JP2006038912A - 画像形成装置及び走査ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】
ポリゴンミラー等の偏向手段の一の反射面に複数の光ビームを斜光入射させる画像形成装置等において、より小型化を図ることができる画像形成装置及び走査ユニットを提供する。
【解決手段】
ポリゴンミラー110の一の反射面に、副走査方向に異なる位置に設けられた発光部180M、180Yから複数のレーザビームを斜光入射させ、反射面で反射した複数の光ビームのそれぞれを、各色に対応した光路を形成する折り返しミラー等に導入する場合において、反射面で反射した光ビームが、他の光ビームの光路へ混ざり込むことを防止する混入防止部材160A等を設ける。
【選択図】 図3

Description

本発明は画像形成装置及び走査ユニットに関し、特に、光ビームを走査させるポリゴンミラー等の偏向手段を備え、当該偏向手段の反射面に、複数の光ビームを副走査方向に異なる位置から斜光入射させる画像形成装置及び走査ユニットに関する。
レーザプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置においては、半導体レーザ等の発光手段から射出される光ビームをポリゴンミラー等の偏向手段にて偏向し、一様に帯電された感光体表面を露光走査して潜像を形成し、潜像がトナーにより可視像化された後、当該トナー像を記録シート等の記録媒体上に転写することにより、記録媒体上に画像を形成する。
カラー画像を形成する画像形成装置においては、一般的にシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成する。いわゆるタンデム方式のカラー画像形成装置では、各色ごとに複数の像担持体(感光体ドラム等)を設け、各像担持体を各色画像に対応する光ビームで露光走査し、現像してトナー像とした後、中間転写体や、搬送される記録紙等の記録媒体上に順次転写して重ね合わせることによりカラー画像を形成している。
像担持体を露光走査するに際して、画像形成装置の一例としての一般的なレーザプリンタにおいては、まず、半導体レーザ等の発光手段から射出される光ビームをコリメータレンズにより略並行光とする。そして、面倒れ補正のために、シリンドリカルレンズにより副走査方向に集光して、高速回転するポリゴンミラーへと導く。ポリゴンミラーの反射面にて反射した光ビームが走査レンズを含む光学系を介して像担持体表面を露光走査する。
上記したタンデム方式のように複数の像担持体を備える場合(あるいは一の像担持体の異なる位置を露光走査する場合)、各色に対応する発光手段から射出される複数の光ビームを単一のポリゴンミラーを用いて偏向する走査光学装置の一般的な例が特許文献1に開示されている。特許文献1の従来技術では、複数の発光手段を副走査方向に異なる位置に配置し、射出された複数の光ビームをポリゴンミラーの反射面に斜光入射させる。反射面で反射した複数の光ビームを、それぞれに対応して規定された光路を形成する折り返しミラー等の光学部品にてそれぞれに対応する像担持体へと導き、像担持体表面を露光走査する。
特開2004−21133号公報
近年、上記タンデム型のように複数の像担持体(あるいは一の大型の像担持体)を用いてカラー画像を形成する画像形成装置においても小型化が求められている。しかしながら、上記特許文献1のような従来技術で、ポリゴンミラーの一の反射面に斜光入射され、偏向された複数の光ビームが、適切に対応した折り返しミラー等の光学部品で反射して、対応する像担持体へと導かれるためには、ポリゴンミラーの反射面と折り返しミラー等の光学部品との間に相応の距離を置く必要があり、装置の小型化を困難としている。
本発明は、係る問題点に鑑みてなされたものであって、ポリゴンミラー等の偏向手段の一の反射面に複数の光ビームを斜光入射させる画像形成装置等において、より小型化を図ることができる画像形成装置及び走査ユニットを提供することを目的としている。
上記の問題点を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、偏向手段に設けられる反射面に、副走査方向に異なる位置から複数の光ビームを斜光入射させ、反射面で反射した複数の光ビームを、一又は複数の反射系光学素子によりそれぞれの光ビームに対応して規定された各光路を形成する複数の光路形成手段へとそれぞれ導入し、前記各光路を経由した光ビームのそれぞれによって複数の像担持体又は単一の像担持体の異なる位置を露光走査することにより像担持体に潜像を形成する画像形成装置において、前記偏向手段の反射面で反射した光ビームが、他の光ビームの光路へ混入することを防止する一又は複数の混入防止部材を備えることを特徴としている。
ポリゴンミラー等の偏向手段の反射面に光ビームを入射させる場合、いわゆる面倒れ補正のため、反射面上では光ビームを副走査方向に集光させるのが一般的であるが、反射面での偏向後の光ビームは発散し、ビーム径は最大数mmまで広がる。従って、複数の光ビームを一の反射面に斜光入射させる場合に、装置の小型化を図るべく、反射面と、折り返しミラー等の反射系光学素子によりそれぞれの光ビームに対応して規定された各光路を形成する光路形成手段との間の距離を短くすると、他の色に対応する光学素子に反射してしまい、他の像担持体に光ビームが到達してしまう場合が生じ得るという問題がある。
上記本発明の構成では、反射面で反射した光ビームが、他の光ビームの光路へ混入することを防止する一又は複数の混入防止部材を備えているため、光ビームが誤って他の光ビームの光路へ混入し、対応しない像担持体へ到達してしまうことが防止できる。これにより偏向手段と光路形成手段を構成する光学素子との間の距離を短くすることができ、もって装置の小型化を図ることが可能となる。
なお、ここで「混入」とは、光ビームが発散して他の色に対応する反射系光学素子に反射し、光ビームが本来経由すべき光路だけでなく、他の光ビームの光路に混ざって入ってしまうことをいう。また、光路形成手段は、具体的には一又は複数の折り返しミラーなどの反射系光学素子で形成することができる。ただし光学素子はミラーに限定されるわけではない。
なお、前記混入防止部材は、前記偏向手段と、各光路形成手段の最初に設けられる反射系光学素子との間に設けられることが好ましい。ここで「各光路形成手段の最初」とは、各々の光ビームの光路が分けられた後の最初に設けられた光学素子の意味であり、例えば走査レンズの直後に大型のミラーを配置し、複数の光ビームの全てを同方向に反射させて光路の向きを変えるような場合は含まない趣旨である。複数の光ビームの光路が各々別方向に分けられる前に混入防止部材を配置することが混入防止の観点から効率的だからである。具体的には、各光路形成手段の最初に設けられる反射系光学素子は、対応する光ビームのみを反射させるミラーである場合に、当該ミラーの前に配置することが考えられる。もっとも、上記のような大型のミラーの前に配置しても、設計により、混入防止の効果が得られる場合は有り得ると考えられる。
ここで、前記混入防止部材は、一の光ビームが通過する開口を備える遮光部材から成り、当該開口は、当該開口を通過した光ビームが他の光ビームに対応する光路形成部へ混入しない位置に設けられるとすることができる。開口は、光ビームを主走査方向に走査する場合に1走査ライン分は光ビームが通過するスリット状の開口とすることができる。遮光部材としてはステンレス等の金属、樹脂等で成型して用いることができるが、光学ガラス等にコーティングを施し、開口に相当する部分のみ光ビームが通過するような構成も考えられる。
開口部分の副走査方向の長さについて、前記開口の副走査方向の長さが、主走査方向の1走査ライン分にわたって略同一とし、前記遮光部材を、前記像担持体に到達する光ビームの副走査方向のスポット径が主走査方向の1走査ライン分にわたって略同一となる位置に沿った形状とすることができるし、前記遮光部材を、平板状の部材とし、主走査方向中央部と両端部とで前記開口の副走査方向の長さが異なる構成とすることもできる。この場合も、前記開口の副走査方向の長さが、前記像担持体に到達する光ビームの副走査方向のスポット径が主走査方向の1走査ライン分にわたって略同一となるように長さを変えることが好ましい。
これらは、各々の光ビームが開口を通過する場合に当該開口を通過する光ビームの副走査方向の幅を調整し、像担持体上で光ビームが結像した際のスポット径が主走査方向中央部と端部とで大きく変わらないようにするための構成であるが、遮光部材や開口をどのような形態とするかは、走査レンズの特性等とも合わせて最適化されることが好ましいところである。
なお、遮光部材等の混入防止部材は、各々の光ビームに対応してそれぞれ一つずつ設けられている構成とすることが好ましい。像担持体上で光ビームが結像した際のスポット径が、各々の光ビームごとに大きく変わらないようにするためである。ここで、少なくとも二つの光ビームに対応する開口が同一の遮光部材に設けられている構成とすることができる。ポリゴンミラーの両側から二本ずつの光ビームが入射する構成であれば、開口を二つ設けた遮光部材をポリゴンミラーの両側にそれぞれ設けるようにしてもよいし、ポリゴンミラーの一の反射面に四本の光ビームが入射する構成であれば、開口を四つ設けた遮光部材を用いることもできる。
また、前記光路形成部の最初に設けられる光学部品であるミラーと、対応する光ビームが通過する遮光部材とは、反射した光ビームの方向が異なる向きに設置されていることが好ましい。遮光部材の開口の周囲で光ビームが一部反射する可能性も有り、そのような場合に、方向が同じ向きに設置されていると、遮光部材に反射した光ビームが光路を形成するミラー等に当たって迷光として像担持体に到達する原因となるからである。
前記画像形成装置はさらに、前記遮光部材の位置を調整する位置調整機構を備えることが好ましい。開口に、対応しない光ビームが入射してしまうと混入が発生するため、開口位置の微調整が可能な構成とすることが好ましいからである。
前記混入防止部材は、光ビームを反射させる領域と光ビームを透過させる領域とを有するミラーであり、一の光ビームのみが反射するとともに、他の光ビームが透過する位置に設けられているような構成も考えられる。いわゆる無反射コートを用いても反射率を完全に0とすることは極めて困難であるが、用いる感光体の感度によっては、多少他の光ビームが反射してもゴースト等に現れない場合もあり得るからである。
なお、反射面と混入防止部材との間に、複数の光ビームが通過するfθレンズが配されている構成とすることができる。
なお、本発明に係る第2の画像形成装置は、各色に対応する複数の像担持体を備え、各々の像担持体において形成した画像を重ね合わせることによりカラー画像を形成する画像形成装置において、前記複数の像担持体それぞれを露光走査する光ビームを射出する、複数の発光手段と、回転駆動により複数の光ビームを偏向し、各々の像担持体を露光走査するポリゴンミラーと、一又は複数の反射系光学素子により、各光ビームのそれぞれに対応する光路を形成する複数の光路形成手段とを備え、二本の光ビームが前記ポリゴンミラーの同一の反射面に副走査方向に異なる方向から斜光入射され、前記反射面に反射して偏向した後、各光路形成手段により形成される光路を経由して、各々の像担持体へと導かれるとともに、前記ポリゴンミラーと各光路形成手段との間には、前記反射面で反射した光ビームが、他の光ビームの光路へと混入することを防止する混入防止部材が設けられていることを特徴としている。
ここで、前記発光手段及び前記像担持体は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応してそれぞれ四つ設けられ、四つの発光手段は、前記ポリゴンミラーを挟んで二つずつ配置されており、当該発光手段から射出された二本ずつの光ビームが、前記ポリゴンミラーの二つの異なる反射面でそれぞれ偏向され、水平方向逆方向に二本ずつの光ビームがそれぞれ進行する構成とすることができる。もっとも、ポリゴンミラーの一の反射面で四本の光ビームを偏向する構成に適用することもできる。
なお、本発明の走査ユニットは、反射面を有する偏向手段と、前記反射面に、副走査方向に異なる位置から複数の光ビームを斜光入射させる複数の発光手段と、反射面で反射した複数の光ビームのそれぞれに対応して規定された光路を一又は複数の反射系光学素子にて形成する複数の光路形成手段と、前記偏向手段の反射面で反射した光ビームが、他の光ビームの光路形成手段へと混入することを防止する一又は複数の混入防止部材を備えることを特徴としている。
本発明に係る画像形成装置及び走査ユニットによると、一又は複数の混入防止部材を備えており、光ビームが他の光ビームの光路へ混入し、対応しない像担持体へ到達してしまうことが防止できるため、ポリゴンミラー等の偏向手段に設けられた反射面と、各々の光ビームの光路を形成するミラー等の光学部品との間の距離を短くすることができ、装置の小型化を図ることが可能になるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(1)カラーレーザプリンタの全体構成
図1は、本発明の適用対象であるカラー画像形成装置としてのカラーレーザプリンタの構成の一例を示す概略側断面図である。
カラーレーザプリンタ1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色ごとに異なる感光体ドラム3Y〜3Kを備え、用紙搬送ベルト60上を搬送される記録紙等の記録媒体Pに各色のトナー像を順次重ね合わせてカラー画像を形成する、いわゆるタンデム方式のカラー画像形成装置である。
カラーレーザプリンタ1は、トナー像形成部4、定着部8、給紙部9、排紙トレイ10、及び走査ユニット100を備え、給紙部9より給紙された記録媒体Pに対してトナー像形成部4にてカラー画像を形成し、定着部8で定着して排紙トレイ10へと排紙する。
給紙部9は、カラーレーザプリンタ1の最下部に設けられており、記録紙、記録シート等の記録媒体Pを収容する給紙カセット91と、記録媒体Pを記録媒体搬送経路へと送出する給紙ローラ92とを備えている。給紙部9においては、トナー像形成部4の各部と所定のタイミングをとって給紙ローラ92が駆動され、記録媒体Pを供給する。供給された記録媒体Pは、搬送ローラ対99によって用紙搬送ベルト60上へと搬送される。
トナー像形成部4は、給紙部9により給紙された記録媒体Pを用紙搬送ベルト60にて搬送しながら、搬送される記録媒体P上にトナー像を形成する。用紙搬送ベルト60は、駆動ローラ62及び従動ローラ63に張架され、駆動ローラ62が不図示の駆動モータにより回転駆動されることにより矢印A方向に駆動している。この用紙搬送ベルト60上を搬送される記録媒体Pに対して、トナー像形成部4を構成する各色のユニットにより順次各色画像が転写されて、カラー画像が形成される。
なお、用紙搬送ベルト60の下方にはクリーニングユニット6が配されている。クリーニングユニット6は、用紙搬送ベルト60表面に残留したトナーを掻き取る掻き取り部材65、及び掻き取られたトナーを収容する残留トナーケース66を備えている。
トナー像形成部4は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーによるトナー像形成ユニットごとに、感光体ドラム3Y、3M、3C、3K、帯電チャージャ71Y、71M、71C、71K、及び現像ユニット51Y、51M、51C、51Kをそれぞれ備えている(以下、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色をそれぞれY、M、C、Kと表し、各色に関連する構成部分の符号に、このY、M、C、Kを添字として付加する)。
トナー像形成部4を構成する各色のユニットのそれぞれは、記録シート等の記録媒体搬送路の上流から、Y、M、C、Kの順にトナー像を形成するように並べて配設されている。以下、各色のユニットの構成について説明する。
感光体ドラム3Y〜3Kは円柱状のアルミニウム製基材で構成され、その表面に正帯電性の感光層が形成されている。アルミニウム製基材はアース層として用いられている。感光体ドラム3Y〜3Kの側端面には歯車31Y〜31Kがそれぞれ設けられており、これに駆動用の歯車32Y〜32Kが歯合されている。なお、駆動用の歯車32Y、32M、32C、32Kは、図示しない単一の駆動用モータにより、それぞれ同時に同じ角速度で回転されて、感光体ドラム3Y〜3Cを時計周り方向に回転駆動させる。
帯電器71Y〜71Kは、スコロトロン型の帯電器であり、感光体ドラム3Y〜3Kの下方に、その表面には非接触の状態で対向配置されており、感光体ドラム3Y〜3Kの表面を正極性に一様帯電する。現像ユニット51Y〜51Kは、現像ユニットケース55Y〜55Kの内部にトナーを収納する構成であり、現像ローラ52Y〜52K、供給ローラ53Y〜53K、及び層厚規制ブレード54Y〜54Kを備えている。
現像ローラ52Y〜52Kは、導電性シリコーンゴムや導電性ウレタンゴム等の弾性材料を基材として円柱状に構成され、さらに表面にフッ素を含有した樹脂又はゴム材のコート層が形成されている。供給ローラ53Y〜53Kは、導電性のスポンジローラで構成され、現像ローラ52Y〜52Kに対して、スポンジの弾性力により押圧接触するように配されている。なお、供給ローラ53Y〜53Kとしては、導電性シリコーンゴム、EPDM、あるいはウレタンゴム等の適宜の部材の発泡体を使用することができる。
層厚規制ブレード54Y〜54Kは、基端がステンレス鋼等で板状に形成されて現像ユニットケース55Y〜55Kに固定され、先端は絶縁性のシリコーンゴムや絶縁性のフッ素含有ゴム又は樹脂で形成されている。層厚規制ブレード54Y〜54Kの先端は現像ローラ52Y〜52Kに対して圧接される。
現像ユニット51Y〜51Kは、現像ユニットケース55Y〜55Kに収納されるトナーを、供給ローラ53Y〜53Kから現像ローラ52Y〜52Kへと供給し、層厚規制ブレード54Y〜54Kにより均一な薄層とする。そして走査ユニット100による露光走査で感光体ドラム3Y〜3Kの表面に形成された静電潜像を反転現像方式で現像する。
現像により感光体ドラム3Y〜3Kの表面に形成されたトナー像は、転写ローラ61Y〜61Kに印加された転写バイアスにより、用紙搬送ベルト60上を搬送される記録媒体Pに順次転写される。
定着部8は、加熱ローラ81と、当該加熱ローラ81に対向して配され加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを備えており、YMCK各色のトナー像が転写された記録媒体Pが、加熱ローラ81及び加圧ローラ82の間を通過する間にトナー像を記録媒体P上に熱定着させる。定着部8を通過した記録媒体は、装置上面に設けられたシート排出トレイ10へと排紙される。
(2)走査ユニット100の構成
次に本実施の形態における走査ユニット100の構成について説明する。
図2は、走査ユニット100の構成について説明するための模式図であり、走査ユニット100を側方から見たものである。
走査ユニット100は、同図に示されるような各部が樹脂を成型して作製したフレーム(不図示)にそれぞれ装着されて構成される。
走査ユニット100は、複数(例えば六面)の反射面を有し、ポリゴンモータ112により高速に回転駆動されるポリゴンミラー110が水平方向中央部に配され、その反射面に、ポリゴンミラー110の両側にそれぞれ二つずつ備えられた発光部180(図3参照)から、それぞれ二本ずつのレーザビームが副走査方向に異なる位置から斜光入射される構成となっている。
ポリゴンミラー110の図中右側には、感光体3Yを露光走査するレーザビームLBY及び感光体3Mを露光走査するレーザビームLBMに対応する走査光学系190Aが設けられ、図中左側には感光体3Cを露光走査するレーザビームLBC及び感光体3Kを露光走査するレーザビームLBKに対応する走査光学系190Bが設けられている。
走査光学系190Aは、fθレンズ120A、シリンドリカルレンズ140Y及び140M、及び折り返しミラー130Y及び131Y、130M〜132Mを備えている。走査光学系190Bは、fθレンズ120B、シリンドリカルレンズ140C及び140K、及び折り返しミラー130C〜132C、130K及び131Kを備えている。
fθレンズ120A及び120Bは、レーザビームを主走査方向に集光しながら感光体上を等速走査させる。走査光学系190Aではfθレンズ120AをレーザビームLBY及びLBMにより共用し、走査光学系190Bではfθレンズ120BをレーザビームLBC及びLBKにより共用するようにしている。
本実施の形態の走査ユニット100は、レーザビームを主走査方向と直交する副走査方向(感光体ドラムの回転方向)に集光するシリンドリカルレンズ(第2走査レンズ)140Y〜140Kを各色ごとに備えている。ポリゴンミラー110の反射面に反射し、fθレンズ120A、120B等を通過したレーザビームは、各色ごとに設けられたシリンドリカルレンズ140Y〜140Kをそれぞれ通過して各色の感光体3Y〜3K表面に到達する。ポリゴンミラー110の反射面と各色ごとのシリンドリカルレンズ140Y〜140Kと間には、各色のレーザビームごとの光路を形成する反射系光学素子である折り返しミラー130Y等を設けている。即ち折り返しミラー130Y、131YによりYに対応する光路が形成され、折り返しミラー130M、131M、132MによりMに対応する光路が形成される。また、折り返しミラー130C、131C、132CによりCの光路が形成され、折り返しミラー130K及び131KによりKの光路が形成される。これらの折り返しミラーが、本発明において、各色に対応する光路を形成する光路形成手段である。
(3)混入防止部材について
本実施の形態の走査ユニット100のように複数のレーザビームをポリゴンミラー110の同一の反射面に斜光入射させる場合、反射した後の複数のレーザビームを各色に対応する光路形成手段に適切に導く必要がある。例えばYのレーザビームLBYが、Mの光路を形成する光路形成手段に混じり込んで入射してしまうと、Mの感光体が露光させるべきでないときに露光されてしまうなど、著しい画質の劣化を招来するからである。
一方、例えば二色のレーザビームを上下逆方向から単一の反射面に斜光入射させる場合、画質の観点から両者間の角度は小さい方が好ましく、一般的には3°以下とするのが好適とされている。通常レーザビームをポリゴンミラー110の反射面に入射させる場合、当該反射面上で集光するようにされているが、反射した後は再び発散するので、適切にレーザビームを分離するにはポリゴンミラー110の反射面から各色ごとの光路形成手段を構成する反射系光学素子までの間に充分な距離を置く必要があり、これが装置の小型化を妨げる要因となっていた。
そこで、本実施の形態では装置の小型化を図るべく、各色のレーザビームが他の色の光路に混じりこむことを防止する混入防止部材160A及び160B(両者の構成は同様に考えることができるので、以下、両者を分ける必要がない場合には、単に「混入防止部材160」ともいう。)を配するようにしたものである。ここで「混入」とは、上記に説明したように、他の色のレーザビームの光路に混じり込んで入ってしまうことをいう。
図3は、混入防止部材160について説明するための図であり、走査ユニット100の図2における右側半分の一部をポリゴンミラー110の斜め上方向から見た模式図である。図2における左側も同様の構成を有しているため、図3では逆側についての図示は省略している。
図3に示される走査ユニット100においては、YのレーザビームLBYを射出する発光部180YとMのレーザビームLBMを射出する発光部180Mとが上下に並列して配されている。発光部180Y及び発光部180Mには、それぞれ画像データにより変調されたレーザビームを射出する半導体レーザ等の発光素子(不図示)及び射出された発散光であるレーザビームを平行光にするコリメータレンズ(不図示)が備えられている。
発光部180Y及び180Mのレーザ射出方向前方には、レーザビームLBY、LBMがそれぞれ通過する二本のスリット183Y及び183Mが設けられたスリット板182A及びシリンドリカルレンズ184Aが配されており、シリンドリカルレンズ184Aの作用により、レーザビームLBY及びLBMは、ポリゴンミラー110の反射面上において副走査方向に集光される。なお、YのレーザビームLBYは下方から、MのレーザビームLBMは上方から、それぞれポリゴンミラー110に向って斜光入射することにより、反射面での反射後は、レーザビームLBMが下向きに、レーザビームLBYが上向きに進行する。
反射面で反射したレーザビームLBM及びLBYは、それぞれfθレンズ120Aを通過して図2に示したような各色の光路形成手段へと向って進行していく。本実施の形態では、図3に示されるように、fθレンズ120Aのビーム進行方向前方に混入防止部材160Aを設けている。
混入防止部材160A及び160Bにより混入が防止できる様子について、以下に説明する。
図4は、混入防止部材160A等による混入防止について説明するための図である。
図4(a)は、混入防止部材160Aを設けない場合を示す図である。
fθレンズ120Aを通過したレーザビームLBY及びLBMは、それぞれ発散しながら折り返しミラー130Mの方向へと進行する。ここでfθレンズ120Aと折り返しミラー130Mとの間の距離を短くするとレーザビームLBYとLBMとの間の距離も短い状態で折り返しミラー130Mへ到達し、発散したレーザビームLBYが、折り返しミラー130Mに一部反射してしまう。同図(b)に示されるように混入防止部材160Aを設置することで、レーザビームLBYが折り返しミラー130Mに反射することを防止することができる。
以下、混入防止部材160について詳細に説明する。図5(a)は、混入防止部材160Aの斜視図、同図(b)は、混入防止部材160Aをfθレンズ120A側から見た図である。混入防止部材160は、樹脂若しくは金属板等により形成された遮光部材であり、本実施の形態では、二本のレーザビームLBM、LBYがそれぞれ通過するスリット164M及び164Yが設けられている。
二本のスリットを備える混入防止部材160の役割は、二本のレーザビームLBM、LBYの光路を確実に分離し、異なる色に対応する光路形成手段を構成する反射系光学素子に反射しないようにすることであるから、図5に示されるスリット164YにはレーザビームLBYのみが通過し、スリット164MにはレーザビームLBMのみが通過する。この例では、スリット164Y及び164Mの副走査方向の長さは、レーザビームが走査される主走査方向(図3参照)の走査領域全域にわたって等しくなっている。これは、主走査方向の走査領域全域にわたってポリゴンミラー110の反射面からスリット164Y等までの距離が等しくなるように、混入防止部材160の形状が弓なりに湾曲したものとなっているからである。
このようにスリット164等の副走査方向の長さを調整することにより、スリット164等を通過する際のレーザビームの発散状態(レーザビームの副走査方向の高さ)が主走査方向の走査領域の全域にわたって略等しくなり、混入防止部材160を用いることに起因する感光体上でのビーム径や光量の変化を抑制することができる。なお、図5の例では、スリットの形状が、主走査方向中央部から主走査方向端部に向けて若干湾曲した形状となっているが、これは斜光入射の場合にポリゴンミラー110の反射面にて反射したレーザビームがfθレンズ120Aに入射するまでの距離が主走査方向中央部と主走査方向端部とで異なることにより、レーザビームがスリット164Y等を通過する際の副走査方向の位置が変化(湾曲)することに対応するためである。
以上に説明したようなレーザビームの通過位置、感光体上でのスポット径等の観点から、混入防止部材の形状やスリットの形状、スリットの副走査方向の長さなどは、混入防止部材の配置位置等を併せて最適化することが可能であり、また、最適化することが好ましいことは言うまでもない。例えば、図6(a)に示すように混入防止部材160を平板状の部材とするのであれば、同図(b)に示されるように、主走査方向中央部から主走査方向端部に向けてスリットの副走査方向の長さを徐々に長くするなど、混入防止部材160の設置位置や形状、その他の条件に応じてスリットの形状を調整することができる。
なお、上記実施の形態では、混入防止部材160を比較的fθレンズ120に近い位置に配する場合について説明したが、上記実施の形態よりも光路形成手段に近づけて配置することもできるし、各色ごとに混入防止部材を設け、一の部材に一本ずつスリットを形成することもできる。なお、混入防止部材160の材質、形状、配置は感光体の感度によっても変化し得る。例えば高感度の感光体を用いる場合、混入防止部材160自体に反射したレーザビームが他の色の光路に混入しないように、配置角度を調整することが好ましい。
(変形例)
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の内容が上記実施の形態において説明された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を実施することができる。
(1)上記実施の形態では、走査ユニット100として、水平方向中央にポリゴンミラー110を配し、その左右両側の反射面に二本ずつのレーザビームを斜光入射させる構成のものを用いた場合について説明したが、本発明に係る混入防止部材は例えば、ポリゴンミラーの一の反射面に四本のレーザビームを斜光入射させるような場合に適用することも可能である。
(2)上記実施の形態では、混入防止部材160として樹脂、金属等により成型された遮光部材を用いたが、混入防止部材160としてガラス板を用いることも可能である。例えば、ガラス板表面のコーティングにより光ビームを反射させる領域と光ビームを透過させる領域とを設け、一の光ビームのみが反射するとともに、他の光ビームが透過する位置に設けることで複数のレーザビームの光路を分離し、混入を防止することができる。透過率を上げるコーティングを施した場合でも反射率を0にすることは困難であり、感光体の感度が高い場合にはゴースト等の原因となり得るが、感光体の感度が低く、透過領域で反射したビームがゴースト等を発生させないような場合には有効である。
(3)上記実施の形態では詳細な説明を省略したが、混入防止部材160の位置(特に上下方向の位置)を調整する調整機構を設けることが好ましい。最終的に発光部180等の位置を微調整する際に、混入防止部材160の位置も微調整できることが好ましいからである。
本発明は、例えば、ポリゴンミラー等の偏向手段を備え、偏向手段の反射面に複数の光ビームを斜光入射させる画像形成装置、及び当該画像形成装置に備えられる走査ユニット等に適用することができる。
本発明の適用対象であるカラー画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタの構成の一例を示す概略側断面図である。 走査ユニット100の構成について説明するための模式図であり、走査ユニット100を側方から見たものである。 混入防止部材160について説明するための図であり、走査ユニット100の右側半分の一部をポリゴンミラー110の斜め上方向から見た模式図である。 混入防止部材による混入防止について説明するための図である。 (a)混入防止部材160Aの斜視図である。 (b)混入防止部材160Aをfθレンズ120A側から見た図である。 (a)混入防止部材160Aを平板状とした場合の斜視図である。 (b)平板状とした混入防止部材160Aをfθレンズ120A側から見た図である。
符号の説明
3Y〜3K 感光体ドラム
100 走査ユニット
110 ポリゴンミラー
112 ポリゴンモータ
120A、120B fθレンズ
130Y〜131Y 折り返しミラー
130M〜132M 折り返しミラー
130C〜132C 折り返しミラー
130K〜131K 折り返しミラー
140Y〜140K シリンドリカルレンズ
160A、160B 混入防止部材
164Y、164M スリット
180Y、180M 発光部
182A スリット板
184A シリンドリカルレンズ
190A、190B 走査光学系

Claims (16)

  1. 偏向手段に設けられる反射面に、副走査方向に異なる位置から複数の光ビームを斜光入射させ、反射面で反射した複数の光ビームを、一又は複数の反射系光学素子によりそれぞれの光ビームに対応して規定された各光路を形成する複数の光路形成手段へとそれぞれ導入し、前記各光路を経由した光ビームのそれぞれによって複数の像担持体又は単一の像担持体の異なる位置を露光走査することにより像担持体に潜像を形成する画像形成装置において、
    前記偏向手段の反射面で反射した光ビームが、他の光ビームの光路へ混入することを防止する一又は複数の混入防止部材を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記混入防止部材は、
    前記偏向手段と、各光路形成手段の最初に設けられる反射系光学素子との間に設けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記各光路形成手段の最初に設けられる反射系光学素子は、
    対応する光ビームのみを反射させるミラーである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記混入防止部材は、
    一の光ビームが通過する開口を備える遮光部材から成り、当該開口は、当該開口を通過した光ビームが他の光ビームに対応する光路へ混入しない位置に設けられる
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記開口の副走査方向の長さが、主走査方向の1走査ライン分にわたって略同一であり、
    前記遮光部材は、
    前記像担持体に到達する光ビームの副走査方向のスポット径が主走査方向の1走査ライン分にわたって略同一となる位置に沿った形状である
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記遮光部材は、主走査方向に伸長した長孔からなる開口が設けられた平板状の部材であり、
    主走査方向中央部と両端部とで、前記開口の副走査方向の長さが異なる
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 前記開口の副走査方向の長さが、前記像担持体に到達する光ビームの副走査方向のスポット径が主走査方向の1走査ライン分にわたって略同一となる長さとなっている
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記混入防止部材は、各々の光ビームに対応してそれぞれ一つずつ設けられている
    ことを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 少なくとも二つの光ビームに対応する開口が同一の遮光部材に設けられている
    ことを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記各々の光路の最初に設けられる光学素子であるミラーと、対応する光ビームが通過する遮光部材とは、反射した光ビームの方向が異なる向きに設置されている
    ことを特徴とする請求項4から9のいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 前記画像形成装置はさらに、
    前記遮光部材の位置を調整する位置調整機構を備える
    ことを特徴とする請求項4から10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 前記混入防止部材は、
    光ビームを反射させる領域と光ビームを透過させる領域とを有するミラーであり、一の光ビームのみが反射するとともに、他の光ビームが透過する位置に設けられている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  13. 前記反射面と前記混入防止部材との間に、複数の光ビームが通過するfθレンズが配されている
    ことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の画像形成装置。
  14. 各色に対応する複数の像担持体を備え、各々の像担持体において形成した画像を重ね合わせることによりカラー画像を形成する画像形成装置において、
    前記複数の像担持体それぞれを露光走査する光ビームを射出する、複数の発光手段と、
    回転駆動により複数の光ビームを偏向し、各々の像担持体を露光走査するポリゴンミラーと、
    一又は複数の反射系光学素子により、各光ビームのそれぞれに対応する光路を形成する複数の光路形成手段とを備え、
    二本の光ビームが前記ポリゴンミラーの同一の反射面に副走査方向に異なる方向から斜光入射され、前記反射面に反射して偏向した後、各光路形成手段により形成される光路を経由して、各々の像担持体へと導かれるとともに、
    前記ポリゴンミラーと各光路形成手段との間には、前記反射面で反射した光ビームが、他の光ビームの光路へと混入することを防止する混入防止部材が設けられている
    ことを特徴とする画像形成装置。
  15. 前記発光手段及び前記像担持体は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応してそれぞれ四つ設けられ、
    四つの発光手段は、前記ポリゴンミラーを挟んで二つずつ配置されており、当該発光手段から射出された二本ずつの光ビームが、前記ポリゴンミラーの二つの異なる反射面でそれぞれ偏向され、水平方向逆方向に二本ずつの光ビームがそれぞれ進行する
    ことを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 反射面を有する偏向手段と、
    前記反射面に、副走査方向に異なる位置から複数の光ビームを斜光入射させる複数の発光手段と、
    反射面で反射した複数の光ビームのそれぞれに対応して規定された光路を一又は複数の反射系光学素子にて形成する複数の光路形成手段と、
    前記偏向手段の反射面で反射した光ビームが、他の光ビームの光路形成手段へと混入することを防止する一又は複数の混入防止部材を備える
    ことを特徴とする走査ユニット。
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