JP2006044971A - Mn−Zn系フェライトおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電力損失が低くてその温度変化が小さくしかも欠け強度にも優れるMn−Zn系フェライトコアとその製造方法を提案する。
【解決手段】 Fe23,MnO,ZnOおよびCoOを主成分とし、Fe23:51〜56mol%、ZnO:6〜14mol%、CoO:0.05〜0.8mol%、残部MnOからなり、さらに酸化物換算でSiO2:0.005〜0.05mass%、CaO:0.02〜0.2mass%、Nb25:0.005〜0.05mass%、TiO2:0.01〜0.5mass%の微量成分を内数として含有する成分組成を有する造粒粉を、金型を用いて成形し、焼成してMn−Zn系フェライトを製造する際、成形時における上記造粒粉の温度を0〜100℃とし、水分率を0.01〜10mass%とすると共に、成形用の金型の粉末が接触する部位の温度を0〜100℃に制御する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、駆動周波数が数十kHz以上のスイッチング電源のコイル磁心等として好適に用いられるMn−Zn系フェライトに関するものである。
スイッチング電源は、電圧変換や電気的絶縁機能のほか、不要なノイズを除去し、安定して電圧を供給するといった複数の機能を有する重要な部品である。上記機能を得るために、スイッチング電源に搭載されているトランスやノイズフィルター、チョークコイル等の巻線部品には各種のフェライトコアが用いられており、その用途に応じて適切な特性のフェライトコアが選択されている。例えば、トランス用磁心のフェライトコアとしては、電力損失(コアロス)が小さく、温度変化に対する電力損失の変動が小さいものが用いられている。
一方、フェライトコアの製造性や輸送中のハンドリング性を改善し、さらにコアへのボビン装着性や、装着したボビンへの巻線の作業性を高めるには、フェライトコアの機械的強度が高いことが求められる。中でも衝撃によるフェライトコアの欠損(欠け)が生じ難いこと、即ち、欠け強度が高いことが重要である。それは、製造過程でのフェライトコア同士の衝突やフェライトコアと加工治具、加工工具などとの衝突により発生する欠けは、製品としての特性を劣化させるだけでなく、欠けた部分の鋭利なエッジによって、巻きつけたコイルの被覆が破れたり、あるいは、導電性のフェライトの欠け屑がスイッチング電源内部の回路に混入して絶縁破壊を引き起こしたりして、製品品質への信頼性を大きく低下させる原因となるからである。
低い電力損失を実現するMn−Zn系フェライトとしては、例えば、特許文献1には、SiO2,CaO,Ta25およびTiO2を同時に添加したものが提案されている。しかし、このフェライトは、低損失を実現してはいるものの、損失の温度変化が大きく欠け強度に劣るという問題がある。この問題に対して、例えば、特許文献2には、Mn−Zn系フェライトにCoイオンを含有させ、これにTa25やZrO2を添加することにより、損失と温度特性の改善を図る技術が、また、特許文献3には、Coイオンを含むMn−Zn系フェライトに、さらにNb25やZrO2を添加することにより、損失の温度変化を抑制する技術が開示されている。
特開昭63−62206号公報 特開平8−191001号公報 特開2001−231520号公報
特許文献2や3の技術によれば、確かに電力損失が低くかつ損失の温度変化が小さいフェライトを得ることができる。しかし、これらの技術で得られるフェライトコアは、欠け強度が必ずしも十分ではない。すなわち、従来技術では、電力損失が低くて温度変化が小さく、しかも欠け強度に優れるMn−Zn系フェライトは実現できていなかった。
本発明の目的は、電力損失が低くて、その温度変化が小さくしかも欠け強度にも優れるMn−Zn系フェライトコアとその製造方法を提案することにある。
発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意調査研究を重ねた。その結果、電力損失が低くて、その温度変化が小さくしかも欠け強度にも優れるMn−Zn系フェライトコアを得るためには、フェライト原料である造粒粉の主成分および微量成分をそれぞれ適正範囲に制御すると共に、製造工程、特に成形工程における条件制御が特に重要であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、Fe23,MnO,ZnOおよびCoOを主成分とするMn−Zn系フェライトにおいて、Fe23:51〜56mol%、ZnO:6〜14mol%、CoO:0.05〜0.8mol%、残部MnOからなり、さらに酸化物換算でSiO2:0.005〜0.05mass%、CaO:0.02〜0.2mass%、Nb25:0.005〜0.05mass%、TiO2:0.01〜0.5mass%の微量成分を内数として含有する成分組成を有すると共に、欠け試験における欠損率Sが2.5%以下の特性を示すことを特徴とするMn−Zn系フェライトである。
また、本発明は、Fe23,MnO,ZnOおよびCoOを主成分とし、Fe23:51〜56mol%、ZnO:6〜14mol%、CoO:0.05〜0.8mol%、残部MnOからなり、さらに酸化物換算でSiO2:0.005〜0.05mass%、CaO:0.02〜0.2mass%、Nb25:0.005〜0.05mass%、TiO2:0.01〜0.5mass%の微量成分を内数として含有する成分組成を有する造粒粉を、金型を用いて成形し、焼成してMn−Zn系フェライトを製造する際、成形時における上記造粒粉の温度を0〜100℃とし、水分率を0.01〜10mass%とすると共に、成形用の金型の粉末が接触する部位の温度を0〜100℃に制御することを特徴とするMn−Zn系フェライトの製造方法を提案する。
本発明によれば、電力損失が低くて、その温度温度変化が小さく、しかも製造工程中における欠けが起こり難いMn−Zn系フェライトコアを得ることができるので、スイッチング電源などの小型化や高性能化、信頼性向上に大いに寄与する。
Mn−Zn系フェライトの成分組成を、上記範囲に制限する理由について説明する。
Fe23:51〜56mol%、ZnO:6〜14mol%、CoO:0.05〜0.8mol%および残部:MnO
本発明のMn−Zn系フェライトは、Fe23,ZnO,CoOおよびMnOを主成分とするものであり、それら主成分の組成が適切な範囲を外れると、損失が上昇したり、損失の温度変化が過大になったりする。そのため、Fe23:51〜56mol%、ZnO:6〜14mol%、CoO:0.05〜0.8mol%、残部:MnOの範囲に制御する必要がある。
本発明のMn−Zn系フェライトにおいては、上述した主成分の他に、SiO2,CaO,Nb25およびTiO2からなる微量成分を、下記の組成範囲(内数)で含有することが重要である。
SiO2:0.005〜0.05mass%、CaO:0.02〜0.2mass%
SiO2およびCaOは、Mn−Zn系フェライトの比抵抗を上昇させ、損失を低下させるために添加する成分である。これらの成分の添加量が少なすぎる場合は、上記効果が得られず、一方、過剰に添加した場合には、焼成した際に異常粒成長が起こったり、結晶粒成長が過剰に阻害されたりして損失が上昇する。よって、それぞれの添加量は、SiO2:0.005〜0.05mass%、CaO:0.02〜0.2mass%の範囲に制限する必要がある。
Nb25:0.005〜0.05mass%
Nb25は、比抵抗を高め損失を低減する効果を有することが知られているが、本発明は、その他に、欠け強度を改善する効果があることも見出した。Nb25の添加量が少なすぎる場合には、上記効果の発現が不十分であり、一方、過剰に添加すると、却って損失上昇や強度低下を引き起こす。よって、Nb25は0.005〜0.05mass%の範囲に限定する。
TiO2:0.01〜0.5mass%
TiO2は、従来、比抵抗を上昇させることが知られているが、本発明では、欠け強度をさらに改善するために添加する。すなわち、TiO2は、CoOを含有する本発明のMn−Zn系フェライトにおいては、従来報告されているような特段の損失低減効果は認められない。一方、欠け強度は、先述したNb25の添加によりある程度改善されるが、その効果は不十分である。ここで、Nb25の添加と同時にTiO2を添加すると、欠け強度がさらに改善されることがわかった。しかし、添加量が過剰となった場合には、逆に、欠け強度の低下や電力損失の上昇が起こる。よって、TiO2の添加量は0.01〜0.5mass%の範囲とする。
なお、CoOを含有するMn−Zn系フェライトの低鉄損化は、Ta25やZrO2を添加することによっても可能である。しかし、これらの成分の添加は、欠け強度の急激な劣化をもたらすため、本発明の開発目的に対しては不適当である。
上記のような微量成分の添加による欠け強度の改善は、結晶粒や結晶粒界における原子間結合力や残留応力などが、nm〜μmのレベルで変化することによるものと考えられる。しかし、本発明が目的とする、より欠け強度に優れた焼結体を得るためには、このような微視的な制御だけでは不十分であり、その他に、フェライト焼結体中に残留するμm〜mmレベルの大きさを有する空孔等の欠陥の存在状態を適正化することが不可欠であり、そのためには、フェライト原料である造粒粉を成形する際の加工条件を適正範囲に制御する必要がある。
すなわち、低損失のMn−Zn系フェライトを得るためには、フェライトを焼結した後に残留する空孔が少なくて焼結密度が高く、結晶粒径が適度な大きさに制御されていることが望ましい。そして、このような結晶組織を得るために、従来、例えば、焼成温度を1150〜1400℃の範囲としたり、昇温過程の900℃以上における昇温速度を適正範囲に制御したりすることが行われている。しかし、焼成するフェライト成形体自体の内部構造が不均質だと、巨大な空孔が残留したり焼結密度の上昇が妨げられたりして、均一な結晶粒成長が阻害され、あるいは、焼結体の内部と表層とで焼結密度や結晶粒径に差異を生じて、不均質な焼結体組織が形成される。このように不均質な結晶組織は、電力損失の上昇を招いたり、欠け強度の低下を引き起こしたりする。本発明は、以上の観点から検討を重ねた結果、フェライトの成分組成の制御に加えて、成形工程に関わるいくつかのパラメータを適正範囲に制御することによって初めて磁気特性と機械的特性とに優れたフェライトコアを得ることができることを見出し、完成させたものである。
一般に、粉末冶金法によりMn−Zn系フェライトコアを製造する成形工程では、成形用の金型に充填したフェライトの原料粉末を加圧し、成形することが行われている。ここで上記フェライトの原料粉末とは、粒径が1μm前後の一次粒子を適度に凝集させた形態の造粒粉と呼ばれるもので、流動性を向上し成形体の強度を高めるために、PVA(ポリビニルアルコール)などの結合剤(バインダ)や、多少の水分等を含有させたものである。
本発明は、フェライトの原料となる粉末(造粒粉)の成分組成を適正範囲に制御した上で、この造粒粉を金型を用いて成形する際の、造粒粉の温度、造粒粉が含有する水分量(水分率)および造粒粉が接触する金型面の温度を適正な範囲に制御すれば、優れた磁気特性と欠け強度を有するフェライトコアが得られることを見出したところに特徴がある。具体的には、フェライトの造粒粉に上述した適正量のNb25とTiO2を含有させるとともに、造粒粉の温度を0〜100℃、水分率を0.01〜10mass%の範囲に制御し、さらに、金型の粉末が接触する部位の温度を0〜100℃に制御することにより、磁気特性と欠け強度とが共に優れるフェライト焼結体を得ることができる。一方、造粒粉の温度、水分率および金型の温度が上記適正範囲から外れると、電力損失と欠け強度のいずれか一方、あるいは両方の特性が劣るものとなる。好ましくは、造粒粉の温度は40〜100℃、水分率は0.01〜1mass%、粉末が接触する部位の金型温度は40〜100℃である。
一般に、優れた磁気特性と機械的特性を得るためには、成形体の均質性が高いほど好ましい。そのような成形体を得るためには、成形体の原料となる造粒粉の流動性が高く、かつ、金型への充填から始まり金型から抜き出す脱型までの成形加工の全工程に亘って金型と造粒粉間に作用する摩擦力は小さい方が好ましい。この観点から考えると、造粒粉の温度や水分率は、粉体間の凝集力や成形加圧時の流動性、造粒粉の塑性変形性等に影響を及ぼし、一方、金型接触面の温度は、粉体と金型間の付着力等に影響を及ぼすことを通じて、造粒粉の成形性が改善され、摩擦力が減少して上記の効果が得られたものと考えられる。
なお、成形条件を上記適正範囲に制御する具体的な方法としては、造粒粉の温度制御は、貯粉槽内での温風や冷風による加熱・冷却、粉体供給ラインでの電熱線等による加熱や冷水等による直接あるいは間接冷却により行うことができる。また、造粒粉の水分率の制御は、造粒粉の原料となるフェライト粉砕粉スラリーの水分制御や、造粒粉への加湿と乾燥操作を適宜組み合わせることにより行うことができる。なお、水分率は、加熱式水分率計や熱重量分析装置などで測定することができる。また、造粒粉が接触する部位の金型温度は、当該部位近傍に熱電対を埋め込んで測定する方法が簡便であり、その温度制御は、電熱線、温水、温風、赤外線等による加熱や、ペルチェ素子、冷水、冷風等による冷却を適宜組み合わせることにより行うことができる。
Mn−Zn系フェライトの主成分であるFe23、ZnO、CoOおよびMnOの組成が、最終的に表1に示した値となるように、酸化鉄、酸化マンガン、酸化亜鉛、酸化コバルトの原料粉末を湿式混合し、乾燥し、950℃で仮焼し、仮焼粉とした。この仮焼粉に、微量成分を、SiO2、CaCO3、Nb25およびTiO2換算で最終的に表1に示した組成(内数)となるよう添加し、ボールミルで12時間の湿式粉砕を行い、その後、バインダとしてPVA(ポリビニルアルコール)を0.6mass%となるよう添加して、各種の成分組成を有する造粒粉を得た。これらの造粒粉の温度は50±5℃、造粒粉の水分含有量は0.1±0.02mass%であった。その後、これらの造粒粉を、造粒粉が接触する部位の温度を45℃に保持した成形用金型を用いて、外径31mm、内径19mm、高さ7mmのリング型のコアに成形し、この成形体を、最高温度を1350℃、最高温度での保持時間を2時間とする条件で焼成を行い、フェライトコア焼結体とした。
上記のようにして得たフェライトコア焼結体に対して、一次側と二次側にそれぞれ5ターンの巻線を施したのち、交流B−Hループトレーサーを使用し、JIS C 2514に準じて、周波数100kHz、磁束密度0.2Tの条件で、−40〜140℃の温度範囲におけるコアロスPcv(kW/m3)を測定すると共に、Pcvの温度変化率α(kW/m3/℃)を下記の計算式に基づいて求めた。
α={Pcv(Tmin−20)−Pcv(Tmin−60)}/40
なお、上記Tminは、コアロスの極小温度(℃)を表す。また、Pcv(Tmin−20)およびPcv(Tmin−60)は、それぞれ(Tmin−20)(℃)および(Tmin−60)(℃)におけるコアロスを表す。通常、αは負の値であり、その絶対値が小さいことは、Tminに対して−20℃〜−60℃間の温度変化が小さいことを意味する。
また、上記各種の成分組成を有する造粒粉を用いて、成形圧118MPaで、直径13±0.5mm、長さ13±0.5mmの円柱体を各5個ずつ成形し、上記と同じ条件で焼成を行ってフェライト円柱焼結体とし、これを下記の欠け試験に供した。なお、得られた各種成分組成を有する円柱焼結体はいずれも、直径のばらつきは0.1mm未満、高さのばらつきは0.1mm未満、焼結密度のばらつきは0.05g/cm3未満であった。
欠け試験は、日本粉末冶金工業会規格JPMA P ll「金属圧粉体のラトラ値測定方法」をフェライト焼結体に適用し、下記の要領で行った。上記円柱焼結体試料各5個を、内法径110mm×内法高さ120mmの鉄製円筒容器に投入し、この円筒容器を水平のローラー台上に載置し、150回/分で150分間回転させた。なお、上記回転条件においては、容器内に投入された試料は遠心力で容器内壁に張り付くこともなく、迫り上がりと自由落下運動を繰り返すことを確認した。この処理中に、試料同士および試料と鉄製容器内壁との衝突によって、円柱焼結体試料のエッジが欠損する。そこで、この処理の前と後のフェライト円柱試料の重量を0.001g単位で測定し、その差から下記式で定義される欠損率S(%)を求めた。この欠損率Sは、小さいほど欠け強度が大きいことを意味する。
S={(A−B)/A}×100(%)
ただし、A:試験前の5試料の総重量(g)
B:試験後の5試料の破片を除く総重量(g)
上記測定の結果を、表1中に併記して示した。この表1から、フェライトの主成分の組成と微量成分の添加量を適切に制御した試料(No.1〜14)においては、100℃におけるコアロスは400kW/m3以下で、その温度変化率αの絶対値は4kW/m3/℃以下であり、しかも、欠損率Sは2.5%以下で、いずれの特性も優れていることがわかる。一方、本発明を外れる成分組成の試料(No.15〜28)では、コアロスPcv、温度変化率αおよび欠損率Sのいずれか1つ以上の特性が劣っていた。
Figure 2006044971
フェライト焼結体の主成分組成が、Fe23:53.0mol%、ZnO:12.0mol%、CoO:0.20mol%およびMnO:34.8mol%で、微量成分の含有量が、SiO2:0.01mass%、CaO:0.07mass%、Nb25:0.020mass%およびTiO2:0.2mass%となるように原料を配合し、実施例1の手順にしたがって仮焼粉を作成し、粉砕し、PVAを0.6mass%となるよう添加し、造粒粉とした。この造粒粉について、温度を−10℃〜150℃、水分含有量を0.001〜20mass%に変化させると共に、成形に用いる金型の造粒粉が接する部位の温度を−10〜150℃に変化させて、実施例1と同様にして、リングコアと円柱体試料を成形して焼成し、コアロスPcv、温度変化率αおよび欠損率Sを測定した。なお、Tminは90℃であった。
上記測定の結果を表2に併記して示した。この表2から、造粒粉の温度を0〜100℃、造粒粉の水分率を0.01〜10mass%とし、かつ粉末成形用金型の造粒粉が接触する部位の金型温度を0〜100℃に保持した条件下で成形された試料(No.29〜43)は、100℃におけるコアロスPcvが400kW/m3以下で、温度変化率αの絶対値が4kW/m3/℃以下で、かつ、欠損率Sは2.5%以下であり、いずれの特性も優れていることがわかる。一方、本発明を外れる試料(No.44〜53)では、コアロスPcv、温度変化率αおよび欠損率Sのいずれか1つ以上の特性が劣っていた。
Figure 2006044971

Claims (2)

  1. Fe23,MnO,ZnOおよびCoOを主成分とするMn−Zn系フェライトにおいて、Fe23:51〜56mol%、ZnO:6〜14mol%、CoO:0.05〜0.8mol%、残部MnOからなり、さらに酸化物換算でSiO2:0.005〜0.05mass%、CaO:0.02〜0.2mass%、Nb25:0.005〜0.05mass%、TiO2:0.01〜0.5mass%の微量成分を内数として含有する成分組成を有すると共に、欠け試験における欠損率Sが2.5%以下の特性を示すことを特徴とするMn−Zn系フェライト。
  2. Fe23,MnO,ZnOおよびCoOを主成分とし、Fe23:51〜56mol%、ZnO:6〜14mol%、CoO:0.05〜0.8mol%、残部MnOからなり、さらに酸化物換算でSiO2:0.005〜0.05mass%、CaO:0.02〜0.2mass%、Nb25:0.005〜0.05mass%、TiO2:0.01〜0.5mass%の微量成分を内数として含有する成分組成を有する造粒粉を、金型を用いて成形し、焼成してMn−Zn系フェライトを製造する際、成形時における上記造粒粉の温度を0〜100℃とし、水分率を0.01〜10mass%とすると共に、成形用の金型の粉末が接触する部位の温度を0〜100℃に制御することを特徴とするMn−Zn系フェライトの製造方法。
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