次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明による遊技機をパチスロ機に適用した最良の形態によるパチスロ機1の外観を示す斜視図である。
パチスロ機1の本体中央部のキャビネット内部には3個のリール2,3,4が回転自在に設けられている。各リール2,3,4の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)が表示されている。これらリール2,3,4は、複数のシンボルが描写された帯(リール帯44)を回転することにより変動表示可能な変動表示部を構成している。キャビネットの機器前面パネル38には表示窓5,6,7が形成されており、これら表示窓5,6,7を通して、各リール2,3,4に表示されたシンボルがそれぞれ3個ずつ観察される。表示窓5,6,7には、横3本と斜め2本の計5本の入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3Bが設けられている。また、表示窓5〜7の下方右側には、遊技者が遊技媒体であるメダルを入れるための投入口8が設けられている。
ゲーム開始に先立って、遊技者がメダル投入口8から1枚のメダルを投入したときは、中央の横1本の入賞ラインL1が有効化される。また、2枚投入したときは、横3本の入賞ラインL1,L2A,L2Bが有効化される。また、3枚投入したときは、入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3Bの全てが有効化される。
また、表示窓5〜7の左方の機器前面パネル38には、上部から、4個の遊技動作表示器9〜12、3個のBETランプ13〜15、および貯留枚数表示部16が設けられている。遊技動作表示器9〜12およびBETランプ13〜15は遊技状態に応じて点灯制御され、その時の遊技状態が遊技者に知らされる。貯留枚数表示部16は、3桁の7セグメントLED(発光ダイオード)からなり、機械内部に現在クレジットされているメダル数を表示する。
また、表示窓5〜7の右方の機器前面パネル38には、上部から、ボーナスカウント表示部18、WINランプ19、および配当枚数表示部20が設けられている。ボーナスカウント表示部18は、3桁の7セグメントLEDからなり、ボーナスゲーム入賞時に、RBゲームおよびジャックゲームの残り入賞可能回数をデジタル表示する。また、WINランプ19は、ビッグボーナス(BB)またはレギュラーボーナス(RB)が内部当選した状態で、スタートレバー30が傾倒操作されると、点灯する。配当枚数表示部20は、3桁の7セグメントLEDからなり、入賞によるメダル払い出し枚数を表示する。
また、表示窓5〜7の下方の機器前面パネル38には、液晶表示装置39が設けられている。液晶表示装置39の表示画面39aには、遊技に関する情報等を示す画像が表示される。また、表示窓5〜7の下方左側には、1貯留メダル投入スイッチ26、2貯留メダル投入スイッチ27、および3貯留メダル投入スイッチ28が設けられている。貯留メダル投入スイッチ26〜28は、貯留枚数表示部16にメダル数が表示されてクレジットされている際に、メダル投入口8へのメダル投入に代えて1回のゲームに1〜3枚のメダルを賭ける際に使用される。
また、機器前面パネル38の下方には、左側から、貯留メダル精算スイッチ29、スタートレバー30、および停止ボタン31,32,33が設けられている。貯留メダル精算スイッチ29は機械内部にクレジットされているメダルを精算する際に使用される。また、スタートレバー30の操作により各リール2〜4の回転が一斉に開始する。停止ボタン31〜33は、各リール2〜4に対応して配置されており、これら各リール2〜4の回転が一定速度に達したとき操作が有効化され、遊技者の操作に応じて各リール2〜4の回転を停止する。停止ボタン31〜33は、複数の変動表示部(リール2〜4)夫々に対応して設けられ、遊技者による操作に応じて対応する変動表示部の変動表示の停止を指令する停止指令信号を出力する停止操作手段を構成している。
また、パチスロ機1の正面下部にはメダル受皿34が設けられている。このメダル受皿34はメダル払出口35から払い出されるメダルを貯めるものである。また、パチスロ機1の正面上部には、入賞に対してどれだけのメダルが払い出されるかを示す配当表示部36が設けられている。
各リール2〜4は図2に示す回転リールユニットとして構成されており、フレーム41にブラケット42を介して取り付けられている。各リール2〜4はリールドラム43の外周にリール帯44が貼られて構成されている。リール帯44の外周面にはシンボル列が描かれている。また、各ブラケット42にはステッピングモータ45が設けられており、各リール2〜4はこれらモータ45が駆動されて回転する。リール2〜4、表示窓5〜7、およびステッピングモータ45は、複数のシンボルが描写されたリール帯44を回転することにより変動表示可能な複数の変動表示部を有する変動表示手段を構成している。
各リール2〜4の構造は図3に示される。なお、同図において図2と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。同図(a)に示すように、リール帯44の背後のリールドラム43内部にはランプケース46が設けられており、このランプケース46の3個の各部屋にはそれぞれリールバックランプ47a,47b,47cが取り付けられている。これらバックランプ47a〜47cは、同図(b)に示すように、異なる複数の色を発光するLED47が基板48に取り付けられて構成されており、基板48はランプケース46の背面に取り付けられている。また、ブラケット42にはホトセンサ49が取り付けられている。このホトセンサ49は、リールドラム43に設けられた遮蔽板50がリールドラム43の回転に伴ってホトセンサ49を通過するのを検出する。
各バックランプ47a〜47cは後述するランプ駆動回路89(図7参照)によって点灯制御される。各バックランプ47a〜47cの点灯により、リール帯44に描かれたシンボルの内、各バックランプ47の前部に位置する3個のシンボルが背後から個別に照らし出され、各表示窓5〜7にそれぞれ3個ずつのシンボルが映し出される。
図4は、左,中,右の各リール2,3,4の各リール帯44に表された複数種類のシンボルが、21個配列されたシンボル列を示している。各シンボルには“00”〜“20”のコードナンバーが付され、後で説明するプログラムROM65(図6参照)にデータテーブルとして各シンボルは格納されている。各リール2,3,4上には、白抜きの数字「7」で表される“赤7”、斜線が付された数字「7」で表される“青7”、上半分の半円形状をした“上チリ”、下半分の半円形状をした“下チリ”、スイカの絵で表される“スイカ”、文字「Replay」で表される“Replay”、およびベルの絵で表される“ベル”のシンボルで構成されるシンボル列が表されている。各リール2,3,4は、シンボル列が図4の矢印方向に移動するように回転駆動される。
図5は、各入賞役に対応する、各遊技状態における入賞シンボル組合せ、および払出枚数を示す。
本実施形態によるパチスロ機1の遊技状態には、「一般遊技状態」、「BB内部当選状態」、「RB内部当選状態」、「BB中一般遊技状態」および「RB遊技状態」がある。これら5種類の各遊技状態は、基本的に、内部当選する可能性のある役の種類および入賞成立を実現することが可能なボーナスの種別により区別される。
BBの入賞成立を契機として発生し、「BB中一般遊技状態」および「RB遊技状態」により構成される遊技状態を総称して、以下「BB遊技状態」という。また、「BB内部当選状態」および「RB内部当選状態」は、ボーナスに内部当選している状態であり、これらを総称して、以下、「内部当選状態」または「持越状態」という。この状態では、ボーナス当選フラグを持ち越している状態にある。つまり、BB入賞役またはRB入賞役のボーナス当選フラグは、ボーナスに内部当選した後、ボーナスの入賞が実際に成立するまでの間、次回以降のゲームに持ち越され、当選役として保持される。その他の役の当選フラグは、内部当選した単位遊技においてだけ有効であり、次回の遊技には持ち越されない。
また、パチスロ機1の遊技状態には、後述する確率抽選処理(図15,S13参照)で「ベル」の小役が特定の内部当選役として決定された場合に、この「ベル」の小役の入賞を成立させる停止ボタン31,32,33の操作順序が液晶表示装置39の表示画面39aに表示される単位遊技が複数回行われるスーパータイム状態がある。以下、これを「ST状態」という。
「ST状態」の発生条件は、「BB遊技状態」または「RB遊技状態」が終了すること(図17,S35の判別が“YES”)であり、「ST状態」になると、図23のS101でSTゲーム数カウンタに“100”の値がセットされる。「ST状態」の終了条件は、STゲーム数カウンタの値が“0”になること(図24,S110の判別が“NO”)、またはBBまたはRBに内部当選すること(図24,S112の判別が“YES”)である。
図5に示すように、BBの入賞は、BB当選フラグの持越状態において“赤7−赤7−赤7”または“青7−青7−青7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより成立する。BBの入賞が成立すると、15枚のメダル払い出しが行われ、遊技状態はBB中一般遊技状態となる。
RBの入賞は、RB当選フラグの持越状態において“赤7−赤7−青7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶこと、またはBB中一般遊技状態において“Replay−Replay−Replay”が並ぶことにより成立する。BB中一般遊技状態においてRBの入賞が成立することを、一般に「JAC IN」と称する。RBの入賞が成立すると、15枚のメダル払い出しが行われ、遊技状態がRB状態となる。
RB遊技状態において“Replay−Replay−Replay”または“赤7−Replay−Replay”が並ぶことにより、役物の入賞が成立する。役物の入賞成立回数が“8回”となったとき、遊技状態が変化する。ここで、役物の入賞が成立する可能性のあるRB遊技状態のゲームは、一般に「JACゲーム」と称される。
再遊技の入賞は、一般遊技状態および持越状態において“Replay−Replay−Replay”が並ぶことにより成立する。再遊技の入賞が成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者はメダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。
また、一般遊技状態、持越状態およびBB中一般遊技状態では、「ベルの小役」、「スイカの小役」、「上チリの小役」、および「下チリの小役」の入賞成立を実現することが可能であるが、その払出枚数、およびシンボル組み合わせは図示の通りである。
図6および図7は、上述したパチスロ機1の遊技処理動作を制御するメイン制御基板61およびサブ制御基板62に構成された回路構成を示している。
図6に示すメイン制御基板61における制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)63を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン63は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うメインCPU(中央演算処理装置)64と、プログラム記憶手段であるプログラムROM(リード・オンリ・メモリ)65およびバックアップ機能付き制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)66とを含んで構成されている。
メインCPU64には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路67および分周器68と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器69および発生した乱数の1つを特定する乱数サンプリング回路70とが接続されている。さらに、後述する周辺装置(アクチュエータ)との間で信号を授受するI/Oポート(入出力ポート)71が接続されている。
プログラムROM65は、後述する図8〜図10に示す各種テーブルや、このパチスロ機1でゲームを実行するためのシーケンスプログラム等を格納するように記憶部が区分されている。このプログラムROM65内には図示しない入賞シンボル組合せテーブルも格納されている。この入賞シンボル組合せテーブルには、配当表示部36に示される各入賞シンボル組合せのシンボルコードや、「リーチ目」を構成するシンボル組合せのシンボルコード、各入賞を表す入賞判定コード、入賞メダル配当枚数等が記憶されている。ここで、リーチ目とは、BBまたはRBが入賞可能であることを示唆するシンボル組合せである。この入賞シンボル組合せテーブルは、左リール2,中リール3、右リール4の停止制御時、および全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
メインCPU64は、プログラムROM65に格納されているシーケンスプログラムに従って遊技処理を行う。このメインCPU64を含むマイコン63は、遊技開始指令信号を検出したことと、遊技状態とに基づいて後述する確率抽選処理(図15,S13)において単位遊技毎に内部当選役を決定する内部当選役決定手段を構成している。また、マイコン63は、所定遊技期間における遊技媒体の規定払出量と所定遊技期間の開始から現在までの遊技数において払い出された遊技媒体の総払出量とを比較する払出量管理手段を構成している。本実施形態では、連続する400回の単位遊技ではその間に遊技に賭けられたメダル枚数の3倍の量、連続する6000回の単位遊技ではその間に遊技に賭けられたメダル枚数の1.5倍の量、また、連続する17500回の単位遊技ではその間に遊技に賭けられたメダル枚数の1.2倍の量のメダルが、それぞれ規定払出枚数として定められている。また、乱数発生器69,サンプリング回路70,およびメインCPU64は、遊技開始指令信号を検知したことと遊技状態と内部当選役とによって停止用当選役を決定する停止用当選役決定手段を構成している。
マイコン63からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各リール2,3,4を回転駆動するステッピングモータ45、各種ランプ(BETランプ13〜15、スタートランプ17、WINランプ19)、各種表示部(遊技動作表示器9〜12、貯留枚数表示部16、ボーナスカウント表示部18、入賞配当枚数表示部20)、およびメダルを収納するホッパー72がある。これらはそれぞれモータ駆動回路73、各ランプ駆動回路74、各表示部駆動回路75、およびホッパー駆動回路76によって駆動される。これら駆動回路73〜76は、マイコン63のI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。
また、マイコン63が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、メダル投入口8から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ8S、スタートレバー30の操作を検出するスタートスイッチ30S、前述した貯留メダル投入スイッチ26〜28、および貯留メダル精算スイッチ29がある。スタートレバー30およびスタートスイッチ30Sは、遊技者の操作に応じて、遊技の開始を指令する遊技開始指令信号を出力する遊技開始指令手段を構成している。さらに、上記の入力信号発生手段としては、ホトセンサ49からの出力パルス信号を受けて各リール2,3,4の回転位置を検出するリール位置検出回路77がある。ホトセンサ49は各リール2〜4の駆動機構に含まれており、同図では示されていない。
リール位置検出回路77は、リール2〜4の回転が開始された後、ステッピングモータ45の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値を制御RAM66の所定エリアに書き込む。従って、制御RAM66内には、各リール2〜4について、1回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されている。また、ホトセンサ49は各リール2〜4が1回転する毎にリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路77を介してメインCPU64に与えられ、制御RAM66で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ45の回転との間に生じるずれが、1回転毎に解消されている。
さらに、上記の入力信号発生手段としては、停止ボタン31,32,33が押された時に対応するリール2,3,4を停止させる信号を発生するリール停止信号回路78、ホッパー72から払い出されるメダル数を計数するメダル検出部72S、および図示しない払出完了信号発生回路がある。これらもI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。払出完了信号発生回路は、メダル検出部72Sから入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が、表示部駆動回路75から入力した計数信号で表される配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を検知する信号を発生する。マイコン63、モータ駆動回路73、リール停止信号回路78、およびリール位置検出回路77は、停止指令信号を検知したことと停止用当選役とに基づいて変動表示部の変動表示動作を停止制御する停止制御手段を構成している。
また、I/Oポート71にはサブ制御部通信ポート79が接続されており、マイコン63はこのサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62へ信号を送出する。図7に示すサブ制御基板62には、この信号を受信するメイン制御部通信ポート88が設けられている。サブ制御部通信ポート79およびメイン制御部通信ポート88間の通信は、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ向かう一方向についてだけ行われる。本実施形態では、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ送出される信号は、7ビット長でその制御種別が表されるコマンド種別と、最大24ビット長でそのコマンドの内容が表されるパラメータとで構成されている。
サブ制御基板62は、メイン制御基板61からの制御信号に基づき所定の演出を行う。サブ制御基板62における制御部はマイコン81を主な構成要素として構成されている。マイコン81も、メイン制御基板61におけるマイコン63と同様、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うサブCPU82と、プログラム記憶手段であるプログラムROM83およびバックアップ機能付き制御RAM84とを含んで構成されている。サブCPU82にも、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路85および分周器86が接続されており、さらに、上記のメイン制御部通信ポート88や後述するアクチュエータとの間で信号を授受するI/Oポート87が接続されている。
マイコン81は、所定条件を満たしたときに、遊技者に有利な遊技状況を発生させる遊技状況発生手段を構成している。本実施形態では、遊技者に有利な遊技状況は、「BB遊技状態」または「RB遊技状態」の終了という条件下で発生する前述した「ST状態」である。また、本実施形態では、停止ボタン31〜33の停止操作順序によりベルの小役の入賞の可否が決定される。
また、マイコン81からの制御信号により動作が制御されるアクチュエータとして、各リール2〜4に内蔵されたリールバックランプ47a,47b,47cがある。これらバックランプ47a〜47cの点灯は、I/Oポート87に接続されたランプ駆動回路89からの駆動信号によって制御される。
また、I/Oポート87には画像制御ワークRAM98、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)90および音源IC91が接続されている。VDP90には、キャラクタ・データが記憶されたキャラクタROM92およびカラーディスプレイ表示用バッファメモリであるビデオRAM93が接続されており、画像制御ワークRAM98も接続されている。VDP90は、マイコン81の制御の下、液晶表示装置39に画像表示を行う。マイコン81は、その時の遊技状態および当選フラグの種類といった情報をメイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から取り込み、取り込んだ遊技状態および当選フラグに基づいて表示する演出画像を選択する。そして、VDP90を制御して選択した演出画像を液晶表示装置39に表示させる。サブCPU82、VDP90、および液晶表示装置39は、遊技者に有利な遊技状況(ST)が発生しているときに、払出量管理手段での比較結果に応じて内部当選役決定手段により決定された特定の内部当選役(ベルの小役)の入賞に関する情報を報知する報知手段を構成している。また、マイコン81は、報知手段により報知された特定の内部当選役が入賞しない情報に基づいた変動表示の停止に関連する信号が出力された場合、遊技者に付加価値を与えるか否かの抽選を行う付加価値付与手段を構成している。本実施形態では、付加価値付与手段は、「ST状態」におけるSTゲーム数を上乗せするか否かの上乗せ抽選を行い、この上乗せ抽選に当選した場合に、上乗せ数抽選で決定した遊技数を上乗せする。
また、音源IC91にはサウンド・データが記憶されたサウンドROM94が接続されており、音源IC91は、マイコン81の制御の下、パワーアンプ95を介してスピーカ96,96からサウンドを放音させる。マイコン81は、メイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から入力される指示に従い、音源IC91およびパワー・アンプ95を制御し、メダル投入音,スタートレバー操作音,停止ボタン操作音,ボーナスゲーム中の遊技音といった効果音をスピーカ96,96から出力させる。また、メイン制御基板61から取り込んだ遊技状態および当選フラグに基づいて選択した演出態様に基づく出音パターンで、スピーカ96,96から出音させる。
次に、図8〜図13を参照して、メイン制御基板61のプログラムROM65に格納される各種テーブルについて説明する。
図8(a)〜(d)は各遊技状態に用いられる確率抽選テーブル、同図(d)は停止テーブル選択テーブルを概念的に示す図である。
これら確率抽選テーブルは、後述するメインフローチャートの確率抽選処理(図15,S13)において内部当選役を抽選する際に用いられ、乱数発生器69で発生し、乱数サンプリング回路70で抽出された乱数を各内部当選役に区分けするデータを記憶している。各内部当選役には、0〜16383の数値データの中から所定の数値範囲の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が属する乱数範囲に割り当てられた内部当選役に対応するフラグが立つ。つまり、内部当選役は、サンプリングされた1つの乱数値がどの乱数範囲に属するかによって決定され、当たり要求フラグによって表される。
同図(a)は、「一般遊技状態」において用いられる一般遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。
「上チリ」の小役には下限値0,上限値19の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が0〜19の範囲に属すると「上チリ」当たり要求フラグが立つ。「上チリ」の小役の当選確率は20/16384である。「下チリ」の小役には下限値20,上限値40の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が20〜40の範囲に属すると「下チリ」当たり要求フラグが立つ。「下チリ」の小役の当選確率は21/16384である。「スイカ」の小役には下限値41,上限値67の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が41〜67の範囲に属すると「スイカ」当たり要求フラグが立つ。「スイカ」の小役の当選確率は27/16384である。「ベル」の小役には下限値68,上限値5529の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が68〜5529の範囲に属すると「ベル」当たり要求フラグが立つ。「ベル」の小役の当選確率は5462/16384である。「再遊技」には下限値5530,上限値7779の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が5530〜7779の範囲に属すると「再遊技」当たり要求フラグが立つ。「再遊技」の当選確率は2250/16384である。「RB」には下限値7780,上限値7824の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が7780〜7824の範囲に属すると「RB」当たり要求フラグが立つ。「RB」の当選確率は45/16384である。「BB」には下限値7825,上限値7879の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が7825〜7879の範囲に属すると「BB」当たり要求フラグが立つ。「BB」の当選確率は55/16384である。「ハズレ」には下限値7880,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は8504/16384である。
同図(b)は、「持越状態」において用いられる持越状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。
この確率抽選テーブルは、「上チリ」の小役、「下チリ」の小役、「スイカ」の小役、、「ベル」の小役、および「再遊技」には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率も同じ値である。しかし、「RB」および「BB」には乱数範囲が割り当てられていない。また、「ハズレ」には下限値7780,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、「ハズレ」の当選確率は8604/16384である。
同図(c)は、「BB中一般遊技状態」において用いられるBB中一般遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。
この確率抽選テーブルでは、「上チリ」の小役には下限値0,上限値20の乱数範囲が割り当てられており、「上チリ」の小役の当選確率は21/16384である。「下チリ」の小役には下限値21,上限値50の乱数範囲が割り当てられており、「下チリ」の小役の当選確率は30/16384である。「スイカ」の小役には下限値51,上限値80の乱数範囲が割り当てられており、「スイカ」の小役の当選確率は30/16384である。「ベル」の小役には下限値81,上限値10000の乱数範囲が割り当てられており、「ベル」の小役の当選確率は9920/16384である。「RB」には下限値10001,上限値14097の乱数範囲が割り当てられており、「RB」の当選確率は4097/16384である。「ハズレ」には下限値14098,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は2286/16384である。そして、「再遊技」および「BB」には乱数範囲が割り当てられていない。
同図(d)は、「RB遊技状態」において用いられるRB遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。
この確率抽選テーブルでは、「ハズレ」には下限値0,上限値2の乱数範囲が割り当てられており、「ハズレ」の当選確率は3/16384である。「役物」には下限値3,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、「役物」の小役の当選確率は16381/16384である。また、「上チリ」の小役、「下チリ」の小役、「スイカ」の小役、「ベル」の小役、「再遊技」、「RB」、および「BB」には乱数範囲が割り当てられていない。
同図(e)は、停止テーブル選択テーブルを概念的に示す図である。
この停止テーブル選択テーブルは、後述するメインフローチャートの停止位置検索用テーブル選択処理(図16,S16)において、テーブルナンバー1〜3の何れかの停止位置検索用テーブルを選択する際に用いられる。停止テーブル選択テーブルは、メインCPU64で抽出された乱数を各テーブルナンバーに区分けするデータを記憶している。各テーブルナンバーには、0〜255の数値データの中から所定の数値範囲の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が属する乱数範囲に割り当てられたテーブルナンバーが当選となる。テーブルナンバー1には下限値0,上限値85の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は86/256である。テーブルナンバー2には下限値86,上限値170の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は85/256である。テーブルナンバー3には下限値171,上限値255の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は85/256である。
次に、図9〜図13を参照して、左,中,右の各リール2〜4の停止制御に用いられる停止位置検索用テーブルについて説明する。
停止位置検索用テーブルは、左,中,右の各リール2〜4の停止制御(図16,S23参照)に用いられるもので、遊技状態および内部当選役の種類毎に選択される。図9および図10に示す停止位置検索用テーブルは、「ST状態」における確率抽選処理(図15,S13参照)において、ベルの小役に内部当選した場合に、図8(e)に示す停止テーブル選択テーブルを用いた抽選で当選したテーブルナンバーのものが用いられる。各停止位置検索用テーブルには、左,中,右の各リール2〜4毎に「停止操作位置」および「停止制御位置」が示されている。「停止操作位置」の欄の各数値は、各停止ボタン31〜33が操作された際に、入賞ラインL1上に位置しているシンボルのコードナンバーを表す。「停止制御位置」の欄の各数値は、対応する「停止操作位置」で各停止ボタン31〜33が操作されると、入賞ラインL1上に停止表示されるシンボルのコードナンバーを表す。例えば、図9(a)に示すテーブルナンバー1の停止位置検索用テーブル1では、左リール2の順押し時の「停止操作位置」がコードナンバー“12”のシンボル「Replay」の場合には、「停止制御位置」がコードナンバー“13”のシンボル「スイカ」であるため、入賞ラインL1上にはシンボル「スイカ」が停止表示するようにリール2の停止制御が行われる。また、本実施形態では、いわゆる「スベリコマ数」を最大4コマとしているので、例えば、左リール2の回転中においてコードナンバー“14”のシンボル「ベル」が入賞ラインL1上に位置したときに、停止ボタン31が操作されると、同テーブルに示されるように、4コマ離れたコードナンバー“18”のシンボル「Replay」が有効化入賞ラインL1上に停止表示するように、左リール2が停止制御される。
図9(a)に示す停止位置検索用テーブル1は、停止ボタン31,停止ボタン32,停止ボタン33の順で順押しされた場合に、ベルの小役の入賞を成立させる停止位置検索用テーブルである。この停止位置検索用テーブル1では、左リール2についての「停止制御位置」には、各停止ボタン31〜33の操作順序が順押しの他に中押しまたは逆押しの時の値も設定されている。停止ボタン31,停止ボタン32,停止ボタン33の順で順押しされた場合における、左リール2についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“01”,“03”,“08”,“10”,“13”,“18”である。コードナンバー“01”はシンボル「赤7」に、コードナンバー“03”,“08”,“18”はシンボル「Replay」に、コードナンバー“10”,“13”はシンボル「スイカ」に、それぞれ対応するものである。いずれのコードナンバーの場合も、これらシンボルの1個上に位置する表示窓5の上段にはシンボル「ベル」が停止表示される。また、停止ボタン32,停止ボタン31,停止ボタン33の順で中押しされた場合、または、停止ボタン33,停止ボタン32,停止ボタン31の順で逆押しされた場合における、左リール2についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“02”,“04”,“09”,“11”,“14”,“19”である。いずれのコードナンバーもシンボル「ベル」に対応するもので、表示窓5の中段にはシンボル「ベル」が停止表示される。
中リール3および右リール4についての「停止制御位置」には、各停止ボタン31〜33の操作順序に関わらず同じ値が設定されている。中リール3についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“01”,“06”,“10”,“14”,“18”である。いずれのコードナンバーもシンボル「ベル」に対応するものであり、表示窓6の中段にはシンボル「ベル」が停止表示される。また、右リール4についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“04”,“09”,“13”,“17”,“20”である。コードナンバー“04”,“20”はシンボル「赤7」に、コードナンバー“09”,“13”,“17”はシンボル「スイカ」に、それぞれ対応するものである。いずれのコードナンバーの場合も、これらシンボルの1個下に位置する表示窓7の下段にはシンボル「ベル」が停止表示される。
従って、この停止位置検索用テーブル1が用いられた場合には、停止ボタン31〜33が順押しされると、図11(a)に示すように停止ボタン31〜33の操作タイミングに関わらず、シンボルが変動表示している表示窓5〜7には、同図(b)に示すように入賞ラインL3A上にシンボル「ベル」が揃って停止表示される。一方、停止ボタン31〜33が中押しまたは逆押しされると、図12(a)に示すように停止ボタン31〜33の操作タイミングに関わらず、シンボルが変動表示している表示窓5〜7には、同図(b)に示すようにシンボル「ベル」が停止表示され、ベルの小役の入賞は成立しない。
図9(b)に示す停止位置検索用テーブル2は、停止ボタン32,停止ボタン31,停止ボタン33、または停止ボタン32,停止ボタン33,停止ボタン31の順で中押しされた場合に、ベルの小役の入賞を成立させる停止位置検索用テーブルである。この停止位置検索用テーブル2では、停止ボタン32,停止ボタン31,停止ボタン33、または停止ボタン32,停止ボタン33,停止ボタン31の順で中押しされた場合における、左リール2についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“01”,“03”,“08”,“10”,“13”,“18”である。コードナンバー“01”はシンボル「赤7」に、コードナンバー“03”,“08”,“18”はシンボル「Replay」に、コードナンバー“10”,“13”はシンボル「スイカ」に、それぞれ対応するものである。いずれのコードナンバーの場合も、これらシンボルの1個上に位置する表示窓5の上段にはシンボル「ベル」が停止表示される。また、停止ボタン31,停止ボタン32,停止ボタン33の順で順押しされた場合、または、停止ボタン33,停止ボタン32,停止ボタン31の順で逆押しされた場合における、左リール2についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“02”,“04”,“09”,“11”,“14”,“19”である。いずれのコードナンバーもシンボル「ベル」に対応するもので、表示窓5の中段にはシンボル「ベル」が停止表示される。
中リール3および右リール4についての「停止制御位置」には、各停止ボタン31〜33の操作順序に関わらず同じ値が設定されている。中リール3についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“01”,“06”,“10”,“14”,“18”である。いずれのコードナンバーもシンボル「ベル」に対応するものであり、表示窓6の中段にはシンボル「ベル」が停止表示される。また、右リール4についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“04”,“09”,“13”,“17”,“20”である。コードナンバー“04”,“20”はシンボル「赤7」に、コードナンバー“09”,“13”,“17”はシンボル「スイカ」に、それぞれ対応するものである。いずれのコードナンバーの場合も、これらシンボルの1個下に位置する表示窓7の下段にはシンボル「ベル」が停止表示される。
従って、この停止位置検索用テーブル2が用いられた場合には、停止ボタン31〜33が中押しされると、図11(a)に示すように停止ボタン31〜33の操作タイミングに関わらず、シンボルが変動表示している表示窓5〜7には、同図(b)に示すように入賞ラインL3A上にシンボル「ベル」が揃って停止表示される。一方、停止ボタン31〜33が順押しまたは逆押しされると、図12(a)に示すように停止ボタン31〜33の操作タイミングに関わらず、図12(a)に示すようにシンボルが変動表示している表示窓5〜7には、同図(b)に示すようにシンボル「ベル」が停止表示され、ベルの小役の入賞は成立しない。
図10(c)に示すテーブルナンバー3の停止位置検索用テーブル3は、停止ボタン33,停止ボタン32,停止ボタン31の順で逆押しされた場合にベルの小役の入賞を成立させる停止位置検索用テーブルである。この停止位置検索用テーブル3では、停止ボタン33,停止ボタン32,停止ボタン31の順で逆押しされた場合における、左リール2についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“01”,“03”,“08”,“10”,“13”,“18”である。コードナンバー“01”はシンボル「赤7」に、コードナンバー“03”,“08”,“18”はシンボル「Replay」に、コードナンバー“10”,“13”はシンボル「スイカ」に、それぞれ対応するものである。いずれのコードナンバーの場合も、これらシンボルの1個上に位置する表示窓5の上段にはシンボル「ベル」が停止表示される。また、停止ボタン31,停止ボタン32,停止ボタン33の順で順押しされた場合、または、停止ボタン32,停止ボタン31,停止ボタン33の順で中押しされた場合における、左リール2についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“02”,“04”,“09”,“11”,“14”,“19”である。いずれのコードナンバーもシンボル「ベル」に対応するもので、表示窓5の中段にはシンボル「ベル」が停止表示される。
中リール3および右リール4についての「停止制御位置」には、各停止ボタン31〜33の操作順序に関わらず同じ値が設定されている。中リール3についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“01”,“06”,“10”,“14”,“18”である。いずれのコードナンバーもシンボル「ベル」に対応するものであり、表示窓6の中段にはシンボル「ベル」が停止表示される。また、右リール4についての「停止制御位置」のコードナンバーは、“04”,“09”,“13”,“17”,“20”である。コードナンバー“04”,“20”はシンボル「赤7」に、コードナンバー“09”,“13”,“17”はシンボル「スイカ」に、それぞれ対応するものである。いずれのコードナンバーの場合も、これらシンボルの1個下に位置する表示窓7の下段にはシンボル「ベル」が停止表示される。
従って、この停止位置検索用テーブル3が用いられた場合には、停止ボタン31〜33が逆押しされると、図11(a)に示すように停止ボタン31〜33の操作タイミングに関わらず、シンボルが変動表示している表示窓5〜7には、同図(b)に示すように入賞ラインL3A上にシンボル「ベル」が揃って停止表示される。一方、停止ボタン31〜33が順押しまたは中押しされると、図12(a)に示すように停止ボタン31〜33の操作タイミングに関わらず、シンボルが変動表示している表示窓5〜7には、同図(b)に示すようにシンボル「ベル」が停止表示され、ベルの小役の入賞は成立しない。
図13(a)は、停止位置検索用テーブル選択処理(図16,S16参照)において決定された停止位置検索用テーブルのテーブルナンバーと、各停止ボタン31〜33の操作順序とで決まる、ベルの小役の入賞成立関係を示す図表である。
同図に示すように、停止位置検索用テーブルがテーブルナンバー1の場合、上述したように、停止ボタン31〜33が順押しされると、ベルの小役の入賞を成立させることができるが、中押しおよび逆押しの場合には、ベルの小役の入賞を成立させることができない。また、停止位置検索用テーブルがテーブルナンバー2の場合、停止ボタン31〜33が中押しされると、ベルの小役の入賞を成立させることができるが、順押しおよび逆押しの場合には、ベルの小役の入賞を成立させることができない。また、停止位置検索用テーブルがテーブルナンバー3の場合、停止ボタン31〜33が逆押しされると、ベルの小役の入賞を成立させることができるが、順押しおよび中押しの場合には、ベルの小役の入賞を成立させることができない。
図13(b)は、確率抽選処理(図15,S13)でベルの小役が内部当選役として決定された場合における、停止ボタン31〜33の操作順序と、遊技状態毎のベルの入賞成立の確率および期待値との関係を示す図表である。
同図に示すように、一般遊技状態において、図16,S16の停止位置検索用テーブル選択処理で順押し用の停止位置検索テーブル1,中押し用の停止位置検索テーブル2,または逆押し用の停止位置検索テーブル3が選択される確率、つまり、内部確率は1/3である。また、各停止位置検索テーブル1〜3に対応する順序で停止ボタン31〜33が操作されて、実際にベルの小役の入賞が成立する確率、つまり、停止操作順序を含めた内部確率はそれぞれ1/9である。従って、ベルの小役の入賞を成立させることができる期待値は、順押し,中押し,逆押しのいずれの場合もそれぞれ1/9である。
また、停止操作補助期間(「ST状態」)において停止位置検索用テーブル選択処理で順押し用の停止位置検索テーブル1,中押し用の停止位置検索テーブル2,または逆押し用の停止位置検索テーブル3が選択される内部確率は1/3である。また、「ST状態」では報知された停止操作順序に従えば、ベルの小役の入賞を成立させることができるので、停止操作順序を含めた内部確率は、順押し,中押し,逆押しのいずれの場合も1/1である。従って、ベルの小役の入賞を成立させることができる期待値は、順押し、中押し、逆押しのいずれの場合もそれぞれ1/3である。
図14は、サブ制御基板62のプログラムROM83(図7参照)に格納された各テーブルを概念的に示す図である。
同図(a)は、ST中の上乗せ抽選テーブルを概念的に示す図である。
この上乗せ抽選テーブルは、後述するST中処理(図24,25参照)のS126の処理の際に、ナビ回数(STゲーム回数)を上乗せするか否かを決定する抽選のために用いられる。上乗せ抽選テーブルは、サブCPU82で抽出された“0”〜“127”の乱数を、「当選」または「非当選」に区分けするデータを記憶している。「当選」には、“0”〜“127”の数値範囲の中から“0”〜“1”の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が「当選」に割り当てられた乱数範囲に属すると当選となる。上乗せ抽選の当選確率は、“2/128”である。
同図(b)は、ST中のナビ回数上乗せテーブルを概念的に示す図である。
このテーブルは、後述するST中処理(図24,25参照)のS128の処理の際に、ナビ回数の上乗せ回数を決定する抽選のために用いられる。ナビ回数上乗せテーブルは、メインCPU64で抽出された“0”〜“127”の乱数を、「20回」,「50回」,「100回」のいずれかの上乗せ回数に区分けするデータを記憶している。各上乗せ回数には、それぞれ“0”〜“127”の数値範囲の中から所定の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が属する乱数範囲に割り当てられた上乗せ回数が当選となる。上乗せ回数「20回」には“0”〜“63”の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は“64/128”である。上乗せ回数「50回」には“64”〜“95”の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は“32/128”である。上乗せ回数「100回」には“96”〜“127”の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は“32/128”である。
次に、図15〜図17に示すメインフローチャートを参照して、メイン制御基板61のメインCPU64の制御動作について説明する。
初めに、メインCPU64は、遊技開始時の初期化を行う(図15,S0参照)。具体的には、制御RAM66の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いてゲーム終了時の制御RAM66の所定の記憶内容を消去する(S1)。具体的には、前回のゲームに使用された制御RAM66の書き込み可能エリアのデータの消去、制御RAM66の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。
次に、メインCPU64は、前回のゲーム終了後から30秒経過しているかを判別し(S2)、判別が“YES”の場合には、「デモ表示コマンド」を制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S3)。このデモ表示コマンドは、液晶表示装置39の表示画面39aに待機画面を表示させるためのコマンドである。
S2での判別が“NO”の場合、または、デモ表示コマンドを制御RAM65にセットした後、メインCPU64は、前回のゲームの入賞役が再遊技か否か、つまり、メダルの自動投入要求があるかを判別する(S4)。この判別が“YES”のときは、投入要求分のメダルを自動投入し(S5)、S8に移る。S4の判別が“NO”のときは、メダル投入があるか否かを判別する(S6)。具体的には、投入メダルセンサ8SまたはBETスイッチ26,27,28からの入力があるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、メインCPU64は、「メダル投入コマンド」を制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S7)。このメダル投入コマンドは、メダル投入が行われたことを示すコマンドである。一方、S6の判別が“NO”のときは処理はS2に戻り、上述の処理が繰り返される。
次に、メインCPU64は、スタートレバー30の操作に基づくスタートスイッチ30Sからの入力があるか否かを判別する(S8)。この判別が“YES”のときは、次に、メインCPU64は、単位遊技を開始して、乱数発生器69で発生した抽選用の乱数をサンプリング回路70によって抽出し(S9)、引き続いて、遊技状態監視処理を行う(S10)。
次に、メインCPU64は、払出枚数管理処理を行い(S11)、続いて「払出枚数管理情報コマンド」を制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S12)。払出枚数管理処理では、所定遊技期間における現在までの各単位遊技で払い出されたメダルの総払出枚数と規定払出枚数との差が計算されて、これらが比較される。また、払出枚数管理情報コマンドは、払出枚数管理処理での比較結果に関する情報を含むコマンドである。
次に、メインCPU64は、確率抽選処理を行う(S13)。確率抽選処理では、図8に示す各確率抽選テーブルの中からそのときの遊技状態に応じた確率抽選テーブルが選択され、サンプリング回路70によって特定された1つの乱数値が、選択された確率抽選テーブルのどの役に割り当てられた乱数範囲に属するかが判断される。そして、抽出乱数値が属する乱数範囲に対応する役が内部当選役として決定される。
続いて、メインCPU64は、S13の確率抽選処理で決定された内部当選役がBBまたはRBであるか否かを判別する(図16,S14参照)。この判別が“YES”であるときは、持越役に当選役をセットする(S15)。S14での判別が“NO”のとき、または、S15の処理を行った後、メインCPU64は、後述する停止位置検索用テーブル選択処理を行い(S16)、続いて、ゲーム開始時の「スタートコマンド」を制御RAM66の通信データ格納領域にセットする(S17)。「スタートコマンド」は、S10で識別した遊技状態、S13の確率抽選処理で抽選した当選役、S16の停止位置検索用テーブル選択処理で選択した停止位置検索用テーブルナンバー等の情報を含むコマンドである。
続いて、前回のリール回転開始からゲーム最短時間(4.1秒)が経過したか否かを判別する(S18)。この判別が“NO”のときは、ゲーム最短時間が経過するまでS18の処理が繰り返される。この間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理(ここでは、リール2〜4の回転の開始を待機させる処理)が行われる。
ゲーム最短時間が経過すると、メインCPU64は、ゲーム最短時間(4.1秒)計時用タイマを制御RAM66にセットする(S19)。このゲーム最短時間計時用タイマは、各単位遊技の時間を監視するタイマであり、遊技者の停止ボタン31,32,33の停止操作によらずに自動的にリール2,3,4を停止させるための自動停止用のタイマも含んでいる。
S19の処理が終了すると、メインCPU64は、全リール2〜4の回転開始要求を行い(S20)、全リール2〜4の回転を開始させ、続いて、「全リール停止許可コマンド」を制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S21)。「全リール停止許可マンド」は、停止ボタン31〜33の操作を受け付けることを許容するコマンドである。次に、後述するリール停止処理を行う(S23)。
続いて、メインCPU64は、全てのリールが停止したかどうかを判別し(S24)、この判別が“NO”のときは処理はS23に戻り、上述の処理が繰り返される。一方、全てのリール2〜4が停止し、S24の判別が“YES”になると、メインCPU64は「全リール停止コマンド」を制御RAM66の通信データ記憶領域にセットする(S25)。
次に、メインCPU64は入賞検索処理を行う(図17,S26参照)。この入賞検索処理では、有効化入賞ライン上に実際に揃っているシンボルの組合せの種類と、確率抽選処理によって決定された当選役の種類との一致がとられる。そして、次に、この入賞役が正常か否かが判別される(S27)。この判別結果が正常でない場合には、配当枚数表示部20および液晶表示装置39にイリーガルエラーが表示される(S28)。入賞役が正常の場合には、入賞役の種類を示す「入賞役コマンド」が制御RAM66の通信データ記憶領域にセットされる(S29)。
次に、メインCPU64は、入賞役がBBまたはRBであるか否かを判別し(S30)、入賞役がBBまたはRBである場合には、持越役をクリアする(S31)。続いて、メダルの払出、およびBB、RBの発生処理が行われる(S32)。この処理では、その時の状態によって遊技メダルの貯留、または払い出しが行われる。つまり、クレジットで遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得したメダル数分、貯留枚数表示部16に表示される貯留枚数が増加され、また、メダル投入口8へのメダル投入で遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得した枚数のメダルがメダル受皿34へ払い出される。また、入賞役がBBまたはRBである場合には、BBまたはRBの発生処理が行われ、遊技状態が「BB中一般遊技状態」または「RB遊技状態」に移行する。
続いて、メインCPU64は、現在の遊技状態がBBゲームまたはRBゲームの作動中であるか否かを判別する(S33)。BBゲームまたはRBゲームの作動中である場合には、次に、メインCPU64は、BBゲームまたはRBゲームの遊技数をチェックする(S34)。続いて、メインCPU64は現在の遊技状態がBBゲームまたはRBゲームの終了時か否かを判別する(S35)。BBゲームまたはRBゲームの終了時であれば、BBまたはRB終了時のRAMクリア処理が制御RAM66に対して行われ(S36)、続いて、「BBまたはRB終了コマンド」が制御RAM66の通信データ記憶領域にセットされる(S37)。「BBまたはRB終了コマンド」は、終了動作を表す3ビットのパラメータを含んで構成されている。S33の判別がBBゲームまたはRBゲームの作動中でない場合、またはS35の判別がBBゲームまたはRBゲーム終了時でない場合、またはS37の処理が終了した場合には、その後、処理は図15のS1に戻って次の新たな単位遊技が開始される。
図18は、図16のS16で行われる停止位置検索用テーブル選択処理の詳細を説明する図である。この停止位置検索用テーブル選択処理では、まず、メインCPU64は、確率抽選処理(図15,S13参照)で決定された内部当選役がベルの小役であるか否かを判別する(S40)。この判別が“YES”の場合は、停止テーブル抽選用の乱数を抽出し(S41)、続いて、抽出した乱数値およびテーブルナンバー選択テーブル(図8(e)参照)に基づいて、停止位置検索用テーブルナンバー1,2,3のいずれかを選択する。そして、選択したナンバーに対応するいずれかの停止位置検索用テーブル1〜3を選択し(S42)、処理は図16のS17に戻る。一方、S40での判別が“NO”の場合は、内部当選役、遊技状態等によって通常の停止位置検索用テーブルを選択し(S43)、処理は図16のS17に戻る。
図19は、図16のS23で行われるリール停止処理の詳細を説明する図である。このリール停止処理では、まず、メインCPU64は、停止ボタン31〜33のいずれかがオン操作されたか否かを判別する(図19,S50参照)。この判別が“NO”の場合、続いて、メインCPU64は、自動停止タイマの値が“0”か否かを判別する(S51)。この判別が“NO”の場合、処理はS50に戻り、上述の処理が繰り返される。S50またはS51での判別が“YES”の場合、メインCPU64は、確率抽選処理(図15,S13参照)で決定された内部当選役がベルの小役であるか否かを判別する(S52)。この判別が“YES”の場合、メインCPU64は、S50で判別された操作が第一停止操作か否かを判別する(図20,S53参照)。この判別が“YES”の場合、メインCPU64は、第一停止操作に対応するリールは左リール2であるか否かを判別する(S54)。
この判別が“YES”の場合、メインCPU64は、図18の停止位置検索用テーブル選択処理で決定されたテーブルのテーブルナンバーは“1”か否かを判別する(S58)。この判別が“YES”の場合、メインCPU64は、図11(b)に示すように入賞ライン3LA上にシンボル「ベル」が揃って、ベルの小役の入賞が成立するように滑りコマ数を決定する(S59)。一方、判別が“NO”の場合、メインCPU64は、図12(b)に示すようにいずれの入賞ライン上にもシンボル「ベル」が揃わず、ベルの小役の入賞が成立しないように滑りコマ数を決定する(S60)。
また、S54の判別が“NO”の場合、メインCPU64は、第一停止操作に対応するリールは中央の中リール3であるか否かを判別する(S55)。この判別が“YES”の場合、メインCPU64は、図18の停止位置検索用テーブル選択処理で決定されたテーブルのテーブルナンバーは“2”か否かを判別する(S56)。この判別が“YES”の場合、処理はS59に移り、判別が“NO”の場合、処理はS60に移る。また、S55の判別が“NO”の場合、メインCPU64は、図18の停止位置検索用テーブル選択処理で決定されたテーブルのテーブルナンバーは“3”か否かを判別する(S57)。この判別が“YES”の場合、処理はS59に移り、判別が“NO”の場合、処理はS60に移る。
また、S53での判別が“NO”の場合、メインCPU64は、既に選択されているテーブルナンバーおよび第一停止操作に基づいて、滑りコマ数を決定する(S61)。
一方、図19,S52の判別が“NO”の場合、メインCPU64は、当選要求、遊技状態、図柄位置等から滑りコマ数を決定する(図20,S62参照)。S62,または図19のS59,S60,若しくはS61の処理が行われた後、メインCPU64は、左,中,または右のリール2〜4を決定した滑りコマ数分回転させて停止し(S63)、処理は図16のS24に戻る。
次に、図21を参照して、例えば、1.1173ms毎にメイン制御基板61で行われる定期割込処理について説明する。
図21は、この定期割込処理の概略を示すフローチャートである。この定期割込処理では、まず、メインCPU64は、各レジスタの内容を制御RAM66の所定領域に退避し(図21,S70)、続いて、リール識別子に右リール4を示す情報をセットする(S71)。次に、メインCPU64は、右リール4についてリール制御処理を行う(S72)。リール制御処理では、リールの制御状態が停止制御中,加速制御中,定速制御中のいずれの状態であるかを監視し、制御状態に応じた制御を行う。いずれの状態でもないときは、リール回転の初期化処理を行う。また、停止制御では、停止制御の終了タイミングになるとモータの回転を停止して、処理を終了する。加速制御では、所定の加速時間が経過すると、処理を定速制御中に移す。定速制御では、停止ボタン31〜33の操作または自動停止時間の経過があると、処理を停止制御に移す。
次に、メインCPU64は、リール識別子に中リール3を示す情報をセットし(S73)、続いて、中リール3についてS72と同様のリール制御処理を行う(S74)。次に、メインCPU64は、リール識別子に左リール2を示す情報をセットし(S75)、続いて、左リール2についてS72と同様のリール制御処理を行う(S76)。
全てのリール2〜4についてリール制御処理を行った後、メインCPU64は、電磁カウンタ制御処理を行い(S77)、続いて、ランプ点滅制御処理を行う(S78)。電磁カウンタ制御処理は、メダル投入口8から投入されたメダルの真贋によってメダルの通過経路を切り替える処理である。また、ランプ点滅制御処理では、各種ランプ(遊技動作表示ランプ13〜15、スタートランプ17、WINランプ19)を、各ランプの点灯または消灯のタイミングに点灯または消灯する。
次に、メインCPU64は、7SEG駆動制御処理を行い(S79)、続いて、通信データ送信処理を行う(S80)。7SEG駆動制御処理では、貯留枚数表示部16および配当枚数表示部20を構成する各LEDを表示数値に応じて点灯または消灯する。通信データ送信処理は、メイン基板61における制御RAM66の通信データ記憶領域にセットされたコマンド情報をサブ制御基板62へ送信する処理である。次に、メインCPU64は、制御RAM66の所定領域に退避された各レジスタの内容を復帰し(S81)、定期割込処理を終了する。
次に、図22〜図25を参照して、サブ制御基板62のサブCPU82によって制御される遊技処理について説明する。
図22は、サブCPU82によって制御される遊技処理の概略を示すフローチャートである。パチスロ機1に電源が投入され、サブCPU82のリセット端子に信号が入力されると、サブCPU82により、RAM84,93,98の初期化や、割込を許可する初期化処理が実行される。その後、サブ制御基板62では、メイン制御基板61側から受信される各種コマンドがサブCPU82によって常に解析されている(図22,S90参照)。そして解析したコマンドに基づき、液晶表示装置39での演出表示や、スピーカ96,96からのサウンド放音処理等の各種遊技演出処理が適宜行われる。
図23は、サブCPU82によって制御されるST実行処理の概略を示すフローチャートである。
ST実行処理では、まず、サブCPU82は、メイン制御基板61側から図17,S37でセットされたBB又はRB終了コマンドを受信したか否かを判別する(図23,S100参照)。この判別が“YES”の場合、サブCPU82は、STゲーム数カウンタに100をセットする(S101)。S100での判別が“NO”の場合、またはS101の処理が行われた後、サブCPU82は、後述するST中処理を行い(S102)、ST実行処理を終了する。
図24および図25は、図23に示すST中処理の詳細を示すフローチャートである。
このST中処理では、サブCPU82は、まず、STゲーム数カウンタは1以上か否かを判別する(図24,S110参照)。この判別が“YES”の場合、サブCPU82は、図16,S17でセットされるスタートコマンドに含まれる停止位置検索用テーブルナンバーコマンドを受信したか否かを判別する(S111)。この判別が“NO”の場合、サブCPU82は、スタートコマンドに含まれる内部当選役のコマンドがBB又はRB内部当選を示すか否かを判別する(S112)。この判別が“YES”の場合、サブCPU82は、液晶表示装置39の表示画面39aでボーナスが内部当選したことを報知する(S113)。例えば、図16,S15の処理で持ち越し役にBBがセットされている場合、液晶表示装置39の表示画面39aには、図26(a)に示すように、シンボル「赤7」が3個連続して表示されて、BBが持ち越し役にセットされていることが遊技者に報知される。また、図16のS15の処理で持ち越し役にRBがセットされている場合、液晶表示装置39の表示画面39aには、同図(b)に示すように、2個のシンボル「赤7」と1個のシンボル「青7」との組合せが表示されて、RBが持ち越し役にセットされていることが遊技者に報知される。
続いて、サブCPU82は、図16,S25でセットされる全リール停止コマンドを受信したか否かを判別する(S114)。この判別が“NO”の場合は、S114の処理が繰り返され、判別が“YES”の場合は、サブCPU82は、STゲーム数カウンタを“0”にセットし(S115)、ST中処理を終了する。
また、S112での判別が“NO”の場合は、内部当選役を報知する(S116)。つまり、内部当選役の種別を報知する表示を液晶表示装置39の表示画面39aで行う。続いて、サブCPU82は、STゲーム数カウンタを“1”減算して(S117)、ST中処理を終了する。また、S111での判別が“YES”の場合は、図15,S12でセットされる払い出し枚数管理情報コマンドによって、単位遊技における払出枚数の情報を受信し(S118)、続いて、現在までの所定遊技期間でのメダルの総払出枚数と所定遊技期間における規定払出枚数との差が400枚以内か否かを判別する(S119)。
この判別が“NO”の場合、S111で受信した停止位置検索用テーブルナンバーコマンド、および内部当選役コマンドに基づいて、リール2〜4の停止順序を報知する(S120)。具体的には、ベル内部当選役の入賞が成立する停止ボタン31〜33の操作順序が、液晶表示装置39の表示画面39aに表示される。この場合、例えば、液晶表示装置39の表示画面39aには、図27(a)に示すように左リール2から停止操作を行うように報知表示が行われる。この表示に従って停止ボタン31が操作されると、同図(b)に示すように、液晶表示装置39にはベルの小役に対応する15枚のメダルを獲得できる旨の表示が行われる。続いて、STゲーム数カウンタの値を“1”減算して(S121)、ST中処理を終了する。
S119の判別が“YES”の場合、サブCPU82は、報知手段、つまり液晶表示装置39により、遊技者に規定払出枚数を超えるおそれがあることを報知する(図25,S122参照)。次に、サブCPU82は、報知手段、つまり液晶表示装置39により、ベル内部当選役が入賞しない情報を報知する(S123)。具体的には、ベル内部当選役の入賞が成立しない停止ボタン31〜33の操作順序が、液晶表示装置39の表示画面39aに表示される。
続いて、サブCPU82は、STゲーム数カウンタの値を“1”減算した後(S124)、停止ボタン31〜33の操作順序が報知した押し順に従ったものか否かを判別する(S125)。この判別が“NO”の場合、サブCPU82は、報知手段、つまり液晶表示装置39によって報知した押し順に従う様、遊技者に警告し、ST中処理を終了する。この場合には、例えば、図27(c)に示すように、液晶表示装置39には報知された操作順序に従うように警告する表示が行われる。
一方、S125の判別が“YES”の場合、ST中の上乗せ抽選テーブル(図14(a))により、ST中の上乗せ抽選を行い(S126)、続いて、抽選に当選したか否かを判別する(S127)。例えば、S119での判別が“YES”であると、液晶表示装置39の表示画面39aには、図28(a)に示すように払い出されたメダル枚数が規定払出枚数に達するおそれがある旨と、ベルの小役の入賞が成立しない停止ボタン31〜33の操作順序、つまり、停止ボタン31から操作するように報知する表示が行われる。この表示に従って停止ボタン31が操作され、S126の上乗せ抽選での抽選結果が当選(S127での判別が“YES”)であると、同図(b)に示すように、液晶表示装置39にはST上乗せ抽選が行われる旨が表示される。一方、停止ボタン31の操作が同図(a)の表示に従われなかった場合には、同図(c)に示すように、液晶表示装置39には報知された操作順序に従うように、また、STの上乗せ抽選が行われない旨を警告する表示が行われる(S130)。
S127の判別が“YES”の場合、ST中のナビ回数上乗せ抽選テーブル(図14(b))により、ST中の上乗せゲーム数の抽選を行い(S128)、続いて、当選したST上乗せゲーム数をSTゲーム数カウンタに加算する(S129)。S127の判別が“NO”の場合、または、S129の処理を行った後、ST中処理は終了する。
このように、本実施形態によるパチスロ機1では、遊技者に有利な遊技状況である「ST状態」が発生したときに、所定の遊技期間でのメダルの払出枚数が規定払出枚数を超えるおそれがある場合には、ベルの小役が入賞しない停止ボタン31〜33の操作順序が液晶表示装置39の画像表示によって遊技者に報知される。遊技者は、報知された操作順序に従って停止ボタン31〜33を操作することにより、規定払出枚数を超過するメダルの払い出しが行われることを回避することができるうえ、この報知に従うことを条件に行われる抽選の結果によっては「ST状態」の単位遊技数が上乗せされるという付加価値が与えられる。このため、遊技者の射幸心を煽りすぎず、遊技者にとって面白みのある遊技機を提供することが可能となる。
また、本実施形態では、遊技者に有利な遊技状況が、ベルの小役を入賞させる停止ボタン31〜33の操作順序報が報知される「ST状態」であることから、「ST状態」においては、報知される停止操作順序に従って停止ボタン31〜33を操作することにより、ベルの小役が入賞するので、遊技者はメダルを容易に獲得することが可能となる。
また、停止ボタン31〜33の停止操作順序によりベルの小役の入賞の可否が決定されるので、報知された操作順序に従って停止ボタン31〜33を操作すれば、ベルの小役を入賞させることが可能なので、ベルの小役の入賞を成立させるのに、停止操作順序に加えて目押しが必要になる場合に比べて、遊技を円滑に行うことが可能となる。
また、本実施形態では、「ST状態」の遊技数を上乗せするか否かの上乗せ抽選を行い、この抽選に当選した場合に抽選で決定した遊技数が上乗せされ、上乗せされる遊技数が固定されていないので、遊技者は上乗せされたSTゲーム数は何ゲームかという期待感を持って「ST状態」の遊技を行うことが可能となる。
なお、上記実施形態では、報知手段として液晶表示装置39を用いた場合について説明したが、これに限らず、スピーカ96,96から放音される音声、または、リールバックランプ47a〜47c等のランプを報知手段としてもよい。また、これらを併せて報知手段としてもよい。これにより、遊技者に対する報知方法の幅が増え、遊技に対する興趣が増す。
また、上記実施形態では、遊技者に有利な遊技状況として「ST状態」を挙げているが、これに限らず、再遊技の当選確率の高い「RT(リプレイタイム)状態」等を設け、これを遊技者に有利な遊技状況としてもよい。この構成によれば、「RT状態」ではリプレイが高確率で発生し、遊技者はメダルを消費することなく多くの単位遊技が行えるので、有利に遊技を進められる。
また、上記実施形態では、停止ボタン31〜33の操作が報知に従ってなされた場合に遊技者に付与される付加価値として、STの上乗せ抽選を行うこととしている。しかし、付加価値はこれに限らず、例えば、より多くの再遊技が行える契機となる「RT状態」の抽選等を付加価値として本発明を適用してもよい。この構成によれば、付加価値をさまざまなものに適用可能なため、遊技に対する興趣が増す。また、付加価値は、STの上乗せ抽選だけでなく、これに加えて「RT状態」の抽選も併せて付加価値に含めてよい。これにより、付加価値の抽選が増えるため、遊技に対する興趣が増す。
また、上記実施形態では、ベルの小役を停止ボタン31〜33の押し順の概念がある内部当選役とし、ベルの小役について停止操作順序を報知するものとしているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、停止ボタン31〜33に対応したリール2〜4のうち、いずれかについては「赤7」と「青7」等の色や図柄が区別される所定のシンボルを目押しによって停止表示させなければならないこととし、この停止表示させるべきシンボルの種別を報知するようにしてもよい。これにより、目押しの技術介入が必要なST等にも適用可能となり、遊技の幅が広がる。
また、上記実施形態では、「ST状態」中に規定払出枚数を超過するおそれがあるときに、ベルの小役の入賞しない情報を報知し、遊技者が報知に従わない場合は警告を行っているが、これに限らず、「ST状態」を強制終了させる強制終了手段を設け、規定払出枚数を超過するおそれがある場合に、強制終了手段により、「ST状態」を強制終了させてもよい。これにより、規定払出枚数を超過する可能性をさらに減らすことが可能となる。
また、上記実施形態では、ベルの小役が入賞しない情報が報知された際に、第1停止ボタンのみ、報知された情報に従えば付加価値を受けられるが、これに限らず、例えば第2停止,第3停止の全ての停止順序に従ったときに、付加価値を与えるものとしてもよい。これにより、遊技に必要とする消化時間が延びるため、長い間有利な遊技状況を楽しむことが可能となる。
また、上記実施形態では、停止ボタン31、停止ボタン32、停止ボタン33のうち、どの停止ボタンを最初に停止させるかの3択により、「ベルの小役」の入賞の可否が決まっていたが、これに限らず、例えば、第2停止ボタンに押し順の概念を設け、第3停止ボタンに色図柄により区別される所定のシンボルの組み合わせの概念を設け、第1停止ボタンから第3停止ボタンまでのすべてがこの条件に当てはまらないと入賞しないように設定してもよい。これによっても、停止操作に時間を要して遊技に必要とする消化時間が延びるため、長い時間、有利な遊技状況を楽しむことが可能となる。
また、上記実施形態では、遊技者に有利な遊技状況の発生契機は、BBまたはRB遊技状態が終了したときとしているが、これに限らず適宜設定可能である。例えば、特定の小役が内部当選したときや、所定の遊技数遊技を行ったときなどに適用してもよい。また、STを発生させるか否かは専用の抽選テーブルを設けて抽選にて決定してもよいし、STゲーム回数も専用の抽選テーブルを設けて抽選にて決定しもよい。これにより、一般遊技状態でもSTの発生に対する期待を抱くことが可能となり、遊技に対する興趣が増す。
また、上記実施形態では、規定払出枚数と総払出枚数との差に応じて内部当選役の入賞に関する情報を報知しているが、これに限らず、適宜設定可能である。例えば、総払出枚数が規定払出枚数の所定割合(例えば、9割など)となった場合に報知してもよい。
また、上記実施形態では、ST中の特定の内部当選役(例えば“ベルの小役”など)における入賞の可否は停止ボタン31〜33の停止操作順序に基づいて制御しているが、これに限らず適宜設定可能である。例えば、リール2〜4に描写されているシンボルの組合せに基づいて制御してもよい。これにより、特定の内部当選役を入賞させるには、遊技者の目押し技術も必要となることにより、遊技に対する興趣が増す。
また、上記実施形態では、“ベルの小役”が入賞しない情報を報知し、この情報に従った場合にST中の上乗せ抽選を行った場合について説明した。しかし、例えば、“ベルの小役”が入賞する情報を報知し、この情報に従えば“ベルの小役”が入賞し、この情報に従わなかったときにST中の上乗せ抽選を行ってもよい。この場合、液晶表示装置39の表示画面39aには、まず、図29(a)に示すように、ベル内部当選役の入賞が成立する停止ボタン31〜33の操作順序を表示する。遊技者が報知した操作順序に従った場合には、同図(b)に示すように、液晶表示装置39の表示画面39aには、ベルの小役に対応する15枚のメダルを獲得できる旨の表示を行う。一方、遊技者が報知した操作順序に従わなかった場合には、同図(c)に示すように、液晶表示装置39の表示画面39aに、ST上乗せ抽選が行われる旨を表示する。このような構成によっても、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。