JP2006057047A - オキシメチレン共重合体の製造方法 - Google Patents

オキシメチレン共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 品質上の問題点を満足させつつ、用いる押出機先端での熱硬化性物質の生成・堆積が防止され、押出機のフィルター交換周期が短くならない、末端未安定化オキシメチレン共重合体から不安定成分を連続的に除く方法を提案する。
【解決手段】 末端未安定化オキシメチレン共重合体を該共重合体の融点以上の温度に加熱して該共重合体の末端未安定部分を分解除去するに際し、加熱処理を減圧脱気用ベント口を有する押出機を用いて水もしくは溶剤に溶解せしめた窒素含有化合物またはその誘導体を最も上流側の減圧脱気用ベント口から吐出口までの間に供給することを特徴とするオキシメチレン共重合体の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、オキシメチレン共重合体の製造方法に関し、詳しくは末端未安定化オキシメチレン共重合体の安定化方法に関し、さらに詳しくは添加剤を効率よく混合し安定なオキシメチレン共重合体を得る方法に関する。
ホルムアルデヒドまたはその環状オリゴマーと環状ホルマール等との共重合によって、熱的に不安定な部分を有する末端未安定化オキシメチレン共重合体が得られることが知られている。この末端未安定化オキシメチレン共重合体の熱不安定部分は、予め分解除去し、安定なオキシメチレン共重合体として使用される。 この熱不安定部分の分解除去方法としては、いくつかの方法が提案されているが、特許文献1、特許文献2,特許文献3に記載されるように塩基性物質の存在下2軸押出機を用いて行うことが主流になりつつある。
この熱不安定部分の分解除去の際に、ホルムアルデヒドと反応しうる添加剤を添加せしめることも提案されている。例えば特許文献4,特許文献5には、脂肪族アミンまたはその水溶液の存在下、熱水に溶解させたアミノ置換トリアジン化合物またはその誘導体を、末端未安定化オキシメチレン共重合体が押出機にフィードされてから、溶融後ベントで減圧脱揮されるまでの間に供給添加して行うことを特徴とするオキシメチレン共重合体の安定化法が提案されている。また特許文献6には、重合触媒不活性化剤の添加されていない粗共重合体を押出機中で完全に溶融させた後に、該押出機中の加圧領域で触媒不活性化剤及び助剤を混合し、粗共重合体から不安定成分を連続的に除くことを開示している。
これらの特許文献は、得られる安定化オキシメチレン共重合体の色相改善や熱安定性向上を目的とする他、次の2点で共通している。
共通点1:押出機に供給する、アミノ置換トリアジン化合物(特許文献4,および特許文献5)ないし、触媒不活性化剤(メラミン類も包含。特許文献6)を水等の助剤に溶解して供給すること。
共通点2:供給位置が「末端未安定化オキシメチレン共重合体が押出機にフィードされてから溶融後ベントで減圧脱気されるまでの間」(特許文献3、特許文献4)、「主要量または全量を最初の加圧領域に添加すること」(特許文献6)といったように、少なくとも主要量が添加される供給位置が減圧脱気されるまでであること。
上記特許文献以外に特許文献7には2台の押出機を用いて、一方の押出機の減圧脱揮ゾーン以降の場所に他方の押出機から安定剤及び/又は添加剤とを溶融状態で供給する方法が提案されている。
しかしこれらの方法を用いると、樹脂中に窒素含有化合物に由来すると推定される黒色ないし褐色の物質が生じ外観上の品質低下を引き起こしたり、押出機の先端部分にやはり窒素含有化合物に由来すると推定される熱硬化性物質を生成・堆積し、安定生産の障害になったり、通常押出機先端に設置されているフィルターの交換周期が短くなり、やはり安定生産の障害になることが判明した。とりわけ供給する末端未安定化オキシメチレン共重合体中の不安定末端基量が多くなった場合に特に顕著に安定生産ができなくなることが判明した。
特開平6−128344号公報(3頁) 特開平6−128343号公報(3頁) 特許第2884439号公報(3〜4頁) 特許第3246862号公報(1〜3頁) 特許第3294765号公報(1〜3頁) 特開昭63−128343号公報(4頁右上欄、比較例1) 特許第2946239号公報(1〜3頁)
従って本発明は、品質上の問題点を満足させつつ、押出機先端での熱硬化性物質の生成・堆積が防止され、用いる押出機のフィルター交換周期が短くならない、粗オキシメチレン共重合体から不安定成分を連続的に除く方法を提案することを目的とする。
その結果本発明者らは、鋭意検討を積み重ねた結果、末端未安定化オキシメチレン共重合体の加熱による末端安定化において、水もしくは溶剤に溶解せしめた窒素含有化合物またはその誘導体を押出機に減圧脱気用ベント口から吐出口までの間に供給する場合には本発明の目的が達成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、末端未安定化オキシメチレン共重合体を該共重合体の融点以上の温度に加熱して該共重合体の末端未安定部分を分解除去するに際し、末端未安定化オキシメチレン共重合体の供給口と安定化オキシメチレン共重合体の吐出口との間に減圧脱気用ベント口を2個以上有する押出機に、前記供給口から触媒不活性化処理を施された末端未安定化オキシメチレン共重合体を供給すると共に水もしくは溶剤に溶解せしめた窒素含有化合物またはその誘導体を前記減圧脱気用ベント口から前記吐出口までの間で供給するとともに、分解生成物を前記減圧脱気用ベント口から押出機外部に除去しながら加熱処理することを特徴とするオキシメチレン共重合体の製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、用いる押出機のフィルター交換の手間を大幅に軽減し、安定的に異物混入の極めて少ないオキシメチレン共重合体を得ることができる。
本発明が適用される末端未安定化オキシメチレン共重合体は、トリオキサンの如き環状アセタールを主モノマーとし、環状エーテル或いは環状ホルマールをコモノマーとして触媒の存在下で共重合することにより得られるものであって、重合工程の後半以降において、触媒不活性化剤を0℃ないし120℃の範囲で粉末ないし顆粒状の末端未安定化オキシメチレン共重合体に混合することで得られるものである。ここでコモノマーとして用いられる環状エーテル或いは環状ホルマールは、少なくとも一組の連結炭素原子と酸素原子を有する環状化合物であり、例えばエチレンオキシド、1,3 −ジオキソラン、1,3,5 −トリオキセパン、ジエチレングリコールホルマール、1,4 −ブタンジオールホルマール、1,3 −ジオキサン、プロピレンオキシド等が挙げられる。中でも好ましいコモノマーは、エチレンオキシド、1,3 −ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4 −ブタンジオールホルマールである。その使用量は、主モノマーであるトリオキサンに対して0.1 〜20モル%、好ましくは0.2 〜10モル%である。
かかるモノマー及びコモノマーの共重合により末端未安定化オキシメチレン共重合体を製造するにあたり使用される触媒としては、カチオン活性触媒、例えばルイス酸、殊にホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモン等のハロゲン化物、例えば三弗化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化リン、五弗化リン、五弗化ヒ素及び五弗化アンチモン、及びその錯化合物又は塩の如き化合物、プロトン酸、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸、プロトン酸のエステル、殊にパークロル酸と低級脂肪族アルコールとのエステル、アセチルパークロラート、或いはリンモリブデン酸、或いはトリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスファート、トリフェニルメチルヘキサフルオロアルゼナート、アセチルヘキサフルオロボラート等が挙げられる。中でも、三弗化ホウ素、三弗化ホウ素水和物、或いは三弗化ホウ素と有機化合物例えば、三弗化ホウ素ジメチルエーテラート、三弗化ホウ素ジエチルエーテラートなどの三弗化ホウ素と酸素原子またはイオウ原子を含む有機化合物との配位化合物を用いることが好ましい。三弗化ホウ素等のルイス酸を触媒として用いる場合、その添加量は原料モノマーに対して15〜250ppm が好ましい。また、高品質の末端未安定化オキシメチレン共重合体を得るためには、10ppm以下の水分、30ppm以下のホルムアルデヒドおよび30ppm以下のメタノールを含むモノマーを用いるのが好ましい。また末端未安定化オキシメチレン共重合体の分子量調節のために、必要ならば適当な連鎖移動剤、例えばメチラール、ジオキシメチレンジメチルエーテルの如きアセタール化合物等の適量を添加して重合させることもできる。また、かかる共重合により得られる末端未安定化オキシメチレン共重合体の製造は、酸化防止剤であるヒンダードフェノール系化合物やヒンダードアミン系化合物の存在下で行うことも可能であり、重合中の生成オキシメチレン共重合体の酸化分解あるいはこれに続く工程における高温下でのオキシメチレン共重合体の酸化分解等を抑制し、高品質を維持したオキシメチレン共重合体を最終安定化工程に供する上で有効なため、本発明を適用する末端未安定化オキシメチレン共重合体として好適である。
末端未安定化オキシメチレン共重合体の製造は、例えば公知の設備と方法で行うことができる。即ち、バッチ式、連続式、何れも可能であり、又、溶融重合、溶融塊状重合等何れにてもよいが、常温で液体状であるモノマーを用い、重合の進行と共に固体粉塊状のポリマーを得る連続式塊状重合法が工業的には一般的であり好ましい。この重合において、必要に応じてモノマー、触媒及びポリマー等と反応しない不活性液体媒体を共存させることもできる。重合装置としては、コニーダー、二軸スクリュー式連続押出混合機、二軸パドルタイプ連続混合機等が使用可能である。
本発明において末端未安定化オキシメチレン共重合体は、加熱して該共重合体の末端未安定部分を分解除去するに先立ち、触媒を不活性化処理することが必要である。本発明における触媒不活性化処理は、重合直後の末端未安定化オキシメチレン共重合体に触媒不活性化剤を添加することにより行われる。
触媒不活性化剤としては、炭酸アルカリ、亜硫酸金属塩、アルカリ金属フッ化物、有機アミン類、ホスフィン類などが使用できる。具体的にはトリエチルアミン、トリメチルアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、トリフェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリトリル、とりわけ、トリエチルアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、トリフェニルホスフィンが好ましく用いられる。
触媒不活性化剤の添加は、場合により溶剤に溶解した触媒不活性化剤を0℃ないし120℃の範囲で末端未安定化オキシメチレン共重合体、好ましくは粉末ないし顆粒状の末端未安定化オキシメチレン共重合体に混合することで達成される。触媒不活性化剤の添加位置は、重合に用いた二軸パドルタイプ連続混合機の後半部や重合機に直列的に結合された触媒不活性化剤混合機中で行われる。また、重合機ないし触媒不活性化剤混合機の後に粉砕器を設置することも可能である。
触媒不活性化処理の施された末端未安定化オキシメチレン共重合体は、該共重合体の融点以上の温度に加熱して該共重合体の末端未安定部分を分解除去することで安定化を行う。本発明において用いる末端安定化装置としては、減圧脱気用ベント口を2個以上を有する押出機、好ましくは少なくとも2本の回転軸を有し、減圧脱気用ベント口を2個以上を有する押出機、即ち多ベント付二軸押出機、多ベント付多軸押出機を用いることができ、最も好ましくは多ベント付二軸押出機が用いられる。二軸押出機には同方向回転及び異方向回転があるが、本発明における末端安定化装置として共に使用可能であるが、同方向回転式が好ましく、とりわけセルフクリーニング性のある多ベント付同方向回転式押出機が最も好ましい。
該押出機は、末端未安定化オキシメチレン共重合体供給口、減圧脱気用ベント口、水もしくは溶剤に溶解せしめた窒素含有化合物またはその誘導体の添加口及び安定化オキシメチレン共重合体吐出口を有し、減圧脱気用ベント口は少なくとも2個、好ましくは3個以上の減圧脱気用ベント口を有している。本発明で用いる押出機として、減圧脱気用ベント口の他に減圧脱気できないいわゆるオープンベントも持っていて良い。オープンベントを用いる場合、ホッパーに最も近いベントをオープンベントとすることが好ましい。また該押出機のジャケットはポリマーの主鎖分解を避ける為、通常275℃以下の温度に設定される。
上記押出機を用い、末端未安定化オキシメチレン共重合体を安定化して安定化オキシメチレン共重合体を製造するプロセスには、
(1)該押出機の供給口に触媒不活性化処理を施した末端未安定化オキシメチレン共重合体を供給し、ジャケットからの伝熱、若しくはニーディングエレメント等により該共重合体に発生する剪断熱により融点以上の温度に加熱して溶融させるプロセス
(2)溶融した該共重合体から発生するホルムアルデヒドを主体とする揮発性の分解生成物をベント口、好ましくは減圧脱気用ベント口より気化除去するプロセス
(3)水もしくは溶剤に溶解せしめた窒素含有化合物またはその誘導体を添加するプロセス
(4)安定化されたオキシメチレン共重合体を該吐出口より取出すプロセスが包含されることが好ましい。
ここで、減圧脱気用ベント口は少なくとも2個あることが必要であり、好ましくは3個以上あることが好ましく、ベント口間のスクリューエレメントには、ニーディングエレメント、シールリング等によりシール機能を持たせることが好ましい。また減圧脱気用ベント口での圧力は0.1mmHg〜200mmHg(13.3〜26666Pa)、好ましくは1mmHg〜100mmHg(133〜13333Pa)、特に好ましくは2mmHg〜35mmHg(266〜4667Pa)である。
水もしくは溶剤に溶解せしめた窒素含有化合物またはその誘導体は、最も上流側の減圧脱気用ベント口と吐出口の間で添加されなくてはならず、最も吐出口に近い最下流側ベント口とその一つ上流側にあるベント口の間で添加することが窒素含有化合物とホルムアルデヒドの反応生成物を最も低減する事が可能になる点で最も好ましい。また水もしくは溶剤に溶解せしめた窒素含有化合物またはその誘導体の添加部のスクリューエレメントにはニーディングエレメント等により押出機内部に溶融樹脂を充満させることが、水もしくは溶剤に溶解せしめた窒素含有化合物を溶融樹脂内に効果的に分散できる為好ましい。
本発明で用いる窒素含有化合物またはその誘導体の具体例としては、メラミン、N−メチルメラミン、N−エチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N'−ジフェニルメラミン、ヒドロキシフェニルメラミン、グアナミン、ベンゾグアナミン、N−モノメチロールメラミンからN,N',N" −トリメチロールメラミン、N,N,N',N',N",N" −ヘキサメチロールメラミンにいたるメチロール基置換メラミン、重合度1.2〜6程度のメチロール基置換メラミンオリゴマー、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルメラミンなどのようなアルコキシメチルメラミン、重合度1.2〜6程度のアルコキシメチルメラミン、N−メチロールベンゾグアナミンのようなN−メチロールアミノ置換トリアジン化合物、モノカルボン酸ヒドラジド、ジカルボン酸モノヒドラジド、ジカルボン酸ジヒドラジド、ポリカルボン酸ポリヒドラジド等のヒドラジド化合物が挙げられ、中でもメラミン、アルコキシメチルメラミン、カルボニルジヒドラジド等のモノカルボン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のジカルボン酸ジヒドラジドがより好ましく、メラミン、セバチン酸ジヒドラジドが最も好ましい。これらの化合物は1種、または2種以上を混合して用いることも可能である。
窒素含有化合物またはその誘導体の使用量は、末端未安定化オキシメチレン共重合体 100重量部に対し、0.01〜2重量部、好ましくは、0.02〜1 重量部である。これより過度に少ないと、得られたオキシメチレン共重合体の熱安定性も劣る傾向にある。また、これより多いと、ホルムアルデヒドとの縮重合によって生じる熱硬化性物質による品質上の影響や共重合体の着色が無視できなくなる場合がある。
窒素含有化合物またはその誘導体を溶解させる溶剤は特に限定されるものではないが、水、アルコール、ベンゼン、シクロヘキサンなどが用いられ、水、アルコールがより好ましく、水が最も好ましい。窒素含有化合物またはその誘導体の溶剤に対する溶解度が小さい場合には、加熱して溶解せしめることも可能である。 水又は溶剤に溶解させた窒素含有化合物は、加圧インジェクション法により溶融樹脂内へ添加することが好ましい。
当該押出機におけるオキシメチレン共重合体の平均滞留時間は着色トレーサを使った応答試験により実測することができるが、この平均滞留時間は1分〜20分になるように処理される。特に、2分〜10分になるように処理されるのが好ましい。1分未満では安定化を十分になし得ないし、20分を越える範囲では安定化処理機が巨大なものとなり工業的に得策でない。
末端未安定化オキシメチレン共重合体を熱安定化し、熱安定性に優れたオキシメチレン共重合体を製造するに当たっては、ヒンダードフェノール系化合物のような酸化防止剤を添加するのが好ましく、必要に応じて末端未安定化オキシメチレン共重合体と共に、安定化処理機に供給することも可能である。また、これらの酸化防止剤は予め混合機などを用いて末端未安定化オキシメチレン共重合体と混合してから供給することも可能である。
ヒンダードフェノール系の酸化防止剤の具体例としては、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N′ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジンなどが挙げられる。中でも、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。
酸化防止剤の添加量はそれぞれ、末端未安定化オキシメチレン共重合体100重量部に対して、0.001〜5.0重量部である。好ましくは0.01〜3.0重量部が使用される。
さらに、アルカリ性物質は末端分解を促進するため、末端未安定化オキシメチレン共重合体と共に安定化処理機に供給されることが好ましい。また、アルカリ性物質を酸化防止剤と共に、予め末端未安定化オキシメチレン共重合体と混合して供給することも可能である。アルカリ性物質の具体例として、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属無機弱酸塩、アルカリ金属有機酸塩、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属フェノキシド、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属無機弱酸塩、アルカリ土類金属有機酸塩、アルカリ土類金属アルコキシド、アルカリ土類金属フェノキシドが挙げられるが、具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、もしくはバリウムの水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、ステアリン酸塩、ヒドロキシステアリン酸塩、パルミチン酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、グルタル酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、イソフタル酸塩、テレフタル酸塩、P−トルイル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、P−スルホン安息香酸塩、スルホテレフタル酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、イソリンゴ酸塩、クエン酸塩、イソクエン酸塩、グリセリン酸塩、酒石酸塩、メチル酒石酸塩等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸塩、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド、n−ブトキシド、もしくはフェノキシドなどである。中でもマグネシウム、カルシウム、カリウム、ナトリウムの水酸化物もしくはそれらの炭酸塩、ステアリン酸塩、ヒドロキシステアリン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、α−ヒドロキシイソ酪酸塩、β−ヒドロキシイソ酪酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩が好ましい。
アルカリ性物質の添加量は、末端未安定化オキシメチレン共重合体100重量部に対して、0.001〜5.0重量部である。好ましくは0.005〜3.0重量部が使用される。また、これらのアルカリ性物質は単独、あるいは2種以上混合して用いることも可能である。さらに、結晶水を持った状態や水あるいはアルコールの溶液にして供給することも可能である。
また本発明による方法で安定化された末端安定化オキシメチレン共重合体は押出機より吐出後直ちにペレタイズし、製品化することが可能であり、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて任意に炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、酸化チタン、酸化ケイ素、マイカ粉末のような充填剤、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維のような強化剤、着色剤(顔料、染料)、蛍光増白剤、タルク、窒化ホウ素、オキシメチレン網状重合体などの核剤、紫外線吸収剤、耐候剤、可塑剤、離型剤、難燃剤、帯電防止剤、導電剤、粘着剤、滑剤、耐加水分解性改良剤、接着助剤などを安定化処理押出機に供給し、含有せしめることもできる。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、例中に示される物性等は以下のようにして測定した。
<末端未安定化部分量>
オキシメチレン共重合体1gを0.5%の水酸化アンモニウムを含む50%メタノール水溶液100mlとともにオートクレーブに入れ、180℃で45分間処理した後、液中に存在するホルムアルデヒド量を滴定により求めた。
<フィルター交換周期>
安定化処理押出機の先端に300メッシュのフィルターを設置すると共に、フィルター直前部の樹脂圧力を圧力センサーを用いて経時的に観察した。観察した樹指圧が初期の樹脂圧力から50kg/cm2(4.9MPa)増加した時点でフィルターを交換することとし、交換周期を求めた。フィルター交換時にフィルターメッシュを採取し、表面観察し、熱硬化樹脂の生成・堆積状況を判断した。
<黒点量>
安定化処理押出機からフィルターを除いた上で、運転開始後、1時間目、および24時間目で3kgのペレットをサンプルとして採取し、熱プレスにて0.5mm厚、直径12cm以上のシートを作成。そのシート10cm四方当たりの黒点数を目視選別にてカウントした。
〈末端未安定化オキシメチレン共重合体:P−1の製造〉
2軸押出機型重合機(100mmφ、シリンダー長(L)/シリンダー径(D)=12)にトリオキサン(30kg/h),1,3−ジオキソラン(1.2kg/h),また、トリオキサンに対して触媒として120ppmの三フッ化ホウ素・ジブチルエーテラート(2.5 %ベンゼン溶液)、分子量調節剤として720ppmのメチラールをそれぞれ供給し、連続重合を行った。重合は外部ジャケットを57℃にコントロールし、回転数は55rpmで行った。メチラールはトリオキサン中に溶解した。また、1,3−ジオキソランと触媒溶液は重合機へ供給する直前に予備混合されるように予備混合ゾーンを設けた。重合体は白色微粉末として28.5kg/hで得られた。得られた粗ポリオキシメチレン共重合体1kg当たり、1.8gの”サノール”LS765[三共製薬、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、三級アミン型のヒンダードアミン系化合物]を10mlのベンゼンに溶解した溶液を添加し、ヘンシェルミキサー中で3分間撹拌して触媒失活を行った。
この重合体の不安定末端基量は、0.7%であった。
〈末端未安定化オキシメチレン共重合体:P−2の製造〉
外部ジャケットを85℃にコントロールする以外はP−1の重合と同様に重合を行って、末端未安定化オキシメチレン共重合体:P−2を27.3kg/hで得た。得られた粗ポリオキシメチレン共重合体1kg当たり、1.8gの”サノール”LS765[三共製薬、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、三級アミン型のヒンダードアミン系化合物]を10mlのベンゼンに溶解した溶液を添加し、ヘンシェルミキサー中で3分間撹拌して触媒失活を行った。この重合体の不安定末端基量は、1.7%であった。
〈末端未安定化オキシメチレン共重合体:P−3の製造〉
上記P−1を多量のトリエチルアミン含有水溶液に投入し、一旦沸騰するまで加熱し、不安定末端基の部分除去を行った後、濾別・乾燥して、不安定末端基量が、0.5%のP−3を得た。
〈末端未安定化オキシメチレン共重合体:P−4の製造〉
上記P−1同様に重合を実施した後、触媒失活処理を実施しない、不安定末端基量0.7%の末端未安定化オキシメチレン共重合体P−4を得た。
実施例1、2、3
安定化処理機は図1に示したような同方向回転完全噛み合い型2軸押出機であり、内径D=44mmφ、L/D=42である。ホッパー1より末端未安定化オキシメチレン共重合体と酸化防止剤、アルカリ性物質等の混合物が投入される。ベント口は減圧脱気用がベント4(1)、4(2)、4(3)の3箇所、オープンベント5が1箇所の合計4箇所のものを用い、減圧脱気用ベント4(1)、4(2)、4(3)はメカニカルブースターポンプと水封式真空ポンプの組み合せで脱気吸引される。水もしくは溶剤に溶解せしめた窒素含有化合物またはその誘導体は、圧入口8より添加され、該圧入口8は、ベント4(2)とベント4(3)の間に設けた。また、ダイ直前には樹脂圧力測定用圧力計7及びメッシュ6が備え付けられ、ダイを通過した溶融オキシメチレン共重合体はホットカッター(図示せず)にて、直ちに製品ペレットが得られる構造となっている。
スクリュウ構造は、溶融樹脂搬送用フルフライトスクリュウ(FS)2(1)、2(2)、2(3)、2(4)と溶融樹脂混練用ニーディングディスク(KD)3(1)、3(2)、3(3)からなり、KDは安定化混練用KD3(1)、3(2)と溶液圧入部樹脂充満用KD3(3)からなる。
前述重合反応機から得られた末端未安定化オキシメチレン共重合体P−1 100重量部に対して、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.5 0重量部、12ヒドロキシステアリン酸カルシウム0.15重量部を直ちにブレンダーで混合し、安定化処理機に28.5kg/hでホッパー1から供給した。安定化処理機の回転数150rpm、シリンダー設定温度は230℃であり、平均滞留時間は5分、樹脂温度は245℃、ベント圧力は0.7kPaで安定化した。メラミンは3%の95℃熱水溶液として、注入口8より5.4MPaの圧力で1kg/hの速度で圧入した。安定化の終了したオキシメチレン共重合体は白色ペレットとして得られた。
末端未安定化オキシメチレン共重合体をP−2に変えたのみの試験(実施例2)、末端未安定化オキシメチレン共重合体をP−3に変えたのみの試験(実施例3)も合わせて行った。
実施例4
実施例1と同様の装置を用いて、安定化処理を行った。
前述重合反応機から得られた末端未安定化オキシメチレン共重合体P−1 100重量部に対して、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.50重量部、12ヒドロキシステアリン酸カルシウム0.15重量部を直ちにブレンダーで混合し、安定化処理機に28.5kg/hでホッパー1から供給した。安定化処理機の回転数150rpm、シリンダー設定温度は230℃であり、平均滞留時間は5分、樹脂温度は245℃、ベント圧力は0.7kPaで安定化した。重合度1.2のアルコキシメチルメラミンは30%のイソプロパノール溶液として、注入口8より5.4MPaの圧力で0.1kg/hの速度で圧入した。安定化の終了したオキシメチレン共重合体はペレットとして得られた。
実施例5
安定化処理機は図2に示したような同方向回転完全噛み合い型2軸押出機であり、内径D=44mmφ、L/D=32、ホッパー1より末端未安定化オキシメチレン共重合体と酸化防止剤、アルカリ性物質等の混合物が投入され、ベント口は減圧脱気用2箇所、オープンベント口1箇所、合計3箇所のものを用い、減圧脱気用ベント4(1)、4(2)はメカニカルブースターポンプと水封式真空ポンプの組み合せで脱気吸引される。水もしくは溶剤に溶解せしめた窒素含有化合物またはその誘導体は、圧入口9より添加され、該圧入口9は、ベント4(1)とベント4(2)の間に設けた。また、ダイ直前には樹脂圧力測定用圧力計7及びメッシュ6が備え付けられ、ダイを通過した溶融オキシメチレン共重合体はホットカッター(図示せず)にて、直ちに製品ペレットが得られる構造となっている。
スクリュウ構造は、溶融樹脂搬送用フルフライトスクリュウ(FS)2(1)、2(2)、2(3)と溶融樹脂混練用ニーディングディスク(KD)3(1)、3(2)からなり、KDは安定化混練用KD3(1)と溶液圧入部樹脂充満用KD3(2)からなる。
前述重合反応機から得られた末端未安定化オキシメチレン共重合体P−1 100重量部に対して、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.50重量部、12ヒドロキシステアリン酸カルシウム0.15重量部を直ちにブレンダーで混合し、安定化処理機に28.5kg/hでホッパー1から供給した。安定化処理機の回転数150rpm、シリンダー設定温度は240℃であり、平均滞留時間は3分、樹脂温度は255℃、ベント圧力は1.1kPaで安定化した。メラミンは3%の95℃熱水溶液として、注入口より5.9MPaの圧力で1kg/hの速度で圧入した。安定化の終了したオキシメチレン共重合体はペレットとして得られた。
実施例6
安定化処理機は図3に示したように圧入口10をベント4(1)とベント4(2)の間に設けた以外は、実施例1と同様に安定化処理を行った。メラミン3% 95℃熱水溶液は注入口より5.9MPaの圧力で1kg/hの速度で圧入した。安定化の終了したオキシメチレン共重合体はペレットとして得られた。
比較例1、2
安定化処理機は図4に示したように圧入口11をオープンベント5とベント4(1)の間に設けた以外は、実施例1と同様に安定化処理を行った。メラミン3% 95℃熱水溶液は注入口より6.4MPaの圧力で1kg/hの速度で圧入した。安定化の終了したオキシメチレン共重合体はペレットとして得られた。
末端未安定化オキシメチレン共重合体をP−2に変えたのみの試験(比較例2)も合わせて行った。
なお、運転中、オープンベント5から安定機内部を除くと、P−1は一部が白色粉末として観察されたことから、また実験終了後、スクリューを抜き出した際に、注入口11の手前のニーディングブロックで樹脂が完全に溶融していることが観察されたことから、溶融後減圧脱気されるまでの間に圧入口11が存在していると判断された。
比較例3
安定化処理機は図4に示したように圧入口11をオープンベント5とベント4(1)の間に設けた同方向回転完全噛み合い型2軸押出機を用いた。
前述重合反応機から得られた末端未安定化オキシメチレン共重合体P−4 100重量部に対して、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.50重量部、12ヒドロキシステアリン酸カルシウム0.15重量部を直ちにブレンダーで混合し、安定化処理機に28.5kg/hでホッパー1から供給した。安定化処理機の回転数150rpm、シリンダー設定温度は230℃であり、平均滞留時間は5分、樹脂温度は245℃、ベント圧力は1.6kPaで安定化した。重合度1.2のアルコキシメチルメラミンメラミン30wt%および、触媒失活剤として(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートを30wt%含むイソプロパノール溶液を注入口11より5.4MPaの圧力で0.1kg/hの速度で圧入した。安定化の終了したオキシメチレン共重合体はペレットとして得られた。
比較例4
安定化処理機は図5に示したような、圧入口の無い同方向回転完全噛み合い型2軸押出機を用いた以外は、実施例1と同様に安定化処理を行った。粉末状メラミンは30g/hでP−1と共にホッパーより供給した。安定化の終了したオキシメチレン共重合体はペレットとして得られた。
比較例5
安定化処理機は図6に示したような、圧入口12をベント4(2)とベント4(3)の間に設けた同方向回転完全噛み合い型2軸押出機を用いた。圧入口12には、内径D=15mmφ、L/D=30 の単軸押出機を接続した。
前述重合反応機から得られた末端未安定化オキシメチレン共重合体P−1 100重量部に対して、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.50重量部、12ヒドロキシステアリン酸カルシウム0.15重量部を直ちにブレンダーで混合し、安定化処理機に28.5kg/hでホッパー1から供給した。安定化処理機の回転数150rpm、シリンダー設定温度は230℃であり、平均滞留時間は5分、樹脂温度は245℃、ベント圧力は1.1kPaで安定化した。 圧入口12に接続した単軸押出機は、シリンダー温度:200℃、回転数50rpmに設定し、市販のポリアセタール樹脂99重量部に対してメラミン1重量部を添加したポリアセタール樹脂組成物を3kg/hで供給し、圧入口12から溶融体として安定化処理押出機に導入した。安定化の終了したオキシメチレン共重合体はペレットとして得られた。
比較例6
安定化処理機は図7に示したような、粉末サイドフィーダー13をベント4(1)とベント4(2)の間に設けた同方向回転完全噛み合い型2軸押出機を用いた以外は、比較例2と同様に安定化処理を行った。メラミンは30g/hで粉末サイドフィーダー13より粉末のまま供給した。安定化の終了したオキシメチレン共重合体はペレットとして得られた。
比較例7
安定化処理機は図8に示したような、圧入口14をオープンベント5の前に設けた単ベント2軸押出機を用いた以外は、比較例1と同様に安定化処理を行った。メラミン3% 95℃熱水溶液は注入口14より6.4MPaの圧力で1kg/hの速度で圧入した。安定化の終了したオキシメチレン共重合体はペレットとして得られた。
なお、実験終了後、スクリューを抜き出した際に、注入口14の手前のニーディングブロックで樹脂が完全に溶融していることが観察されたことから、溶融後減圧脱気されるまでの間に圧入口14が存在していると判断された。
実施例1〜6、比較例1〜7の結果を合わせて表1に示す。
Figure 2006057047
表1から明らかなように、触媒不活性化処理を施された末端未安定化オキシメチレン共重合体を安定化処理するに際して、減圧脱気用ベント口を2個以上有する押出機を用いて、メラミン水溶液等を減圧脱気用ベント口から吐出口までの間に供給した場合には、フィルター交換周期が長く、異物発生量も長期に渡って少ないことが判る。
一方、メラミン水溶液を供給する場合でも、減圧脱気前の位置で供給する場合(比較例1、2、7)や、触媒失活を行わずに溶融安定化を開始した場合(比較例3)、ホッパーでメラミンを供給する場合(比較例4)、供給位置が減圧脱気後であっても水溶液でなく溶融体で供給した場合(比較例5)、粉体で供給する場合(比較例6)など用いる押出機のフィルター交換周期が短くなったり、得られる安定化オキシメラミン共重合体の黒点量が増加しやすくなり好ましくない。
本発明の実施例1〜4で安定化処理機として使用した2軸押出機の概要を示す軸方向断面図である。 本発明の実施例5で安定化処理機として使用した2軸押出機の概要を示す軸方向断面図である。 本発明の実施例6で安定化処理機として使用した2軸押出機の概要を示す軸方向断面図である。 比較例1〜3で安定化処理機として使用した2軸押出機の概要を示す軸方向断面図である。 比較例4で安定化処理機として使用した2軸押出機の概要を示す軸方向断面図である。 比較例5で安定化処理機として使用した2軸押出機の概要を示す軸方向断面図である。 比較例6で安定化処理機として使用した2軸押出機の概要を示す軸方向断面図である。 比較例7で安定化処理機として使用した2軸押出機の概要を示す軸方向断面図である。
符号の説明
第1図〜第8図は本発明で安定化処理機として使用される2軸押出機の概要を示す平断面第1図〜第8図は本発明で安定化処理機として使用される2軸押出機の概要を示す平断面1…ホッパー
2…フルフライトスクリュウ
3…ニーディングディスク型パドル
4…減圧脱気用ベント口
5…オープンベント
6…300メッシュフィルター
7…樹脂圧力センサー
8,9,10,11、14…メラミン水溶液圧入口
12…メラミン含有溶融ポリアセタール樹脂組成物導入口
13…粉体メラミンサイドフィーダー

Claims (3)

  1. 触媒不活性化処理を施された末端未安定化オキシメチレン共重合体を該共重合体の融点以上の温度に加熱して該共重合体の末端未安定部分を分解除去するに際し、末端未安定化オキシメチレン共重合体の供給口と安定化オキシメチレン共重合体の吐出口との間に減圧脱気用ベント口を2個以上有する押出機に、前記供給口から触媒不活性化処理を施された末端未安定化オキシメチレン共重合体を供給すると共に水もしくは溶剤に溶解せしめた窒素含有化合物またはその誘導体を前記減圧脱気用ベント口から前記吐出口までの間で供給するとともに、分解生成物を前記減圧脱気用ベント口から押出機外部に除去しながら加熱処理することを特徴とするオキシメチレン共重合体の製造方法。
  2. 減圧脱気用ベント口を有する押出機が3個以上の減圧脱気用ベント口を有する押出機であることを特徴とする請求項1記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
  3. 窒素含有化合物またはその誘導体が、メラミン又はその誘導体であることを特徴とする請求項1又は2記載のオキシメチレン共重合体の製造方法。
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