図1は本発明の最良の実施形態によるパチスロ機1の外観を示す正面図である。
パチスロ機1の本体中央部には、3個のリール2,3,4が回転自在に設けられている。各リール2,3,4の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれている。これらシンボルはパチスロ機1の正面の表示窓5,6,7を通してそれぞれ3個ずつ観察される。各リール2,3,4は、複数のシンボルを変動表示する複数の変動表示部を構成している。この表示窓5,6,7には、横3本と斜め2本の計5本の入賞ラインが設けられている。また、表示窓5,6,7の下方右側には、遊技者が遊技に賭ける遊技媒体であるメダルが投入される、メダル投入口8が設けられている。
ゲーム開始に先立って、遊技者がメダル投入口8から1枚のメダルを投入したときは、中央の横1本の入賞ラインが有効化される。また、2枚投入したときは、これに上下の横2本の入賞ラインが加わって横3本の入賞ラインが有効化される。また、3枚投入したときは、これに斜め2本の入賞ラインが加わって5本の入賞ライン全てが有効化される。
また、表示窓5,6,7の左方には、遊技動作表示器9,10,11,12、BETランプ13,14,15、貯留枚数表示部16、およびスタートランプ17が設けられている。各表示器9,10,11,12およびBETランプ13,14,15は遊技状態に応じて点灯制御され、その時の遊技状態が遊技者に知らされる。貯留枚数表示部16は、3桁の7セグメントLED(発光ダイオード)からなり、機械内部のメダルカウンタに現在クレジットされているメダル数を表示する。スタートランプ17は各リール2,3,4が作動可能な時に点滅する。
また、表示窓5,6,7の右方には、上部から、ボーナスカウント表示部18、WINランプ19、配当枚数表示部20、およびインサートランプ21が設けられている。ボーナスカウント表示部18は、3桁の7セグメントLEDからなり、ボーナスゲーム入賞時に、RBゲームおよびジャックゲームの残り入賞可能回数をデジタル表示する。WINランプ19は有効化入賞ラインに入賞組み合わせのシンボルが揃った時に点灯する。配当枚数表示部20は、3桁の7セグメントLEDからなり、入賞によるメダル払い出し枚数を表示する。インサートランプ21はメダル投入口8にメダルの投入が受付可能な時に点灯する。
また、表示窓5,6,7の直ぐ下方には、液晶表示装置22が設けられている。液晶表示装置22の左側には十字キー23、「○」ボタン24、「×」ボタン25、1貯留メダル投入スイッチ26、2貯留メダル投入スイッチ27、および3貯留メダル投入スイッチ28が設けられている。十字キー23は、上下左右の4方向のスイッチ操作を検出して、液晶表示装置22に表示される情報項目を選択する際に使用される。「○」ボタン24は十字キー23によって選択された情報項目を決定するボタンであり、「×」ボタン25は十字キー23によって選択された情報項目をキャンセルするボタンである。また、貯留メダル投入スイッチ26,27,28は、貯留枚数表示部16にメダル数が表示されてクレジットされている際に、メダル投入口8へのメダル投入に代えて1回のゲームに1〜3枚のメダルを賭ける際に使用される。
また、液晶表示装置22の下方には、左側から、貯留メダル精算スイッチ29、スタートレバー30およびストップボタン31,32,33が設けられている。貯留メダル精算スイッチ29は機械内部にクレジットされているメダルを精算する際に使用される。スタートレバー30は、パチスロ機1による遊技動作を開始させるために遊技者に操作される遊技開始操作手段であり、その操作端は所定の角度範囲内で回動自在に構成されている。このスタートレバー30が遊技者に操作されることにより各リール2,3,4の回転が一斉に開始する。ストップボタン31,32,33は、各リール2,3,4に対応して配置されており、これら各リール2,3,4の回転が一定速度に達したときに操作が有効化され、遊技者の操作に応じて各リール2,3,4の回転を停止する。
また、パチスロ機1の正面下部にはメダル受皿37が設けられている。このメダル受皿37はメダル払出口38から払い出されるメダルを貯めるものである。また、パチスロ機1の正面上部には、入賞に対してどれだけのメダルが払い出されるかを示す配当表示部39が設けられており、この配当表示部39の左右には一対のスピーカ96,96が設けられている。
各リール2,3,4は図2に示す回転リールユニットとして構成されており、フレーム41にブラケット42を介して取り付けられている。各リール2,3,4はリールドラム43の外周にリール帯44が貼られて構成されている。リール帯44の外周面にはシンボル列が描かれている。また、各ブラケット42にはステッピングモータ45が設けられており、各リール2,3,4はこれらモータ45が駆動されて回転する。
各リール2,3,4の構造は図3に示される。なお、同図において図2と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。同図(a)に示すように、リール帯44の背後のリールドラム43内部にはランプケース46が設けられており、このランプケース46の3個の各部屋にはそれぞれリールバックランプ47a,47b,47cが取り付けられている。これらバックランプ47a,47b,47cは、同図(b)に示すように、異なる複数の色を発光するLED47が基板48に取り付けられて構成されており、基板48はランプケース46の背面に取り付けられている。また、ブラケット42にはホトセンサ49が取り付けられている。このホトセンサ49は、リールドラム43に設けられた遮蔽板50がリールドラム43の回転に伴ってホトセンサ49を通過するのを検出する。
各バックランプ47a,47b,47cは後述するランプ駆動回路89(図7参照)によって点灯制御される。各バックランプ47a,47b,47cの点灯により、リール帯44に描かれたシンボルの内、各バックランプ47の前部に位置する3個のシンボルが背後から個別に照らし出され、各表示窓5,6,7にそれぞれ3個ずつのシンボルが映し出される。
図4は、左,中,右の各リール2,3,4のリール帯44に表された複数種類のシンボルが、21個配列されたシンボル列を示している。各シンボルには“00”,“01”,“02”,“03”,“04”,“05”,“06”,“07”,“08”,“09”,“10”,“11”,“12”,“13”,“14”,“15”,“16”,“17”,“18”,“19”,“20”のコードナンバーが付され、後で説明するプログラムROM65(図6参照)にデータテーブルとして各シンボルは格納されている。各リール2,3,4上には、白抜きの数字「7」で表される“赤7”、斜線が付された数字「7」で表される“青7”、上半分の半円形状をした“上チリ”、下半分の半円形状をした“下チリ”、スイカの絵で表される“スイカ”、文字「Replay」で表される“Replay”、およびベルの絵で表される“ベル”のシンボルで構成されるシンボル列が表されている。各リール2,3,4は、シンボル列が同図の矢印方向に移動するように回転駆動される。
図5は、各入賞役に対応する、各遊技状態における入賞シンボル組合せ、および払出枚数を示す。
本実施形態によるパチスロ機1の遊技状態には、「一般遊技状態」、「BB内部当選状態」、「RB内部当選状態」、「BB中一般遊技状態」および「RB遊技状態」がある。これら5種類の各遊技状態は、基本的に、内部当選する可能性のある役の種類および入賞成立を実現することが可能なボーナスの種別により区別される。
BBの入賞成立を契機として発生し、「BB中一般遊技状態」および「RB遊技状態」により構成される遊技状態を総称して、以下「BB遊技状態」という。また、「BB内部当選状態」および「RB内部当選状態」は、ボーナスに内部当選している状態であり、これらを総称して、以下、「内部当選状態」または「持越状態」という。この状態では、少なくともいずれか一方のボーナス当選フラグを持ち越している状態にある。つまり、BB入賞役またはRB入賞役のボーナス当選フラグは、ボーナスに内部当選した後、ボーナスの入賞が実際に成立するまでの間、次回のゲームに持ち越され、当選役として保持される。その他の役の当選フラグは、内部当選した単位遊技においてだけ有効であり、次回以降の遊技には持ち越されない。
図5に示すように、BBの入賞は、BB当選フラグの持越状態において“赤7−赤7−赤7”または“青7−青7−青7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより成立する。BBの入賞が成立すると、15枚のメダル払い出しが行われ、遊技状態はBB中一般遊技状態となる。
RBの入賞は、RB当選フラグの持越状態において“赤7−赤7−青7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶこと、またはBB中一般遊技状態において“Replay−Replay−Replay”が並ぶことにより成立する。BB中一般遊技状態においてRBの入賞が成立することを、一般に「JAC IN」と称する。RBの入賞が成立すると、15枚のメダル払い出しが行われ、遊技状態がRB状態となる。
RB遊技状態において“Replay−Replay−Replay”、“赤7−Replay−Replay”、または“青7−Replay−Replay”が並ぶことにより、役物の入賞が成立する。役物の入賞成立回数が“8回”となったとき、または“12回”の単位遊技を行ったときに遊技状態が変化する。ここで、役物の入賞が成立する可能性のあるRB遊技状態のゲームは、一般に「JACゲーム」と称される。
再遊技の入賞は、一般遊技状態および持越状態において“Replay−Replay−Replay”が並ぶことにより成立する。再遊技の入賞が成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者はメダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。
また、一般遊技状態、持越状態およびBB中一般遊技状態では、「ベルの小役」、「スイカの小役」、「上チリの小役」、および「下チリの小役」の入賞成立を実現することが可能であるが、その払出枚数、およびシンボル組み合わせは図示の通りである。
図6および図7は、上述したパチスロ機1の遊技処理動作を制御するメイン制御基板61およびサブ制御基板62に構成された回路構成を示している。
図6に示すメイン制御基板61における制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)63を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン63は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うメインCPU(中央演算処理装置)64と、プログラム記憶手段であるプログラムROM(リード・オンリ・メモリ)65およびバックアップ機能付き制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)66とを含んで構成されている。
メインCPU64には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路67および分周器68と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器69および発生した乱数の1つを特定する乱数サンプリング回路70とが接続されている。さらに、後述する周辺装置(アクチュエータ)との間で信号を授受するI/Oポート(入出力ポート)71が接続されている。
プログラムROM65は、各種テーブルや、このパチスロ機1でゲームを実行するためのシーケンスプログラム等を格納するように記憶部が区分されている。このプログラムROM65内には図示しない入賞シンボル組合せテーブルも格納されている。この入賞シンボル組合せテーブルには、配当表示部39に示される各入賞シンボル組合せのシンボルコードや、「リーチ目」を構成するシンボル組合せのシンボルコード、各入賞を表す入賞判定コード、入賞メダル配当枚数等が記憶されている。ここで、リーチ目とは、BBまたはRBが入賞可能であることを示唆するシンボル組合せである。この入賞シンボル組合せテーブルは、左リール2,中リール3、右リール4の停止制御時、および全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
メインCPU64は、プログラムROM65に格納されているシーケンスプログラムに従って遊技処理を行う。このメインCPU64を含むマイコン63は、遊技開始指令信号の検知と遊技状態とに基づいて内部当選役を決定する内部当選役決定手段を構成している。
マイコン63からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各リール2,3,4を回転駆動するステッピングモータ45、各種ランプ(BETランプ13,14,15、スタートランプ17、WINランプ19、インサートランプ21)、各種表示部(遊技動作表示器9,10,11,12、貯留枚数表示部16、ボーナスカウント表示部18、配当枚数表示部20)、およびメダルを収納するホッパー72がある。これらはそれぞれモータ駆動回路73、各ランプ駆動回路74、各表示部駆動回路75、およびホッパー駆動回路76によって駆動される。これら駆動回路73,74,75,76は、マイコン63のI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。
また、マイコン63が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、メダル投入口8から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ8S、スタートレバー30の操作を検出するスタートスイッチ30S、前述した貯留メダル投入スイッチ26,27,28、および貯留メダル精算スイッチ29がある。スタートレバー30およびスタートスイッチ30Sは、遊技者の操作により単位遊技の開始を指令する遊技開始指令信号を出力する遊技開始指令手段を構成している。さらに、上記の入力信号発生手段としては、ホトセンサ49からの出力パルス信号を受けて各リール2,3,4の回転位置を検出するリール位置検出回路77がある。ホトセンサ49は各リール2,3,4の駆動機構に含まれており、同図では示されていない。
リール位置検出回路77は、リール2,3,4の回転が開始された後、ステッピングモータ45の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値を制御RAM66の所定エリアに書き込む。従って、制御RAM66内には、各リール2,3,4について、1回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されている。また、ホトセンサ49は各リール2,3,4が1回転する毎にリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路77を介してメインCPU64に与えられ、制御RAM66で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ45の回転との間に生じるずれが、1回転毎に解消されている。マイコン63、リール2,3,4、モータ駆動回路73、リール位置検出回路77、およびステッピングモータ45は、複数のシンボルを変動表示する複数の変動表示部を有する変動表示手段を構成している。
さらに、上記の入力信号発生手段としては、ストップボタン31,32,33が押された時に対応するリール2,3,4を停止させる信号を発生するリール停止信号回路78、ホッパー72から払い出されるメダル数を計数するメダル検出部72S、および図示しない払出完了信号発生回路がある。これらもI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。払出完了信号発生回路は、メダル検出部72Sから入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が、表示部駆動回路75から入力した計数信号で表される配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を検知する信号を発生する。
ストップボタン31,32,33およびリール停止信号回路78は、複数のリール2,3,4それぞれに対応して設けられ、遊技者による操作に応じて対応するリール2,3,4の変動表示の停止を指令する停止指令信号を出力する停止指令手段を構成している。マイコン63、モータ駆動回路73、リール位置検出回路77、およびステッピングモータ45は、停止指令手段からの停止指令信号の検知と内部当選役とに基づいて当該停止指令信号に対応するリール2,3,4の変動表示を停止制御する停止制御手段を構成していると共に、この停止指令手段からの停止指令信号が所定時間検知されない場合に停止指令信号を出力する自動停止手段を構成している。自動停止手段は、内部当選役決定手段の決定結果に基づいて、停止指令信号の出力態様が異なるが、本実施形態では、内部当選役決定手段の決定結果に応じて、複数のリール2,3,4の自動停止順序が異なるように停止指令信号を出力する。
また、I/Oポート71にはサブ制御部通信ポート79が接続されており、マイコン63はこのサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62へ信号を送出する。図7に示すサブ制御基板62には、この信号を受信するメイン制御部通信ポート88が設けられている。サブ制御部通信ポート79およびメイン制御部通信ポート88間の通信は、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ向かう一方向についてだけ行われる。本実施形態では、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ送出される信号は、7ビット長でその制御種別が表されるコマンド種別と、最大24ビット長でそのコマンドの内容が表されるパラメータとで構成されている。
サブ制御基板62は、メイン制御基板61からの制御信号に基づき所定の演出を行う。サブ制御基板62における制御部はマイコン81を主な構成要素として構成されている。マイコン81も、メイン制御基板61におけるマイコン63と同様、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うサブCPU82と、プログラム記憶手段であるプログラムROM83およびバックアップ機能付き制御RAM84とを含んで構成されている。サブCPU82にも、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路85および分周器86が接続されており、さらに、上記のメイン制御部通信ポート88や後述するアクチュエータとの間で信号を授受するI/Oポート87が接続されている。
また、マイコン81からの制御信号により動作が制御されるアクチュエータとして、各リール2,3,4に内蔵されたリールバックランプ47a,47b,47cがある。これらバックランプ47a,47b,47cの点灯は、I/Oポート87に接続されたランプ駆動回路89からの駆動信号によって制御される。また、マイコン81が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する入力信号発生手段として、前述した十字キー23、「○」ボタン24および「×」ボタン25がある。
また、I/Oポート87には画像制御ワークRAM98、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)90および音源IC91が接続されている。VDP90には、キャラクタ・データが記憶されたキャラクタROM92およびカラーディスプレイ表示用バッファメモリであるビデオRAM93が接続されており、画像制御ワークRAM98も接続されている。VDP90は、マイコン81の制御の下、液晶表示装置22に画像表示を行う。マイコン81は、その時の遊技状態および当選フラグの種類といった情報をメイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から取り込み、取り込んだ遊技状態および当選フラグに基づいて表示する演出画像を選択する。そして、VDP90を制御して選択した演出画像を液晶表示装置22に表示させる。
また、音源IC91にはサウンド・データが記憶されたサウンドROM94が接続されており、音源IC91は、マイコン81の制御の下、パワーアンプ95を介してスピーカ96,96からサウンドを放音させる。マイコン81は、メイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から入力される指示に従い、音源IC91およびパワー・アンプ95を制御し、メダル投入音,スタートレバー操作音,ストップボタン操作音,ボーナスゲーム中の遊技音といった効果音をスピーカ96,96から出力させる。また、メイン制御基板61から取り込んだ遊技状態および当選フラグに基づいて選択した演出態様に基づく出音パターンで、スピーカ96,96から出音させる。
次に、図8を参照して、メイン制御基板61のプログラムROM65に格納される確率抽選テーブルについて説明する。
図8はプログラムROM65内に格納された一般遊技中に使用される確率抽選テーブルを概念的に示している。この確率抽選テーブルは、後述する確率抽選処理(図9,S10参照)において、一般遊技中にサンプリング回路70で抽出された乱数を各内部当選役に区分けするために使用され、乱数発生器69で発生する一定範囲の乱数を各内部当選役に区画するデータを記憶している。同図におけるa1,a2,a3、b1,b2,b3、c1,c2,c3、d1,d2,d3、e1,e2,e3、f1,f2,f3、g1,g2,g3は予め設定された数値データであり、サンプリング回路70で抽出された乱数を各内部当選役に区画する際に用いられる。このデータは、投入メダル枚数が1枚の場合には「a1,b1,c1,d1,e1,f1,g1」、2枚の場合には「a2,b2,c2,d2,e2,f2,g2」、3枚の場合には「a3,b3,c3,d3,e3,f3,g3」の各数値の組合せが用いられる。
これら数値は通常「a<b<c<d<e<f<g」の大小関係に設定され、抽出された乱数値がd未満であれば小当たり当選(小ヒット)となり、この場合、a未満の場合には「ベル」当たり要求フラグが立ち、a以上b未満の場合には「スイカ」当たり要求フラグ、b以上c未満の場合には「上チリ」当たり要求フラグ、c以上d未満の場合には「下チリ」当たり要求フラグが立つ。また、抽出された乱数値がd以上e未満であれば再遊技当たり要求フラグが立つ。また、抽出された乱数値がe以上f未満であれば中当たり当選(中ヒット)となって「RB」当たり要求フラグが立ち、抽出された乱数値がf以上g未満であれば大当たり当選(大ヒット)となって「BB」当たり要求フラグが立つ。また、g以上であれば当選なしの「はずれ」になる。つまり、内部当選役は、サンプリングされた1つの乱数値が確率抽選テーブルのどの数値範囲に属するかによって決定され、当たり要求フラグによって表される。なお、これらの各当たり要求フラグは制御RAM66内の所定の領域に格納されている。
「BB」または「RB」のボーナス当たり要求フラグは、フラグが立てられた以降の遊技に持ち越され、「BB」または「RB」のシンボル組合せが有効化入賞ラインに停止表示されてボーナス入賞が実際に発生すると、ボーナス当たり要求フラグはクリアされる。また、ボーナス当たり要求フラグ以外のフラグは、フラグが立てられた遊技においてのみ有効であり、その遊技終了時にはクリアされて次遊技以降には持ち越されない。
次に、図9〜図11に示すメインフローチャートを参照して、メイン制御基板61のメインCPU64の制御動作について説明する。
初めに、メインCPU64は、遊技開始時の初期化を行う(図9,S0参照)。具体的には、制御RAM66の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いてゲーム終了時の制御RAM66の所定の記憶内容を消去する(S1)。具体的には、前回のゲームに使用された制御RAM66の書き込み可能エリアのデータの消去、制御RAM66の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。
次に、メインCPU64は、前回のゲーム終了後から30秒経過しているかを判別し(S2)、判別が“YES”の場合には、「デモ表示コマンド」を制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S3)。このデモ表示コマンドは、液晶表示装置22の表示画面に待機画面を表示させるためのコマンドである。
S2での判別が“NO”の場合、または、デモ表示コマンドを制御RAM66にセットした後、メインCPU64は、前回のゲームの入賞役が再遊技か否か、つまり、メダルの自動投入要求があるかを判別する(S4)。この判別が“YES”のときは、投入要求分のメダルを自動投入し(S5)、S7に移る。S4の判別が“NO”のときは、メダル投入があるか否かを判別する(S6)。具体的には、投入メダルセンサ8Sまたは貯留メダル投入スイッチ26,27,28からの入力があるか否かを判別する。この判別が“NO”のときは処理はS2に戻り、上述の処理が繰り返される。一方、S6の判別が“YES”のときは、次に、メインCPU64は、スタートレバー30の操作に基づくスタートスイッチ30Sからの入力があるか否かを判別する(S7)。この判別が“YES”のときは、次に、メインCPU64は、単位ゲームを開始して、乱数発生器69で発生した抽選用の乱数をサンプリング回路70によって抽出し(S8)、引き続いて、遊技状態監視処理を行う(S9)。
次に、メインCPU64は、確率抽選処理を行う(S10)。確率抽選処理では、図8に示す一般遊技時確率抽選テーブルを含む各確率抽選テーブルの中からそのときの遊技状態に応じた確率抽選テーブルが選択され、サンプリング回路70によって特定された1つの乱数値が、選択された確率抽選テーブルのどの役に割り当てられた乱数範囲に属するかが判断される。そして、抽出乱数値が属する乱数範囲に対応する役が内部当選役として決定される。
続いて、メインCPU64は、S10の確率抽選処理で決定された内部当選役がBBまたはRBであるか否かを判別する(図10,S11参照)。この判別が“YES”であるときは、持越役に当選役をセットし(S12)、次に、後述する自動停止コマンドセット処理を行う(S13)。S11での判別が“NO”のとき、または、S13の処理を行った後、メインCPU64は、停止用当選役決定処理を行い(S14)、続いて、テーブルライン選択処理を行う(S15)。停止用当選役決定処理では、図示しないテーブルを参照し、S10の確率抽選処理で決定された内部当選役とそのときの遊技状態と抽選とに基づき、入賞を成立させることのできる役、つまり停止用当選役を決定する。また、テーブルライン選択処理では、まず、S14で決定された停止用当選役およびそのときの遊技状態に対応した停止テーブル群を決定する。続いて、決定した停止テーブル群を参照し、その単位ゲームに賭けられているメダル枚数に基づき、ストップボタン31,32,33の停止操作位置から、各リール2,3,4についての停止制御位置を決定する。
次に、メインCPU64は、ゲーム開始時の「スタートコマンド」を制御RAM66の通信データ格納領域にセットする(S16)。「スタートコマンド」は、S9で識別した遊技状態、S10の確率抽選処理で抽選した当選役、S15のテーブルライン選択処理で選択した停止位置検索用テーブルナンバー等の情報を含むコマンドである。
続いて、前回のリール回転開始からゲーム最短時間(4.1秒)が経過したか否かを判別する(S17)。この判別が“NO”のときは、ゲーム最短時間が経過するまでS17の処理が繰り返される。この間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理(ここでは、リール2,3,4の回転の開始を待機させる処理)が行われる。
ゲーム最短時間が経過すると、メインCPU64は、ゲーム最短時間(4.1秒)計時用タイマを制御RAM66にセットする(S18)。このゲーム最短時間計時用タイマは、各単位遊技の時間を監視するタイマである。次に、メインCPU64は、自動停止用のタイマの値に40をセットする(S19)。自動停止用のタイマは、遊技者のストップボタン31,32,33の停止操作が所定時間行われない場合に自動的にリール2,3,4を停止させるためのタイマであり、時間の経過に従ってカウントダウンされる。
S19の処理が終了すると、メインCPU64は、全リール2,3,4の回転開始要求を行い(S20)、全リール2,3,4の回転を開始させ、続いて、「リール停止許可コマンド」を制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S21)。「リール停止許可マンド」は、ストップボタン31,32,33の操作を受け付けることを許容するコマンドである。次に、いずれかのストップボタン31,32,33がオン操作されたか否かを判別する(S22)。いずれのストップボタン31,32,33も操作されずにこの判別が“NO”のときは、次に、自動停止タイマの値が“0”であるか否かを判別する(S23)。この判別が“NO”のときは、処理はS22に戻り、上述の処理が繰り返される。
S19で値40がセットされた自動停止タイマの値が“0”になると、次に、メインCPU64は、後述する自動停止制御処理を行う(S24)。いずれかのストップボタン31,32,33が操作されてS22の判別が“YES”になるか、S24の処理を行うと、次に、メインCPU64は、滑りコマ数決定処理を行い(S25)、S15で選択した停止テーブル、停止操作位置、および停止制御位置に基づいて滑りコマ数を決定する。続いて、滑りコマ数分、停止操作されたストップボタンに対応するリールが回転するのを待つ(S26)。ここで、「滑りコマ数」は、ストップボタン31,32,33が操作された後、リール2,3,4が停止するまでの間に移動させるシンボルの数を示し、「引き込み数」と称されることもある。このとき、停止したリール2,3,4を識別可能な情報、所定の有効化入賞ライン上でその停止したリールにより表示されたシンボルの種類を識別可能な情報などを含んだリール停止コマンドを、制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S27)。続いて、メインCPU64は、全てのリールが停止したかどうかを判別し(S28)、この判別が“NO”のときは処理はS22に戻り、上述の処理が繰り返される。一方、全てのリール2,3,4が停止し、S28の判別が“YES”になると、メインCPU64は全リール停止コマンドを制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S29)。
次に、メインCPU64は入賞検索処理を行う(図11,S30参照)。この入賞検索処理では、有効化入賞ライン上に実際に揃っているシンボルの組合せの種類と、確率抽選処理によって決定された当選役の種類との一致がとられる。そして、次に、この入賞役が正常か否かが判別される(S31)。この判別結果が正常でない場合には、配当枚数表示部20および液晶表示装置22にイリーガルエラーが表示される(S32)。入賞役が正常の場合には、入賞役の種類を示す「入賞役コマンド」が制御RAM66の通信データ記憶領域にセットされる(S33)。
次に、メインCPU64は、入賞役がBBまたはRBであるか否かを判別し(S34)、入賞役がBBまたはRBである場合には、持越役と、自動停止BBコマンドまたは自動停止RBコマンドとをクリアする(S35)。続いて、メダルの払出、およびBB、RBの発生処理が行われる(S36)。この処理では、その時の状態によって遊技メダルの貯留、または払い出しが行われる。つまり、クレジットで遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得したメダル数分、貯留枚数表示部16に表示される貯留枚数が増加され、また、メダル投入口8へのメダル投入で遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得した枚数のメダルがメダル受皿37へ払い出される。また、入賞役がBBまたはRBである場合には、BBまたはRBの発生処理が行われ、遊技状態が「BB中一般遊技状態」または「RB遊技状態」に移行する。次に、メインCPU64は、現在の遊技状態がBBゲームまたはRBゲームの作動中であるか否かを判別する(S37)。BBゲームまたはRBゲームの作動中である場合には、次に、メインCPU64は、BBゲームまたはRBゲームの遊技数をチェックする(S38)。続いて、メインCPU64は現在の遊技状態がBBゲームまたはRBゲームの終了時か否かを判別する(S39)。BBゲームまたはRBゲームの終了時であれば、BB、RB終了時処理が行われる(S40)。この処理では、BBまたはRB終了時のRAMクリア処理が制御RAM66に対して行われ、続いて、「BBまたはRB終了コマンド」が制御RAM66の通信データ記憶領域にセットされる。「BBまたはRB終了コマンド」は、終了動作を表す3ビットのパラメータを含んで構成されている。S37の判別がBBゲームまたはRBゲームの作動中でない場合、またはS39の判別がBBゲームまたはRBゲーム終了時でない場合、またはS40の処理が終了した場合には、その後、処理は図9のS1に戻って次の新たな単位ゲームが開始される。
図12は、図10のS13で行われる自動停止コマンドセット処理の詳細を説明する図である。この自動停止コマンドセット処理では、まず、メインCPU64は、内部当選役はBBか否かを判別する(S45)。この判別が“YES”の場合は、自動停止BBコマンドを制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S46)。一方、S45での判別が“NO”の場合は、内部当選役はRBか否かを判別する(S47)。この判別が“YES”の場合は、自動停止RBコマンドを制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S48)。S47の判別が“NO”の場合、S46またはS48の処理を行った後、自動停止コマンドセット処理は終了する。
図13は、図10のS24で行われる自動停止制御処理の詳細を説明する図である。この自動停止制御処理では、まず、メインCPU64は、自動停止BBコマンドがセットされているか否かを判別する(図13,S70参照)。自動停止コマンドセット処理(図12参照)のS46で自動停止BBコマンドがセットされており、この判別が“YES”の場合は、次に、右リール4停止要求があるか否かを判別する(S71)。この判別が“YES”の場合は、右リール4が停止制御される(S72)。一方、S71の判別が“NO”の場合、または、S72の処理を行った後、メインCPU64は、次に、左リール2停止要求があるか否かを判別する(S73)。この判別が“YES”の場合は、右リール4が停止済みであるか否かを判別し(S74)、この判別が“YES”の場合は、左リール2を停止制御する(S75)。S73またはS74の判別が“NO”の場合、または、S75の処理を行った後、メインCPU64は、次に、中リール3停止要求があるか否かを判別する(S76)。この判別が“YES”の場合は、右リール4および左リール2が停止済みであるか否かを判別し(S77)、この判別が“YES”の場合は、中リール3を停止制御する(S78)。S76,S77の判別が“NO”の場合、またはS78の処理が行われた後、自動停止時のリール制御処理は終了する。
自動停止BBコマンドがセットされておらず、S70の判別が“NO”の場合、メインCPU64は、自動停止RBコマンドがセットされているか否かを判別する(S79)。自動停止コマンドセット処理(図12参照)のS48で自動停止RBコマンドがセットされており、この判別が“YES”の場合は、次に、右リール4停止要求があるか否かを判別する(S80)。この判別が“YES”の場合は、右リール4を停止制御する(S81)。一方、S80の判別が“NO”の場合、または、S81の処理を行った後、メインCPU64は、次に、中リール3停止要求があるか否かを判別する(S82)。この判別が“YES”の場合は、右リール4が停止済みであるか否かを判別し(S83)、この判別が“YES”の場合は、中リール3を停止制御する(S84)。S82またはS83の判別が“NO”の場合、または、S84の処理を行った後、メインCPU64は、次に、左リール2停止要求があるか否かを判別する(S85)。この判別が“YES”の場合は、右リール4および中リール3が停止済みであるか否かを判別し(S86)、この判別が“YES”の場合は、左リール2を停止制御する(S87)。S85,S86の判別が“NO”の場合、またはS87の処理が行われた後、リール制御処理は終了する。
自動停止RBコマンドがセットされておらず、S79の判別が“NO”の場合、メインCPU64は、左リール2停止要求があるか否かを判別する(図14,S88参照)。この判別が“YES”の場合は、左リール2を停止制御する(S89)。一方、S88の判別が“NO”の場合、または、S89の処理を行った後、メインCPU64は、次に、中リール3停止要求があるか否かを判別する(S90)。この判別が“YES”の場合は、左リール2が停止済みであるか否かを判別し(S91)、この判別が“YES”の場合は、中リール3を停止制御する(S92)。S90またはS91の判別が“NO”の場合、または、S92の処理を行った後、メインCPU64は、次に、右リール4停止要求があるか否かを判別する(S93)。この判別が“YES”の場合は、左リール2および中リール3が停止済みであるか否かを判別し(S94)、この判別が“YES”の場合は、右リール4を停止制御する(S95)。S93,S94の判別が“NO”の場合、またはS95の処理が行われた後、自動停止制御処理は終了する。
次に、図15を参照して、例えば、1.1173ms毎にメイン制御基板61で行われる定期割込処理について説明する。
図15は、この定期割込処理の概略を示すフローチャートである。この定期割込処理では、まず、メインCPU64は、各レジスタの内容を制御RAM66の所定領域に退避し(図15,S50)、続いて、リール識別子に右リール4を示す情報をセットする(S51)。次に、メインCPU64は、右リール4についてリール制御処理を行う(S52)。リール制御処理では、リールの制御状態が停止制御中,加速制御中,定速制御中のいずれの状態であるかを監視し、制御状態に応じた制御を行う。いずれの状態でもないときは、リール回転の初期化処理を行う。また、加速制御では、所定の加速時間が経過すると、処理を定速制御中に移す。定速制御では、ストップボタン31,32,33の操作または自動停止時間の経過があると処理を停止制御に移す。停止制御では、停止制御の終了時期になるとステッピングモータ45の回転を停止して、処理を終了する。
次に、メインCPU64は、リール識別子に中リール3を示す情報をセットし(S53)、続いて、中リール3についてS52と同様のリール制御処理を行う(S54)。次に、メインCPU64は、リール識別子に左リール2を示す情報をセットし(S55)、続いて、左リール2についてS52と同様のリール制御処理を行う(S56)。
全てのリール2,3,4についてリール制御処理を行った後、メインCPU64は、電磁カウンタ制御処理を行い(S57)、続いて、ランプ点滅制御処理を行う(S58)。電磁カウンタ制御処理は、メダル投入口8から投入されたメダルの真贋によってメダルの通過経路を切り替える処理である。また、ランプ点滅制御処理では、各種ランプ(BETランプ13,14,15、スタートランプ17、WINランプ19、インサートランプ21)を、各ランプの点灯または消灯のタイミングに点灯または消灯する。
次に、メインCPU64は、7SEG駆動制御処理を行い(S59)、続いて、通信データ送信処理を行う(S60)。7SEG駆動制御処理では、貯留枚数表示部16および配当枚数表示部20を構成する各LEDを表示数値に応じて点灯または消灯する。通信データ送信処理は、メイン制御基板61における制御RAM66の通信データ記憶領域にセットされたコマンド情報を、サブ制御基板62へ送信する処理である。次に、メインCPU64は、制御RAM66の所定領域に退避された各レジスタの内容を復帰し(S61)、定期割込処理を終了する。
次に、図16を参照して、サブ制御基板62のサブCPU82によって制御される遊技処理について説明する。
図16は、サブCPU82によって制御される遊技処理の概略を示すフローチャートである。パチスロ機1に電源が投入され、サブCPU82のリセット端子に信号が入力されると、サブCPU82により、RAM84,93,98の初期化や、割込を許可する初期化処理が実行される。その後、サブ制御基板62では、メイン制御基板61側から受信される各種コマンドがサブCPU82によって常に解析されている(図16,S100参照)。そして解析したコマンドに基づき、液晶表示装置22での演出表示や、スピーカ96,96からのサウンド放音処理等の各種遊技演出処理が適宜行われる。
このような本実施形態によるパチスロ機1では、値40にセットされた自動停止タイマの値が0になるまでカウントダウンされ、遊技者によるストップボタン31,32,33の操作に応じた停止指令信号が所定時間検知されない場合には、図12の自動停止コマンドセット処理でセットされた自動停止BBコマンドまたは自動停止RBコマンドに基づき、図13及び図14に示す自動停止制御処理によってリール2,3,4が自動停止される。この処理では、セットされた自動停止コマンドの種別毎に異なる態様で、左,中,右の各リール2,3,4の自動停止制御が行われる。つまり、内部当選役がBBで自動停止BBコマンドがセットされているときは、右リール4,左リール2,中リール3の順で自動停止制御が行われ、内部当選役がRBで自動停止RBコマンドがセットされているときは、右リール4,中リール3,左リール2の順で自動停止制御が行われる。また、内部当選役がBBおよびRBでなく、自動停止BBコマンドおよび自動停止RBコマンドの双方がセットされていないときは、左リール2,中リール3,右リール4の順で停止制御が行われる。
すなわち、本実施形態によるパチスロ機1では、ストップボタン31,32,33の操作に基づく停止指令信号が所定時間検知されない場合には、メインCPU64によって停止指令信号が自動的に出力されて、確率抽選処理(図9,S10)での決定結果に基づいたリール2,3,4の自動停止態様で、つまり、確率抽選処理での決定結果に応じたリール2,3,4の停止順序で、リール2,3,4の変動表示が自動停止する。このため、リール2,3,4の自動停止時の停止態様が従来のように一様でなく、確率抽選処理での決定結果に基づいた停止態様となり、リール2,3,4の自動停止態様が普遍化するのが防止される。また、遊技者は、リール2,3,4の自動停止順序を見ることにより、確率抽選処理での決定結果、例えば、BBが内部当選したことやRBが内部当選したこと、また、ボーナスが内部当選しなかったことなどを知ることができ、遊技者の利便性が増すので、自動停止態様に注目することとなり、遊技に対する興趣を増すことができる。
なお、上記実施形態では、内部当選役がBBの場合は、自動停止時に右リール4,左リール2,中リール3の順で停止指令信号を出力し、内部当選役がRBの場合は、自動停止時に右リール4,中リール3,左リール2の順で停止指令信号を出力する制御を行った。しかし、自動停止時に出力するリール2,3,4の停止指令順序は適宜設定可能である。これにより、様々な停止態様を設定することが可能となり、遊技に対する興趣を増すことができる。
また、上記実施形態では、ボーナス内部当選時にリール2,3,4の自動停止順序を異ならせた場合について説明した。しかし、リール2,3,4の自動停止順序を異ならせる内部当選役の種別は適宜設定可能である。例えば、小役や、ハズレ、リプレイ、または特定のシンボルが入賞ライン上に停止表示されたときに遊技者に有利な遊技状態(例えば、特定の内部当選役の入賞を成立させることが出来るストップボタン31,32,33の操作順序などを報知するST(スーパータイム)遊技状態、再遊技の内部当選確率が他の遊技状態よりも高いRT(リプレイタイム)遊技状態、またはリール2,3,4の引き込み制御の行われないCT(チャレンジタイム)遊技状態)に移行する特定の役などに適用してもよい。これにより対応役が変化して遊技に対する興趣が増す場合がある。
また、上記実施形態では、自動停止手段が、確率抽選処理(図9,S10)での決定結果に応じた停止順序で、リール2,3,4を自動停止させる場合について説明したが、確率抽選処理での決定結果に応じて、リール2,3,4の自動停止時機が異なるように停止指令信号を出力してもよい。例えば、内部当選役がBBまたはRBの一方の場合には、自動停止タイマーの値を各リール2,3,4毎に異なる値とし、他方の場合には各リール2,3,4について同じ値としてもよい。具体的には、内部当選役がBBの場合には、左リール2については30秒、中リール3については35秒、右リール4については40秒などとし、内部当選役がRBの場合には、各リール2,3,4についての自動停止までの時間を均一にしてもよい。この構成によれば、確率抽選処理での決定結果によってリール2,3,4の自動停止時機が異なるため、遊技者は、リール2,3,4の自動停止の時期をみることにより、内部当選役を察知することが可能となる。
この場合、左,中,右の各リール2,3,4についての自動停止タイマの値は任意であり、適宜設定可能である。自動停止タイマの値を小さくすることにより、遊技者の待機時間を削減することが可能となり、遊技者は円滑に遊技を進めることが可能となる場合があり、自動停止タイマの値を大きくすることにより、遊技者の期待感を持続させることが可能となる。
また、上記実施形態や変形例では、内部当選役に応じてリール2,3,4の自動停止の順序や時間により演出を行っているが、これに限らず、サブCPU81およびプログラムROM83等から構成される演出手段によって、液晶表示装置22などを使用して同時にボーナスが内部当選したことを報知する演出を行ってもよい。例えば、液晶表示装置22の演出によってボーナスが内部当選したことを報知し、この後に行われるリール2,3,4の自動停止時の停止態様によってボーナス種別を報知する。この構成によれば、遊技者は、ボーナスが内部当選したことを察知した後に、リール2,3,4の自動停止順序や、各リール2,3,4の自動停止する時間に応じてBBまたはRBを知ることが可能となる。この結果、遊技者は、リール2,3,4でのシンボルの変動表示の開始から、変動表示が自動停止するまで、演出を楽しむことができる。
また、上述した内部当選役決定手段により決定された内部当選役が所定の内部当選役(本実施形態では、BBまたはRB)の場合に、停止指令信号の出力を無効にする、メインCPU64およびプログラムROM65から構成される遊技操作無効手段と、遊技操作無効手段により停止指令信号の出力が無効とされている場合に、所定の演出(本実施形態では、ボーナス確定である旨を報知する演出)を行う、液晶表示装置22から構成される演出手段とを備える構成としてもよい。この構成によれば、内部当選役決定手段により、BBまたはRBが当選役として決定された場合には、停止指令信号の出力が無効にされ、液晶表示装置22により、BBまたはRBが内部当選役として決定された旨を報知する演出が行われる。これにより、遊技者が液晶表示装置22による演出を見ている間に、遊技操作無効手段により停止指令信号が無効とされている期間が所定時間となり、リール2〜4の変動表示は、自動停止にて停止することとなる。従って、遊技者はリール2〜4の変動表示が自動停止するまで演出を楽しむことができると共に、内部当選役決定手段の決定結果を知ることができる。
また、上記実施形態や変形例では、左,中,右の全てのリール2,3,4が自動停止される際に、リール2,3,4の自動停止態様を内部当選役に応じた態様とした場合について説明した。しかし、左,中,右のリール2,3,4のうちの何れかがストップボタン31,32,33の操作によって回転を停止した後に、残りの2つのリールが自動停止される際に、本発明を適用してもよい。