JP2006075137A - ケーキ用乳化油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】スポンジケーキ、バタースポンジケーキ、パウンドケーキ等の各種ケーキ類生地をオールインミツクス法で製造する際に用いられ、ケーキの生地の起泡性を向上させ、「しとり感」のあるソフトな食感のケーキを作ることができる、水中油型の乳化油脂組成物の提供。
【解決手段】組成物100質量%中、(a)油脂10〜30質量%、及び(b)食品用乳化剤10〜16質量%を含有し、残余が、(c)糖類、糖アルコール及び多価アルコール類から選ばれる1種以上、及び/又は(d)水を含有し、前記(b)食品用乳化剤として少なくともグリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル類を含有し、且つ、総ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量に対するジグリセリン脂肪酸エステルの含有量の質量分率が、0.15〜0.50であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、スポンジケーキ、バタースポンジケーキ、パウンドケーキ等各種ケーキ類の生地をオールインミツクス法で製造するのに適した、ケーキ用の水中油型乳化油脂組成物に関する。
従来、スポンジケーキは卵の起泡力を利用して、いわゆる「別立て法」や「共立て法」で作られてきた。また、バタースポンジケーキは、「別立て法」や「共立て法」で泡立てられた生地に、溶かしたバター又は液体油を加える方法で作られてきたが、油脂には消泡作用があるため、生地への混合には高度の熟練を要した。
その後、食品用乳化剤を含むケーキ用起泡剤が開発され、スポンジケーキは小麦粉、砂糖、卵、ベーキングパウダー又は水等と共にケーキ用起泡剤を配合して、全原料を一度に混合する、いわゆるオールインミツクス法で作られるようになってきた。バタースポンジケーキもまた、上記原料にさらに油脂を配合して容易に作られるようになった。しかし、該方法で作られたスポンジケーキやバタースポンジケーキの食感は、「別立て法」や「共立て法」で作られたものに比べて大きく劣ることは否めなかった。
そこで、オールインミツクス法でケーキを製造する際に用いられ、該方法を用いて得られたケーキの風味及び食感を改良することを目的として、種々のケーキ用起泡剤が提案されている。該ケーキ用起泡剤の形態は、粉末、油脂組成物(ショートニング)、油中水型乳化油脂組成物、水中油型乳化油脂組成物又は含水ゲル状組成物等様々であるが、これらのうち、水中油型乳化油脂組成物に関しては以下のものが知られている。
例えば、水中油型乳化油脂組成物として、水中油型乳化物中に、50重量%以上のジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含むポリグリセリン脂肪酸エステルと、グリセリンモノ脂肪酸エステルと、グリセリン有機酸脂肪酸エステルと、ショ糖脂肪酸エステルと、乳蛋白とを含有することを特徴とする食品用起泡剤組成物(特許文献1参照)、組成物100重量部中、グリセリン脂肪酸エステルを3〜15重量部、蔗糖脂肪酸エステルを2〜8重量部含有し、かつ構成脂肪酸が不飽和酸である蔗糖脂肪酸エステルを1種又は2種以上含有することを特徴とするケーキ用起泡性乳化油脂組成物(特許文献2参照)、食用油脂、水及びその他の成分からなる水中油型の起泡性乳化油脂組成物において、前記起泡性乳化油脂組成物100重量部に対して、食用油脂10〜60重量部、グリセリン脂肪酸モノエステル1.5〜8重量部、HLB7以上の蔗糖脂肪酸エステル0.7〜3重量部、並びに、有機酸モノグリセライド及びポリグリセリン脂肪酸エステルのうち少なくとも1種0.1〜2重量部を含有することを特徴とする起泡性乳化油脂組成物(特許文献3参照)、乳化油脂組成物100重量部中、乳化剤として、グリセリン脂肪酸エステル2〜11重量部と、HLB7以上の蔗糖脂肪酸エステル0.5〜3重量部を含有し、かつ前記グリセリン脂肪酸エステル中のモノグリセライドと蔗糖脂肪酸エステルとの配合比が9:1〜7:3であることを特徴とする水中油型の起泡性乳化油脂組成物(特許文献4参照)、油脂3〜40重量% 、ジグリセリン脂肪酸エステルを必須成分として含有する乳化剤1.5〜22.5重量% 、糖液(糖濃度55〜75%)95.5〜37.5重量% の乳化油脂を使用して調製したスポンジケーキ生地を、生地の見掛け比重が0.35以下になるまで起泡させた後焼成することを特徴とする、スポンジケーキの製造法(特許文献5参照)、(a)HLB9以上のポリグリセリン飽和脂肪酸エステル0.5〜10重量%、(b)HLB6以下のグリセリンモノ飽和脂肪酸エステル1〜20重量%、(c)融点20℃未満の食用油脂45重量%以上90重量%未満、及び(d)残部水からなり、且つ実質的に水相が連続相を成すことを特徴とするケーキ用油脂組成物(特許文献6参照)、又は食用油脂25〜60重量部と多価アルコール水溶液75〜40重量部との合計100重量部に対し、グリセリン脂肪酸モノエステル5〜10重量部、ポリグリセリン脂肪酸エステル2〜8重量部、有機酸グリセリン脂肪酸エステル0.2〜2重量部で、これらの合計が9〜18重量部及びショ糖脂肪酸エステル1.5〜5重量部を含むことを特徴とするケーキ用起泡性油脂組成物(特許文献7参照)等が挙げられる。
しかしながら、上記組成物を配合して作られたケーキの食感は必ずしも満足できるレベルに達したものではなく、手造りケーキの食感が得られるケーキ用起泡剤は未だ開発されるに到っていないのが実状である。
特開2004−016187号公報 特開平10−099009号公報 特開平07−327597号公報 特開平06−339340号公報 特許第2556237号公報 特開平04−079834号公報 特開昭61−268122号公報
本発明は、スポンジケーキ、バタースポンジケーキ、パウンドケーキ等の各種ケーキ類生地をオールインミツクス法で製造する際に用いられ、ケーキの生地の起泡性を向上させ、口当たりがよく、風味に優れ、「しとり感」のあるソフトな食感のケーキを作ることができる、水中油型の乳化油脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意・検討を行った結果、組成物100質量%中、(a)油脂10〜30質量%、(b)食品用乳化剤10〜16質量%を含有し、残余が(c)糖類、糖アルコール、多価アルコール類から選ばれる1種以上及び/又は(d)水を含有してなる水中油型乳化油脂組成物であって、(b)食品用乳化剤として少なくとも(イ)グリセリンモノ脂肪酸エステル、(ロ)グリセリン有機酸脂肪酸エステル、(ハ)ジグリセリン脂肪酸エステル、(ニ)トリグリセリン脂肪酸エステル又はテトラグリセリン脂肪酸エステル及び(ホ)ポリグリセリン脂肪酸エステル(前記(ハ)及び(ニ)を除く)を含有し、且つ、総ポリグリセリン脂肪酸エステル{前記(ハ)+前記(ニ)+前記(ホ)}の含有量に対する前記(ハ)ジグリセリン脂肪酸エステルの含有量の質量分率が、0.15〜0.50であるケーキ用乳化油脂組成物を用いてケーキを調製することにより、上記課題とする食感の優れたケーキが得られることを見いだし、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
〔1〕 ケーキ用乳化油脂組成物であって、組成物100質量%中、(a)油脂10〜30質量%、及び(b)食品用乳化剤10〜16質量%を含有し、
残余が、(c)糖類、糖アルコール及び多価アルコール類から選ばれる1種以上、及び/又は(d)水を含有し、
前記(b)食品用乳化剤として少なくとも
(イ)グリセリンモノ脂肪酸エステル、
(ロ)グリセリン有機酸脂肪酸エステル、
(ハ)ジグリセリン脂肪酸エステル、
(ニ)トリグリセリン脂肪酸エステル又はテトラグリセリン脂肪酸エステル及び
(ホ)ポリグリセリン脂肪酸エステル(前記(ハ)及び(ニ)を除く)を含有し、
且つ、
総ポリグリセリン脂肪酸エステル{前記(ハ)+前記(ニ)+前記(ホ)}の含有量に対する前記(ハ)ジグリセリン脂肪酸エステルの含有量の質量分率が、0.15〜0.50であることを特徴とするケーキ用乳化油脂組成物、
〔2〕 グリセリン有機酸脂肪酸エステルが、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル又はグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルであることを特徴とする前記〔1〕に記載のケーキ用乳化油脂組成物、及び
〔3〕 ジグリセリン脂肪酸エステルがジグリセリンモノ脂肪酸エステルであり、該ジグリセリンモノ脂肪酸エステル中のモノエステル含有量が70質量%以上であることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載のケーキ用乳化油脂組成物、
に関する。
本発明のケーキ用乳化油脂組成物は、従来の縦型ミキサーや強制的に生地に空気を吹き込んで起泡させる連続ミキサーを使用したオールインミックス法によるケーキ類の製造に用いることができる。
本発明のケーキ用乳化油脂組成物は、ケーキ類の製造に適した起泡性を有し、起泡した泡は消泡することなく維持される。
本発明のケーキ用乳化油脂組成物を用いて製造されたケーキは、「別立て法」や「共立て法」を用いた手作りにより製造されたケーキと変わらない食感(特に「しとり感」)及び風味を有する。
本発明で用いられる(a)油脂としては、食用可能な油脂であれば特に制限はなく、例えば大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ヒマワリ油、米糠油、コーン油、椰子油、パーム油、パーム核油、落花生油、オリーブ油、ハイオレイック菜種油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックコーン油又はハイオレイックヒマワリ油等の植物油脂、牛脂、ラード、魚油又は乳脂等の動物油脂、さらにこれら動植物油脂を分別、水素添加あるいはエステル交換したもの又は中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)等が挙げられ、好ましくは大豆油又は菜種油等の常温(約15〜25℃)で液状の植物油脂である。
本発明の乳化油脂組成物100質量%中の上記油脂の含有量は、好ましくは約10〜30質量%である。油脂の含有量が約10質量%未満であると、ケーキ生地中での乳化油脂組成物の分散性が悪くなり、結果として食感の良いケーキが得られない。また、約30質量%を越える場合には乳化油脂組成物自体の乳化安定性が悪くなり、時間の経過とともに油脂が分離する恐れ等がある。
本発明で用いられる(b)食品用乳化剤としては、(イ)グリセリンモノ脂肪酸エステル、(ロ)グリセリン有機酸脂肪酸エステル、(ハ)ジグリセリン脂肪酸エステル、(ニ)トリグリセリン又はテトラグリセリンの脂肪酸エステル及び(5)ポリグリセリン脂肪酸エステル〔(ハ)ジグリセリン脂肪酸エステル及び(ニ)トリグリセリン又はテトラグリセリンの脂肪酸エステルを除く:以下、単にポリグリセリン脂肪酸エステルというときは同様である。〕が挙げられ、これらはいずれも必須成分である。以下、各成分について説明する。
上記(イ)グリセリンモノ脂肪酸エステルは、グリセリンと脂肪酸のエステル化生成物であり、その構成脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖の飽和又は不飽和脂肪酸が挙げられる。ケーキ生地の起泡性を向上させるためには、炭素数12〜22の直鎖の飽和脂肪酸が好ましく、特に、パルミチン酸又はステアリン酸を、好ましくは約50質量%以上、より好ましくは約70質量%以上含有する飽和脂肪酸又は飽和脂肪酸混合物が好ましい。
上記グリセリンモノ脂肪酸エステル中のモノエステル含有量は、好ましくは約90質量%以上である。グリセリンモノ脂肪酸エステルの製法の概略は以下の通りである。即ち、グリセリンと脂肪酸とのエステル化反応又はグリセリンと油脂(トリアシルグリセリン)とのエステル交換反応により、グリセリン、グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンジ脂肪酸エステル又はグリセリントリ脂肪酸エステル等を含む混合物を得ることができる。次に、該混合物から自体公知の方法、例えば低真空度での蒸留等で未反応のグリセリン等を除き、さらに、例えば流下薄膜式分子蒸留装置又は遠心式分子蒸留装置等を用いて分子蒸留することにより、留分として、モノエステルを約90質量%以上含む、グリセリンモノ脂肪酸エステルが得られる。
食品用乳化剤100質量%中の上記グリセリンモノ脂肪酸エステルの含有量は約20〜65質量%が好ましく、より好ましくは約25〜60質量%である。グリセリンモノ脂肪酸エステルは、(ハ)ジグリセリン脂肪酸エステル成分とともにケーキ生地の起泡性を向上させる機能を果たす。
本発明で用いられる(ロ)グリセリン有機酸脂肪酸エステルは、グリセリンと有機酸と脂肪酸のエステル化生成物であり、例えばグリセリン酢酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル又はグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル等が挙げられ、好ましくはグリセリンコハク酸脂肪酸エステル又はグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルである。
その構成脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖の飽和又は不飽和脂肪酸が挙げられ、好ましくは炭素数16〜22の直鎖の飽和脂肪酸を、好ましくは約70質量%以上、より好ましくは約90質量%以上含有する飽和脂肪酸又は飽和脂肪酸混合物である。
上記グリセリン有機酸脂肪酸エステルは、通常グリセリンモノ脂肪酸エステルと有機酸(又は有機酸の酸無水物)との反応、又はグリセリンと有機酸と脂肪酸との反応により得ることができる。例えば、グリセリンコハク酸脂肪酸エステルの製法の概略は以下の通りである。即ち、グリセリンモノ脂肪酸エステルを溶融し、これにコハク酸の酸無水物を加え、温度約120℃前後で約90分間反応する。グリセリンモノ脂肪酸エステルとコハク酸の酸無水物との比率は質量比で約1/1〜1/2が好ましい。さらに、反応中は生成物の着色及び臭気を防止するために、反応器内を不活性ガスで置換する方が好ましい。得られたグリセリンモノ脂肪酸エステルとコハク酸の酸無水物との反応物は、グリセリンコハク酸脂肪酸エステルの他に、コハク酸、未反応のグリセリンモノ脂肪酸エステル等を含む混合物である。
本発明で用いられる食品用乳化剤100質量%中のグリセリン有機酸脂肪酸エステルの含有量は約0.5〜15質量%が好ましく、より好ましくは約0.5〜12質量%である。グリセリン有機酸脂肪酸エステルは、グリセリンモノ脂肪酸エステル及び(ハ)ジグリセリン脂肪酸エステル成分のケーキ生地の起泡性を向上させる機能を保護し、結果としてソフトな食感のケーキを作る作用を有する。
本発明で用いられる(ハ)ジグリセリン脂肪酸エステルは、ジグリセリンと脂肪酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応等自体公知の方法で製造される。
上記ジグリセリンは、通常グリセリン又はグリシドールあるいはエピクロルヒドリン等を加熱し、重縮合反応させて得られる重合度の異なるポリグリセリンの混合物である。該ジグリセリンとしては、グリセリンの平均重合度が約1.5〜2.4のジグリセリン組成物、又はグリセリン2分子からなるジグリセリンの含有量が約50質量%以上、好ましくは約70質量%以上、より好ましくは約90質量%以上であるジグリセリン組成物が挙げられる。ジグリセリンを高濃度化するための精製法としては、例えば蒸留あるいはカラムクロマトグラフィー等自体公知の方法が用いられる。
上記脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖の飽和又は不飽和脂肪酸が挙げられる。更に、ケーキ生地の起泡性を向上させるためには、炭素数12〜22の直鎖の飽和脂肪酸が好ましく、特に、パルミチン酸又はステアリン酸を、好ましくは約50質量%以上、より好ましくは約70質量%以上含有する飽和脂肪酸又は飽和脂肪酸混合物が好ましい。
本発明で用いられる(3)ジグリセリン脂肪酸エステルの好ましい例として、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを約70質量%以上含むジグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。その製法の概略は以下の通りである。即ち、上記高純度のジグリセリンと脂肪酸を、例えば高純度のステアリン酸を、例えば等モルで、エステル化反応させることにより、未反応のジグリセリン、ジグリセリンモノステアリン酸エステル、ジグリセリンジステアリン酸エステル、ジグリセリントリステアリン酸エステル又はジグリセリンテトラステアリン酸エステル等を含む混合物が得られる。次に、該混合物から自体公知の方法、例えば低真空度での蒸留等で未反応のジグリセリン等を除き、さらに、例えば流下薄膜式分子蒸留装置又は遠心式分子蒸留装置等を用いて該混合物を分子蒸留することにより、留分として、例えばジグリセリンモノステアリン酸エステルを約70質量%以上含むジグリセリン脂肪酸エステルが得られる。
本発明で用いられる食品用乳化剤100質量%中のジグリセリン脂肪酸エステルの含有量は約5〜35質量%が好ましく、より好ましくは約5〜30質量%である。ジグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンモノ脂肪酸エステル成分のケーキ生地の起泡性を向上させる機能を保護するとともに、グリセリンモノ脂肪酸エステル成分と同様にケーキ生地の起泡性を向上させる機能を併せ持つ。
本発明で用いられる(ニ)トリグリセリン脂肪酸エステル又はテトラグリセリン脂肪酸エステルは、トリグリセリン又はテトラグリセリンと脂肪酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応等自体公知の方法で製造される。
上記トリグリセリンは、通常グリセリン又はグリシドールあるいはエピクロルヒドリン等を加熱し、重縮合反応させて得られる重合度の異なるポリグリセリンの混合物である。
該トリグリセリンとしては、例えばグリセリンの平均重合度が約2.5〜3.4のトリグリセリン組成物、又はグリセリン3分子からなるトリグリセリンの含有量が約50質量%以上、好ましくは約70質量%以上、より好ましくは約90質量%以上であるトリグリセリン組成物が挙げられる。トリグリセリンを高濃度化するための精製法としては、例えば蒸留あるいはカラムクロマトグラフィー等自体公知の方法が用いられる。
また、テトラグリセリンとしては、例えばグリセリンの平均重合度が約3.5〜4.4のテトラグリセリン組成物が挙げられる。
上記脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖の飽和又は不飽和脂肪酸が挙げられる。更に、ケーキ生地の起泡性を向上させるためには、炭素数12〜22の直鎖の飽和脂肪酸が好ましく、特に、パルミチン酸又はステアリン酸を、好ましくは約50質量%以上、より好ましくは約70質量%以上含有する飽和脂肪酸又は飽和脂肪酸混合物が好ましい。
本発明で用いられるトリグリセリン脂肪酸エステルの製法の概略は以下の通りである。即ち、上記高純度のトリグリセリンと脂肪酸を、例えば高純度のステアリン酸を、例えば等モルで、エステル化反応させることにより、未反応のトリグリセリン、トリグリセリンモノステアリン酸エステル、トリグリセリンジステアリン酸エステル、トリグリセリントリステアリン酸エステル、トリグリセリンテトラステアリン酸エステル、トリグリセリンペンタステアリン酸エステル等を含む混合物が得られる。反応終了後、反応液を例えば約100℃で保持しながら約15分間静置することによって反応液を二層分離し、未反応のトリグリセリンを含む層を除去することにより、トリグリセリン脂肪酸エステルが得られる。
本発明においてはトリグリセリン脂肪酸エステルとして、上記トリグリセリン脂肪酸エステルを、例えば流下薄膜式分子蒸留装置又は遠心式分子蒸留装置等を用いて分子蒸留することにより得られる、モノエステル、例えばトリグリセリンモノステアリン酸エステルを約70質量%以上含む留分を用いてもよい。
またテトラグリセリン脂肪酸エステルの製法の概略は以下の通りである。即ち、上記テトラグリセリンと脂肪酸を、例えば高純度のステアリン酸を、例えば等モルで、エステル化反応させることにより、未反応のテトラグリセリン、テトラグリセリンモノステアリン酸エステル(モノステアリン酸テトラグリセリル)、テトラグリセリンジステアリン酸エステル、テトラグリセリントリステアリン酸エステル、テトラグリセリンテトラステアリン酸エステル、テトラグリセリンペンタステアリン酸エステル又はテトラグリセリンヘキサステアリン酸エステル等を含む混合物が得られる。反応終了後、反応液を例えば約100℃で保持しながら約15分間静置することによって反応液を二層分離し、未反応のテトラグリセリンを含む層を除去することにより、テトラグリセリン脂肪酸エステルが得られる。
本発明で用いられる食品用乳化剤100質量%中のトリグリセリン脂肪酸エステル又はテトラグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、約15〜50質量%が好ましく、より好ましくは約18〜45質量%である。トリグリセリン脂肪酸エステル又はテトラグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンモノ脂肪酸エステル及びジグリセリン脂肪酸エステル成分のケーキ生地の起泡性を向上させる機能を保護し、且つ乳化油脂組成物中の油脂の乳化を促進する作用を有し、結果としてソフトな食感のケーキを作る機能を果たす。
本発明で用いられる(ホ)ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応等自体公知の方法で製造される。
上記ポリグリセリンは、通常グリセリン又はグリシドールあるいはエピクロルヒドリン等を加熱し、重縮合反応させて得られる重合度の異なるポリグリセリンの混合物である。該ポリグリセリンとしては、グリセリンの平均重合度が約5〜20、好ましくは約6〜15のポリグリセリン組成物が挙げられ、それらは例えばヘキサグリセリン(平均重合度約6)、オクタグリセリン(平均重合度約8)又はデカグリセリン(平均重合度約10)等である。なお、ポリグリセリン組成物中にジグリセリン、トリグリセリン及びテトラグリセリンが微量〜少量含まれていても、ポリグリセリン組成物としての平均重合度が上記に示す値であれば、そのものは、ここでいうところのポリグリセリン組成物に含まれる。
上記脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖の飽和又は不飽和脂肪酸が挙げられ、好ましくは、炭素数16〜18の直鎖の飽和脂肪酸、即ちパルミチン酸又はステアリン酸等を、好ましくは約50質量%以上、より好ましくは約70質量%以上含有する脂肪酸又は脂肪酸混合物が挙げられる。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルの製法の概略は以下の通りである。即ち、上記高純度のポリグリセリンと脂肪酸を、例えば等モルでエステル化反応させ、反応終了後、反応液を例えば約100℃で保持しながら約15分間静置することによって反応液を二層分離し、未反応のポリグリセリンを含む層を除去することにより、ポリグリセリン脂肪酸エステルが得られる。好ましいポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えばモノステアリン酸デカグリセリル等が挙げられる。
本発明で用いられる食品用乳化剤100質量%中のポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は約0.5〜15質量%が好ましく、より好ましくは約1〜12質量%である。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、乳化油脂組成物中の油脂の乳化を促進する作用を有し、結果としてソフトな食感のケーキを作る機能を果たす。
本発明で用いられる食品用乳化剤において、ジグリセリン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル又はテトラグリセリン脂肪酸エステル、及びポリグリセリン脂肪酸エステルを組み合わせる際の割合は、総ポリグリセリン脂肪酸エステル(ジグリセリン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル又はテトラグリセリン脂肪酸エステル、及びポリグリセリン脂肪酸エステルの合計)の含有量に対するジグリセリン脂肪酸エステルの含有量の質量分率、即ち、ジグリセリン脂肪酸エステル/総ポリグリセリン脂肪酸エステルを、約0.15〜0.50とするのが好ましく、約0.15〜0.45とするのがより好ましい。
本発明の乳化油脂組成物100質量%中の食品用乳化剤の含有量は、好ましくは約10〜16質量%である。食品用乳化剤の含有量が約10質量%未満であると、ケーキ生地の起泡が不十分となり、結果として食感の良いケーキが得られない。また、約16質量%を越える場合にはケーキ生地中での乳化油脂組成物の分散性が悪くなる恐れがある。
本発明の乳化油脂組成物100質量%中、(c)糖類、糖アルコール及び多価アルコール類から選ばれる1種以上が用いられる。糖類としては、例えばキシロース、ブドウ糖、果糖等の単糖、ショ糖、乳糖又は麦芽糖等のオリゴ糖、又はデキストリンあるいは水飴等のでん粉分解物、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース又はマルトヘキサオース等のマルトオリゴ糖等が挙げられる。糖アルコールとしては、ソルビトール、マンニトール、マルチトール又は還元水飴等が挙げられる。多価アルコールとしては、プロピレングリコール、グリセリン又はポリグリセリン等が挙げられ、好ましくはソルビトール又は還元水飴等である。これら糖類、糖アルコール又は多価アルコールは、単独で用いるか、又は2種以上の混合物として用いることができる。
本発明で用いられる(d)水としては、飲用可能なものであれば特に制限はなく、例えば蒸留水、イオン交換樹脂処理水、逆浸透膜(RO)処理水又は限外ろ過膜(UF)処理水等の精製水、水道水、地下水あるいは涌水等の天然水又はアルカリイオン水等が挙げられる。
本発明で用いられる(c)糖類、糖アルコール又は多価アルコールと(d)水は、それぞれ単独で用いても良いし、また両者を併用しても良い。ここで両者を併用する場合、その割合〔(c)/(d)(W/W)〕は、約55/45〜75/25であるのが好ましい。
本発明になる乳化油脂組成物の製造方法は特に限定されず、自体公知の方法を用いることができる。以下に、好ましい乳化油脂組成物の製造方法を例示する。例えば、(a)油脂と(b)食品用乳化剤を合して約65〜90℃程度に加熱し、該油相を攪拌しながら、この中に約60〜90℃程度に加熱し溶解した(c)糖類、糖アルコール及び多価アルコール類から選ばれる1種以上と(d)水からなる水相をゆっくり加え乳化する。次に、得られた乳化液を攪拌しながら急冷し、その後、必要であればテンパリング操作を行い、本発明の乳化油脂組成物を得る。得られた組成物の性状は乳化剤の濃度等により異なり一様ではないが、おおむね液状、ペースト状あるいはゲル状を呈する。
また、(c)糖類、糖アルコール及び多価アルコール類から選ばれる1種以上と(d)水からなる水相を約60〜90℃程度に加熱し、該水相を攪拌しながら、この中に約65〜90℃程度に加熱し溶解した(a)油脂と(b)食品用乳化剤からなる油相をゆっくり加え乳化してもよい。次に、得られた乳化液を攪拌しながら急冷し、その後、必要であればテンパリング操作を行い、本発明の乳化油脂組成物を得ることもできる。
一方、(b)食品用乳化剤の一部又は全部を(d)水に分散・溶解して用いることもできるが、水相の粘度が極度に高くなり、乳化操作が困難となる場合があるため、必ずしも好ましい方法とはいえない。
本発明の乳化油脂組成物を製造するための装置としては特に限定されず、例えば、攪拌機、加熱用のジャケット又は邪魔板等を備えた通常の攪拌・混合槽を用いることができる。攪拌機に装備する攪拌翼の形状はプロペラ型、かい十字型、ファンタービン型、ディスクタービン型又はいかり型のいずれでも良いが、好ましくはディスクタービン型又はいかり型である。また、TKホモミクサー(製品名;特殊機化工業社製)、クレアミックス(製品名;エムテクニック社製)等の高速回転式ホモジナイザーも使用することができる。
乳化液の冷却は、前記加熱用のジャケットに水又は冷媒を通すことにより行われてもよいが、工業的には、攪拌・混合槽より乳化液を抜き出し、ボテーター(ケメトロン社製)、オンレーター(桜製作所社製)又はコンサーム(アルファ・ラバル社製)等の掻きとり式の急冷混捏装置を用いて行われるのが好ましい。
本発明になる乳化油脂組成物には、起泡性、風味又はケーキ生地への分散性に影響を及ぼさない範囲で、上記油相に、β−カロテン等の着色料、抽出トコフェロールあるいはL−アスコルビン酸パルミチン酸エステル等の油溶性の酸化防止剤、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルあるいはレシチン等の食品用乳化剤又はミルクフレーバー、バニラ香料、オレンジオイル等の着香料等を添加してもよい。また、上記水相に、乳清蛋白質あるいは脱脂粉乳等の乳蛋白質、卵黄あるいは卵白由来の蛋白質、リン酸架橋澱粉等の加工澱粉、アルコール、ショ糖脂肪酸エステルあるいはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の食品用乳化剤、キサンタンガム、カラギーナンあるいはタマリンド種子多糖類等の増粘安定剤、又はクエン酸ナトリウム、リン酸カルシウムあるいは酒石酸水素カリウム等の有機酸塩等を添加してもよい。
本発明になる乳化油脂組成物は、スポンジケーキ、ロールケーキ、バタースポンジケーキ、パウンドケーキ、マドレーヌ、バウムクーヘン、カステラ又は蒸しケーキ等のケーキ類を製造する際の起泡剤として、生地に添加して用いられる。本発明の乳化油脂組成物の生地への添加量は、その生地配合又は使用する機械等により異なるが、例えば、一般的なオールインミックス法によるスポンジケーキの製造において、小麦粉100質量部に対して約10〜20質量部が好ましい。
以下に本発明を実施例、参考例及び試験例に基づいて、より具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[参考例1]
トリグリセリンステアリン酸エステルの作製
グリセリン20kgに酸化カルシウムを40g加え、260℃で3時間グリセリン縮合反応を行った後、リン酸を72g添加して中和し、冷却した。得られた組成物は、グリセリン59質量%、ジグリセリン23質量%、トリグリセリン12質量%、テトラグリセリン5質量%、ペンタグリセリン1質量%であった。その組成物を分子蒸留し、20Paの真空条件下、蒸留温度を傾斜的に上げながら順にフラクションを留去し、トリグリセリン90質量%を含むフラクション約1.5kgを得た。
このトリグリセリンを活性炭処理して精製した後、該トリグリセリン158gに極度硬化パーム油脂肪酸(C16〜18脂肪酸:90質量%以上;ミヨシ油脂社製)178gと10%水酸化ナトリウム水溶液3.5gを加え、240℃で2時間エステル化反応を行った。エステル化反応終了後、反応液を130℃で保持しながら15分間静置することによって反応液を二層分離し、未反応のトリグリセリンを含む層を除去し、トリグリセリンステアリン酸エステル約300gを得た。
乳化油脂組成物の作製
(1) 乳化油脂組成物作製用原材料
乳化油脂組成物作製用原材料として、以下のものを使用した。
a)菜種油(吉原製油社製)
b)グリセリンモノステアリン酸エステル(製品名:エマルジーMS,モノエステル含量 約95質量%;理研ビタミン社製)
c)グリセリンモノパルミチン酸エステル(製品名:Type P(V),モノエステル含量 約95質量%;理研ビタミン社製)
d)グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル(製品名:ポエムB−10;理研ビタミン社製)
e)グリセリンジアセチル酒石酸ステアリン酸エステル(製品名:ポエムW−10;理研ビタミン社製)
f)ジグリセリンモノステアリン酸エステル(製品名:ポエムDS−100A,モノエステル含量 約80質量%;理研ビタミン社製)
g)トリグリセリンステアリン酸エステル(試作例1)
h)モノステアリン酸テトラグリセリル(製品名:NIKKOL Tetraglyn 1−SV;日光ケミカルズ社製)
i)モノステアリン酸デカグリセリル(製品名:NIKKOL Decaglyn 1−SV;日光ケミカルズ社製)
j)D−ソルビトール液(70%)(東和化成工業社製)
k)水
(2)乳化油脂組成物の配合
上記原材料を用いた乳化油脂組成物(製剤1〜7)の配合組成を表1に示した。このうち、製剤1〜3は本発明に係る実施例であり、製剤4〜7は比較例である。
Figure 2006075137
(3)乳化油脂組成物(製剤1〜7)の作製
a)1L容ステンレス製ビーカーに乳化剤を入れ80〜90℃に加熱し、溶解する。
b)a)に菜種油を加え、75〜80℃で混合・溶解し、油相とする。
c)該油相をスリーワンモーター(型式:FBL−600;HEIDON社製、5cm径4枚羽根型2段装着)でゆるやかに(約500rpm)攪拌しながら約80℃に加温した水相(D−ソルビトール液及び水)を徐々に加え、入れ終わってから更に20分間攪拌を続け、水中油型乳化液を得た。なお、組成物の総量は600gとした。
d)c)の乳化液をビーカーごと約10℃の恒温水槽に漬け、ビーカー内壁をゴムへらで掻きとりながら乳化液を冷却・混練りし、全体を均一で艶の有るペースト状とした。
e)得られたペーストを内面コーティングされた金属製丸缶に移し、45℃で1日間テンパリングし、乳化油脂組成物(製剤1〜7)を得た。
[試験例2]
バタースポンジケーキの作製と評価
(1)ケーキ生地の配合(配合組成を表2に示した。)
Figure 2006075137
(2)ケーキの作り方
上記の配合で総仕込量を764gとして、5コート縦型ミキサー(型式:万能混合攪拌機5DMr;品川工業所社製)の中に砂糖、全卵、乳化油脂組成物を入れ、ワイヤーホイッパーで低速にて攪拌し、軽く混合した。これに製菓用サラダ油、水及び薄力粉とベーキングパウダーを篩に通したものを加え、低速で1分間混合し、ついで高速で3分間ホイップした。得られたケーキ生地の比重(g/ml)を表3に示した。
得られたケーキ生地を離型油を塗布した6号型に320g採り、約180℃の電気オーブンで30分間焼成した。
Figure 2006075137
(3)ケーキの評価
得られたケーキを1時間室温で冷却した後ポリエチレン製袋に密封し、室温にて1日間保存した。評価直前にケーキを切り分け、パネラー15名による官能試験により、ケーキのきめ、風味、ソフトさ、しとりさ及び口どけについて評価した。各項目の評価基準を以下に示した。
a)きめ
3点 きめが粗く、且つ均一である
2点 きめが粗いが、均一性に乏しい
1点 きめが細かい
b)風味
3点 良好
2点 ふつう
1点 良くない
c)ソフトさ
3点 ソフトである
2点 ふつう
1点 硬い
d)しとりさ
3点 しとりさがある
2点 ふつう
1点 しとりさがなく、パサつく
e)口どけ
3点 良好
2点 ふつう
1点 良くない
上記a)〜e)の5項目について、パネラーの評価点の平均値により下記の基準を設け、評価結果を記号で示した。評価結果を表4に示した。
○ 2.5点以上
△ 1.5点以上、2.5点未満
× 1.5点未満
Figure 2006075137
表4の結果から、本発明に従う製剤1〜3を添加することにより、風味、食感に優れたケーキが得られることが明らかである。一方、製剤を構成する組成物の内、乳化剤の欠けた製剤では満足できる結果は得られなかった。

Claims (3)

  1. ケーキ用乳化油脂組成物であって、組成物100質量%中、(a)油脂10〜30質量%、及び(b)食品用乳化剤10〜16質量%を含有し、
    残余が、(c)糖類、糖アルコール及び多価アルコール類から選ばれる1種以上、及び/又は(d)水を含有し、
    前記(b)食品用乳化剤として少なくとも
    (イ)グリセリンモノ脂肪酸エステル、
    (ロ)グリセリン有機酸脂肪酸エステル、
    (ハ)ジグリセリン脂肪酸エステル、
    (ニ)トリグリセリン脂肪酸エステル又はテトラグリセリン脂肪酸エステル及び
    (ホ)ポリグリセリン脂肪酸エステル(前記(ハ)及び(ニ)を除く)を含有し、
    且つ、
    総ポリグリセリン脂肪酸エステル{前記(ハ)+前記(ニ)+前記(ホ)}の含有量に対する前記(ハ)ジグリセリン脂肪酸エステルの含有量の質量分率が、0.15〜0.50であることを特徴とするケーキ用乳化油脂組成物。
  2. グリセリン有機酸脂肪酸エステルが、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル又はグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1に記載のケーキ用乳化油脂組成物。
  3. ジグリセリン脂肪酸エステルがジグリセリンモノ脂肪酸エステルであり、該ジグリセリンモノ脂肪酸エステル中のモノエステル含有量が70質量%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のケーキ用乳化油脂組成物。
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