JP2006062333A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 大型、大容量の電源およびインク供給源を用意しなくとも、多様な記録媒体に対応して高品質な画像を形成できるようにする。
【解決手段】 記録ヘッドの一走査領域内に設定される所定の判定領域において駆動される記録素子の数を検出し、その検出値が所定の閾値より大である場合には、記録ヘッドの一走査期間における駆動素子数の変更または記録ヘッドが記録走査を開始してから次の記録走査が開始されるまでの一走査期間の変更のいずれかを、設定されている記録条件に応じて選択し、記録動作を行う。
【選択図】 図18

Description

本発明は、インクを吐出する記録ヘッドを記録媒体の搬送方向と交差する方向へと走査して記録を行うインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関する。
近年来のパーソナルコンピュータ等情報処理機器の普及に伴い、画像形成端末としての記録装置も急速に発展および普及してきた。そして種々の記録装置の中でも、吐出口からインクを吐出させて紙、布、プラスチックシート、OHP用シートなどの記録媒体上に記録を行うインクジェット記録装置は、低騒音のノンインパクト型の記録方式であること、高密度かつ高速な記録動作が可能であること、カラー記録にも容易に対応できること、低廉であることなど、極めて優れた特徴を有しており、今やパーソナルユースの記録装置の主流となっている。
インクジェット記録技術の進歩は記録の高画質化、高速化、低廉化を促進し、またパーソナルコンピュータやデジタルカメラ(単体でその機能を果たすもののほか、その他の装置、例えば携帯型電話に一体化されるものも含む)の普及とも相俟って、パーソナルユーザにまで記録装置を普及させる効果に寄与すること大であった。しかしそのような広範な普及により、パーソナルユーザからも画質のより一層の向上が求められるようになってきており、特に近年では、家庭で手軽に写真をプリントできるようなプリントシステムおよび銀塩写真に見合う画像品位が求められて来ている。
いわゆる一般的な銀塩写真と比べた場合、インクジェット記録装置においては、それ特有の粒状感がかねてより問題視されていた。このため、近年ではこの粒状感を低減するための様々な対策が提案されており、その様な対策が盛り込まれた記録装置も多く提供されている。たとえば、通常のシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの外に、より濃度の低いライトシアンやライトマゼンタを加えたインクシステムを具備するインクジェット記録装置がある。このようなインクシステムであれば、濃度の低い領域でライトシアンやライトマゼンタを用いることにより、粒状感を低減することができる。また、濃度の高い領域では通常のシアンおよびマゼンタで記録を行うことにより、より広い色再現および滑らかな階調性を実現させることが可能となっている。
さらに、記録媒体に着弾されるドットの大きさをより小さく設計して粒状感を低減する方法もあり、このために記録ヘッドに配列する各記録素子から吐出されるインク滴を少量化する技術も進められて来ている。この場合、インク滴の少量化のみならず、より多くの記録素子をより高い配列密度によって構成することにより、記録速度を損なわずに高解像度の画像を同時に得ることが可能となっている。
ところで、パーソナルユースのインクジェット記録装置においては、上述したように写真画質に迫る高品位な画像の出力が求められる一方で、テキストや図表のような通常の文書を出力する場合も少なくない。そして、このような文書においては、銀塩写真並みの画像品位よりも、むしろ高速に出力することが肝要とされる。よって、一般のインクジェット記録装置では、複数の記録モードを具備しておきながら、用途に応じてユーザがこれを設定可能とする構成となっている。
これらインクジェット記録装置は時代と共に高速化・高画質化が進み、デジタルカメラの普及に伴って扱うデータ量も大容量化してきた。また、記録画像の1枚中の中には記録密度分布が多く発生し、高デューティ部分と低デューティ部分とが含まれるなど、記録ヘッドを駆動するために必要とされる電力量および記録量が変動する場合がある。このような電力量等の変動に係わらず常に一定な記録を可能とするためには比較的大型で大容量の電源の入出力に耐える回路を備えようとすると記録装置自体が高価で大型な装置となる。
一方、通常の一般的な記録では、記録ヘッドに配列される多数の記録素子を、常に最大限に用いて記録するような画像は全体の中でもごくわずかであるし、一枚の画像中でも記録素子を最大限に用いて記録する領域は一部であることが殆どである。そこで、安価で小型な記録装置を実現するために一定範囲の記録ドット数に応じて記録方法を制御して、所定時間内に使用する電力量を制限することにより、高速記録を保ちながら高デューティで記録する箇所においても記録品位を補償するようにした様々な提案がなされている。
例えば、特許文献1では、総ドット数をカウントし、所定値を越えた場合にその最大時の記録が可能なように記録速度を選択する記録装置が開示されている。
また、特許文献2では、所定のドットデューティを越えた領域が発生した場合、その領域を複数回に分割して記録する方法が開示されている。
特許文献3では、ラインバッファーのメモリ上をセグメントに分割し、その各セグメントの領域における記録デューティが所定の閾値を超えたか時に、往復記録か片方向記録かを判断する方法が開示されている。
特許文献4では、特許文献3と同様に、記録デューティが所定値を超えたか否かを判断し、その判断の結果に基づき、間引き記録を実施する方法が開示されている。
特許文献5では、記録素子の特性を加味した方法で領域を分割し、ピーク電力のみでなく電源を最大限効率よく利用することが可能な分割制御記録方式を導入した方法が開示されている。
さらに、特許文献6では、紙の種類に応じて分割時の記録モードを変更する方法が開示されている。
また、特許文献7では、記録動作中にインクの残量が少なくなった場合に画像データから判断して記録方法を変更する方法が開示されている。
特公昭62−41114号公報 特開平06−47290号公報 特開平09−226185号公報 特開平09−226175号公報 特開平10−217436号公報 特開平05−318770号公報 特開平07−285227号公報
しかしながら、上述の各特許文献に記載のインクジェット記録装置は、それぞれ以下のような弊害を生じることがある。
特許文献1に開示されるインクジェット方式の記録装置にあっては、記録ドット数に応じて記録ヘッドを搭載したキャリッジのスピードおよび記録ヘッドの駆動周波数を低減させて画像を形成する場合がある。この場合、インクジェット方式では、着弾位置精度や1ドット当たりの吐出量がキャリッジスピードや駆動周波数の影響を受けるので、低速で記録した領域と通常の速度で記録した領域とで各々の濃度に差異が生じ、画像上でムラとなって現れることがある。このような濃度ムラは、吐出量制御等で調整することもできるが、その場合には装置構成の複雑化を招くこととなる。このため、同文献に示す技術を低コストプリンタに適用することは困難なものとなっている。
特許文献2に開示されるインクジェット記録装置において、比較的ドットの重なり部の濃度変化が激しい記録媒体を用いる場合には、インクの重なり方によって画像上に、濃度ムラやつなぎスジなどの弊害が出ることがある。
また、特許文献3のように、記録方法を往復・片方向とに限定した記録方法で対応すると、記録媒体によってはインクの記録順序によって発色状態が異なり、画像劣化が発生する虞がある。
特許文献4では、記録データを間引いて記録を行うものであるため、本来の画像を形成できない。
特許文献5では、記録素子の特性を加味した方法で領域を分割し、ピーク電力のみでなく電源を最大限効率よく利用することが可能な分割制御記録方式を導入した方法であるが、最近の5plを下回るような極小液滴でノズル数:512N/記録素子の解像度(ノズルピッチ):1200dpiを超えるような多ノズルを用いて高速記録を行った場合には、気流によって端部に位置するノズルからは吐出されるインク滴の着弾位置が記録ヘッドの中央部側にずれる、いわゆる端ヨレ現象が目立ち、単純な分割記録ではこの端よれ現象によって白すじが発生してしまい、画像に著しい劣化が生じる。
また、特許文献6には、専用紙に対して記録ヘッドの走査方向を片方向に限定して分割記録を実施し、普通紙では双方向で分割記録を実施する方法が開示されているが、専用紙への記録に際し、記録データの間引き処理などを行うことによって分割記録を行った場合には、分割記録を行ったバンド領域のみ濃度が変動して、いわゆるバンドムラが発生することを本発明者等は確認している。従って、階調性を重視した写真画像の形成時に同文献に示されるように、分割記録を実施することは好ましくない。
さらに、特許文献7には、記録動作中にインクの残量が少なくなった場合に記録すべき内容が、文字であるか画像であるかの判別を行い、文字であると判断されたときには最後まで記録させる方法であるが、インク残量やインクの流量と分割記録方法との関連は記載されていない。
本発明は、上記従来技術の課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、高密度に配列された記録素子を用いる場合にも、格別に大型、大容量の電源およびインク供給源を必要とせず、スループットの低下を抑えつつ、多様な記録媒体に対応して高品質な画像を形成することができるインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を有するものとなっている。
すなわち、本発明の第1の形態は、電気的エネルギーをインクを吐出するためのエネルギーに変換する記録素子を複数配列した記録ヘッドを所定の方向に沿って走査させる走査手段と、前記記録ヘッドの走査方向と交差する方向に記録媒体を搬送する搬送手段とを有するインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドの複数の記録素子を駆動する駆動手段と、記録動作における記録条件を設定する設定手段と、記録ヘッドの一走査領域内に設定される所定の判定領域において、前記駆動手段により記録素子の数を駆動する回数を検出する駆動数検出手段と、前記駆動数検出手段による検出値が所定の閾値より大であるか否かを判定する判定手段と、前記記録ヘッドの一走査期間における駆動回数の設定値を変更する第1の変更手段と、前記記録ヘッドが記録走査を開始してから次の記録走査が開始されるまでの一走査期間を変更する第2の変更手段と、前記判定手段によって前記検出値が前記閾値より大であると判定されたとき、前記設定手段によって設定されている記録条件に応じて、前記第1の変更手段と第2の変更手段のいずれか一方を選択して記録動作を実行させる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の第2の形態は、電気的エネルギーをインクを吐出するためのエネルギーに変換する記録素子を複数配列した記録ヘッドを用い、前記記録ヘッドを所定の方向に沿って走査させつつ前記記録素子を駆動すると共に、前記記録ヘッドの走査方向と交差する方向に記録媒体を搬送して記録を行うインクジェット記録方法であって、前記記録ヘッドの複数の記録素子を駆動する駆動工程と、記録動作における記録条件を設定する設定工程と、記録ヘッドの一走査領域内に設定される所定の判定領域において、前記駆動手段により記録素子を駆動する回数を検出する駆動数検出工程と、前記駆動数検出工程による検出値が所定の閾値より大であるか否かを判定する判定工程と、前記記録ヘッドの一走査期間における記録素子の駆動回数の設定値を変更する第1の変更工程と、前記記録ヘッドが記録走査を開始してから次の記録走査が開始されるまでの一走査期間を変更する第2の変更工程と、前記判定手段によって前記検出値が前記閾値より大であると判定されたとき、前記設定手段によって設定されている記録条件に応じて、前記第1の変更手段と第2の変更手段のいずれか一方を選択して記録動作を実行させる制御工程と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の第3の形態は、電気的エネルギーをインクを吐出するためのエネルギーに変換する記録素子を複数配列した記録ヘッドを所定の方向に沿って走査させる走査手段と、前記記録ヘッドの走査方向と交差する方向に記録媒体を搬送する搬送手段とを有するインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドの記録素子に供給するための電気エネルギーを発生する電力供給手段と、前記記録ヘッドの複数の記録素子に前記電力供給手段からの電気エネルギーを供給して前記記録素子を駆動する駆動手段と、記録動作における記録条件を設定する設定手段と、前記記録ヘッドの一走査領域内に設定される所定の判定領域において前記駆動手段により前記記録素子を駆動する数を検出する駆動数検出手段と、前記駆動数検出手段による検出値が所定の閾値より大であるか否かを判定する判定手段と、前記記録ヘッドの一走査期間における前記記録素子の駆動回数をの設定値を変更する第1の変更手段と、前記記録ヘッドが記録走査を開始してから次の記録走査が開始されるまでの一走査期間を変更する第2の変更手段と、前記判定手段により前記検出値が前記閾値より大であると判定されたとき、前記設定手段によって設定されている記録条件に応じて、前記第1の変更手段と第2の変更手段のいずれか一方を選択して記録動作を実行させる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明の第4の形態は、電気的エネルギーをインクを吐出するためのエネルギーに変換する記録素子を複数配列した記録ヘッドを所定の方向に沿って走査させる走査手段と、前記記録ヘッドの走査方向と交差する方向に記録媒体を搬送する搬送手段とを有するインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドの記録素子にインクを供給するインク供給源と、前記記録ヘッドの複数の記録素子を駆動する駆動手段と、記録動作を行うための記録条件を設定する設定手段と、前記記録ヘッドの一走査領域内に設定される所定の判定領域において前記駆動手段により記録素子を駆動する回数に応じて前記判定領域に吐出されるインク量を検出するインク量検出手段と、前記インク量検出手段による検出値が前記インク供給源のインク供給能力によって決定される所定の閾値より大であるか否かを判定する判定手段と、前記記録ヘッドの一走査期間における駆動素子の駆動回数の設定値を変更する第1の変更手段と、前記記録ヘッドが記録走査を開始してから次の記録走査が開始されるまでの一走査期間を変更する第2の変更手段と、前記判定手段により前記検出値が前記閾値より大であると判定されたとき、前記設定手段によって設定されている記録条件に応じて、前記第1の変更手段と第2の変更手段のいずれか一方を選択して記録動作を実行させる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、一走査領域内に設定された所定の判定領域内における駆動数またはインク吐出量が所定の閾値を超える場合には、記録媒体の種類などの記録条件に応じて、記録ヘッドの一走査期間における駆動素子数を変更する記録制御と、記録ヘッドが記録走査を開始してから次の記録走査が開始されるまでの一走査期間を変更する記録制御とを選択して記録動作を行うため、高密度に配列された記録素子を用いる場合にも、格別に大型、大容量の電源およびインク供給源を必要とせず、スループットの低下を抑えつつ、多様な記録媒体に対応して高品質な画像を形成することが可能になる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
機構的構成
図1は、本発明の実施形態に適用するインクジェット記録装置の機構的構成を示す斜視図である。
図において、記録媒体に対して記録動作を行う記録部は、複数(ここでは6個)のヘッドカートリッジ1Bk,1C,1M,1Y,1LC,1LMと、これを交換可能に搭載して往復動作を行うキャリッジ2とで構成されている。これらヘッドカートリッジのそれぞれは、いずれも複数のノズルからなるノズル列を有する記録ヘッド13及びインクタンクを有し、また、記録ヘッド13には、これを駆動するための信号の授受を行なうためのコネクタが設けられている。なお、以下の説明では、ヘッドカートリッジ1Bk,1C,1M,1Y,1LC,1LMの全体または任意の一つを指す場合、単にヘッドカートリッジ1で示すことにする。
前記複数のヘッドカートリッジ1のうち、1A〜1Fは、それぞれ異なる色の着色インクを吐出するものであり、それらに搭載された各インクタンクには、例えば、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、淡シアン(LC)、淡マゼンタ(LM)などの着色インクがそれぞれ収納されている。
また、これらヘッドカートリッジは、キャリッジ2の所定位置にそれぞれ交換可能に搭載されており、キャリッジ2には、上記コネクターを介して各ヘッドカートリッジ1に駆動信号等を伝達するためのコネクタホルダ(電気接続部)が設けられている。
キャリッジ2は、主走査方向に延出するよう装置本体に設置されたガイド・シャフト3に移動可能に支持され、主走査方向に沿って往復移動可能となっている。そして、キャリッジ2は主走査モータ4によりモータプーリ5、従動プーリ6及びタイミングベルト7等の駆動機構を介して往復移動されると共に、その位置及び移動は、後述の制御系によって制御される。
記録用紙やプラスチック薄板等の記録媒体8は、2組の搬送ローラ9、10、及び11、12の回転により、ヘッドカートリッジ1の吐出口面と対向する位置(記録領域)を通って搬送される。なお、記録媒体8は、記録領域において平坦な記録面を形成するように、その裏面がプラテン(不図示)によって支持される。この場合、キャリッジ2に搭載された各ヘッドカートリッジ1の各吐出口面は、キャリッジ2から下方へと突出して前記2組の搬送ローラ9、10、及び11、12の間で保持された記録媒体8と平行するように保持されている。
また、上記各ヘッドカートリッジ1は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェットヘッドカートリッジであって、各ノズル内に設けられた熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものとなっている。すなわちヘッドカートリッジ1の記録部は、各ノズルに配設された電気熱変換体に印加される電気エネルギーを熱エネルギーに変換し、その熱エネルギーによってインクに膜沸騰を発生させて気泡を発生させ、その気泡の圧力を利用してノズルよりインクを吐出させて記録を行うものとなっている。なお、本明細書および特許請求の範囲の記載において、ノズルとは、インクを吐出する吐出口が形成された液路および前記液路内に設けられた前記電気熱変換体を含むものとする。
制御系
次に、本発明の第1の実施形態におけるインクジェット記録装置の制御系の概略構成を図2に基づき説明する。
図中、101はインクジェット記録装置100にインターフェース114を介して接続されたホストコンピュータである。このホストコンピュータ101には、記録装置1によって記録動作を実行させるための画像情報や制御情報などの生成を行うプリンタドライバが格納されている。
また、214は、インクジェット記録装置100の各部に対して電力を供給する電力供給手段としての電力供給回路部である。201は後述の演算、判別、制御および係数などの処理を行う制御部である。この制御部214には、マイクロプロセッサなどのCPU210と、このCPU210により実行される制御プログラムやデータを記憶しているROM211と、CPU210による各種処理の実行時にワークエリアとして使用され、各種データを一時的に保持するRAM212とを有している。このRAM212には、受信した記録データを一時的に格納する受信バッファ115が設けられると共に、この受信バッファ115から読み出された記録データを各色のインクY,M,C,Bk,LC,LM毎に格納し、記録ヘッド1Y,21M,21C,21Bk,21LC,21LMへと供給するY,M,C,Bk,LC,LMのプリントバッファが設けられている。
202は前記電力供給回路部214からの電気エネルギーを記録ヘッドに供給するヘッドドライバ(駆動手段)で、制御部201から出力される各色の記録データに応じて、イエロー用記録ヘッド1Y,マゼンタ用記録ヘッド1M,シアン用記録ヘッド1C、ブラック用記録ヘッド1Bk、淡シアン用記録ヘッド1LC、淡マゼンタ用記録ヘッド1LCを駆動する。203,204のそれぞれはモータドライバで、対応するキャリッジモータ6および紙送り用モータ205を駆動するようになっている。
また、214は、インクジェット記録装置の各部に対して電力を供給する電力供給回路部である。
画像処理
図3は、本実施形態における画像データ変換処理の流れを説明するためのブロック図である。
本実施形態で適用するインクジェット記録装置は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの基本色であるインクのほかに、ライトシアンおよびライトマゼンタによって記録を行うものであり、そのためにこれら6色のインクを吐出する記録ヘッドが用意されている。図3に示すように、ここに示す各処理は、記録装置とホスト装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)によって実行されるものとする。
ホスト装置のオペレーティングシステムで動作するプログラムとしてアプリケーションやプリンタドライバがあり、アプリケーションJ0001は記録装置で記録する画像データを作成する処理を実行する。実際の記録時にはアプリケーションで作成された画像データがプリンタドライバに渡される。
本実施形態の記録装置においては、用途に応じてユーザが記録モードをプリンタドライバから選択できるようになっている。本実施形態では高画質写真モードおよび高速モードの少なくとも2つの記録モードが選択可能であり、プリンタドライバ以降の各処理は、記録モードに応じてある程度独立に設計可能なものとする。
以下に、まず、高画質写真モードで記録する場合の処理を説明する。
本実施形態におけるプリンタドライバはその処理として、前段処理J0002、後段処理J0003、γ補正J0004、ハーフトーニングJ0005、および記録データ作成J0006を有するものとする。ここで、各処理を簡単に説明すると、前段処理J0002は色域(Gamut)のマッピングを行う。そして、sRGB規格の画像データR、G、Bによって再現される色域を、記録装置によって再現される色域内に写像するためのデータ変換を行う。具体的にはR、G、Bのそれぞれが8bitで表現されたデータを3次元のLUTを用いることにより、異なる内容のR、G、Bの8bitのデータに変換する。
後段処理J0003は、上記色域のマッピングがなされたデータR、G、Bに基づき、このデータが表す色を再現するインクの組み合わせに対応した色分解データY、M、C、K、LCおよびLMを求める処理を行う。ここでは前段処理と同様に、3次元LUTにて補間演算を併用して行うものとする。
γ補正J0004は、後段処理J0003によって求められた色分解データの各色のデータごとにその階調値変換を行う。具体的には、記録装置の各色インクの階調特性に応じた1次元LUTを用いることにより、上記色分解データが記録装置の階調特性に線形的に対応づけられるような変換を行う。
ハーフトーニングJ0005は、8ビットの色分解データY、M、C、K、LC、LMそれぞれについて4ビットのデータに変換する量子化を行う。本実施形態では、誤差拡散法を用いて256階調の8ビットデータを、9階調の4ビットデータに変換する。この4ビットデータは、記録装置におけるドット配置のパターン化処理における配置パターンを示すためのインデックスとなるデータである。
プリンタドライバで行う処理の最後には、記録データ作成処理J0006によって、上記4ビットのインデックスデータを内容とする記録イメージデータに記録制御情報を加えた記録データを作成する。
記録装置は、入力されてきた上記記録データに対し、ドット配置パターン化処理J0007およびマスクデータ変換処理J0008を行う。
以下に本実施形態の高画質モードにおけるドット配置パターン化処理J0007について説明する。上述したハーフトーン処理では、256値の多値濃度情報(8ビットデータ)を9値の階調値情報(4ビットデータ)までにレベル数を下げている。しかし、実際に本実施形態のインクジェット記録装置が記録できる情報は、インクを記録するか否かの2値情報である。ドット配置パターン化処理では、0〜8の多値レベルをドットの有無を決定する2値レベルまで低減する役割を果たす。具体的には、このドット配置パターン化処理J0007では、ハーフトーン処理部からの出力値であるレベル0〜8の4ビットデータで表現される画素ごとに、その画素の階調値(レベル0〜8)に対応したドット配置パターンを割当て、これにより1画素内の複数のエリア各々にドットのオン・オフを定義し、1画素内の各エリアに「1」または「0」の1ビットの吐出データを配置する。
図4は、本実施形態の高画質モードにおけるドット配置パターン化処理で変換する、入力レベル0〜8に対する出力パターンを示している。図の左に示した各レベル値は、ハーフトーン処理部からの出力値であるレベル0〜レベル8に相当している。右側に配列した縦2エリア×横4エリアで構成される領域は、ハーフトーン処理で出力された1画素(ピクセル)の領域に対応するもので、縦横ともに600ppi(ピクセル/インチ;参考値)の画素密度に対応する大きさとなっている。また、1画素内の各エリアは、ドットのオン・オフが定義される最小単位に相当するもので、縦が1200dpi(ドット/インチ;参考値)、横が2400dpiの記録密度に対応するものである。本実施形態の記録装置では、上記記録密度に対応した、縦が約20μm、横が約10μmで表現される1つのエリアに対し、2plのインク滴が1つ記録されて所望の濃度が得られる様に設計されている。
また、図4において、縦方向は記録ヘッドの吐出口が配列する方向であり、エリアの配列密度と吐出口と配列密度とが1200dpiという値で一致している。横方向は記録ヘッドの走査方向を示しており、本実施形態の高画質写真モードでは、記録ヘッドは2400dpiの密度で記録を行う構成となっている。
更に、図において、丸印を記入したエリアがドットの記録を行うエリアを示しており、レベル数が上がるに従って、記録するドット数も1つずつ増加している。
(4n)〜(4n+3)は、nに1以上の整数を代入することにより、入力画像の左端からの横方向の画素位置を示している。また、その下に示した各パターンは、同一の入力レベルにおいても画素位置に応じて互いに異なる複数のパターンが用意されていることを示している。すなわち、同一のレベルが入力された場合にも、記録媒体上では(4n)〜(4n+3)に示した4種類のドット配置パターンが巡回されて割当てられる構成となっているのである。そして、このような構成にしておくことは、ドット配置パターンの上段に位置するノズルと下段に位置するノズルとで吐出回数を分散させたり、記録装置特有の様々なノイズを分散させるという効果が得られるのである。
本実施形態の高画質写真モードにおいては、最終的にこのような形でオリジナル画像の濃度情報が反映され、ドット配列パターン化処理を終了した段階で、記録媒体に対するドットの配列パターンが全て決定される。
以下に高画質写真モードにおけるマスクデータ変換処理J0008について説明する。
上述したドット配置パターン化処理により、記録媒体上の各エリアに対するドットの有無は決定されたので、この情報をそのまま記録ヘッドの駆動回路に入力すれば、所望の画像を記録することは可能である。しかし、インクジェット記録装置においては、通常マルチパス記録という記録方法が採用されている。
以下にマルチパス記録方法について簡単に説明する。
図5は、マルチパス記録方法を説明するために、記録ヘッドおよび記録パターンを模式的に示したものである。P0001は記録ヘッドを示し、ここでは簡単のため16個のノズルを有するものとする。ノズルは、図のように第1〜第4の4つのノズル群に分割され、各ノズル群には4つずつのノズルが含まれている。P0002はマスクパターンを示し、各ノズルが記録を行うエリアを黒塗りで示している。各ノズル群が記録するパターンは互いに補完の関係にあり、これらを重ね合わせると4×4のエリアに対応した領域の記録が完成される構成となっている。
P0003〜P0006で示した各パターンは、記録走査を重ねていくことによって画像が完成されていく様子を示したものである。各記録走査が終了するたびに、記録媒体は図の矢印の方向にノズル群の幅分ずつ搬送される。よって、記録媒体の同一領域(各ノズル群の幅に対応する領域)は4回の記録走査によって初めて画像が完成される構成となっている。以上のように、記録媒体の各同一領域が複数回の走査で複数のノズル群によって形成されることは、ノズル特有のばらつきや記録媒体の搬送精度のばらつき等を低減させる効果がある。
図6は、本実施形態の高画質写真モードで実際に適用するマスクパターンを示したものである。本実施形態で適用する記録ヘッドH1001は768個のノズルを有している。また、高画質写真モードでは、図5と同様に4パスのマルチパスを行うものとする。従って、4つのノズル群にはそれぞれ192個ずつのノズルが属することになる。マスクパターンの大きさは、縦方向がノズル数と同等の768エリア、横方向は256エリアとなっており、4つのノズル群で互いに補完の関係を保つような構成となっている。
ところで、本実施形態で適用するような、多数の小液滴を高周波数で吐出するようなインクジェット記録ヘッドにおいては、記録動作時に記録部近傍に気流が生じ、この気流が特に記録ヘッドの端部に位置するノズルの吐出方向に影響を与えることが確認されている。よって、本実施形態の高画質モード用のマスクパターンにおいては、図6からも判るように、各ノズル群また同一のノズル群の中でも、領域によって記録比率の分布に偏りを持たせている。図6で示すように、端部のノズルの記録比率を中央部に対して低減した構成のマスクパターンを適用することにより、端部のノズルが吐出したインク滴の着弾位置ずれによる弊害を目立たなくすることが可能となるのである。
本実施形態においては、図6で示したマスクデータや、他の記録モードで適用する複数のマスクデータが記録装置本体内のメモリに格納してあり、マスクデータ変換処理においては、当該マスクデータと上述したドット配置パターン化処理の出力信号との間でAND処理をかけることにより、各記録走査で実際に吐出させる記録画素が決定され、出力信号として記録ヘッドH1001の駆動回路J0009に入力される。
駆動回路J0009に入力された各色の1bitデータは、記録へッドJ0010の駆動パルスに変換され、それぞれ記録ヘッドより所定のタイミングでインクが吐出される。
なお、記録装置における上述のドット配置パターン化処理やマスクデータ変換処理は、それらに専用のハードウエア回路を用い記録装置の制御部を構成するCPUの制御の下に実行されているものとする。
次に、本実施形態における高速モードで記録する場合の処理を説明する。高速モードにおいても、図3で示した処理の流れによって説明することが可能であるが、本実施形態の高速モードにおいては、適用するインクをシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの基本の4色のみとし、処理時間の高速化を図っている。よって、後段処理J0003では、R、G、Bの8bitデータをC、M、Y、Kの8bitのデータに変換し、続く処理ではC、M、およびKの4色のデータについての処理を行うことになる。
また、ハーフトーニングJ0005においては、高画質写真モードと同様に、8ビットの色分解データを4ビットのデータに変換する量子化が行われる。但し本高速モードでは、誤差拡散法を用いずに、多値のディザパターンを用いて、256階調の8ビットデータを、5階調の4ビットデータに量子化変換している。すなわち、ドット配置のパターン化処理における配置パターンを示すためのインデックスデータは、高画質写真モードと同様に4ビットのデータがとなるが、その内容は5階調分の情報となっている。
記録データ作成処理J0006によって、上記4ビットのインデックスデータを内容とする記録イメージ情報に記録制御情報を加えた記録データを作成するのは、上記高画質写真モードと同様である。
記録装置は、高画質写真モードの時と同様に、入力されてきた記録データに対し、ドット配置パターン化処理J0007およびマスクデータ変換処理J0008を行う。
以下に本実施形態の高速モードにおけるドット配置パターン化処理J0007について説明する。高速モードにおけるドット配置パターン化処理では、0〜4の多値レベルをドットの有無を決定する2値レベルまで低減する。具体的には、ハーフトーン処理部からの出力値であるレベル0〜4の4ビットデータで表現される画素ごとに、その画素の階調値(レベル0〜4)に対応したドット配置パターンを割り当て、これにより1画素内の複数のエリア各々にドットのオン・オフを定義し、1画素内の各エリアに「1」または「0」の1ビットの吐出データを配置する。
図7は、本実施形態の高速モードにおけるドット配置パターン化処理で変換する、入力レベル0〜4に対する出力パターンを示している。図の左に示した各レベル値は、ハーフトーン処理部からの出力値であるレベル0〜レベル4に相当している。右側に配列した縦2エリア×横2エリアで構成される各マトリクスの領域は、ハーフトーン処理で出力された1画素の領域に対応するものである。上述した高画質写真モードでは、ハーフトーニングで出力された600ppiの1画素(ピクセル)の領域に対し、縦が1200dpi(ドット/インチ;参考値)、横が2400dpiの記録密度でドットを記録する構成であった。これに対し、高速モードでは、600dpiの1画素領域に対し、縦2エリア×横2エリアで記録される構成となっている。
また、高速モードにおいては、高画質写真モードで説明した図4に見るように、同一のレベルにおいて、複数種類のドット配置パターンが巡回されて割り当てられるような構成とはなっていない。全てのレベルにおいて、対応されるドット配置パターンは1種類となっている。
このように、本実施形態の高速モードでは、各パターンの領域が2エリア×2エリアと小さいこと、および巡回されるパターンが1種類に限定されることにより、高画質写真モードに比べて、ドット配置パターンを格納するためのメモリ領域を低く抑えることができている。
以下に本実施形態の高速モードにおけるマスクデータ変換処理J0008について説明する。
本実施形態の高速モードでは、3パスのマルチパス記録を行うものとする。
図8は、本実施形態の高速モードで実際に適用するマスクパターンを示したものである。本実施形態で適用する記録ヘッドH1001は768個のノズルを有しており、ここでは3パスのマルチパス記録を行うので、768個のノズルは、256個ずつの3つのノズル群に分割される。マスクパターンの大きさは、縦方向がノズル数と同等の768エリア、横方向は386エリアとなっており、3つのノズル群に対応したP5a、P5b、P5cに分けられる。記録ヘッドの1回の主走査に続く記録媒体の搬送量(副走査)を、256ノズル幅に相当する量とすることで、256ノズル幅に対応した所定の記録領域に対して記録ヘッドが3回主走査されることになる。本実施形態の高速モードにおいては、各ノズル群で50%ずつの記録がなされ、3つのノズル群を互いに重ね合わせて記録することにより、150%の記録が行われる構成となっている。記録されるデータは、この図8に示すマスクパターンのP5a、P5b、P5cそれぞれのパターンに従って間引かれることになるが、その詳細なパターンは図中では詳細している。なお、パターンP5a、P5b、P5cそれぞれの一部分である、領域P0007、P0008、P0009については、パターンの一例を図9に示している。
以下に、上記150%の記録を行うための目的および構成を詳細に説明する。上述したように本実施形態の高速モードでは、ハーフトーニングJ0005で出力された1画素で表現される領域に対し、図7で説明したドット配置パターン化処理では、4ドットまでしか記録されない構成となっている。しかし本実施形態の記録装置では、既に高画質写真モードで説明したように、2plの小ドロップを、1画素に対して8個まで記録されるように画像設計されている。よって、高速モードで、1画素に対して4個のまま記録を行ってしまうと、1画素に対するドット不足となり、結果的に不十分な濃度しか得られない画像となってしまう。本実施形態においては、この高速モードにおけるドット不足を、マスクデータ変換処理にて補うものとする。
図9は、マスクパターン図8における各ノズル群に対応する領域の、左上に位置する4エリア×4エリアの領域P0007〜P0009を拡大して示したものである。これら3つの領域は、記録媒体上で重ね合わせられて記録され、P0010はP0007〜P0009のパターンを重ねた結果を示している。P0007〜P0009において、白丸で示した部分は、その記録走査で2plのインク滴を記録するエリアを示している。また、P0010においては、白丸で示した部分は、2plのドットが1つ記録されるエリア、黒丸で示した部分は、2plのドットが2つ、すなわち4plのインク滴が記録されるエリアを示している。P0010に見るように、黒丸と白丸は、互い違いのエリアに位置するようになっており、結果的に、1画素領域すなわち2エリア×2エリアに対するドットの配置は全て相似形で、最高6ドットまでインク滴が記録されることになる。
図10は、図7で示した入力レベル0〜4に対して、結果的に記録されるドットの様子および数を示したものである。図において、白丸は2plのインク滴が1つ記録されるエリアを、黒丸は2plのインク滴が2つ記録されるエリアを、さらに空白はインク滴が記録されないエリアをそれぞれ示している。図に見るように、レベル0〜レベル2までは、レベルが1つ上がると新たに1ドット付加されるように構成されているが、レベル3およびレベル4においては1レベルにつき新たに2ドットずつが付加されている。一般に、インクジェット記録装置においては、階調が低い領域では粒状感が問題視されるのでドットの強調は極力回避したい。また、階調が高い状態では1ドット程度を追加しても濃度は上がりにくく、その一方で最高濃度はなるべく高く設定することが望まれる。よって、本実施形態では、高濃度に行くほど追加されるドット数を多く設定し、最終的には、1画素に6ドットが記録されるような構成とした。
但し、このドット数は、本発明を限定するものではない。低いレベルから2つずつドットを追加する形態にしてもよく、さらに最終的な記録ドット数が6ドット以上であってもよい。本来、高画質写真モードと最高濃度の記録ドット数を揃えるならば、レベル4では8ドット記録することが望まれる。しかし一般に、高画質写真モードのような画質を重視するモードにおいては、光沢がありインクの受容量も大きな記録媒体が用いられることが多い一方で、図表やテキストのような文書を記録する高速モードの場合には、普通紙のようなインク受容量のあまり多くない記録媒体に記録することが多い。よって、本実施形態の高速モードにおいては、高画質写真モードほど多くのインクを記録しない構成としている。
どのようなドット数に定めるにせよ、ドット配置パターン化処理で定められたエリアの数以上(あるいは以下)のドットを記録し、かつドット配置パターン化処理における各レベルに対応する記録ドット数が一義的に決定可能であれば、本発明の効果は得られるものである。この様にすることで、各入力レベルに対して、出力パターンを1対1に対応させつつも、各レベルでは好適な状態で強調ドットが付加されたドットパターン配列を得ることが可能となる。逆に言えば、図10のような強調されたドットパターン配列で出力されることを前提として、それ以前の処理(すなわち前段処理からハーフトー二ングまで)を行うことができるのである。
再び、図3を参照するに、マスクデータ変換処理J008での処理が施された1ビットのデータは、記録ヘッドの駆動回路J009に送られる。そして、さらに記録ヘッドJ0010の駆動パルスに変換され、それぞれ記録ヘッドより所定のタイミングでインクが吐出される。
以上説明したように、本実施形態によれば、2plという少量のインク滴によって所望の濃度が達成されるような記録密度が設定されたインクジェット記録装置において、より低い記録密度で画像を記録する高速モードを設けながらも、所望の記録濃度が得られるような、マスクデータ変換処理を設けている。そして、このようなマスクパターンによって出力された画像においては、ハーフトーン後の1画素の階調レベルに対しても、所望の線形性が保たれていることが特徴とされるのである。
以下に、本発明の第2の実施形態を説明する。上述した第1の実施形態では、高画質写真モードの記録密度に対し、より低い記録密度のモードを高速モードとして設定していた。これに対し、本実施形態においては、より小さなインク滴を用いながらも、第1実施形態と同様の記録密度で高画質写真モードを実現しようとしたものである。
本実施形態においても、図3を用いて説明した画像データ変換処理の流れが適用できるものとする。但し、本実施形態で適用するインクジェット記録装置は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のみで記録を行い、ライトシアンおよびライトマゼンタは適用しないものとする。よって、後段処理J0003では、R、G、Bの8bitデータをC、M、Y、Kの8bitのデータに変換し、続く処理ではC、M、およびKの4色のデータについての処理を行うことになる。
また、ハーフトーニングJ0005においては、高画質写真モードと同様に、8ビットの色分解データを4ビットのデータに変換する量子化を多値誤差拡散法によって行い、256階調を9階調に変換するものとする。
但し、本実施形態で適用する記録ヘッドJ0010は、1pl程度のインク滴を吐出するものとし、吐出量すなわち記録媒体上でのドットの大きさを小さく設定することにより、低デューティーにおける粒状感を目立たなくしている。
このように、ドットを小さくした状態で、第1の実施形態の高画質写真モードと同様な記録を行なってしまうと、インクの打ち込み量が不足して濃度不足が懸念される。この様な場合、従来の方法に従えば、記録されるドットの大きさに応じて記録密度を高く設定することになる。しかしながら、記録装置において記録解像度をより高く設定することは、記録位置精度や記録媒体の搬送精度の向上、さらにはドット配置パターン化処理を始めとするデータ処理の大容量化が要され、より大掛かりな構成になってしまう。これに対し、市場で求められる写真画質においては、粒状感がある程度解消され、所定の階調性および濃度が確保されれば、記録解像度の大きさは、然程重視されていない。よって、本実施形態においては、粒状感を低減するためにインク滴を1plとより少量化しておきながらも、記録密度や記録精度を上げずに1実施形態と同様の記録装置を用いて、高品位写真モードを実現しようとしたものである。
本実施形態の高画質写真モードにおいても、ドット配置パターン化処理J0007は図4で示したものと同様のものを用いることができる。すなわち、ハーフトーン処理で9値として出力された、縦横ともに600ppiの1画素(ピクセル)の領域に対し、縦1200dpi×横2400dpiの記録密度で1plのインク滴を記録するのである。
本実施形態の高画質写真モードにおいては、4パスのマルチパス記録を行なうものとする。ここでは、特にこの場合に適用するマスクパターンは図示していないが、図6と同様に、全768ノズルが192ノズルずつの4つのノズル群に分割されたマスクパターンとなっている。ただし、本実施形態で適用するマスクでは、4つのノズル群により形成される領域はそれぞれ50%デューティーずつの記録を行い、これらを重ね合わせることによって最終的に200%の記録を行う構成としている。
図11は、上述した4パスのマスクパターンにおいて、それぞれのノズル群が記録するパターンの左上に位置する2エリア×16エリアを、図9と同様に示したものである。これら4つの領域P0081〜P0084は、記録媒体上で重ね合わせられて、結果としてP0085のようになっている。P0081〜P0084において、白丸で示した部分は、その記録走査で1plのインク滴を記録するエリアを示している。また、P0085においては、白丸で示した部分は1plのドットが1つ記録されるエリア、2重丸で示した部分は1plのドットが2つ、すなわち2plのインクが記録されるエリアを示している。さらに黒丸で示した部分は、1plのドットが3つ、すなわち3plのインクが記録されるエリアを示している。黒丸、2重丸および白丸の配列は、P0085に見るように、1画素領域すなわち2エリア×4エリアに対する領域には、最高16ドットまでインク滴が記録されるようになっている。
更に、図4に(4n)〜(4n+3)として示したように、画素の位置に応じて周期的に異なる複数のパターンの配列にも対応しており、結果的には2×4のエリアを、ハーフトーニングより出力された階調を表現するための1画素の領域として扱うことが可能となっている。
図12は、図4で示した入力レベル0〜8に対して、最終的に記録されるドットの様子および1画素領域に記録されるドット数を示したものである。図において、白丸は1plのインク滴が1つ記録されるエリアを、2重丸は1plのインク滴が2つ記録されるエリアを、黒丸は1plのインク滴が3つ記録されるエリアを、さらに空白はインク滴が記録されないエリアをそれぞれ示している。図に見るように、レベル0〜レベル2までは、レベルが1つ上がると、新たに1ドット付加されるように構成されているが、レベル3〜レベル6においては1レベルにつき、新たに2ドットずつが、さらにレベル7およびレベル8においては1レベルにつき、新たに3ドットずつ付加されている。
第1の実施形態でも述べたように、インクジェット記録装置においては、階調が低い領域では粒状感が問題視されるのでドットの強調は極力回避したい。また、階調が高くなるにつれ1ドット程度を追加しても濃度は上がりにくく、その一方で最高濃度はなるべく高く設定することが望まれる。よって、本実施形態においても、高濃度に行くほど追加されるドット数が多く設定し、最終的には、1画素に16ドットが記録されるような構成とした。ただし、この構成は本実施形態を限定するものではない。ハーフトーニングより出力された階調数に応じて、線形的に1画素領域内に記録されるドット数が増加していれば、1画素領域内の記録ドットがどのような配列でいくつ記録されても本発明および本実施形態は有効となる。
第1実施形態と同様、マスクデータ変換処理J008での処理が施された1ビットのデータは、記録ヘッドの駆動回路J009に送られる。そして、さらに記録ヘッドJ0010の駆動パルスに変換され、それぞれ記録ヘッドより所定のタイミングでインクが吐出される。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1実施形態で説明したような、2plのインク滴によって所望の濃度が達成されるような記録密度が設定されたインクジェット記録装置において、あえて吐出量を1plに低減し、ライトシアンやライトマゼンタのようなインクを用いずに低デューティーの粒状感を低減することができる。その一方で、吐出量を1plに低減した分を補足する形で、図6で示したようなドット配置パターンに対応したマスクパターンを用意することにより、1画素の階調レベルに対しても好適な線形性を保ちつつ、最終的には第1実施形態の高画質写真モードと同等の16plを1画素領域に記録することが可能となる。そして結果的には、第1実施形態よりも少ないデータ処理によって、写真画質に求められる高画質な画像を得ることが可能となるのである。
この様な構成は、上述したような吐出量を変調することが困難な記録ヘッドにおいて、あたかも1plから16plまでの変調が可能な記録ヘッドを用いて記録した場合と同等の効果が得られると同時に、16plの記録については複数の記録走査によって異なるノズルで少しずつインクが記録されていくので、より良好な画像を得ることが可能となる。実際、吐出量を変調可能な記録ヘッドは、その構成から、本実施形態のように高密度に記録素子を配列させて構成することは難しい。よって本発明のように、高密度に配列された記録ヘッドによって、あたかも吐出量が変調可能であるような記録が実現できることは、記録速度においても画像品位においても、より好ましいものと言えるのである。
なお、以上で説明してきた本発明で適用したマスクパターンは、上述した実施形態で示したものに限定されるものではない。本発明の効果は、複数の記録走査によって記録される1画素あたりのドット記録数が、ハーフトーニングによって得られた階調レベルに応じた所定値になっていれば有効なのであり、各記録走査における個々の記録位置の配列はどのような形態であってもよい。各記録走査で適用されるマスクパターンは、例えば図5で示したような規則的なパターンが周期的に繰り返されるようなものであってもよいし、特許文献1(特開平6−330616号公報)に開示されているような、ランダム性を持たせた配列であってもよい。更に、特許文献2(コーンマスク)に記載の所定の分散性をもったドット配列となるようなマスクパターンを適用しても本発明は有効である。
なお、入力されたデータに対し、マルチパス用のマスクパターンを用い、同一のエリアに強調記録を行う技術はすでに開示されている(特開平05−278232号公報)。しかし、ここに開示される従来の強調方法は、2値化後のドット配列に対し、マスクパターンによって無作為に強調するドットが決定されるものであった。すなわち、本実施形態の記録装置のように、ハーフトーニングによって多値の階調データを得た後、更にドット配置パターン化処理によって適切な階調を表現する構成においては、1画素領域内のドット配列とは全く無関係に強調が行われてしまうので、1画素に与えられた多値の階調データに意味がなくなってしまうのである。これに対し、本発明においては、1画素に与えられた多値の階調データに対応するドット配置パターンを考慮した上でマスクパターンが形成され、各画素に平等にかつ線形的に強調記録を行っていくことができるので、1画素に与えられた多値の階調データの意味が保存されていることが特徴である。
記録媒体の種類の自動識別システム
次に、本実施形態に用いる記録媒体の種類を識別する自動判別システムを説明する。
本実施形態におけるインクジェット記録装置では、不図示の記録媒体の給紙機構部に光学素子による記録媒体の種類判定部材が取り付けられており、予め普通紙かフォト専用紙かを自動的に見分けることができるようになっている。
図13に、自動識別システムの構成を示す。
図示のように、記録媒体種類の識別を行う処理装置は、光源と光電変換素子からなる光検出部1と、センサヘッドからの出力信号を処理して記録媒体種類の識別(判別)を行う処理装置3から構成されている。なお、この処理装置のことを識別装置とも称する。
光検出部31は、光源として光を発するLED32と、LEDからの光の反射光をフォトダイオードなどの光電変換素子を用いて反射光量を検出、測定するセンサとを含んでいる。なお、反射光量を検出するセンサとしては、記録媒体Pに対してLED32から発光された光の入射角と等しい角度で反射する光(正反射光)を検出するための正反射光センサ33と、記録媒体Pに対してLED32から発光された光の入射角と異なる角度で反射する光(拡散反射光)を検出するための拡散反射光センサ34とがある。ここで、記録媒体Pは、紙だけでなく、布やプラスチックフィルムなど様々な記録媒体を含み、また、記録媒体の種類を判別するための閾値を決定する際に基準となる反射基準シートをも含む。さらに、記録媒体Pには、光検出部1のキャリブレーションのために使用される反射基準シートをも含まれる。
処理装置40は、光検出部31からの出力信号をA/D変換回路を介して演算処理する信号処理手段41と、光検出部1のLED32の光量を決定する光量決定手段42と、光量決定手段42で決定された光量でLED32を発光させたり、検出時の光量を決定するためにLED32の光量を変化させる光量変化手段43とを含んでいる。信号処理手段41は、A/D変換回路、演算部からなり、光検出部41から出力される光量に応じたアナログ信号をA/D変換回路によりデジタル信号に変換されて、演算部により補正を行うなど演算された値は、記録媒体の種類を識別するときに使用される光検出部1からの反射光量に応じた検出値となる。光量決定手段42は、記憶部、比較部、演算部からなり、検出部1のキャリブレーションを行ったときのLED32の光量と信号処理手段41からの検出値との関係から、記録媒体の種類を識別するときに使用されるLED32の発光量を決定し、記憶部にその決定した値を格納する。光量変化手段43は、PWM発振回路、LED駆動回路からなり、検出部31のキャリブレーションを行うときや、記録媒体の種類を識別するときにLED32の発光量を変化させる。具体的には、検出部1のキャリブレーション時に、LED駆動回路に与えるPWMを変調させることでLED32の発光量を変化させて、正反射光センサ33、拡散反射光センサ34それぞれの受光量(信号処理手段41で得られる検出値)が予め設定された受光量となるまで、LED32の発光量に対する正反射光センサ33(または拡散反射光センサ14)の受光量を測定する。この検出部1のキャリブレーションを行うことにより、LED32のような光源の発光量と、正反射光センサ33、拡散反射光センサ34のようなセンサの受光感度の積からなる検出感度のバラツキによる検出誤差を減殺することができる。
図14に、記録媒体の種類を識別する識別装置を組み込んだ装置の一例として、識別装置を備えた記録装置の要部断面図を示す。
図において、51は前記光検出部31を搭載したアームであり、52は記録媒体Pを積載する記録媒体積載部である。このアーム51は、記録媒体積載部52と対向する位置に設けられており、随時記録媒体積載部52に積載された記録媒体Pの種類を判別することができる。なお、記録媒体積載部52に記録媒体Pが積載されていないときには、光検出部31のキャリブレーションを行っても良い。54は記録装置を動作させるための回路基板であり、図13に示した処理装置40の一部、または全てが含まれ、記録媒体種類の識別や記録動作の制御も行う。なお、1は記録ヘッド、Rは記録動作が行われるときの記録媒体の経路(搬送経路)である。
図15は、反射率の異なる記録媒体における発光量とセンサからの出力値との関係を示す図である。
図15は、比較的反射率の高い記録媒体(白色PETシート)と比較的反射率の低い記録媒体(普通紙)に対して、光の照射、反射光の測定を行ったもので、高感度のセンサから得られた正反射光量の特性を示している。図15では、予め設定された値であるセンサ出力値800における、白色PETシートのPWM駆動デューティ値は24%、普通紙のPWMデューディー値は38%であることがわかる。なお、予め設定されたセンサ出力値のことを本明細書では基準反射光量とも言う。このように、反射率が異なり反射光量の異なる複数種類の記録媒体に対応する複数の光量決定も以上に述べた動作を繰り返すことによって取得し、複数の基準反射光量を得ることができる。本願発明では、このようにして取得した複数の基準反射光量に基づいた複数組の閾値を持つことにより、記録媒体の種類を識別する。
図16に、反射率の異なる記録媒体における発光量とセンサからの出力値との関係を示す。
図16中、反射率の大きい順にPA、PB、PC、PDの4種類の記録媒体それぞれに対して、光源であるLED32のPWM駆動デューティを変化することで発光量を変化させて照射したときの反射光量、つまりセンサから得られる出力特性を示している。
図13に示した処理装置を用いて記録媒体種類の識別を行うには、まず、基準反射光量と対応する第一組の閾値を求める。ここでは、PBの記録媒体を第一組の閾値を求めるための反射基準シートとし、PBの記録媒体における基準反射光量に対応する光源LED32のPWM駆動デューティを求める。図16に示すように、基準反射光量をセンサ出力値800としたときの、PBの記録媒体における光源LED32のPWM駆動デューティは45%である。次に、記録媒体に対して、求めた光源LED32のPWM駆動デューティを45%として光を照射したときの、反射光量であるセンサ出力値を求める。図16において、光源LED32のPWM駆動デューティを45%として光を照射したときの、PA、PC、PDの記録媒体におけるセンサ出力値は、それぞれ959、497、439である。なお、このセンサ出力値は、10bitのデジタル化した値である。
次に、記録媒体の種類を識別する閾値を求める。
PA、PBの記録媒体におけるセンサ出力値は、それぞれ959、800であり、センサ出力値に差があるため、800〜959の範囲にある900を閾値G11として設けることで2A、2Bの記録媒体の種類を識別することができる。同様に、PBとPCの記録媒体に関しても同様のことが言え、497〜800の範囲にある650を閾値G12として設けるとよい。しかし、PC、PDの記録媒体におけるセンサ出力値は、497、439とセンサ出力値にあまり差がないため、439〜497の間に閾値G13を設けても記録媒体の種類を誤って識別してしまうことがある。これは、同じ種類の記録媒体であっても、センサ出力値が取り得る範囲があるためである。
従って、PC、PDの記録媒体のように、センサ出力値の差が僅差であるときには、光源LED32の発光量を変化させて改めてセンサ出力値を検出し、第二組の閾値を求める。
PCを反射基準シートとして、前述と同様に基準反射光量に対応する光源LED12のPWM駆動デューティを求める。図16に示すように、PCの記録媒体における基準反射光量に対応する光源LED32のPWM駆動デューティは61%である。光源LED32のPWM駆動デューティを61%として光を照射したときの、PA、PB、PDの記録媒体のセンサ出力値は、それぞれ972、967、708である。PC、PDの記録媒体におけるセンサ出力値は、それぞれ800、708であり、センサ出力値に十分の差があるため、708〜800の範囲にある755を閾値G21として設けることが可能となる。
このようにして、求めた閾値G11、G12、G21と光検出部1のセンサ出力値とを比較することにより、PA〜PDの4種類の記録媒体を識別することが可能になる(図17参照)。ここで、図17の左側は、PBの記録媒体を反射基準シートとし、PWM駆動デューティを45%で光源LED12を駆動したときにおける各記録媒体のセンサ出力値を示している。同様に図17の右側は、PCの記録媒体を反射基準シートとし、PWM駆動デューティを61%で光源LED32を駆動したときにおける各記録媒体のセンサ出力値を示している。
このような記録媒体の種類を識別する識別装置は、処理装置3から入出力される識別制御信号入力と識別信号出力により、記録装置内の他の処理部や、記録装置に接続される外部装置と連動して動作する。
上述のように、本実施形態では、記録媒体の識別を行うときに、光源から照射する光の発光量を異ならせて、それぞれの発光量におけるセンサ出力値と閾値とを比較することにより記録媒体の種類を識別する。このような構成とすることにより、様々な反射特性を有する記録媒体を正確に判別することが可能となる。
電力量制御
次に、本実施形態における特徴的な機能である電力量制御の概略を説明する。
ここでは、本実施形態のインクジェット記録装置において、記録動作時に行われる電力制御ための電力量の検出(モニタリング)と、検出された電力量に応じて1パス双方向記録時と2パス双方向記録時とで選択的に実行される電力制御方法について説明する。
まず、電力量制御を行うか否かを判断するために実行される電力量のモニタリングについて、その基本的な考え方を説明する。電力量制御の主目的は、本体の電源コストおよびサイズを一般消費者向けに作成するインクジェット記録装置において、どのような画像データが入力されても画像の劣化なしに必要最低限の速度を維持しつつ記録を行い得るようにすることにある。従って、記録ヘッドに配列されている全てのノズル(記録素子)を同時に使用しないように設計している。
また、本実施形態で実行される電力量制御は、基本的には、記録動作に必要とされる予め設定した電力量の閾値を超えた場合に、記録に使用するノズル数または平均電力量を低減する目的で非記録時に休止時間を設け、電源回路における供給電力を記録動作に必要とされる値まで回復させたり、記録速度を低減させて消費電力を低減させたりするものとなっている。
また、全ての記録動作モードで電力量制御が実施されるわけではなく、消費される電力量が多い一部の記録動作モードでのみ電力量制御を実施する。本実施形態では、6色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、淡シアン、淡マゼンタ)のインクを用いてカラー画像を形成するインクジェット記録装置において、各インクを吐出する6個の記録ヘッドのそれぞれに、768ノズルが配列されている場合、すなわち、合計4608ノズルを用いて記録を行う場合を例に採り説明する。
電力量制御の対象となる記録条件としては、
(a)普通紙のデフォルトモード(2400ノズル(1200dpi)・4色・2パス双方向:標準)
(b)普通紙の高速モード(1200ノズル(600dpi)・4色・1パス双方向:50%間引き記録)
(c)普通紙のエコノミーモード(1200ノズル(600dpi)・4色・1パス双方向:25%間引き記録)
(d)フォト専用紙のデフォルトモード(6色・4パス双方向)
(e)フォト専用紙の高速モード(6色・3パス双方向)
などがある。
また、電力量制御を行わない記録モードとしては、
(f)普通紙の高画質モード(2400ノズル(1200dpi)・6色・8パス双方向:カスタム)
(g)フォト専用紙の高画質モード(4800ノズル(2400dpi)・6色・8パス双方向)
などの記録動作における条件がある。
ここで、電力量制御を実施するか否かを判定する方法としては、判定方法1と、判定方法2とがある。
判定方法1では、各色に対応して設けられているプリントバッファ21Y,21M,21C,21Bk,21LC,21LM内に格納されている記録データにおいて、各プリントバッファ内の所定の判定領域内に格納されている記録ドットをカウントし、各ドットカウント値と予め対象となる各記録モード毎に設定した記録ドット数(閾値1)とを比較し、1色でも判定領域内の記録ドット数が前記閾値1を超えていれば、後述の電力制御を実施するとの判定を下す。このカウント動作及び判定処理は、CPU210によって行われる。また、本実施形態では、前記判定領域のサイズを、縦方向(ノズル方向)に768ドット(ノズル数と同じ)、横方向(ヘッドスキャン方向)に2インチ(1200ドット×2=2400ドット)としている。
この判定領域において、1色でもドットカウント数が閾値1を越えた場合は、後述の電力量制御を実施することとなる。すなわち、(a)普通紙のデフォルトモードでは、前記判定領域に記録される総記録ドット数の45%の記録ドット数を閾値とし、これを超えた時に電力量制御を実施する。また、他の記録モードにおいてもそれぞれ閾値が設定されており、前記判定領域内に記録可能な総ドット数に対し、(b)普通紙の高速モードでは60%、(c)普通紙のエコノミーモードでは60%、(d)フォト専用紙のデフォルトモードでは50%、(e)フォト専用紙の高速モードでは50%を、それぞれ閾値とし、この閾値を超えたときに電力量制御を実施する。
さらに、本実施形態では、別の目的で、電力量制御を行うか否かの判定を判定方法2によって実施している。
この判定方法2は、予め設定したサイズの前記判定領域内に記録すべき画像の各色の記録ドット数の合計が予め設定した記録ドット数(閾値2)を超えたか否かを判定する判定方法である。本実施形態では、この判定方法2による判定対象となる記録条件を、(a)普通紙のデフォルトモード、(b)普通紙の高速モード、(c)普通紙のエコノミーモードとしている。
本実施形態では、一例として、各色のプリントバッファに設定した各判定領域内の記録ドット数をカウントし、各プリントバッファの各カウント値の合計が閾値2よりも多い場合は、後述の電力量制御を実施する。本実施形態では判定領域のサイズを縦方向(ノズル方向)に768ドット(ノズル数と同じ)、横方向(ヘッドスキャン方向)に2インチ(1200×2=2400ドット)と設定している。
また、閾値2は、前記各記録モード毎に予め設定されており、(a)普通紙のデフォルトモードでは、前記判定領域の総ドット数の300%を超えた時に電力量制御を実施する。また、他の記録モードにおいてもそれぞれ閾値が設定されており、前記判定領域内に記録可能な総記録ドット数に対し、(b)普通紙の高速モードでは300%、(c)普通紙のエコノミーモードでは300%で実施するようにした。
なお、この時の制御においては、各色のドットカウント値の総和を求める時に、実際の走査において同一となる領域を判定領域とし、この判定領域に対して使用する記録素子の数をカウントすることが必要になる。つまり、色毎に判定領域の位置が異なったりしないようにする必要があり、また、レジストレーション調整を行う場合には、これを考慮して判定領域を設定する必要がある。従って、プリントバッファでは、色毎の位置情報とレジストレーション調整情報とを考慮したウインドウを設定しドットカウントを実施している。
次に、本実施形態において実行される電力量制御の選択方法について説明する。
本実施形態では、上述した記録媒体の自動検知システムにより、記憶媒体に対する記録に先立って記録媒体の種類を判別することができ、その判定された記録媒体の種類に応じて、ユーザーが速い・標準・高画質を選択することで、記録動作が開始される。
この時、PC(パーソナルコンピュータ)などによって構成されるホスト装置から送られてくる画像データは、前述の画像処理フローによって処理し、4色または、6色の記録データに変換した後、プリントバッファーに格納される。この後、上記で説明した判定方式1または判定方式2で判定された結果、すなわち、電力量制御を行うか否かの判定結果に従いつつ記録動作を実施する。
一例として、ウェブからダウンロードした文字などの記録情報を、普通紙に対して高速モード(前述の(b)の記録モード)で記録動作しているときに、上記閾値1または閾値2を超えた場合は、電力量制御として使用ノズルを制限した記録動作(例えば、後述の分割記録動作)へと移行する。また、デジタルカメラから出力された写真データを、フォト専用紙に対してデフォルトモード(前述の(d)の記録モード)で記録しているときに、上記閾値1または閾値2を超えた場合は、電力量制御として各走査の間に休止時間を設けた記録動作(平均記録時間制御)へと移行する。つまり、本実施形態では、前述の判別方式1、または判別方式2によって電力制御を行うべきであると判別された場合に、異なる種類の電力量制御(ここでは、分割記録動作と平均記録時間制御)の中から、記録媒体の種類および現在実行されている記録モードなどによって決定される記録動作条件に応じた電力量制御を選択するようにしている。
ここで、記録媒体の種類によって異なった電力量制御を選択する理由について簡単に説明する。一般に普通紙のようにインクによって形成されるドットが記録媒体の中の繊維に沿って広がり易い記録媒体、つまりにじみ易い記録媒体では、ドット形状が不安定でドット直径が大きくなり、ドットとドットの重なる範囲が大きくなる。しかも普通紙の表面は凹凸状態が激しいため、ドットの濃度分布は緩やかになり、ドット同士が重なった部分と重ならない部分との濃度変化は少なくなる。従って、記録ヘッドの端部ノズルなどから吐出されるインク滴のヨレなどの影響によるスジ状の濃度ムラの発生は比較的見えにくくなる。しかし、ドット同士の重なり部分が広くなることから、記録画像においてインクの乾燥条件に差が生じ、その乾燥条件の差によって濃度変化が生じる。このため、にじみの発生し易い記録媒体への記録動作時には、休止時間による電力制御(平均電力制御)よりも、マルチパス記録においてパス数を増加するような分割記録による電力制御の方が適している。
これに対して、フォト専用紙のようにインクを受容するためのコート層を持った記録媒体では、ドットを形成するインクがにじみにくく、安定した形状のドットが形成されると共に、そのドット径は小径となる。このため、ドット同士の重なる範囲が少なくなってドットの濃度分布が急峻になり、ドット同士が重なる部分と重ならない部分との濃度変化が大きくなり、記録ヘッドの端部ノズルから吐出されるインク滴のヨレなどの影響によってスジ状の濃度ムラが比較的見え易くなる。従って、フォト画像などのように全般的に高デューティーで記録を行う場合、単純に分割記録を実施すると、先にマルチパス記録時のマスク設計に関する説明でも述べたように、端部ノズルから吐出されるインク滴に気流の影響によるヨレが生じ、白スジがいっそう目立つこととなる。但し、フォト画像を高デューティで記録する場合には、ドット同士の重なる範囲が少なく、インクの乾燥条件の差による濃度変化は少なくなる。このため、高デューティ記録を行う場合には、パス数を増加させるような分割制御による電力制御を行うよりも、前述のように各走査の間に休止時間を設けるような電力量制御(平均記録時間制御)を行う方が適正な画像を形成することができる。従って、本実施形態では、高デューティ記録において電力量制御を行う場合には、平均記録時間制御を選択するようになっている。
次に、本実施形態で行う電力制御としての分割記録方法と、電力制御(平均記録時間制御)具体例を説明する。
図18および図19は、本実施形態で用いた使用ノズル数を制限する分割記録方式を示す説明図であり、図18は1パス記録時に行われる分割記録方式を、図19は2パス記録時に行われる分割記録方式をそれぞれ示している。
前述の(a)普通紙の高速モードと、(b)普通紙のエコノミーモードにおいて行われる1パス記録動作において、前述の判定方法1により、判定領域内に記録すべきドットのカウント値が閾値1を超えていないと判定された場合には、図18に示すように、各記録ヘッドの1走査領域に対し、記録ヘッドの全てのノズル(ここでは、768ノズル)を用いて、1回の走査で全ての記録データを記録する1パス記録動作が行われる。これに対し1パス記録動作中に、前述の判定方法1によって判定領域内に記録すべきドットのカウント値が閾値1を超え、電力量制御を要すると判定された場合には、通常の1パス記録によって記録される記録データを、記録媒体の搬送動作を伴わない3回の走査n、n+1,n+2に分割して記録する。分割の仕方は、768ノズルを32ノズル毎に24ブロックに分け、第1走査(n)では、1から32ノズル、97から128ノズル、・・・、673から704の8ブロックを用いて記録する。次に、第2走査(n+1)では、33から64ノズル、129から160ノズル、・・・、705から736の8ブロックを用いて記録する。最後に第3走査(n+2)では、65から96ノズル、161から192ノズル、・・・、737から768の8ブロックを用いて記録する。なお、この第1走査から第3走査の間に、記録媒体の搬送動作は行われない。
次に、図19に基づき、普通紙のデフォルトモードなどで行われる2パス記録動作時における分割制御を説明する。
この2パス記録動作時において、前述の判定方法1により、判定領域内に記録すべきドットのカウント値が閾値1を超えていないと判定される場合には、通常の2パス記録動作が行われる。すなわち、通常の2パス記録動作では、記録ヘッドのノズル(ここでは、768ノズル)を2分割して2つのノズル群を設定し、記録ヘッドの2回の走査(1パス目と2パス目)の間に、記録媒体の搬送動作を行うことにより、1ノズル群の幅に相当する記録領域に対して、異なるノズル群を用いて記録データが記録される。
これに対し、判定領域内に記録すべきドットのカウント値が閾値1を超えていると判定された場合には、通常の2パス記録の1パス目P1および2パス目P2において記録されるデータを、記録媒体の搬送動作を伴わない3回の走査P1(n、n+1、n+2)と、P2(n+3、n+4、n+5)とに分割して記録する。分割の仕方は1パス記録時と同様で、768ノズルの1パス目と2パス目をそれぞれ32ノズル毎に24ブロックに分け、1パス目の第1走査(n)では、1から32ノズル、97から128ノズル、・・・、673から704の8ブロックを用いて記録する。次に、第2走査(n+1)では、33から64ノズル、129から160ノズル、・・・、705から736の8ブロックを用いて記録する。最後に第3走査(n+2)では、65から96ノズル、161から192ノズル、・・・、737から768の8ブロックを用いて記録する。ここで、前記1ノズル群の幅(384ノズル分の長さ)に相当する記録媒体の搬送動作を行った後、2パス目の第4スキャン(n+3)では、1から32ノズル、97から128ノズル、・・・、673から704の8ブロックを用いて記録する。次に、第5スキャン(n+4)では、33から64ノズル、129から160ノズル、・・・、705から736の8ブロックを用いて記録する。最後に第6スキャン(n+5)では、65から96ノズル、161から192ノズル、・・・、737から768の8ブロックを用いて記録し終了する。
このように、分割記録動作を行うことにより、1パス記録時には、1つの記録走査領域において記録すべき記録データを、2パス記録時には各パスにおいて記録すべきデータを、それぞれ3回に分けて記録するため、各走査時における電力量は低減され、良好な画像を形成することができる。
次に、本実施形態において使用する他の電力量制御である平均記録時間制御について説明する。
本実施形態においては、記録ヘッドの各走査間の非記録時間を制御することによって、記録動作に要する平均記録時間を制御するものである。このように平均記録時間を制御することによって、すなわち、フォト専用紙を用いた記録動作において、前記判定領域におけるドットカウント値が前記閾値1を超えるような高デューティで記録が行われる場合には、電力供給回路部から供給される電力に不足が生じるため、次の走査が開始されるまでの間に休止時間を設定して平均記録時間を延長する。その結果、記録動作時に発生した電力不足は、前記休止時間中に電力供給回路部の充電部分(主に、コンデンサー部分)にて回復され、次の記録走査に十分な電力を供給することが可能となる。また、この平均記録時間制御によれば、高デューティ記録においても、端部ノズルから吐出されるインク滴のヨレなどに大きく影響されることはなく、高品位な画像を形成することが可能となる。
このような平均記録時間制御を可能とするため、本実施形態では、フォト専用紙を用いた通常記録時には、電力供給回路部で電力不足が生じないような値に前記閾値1を設定している。そして、この閾値1を上回るようなデューティーで記録が行われる場合、つまり、電力不足が発生しそうな場合には前記休止時間を設定するようにしている。但し、休止時間を必要以上に長時間に設定すると、記録媒体のインク吸収による収縮で発生するコックリング(波うち現象)や濃度変化が発生するため、本実施形態では、休止時間を100msとした。また、1スキャンの実際の記録時間(8インチ幅):Tr(約500ms)と、キャリッジのランプアップ時間(またはメディアの搬送時間):Tud(約100ms)と、休止時間:Tw(約100ms)との関係から、非記録時間は約200msに設定した。これにより、電力供給回路の電力供給能力を復帰させるために十分な時間が確保された。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、記録媒体の種類を光学式のセンサーを用いて自動的に検出する場合を示したが、本発明は、これに限定されるものではなく、プリンタドライバの一般的な記録媒体選択機能を用いてユーザーが記録媒体の種類を指定したり、記録媒体に予めマークを入れるなどの手段を使用して記録媒体の種類を指定するようにしても良い。
また、記録媒体の種類判別装置も上記実施形態に示したもの限らず、その他の構成を有するものを適用することも可能である。例えば、可視光と紫外光の2つのセンサーを利用することにより、普通紙とフォト専用紙のような2種類の記録媒体だけでなく、その他の多種多様な特殊紙(光沢系、半光沢、マット、など)を自動で検出することも可能であり、検出した記録媒体に最適な電力制御と記録方法を種々選択するようにすることも可能である。上記実施形態では、使用する記録媒体として、普通紙とフォト専用紙とを例に挙げ、これらの特性が異なることを説明したが、記録媒体の特性は、記録媒体の種類毎に異なる。すなわち、記録媒体の特性は、インクの受容量、吸収速度、発色特性、濃度特性、濃度時間変化、ドット形状、ドットサイズ、ドット濃度分布、色むらなど様々な要素が含まれており、これらの要素に応じて記録方法を選択することが望ましい。従って、今後、記録媒体の違いを検出・指定することは益々重要となってくる。
さらに、上記実施形態では、電力制御用のウインドウサイズ(縦・横・色など)を一定値に設計したが画像情報によって、適応的にサイズを変更することでより細かな制御が可能となることは言うまでもない。
さらに、平均時間制御方法では、各走査間の休止時間を制御する場合を例に採り説明したが、記録素子の駆動周波数を変更するなどして記録速度を低下させて記録動作の平均時間を制御することも可能である。つまり、フォト専用紙を用いる場合には、分割記録方式のような記録方式自体を変更するような制御は行わず、記録素子のインク吐出機能が十分に発揮されるように電力供給を制御すれば良い。
また、上記実施形態では、記録ヘッドに対する供給電力の不足を解消するための制御を中心に説明したが、記録ヘッドの本来の能力は、ノズルに対するインクの供給能力によっても損なわれる場合がある。すなわち、所定時間内にインクタンクから記録素子へと供給し得るインク量(インク供給能力)は予め規定されているため、このインク供給能力を超える量のインクが記録素子から吐出された場合には、ノズルに対するインク供給不足が生じる。本実施形態では、1.5g/minのインク供給量を超えるようなインク吐出を要する画像データが入力されると、タンク側からの記録ヘッドへのインク供給が不十分となり、吐出量低下や画像のかすれなどが生じたり、場合によっては不吐などの現象が発生し画像の劣化を引き起こす。従って、例えば、1色につき、2plのインク滴を768ノズルから20KHzで吐出させると、1秒間に吐出されるインク吐出量は、1.8g/minとなり、インクタンクのインク供給能力1.5g/minを超えることとなる。この場合は、電力制御と同様にインク流量制御を実施する必要が生じる。
このため、インク吐出量が所定値を超えた場合は、インク吐出量を制限するような制御を行うことによって、記録素子からの適正な吐出状態を維持することが可能となる。このインク吐出量制御は、電力制御と同様の記録制御を選択することにより実現することができる。つまり、所定時間内における記録ヘッドにおけるノズルの駆動数を制御すれば良い。但し、電力供給回路と同様にインクタンクの供給能力はインクの総流量と単位時間の流量など様々な条件で復帰状態が異なるので電力制御と同様に休止時間を設けることで、通常の状態に戻すような制御、つまり平均記録時間制御を行うことが望ましい。
なお、上記実施形態では、判定領域において駆動される記録素子の数(駆動素子数)あるいはインク吐出量を求め、その駆動素子数あるいはインク吐出量が所定の閾値より大であるか否かを判定し、大である場合には、予め設定した分割数によって分割記録方式、あるいは予め設定した休止時間による平均記録時間変更方式によって記録動作を行うようにした場合を例に採り説明した。しかし、上記実施形態のように、前記駆動素子数あるいはインク吐出量が、前記閾値より大きいか否かの判定を行うだけでなく、駆動素子数あるいはインク吐出量と閾値との差分を求め、その差分に応じて、分割記録方式における分割数(前記搬送手段による1回の搬送量および1走査期間における記録素子の駆動数)を変更したり、あるいは、前記平均記録時間変更方式における一走査期間の延長時間を変更したりするようにすることも可能であり、これによれば、より効率的な電力量制御、あるいはインク吐出量制御が可能となる。
以上説明したように本実施形態によれば、電力制御やインク流量制御が、記録媒体の種類および記録方式によって、最適な電力制御を選択して実行するようになっている。すなわち、画質と高速性を両立させるために比較的色数が少なく(4色以下)、パス数の少ない(2パス以下)高速記録を重視した普通紙記録モードにおいて、グラフやテキスト中心の画像を形成する場合のように、瞬間的に記録ドット数が高まるような画像データを記録する場合には画質劣化(スジや濃度・色ムラ)などが発生しにくいので、分割記録を採用する。また、比較的色数が多く(4色以上)、パス数の多い(3パス以上)高画質記録を重視した専用紙記録モードでは、平均記録ドット数が常に高デューティになる写真画像などの記録データが主体になるため、画質劣化(スジや濃度・色ムラ)などが目立ち易くなる。このため休止時間を加えたり、駆動周波数を低下させるといった平均記録時間制御を採用することで、高密度(1200dpi以上)・多ノズル(512ノズル以上)・高速型(10KHz以上)のインクジェット記録においても、限られた電力容量の電源または限られたインク供給能力のインク供給部を有効に利用し、スループット低下の少ない高画質な画像記録を実現することが可能となる。
本発明の実施形態に適用するインクジェット記録装置の機構的構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態におけるインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態における画像データ変換処理の流れを説明するためのブロック図である。 本発明の実施形態における高画質モード時のドット配置パターン化処理を示す図であり、入力レベル0〜8に対する出力パターンを示している。 本発明の実施形態におけるマルチパス記録方法を説明するために、記録ヘッドおよび記録パターンを模式的に示した図である。 本発明の実施形態における高画質写真モードで実際に適用するマスクパターンを示す図である。 本発明の実施形態における高速モード時のドット配置パターン化処理を示す図であり、入力レベル0〜4に対する出力パターンを示している。 本発明の実施形態における高速モードで実際に適用するマスクパターンを示す図である。 図8における各ノズル群に対応する領域の、左上に位置する4エリア×4エリアの領域を拡大して示す図である。 図7で示した入力レベル0〜4に対して、最終的に記録されるドットの様子および数を示す図である。 本発明の実施形態における4パスのマスクパターンの左上に位置する2エリア×16エリアを示す図である。 図4で示した入力レベル0〜8に対して、最終的に記録されるドットの様子および1画素領域に記録されるドット数を示す図である。 本発明の実施形態における自動判別システムの構成を示すブロック図である。 図13に示す自動判別システムを組み込んだ記録装置の要部を概略的に示す断面図である。 図13に示す自動判別システムによって反射率の異なる記録媒体を検出する際の光源からの発光量とセンサからの出力値との関係を示す図である。 図13に示す自動判別システムによって反射率の異なる記録媒体における光源からの発光量とセンサからの出力値との関係を示す。 図13に示す自動判別システムによって光源を異なるデューティで駆動したときの各記録媒体のセンサ出力値を示している。 本発明の実施形態において1パス記録時に行われる分割記録方式を示す説明図である。 本発明の実施形態において2パス記録時に行われる分割記録方式を示す説明図である。
符号の説明
1 ヘッドカートリッジ
1Bk ブラック用ヘッドカートリッジ
1C シアン用ヘッドカートリッジ
1M マゼンタ用ヘッドカートリッジ
1Y イエロー用ヘッドカートリッジ
1LC 淡シアン用ヘッドカートリッジ
1LM 淡マゼンタ用ヘッドカートリッジ
2 キャリッジ
6 キャリッジモータ
P,PA、PB、PC、PD 記録媒体
100 インクジェット記録装置
101 ホストコンピュータ
201 制御部
202 ヘッドドライバ
205 紙送りモータ
210 CPU
211 ROM
212 プリントバッファ
214 電力供給回路部

Claims (14)

  1. 電気的エネルギーをインクを吐出するためのエネルギーに変換する記録素子を複数配列した記録ヘッドを所定の方向に沿って走査させる走査手段と、前記記録ヘッドの走査方向と交差する方向に記録媒体を搬送する搬送手段とを有するインクジェット記録装置であって、
    前記記録ヘッドの複数の記録素子を駆動する駆動手段と、
    記録動作における記録条件を設定する設定手段と、
    記録ヘッドの一走査領域内に設定される所定の判定領域において、前記駆動手段により記録素子を駆動する回数を検出する駆動数検出手段と、
    前記駆動数検出手段による検出値が所定の閾値より大であるか否かを判定する判定手段と、
    前記記録ヘッドの一走査期間における記録素子の駆動回数の設定値を変更する第1の変更手段と、
    前記記録ヘッドが記録走査を開始してから次の記録走査が開始されるまでの一走査期間を変更する第2の変更手段と、
    前記判定手段によって前記検出値が前記閾値より大であると判定されたとき、前記設定手段によって設定されている記録条件に応じて、前記第1の変更手段と第2の変更手段のいずれか一方を選択して記録動作を実行させる制御手段と、
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記設定手段は、記録条件として記録媒体の種類と、記録モードとを設定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記設定手段は、高速記録モード、標準記録モード、高画質記録モードのいずれか一つの記録モードを選択的に設定することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記設定手段は、使用する記録媒体に光を照射し、その反射光に基づき自動的に記録媒体の種類を識別する自動識別手段を有することを特徴とする請求項2または3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記自動識別手段は、前記記録媒体の種類を判別する手段として可視光と紫外光を利用して判別することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記記録ヘッドは複数個設けられ、
    前記駆動数検出手段は、記録ヘッドの一走査領域内に設定される所定の判定領域において、前記駆動手段により記録素子を駆動する回数を各記録ヘッド毎に検出し、
    前記判定手段は、前記駆動検出手段によって各記録ヘッド毎に検出される各検出値が前記閾値より大であるか否かを判定し、
    前記制御手段は、少なくとも一つの記録ヘッドにおける前記検出値が前記閾値より大であると判定されたとき、前記設定手段によって設定されている記録条件に応じて、前記第1の変更手段と第2の変更手段のいずれか一方を選択して記録動作を実行させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記記録ヘッドは複数個設けられ、
    前記駆動数検出手段は、記録ヘッドの一走査領域内に設定される所定の判定領域において、前記駆動手段により駆動される記録素子を駆動する回数を各記録ヘッド毎に検出し、
    前記判定手段は、前記駆動数検出手段によって各記録ヘッド毎に検出される各検出値の合計値が前記閾値より大であるか否かを判定し、
    前記制御手段は、前記合計値が前記閾値より大であると判定されたとき、前記設定手段によって設定されている記録条件に応じて、前記第1の変更手段と第2の変更手段のいずれか一方を選択して記録動作を実行させることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記第1の変更手段は、同一の記録走査領域を複数回の走査に分けて記録する分割記録方式を設定し、
    前記第2の変更手段は前記一走査期間を延長する平均時間変更方式を設定することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記第2の変更手段は、記録ヘッドの駆動周波数と非記録時間の少なくとも一方を変更することによって一走査期間を変更することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記制御手段は、前記判定手段によって前記検出値が前記閾値より大であると判定され、かつ前記設定手段によって設定されている記録媒体の種類が着弾インクを拡散させ易い種類であると判定されたときには、前記第1の変更手段によって設定される分割記録方式を選択して記録動作を実行させ、
    前記判定手段によって前記検出値が前記閾値より大であると判定され、かつ前記設定手段によって設定されている記録媒体の種類が着弾インクを拡散させにくい種類あると判定されたときには、前記第2の変更手段によって設定される平均時間変更方式を選択して記録動作を実行させることを特徴とする請求項2ないし9のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記判定手段は、前記駆動数検出手段による検出値が所定の閾値より大であるか否かを判定すると共に、前記検出値と前記閾値との差分量を求め、
    前記第1の変更手段は、前記駆動数検出手段による検出値と前記閾値との差分量に応じて、前記搬送手段による1回の搬送量と1走査期間における記録素子の駆動回数の設定値とを変更し、
    前記第2の変更手段は、前記駆動数検出手段による検出値と前記閾値との差分量に応じて、前記平均記録時間変更方式における一走査期間の延長時間を変更することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  12. 電気的エネルギーをインクを吐出するためのエネルギーに変換する記録素子を複数配列した記録ヘッドを用い、前記記録ヘッドを所定の方向に沿って走査させつつ前記記録素子を駆動すると共に、前記記録ヘッドの走査方向と交差する方向に記録媒体を搬送して記録を行うインクジェット記録方法であって、
    前記記録ヘッドの複数の記録素子を駆動する駆動工程と、
    記録動作における記録条件を設定する設定工程と、
    記録ヘッドの一走査領域内に設定される所定の判定領域において、前記駆動手段により記録素子を駆動する回数を検出する駆動数検出工程と、
    前記駆動数検出手段による検出値が所定の閾値より大であるか否かを判定する判定工程と、
    前記記録ヘッドの一走査期間における記録素子の駆動回数の設定値を変更する第1の変更工程と、
    前記記録ヘッドが記録走査を開始してから次の記録走査が開始されるまでの一走査期間を変更する第2の変更工程と、
    前記判定手段によって前記検出値が前記閾値より大であると判定されたとき、前記設定手段によって設定されている記録条件に応じて、前記第1の変更手段と第2の変更手段のいずれか一方を選択して記録動作を実行させる制御工程と、
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録方法。
  13. 電気的エネルギーをインクを吐出するためのエネルギーに変換する記録素子を複数配列した記録ヘッドを所定の方向に沿って走査させる走査手段と、前記記録ヘッドの走査方向と交差する方向に記録媒体を搬送する搬送手段とを有するインクジェット記録装置であって、
    前記記録ヘッドの記録素子に供給するための電気エネルギーを発生する電力供給手段と、
    前記記録ヘッドの複数の記録素子に前記電力供給手段からの電気エネルギーを供給して前記記録素子を駆動する駆動手段と、
    記録動作における記録条件を設定する設定手段と、
    前記記録ヘッドの一走査領域内に設定される所定の判定領域において前記駆動手段により記録素子を駆動する回数を検出する駆動数検出手段と、
    前記駆動数検出手段による検出値が所定の閾値より大であるか否かを判定する判定手段と、
    前記記録ヘッドの一走査期間における前記記録素子の駆動回数の設定値を変更する第1の変更手段と、
    前記記録ヘッドが記録走査を開始してから次の記録走査が開始されるまでの一走査期間を変更する第2の変更手段と、
    前記判定手段により前記検出値が前記閾値より大であると判定されたとき、前記設定手段によって設定されている記録条件に応じて、前記第1の変更手段と第2の変更手段のいずれか一方を選択して記録動作を実行させる制御手段と、
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  14. 電気的エネルギーをインクを吐出するためのエネルギーに変換する記録素子を複数配列した記録ヘッドを所定の方向に沿って走査させる走査手段と、前記記録ヘッドの走査方向と交差する方向に記録媒体を搬送する搬送手段とを有するインクジェット記録装置であって、
    前記記録ヘッドの記録素子にインクを供給するインク供給源と、
    前記記録ヘッドの複数の記録素子を駆動する駆動手段と、
    記録動作における記録条件を設定する設定手段と、
    前記記録ヘッドの一走査領域内に設定される所定の判定領域において前記駆動手段により記録素子を駆動する回数に応じて前記判定領域に吐出されるインク量を検出するインク量検出手段と、
    前記インク量検出手段による検出値が前記インク供給源のインク供給能力によって決定される所定の閾値より大であるか否かを判定する判定手段と、
    前記記録ヘッドの一走査期間における記録素子の駆動回数の設定値を変更する第1の変更手段と、
    前記記録ヘッドが記録走査を開始してから次の記録走査が開始されるまでの一走査期間を変更する第2の変更手段と、
    前記判定手段により前記検出値が前記閾値より大であると判定されたとき、前記設定手段によって設定されている記録条件に応じて、前記第1の変更手段と第2の変更手段のいずれか一方を選択して記録動作を実行させる制御手段と、
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
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