JP2007236345A - ケーキ用流動状ショートニング - Google Patents
ケーキ用流動状ショートニング Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007236345A JP2007236345A JP2006066368A JP2006066368A JP2007236345A JP 2007236345 A JP2007236345 A JP 2007236345A JP 2006066368 A JP2006066368 A JP 2006066368A JP 2006066368 A JP2006066368 A JP 2006066368A JP 2007236345 A JP2007236345 A JP 2007236345A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- acid ester
- fatty acid
- cake
- saturated fatty
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Edible Oils And Fats (AREA)
Abstract
【課題】特にバターやコンパウンドマーガリンなどの固形油脂を多量に配合したバターケーキ類生地を製造する際に用いられ、焼成したケーキの芯の発生を抑制し、風味と食感に優れたケーキを作ることができる、ケーキ用流動状ショートニングを提供する。
【解決手段】油脂と食品用乳化剤を含有するショートニングであって、前記ショートニング100質量%中、食品用乳化剤が以下の(a)〜(d);(a)グリセリン乳酸飽和脂肪酸エステルおよび/またはグリセリン酢酸飽和脂肪酸エステル5〜12質量%、(b)ソルビタン飽和脂肪酸エステル1〜5質量%、(c)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル0.1〜3質量%、(d)レシチン0.1〜3質量%を含有し、且つ(a)、(b)、(c)および(d)の合計量が7〜15質量%であるケーキ用流動状ショートニング。
【選択図】なし
【解決手段】油脂と食品用乳化剤を含有するショートニングであって、前記ショートニング100質量%中、食品用乳化剤が以下の(a)〜(d);(a)グリセリン乳酸飽和脂肪酸エステルおよび/またはグリセリン酢酸飽和脂肪酸エステル5〜12質量%、(b)ソルビタン飽和脂肪酸エステル1〜5質量%、(c)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル0.1〜3質量%、(d)レシチン0.1〜3質量%を含有し、且つ(a)、(b)、(c)および(d)の合計量が7〜15質量%であるケーキ用流動状ショートニング。
【選択図】なし
Description
本発明は、バタースポンジケーキ、パウンドケーキなど油脂を多量に配合したケーキ類の生地を製造するのに適した、ケーキ用流動状ショートニングに関する。
古来、バタースポンジケーキやパウンドケーキなどのケーキ類は、砂糖と卵を泡立てた中にふるった粉を加え、混ぜた生地に、溶かしたバターまたは液体油を加える方法で作られてきた。しかし、溶かしたバターまたは液体油などの油脂には消泡作用があるため、生地への混合には高度の熟練を要した。
その後、油脂に食品用乳化剤を分散させた流動状ショートニングが開発され、製菓工場では、油脂を含んだケーキ類が、小麦粉、砂糖、卵、ベーキングパウダー、水などと共に流動状ショートニングを配合して、全原料を一度に混合する、いわゆるオールインミックス法で作られるようになった。そうして今日まで、乳化剤の配合が異なる流動状ショートニングが数多く提案されており、例えば、常温で液体の食用油、食用乳化剤および必要に応じて固形油脂成分とから成る流動状もしくはペースト状のショートニングの製造において、乳化剤として全体重量に対して(1)グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルのうちの2ないし3種を総量10〜35重量%、(2)ヨウ素価70以下の水添レシチン、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルのうちの2ないし3種を総量0.2〜3重量%を併用することを特徴とする起泡性ショートニング(特許文献1参照)、常温で固体の油脂を含まない食用液状油脂に対して、プロピレングリコール脂肪酸エステル8〜13重量%、有機酸グリセリン脂肪酸エステル0.1〜3重量%およびポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル0.1〜3重量%を配合したケーキ用起泡性ショートニング(特許文献2参照)、常温で液状の油脂90〜60重量部に常温で固体状の油脂10〜40重量部を配合した油脂ベース100重量部に対して、乳化剤としてプロピレングリコール脂肪酸エステル6〜12重量部、グリセリン脂肪酸エステル0.5〜5重量部、有機酸グリセリン脂肪酸エステル0.1〜2重量部およびレシチン0.02〜0.5重量部を配合し、さらにソルビタン脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルのうち1種あるいは2種以上を0.1〜2重量部配合してなり、かつ上記乳化剤の総量が8〜15重量部であるケーキ用流動状ショートニング(特許文献3参照)、などが知られている。
しかし、ケーキにこくと風味を付与するためにバターやコンパウンドマーガリンを配合したケーキ生地をオールインミックス法で製造すると、焼成したケーキに芯や色むらが発生する、ケーキの食感が重いなどの問題があり解決が望まれていた。
本発明は、特にバターやコンパウンドマーガリンなどの固形油脂を多量に配合したバターケーキ類生地を製造する際に用いられ、焼成したケーキの芯や色むらの発生を抑制し、風味と食感に優れたケーキを作ることができる、ケーキ用流動状ショートニングを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意・検討を行った結果、油脂と食品用乳化剤を主成分とする油脂組成物において、食品用乳化剤としてグリセリン乳酸飽和脂肪酸エステルおよび/またはグリセリン酢酸飽和脂肪酸エステル、ソルビタン飽和脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル並びにレシチンを組み合わせ、更に好ましくはグリセリンモノ飽和脂肪酸エステルを加えることにより、上記課題が解決されることを見いだし、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
〔1〕油脂と食品用乳化剤を含有するショートニングであって、前記ショートニング100質量%中、食品用乳化剤が以下の(a)〜(d);
(a)グリセリン乳酸飽和脂肪酸エステルおよび/またはグリセリン酢酸飽和脂肪酸エステル5〜12質量%、
(b)ソルビタン飽和脂肪酸エステル1〜5質量%、
(c)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル0.1〜3質量%、
(d)レシチン0.1〜3質量%、
を含有し、且つ(a)、(b)、(c)および(d)の合計量が7〜15質量%であることを特徴とするケーキ用流動状ショートニング、
〔2〕油脂と食品用乳化剤を含有するショートニングであって、前記ショートニング100質量%中、食品用乳化剤が以下の(a)〜(e);
(a)グリセリン乳酸飽和脂肪酸エステルおよび/またはグリセリン酢酸飽和脂肪酸エステル5〜12質量%、
(b)ソルビタン飽和脂肪酸エステル1〜5質量%、
(c)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル0.1〜3質量%、
(d)レシチン0.1〜3質量%、
(e)グリセリンモノ飽和脂肪酸エステル0.1〜3質量%
からなり、且つ(a)、(b)、(c)、(d)および(e)の合計量が7〜15質量%であることを特徴とするケーキ用流動状ショートニング、
からなっている。
すなわち、本発明は、
〔1〕油脂と食品用乳化剤を含有するショートニングであって、前記ショートニング100質量%中、食品用乳化剤が以下の(a)〜(d);
(a)グリセリン乳酸飽和脂肪酸エステルおよび/またはグリセリン酢酸飽和脂肪酸エステル5〜12質量%、
(b)ソルビタン飽和脂肪酸エステル1〜5質量%、
(c)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル0.1〜3質量%、
(d)レシチン0.1〜3質量%、
を含有し、且つ(a)、(b)、(c)および(d)の合計量が7〜15質量%であることを特徴とするケーキ用流動状ショートニング、
〔2〕油脂と食品用乳化剤を含有するショートニングであって、前記ショートニング100質量%中、食品用乳化剤が以下の(a)〜(e);
(a)グリセリン乳酸飽和脂肪酸エステルおよび/またはグリセリン酢酸飽和脂肪酸エステル5〜12質量%、
(b)ソルビタン飽和脂肪酸エステル1〜5質量%、
(c)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル0.1〜3質量%、
(d)レシチン0.1〜3質量%、
(e)グリセリンモノ飽和脂肪酸エステル0.1〜3質量%
からなり、且つ(a)、(b)、(c)、(d)および(e)の合計量が7〜15質量%であることを特徴とするケーキ用流動状ショートニング、
からなっている。
本発明のケーキ用流動状ショートニングは、縦型ミキサーや強制的に生地に空気を吹き込んで起泡させる連続ミキサーを使用したオールインミックス法は元より、シュガーバッター法や後油法によるケーキ類の製造にも用いることができる。
本発明のケーキ用流動状ショートニングは、ケーキ類の製造に適した起泡性および気泡安定性を有する。
本発明のケーキ用流動状ショートニングを用いて製造されたケーキは芯や色むらの発生がなく、軽くてソフトな食感を有する。
本発明のケーキ用流動状ショートニングは、ケーキ類の製造に適した起泡性および気泡安定性を有する。
本発明のケーキ用流動状ショートニングを用いて製造されたケーキは芯や色むらの発生がなく、軽くてソフトな食感を有する。
本発明で用いられる油脂としては、食用可能な油脂であれば特に制限はなく、例えばオリーブ油、キャノーラ油、米ぬか油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、大豆油、コーン油、なたね油、パーム油、パームオレイン、パーム核油、ひまわり油、ハイオレイックひまわり油、綿実油、やし油、落花生油などの植物油脂、牛脂、ラード、魚油および乳脂などの動物油脂、さらにこれら動植物油脂を分別、水素添加またはエステル交換したもの並びに中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)などが挙げられ、好ましくは大豆油またはなたね油など常温(約15〜25℃)で液状の油脂である。
本発明で用いられる食品用乳化剤は、(a)グリセリン乳酸飽和脂肪酸エステルおよび/またはグリセリン酢酸飽和脂肪酸エステル、(b)ソルビタン飽和脂肪酸エステル、(c)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル並びに(d)レシチンであり、更に好ましくは(e)グリセリンモノ飽和脂肪酸エステルが加えられる。
本発明で用いられる(a)グリセリン乳酸飽和脂肪酸エステルおよび/またはグリセリン酢酸飽和脂肪酸エステルにおける、グリセリン乳酸飽和脂肪酸エステルは、グリセリンと乳酸と飽和脂肪酸のエステル化生成物であり、例えばグリセリンモノ飽和脂肪酸エステルと乳酸との反応、またはグリセリンと乳酸および飽和脂肪酸とのエステル化反応により得ることができる。得られた反応物は、グリセリンモノ乳酸モノ飽和脂肪酸エステル、グリセリンジ乳酸モノ飽和脂肪酸エステルなどを含む混合物である。グリセリン乳酸飽和脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする飽和脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸など)が挙げられ、好ましくは炭素数16〜18の飽和脂肪酸である。工業的には、炭素数16〜18の飽和脂肪酸から選ばれる一種またはニ種以上の飽和脂肪酸を約90質量%以上含有する脂肪酸混合物を用いるのが好ましい。
本発明で用いられるグリセリン酢酸飽和脂肪酸エステルは、グリセリンと酢酸と飽和脂肪酸のエステル化生成物であり、例えばグリセリンモノ飽和脂肪酸エステルと無水酢酸との反応、またはグリセリンと酢酸および飽和脂肪酸とのエステル化反応により得ることができる。得られた反応物は、グリセリンモノ酢酸モノ飽和脂肪酸エステル、グリセリンジ酢酸モノ飽和脂肪酸エステルなどを含む混合物である。グリセリン酢酸飽和脂肪酸エステルを構成する酢酸以外の脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする飽和脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸など)が挙げられ、好ましくは炭素数16〜18の飽和脂肪酸である。工業的には、炭素数16〜18の飽和脂肪酸から選ばれる一種またはニ種以上の飽和脂肪酸を約90質量%以上含有する脂肪酸混合物を用いるのが好ましい。
本発明の油脂組成物100質量%中の(a)グリセリン乳酸飽和脂肪酸エステルおよび/またはグリセリン酢酸飽和脂肪酸エステルの含有量は約5〜12質量%が好ましく、より好ましくは約6〜10質量%である。グリセリン乳酸飽和脂肪酸エステル、グリセリン酢酸飽和脂肪酸エステルは、ケーキ生地の起泡性を向上させる機能と共に、ケーキ生地中の気泡を安定化させる機能を併せ持つ。一方、グリセリン乳酸不飽和脂肪酸エステル、グリセリン酢酸不飽和脂肪酸エステルではこのような作用は得られない。
本発明で用いられる(b)ソルビタン飽和脂肪酸エステルは、ソルビタンを主成分とするソルビトールの分子内縮合物と飽和脂肪酸とのエステル化生成物であり、その構成脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする飽和脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸など)が挙げられ、好ましくは炭素数16〜18の飽和脂肪酸である。工業的には、炭素数16〜18の飽和脂肪酸から選ばれる一種またはニ種以上の飽和脂肪酸を約90質量%以上含有する脂肪酸混合物を用いるのが好ましい。
本発明の油脂組成物100質量%中の(b)ソルビタン飽和脂肪酸エステルの含有量は約1〜5質量%が好ましく、より好ましくは約1.5〜3質量%である。ソルビタン飽和脂肪酸エステルは、グリセリン乳酸飽和脂肪酸エステルおよび/またはグリセリン酢酸飽和脂肪酸エステルの起泡性およびケーキ生地中の気泡安定性を向上させる機能を有する。
本発明で用いられる(c)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルは、ポリグリセリンと縮合リシノール酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応など自体公知の方法で製造される。ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルの原料ポリグリセリンとしては平均重合度が約2〜15程度のポリグリセリンが挙げられ、好ましくは平均重合度が約3〜10程度のもの、更に好ましくはトリグリセリン、テトラグリセリンおよびヘキサグリセリンなどである。上記縮合リシノール酸としては、リシノール酸を加熱し、重縮合反応させて得られる混合物であれば特に制限はなく、通常リシノール酸の平均重合度が約2〜10程度のものが挙げられ、好ましくは平均重合度が約3〜6程度のものである。
ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルとしては、例えば、ポエムPR−100(商品名;理研ビタミン社製)、ポエムPR−300(商品名;理研ビタミン社製)、SYグリスターCR−310(商品名;阪本薬品工業社製)、SYグリスターCR−500(商品名;阪本薬品工業社製)、サンソフト818SK(商品名;太陽化学社製)などが商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルとしては、例えば、ポエムPR−100(商品名;理研ビタミン社製)、ポエムPR−300(商品名;理研ビタミン社製)、SYグリスターCR−310(商品名;阪本薬品工業社製)、SYグリスターCR−500(商品名;阪本薬品工業社製)、サンソフト818SK(商品名;太陽化学社製)などが商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
本発明の油脂組成物100質量%中の(c)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルの含有量は約0.1〜3質量%が好ましく、より好ましくは約0.2〜2質量%である。ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルは、グリセリン乳酸飽和脂肪酸エステルおよび/またはグリセリン酢酸飽和脂肪酸エステルの起泡性およびケーキ生地中の気泡安定性を向上させる機能を有する。
本発明で用いられる(d)レシチンは、油糧種子または動物原料から得られたもので、リン脂質を主成分とするものであれば特に制限はなく、例えば大豆レシチンおよび卵黄レシチンなど油分を含む液状レシチン、液状レシチンから油分を除き乾燥した粉末レシチン、液状レシチンを分別精製した分別レシチン並びにレシチンを酵素で処理した酵素分解レシチンおよび酵素処理レシチンなどが挙げられる。上記リン脂質としては、例えばフォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジン酸、リゾレシチンおよびリゾフォスファチジン酸などが挙げられる。
本発明の油脂組成物100質量%中の(d)レシチンの含有量は約0.1〜3質量%が好ましく、より好ましくは約0.2〜2質量%である。レシチンは、ショートニング中の乳化剤結晶の粗大化を抑制し、結晶の分離や沈殿を抑制する機能を有する。
本発明で準構成成分として用いられる(e)グリセリンモノ飽和脂肪酸エステルは、グリセリンと飽和脂肪酸とのエステル化生成物であり、その構成脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする飽和脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸など)が挙げられ、好ましくは炭素数16〜18の飽和脂肪酸である。工業的には、炭素数16〜18の飽和脂肪酸から選ばれる一種またはニ種以上の飽和脂肪酸を約90質量%以上含有する脂肪酸混合物を用いるのが好ましい。
グリセリンモノ飽和脂肪酸エステル中のモノエステル体の含有量は、好ましくは約90質量%以上である。その製法の概略は以下の通りである。即ち、グリセリンと脂肪酸とのエステル化反応またはグリセリンと油脂(トリアシルグリセリン)とのエステル交換反応により、グリセリン、グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンジ脂肪酸エステルおよびグリセリントリ脂肪酸エステルなどを含む混合物が得られる。次に、該混合物から自体公知の方法、例えば低真空度での蒸留などで未反応のグリセリンなどを除き、さらに、例えば流下薄膜式分子蒸留装置または遠心式分子蒸留装置などを用いて分子蒸留することにより、留分として、モノエステル体を約90質量%以上含む、グリセリンモノ飽和脂肪酸エステルが得られる。
グリセリンモノ飽和脂肪酸エステルは、ケーキ生地中の気泡をより安定化する機能を有するため、上記(a)〜(d)の乳化剤と合わせて用いるのが好ましい。本発明の油脂組成物100質量%中に加えられる(e)グリセリンモノ飽和脂肪酸エステルの量は通常約0.1〜3質量%であり、好ましくは約0.2〜2質量%である。
本発明のショートニング100質量%中の上記食品用乳化剤の含有量の合計は、通常約7〜15質量%、好ましくは約10〜15質量%である。食品用乳化剤の含有量が約7質量%未満であると、十分な起泡性が得られない。また、食品用乳化剤の含有量が15質量%を越える場合にはショートニングの流動性が悪くなり、自動計量などに不都合を生じ作業性が悪くなる。
本発明のショートニングの製造方法に特に制限はなく、自体公知の方法を用いることができる。以下に、好ましいショートニングの製造方法を例示する。例えば、攪拌機、加熱用のジャケット、邪魔板などを備えた通常の攪拌・混合槽に、油脂、(a)グリセリン乳酸飽和脂肪酸エステルおよび/またはグリセリン酢酸飽和脂肪酸エステル、(b)ソルビタン飽和脂肪酸エステル、(c)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、(d)レシチン並びに(e)グリセリンモノ飽和脂肪酸エステルを入れ、約65〜80℃に加熱し溶解する。次に、得られた溶液を送液ポンプで急冷捏和装置に送液し、乳化剤の結晶化と練捏を連続的に行い、流動性を有するスラリー状のショートニングを得る。得られた急冷物中の結晶の最大長は20μm以下であるのが好ましい。最大長が20μm以上の結晶が存在する場合には、テンパリング処理を実施するのが好ましい。テンパリング処理の条件としては、例えば約25〜30℃で約24〜48時間などが挙げられる。
上記急冷捏和装置としては、例えばボテーター(ケメトロン社製)、パーフェクター(ゲルステンベルグ社製)、コンビネーター(シュローダー社製)、オンレーター(櫻製作所社製)などが挙げられる。該装置は一般にAユニットとBユニットから構成され、Aユニットは通常管型の掻き取り式熱交換機からなっている。Bユニットとしては、例えば管の内壁およびシャフトにピンを設けたピンチューブなどが挙げられる。
本発明の流動状ショートニングには、流動性、起泡性能、気泡安定性または風味などに影響を及ぼさない範囲で、抽出トコフェロール、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステルなどの油溶性の酸化防止剤;β−カロテンなどの着色料;ミルクフレーバー、バニラ香料、オレンジオイルなどの着香料;アラビアガム、アルギン酸及び/又はその塩、カシアガム、ガティガム、カラギナン、カラヤガム、キサンタンガム、キチン、キトサン、グアーガム、サイリウムシードガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、デキストラン、トラガントガム、ファーセレラン、プルラン、ペクチン、ローカストビーンガムなどの増粘安定剤;微結晶セルロース;α化澱粉などを添加してもよい。
本発明の流動状ショートニングは、バタースポンジケーキ、パウンドケーキ、ロールケーキ、マドレーヌ、バウムクーヘンなどのバターケーキ類を製造する際の起泡剤として、ケーキ生地に添加して用いられる。生地へのショートニングの添加量は、製造するケーキの種類、使用する機械などにより異なるが、例えば、一般的なオールインミックス法によるバタースポンジケーキの製造においては、小麦粉100質量部に対して約20〜60質量部が好ましい。
以下に、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[製造例1]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた5L容四口丸底フラスコに、グリセリン500g、乳酸(商品名:ムサシノ乳酸90%;武蔵野化学研究所社製)152g、パルミチン酸(商品名:パルミチン酸60;ミヨシ油脂社製)1265gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム1.0gを加え、常圧下、窒素ガス気流中、225℃で約8時間エステル化反応を行った。次に、フラスコ内を減圧とし、205℃で約3時間水蒸気蒸留し、未反応の酸を除去した。その後、減圧を維持したまま水蒸気に替えて窒素ガスを吹き込み、フラスコ内に残存する水を除去した。脱水後、液温を室温まで冷却してグリセリン乳酸パルミチン酸エステル(試作品1)約1348gを得た。このものの特性値は、酸価:0.6、けん化価:251、ヒドロキシル価:151であった。
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた5L容四口丸底フラスコに、グリセリン500g、乳酸(商品名:ムサシノ乳酸90%;武蔵野化学研究所社製)152g、パルミチン酸(商品名:パルミチン酸60;ミヨシ油脂社製)1265gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム1.0gを加え、常圧下、窒素ガス気流中、225℃で約8時間エステル化反応を行った。次に、フラスコ内を減圧とし、205℃で約3時間水蒸気蒸留し、未反応の酸を除去した。その後、減圧を維持したまま水蒸気に替えて窒素ガスを吹き込み、フラスコ内に残存する水を除去した。脱水後、液温を室温まで冷却してグリセリン乳酸パルミチン酸エステル(試作品1)約1348gを得た。このものの特性値は、酸価:0.6、けん化価:251、ヒドロキシル価:151であった。
[製造例2]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた5L容四口丸底フラスコに、グリセリン500g、乳酸(商品名:ムサシノ乳酸90%;武蔵野化学研究所社製)152g、オレイン酸(商品名:PM 400−H;ミヨシ油脂社製)1393gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム1.0gを加え、常圧下、窒素ガス気流中、215℃で約6時間エステル化反応を行った。次に、フラスコ内を減圧とし、200℃で約3時間水蒸気蒸留し、未反応の酸を除去した。その後、減圧を維持したまま水蒸気に替えて窒素ガスを吹き込み、フラスコ内に残存する水を除去した。脱水後、液温を室温まで冷却してグリセリン乳酸オレイン酸エステル(試作品2)約1413gを得た。このものの特性値は、酸価:1.0、けん化価:241、ヒドロキシル価:159であった。
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた5L容四口丸底フラスコに、グリセリン500g、乳酸(商品名:ムサシノ乳酸90%;武蔵野化学研究所社製)152g、オレイン酸(商品名:PM 400−H;ミヨシ油脂社製)1393gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム1.0gを加え、常圧下、窒素ガス気流中、215℃で約6時間エステル化反応を行った。次に、フラスコ内を減圧とし、200℃で約3時間水蒸気蒸留し、未反応の酸を除去した。その後、減圧を維持したまま水蒸気に替えて窒素ガスを吹き込み、フラスコ内に残存する水を除去した。脱水後、液温を室温まで冷却してグリセリン乳酸オレイン酸エステル(試作品2)約1413gを得た。このものの特性値は、酸価:1.0、けん化価:241、ヒドロキシル価:159であった。
[流動状ショートニングの作製]
(1)流動状ショートニング作製のための原材料
1)なたね油(吉原製油社製)
2)グリセリン乳酸パルミチン酸エステル(試作品1)
3)グリセリン乳酸オレイン酸エステル(試作品2)〈比較例に配合〉
4)グリセリン酢酸ステアリン酸エステル(商品名:ポエムG−508;理研ビタミン社製)
5)グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル(商品名:ポエムB−10;理研ビタミン社製)〈比較例に配合〉
6)ソルビタンステアリン酸エステル(商品名:ポエムS−60V;理研ビタミン社製)
7)テトラグリセリン縮合リシノール酸エステル(商品名:ポエムPR−100;理研ビタミン社製)
8)レシチン(商品名:レシチンDX;日清オイリオ社製)
9)グリセリンモノステアリン酸エステル(商品名:エマルジーMS;理研ビタミン社製,モノエステル体含有量約90質量%以上)
10)プロピレングリコールモノステアリン酸エステル(商品名:リケマールPS−100;理研ビタミン社製)〈比較例に配合〉
(1)流動状ショートニング作製のための原材料
1)なたね油(吉原製油社製)
2)グリセリン乳酸パルミチン酸エステル(試作品1)
3)グリセリン乳酸オレイン酸エステル(試作品2)〈比較例に配合〉
4)グリセリン酢酸ステアリン酸エステル(商品名:ポエムG−508;理研ビタミン社製)
5)グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル(商品名:ポエムB−10;理研ビタミン社製)〈比較例に配合〉
6)ソルビタンステアリン酸エステル(商品名:ポエムS−60V;理研ビタミン社製)
7)テトラグリセリン縮合リシノール酸エステル(商品名:ポエムPR−100;理研ビタミン社製)
8)レシチン(商品名:レシチンDX;日清オイリオ社製)
9)グリセリンモノステアリン酸エステル(商品名:エマルジーMS;理研ビタミン社製,モノエステル体含有量約90質量%以上)
10)プロピレングリコールモノステアリン酸エステル(商品名:リケマールPS−100;理研ビタミン社製)〈比較例に配合〉
(2)流動状ショートニングの配合
上記原材料を用いて作製した流動状ショートニング(製剤1〜8)の配合組成を表1に示した。この内、製剤1〜5は本発明に係る実施例であり、製剤6〜8はそれらに対する比較例である。
上記原材料を用いて作製した流動状ショートニング(製剤1〜8)の配合組成を表1に示した。この内、製剤1〜5は本発明に係る実施例であり、製剤6〜8はそれらに対する比較例である。
(3)流動状ショートニングの作製
1)総仕込量を600gとして、1L容ステンレス製ビーカーに、表1に示した配合に従いなたね油および各種乳化剤を入れ、約80℃に加熱し、溶解した。
2)得られた溶液をビーカーごと約10℃の恒温水槽に漬け、ビーカーの内壁をゴムへらで掻きとりながら約25℃まで冷却し、全体が均一で流動性のあるペースト状の流動状ショートニング(製剤1〜8)を得た。
1)総仕込量を600gとして、1L容ステンレス製ビーカーに、表1に示した配合に従いなたね油および各種乳化剤を入れ、約80℃に加熱し、溶解した。
2)得られた溶液をビーカーごと約10℃の恒温水槽に漬け、ビーカーの内壁をゴムへらで掻きとりながら約25℃まで冷却し、全体が均一で流動性のあるペースト状の流動状ショートニング(製剤1〜8)を得た。
(2)ケーキの作り方
上記の配合で総仕込量を882gとして、5コート縦型ミキサー(型式:万能混合攪拌機5DMr;品川工業所社製)の中に砂糖、全卵、湯煎して約50℃に溶融した無塩バターおよび流動状ショートニングを入れ、ワイヤーホイッパーにて、低速で軽く混合した。これに薄力粉とベーキングパウダーを混合して篩に通したものおよび果糖ぶどう糖液糖を加え、低速で1分間混合し、ついで高速で2分間ホイップした。得られたケーキ生地の比重(g/mL)を表3に示した。
得られたケーキ生地を側面と底面に紙を敷いた6号丸型に400g採り、約20cm位上から2〜3回落として大きな気泡を抜き、約160℃の電気オーブンで30分間焼成した。
上記の配合で総仕込量を882gとして、5コート縦型ミキサー(型式:万能混合攪拌機5DMr;品川工業所社製)の中に砂糖、全卵、湯煎して約50℃に溶融した無塩バターおよび流動状ショートニングを入れ、ワイヤーホイッパーにて、低速で軽く混合した。これに薄力粉とベーキングパウダーを混合して篩に通したものおよび果糖ぶどう糖液糖を加え、低速で1分間混合し、ついで高速で2分間ホイップした。得られたケーキ生地の比重(g/mL)を表3に示した。
得られたケーキ生地を側面と底面に紙を敷いた6号丸型に400g採り、約20cm位上から2〜3回落として大きな気泡を抜き、約160℃の電気オーブンで30分間焼成した。
(3)ケーキの評価
得られたケーキを室温で1時間冷却した後ポリエチレン製袋に密封し、室温にて1日間保存した。評価直前にケーキを切り分け、下記表4に示す評価基準に従い、ケーキの内相、食べたときの風味、口どけを評価した。官能試験は15名のパネラーで行い、結果は15名の評点の平均値として求め、以下の基準に従って記号化した。結果を表5に示した。
○:評点の平均値が2.5以上
△:評点の平均値が1.5以上、2.5未満
×:評点の平均値が1.5未満
得られたケーキを室温で1時間冷却した後ポリエチレン製袋に密封し、室温にて1日間保存した。評価直前にケーキを切り分け、下記表4に示す評価基準に従い、ケーキの内相、食べたときの風味、口どけを評価した。官能試験は15名のパネラーで行い、結果は15名の評点の平均値として求め、以下の基準に従って記号化した。結果を表5に示した。
○:評点の平均値が2.5以上
△:評点の平均値が1.5以上、2.5未満
×:評点の平均値が1.5未満
表5の結果から、本発明に従う製剤1〜5を添加したケーキでは、内相、風味、口どけの全ての評価項目において優れていることが明らかである。一方、本発明の流動状ショートニングを構成する要件を欠いた製剤6および7を添加したケーキでは、内相、風味、口どけのいずれの評価項目においても満足できる結果は得られなかった。また、製剤8については、該製剤を添加したケーキ生地の比重は十分低いにもかかわらず、それを焼成したケーキの内相には芯が発生し、風味、食感共に悪かった。
(2)ケーキの作り方
上記の配合で総仕込量を915gとして、5コート縦型ミキサー(型式:万能混合攪拌機5DMr;品川工業所社製)の中に砂糖、室温で軟化させたコンパウンドマーガリン(無塩)および流動状ショートニングを入れ、ワイヤーホイッパーにて、低速で1分間混合した。これに全卵を加え、高速で5分間ホイップし、更に薄力粉とベーキングパウダーを混合して篩に通したものを加え、低速で30秒間混合した。得られたケーキ生地の比重(g/mL)を表7に示した。
得られたケーキ生地を側面と底面に紙を敷いたパウンドケーキ型に400g採り、約20cm位上から2〜3回落として大きな気泡を抜き、約160℃の電気オーブンで45分間焼成した。
上記の配合で総仕込量を915gとして、5コート縦型ミキサー(型式:万能混合攪拌機5DMr;品川工業所社製)の中に砂糖、室温で軟化させたコンパウンドマーガリン(無塩)および流動状ショートニングを入れ、ワイヤーホイッパーにて、低速で1分間混合した。これに全卵を加え、高速で5分間ホイップし、更に薄力粉とベーキングパウダーを混合して篩に通したものを加え、低速で30秒間混合した。得られたケーキ生地の比重(g/mL)を表7に示した。
得られたケーキ生地を側面と底面に紙を敷いたパウンドケーキ型に400g採り、約20cm位上から2〜3回落として大きな気泡を抜き、約160℃の電気オーブンで45分間焼成した。
(3)ケーキの評価
得られたケーキを室温で1時間冷却した後ポリエチレン製袋に密封し、室温にて1日間保存した。評価直前にケーキを切り分け、前記表4に示す評価基準に従い、ケーキの内相、食べたときの風味、口どけを評価した。官能試験は15名のパネラーで行い、結果は15名の評点の平均値として求め、以下の基準に従って記号化した。結果を表8に示した。
○:評点の平均値が2.5以上
△:評点の平均値が1.5以上、2.5未満
×:評点の平均値が1.5未満
得られたケーキを室温で1時間冷却した後ポリエチレン製袋に密封し、室温にて1日間保存した。評価直前にケーキを切り分け、前記表4に示す評価基準に従い、ケーキの内相、食べたときの風味、口どけを評価した。官能試験は15名のパネラーで行い、結果は15名の評点の平均値として求め、以下の基準に従って記号化した。結果を表8に示した。
○:評点の平均値が2.5以上
△:評点の平均値が1.5以上、2.5未満
×:評点の平均値が1.5未満
表8の結果から、本発明に従う製剤1〜5を添加したケーキでは、内相、風味、口どけの全ての評価項目において優れていることが明らかである。一方、本発明の流動状ショートニングを構成する要件を欠いた製剤6および7を添加したケーキでは、内相、風味、口どけのいずれの評価項目においても満足できる結果は得られなかった。また、製剤8については、該製剤を添加したケーキ生地の比重は十分低いにもかかわらず、それを焼成したケーキの内相には部分的に色むらが発生し、風味、食感共に悪かった。
(2)ケーキの作り方
上記の配合で総仕込量を794gとして、5コート縦型ミキサー(型式:万能混合攪拌機5DMr;品川工業所社製)の中に砂糖、全卵および流動状ショートニングを入れ、ワイヤーホイッパーにて、低速で1分間混合した。これに果糖ぶどう糖液糖およびラム酒を加え、高速で5分間ホイップし、更に薄力粉とベーキングパウダーを混合して篩に通したものを加え、低速で30秒間混合した。最後に、湯煎して約50℃に溶融した無塩バターを加え、低速で15秒間混合した。得られたケーキ生地の比重(g/mL)を表10に示した。
得られたケーキ生地をアルミ製のマドレーヌ型(平型)に60g採り、約180℃の電気オーブンで20分間焼成した。
上記の配合で総仕込量を794gとして、5コート縦型ミキサー(型式:万能混合攪拌機5DMr;品川工業所社製)の中に砂糖、全卵および流動状ショートニングを入れ、ワイヤーホイッパーにて、低速で1分間混合した。これに果糖ぶどう糖液糖およびラム酒を加え、高速で5分間ホイップし、更に薄力粉とベーキングパウダーを混合して篩に通したものを加え、低速で30秒間混合した。最後に、湯煎して約50℃に溶融した無塩バターを加え、低速で15秒間混合した。得られたケーキ生地の比重(g/mL)を表10に示した。
得られたケーキ生地をアルミ製のマドレーヌ型(平型)に60g採り、約180℃の電気オーブンで20分間焼成した。
(3)ケーキの評価
得られたケーキを室温で1時間冷却した後ポリエチレン製袋に密封し、室温にて1日間保存した。評価直前にケーキを切り分け、前記表4に示す評価基準に従い、ケーキの内相、食べたときの風味、口どけを評価した。官能試験は15名のパネラーで行い、結果は15名の評点の平均値として求め、以下の基準に従って記号化した。結果を表11に示した。
○:評点の平均値が2.5以上
△:評点の平均値が1.5以上、2.5未満
×:評点の平均値が1.5未満
得られたケーキを室温で1時間冷却した後ポリエチレン製袋に密封し、室温にて1日間保存した。評価直前にケーキを切り分け、前記表4に示す評価基準に従い、ケーキの内相、食べたときの風味、口どけを評価した。官能試験は15名のパネラーで行い、結果は15名の評点の平均値として求め、以下の基準に従って記号化した。結果を表11に示した。
○:評点の平均値が2.5以上
△:評点の平均値が1.5以上、2.5未満
×:評点の平均値が1.5未満
表11の結果から、本発明に従う製剤1〜5を添加したケーキでは、内相、風味、口どけの全ての評価項目において優れていることが明らかである。一方、本発明の流動状ショートニングを構成する要件を欠いた製剤6および7を添加したケーキでは、内相、風味、口どけのいずれの評価項目においても満足できる結果は得られなかった。また、製剤8については、該製剤を添加したケーキ生地の比重は十分低いにもかかわらず、それを焼成したケーキの内相には部分的に色むらが発生し、風味、食感共に悪かった。
Claims (2)
- 油脂と食品用乳化剤を含有するショートニングであって、前記ショートニング100質量%中、食品用乳化剤が以下の(a)〜(d);
(a)グリセリン乳酸飽和脂肪酸エステルおよび/またはグリセリン酢酸飽和脂肪酸エステル5〜12質量%、
(b)ソルビタン飽和脂肪酸エステル1〜5質量%、
(c)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル0.1〜3質量%、
(d)レシチン0.1〜3質量%、
を含有し、且つ(a)、(b)、(c)および(d)の合計量が7〜15質量%であることを特徴とするケーキ用流動状ショートニング。 - 油脂と食品用乳化剤を含有するショートニングであって、前記ショートニング100質量%中、食品用乳化剤が以下の(a)〜(e);
(a)グリセリン乳酸飽和脂肪酸エステルおよび/またはグリセリン酢酸飽和脂肪酸エステル5〜12質量%、
(b)ソルビタン飽和脂肪酸エステル1〜5質量%、
(c)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル0.1〜3質量%、
(d)レシチン0.1〜3質量%、
(e)グリセリンモノ飽和脂肪酸エステル0.1〜3質量%
からなり、且つ(a)、(b)、(c)、(d)および(e)の合計量が7〜15質量%であることを特徴とするケーキ用流動状ショートニング。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006066368A JP2007236345A (ja) | 2006-03-10 | 2006-03-10 | ケーキ用流動状ショートニング |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006066368A JP2007236345A (ja) | 2006-03-10 | 2006-03-10 | ケーキ用流動状ショートニング |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007236345A true JP2007236345A (ja) | 2007-09-20 |
Family
ID=38582511
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006066368A Withdrawn JP2007236345A (ja) | 2006-03-10 | 2006-03-10 | ケーキ用流動状ショートニング |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007236345A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014042457A (ja) * | 2012-08-24 | 2014-03-13 | Riken Vitamin Co Ltd | ケーキ用品質改良剤 |
JP2015035966A (ja) * | 2013-08-12 | 2015-02-23 | ミヨシ油脂株式会社 | 製菓製パン用油脂組成物およびその製造方法 |
JP2015065929A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | 日清オイリオグループ株式会社 | ケーキ用油脂組成物および該ケーキ用油脂組成物が配合されたケーキ |
JP2015107098A (ja) * | 2013-10-21 | 2015-06-11 | ミヨシ油脂株式会社 | 可塑性油脂組成物及び可塑性油脂組成物が添加された食品 |
JP2017205059A (ja) * | 2016-05-18 | 2017-11-24 | ミヨシ油脂株式会社 | 起泡性食品用ミックス及び起泡性食品 |
JP2018175663A (ja) * | 2017-04-19 | 2018-11-15 | 株式会社リバース・フィット・デザイン | トレーニング装置及びトレーニング方法 |
CN113575699A (zh) * | 2021-08-09 | 2021-11-02 | 上海优程食品有限公司 | 一种烘焙用起酥油及其制备方法 |
-
2006
- 2006-03-10 JP JP2006066368A patent/JP2007236345A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014042457A (ja) * | 2012-08-24 | 2014-03-13 | Riken Vitamin Co Ltd | ケーキ用品質改良剤 |
JP2015035966A (ja) * | 2013-08-12 | 2015-02-23 | ミヨシ油脂株式会社 | 製菓製パン用油脂組成物およびその製造方法 |
JP2015065929A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | 日清オイリオグループ株式会社 | ケーキ用油脂組成物および該ケーキ用油脂組成物が配合されたケーキ |
JP2015107098A (ja) * | 2013-10-21 | 2015-06-11 | ミヨシ油脂株式会社 | 可塑性油脂組成物及び可塑性油脂組成物が添加された食品 |
JP2017205059A (ja) * | 2016-05-18 | 2017-11-24 | ミヨシ油脂株式会社 | 起泡性食品用ミックス及び起泡性食品 |
JP2018175663A (ja) * | 2017-04-19 | 2018-11-15 | 株式会社リバース・フィット・デザイン | トレーニング装置及びトレーニング方法 |
CN113575699A (zh) * | 2021-08-09 | 2021-11-02 | 上海优程食品有限公司 | 一种烘焙用起酥油及其制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4627513B2 (ja) | 粉末油脂 | |
TWI465197B (zh) | Emulsified fat and oil composition | |
JP4429188B2 (ja) | ケーキ用流動状ショートニング | |
JP2007236345A (ja) | ケーキ用流動状ショートニング | |
JP6622640B2 (ja) | 起泡性水中油型乳化油脂組成物 | |
JP6158485B2 (ja) | ケーキ用品質改良剤 | |
JP4711433B2 (ja) | 卵白ロールケーキ組成物 | |
WO2005104863A1 (ja) | 油脂組成物 | |
JP2004016187A (ja) | 食品用起泡剤組成物及びその製造方法 | |
JPS6345182B2 (ja) | ||
TW200524543A (en) | Edible grease composition | |
JP2601749B2 (ja) | 起泡性水中油形食用油脂組成物及び同組成物を用いたケーキ製造法 | |
JP4372649B2 (ja) | ケーキ用乳化油脂組成物 | |
JP2017205096A (ja) | 起泡性水中油型乳化組成物用乳化剤 | |
JP3466714B2 (ja) | 起泡性乳化油脂組成物及び同組成物を用いたケーキ類の製造方法 | |
WO2007007907A1 (ja) | ベーカリー製品用油脂含有組成物 | |
JP5960431B2 (ja) | 油脂のクリーミング性向上剤およびそれを含有する油脂組成物 | |
JP4667518B2 (ja) | トリグリセリド組成物 | |
JP7174737B2 (ja) | 可塑性油脂組成物及び可塑性油脂組成物が添加された食品 | |
JPH02273138A (ja) | ケーキ類生地 | |
JP4425680B2 (ja) | ケーキ用油脂組成物およびそれを用いたホットケーキミックス | |
JP2007110927A (ja) | 起泡性ショートニング | |
JP7461127B2 (ja) | ケーキ生地起泡用水中油型乳化組成物 | |
JP2018113909A (ja) | 練り込み用油脂組成物とそれを用いた可塑性油脂および焼成品の製造方法 | |
JP6291238B2 (ja) | 油脂組成物および当該油脂組成物を含有する食品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20090512 |