性層41へ更に効率よく提供することができる。
また、図38を参照すると、磁気ヨーク52は、第1のビームヨーク52b、一対のピラーヨーク52c、及び第2のビームヨーク51dを含んで構成されている。このうち、第1のビームヨーク52bは、TMR素子4bの第1磁性層を兼ねるように読み出し配線33と非磁性絶縁層42との間に配置されている。そして、第1のビームヨーク52bの一端は一対のピラーヨーク52cの一方と繋がっており、第1のビームヨーク52bの他端は一対のピラーヨーク52cの他方と繋がっている。また、ビームヨーク52dは、書き込み配線31におけるTMR素子4とは反対側の面に沿って設けられている。一対のピラーヨーク52cは、書き込み配線31の側面に沿って設けられており、第1のビームヨーク52bの両端と第2のビームヨーク52dの両端とを繋いでいる。以上の構成によって、第1のビームヨーク52b、一対のピラーヨーク52c、及び第2のビームヨーク52dは、書き込み配線31の延在方向の一部(TMR素子4上の部分)において書き込み配線31の外周を完全に囲んでいる。従って、書き込み電流によって磁気ヨーク52内部に生成される磁界を第1磁性層(すなわち第1のビームヨーク52b)へ更に効率よく提供することができる。
本発明による磁気メモリは、上記した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では磁気抵抗効果素子としてTMR素子を用いているが、巨大磁気抵抗(GMR:Giant magneto-Resistive)効果を利用したGMR素子を用いてもよい。GMR効果とは、非磁性層を挟んだ2つの強磁性層の磁化方向のなす角度により、積層方向と直交する方向における強磁性層の抵抗値が変化する現象である。すなわち、GMR素子においては、2つの強磁性層の磁化方向が互いに平行である場合に強磁性層の抵抗値が最小となり、2つの強磁性層の磁化方向が互いに反平行である場合に強磁性層の抵抗値が最大となる。なお、TMR素子やGMR素子には、2つの強磁性層の保磁力の差を利用して書き込み/読み出しを行う疑似スピンバルブ型と、一方の強磁性層の磁化方向を反強磁性層との交換結合により固定するスピンバルブ型とがある。また、GMR素子におけるデータ読み出しは、積層方向と直交する方向における強磁性層の抵抗値の変化を検出することにより行われる。また、GMR素子におけるデータ書き込みは、書き込み電流により生じる磁界によって一方の強磁性層の磁化方向を反転させることにより行われる。
また、上記実施形態の磁気ヨークは、一方の端面から他方の端面まで書き込み配線の周方向に一体に形成されている。磁気ヨークの形状としては、これ以外にも、例えば周方向に1つ以上のギャップ(間隙)を有し、複数の部分に分割されているような形状であってもよい。また、上記実施形態では、半導体書き込みスイッチ手段及び半導体読み出しスイッチ手段としてトランジスタを備えているが、これらのスイッチ手段は、必要に応じて電流を遮断/導通させる機能を有する様々な半導体デバイスを適用することができる。
一実施形態による磁気メモリの全体構成を示す概念図である。 記憶部を行方向に沿って切断したときの断面構成を示す拡大断面図である。 記憶部を図2におけるI−I線で切断したときの拡大断面図である。 記憶部を図2におけるII−II線で切断したときの拡大断面図である。 記憶領域の行方向に沿った、TMR素子及びその周辺構造の断面図である。 記憶領域の列方向に沿った、TMR素子及びその周辺構造の断面図である。 記憶領域におけるTMR素子周辺の動作を示す図である。 記憶領域におけるTMR素子周辺の動作を示す図である。 半導体層の製造過程を示す図である。 半導体層の製造過程を示す図である。 半導体層の製造過程を示す図である。 半導体層の製造過程を示す図である。 半導体層の製造過程を示す図である。 半導体層の製造過程を示す図である。 配線層の製造過程を示す図である。 配線層の製造過程を示す図である。 配線層の製造過程を示す図である。 配線層の製造過程を示す図である。 配線層の製造過程を示す図である。 配線層の製造過程を示す図である。 配線層の製造過程を示す図である。 配線層の製造過程を示す図である。 配線層の製造過程を示す図である。 配線層の製造過程を示す図である。 配線層の製造過程を示す図である。 配線層の製造過程を示す図である。 磁性材料層の製造過程を示す図である。 磁性材料層の製造過程を示す図である。 磁性材料層の製造過程を示す図である。 磁性材料層の製造過程を示す図である。 磁性材料層の製造過程を示す図である。 磁性材料層の製造過程を示す図である。 磁性材料層の製造過程を示す図である。 磁性材料層の製造過程を示す図である。 磁性材料層の製造過程を示す図である。 磁性材料層の製造過程を示す図である。 変形例による磁気ヨークの形状を示す図である。 変形例による磁気ヨークの形状を示す図である。 従来のMRAMにおける一つの記憶領域の構造例を示す側面断面図、及びTMR素子の構成を示す断面図である。
符号の説明
1…磁気メモリ、2…記憶部、3…記憶領域、4…TMR素子、4a…側面、5…磁気ヨーク、5a…端面、5b…対向ヨーク、5c…ピラーヨーク、5d…ビームヨーク、6…半導体層、7…配線層、8…磁性材料層、11…ビット選択回路、12…ワード選択回路、13a,13b…ビット配線、14…ワード配線、15…接地配線、21…半導体基板、22〜24…絶縁領域、31…書き込み配線、32…書き込みトランジスタ、32a…ドレイン領域、32b…ゲート電極、32c…ソース領域、33…読み出し配線、34…読み出しトランジスタ、34a…ドレイン領域、34b…ゲート電極、34c…ソース領域、35…電極、36…拡散防止層、41…第1磁性層、42…非磁性絶縁層、43…第2磁性層、44…反強磁性層。

Claims (5)

  1. m行n列(m、nは2以上の整数)からなる2次元状に配列された複数の記憶領域を備える磁気メモリであって、
    磁性材料層、半導体層、及び前記磁性材料層と前記半導体層との間に設けられた配線層を備え、
    前記磁性材料層は、外部磁界によって磁化方向が変化する感磁層を含み前記複数の記憶領域それぞれに設けられた磁気抵抗効果素子と、前記複数の記憶領域それぞれに設けられ、書き込み電流によって前記感磁層に前記外部磁界を提供する書き込み配線とを含み、
    前記半導体層は、前記複数の記憶領域それぞれにおいて、前記書き込み配線における前記書き込み電流の導通を制御する半導体書き込みスイッチ手段を構成する半導体領域を含み、
    前記配線層は、前記複数の記憶領域の各列に対応して設けられ、対応する列の前記記憶領域それぞれが有する前記書き込み配線に電気的に接続された第1の配線と、前記複数の記憶領域の各行に対応して設けられ、対応する行の前記記憶領域それぞれが有する前記半導体書き込みスイッチ手段の制御端子に電気的に接続された第2の配線とを含むことを特徴とする、磁気メモリ。
  2. 前記磁性材料層と前記半導体層との間に設けられ、前記磁気抵抗効果素子に含まれる元素の前記半導体層への拡散を防ぐための拡散防止層を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の磁気メモリ。
  3. 前記拡散防止層は、Ti及びRuのうち少なくとも一方の元素を含むことを特徴とする、請求項2に記載の磁気メモリ。
  4. 前記磁性材料層は、前記複数の記憶領域それぞれに設けられて前記磁気抵抗効果素子に電気的に接続され、前記磁気抵抗効果素子に読み出し電流を流す読み出し配線を更に含み、
    前記半導体層は、前記複数の記憶領域それぞれにおいて、前記読み出し配線における前記読み出し電流の導通を制御する半導体読み出しスイッチ手段を構成する半導体領域を更に含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁気メモリ。
  5. m行n列(m、nは2以上の整数)からなる2次元状に配列された複数の記憶領域を備える磁気メモリを製造する方法であって、
    半導体層を形成する半導体層形成工程と、
    前記半導体層上に配線層を形成する配線層形成工程と、
    前記配線層上に磁性材料層を形成する磁性材料層形成工程と
    を備え、
    前記半導体層形成工程は、前記複数の記憶領域それぞれにおいて、半導体書き込みスイッチ手段を構成する半導体領域を前記半導体層に形成する工程を含み、
    前記配線層形成工程は、前記複数の記憶領域の各列に対応する第1の配線と、前記複数の記憶領域の各行に対応して設けられ、対応する行の前記記憶領域それぞれが有する前記半導体書き込みスイッチ手段の制御端子に電気的に接続された第2の配線とを前記配線層に形成する工程を含み、
    前記磁性材料層形成工程は、前記複数の記憶領域それぞれに設けられ、外部磁界によって磁化方向が変化する感磁層を含む磁気抵抗効果素子と、前記複数の記憶領域それぞれに設けられるとともに前記第1の配線に電気的に接続され、書き込み電流によって前記感磁層に前記外部磁界を提供する書き込み配線とを前記磁性材料層に形成する工程を含むことを特徴とする、磁気メモリの製造方法。
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