JP2006049866A - 電気化学キャパシタ - Google Patents
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Abstract
Description
パシタ)に関する。
(1)本発明に係る電気化学キャパシタは、
一対の、金属箔に固定された金属酸化物および特定のプロトン伝導性を有する高分子結着材を含む電極層と、
両電極層に挟持された高分子電解質膜と
を備える膜−電極−集電体構造体を有する電気化学キャパシタにおいて、
前記プロトン伝導性を有する高分子結着材および高分子電解質膜もしくはいずれか一方は、下記一般式(A)で表される構造単位、および下記一般式(B)で表される構造単位を含むことを特徴とする、スルホン酸基を有するポリアリーレンを含むことを特徴としている。
も1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Arは−SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表
される置換基を有する芳香族基を示す。pは1〜12の整数を示し、mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)
−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基お
よびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、R1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フ
ッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。s、tは0〜4の整数を示し、rは0または1以上の整数を示す。)(2)上記金属箔集電体が厚さ10〜100μmのチタンないしステンレスよりなることが好ましい。
(3)上記金属酸化物とプロトン伝導性結着材において、金属酸化物100重量部に対しプロトン伝導性結着材が2.5重量部以上50重量部以下であることが好ましい。
(4)上記スルホン酸基を有するポリアリーレンは、スルホン酸基を0.3〜5meq/gの範囲で含有するポリアリーレンが好ましい。
まず本発明に係る電気化学キャパシタの膜−電極構造体に使用されるスルホン酸基を有するポリアリーレンについて具体的に説明する。
(スルホン酸基を有するポリアリーレン)
まず本発明に使用されるスルホン酸基を有するポリアリーレンについて具体的に説明する。本発明に使用されるスルホン酸基を有するポリアリーレンは、下記一般式(A)で表されるスルホン酸基を有する構造単位と、下記一般式(B)で表されるスルホン酸基を有さない構造単位とを含むことが特徴であり、下記一般式(C)で表される重合体である。<スルホン酸ユニット>
O−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。このうち、−CO−、−SO2−が好ましい。
る置換基(pは1〜12の整数を示す)を有する芳香族基を示す。
芳香族基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。−SO3
Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基(pは1〜12の整数を示す)は、少なくとも1個置換されていることが必要であり、ナフチル基である場合には2個以上置換していることが好ましい。
m、nの値とY、Z、Arの構造についての好ましい組み合わせとして、
(1)m=0、n=0であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として−SO3Hを有
するフェニル基である構造、
(2)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(3)m=1、n=1、k=1であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(4)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として2個の−SO3
Hを有するナフチル基である構造、
(5)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−O(CH2)4SO3Hを有するフェニル基である構造などを挙げることができる。
<疎水性ユニット>
O−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳
香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。ここで、−CR’2−で表される構造の具体的な例として、メチル基、エチル基、プロピル基
、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、プロピル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基、フェニル基、トリフルオロメチル基、などが挙げられる。これらのうち、直接結合または、−CO−、−SO2−、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−が好ましい。
Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、酸素原子が好ましい。
R1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル
基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
s、tの値と、A、B、D、R1〜R16の構造についての好ましい組み合わせとしては
、(1)s=1、t=1であり、Aが−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭
化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基であり、Bが酸素原子であり、Dが−CO−または、−SO2−であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、(2)s=1、t=0であり、Bが酸素原子であり、Dが−CO−または、−SO2−であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、(3)s=0、t=1であり、Aが−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳
香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、Bが酸素原子であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子またはニトリ
ル基である構造が挙げられる。
<ポリマー構造>
、m、n、r、s、tおよびR1〜R16と同義である。x、yはx+y=100モル%と
した場合のモル比を示す。
<ポリマーの製造方法>
スルホン酸基を有するポリアリーレンの製造には、例えば下記に示すA法、B法、C法の3通りの方法を用いることができる。
SO3Hで表される置換基を有する芳香族基である場合には、例えば、特開2005−6
0625号公報に記載の方法で、上記一般式(A)で表される構造単位となりうる前駆体のモノマーと、上記一般式(B)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴ
マーとを共重合させ、次にアルキルスルホン酸またはフッ素置換されたアルキルスルホン酸を導入する方法で合成することもできる。
r=0の場合、例えば4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンズアニリド、2,2−ビス(4−クロロフェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス(4−クロロ
フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4−クロロ安息香酸−4−クロロフェニルエステル、ビス(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリルが挙げられる。これらの化合物において塩素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物などが挙げられる。
r≧2の場合、例えば特開2004−137444号公報、特開2004−244517号公報、特開2004−346146号公報、特開2005−112985号公報、特
願2003−348524、特願2004−211739、特願2004−211740に記載の化合物を挙げることができる。
めに、「塩」を添加してもよい。
(A法)前駆体のスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを、特開2004−137444号公報に記載の方法で脱エステル化する方法。
(B法)前駆体のポリアリーレンを、特開2001−342241号公報に記載の方法でスルホン化する方法。
(C法)前駆体のポリアリーレンに、特開2005−60625号公報に記載の方法で、アルキルスルホン酸基を導入する方法。
(電気化学キャパシタ)
本発明に係る電気化学キャパシタは、
1対の、金属箔集電体に固定された金属酸化物およびプロトン伝導性を有する高分子結着材を含む電極層と、
両電極層に挟持された高分子電解質膜とを備える膜−電極−集電体を有するものであり、
前記プロトン伝導性を有する高分子結着材および高分子電解質膜もしくはいずれか一方として、前記したスルホン酸基を有するポリアリーレンを含むものである。
本発明に使用される電極は、金属酸化物およびプロトン伝導性を有する高分子結着材を含んでいる。
貴金属酸化物としては、RuO2、IrO2、RuO2とIrO2の複合物、RuO2とTiO2の複合物、RuO2とZrO2の複合物、RuO2とNb2O5の複合物、RuO2とSnO2の複合物
、ルテニウムとバナジウムの複合酸化物、ルテニウムとモリブデンの複合酸化物、ルテニウムとカルシウムの複合酸化物等を挙げることができる。
さらに金属酸化物は、水和物であってもよく、具体的には、RuO2・nH2O、(Ru+
Ir)OX・nH2O、Ru(1-y)CryO2・nH2O、MnO2・nH2O、V2O5・nH2O、NiO・nH2O等を挙げることができる。
金属酸化物の電子伝導性を増強するために、カーボンブラックやグラファイト等の導電性付与剤を同時に加えてもよい。
プロトン伝導性を有する高分子結着材としては、本発明で電解質層に使用される上述したスルホン酸基を有するポリアリーレンを用いる。
また本発明に用いられる高分子結着材は電極材への添加量が少量であっても電極粒子間の良好な結着性が確保できるため、良好なプロトン伝導性と同時に良好な電子伝導性も得られるため、高エネルギー密度の良好な充放電性能が得られる。
更に本発明の高分子結着材の使用により集電体となる金属箔との良好な接着性が確保できるため、集電体−電極界面での抵抗損失も最小限に抑えることができる。
は10000〜200000であることが望ましい。
本発明の集電体で使用される金属箔として、チタン、ニッケル、ステンレス、ニオブ等を挙げることができる。これらの中でサイクル特性、経時変化等の安定性からチタン、ステンレス、ニオブが好ましく、箔への加工性、コスト等の観点からチタン、ステンレスが特に好ましい。
本発明の電極−集電体の接合体は、高分子結着材と金属酸化物粒子を、揮発性溶媒に分散または溶解させてペースト状としたのち、たとえばポリエステルフィルムなどの剥離性の高い基材表面に、塗布・乾燥したのち、基材を剥離させ、集電体箔に重ねて熱プレスを行うことにより電極−集電体の接合体を作製することができる。更に集電体の表面に、ペーストを直接、塗布乾燥させることで、電極−集電体の接合体を作製することもできる。
本発明では、上記電極−集電体の接合体と高分子電解質膜との構造体が使用される。
上に流延し、フィルム状に成形する方法(キャスティング法)などにより、フィルム状に成形して製造される。
ミド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジ
メチル尿素、ジメチルイミダゾリジノン(DMI)などの非プロトン系極性溶剤が挙げられ、特に溶解性、溶液粘度の面から、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。非プロトン系極性溶剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
高分子電解質膜の膜厚としては、キャパシタの容量、大きさ、出力などにより適宜選択されるが、通常15〜150μm程度であればよい。
以上に積層したり、巻回体を使用すれば、容量を増大させることが可能となる。また、積層体とする際に、隣り合う集電体を共用して、1枚の集電体の表裏に電極を形成する構造
にしても良い。
次に、添付の図面を参照しながら本発明に係る電気化学キャパシタについて説明する。図1は電気化学キャパシタに用いる膜−電極−集電体構造体の一構成例を示す説明的断面図である。
前記膜−電極−集電体構造体は、正極1と負極2との間に高分子電解質膜3を有しており、正極1と負極2とは、いずれも集電体層4と、集電体層4上に形成された電極層5とを備え、電極層5側で高分子電解質膜3に接している。高分子電解質膜3は上述したスルホン酸基を有するポリアリーレン膜により構成されており、電極層5は、上述した金属酸化物および結着材としてプロトン伝導性ポリマーを含んでいる。
外装ケースは、キャパシタの形状に応じて、図1に示すボタン形状のほかに、円筒型、角型など、種々の形状を採用することが可能である。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.スルホン酸当量
得られたスルホン酸基を有する重合体の水洗水が中性になるまで洗浄し、フリーに残存している酸を除いて充分に水洗し、乾燥後、所定量の重合体を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解したフェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液を用いて滴定を行い、中和点から、スルホン酸当量を求めた。
2.分子量の測定
スルホン酸基を有しないポリアリーレン重量平均分子量は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。スルホン酸基を有するポリアリーレンの分子量は、溶剤として臭化リチウムと燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによって、ポリスチレン
換算の分子量を求めた。
3.プロトン伝導度の測定
交流抵抗は、5mm幅の短冊状の高分子電解質膜試料の表面に、白金線(f=0.5mm)を押し当て、恒温恒湿装置中に試料を保持し、白金線間の交流インピーダンス測定から求めた。具体的な条件としては、25℃、60℃、相対湿度80%の環境下で交流10kHzにおけるインピーダンスを測定した。
[合成例1]
(オリゴマーの調製)
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(ビスフェノールAF)67.3g(0.20モル)、4,4'−ジクロロベンゾフェノン(4,4'−DCBP)60.3g(0.24モル)、炭酸カリウム71.9g(0.52モル)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)300mL、ト
ルエン150mLをとり、オイルバス中、窒素雰囲気下で加熱し撹拌下130℃で反応させた。反応により生成する水をトルエンと共沸させ、Dean-Stark管で系外に除去しながら反応させると、約3時間で水の生成がほとんど認められなくなった。反応温度を130から徐々に150℃まで上げた。その後、反応温度を徐々に150℃まで上げながら大部分のトルエンを除去し、150で10時間反応を続けた後、4,4'−DCBP10.0g(0.040モル)を加え、さらに5時間反応した。得られた反応液を放冷後、副生した無機化合物の沈殿物を濾過除去し、濾液を4Lのメタノール中に投入した。沈殿した生成物を濾別、回収し乾燥後、テトラヒドロフラン300mLに溶解した。これをメタノール4Lに再沈殿し、目的の化合物95g(収率85%)を得た。
などに可溶で、Tgは110℃、熱分解温度は498℃であった。
ネオペンチル基を保護基としたポリアリーレン共重合体(PolyAB−SO3 neo-Pe)の調製
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた500m
Lの三つ口のフラスコに、4−[4−(2,5−ジクロロベンゾイル)フェノキシ]ベン
ゼンスルホン酸neo-ペンチル(A−SO3 neo-Pe)39.58g(98.64ミリモル)とBCPAFオリゴマー(Mn=11200)15.23g(0.136ミリモル)、Ni(PPh3)2Cl2 1.67g(0.26ミリモル)、PPh3 10.49g(4.00ミリモル)、NaI 0.45g(0.30ミリモル)、亜鉛末 15.69g(24.0ミリモル)、乾燥NMP 129mLを窒素下で加えた。反応系を攪拌下に加熱し(
最終的には75℃まで加温)、3時間反応させた。重合反応液をTHF 250mLで希
釈し、30分攪拌し、セライトをろ過助剤に用い、ろ過紙、ろ液を大過剰のメタノール1500mLに注ぎ、凝固させた。凝固物を濾集、風乾し、さらにTHF/NMP(それぞれ200/300mL)に再溶解し、大過剰のメタノール1500mLで凝固析出させた。風乾後、加熱乾燥により目的の黄色繊維状のネオペンチル基で保護されたスルホン酸誘導体からなる共重合体(PolyAB-SO3neo-Pe)47.0g(収率92%)を得た。GPCによる分子量はMn=47,600、Mw=159,000であった。
温した。反応系にメタノール50mLと濃塩酸8mLの混合物を一時に加えた。懸濁状態となりながら、温和の還流条件で10時間反応させた。蒸留装置を設置し、過剰のメタノールを溜去させ、淡緑色の透明溶液を得た。この溶液を大量の水/メタノール(1:1重量比)中に注いで、ポリマーを凝固させた後、洗浄水のPHが6以上となるまで、イオン交換水でポリマーを洗浄した。こうして得られたポリマーのIRスペクトルおよびイオン交換容量の定量分析から、スルホン酸エステル基(−SO3R)は定量的にスルホン酸基
(−SO3H)に転換していることがわかった。
〔合成例3〕疎水性ユニットの合成
攪拌機、温度計、Dean-stark管、窒素導入管、冷却管をとりつけた1Lの三口フラスコに、2,6−ジクロロベンゾニトリル48.8g(284mmol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン89.5g(266mm
ol)、炭酸カリウム47.8g(346mmol)をはかりとった。窒素置換後、スルホラン346mL、トルエン173mLを加えて攪拌した。オイルバスで反応液を150℃で加熱還流させた。反応によって生成する水はDean-stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean-stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を200℃に上げ、3時間攪拌を続けた後、2,6−ジクロロベンゾニトリル9.2g(53mmol)を加え、さらに5時間反応させた。
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル135.2g(337mmol)、合成例3で得られたMn9,500の疎水性ユニット48.7g(5.1mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド6.71g(10.3mmol)、ヨウ化ナトリウム1.54g(10.3mmol)、トリフェニルホスフィン35.9g(137mmol)、亜鉛53.7g(821mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。ここにN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)430mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、DMAc730mLを加えて希釈し、不溶物を濾過した。
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル135.2g(337mmol)、合成例3で得られたMn9,500の疎水性ユニット48.7g(5.1mmol)、4-
クロロベンゾフェノン1.5g(6.9mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド6.71g(10.3mmol)、ヨウ化ナトリウム1.54g(10.3mmol)、トリフェニルホスフィン35.9g(137mmol)、亜鉛53.7g(821mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。
ここにN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)430mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、DMAc730mLを加えて希釈し、不溶物を濾過した。
まず、合成例2で合成したスルホン酸基を有するポリアリーレンをN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、キャスト法により乾燥膜厚40μmの高分子電解質膜を調製した。該高分子電解質膜のプロトン伝導度を25℃、100%RH下で測定したところ4.0×10-1S/cmの伝導度が得られた。
子バインダーとを、粒子:バインダー=1:0.15の重量比で均一に混合して電極ペー
ストを調製した。
μmのチタン箔上にブレードコーターにて塗工し、60℃で10分間乾燥した後、100℃で減圧乾燥することにより二酸化ルテニウム水和物層を備える電極−集電体接合体を形成した。
キャパシタの出力性能を求めるため、(株)パワーシステム製 Model CDT5R2
-4 を用い、充放電電流を2mA/cm2、5mA/cm2、10mA/cm2、20mA/cm2、5
0mA/cm2、100mA/cm2、200mA/cm2の電流密度でそれぞれ0−1Vでの充放電を行った。充電は定時間(2mA/cm2;1500秒、5mA/cm2;600秒、10mA/cm2;300秒、20mA/cm2;150秒、50mA/cm2;60秒、100mA/cm2;30秒、200mA/cm2;20秒)行い、定電流で放電を行い放電容量及び放電出力を評価した。
なお放電容量(F/g)及び放電出力(W/kg)の単位重量は正負両極の電極材(水和酸化ルテニウム)の重量で割ったものである。特に放電容量では単極重量当たりの容量として表記される場合があるが、この場合は4倍の値となる。
まず、合成例4で合成したスルホン酸基を有するポリアリーレンをN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、キャスト法により乾燥膜厚40μmの高分子電解質膜を調製した。
子バインダーとを、粒子:バインダー=1:0.025の重量比で均一に混合して電極ペ
ーストを調製した。
μmのステンレス箔上にブレードコーターにて塗工し、60℃で10分間乾燥した後、100℃で減圧乾燥することにより二酸化ルテニウム水和物層を備える電極−集電体接合体を形成した。
[実施例3]
二酸化ルテニウム水和物(アルドリッチ)粒子と、合成例5で合成したスルホン酸基を有するポリアリーレンをN-メチル-2-ピロリドンに溶解してなるイオン伝導性高分子バイ
ンダーとを、粒子:バインダー=1:0.075の重量比で均一に混合して電極ペースト
を調製した以外は、実施例2と同様にして、二酸化ルテニウム水和物層を備える電極−集電体接合体を形成し、ついで電気化学キャパシタを作製したのち、評価した。
[実施例4]
二酸化ルテニウム水和物(アルドリッチ)粒子と、合成例5で合成したスルホン酸基を有するポリアリーレンをN-メチル-2-ピロリドンに溶解してなるイオン伝導性高分子バイ
ンダーとを、粒子:バインダー=1:0.15の重量比で均一に混合して電極ペーストを
調製した以外は実施例2と同様にして、二酸化ルテニウム水和物層を備える電極−集電体接合体を形成し、ついで電気化学キャパシタを作製したのち、評価した。
[実施例5]
二酸化ルテニウム水和物(アルドリッチ)粒子と、合成例5で合成したスルホン酸基を有するポリアリーレンをN-メチル-2-ピロリドンに溶解してなるイオン伝導性高分子バイ
ンダーとを、粒子:バインダー=1:0.30の重量比で均一に混合して電極ペーストを
調製した以外は実施例2と同様にして、二酸化ルテニウム水和物層を備える電極−集電体接合体を形成し、ついで電気化学キャパシタを作製したのち、評価した。
[実施例6]
二酸化ルテニウム水和物(アルドリッチ)粒子と、合成例5で合成したスルホン酸基を有するポリアリーレンをN-メチル-2-ピロリドンに溶解してなるイオン伝導性高分子バイ
ンダーとを、粒子:バインダー=1:0.50の重量比で均一に混合して電極ペーストを
調製した以外は実施例2と同様にして、二酸化ルテニウム水和物層を備える電極−集電体接合体を形成し、ついで電気化学キャパシタを作製したのち、評価した。
パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物をイオン伝導性バインダーとして用いた他は実施例5と同様にして電気化学キャパシタを構成し、同様の評価を行った。
パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物をイオン伝導性バインダーとして用いた他は実施例6と同様にして電気化学キャパシタを構成し、同様の評価を行った。
2 … 負極
3 … 高分子電解質膜
4 … 集電体層
5 … 電極層
8 … 缶
9 … 波形バネ
10… ガスケット
Claims (4)
- 1対の、金属箔集電体と接続した金属酸化物およびプロトン伝導性を有する高分子結着材を含む電極層と、
両電極層に挟持された高分子電解質膜とを備える膜−電極−集電体よりなる構造体を有する電気化学キャパシタにおいて、
前記プロトン伝導性を有する高分子結着材および高分子電解質膜もしくはいずれか一方は、下記一般式(A)で表される構造単位、および下記一般式(B)で表される構造単位を含むスルホン酸基を有するポリアリーレン;
も1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Arは−SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表
される置換基を有する芳香族基を示す。pは1〜12の整数を示し、mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)
−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基お
よびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、R1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フ
ッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。s、tは0〜4の整数を示し、rは0または1以上の整数を示す。)
であることを特徴とする電気化学キャパシタ。 - 上記金属箔集電体が厚さ10〜100μmのチタンないしステンレスよりなることを特徴とする請求項1に記載の電気化学キャパシタ。
- 上記金属酸化物とプロトン伝導性結着材において、金属酸化物100重量部に対しプロトン伝導性結着材が2.5重量部以上50重量部以下であることを特徴とする請求項1に記
載の電気化学キャパシタ。 - 上記スルホン酸基を有するポリアリーレンが、スルホン酸基を0.3〜5meq/gの範囲で含有するポリアリーレンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電気化学キャパシタ。
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