JP6158485B2 - ケーキ用品質改良剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ケーキ用品質改良剤に関する。
従来、ケーキ類の食感改良や老化防止を目的として、ケーキ生地に種々のケーキ用品質改良剤を添加することが提案されている。例えば、特定の架橋処理や湿熱処理された化工澱粉を用いる方法(特許文献1)、油脂、澱粉、蛋白質などを含有する水中油型乳化組成物を用いる方法(特許文献2)、天然澱粉、化工澱粉及び加工澱粉の合計含有量及び各澱粉の配合重量比が特定の範囲にある澱粉組成物を用いる方法(特許文献3)などが提案されてきた。しかし、これらの方法は、澱粉、蛋白質などの吸水・保湿性を有する素材(保湿剤)の添加によりケーキの柔らかさは改善するものの、その添加量を多くしなければ効果が発揮されず、また保湿剤特有のくちゃつきのある食感になり、ケーキの口どけが悪化し易いという問題があった。
一方、保湿剤ではなく、乳化剤の添加によりケーキの食感を改良する方法がいくつか提案されている。そのような方法としては、例えば、(a)油脂、(b)ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび(c)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含むことを特徴とするケーキ用油脂組成物(特許文献4)、油脂と食品用乳化剤を含有するショートニングであって、前記ショートニング100質量%中、食品用乳化剤が以下の(a)〜(d);(a)ジグリセリン飽和脂肪酸エステル1〜25質量%、(b)グリセリン有機酸飽和脂肪酸エステル0.1〜5質量%、(c)レシチン0.05〜5質量%、並びに(d)グリセリンモノ飽和脂肪酸エステルおよび/またはソルビタン飽和脂肪酸エステル0.05〜5質量%からなり、且つ(a)、(b)、(c)および(d)の合計量が5〜30質量%であることを特徴とするケーキ用流動状ショートニング(特許文献5)、ケーキ用乳化油脂組成物であって、組成物100質量%中、(a)油脂10〜30質量%、及び(b)食品用乳化剤10〜16質量%を含有し、残余が、(c)糖類、糖アルコール及び多価アルコール類から選ばれる1種以上、及び/又は(d)水を含有し、前記(b)食品用乳化剤として少なくとも(イ)グリセリンモノ脂肪酸エステル、(ロ)グリセリン有機酸脂肪酸エステル、(ハ)ジグリセリン脂肪酸エステル、(ニ)トリグリセリン脂肪酸エステル又はテトラグリセリン脂肪酸エステル及び(ホ)ポリグリセリン脂肪酸エステル(前記(ハ)及び(ニ)を除く)を含有し、且つ、総ポリグリセリン脂肪酸エステル{前記(ハ)+前記(ニ)+前記(ホ)}の含有量に対する前記(ハ)ジグリセリン脂肪酸エステルの含有量の質量分率が、0.15〜0.50であることを特徴とするケーキ用乳化油脂組成物(特許文献6)、油脂と食品用乳化剤を含有するショートニングであって、前記ショートニング100質量%中、食品用乳化剤が以下の(a)〜(d);(a)グリセリン乳酸飽和脂肪酸エステルおよび/またはグリセリン酢酸飽和脂肪酸エステル5〜12質量%、(b)ソルビタン飽和脂肪酸エステル1〜5質量%、(c)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル0.1〜3質量%、(d)レシチン0.1〜3質量%、を含有し、且つ(a)、(b)、(c)および(d)の合計量が7〜15質量%であることを特徴とするケーキ用流動状ショートニング(特許文献7)などが知られている。
これらの方法によれば、ケーキ生地の起泡性が向上するとともに、口どけの良い食感のケーキが製造可能であるが、ケーキの保存中に生地が老化し、その好ましい食感が失われる場合があり、必ずしも満足できるものではなかった。
また、ケーキ保存中の老化を抑制しつつ、良好な食感のケーキ類を提供する方法としては、小麦粉100重量部に対して(A)油脂 1.8〜55重量部、(B)保湿剤 0.001〜2重量部、(C)乳化剤 0.33〜12.8重量部及び糖類を含有し、かつ条件1)成分(A)を構成する全脂肪酸残基に対して不飽和脂肪酸残基が75重量%以上及び条件2)成分(A)/(C)の重量比が6.5以下を満たすものであるケーキ類(特許文献8)などが知られている。
しかし、上記方法は、乳化剤のみならず保湿剤の添加が必須であるため、特に水分含有量の高いケーキ類(例えばケーキ重量に対する水分量が30質量%以上のケーキ類)に応用した場合、保湿剤と水との接触を防ぐことができない。また保湿剤特有の食感を生じる虞があり、ケーキ類の口どけの改善という観点からは必ずしも満足できるものではなかった。
特開2000−063401号公報 特開2005−102684号公報 特開2009−082108号公報 特開2005−270040号公報 特開2006−230224号公報 特開2006−075137号公報 特開2007−236345号公報 特開2005−237341号公報
本発明の課題は、ケーキ類の生地の起泡性を損なうことなく、水分量が30質量%以上のケーキ類の食感をソフトで口どけの良いものにしつつ、その保存中の老化を抑制可能なケーキ用品質改良剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、常温で液状の油脂に、ステアロイル乳酸ナトリウムおよびそれ以外の乳化剤を溶解して得られる油脂組成物により、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、下記(1)および(2)からなっている。
(1)(a)常温で液状の油脂を65〜96質量%、(b)ステアロイル乳酸ナトリウムを2〜15質量%並びにHLB8以下の下記乳化剤(c1)および(c2)を2〜20質量%含有することを特徴とするケーキ用品質改良剤(ただし、該剤がグリセリンと脂肪酸のエステルおよび/またはポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する場合を除く)
(c1)レシチン;
(c2)ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびポリグリセリン縮合リシノール酸エステルから選ばれる2種以上。
(2)(b)ステアロイル乳酸ナトリウムの結晶の最大長が50μm以下であることを特徴とする前記(1)に記載のケーキ用品質改良剤。
本発明のケーキ用品質改良剤を添加するケーキ類の製造では、ケーキ類の生地の起泡性が損なわれない。
本発明のケーキ用品質改良剤を添加して製造したケーキ類は、その水分量が30質量%以上であっても、保存中の老化が抑制され、その消費期限内において口どけ良く柔らかい食感が維持される。
本発明で成分(a)として用いられる「常温で液状の油脂」としては、食用に適した動物性、植物性の油脂およびそれらのエステル交換油、分別油などであって、常温(15〜25℃)で液状の食用油脂であることが好ましい。そのような油脂としては、例えばサフラワー油、大豆油、綿実油、コメ油、ナタネ油、オリーブ油などが挙げられる他、グリセリン脂肪酸ジエステルおよびプロピレングリコール脂肪酸ジエステルもこれらに含まれる。これら食用油脂は、1種類で用いても良いし、2種類以上を任意に組み合わせて用いても良い。
本発明で成分(b)として用いられる「ステアロイル乳酸ナトリウム」は、ステアロイル基を親油性基、乳酸のカルボニウムイオンを親水性基とするナトリウム塩を主成分とするものであって、ステアロイル乳酸ナトリウムとして公知のものであれば特に制限はない。例えばステアロイル基を主たるアシル基とするアシル化乳酸およびアシル化ラクトイル乳酸(ステアロイル乳酸など)とこれらのナトリウム塩、ステアリン酸を主成分とする脂肪酸およびそのナトリウム塩、縮合乳酸類およびそのナトリウム塩を含む混合物がステアロイル乳酸ナトリウムとして市販されており、本発明ではこれを用いることができる。
本発明で成分(c)として用いられる「ステアロイル乳酸ナトリウム以外のHLB8以下の乳化剤」としては、ステアロイル乳酸ナトリウム以外の乳化剤であって、アトラス法により計算されたHLB値(以下、単にHLBという)が約8以下の食品用乳化剤、好ましくはHLBが約7以下の食品用乳化剤が挙げられる。食品用として使用される非イオン性の界面活性剤は親水基と親油基のバランスが重要であることから、その性質を表わす方法としてGriffinの発表したHLBが一般に用いられている。GriffinはHLBを0〜20と規定し、分子中の親水基部分の分子量の割合が0.5である時、そのHLBを10とした。ただし、一般に工業製品として製造・販売されている食品用乳化剤は純品ではなく混合物であり、Griffin式でHLBを求めることは実際上不可能であることから、それらのHLBは、通常アトラス法により計算される。アトラス法による計算式を以下に示す。
HLB=20×(1−S/A)
S:多価アルコール脂肪酸エステルのけん化価
A:原料脂肪酸の中和価
なお、けん化価および中和価は、例えば「基準油脂分析試験法(1)」((社)日本油化学協会、1996年)に記載の方法などに基づき測定できる。
本発明で成分(c)として用いられる乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルおよびレシチンなどであって、HLBが約8以下のものが挙げられる。ここで、グリセリン脂肪酸エステルには、グリセリンと脂肪酸のエステルの他、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルが含まれる。これら食品用乳化剤は、1種類で用いても良いし、2種類以上を任意に組み合わせて用いても良い。
上記グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルまたはプロピレングリコール脂肪酸エステルの構成脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖の飽和または不飽和脂肪酸(例えばカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸など)、好ましくは炭素数16〜18の直鎖の飽和または不飽和脂肪酸(例えばパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸など)が挙げられる。
また、上記レシチンには、分別レシチン、酵素分解レシチンまたは酵素処理レシチンなども含まれる。レシチンは、複数種類のリン脂質等を含む混合物であることなどからHLBの計算が困難な場合があり、また、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルは、その構造上HLBを計算することが事実上不可能であるが、これらは、その特性などからHLB8以下の乳化剤に含まれる。
本発明のケーキ用品質改良剤は、上記成分(a)〜(c)を含有するものである。該改良剤100質量%中の成分(a)〜(c)の含有量は、(a)常温で液状の油脂が65〜96質量%、好ましくは73〜94質量%であり、(b)ステアロイル乳酸ナトリウムが2〜15質量%、好ましくは3〜12質量%であり、(c)ステアロイル乳酸ナトリウム以外のHLB8以下の乳化剤が2〜20質量%、好ましくは3〜15質量%であることが好ましい。
本発明のケーキ用品質改良剤の製造方法は特に限定されず、自体公知の方法を用いることができるが、以下にその好ましい製造方法を例示する。例えば、先ず、上記成分(a)〜(c)を混合し、約65〜90℃に加熱し溶解する。次に、得られた溶解物を攪拌しながら急冷し、その後、約30℃〜40℃にてテンパリング操作を行い、必要に応じて再度冷却して本発明のケーキ用品質改良剤を得る。該ケーキ用品質改良剤の性状は、乳化剤の含有量などにより異なり一様ではないが、おおむね液状、スラリー状またはペースト状を呈する。
上記ケーキ用品質改良剤を製造するための装置としては特に限定されず、例えば、攪拌機、加熱用のジャケット、邪魔板などを備えた通常の攪拌・混合槽などを用いることができる。攪拌機に装備する攪拌翼の形状はプロペラ型、かい十字型、フラットタービン型、ディスクタービン型またはいかり型などのいずれでも良いが、好ましくはプロペラ型またはフラットタービン型である。
上記溶解物の冷却は、前記加熱用のジャケットに水または冷媒を通すことにより行われても良いが、工業的には、攪拌・混合槽より混合溶液を抜き出し、ボテーター(ケメトロン社製)、オンレーター(桜製作所社製)またはコンサーム(アルファ・ラバル社製)などの掻きとり式の急冷混捏装置を用いて行われるのが好ましい。
上記ケーキ用品質改良剤の製造において、急冷により得られた急冷物を撹拌しながらテンパリングすることにより、(b)ステアロイル乳酸ナトリウムを最大長が50μm以下、好ましくは30μm以下の微細な結晶として該改良剤中に存在させることができる。結晶の最大長が50μm以上であると、ケーキ生地の起泡性を阻害し、また製剤の分離や凝集が促進されるため好ましくない。テンパリングの時間は、テンパリングの温度により異なり一様ではなく、適宜サンプリングして結晶の大きさを観察することにより決められる。この結晶の最大長は、通常、光学顕微鏡を用いて測定される。
本発明のケーキ用品質改良剤には、本発明の目的および効果を阻害しない範囲において、上記(a)〜(c)以外の成分を添加してもよく、例えばβ−カロテンなどの着色料、抽出トコフェロール、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステルなどの油溶性の酸化防止剤、ミルクフレーバー、バニラ香料、オレンジオイルなどの着香料、アラビアガム、アルギン酸および/またはその塩、カシアガム、ガティガム、カラギナン、カラヤガム、キサンタンガム、キチン、キトサン、グアーガム、サイリウムシードガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、デキストラン、トラガントガム、ファーセレラン、プルラン、ペクチン、ローカストビーンガムなどの増粘安定剤、微結晶セルロース、α化澱粉などを添加することができる。
本発明のケーキ用品質改良剤は、スポンジケーキ、ロールケーキ、ブッセ、シフォンケーキ、バタースポンジケーキ、パウンドケーキ、マドレーヌ、フィナンシェ、バウムクーヘン、カステラ、蒸しケーキなどのケーキ類を製造する際の品質改良剤として、またケーキ類に配合される油脂の一部または全部の代替として生地に添加して用いられる。生地への添加量は、その生地配合、使用する機械などにより異なるが、例えば、一般的なオールインミツクス法によるスポンジケーキの製造においては、小麦粉100質量部に対して約0.5〜10質量部が好ましい。また、これらケーキ類の生地には、起泡性の付与などの目的で、本発明のケーキ用品質改良剤とは別に製菓用起泡性乳化油脂を添加することができ、例えば、特開2006−075137号公報に開示されたケーキ用乳化油脂組成物を製菓用起泡性乳化油脂として添加することができる。
ここで、上記ケーキ類は、ケーキ類の重量に対する水分量(ケーキ水分量)が30質量%以上である場合には、その消費期限は、通常製造から3〜4日程度である。本発明のケーキ用品質改良剤をケーキ水分量が30質量%以上のケーキ類に使用すると、その消費期限内においてソフトで口どけの良い食感が維持されるため、特にそのようなケーキ類に好ましく利用することができる。
上記ケーキ水分量は、予め秤量しておいたケーキ試料を105℃の恒温槽にて3時間乾燥した後、再度重量を測定することにより求められる。上記乾燥前ケーキ重量から乾燥後ケーキ重量を引いた値をケーキ水分量として、乾燥前ケーキ重量に対する百分率にて表す。
以下に本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[ケーキ用品質改良剤の製造]
(1)原材料
1)菜種油(製品名:なたねサラダ油;融点−10℃;ボーソー油脂社製)
2)パーム油(製品名:食用パーム油;融点38℃;ミヨシ油脂社製)
3)ステアロイル乳酸ナトリウム(製品名:ポエムSSL−100;理研ビタミン社製)
4)プロピレングリコール脂肪酸エステル(製品名:リケマールPS−100;HLB3.7;理研ビタミン社製)
5)グリセリンと脂肪酸のエステル(製品名:エマルジーMS;HLB4.3;理研ビタミン社製)
6)ソルビタン脂肪酸エステル(製品名:ポエムS−60V;HLB5.1;理研ビタミン社製)
7)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(製品名:ポエムPR−100;HLB8以下;理研ビタミン社製)
8)レシチン(製品名:SLP−ペースト;HLB8以下;辻製油社製)
(2)ケーキ用品質改良剤の配合
上記原材料を用いて調製したケーキ用品質改良剤1〜11の配合組成を表1に示した。この内、ケーキ用品質改良剤1〜7は本発明に係る実施例であり、ケーキ用品質改良剤8〜11はそれらに対する比較例である。
Figure 0006158485
(3)ケーキ用品質改良剤の調製方法
作製するケーキ用品質改良剤の総量が各1000gとなるように、表1に示した原材料の配合割合に基づいて、所定の原材料を2L容ステンレス製ビーカーに入れ、スパチュラで攪拌しながら約80℃に加熱して溶解した。得られた溶解液をビーカーごと約10℃の恒温水槽に漬け、ビーカー内壁をゴムへらで掻きとりながら25℃まで冷却し、スラリー状混合物を得た。得られたスラリー状混合物をビーカーごと約40℃の恒温水槽に漬け、スパチュラで攪拌しながら約1時間テンパリングした。テンパリング終了後室温まで放冷し、ケーキ用品質改良剤1〜11を得た。これらに含まれる乳化剤の結晶の最大長を光学顕微鏡を用いて測定した結果を表2に示した。
Figure 0006158485
[試験例]
[スポンジケーキの作製および評価]
(1)スポンジケーキの作製
表3に示す配合組成に従い、総仕込量を732gとして、5コート縦型ミキサー(型式:万能混合攪拌機5DMr;品川工業所社製)の中に砂糖、全卵、製菓用起泡性乳化油脂およびケーキ用品質改良剤を入れ、ワイヤーホイッパーで低速にて攪拌し、軽く混合した。これに製菓用サラダ油、水および薄力粉とベーキングパウダーを篩に通したものを加え、低速で1分間混合し、ついで高速で5分間ホイップした。得られたケーキ生地の比重(g/mL)を表4に示した。
得られたケーキ生地を側面と底面に紙を敷いた6号丸型に300g採り、約20cm位上から2〜3回落として大きな気泡を抜き、約180℃の電気オーブンで35分間焼成し、ケーキNo.1〜11を得た。得られたケーキNo.1〜11のケーキ水分量は約35%であった。
Figure 0006158485
Figure 0006158485
(2)官能試験による評価
得られたケーキ(No.1〜11)を1時間室温で冷却した後ポリエチレン製袋に密封し、室温にて3日間保存した。評価直前にケーキを切り分け、ケーキの内相、ソフトさ、口どけについて官能試験を行った。官能試験では、下記表5に示す評価基準に従い15名のパネラーで評価を行ない、評点の平均点を求め、以下の基準にしたがって記号化した。
○:良好 平均点2.5以上
△:やや悪い 平均点1.5以上、2.5未満
×:悪い 平均点1.5未満
Figure 0006158485
(3)結果
上記(2)の評価結果を表6に示す。
Figure 0006158485
表6の結果から、本発明のケーキ用品質改良剤を添加したケーキ(No.1〜7)は、3日間の保存後において、内相、ソフトさおよび口どけの全ての評価項目で「△」以上の優れたものであった。これに対し、比較例のケーキ用品質改良剤を添加したケーキ(No.8〜11)では、いずれかの評価項目で「×」となり、満足できる結果は得られなかった。

Claims (2)

  1. (a)常温で液状の油脂を65〜96質量%、(b)ステアロイル乳酸ナトリウムを2〜15質量%並びにHLB8以下の下記乳化剤(c1)および(c2)を2〜20質量%含有することを特徴とするケーキ用品質改良剤(ただし、該剤がグリセリンと脂肪酸のエステルおよび/またはポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する場合を除く)
    (c1)レシチン;
    (c2)ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびポリグリセリン縮合リシノール酸エステルから選ばれる2種以上。
  2. (b)ステアロイル乳酸ナトリウムの結晶の最大長が50μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のケーキ用品質改良剤。
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