JP2006037879A - 内燃機関及び内燃機関の運転制御装置 - Google Patents

内燃機関及び内燃機関の運転制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】改質ガスを内燃機関に最大限供給して、燃料消費を抑制すること。
【解決手段】この内燃機関1は、排ガスと燃料との混合気を改質して水素を含む改質ガスを生成する改質器20と、排ガス又は改質ガスを内燃機関1の吸気側へ還流させるガス還流通路10と、吸気側へ還流させる前記排ガス又は前記改質ガスの流量を調整する還流流量調整弁5とを備える。そして、排ガスのみを還流させるときには、運転条件に応じて定められる第1のガス還流率となるように還流流量調整弁5が制御され、改質ガスを還流させるときには、運転条件に応じて定められ、かつ同じ運転条件では前記第1のガス還流率よりも大きい第2のガス還流率となるように還流流量調整弁5が制御される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、排ガスと燃料との混合気を改質して得られた改質ガスを還流させる内燃機関及び内燃機関の運転制御装置に関するものである。
内燃機関の排ガス中に燃料を添加し、両者の混合気を改質触媒で改質した改質側ガスを内燃機関の吸気管に供給するものが知られている。このような内燃機関において、特許文献1には、改質触媒の温度に基づいて改質触媒に与える燃料添加量を制御する技術が開示されている。
特公昭61−35375号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、改質触媒の温度を一定に保つことを目的として、改質触媒の温度に基づいて改質触媒に与える燃料添加量を制御する。このため、内燃機関へ還流できる改質ガスの流量は、内燃機関の運転条件とは無関係に決定されるため、改質ガスを有効に利用できない。このように、特許文献1に開示された技術では、燃料消費の抑制に対して不十分である。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、排ガスと燃料との混合気を改質して生成された改質ガスを内燃機関に可能な限り供給して、燃料消費を抑制できる内燃機関及び内燃機関の運転制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る内燃機関は、吸気通路から供給される空気と燃料との混合気が燃焼することにより駆動する内燃機関であって、改質触媒により排ガスと燃料との混合気を改質して、水素を含む改質ガスを生成する改質手段と、前記排ガス又は前記改質ガスを前記吸気通路へ還流させるガス還流通路と、前記ガス還流通路に設けられて、前記吸気通路へ還流させる前記排ガス又は前記改質ガスの流量を調整する還流流量調整手段と、を備え、前記排ガスのみを還流させるときには、運転条件に応じて定められる第1のガス還流率となるように前記還流流量調整手段が制御され、前記改質ガスを還流させるときには、運転条件に応じて定められ、かつ同じ運転条件では前記第1のガス還流率よりも大きい第2のガス還流率となるように前記還流流量調整手段が制御されることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記第2のガス還流率は、前記内燃機関の燃料消費率が最小になるときにおける前記改質ガスのガス還流率であることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記第2のガス還流率は、前記内燃機関の燃焼変動の許容限度における前記改質ガスのガス還流率であることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記改質をするときの前記内燃機関の運転条件において、前記改質ガスに含まれる水素の濃度が最大となるように、前記改質手段に対して改質用燃料を供給することを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記内燃機関の暖機が完了するまでは、前記ガス還流通路を閉じるとともに、前記改質を中止することを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記改質触媒の温度が前記改質触媒の活性温度よりも低い場合には、前記改質を中止するとともに、前記第1のガス還流率となるように前記排ガスのみを吸気側へ還流させることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関の運転制御装置は、改質触媒により排ガスと燃料との混合気を改質して、水素を含む改質ガスを生成する改質手段と、前記排ガス又は前記改質ガスを吸気通路へ還流させるガス還流通路と、前記ガス還流通路に設けられて、吸気通路へ還流させる前記排ガス又は前記改質ガスの流量を調整する還流流量調整手段と、を備える内燃機関を制御するものであり、前記排ガスのみを還流させるときには、前記内燃機関の運転条件に応じて定められる第1のガス還流率に設定し、前記改質ガスを還流させるときには、運転条件に応じて定められ、かつ同じ運転条件では前記第1のガス還流率よりも大きい第2のガス還流率に設定する制御パラメータ設定部と、前記制御パラメータ設定部が設定した第1又は第2のガス還流率になるように前記還流流量調整手段を制御する改質制御部と、を備えて構成されることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関の運転制御装置は、前記内燃機関の運転制御装置において、前記第2のガス還流率は、前記内燃機関の燃料消費率が最小になるときにおける前記改質ガスのガス還流率であることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関の運転制御装置は、前記内燃機関の運転制御装置において、前記第2のガス還流率は、前記内燃機関の燃焼変動の許容限度における前記改質ガスのガス還流率であることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関の運転制御装置は、前記内燃機関の運転制御装置において、前記制御パラメータ設定部は、前記改質をするときの前記内燃機関の運転条件において、前記改質ガスに含まれる水素の濃度が最大となるように、前記改質器に対する改質用燃料の供給量を設定することを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関の運転制御装置は、前記内燃機関の運転制御装置において、さらに、前記内燃機関の運転状態を判定する運転状態判定部を備え、前記内燃機関の暖機が完了していないと前記運転状態判定部が判定した場合には、前記改質制御部が前記ガス還流通路を閉じて、前記改質を中止させることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関の運転制御装置は、前記内燃機関の運転制御装置において、前記改質触媒の温度が前記改質触媒の活性温度よりも低いと前記運転状態判定部が判定した場合には、前記改質制御部は、前記改質を中止するとともに、前記第1のガス還流率となるように前記排ガスのみを吸気側へ還流させることを特徴とする。
この発明に係る内燃機関の運転制御装置では、改質ガスを内燃機関に可能な限り供給して、燃料消費を抑制できる。
以下、この発明につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、本発明は、特に乗用車やバス、あるいはトラック等の車両に搭載される内燃機関に対して好ましく適用できる。
この実施例に係る内燃機関は、排ガスと燃料との混合気を改質して得られた改質ガスを前記内燃機関へ還流させる際には、改質ガスを還流させない、すなわち排ガスのみを還流させる運転条件において定められる排ガスの還流量よりも、改質ガスの還流量を増加させる点に特徴がある。
図1は、この実施例に係る内燃機関の全体構成図である。図1を用いて、この実施例に係る内燃機関の構成について説明する。この実施例に係る内燃機関1は、改質手段である改質器20に排ガスExの一部を導き、この排ガスExに炭化水素(HC)を含む燃料を供給することによって水素(H2)を生成する。そして、この改質反応によって得られた水素を含むガス(以下改質ガスという)Exrを内燃機関1に還流させる。
内燃機関1は、4個の気筒が直列に配置されているが、気筒数及び気筒配置はこれに限られるものではない。また、内燃機関1は、いわゆるロータリー式の内燃機関であってもよい。内燃機関1に供給される燃料Fは、燃料タンク70内のフィードポンプ71によってポート噴射弁6に供給される。そして、ポート噴射弁6から吸気通路3内に噴射され、吸気通路3を通る空気Aと混合気を形成する。この混合気は、吸気通路を構成するインテークマニホールド71〜74を通って各気筒1s1〜1s4へ導入される。
この実施例においては、単独のポート噴射弁6により内燃機関1の各気筒へ燃料Fを供給するが、ポート噴射弁を気筒数分用意して、各気筒1s1〜1s4のインテークマニホールド71〜74へ燃料Fを噴射してもよい。また、ポート噴射弁の代わりに、気筒内へ直接燃料を噴射する、いわゆる直噴噴射弁を用いて、内燃機関1へ燃料Fを供給してもよい。さらに、ポート噴射弁と直噴噴射弁とを備え、内燃機関1の運転条件に応じて両者の燃料噴射割合を変更して、内燃機関1へ燃料を供給してもよい。
内燃機関1に供給される空気Aは、吸気通路3の入口に取り付けられるエアクリーナ13でごみ等が除去されてから、内燃機関1へ送られる。内燃機関1へ供給される空気Aは、吸気通路3に設けられるスロットル弁4によって流量が調整される。スロットル弁4の開度は、アクセル17と連動する。この実施例において、アクセル17の開度はアクセル開度センサ47で検出されて、エンジンECU50に取り込まれる。アクセル開度センサ47からのアクセル開度情報を元に、エンジンECU50はスロットル弁4の開度を調整する。
アクセル開度が大きくなると、スロットル弁4の開度は大きくなり、アクセル開度が小さくなると、スロットル弁4の開度は小さくなる。内燃機関1へ供給される空気は、吸気通路3であってスロットル弁4の上流に設けられるエアフローセンサ42で流量が計測されて、その計測値はエンジンECU(Electronic Control Unit)50に取り込まれる。エンジンECU50は、エアフローセンサ42により計測された吸入空気量Gaと、回転数センサ43で計測される内燃機関1の機関回転数NEとから、内燃機関1に対する燃料噴射量Qfを決定する。
内燃機関1の各気筒1s1〜1s4で燃焼した混合気は、排ガスExとなってエキゾーストマニホールド8へ排出される。この排ガスExは、排気通路9を通って改質器20の排気通路22へ導入され、排ガスExを改質するための熱を与える。改質器20から排出された排ガスExは、浄化触媒16で浄化された後、大気中へ放出される。なお、浄化触媒16は、改質器20と内燃機関1との間に配置してもよい。排気通路9には、A/F(Air/Fuel:空燃比)センサ45が取り付けられており、排ガスExの空燃比を計測する。そして、排ガスExの空燃比から内燃機関1の燃焼状態を判定し、所定の空燃比から外れた場合には、エンジンECU50で決定される燃料噴射量を補正する。
排気通路9からは改質用導管11が分岐しており、改質用導管11は、改質器20の改質室21と接続されている。改質用導管11には改質用燃料噴射弁24が取り付けられており、この改質用燃料噴射弁24が、改質用導管11へ導かれた排ガスExへ改質用燃料Frを噴射する。改質用燃料噴射弁24には、燃料タンク70内のフィードポンプ71から燃料が供給される。
改質器20は、改質室21と排気通路22とで構成される。改質室21の内壁面には改質用触媒が担持されており、排気通路22を流れる排ガスExの熱により改質用触媒が加熱されて、活性温度Ta以上に保持される。改質器20は、複数の改質室21を備え、各改質室21はそれぞれ連通しており、排ガスExと改質用燃料Frとの混合気(改質用混合気)Gmrは、改質室21を通過する間に改質される。ここで、改質用触媒には、例えばロジウム系の触媒が用いられる。
改質器20には、改質触媒の温度を測定するため、改質触媒床温度センサ44が取り付けられる。改質触媒そのものの温度を測定することは困難であるため、改質触媒を担持する触媒床の温度を測定して、改質触媒温度とする。改質触媒温度が低い場合、改質ガスExr中の水素濃度は低く、改質触媒温度が高くなるほど改質ガスExr中の水素濃度は高くなる。このため、改質触媒温度が活性温度Ta以上になってから、排ガスExの改質を開始するように、改質触媒床温度センサ44により改質触媒の温度を監視する。なお、ロジウム系の改質触媒を用いる場合、活性温度Taは600℃程度である。
改質室21の出口21oには、改質室21と、吸気通路3とを接続する、ガス還流通路10が取り付けられている。ガス還流通路10は、排ガスEx又は改質ガスExrを、内燃機関1の吸気側、すなわち吸気通路3へ還流させる機能を持つ。ガス還流通路10には、冷却器12が設けられており、改質室21で改質された排ガス(改質ガスExr)を冷却する。また、冷却器12とガス還流通路10の出口10oとの間には、還流流量調整手段である還流流量調整弁5が設けられており、エンジンECU50からの指令により、吸気通路3へ還流させる改質ガスExrの流量を調整する。
排気通路9から改質用導管11へ導かれた排ガスExは、改質用燃料噴射弁24から改質用燃料Frが噴射される。改質用燃料Frは、内燃機関1の各気筒1s1〜1s4へ供給される燃料Fの一部であり、内燃機関1の運転条件に応じて改質用燃料Frの噴射量Qfrが決定される。改質用燃料Frと排ガスExとの改質用混合気Gmrは、改質用導管11から改質室21へ導入され、改質室21の内壁面に担持された改質触媒により、式(1)に示す改質反応により改質されて改質ガスExrとなる。
1.56(7.6CO2+6.8H2O+40.8N2)+3C7.613.6+4122kJ→31H2+34.7CO+63.6N2・・・(1)
ここで、左辺第1項が排ガスEx、左辺第2項が燃料(炭化水素CHであり、この実施例ではガソリン)、右辺が改質ガスExrを示す。右辺の改質ガスExrに含まれる水素は、全改質ガスの体積に対して24vol%である。また、この改質反応は吸熱反応であり、これにより排ガスExの熱エネルギを回収することになる。このように、吸熱反応により排ガスExが改質されるため、内燃機関1に供給する燃料の量が同一であっても、排ガスExの熱を吸収した分だけ内燃機関1での燃焼における発熱量が増加する。
また、水素(H2)の発熱量は241.7kJ/molであり、ガソリン(CH1.869)の発熱量は596.5kJ/molである。しかし、式(1)の改質反応により、3モルのガソリン(燃料)から31モルの水素が発生する。したがって、前記発熱量と、式(1)の改質によるモル数変化とを乗ずると、ガソリン単独を燃焼させる場合と比較して、改質ガスExrの発熱量は大幅に増加する。これにより、内燃機関1の出力トルクが増加し、また燃料消費は低減される。
改質室21で生成された改質ガスExrは、ガス還流通路10を通って、吸気通路3へ導入される。改質ガスExrは、700℃前後の高温になるため、ガス還流通路10の途中に設けられた冷却器12で冷却されてから吸気通路3へ導入される。吸気通路3へ導入される改質ガスExrの流量(還流流量)は、還流流量調整弁5で制御される。吸気通路3へ導入される改質ガスExrの流量は、内燃機関1の運転条件に基づき、当該運転条件における最大限の改質ガスを内燃機関1に導入できるように決定されるが、その詳細については後述する。この場合、改質ガスExrに含まれる水素、一酸化炭素(CO)の量を考慮し、ポート噴射弁6の燃料噴射量を低減して空燃比A/Fを最適化する。
改質ガスExrに含まれる水素(H2)は、ガソリンと比較して最大点火エネルギが1/10程度であり、最大燃焼速度が10倍弱である。このため、水素はガソリンと比較して急速燃焼する。上記改質反応によって得られた水素を含む改質ガスExrを内燃機関1に供給すると、改質ガスExr中の水素により、燃焼改善効果が得られる。内燃機関1の運転においては、排ガスExを吸気側に還流させる、いわゆるEGR(Exhaust Gas Recirculation)を実行することがある。
内燃機関1が軽負荷で運転されているときにEGRを実行すると、ポンプロスが低減されて燃料消費を低減できるが、排ガスExの環流量(EGR量)が多すぎると燃焼速度が遅くなって燃焼が悪化する。その結果、内燃機関1の出力トルクが低下し、ドライバビリティが悪化する。この実施例に係る内燃機関1は、水素を含む改質ガスExrを内燃機関1に還流させるので、改質ガスExrの還流量を増加させた場合でも、水素が急速燃焼することで、燃焼悪化が抑制される。その結果、燃焼悪化に起因する出力トルクの低下を抑制して、ドライバビリティの悪化を抑えることができる。
また、内燃機関1が高負荷(例えばWOT領域での運転や負荷率で80%程度を超える領域での運転)においてEGRを実行すると、燃焼室の温度を低下させることができるので、ストイキ(λ=1)で運転できる領域が拡大する。しかし、EGRにより燃焼が悪化して、出力トルクが低下し、ドライバビリティを悪化させることがある。この実施例に係る内燃機関1は、排ガスExだけではなく、水素を含む改質ガスExrを内燃機関1に還流させるので、改質ガスExr中の水素が急速燃焼することで燃焼悪化が抑制される。また、水素の急速燃焼によりノッキングを改善できるので、点火時期を進角させて、内燃機関1の出力トルクを向上させることができる。その結果、燃焼悪化に起因する出力トルクの低下を抑制して、ドライバビリティの悪化を抑えることができる。
次に、この実施例に係る内燃機関の運転制御装置について説明する。図2は、この実施例に係る内燃機関の運転制御装置を示す説明図である。この実施例に係る内燃機関の運転制御は、この実施例に係る内燃機関の運転制御装置30によって実現できる。図2に示すように、内燃機関の運転制御装置30は、エンジンECU50に組み込まれて構成されている。エンジンECU50は、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)50pと、記憶部50mと、入力及び出力ポート55、56と、入力及び出力インターフェイス57、58とから構成される。
なお、エンジンECU50とは別個に、この実施例に係る内燃機関の運転制御装置30を用意し、これをエンジンECU50に接続してもよい。そして、この実施例に係る内燃機関の運転制御方法を実現するにあたっては、エンジンECU50が備える内燃機関1の制御機能を、前記内燃機関の運転制御装置30が利用できるように構成してもよい。
内燃機関の運転制御装置30は、運転状態判定部31と、制御パラメータ設定部32と、改質制御部33とを含んで構成される。これらが、この実施例に係る内燃機関の運転制御方法を実行する部分となる。この実施例において、内燃機関の運転制御装置30は、エンジンECU50を構成するCPU(Central Processing Unit:中央演算装置)50pの一部として構成される。この他に、CPU50pには、内燃機関1の運転を制御する制御部53が含まれている。
CPU50pと、記憶部50mとは、バス541〜543を介して、入力ポート55及び出力ポート56を介して接続される。これにより、内燃機関の運転制御装置30を構成する運転状態判定部31と制御パラメータ設定部32と改質制御部33とは、相互に制御データをやり取りしたり、一方に命令を出したりできるように構成される。また、内燃機関の運転制御装置30は、エンジンECU50が有する内燃機関1の負荷KLや機関回転数NEその他の内燃機関の運転制御データを取得したり、内燃機関の運転制御装置30の制御をエンジンECU50の内燃機関の運転制御ルーチンに割り込ませたりすることができる。
入力ポート55には、入力インターフェイス57が接続されている。入力インターフェイス57には、エアフローセンサ42、回転数センサ43、改質触媒床温度センサ44、A/Fセンサ45、冷却水温センサ46、アクセル開度センサ47その他の、燃料供給制御や内燃機関1の運転制御に必要な情報を取得するセンサ類が接続されている。これらのセンサ類から出力される信号は、入力インターフェイス57内のA/Dコンバータ57aやディジタルバッファ57dにより、CPU50pが利用できる信号に変換されて入力ポート55へ送られる。これにより、CPU50pは、燃料供給制御や内燃機関1の運転制御に必要な情報を取得することができる。
出力ポート56には、出力インターフェイス58が接続されている。出力インターフェイス58には、還流流量調整弁5、ポート噴射弁6、改質用燃料噴射弁24その他の、内燃機関1の運転制御に必要な制御対象が接続されている。出力インターフェイス58は、制御回路581、582等を備えており、CPU50pで演算された制御信号に基づき、前記制御対象を動作させる。このような構成により、前記センサ類からの出力信号に基づき、エンジンECU50のCPU50pは、内燃機関1の運転を制御することができる。
記憶部50mには、この実施例に係る燃料供給制御の処理手順を含むコンピュータプログラムや制御マップ、あるいは内燃機関1の運転制御に用いる燃料噴射量のデータマップ等が格納されている。ここで、記憶部50mは、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
上記コンピュータプログラムは、CPU50pへすでに記録されているコンピュータプログラムと組み合わせによって、この実施例に係る燃料供給制御の処理手順を実現できるものであってもよい。また、この内燃機関の運転制御装置30は、前記コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、運転状態判定部31、制御パラメータ設定部32及び改質制御部33の機能を実現するものであってもよい。次に、この実施例に係る燃料供給制御及び内燃機関の運転制御装置等の動作について説明する。この説明においては、適宜図1、図2を参照されたい。
図3は、この実施例に係る内燃機関の運転制御を説明するフローチャートである。図4は、ガス還流率と燃料消費率との関係を示す説明図である。図5−1は、この実施例に係る第1GRマップの一例を示す説明図である。図5−2は、この実施例に係る第2GRマップの一例を示す説明図である。この実施例に係る内燃機関の運転制御を実行するにあたり、内燃機関の運転制御装置30の運転状態判定部31は、冷却水温センサ46から内燃機関1の冷却水温を取得し、内燃機関1の暖機が完了したか否かを判定する(ステップS101)。内燃機関1の暖機が完了していない場合(ステップS101;No)、運転状態判定部31はEGRを実行しない条件にあると判断して(ステップS102)、STARTに戻って内燃機関1の運転状態を監視する。EGRを実行すると、燃焼温度が低下するため、内燃機関1の暖機完了までに余分な時間を要するからである。
このとき、改質制御部33は、還流流量調整弁5を閉じて改質器20側からのガスの還流を中止るとともに、改質用燃料噴射弁24からの燃料供給を停止して、内燃機関1の暖機が完了するまで改質を中止する。これにより、暖機中は、水素が不十分な改質ガスExrの還流を中止して燃焼を安定させるとともに、改質されない燃料が改質室21内やガス還流通路10内に付着することを抑制できる。その結果、これらに起因する燃料消費の増加を抑制できる。
内燃機関1の暖機が完了した場合(ステップS101;Yes)、運転状態判定部31は、改質触媒床温度センサ44から改質触媒の温度を取得し、改質触媒の温度(以下改質触媒温度)Tcが、改質触媒の活性温度Ta以上であるか否かを判定する(ステップS103)。改質触媒温度Tcが活性温度Taよりも低い場合(ステップS103;No)、運転状態判定部31は、改質しない排ガスEx、すなわち排ガスExのみを内燃機関1に還流させる条件であると判定する(ステップS104)。すなわち、第1のガス還流率が記述された第1GR(Gas Recirculation:ガス還流)マップ61により排ガスExの還流量を制御する条件である。内燃機関1の暖機が完了していても、改質触媒温度Tcが活性温度Taよりも低い場合は、改質触媒は改質用燃料Frを十分に改質できず、十分な量の水素を含んだ改質ガスExrを内燃機関1へ還流できないからである。
ここで、「第1のガス還流率」とは、改質しない排ガスEx、すなわち排ガスExのみを内燃機関1に還流させる場合のガス還流率(いわゆるEGR率)をいう。制御パラメータ設定部32は、第1GRマップ61に内燃機関1の機関回転数NEと吸入空気量Gaとを与え、当該運転条件における第1のガス還流率を決定する。改質制御部33は、決定された第1のガス還流率に基づいて、還流流量調整弁5の開度を調整し、排ガスExのみを還流させる。このとき、改質制御部33は、改質用燃料噴射弁24からの燃料供給を停止して、改質触媒の温度が活性温度以上になるまで改質を中止する。これにより、排ガスEx単独では改質されないので、還流流量調整弁5を介して排ガスExのみを吸気通路3へ還流させることができる。
これにより、改質触媒の温度が活性温度以上になるまでの期間中は、排ガスExの還流によるポンピングロスの低減により燃料消費を低減できる。同時に、改質されない燃料が改質室21内やガス還流通路10内に付着することを抑制して、当該付着による燃料消費の悪化を抑制できる。なお、「ガス還流率」というときは、内燃機関に還流させるガスの種類を問わないが、改質しない排ガスEx、すなわち排ガスExのみを内燃機関1に還流させる場合は、「ガス還流率」は「EGR率」と同義である。
図4の点線は、排ガスExのみを還流させた場合の燃料消費率ρとガス還流率(GR率)との関係を示している。第1のガス還流率は、排ガスExのみを内燃機関1に還流させる場合において、内燃機関1のある機関回転数NEとある負荷(吸入空気量Ga)との組み合わせに対して、燃料消費率ρが最も少なくなるとき(ρmin1)のガス還流率である。このガス還流率は、図4中のGR1となる。第1GRマップ61(図5−1)は、複数の機関回転数NEと吸入空気量Gaとの組み合わせにおいて求めた第1のガス還流率GR1mnが記述されている。なお、第1GRマップ61には、第1のガス還流率GR1mnの代わりに、当該ガス還流率に相当する排ガスExの還流流量を記述してもよいし、当該ガス還流率になる還流流量調整弁5の開度を記述してもよい。ここでガス還流率とは、ガス還流量/(ガス還流量+吸入空気量)である。
改質触媒の温度が活性温度Ta以上であると運転状態判定部31が判定した場合(ステップS103;Yes)、運転状態判定部31は、改質ガスExrを内燃機関1に還流させる条件であると判定する(ステップS105)。すなわち、第2の排ガス還流率が記述された第2GRマップ62により、内燃機関1に還流させる改質ガスの還流流量を制御する条件である。改質触媒の温度が活性温度Ta以上であれば改質触媒が燃料を十分に改質して、十分な量の水素を含んだ改質ガスExrを内燃機関1へ還流できるからである。ここで、「第2のガス還流率」とは、水素を含む改質ガスExrを内燃機関1に還流させる場合のガス還流率をいう。
図4の実線は、改質ガスExrを還流させた場合の燃料消費率とガス還流率との関係を示している。第2のガス還流率は、改質ガスExrを内燃機関1に還流させる場合において、内燃機関1のある機関回転数NEとある負荷(吸入空気量Ga)との組み合わせに対して、燃料消費率ρが最も少なくなるとき(ρmin2)のガス還流率である。このガス還流率は、図4中のGR2となる。第2GRマップ62(図5−2)は、複数の機関回転数NEと吸入空気量Gaとの組み合わせにおいて求めた第2のガス還流率GR2mnが記述されている。なお、第2GRマップ62には、第2のガス還流率GR2mnの代わりに、当該ガス還流率に相当する改質ガスExrの還流流量を記述してもよいし、当該ガス還流率になる還流流量調整弁5の開度を記述してもよい。制御パラメータ設定部32は、第2GRマップに内燃機関1の機関回転数NEと吸入空気量Gaとを与え、当該運転条件における第2のガス還流率を決定する(ステップS106)。
内燃機関1の機関回転数NEと吸入空気量Gaとが決定されれば、そのときの改質触媒温度Tcも決まる。改質触媒温度Tcが決まれば、その改質触媒温度Tcにおいて得られる改質ガスExr中に含まれる水素濃度(改質ガス水素濃度)DH(vol%)も決まる。すなわち、内燃機関1の機関回転数NEと吸入空気量Gaとが決定されると、改質ガス水素濃度DHが決定される。
第2のガス還流率を決定するにあたっては、例えば、内燃機関1の機関回転数NEと吸入空気量Gaとから決定される改質触媒温度Tc及び改質ガス水素濃度DHとを考慮した実験をして、例えば燃料消費率ρが最も小さくなるガス還流率を第2のガス還流率として決定する。そして、それぞれの機関回転数NEと吸入空気量Gaとの組み合わせに対して第2のガス還流率を求め、第2GRマップ62を作成する。このように、第2のガス還流率は、改質触媒温度Tc及び改質ガス水素濃度DHの情報も含んで決定される。そして、改質器20に供給する改質用燃料供給量を決定するため、第2GRマップ62には、第2のガス還流率の他に、改質ガス水素濃度DHも記述されている。
なお、この実施例では、内燃機関1の燃料消費を低減する目的から燃料消費率ρが最も小さくなるガス還流率を第2のガス還流率として第2GRマップを作成したが、例えば、内燃機関1が搭載される車両のドライバビリティに着目して、内燃機関1のトルク変動の許容限度におけるガス還流率を第2のガス還流率として第2GRマップを作成してもよい。このように、目的に応じて、第2のガス還流率を決定することができる。
このようにして決定された第2のガス還流率は、排ガスExのみを還流させるときの第1のガス還流率よりも大きくなる。すなわち、第2のガス還流率を用いて決定される改質ガスExrの還流量は、第1のガス還流率を用いて決定される排ガスExの還流量よりも大きくなる。これにより、改質ガスExrを還流させるときは、排ガスExのみを還流させるときよりも多くの改質ガスを内燃機関1に還流させることができる。
ある機関回転数NE、吸入空気量Gaが分かれば、内燃機関1が排出する総排ガス量が分かる。また、前記機関回転数NE、吸入空気量Gaのときにおける第2のガス還流率及びそのときの改質ガス水素濃度DHも分かるので、総排ガス量と改質器20に導入される排ガスExの量とが分かる。すなわち、第2のガス還流率に内燃機関1が排出する総排ガス量を乗じた値が、改質器20に導入される排ガスExの量である。そして、改質器20に導入される排ガスExの量と、改質ガス水素濃度DHとから、改質器20に供給する改質用燃料Frの量を決定できる。上記手順によれば、ある機関回転数NE、吸入空気量Gaにおいて得られる改質ガスExrに含まれる水素濃度が最大となるように、改質用燃料が改質器20に供給されることになる。
第2のガス還流率を決定したら、制御パラメータ設定部32は、決定した第2のガス還流率及びそのときの改質ガス水素濃度DHに基づいて、改質用燃料Frの供給量を決定する(ステップS107)。第2のEGR量を決定する際、内燃機関1の運転条件は機関回転数NE及び吸入空気量Gaであり、かつλ=1(ストイキ)なので、このときに内燃機関1から排出される総排ガス量Qex_allが分かる。また、第2のガス還流率は第2GRマップ62により決定されているので、この総排ガス量Qex_allに第2のEGR量を乗ずれば、改質器20へ導かれる排ガスExの量、すなわち、改質器20で改質される排ガス量Qexrを求めることができる。
この実施例においては、ある機関回転数NEと吸入空気量Gaとにおいて、改質ガス水素濃度DHが最大となるように、改質用燃料Frと排ガスExとの混合気Gmrを改質する。このため、改質用燃料Frの供給量τrは、改質される排ガス量Qexrが決定されれば、一義的に決定される。すなわち、改質ガスExrの改質ガス水素濃度DHが最大になるように、例えば、式(1)を用いて改質用燃料Frの供給量τrを決定すればよい。また、改質用燃料Frの供給量τrは、予め実験により求めて、機関回転数NEと吸入空気量Gaとに対してマップ化しておいてもよい。
第2のEGR量を決定したとき、内燃機関1は機関回転数NE及び吸入空気量Gaであり、λ=1(ストイキ)なので、このときに内燃機関1へ供給する全燃料噴射量τallが分かる。上記手順により、改質用燃料Frの供給量τrが決定されるので、内燃機関1へ供給する燃料Feの供給量τeはτall−τrで求めることができる。このような手順により、内燃機関1へ供給する燃料Feの供給量τeと、改質用燃料Frの供給量τrと、改質される排ガス量Qexrを決定する第2のガス還流率とが決定される。改質制御部33は、決定された第2のガス還流率に基づいて、還流流量調整弁5の開度を制御する(ステップS108)。同時に、改質制御部33は、内燃機関1へ供給する燃料Feの供給量τe及び改質用燃料Frの供給量τrで燃料が噴射されるように、ポート噴射弁6及び改質用燃料噴射弁24を制御する(ステップS108)。
改質器20で生成される改質ガスExrは、水素を含む。上述したように、水素は、燃焼速度が速く、可燃限界が広い。また、ガソリンに比べ等モルで1/3弱の発熱量を持つ。このため、水素を含んだ改質ガスExrを内燃機関1に還流させると、排ガスExのみを内燃機関1に還流させる場合よりガス還流率を高くしても安定した燃焼が得られる。したがって、図4に示すように、水素を含んだ改質ガスExrを内燃機関1に還流させる場合、水素を含まない通常の排ガスExを内燃機関1に還流させる場合よりも多くの改質ガスExrを還流させることができる。すなわち、図4に示すように、第2のガス還流率GR2は、第1のガス還流率GR1よりもΔGRだけ大きく設定することができる。
これにより、最大限の改質ガスExrを内燃機関1に還流させることができるので、ポンピングロスを低減させて、燃料消費を効果的に抑制できる。そして、改質ガスExrの還流による燃焼悪化は、改質ガスExr中に含まれる水素により抑制できる。特に、この実施例では、改質ガスExrに含まれる水素濃度が最大となるように制御できるので、改質ガスExrの還流量増加に起因する燃焼悪化も効率的に抑制できる。
また、改質ガスExrに含まれる水素濃度が最大となるように制御できるので、ノッキングの改善効果や、改質して得られた水素による発熱量の増加によるトルク増加効果も得られる。さらに、内燃機関1の運転条件を考慮して第2のガス還流率を決定することにより、改質ガスExrを最大限供給できるので、燃焼温度低減によるNOx低減効果も得られる。
この実施例においては、改質ガスExrを内燃機関1に還流させる場合、第2のガス還流率GR2が記述された第2GRマップ62を用いるが、排ガスExのみを内燃機関1に還流させる場合に用いる第1のガス還流率GR1を補正して、第2のガス還流率GR2を決定してもよい。図6は、第1のガス還流率の補正に用いるガス還流率補正マップを示す説明図である。図6に示すように、ガス還流率補正マップ63には、改質ガスExrを内燃機関1に還流させる場合のガス還流率増加分ΔGRmnが記述されている。
改質ガスExrを内燃機関1に還流させる場合、制御パラメータ設定部32は、内燃機関1の機関回転数NEと吸入空気量Gaとを第1GRマップ61とガス還流率補正マップ63とに与える。そして、制御パラメータ設定部32は、第1GRマップ61から取得した前記運転条件における第1のガス還流率GR1に、ガス還流率補正マップ63から取得した前記運転条件におけるガス還流率増加分ΔGRを加算することで、第1のガス還流率GR1を補正する。補正後の値(GR1+ΔGR)が、第2のガス還流率GR2、すなわち、改質ガスExrを内燃機関1に還流させる場合のガス還流率となる。
(変形例1)
変形例1は、第2のガス還流率を決定する他の方法に関するものである。改質器20により生成された改質ガスExrの改質ガス水素濃度DHがほぼ一定に保たれる運転条件であれば、次に説明するように第2のガス還流率を決定し、改質用燃料Fr等の供給量を決定して、内燃機関1の運転を制御してもよい。例えば、改質ガス水素濃度DHが理論上の最大値である24vol%(式(1)参照)となる改質触媒温度Tcが維持できるように内燃機関1が運転されている場合である。
図7は、燃料消費率とガス還流率との関係を示す説明図である。図7は、λ=1(ストイキ)での結果を示している。図7の実線は、改質ガスExrの改質ガス水素濃度DHがある一定値としたときにおける、燃料消費率とガス還流率との関係を示している。このように、内燃機関1の機関回転数NEと吸入空気量Gaとが決定されれば、最も燃料消費率が小さくなるガス還流率を求めることができる。このときのガス還流率が、第2のガス還流率GR2となる。
改質ガスExrの改質ガス水素濃度DHが一定という条件の下で、内燃機関1の機関回転数NE及び吸入空気量Gaを変化させる。そして、それぞれの機関回転数NEと吸入空気量Gaとの組み合わせにおいて、最も燃料消費率が小さくなるガス還流率(すなわち第2のガス還流率)を求める。このようにして求めた第2のガス還流率を、内燃機関1の機関回転数NE及び吸入空気量Gaに対して整理して、第2GRマップを作成することもできる。ここで、改質ガスExrの改質ガス水素濃度DHは、改質触媒温度Tcによって決まるため、改質触媒温度Tcを一定に制御できれば、改質ガス水素濃度DHも一定に制御できることになる。
第2のガス還流量を決定したとき、内燃機関1の運転条件は機関回転数NE及び吸入空気量Gaであり、かつλ=1(ストイキ)なので、このときに内燃機関1から排出される総排ガス量Qex_allが分かる。また、第2のガス還流率は第2GRマップから決定されているので、総排ガス量Qex_allに第2のガス還流量を乗ずれば、改質器20へ導かれる排ガス量、すなわち、改質される排ガス量Qexrを求めることができる。
この実施例においては、改質器20で生成される改質ガスExrの水素濃度が、第2ガス還流量を決定したときの値になるように、改質用燃料Frを供給する。このため、改質用燃料Frの供給量τrは、改質される排ガス量Qexrが決定されれば、一義的に決定される。すなわち、改質ガスExrの水素濃度が第2ガス還流量を決定したときの値になるように、例えば、式(1)を用いて改質用燃料Frの供給量τrを決定すればよい。
(変形例2)
変形例2は、第2のガス還流率を決定する他の方法に関するものである。改質触媒温度Tcは、内燃機関1の運転条件によって変化する。変形例2では、改質触媒温度Tcに基づいて、第2のガス還流量を決定する。図8−1、図8−2は、第2のガス還流率を決定する方法の一例を示す説明図である。図8−1に示すように、機関回転数NEと吸入空気量Gaとが決定された場合、改質ガス水素濃度DHによって、例えば燃料消費率ρを最小にするガス還流率は変化する。ここで、図8−2に示すように、改質ガスExr中の水素濃度DH(改質ガス水素濃度DH)は、改質触媒温度Tcによって決定される。
第2のガス還流率は、ある機関回転数NE及び吸入空気量Gaにおいて、例えば内燃機関1の燃料消費率ρを最小にするように決定する。この例では、水素濃度が異なる改質ガスExrに対してそれぞれ第2のガス還流率を求め、マップ化する。このマップが、変形例2に係る第2GRマップである。すなわち、変形例2に係る第2GRマップには、ある機関回転数NE及び吸入空気量Gaに対して、複数の第2のガス還流率が存在することになる。図8−1に示す例では、異なる改質ガス水素濃度DH1、DH2、DH3において、内燃機関1の燃料消費率ρを最小にするガス還流量は、それぞれGR21、GR22、GR23である。なお、DH1<DH2<DH3である。また、第2のガス還流率を、異なる改質触媒温度に対して求め、これによって第2GRマップを作成してもよい。
内燃機関1の運転中に第2のガス還流率を決定するにあたり、まず、改質触媒温度Tcを取得する。変形例2では、改質触媒床温度センサ44によって改質触媒温度Tcを実測する。改質触媒温度Tcが分かれば、そのときの改質ガス水素濃度DHが決定できる(図8−2参照)。この改質ガス水素濃度DHを第2GRマップに与え、ある機関回転数NE及び吸入空気量Gaにおいて対応する第2のガス還流率を取得する。また、前記機関回転数NE及び吸入空気量Gaにおいて、改質ガス水素濃度DH及び第2のガス還流率(改質器20に導入される排ガスEx)が分かるので、改質器20に供給する改質用燃料Frの量も決定できる。このような手順により、第2のガス還流率を決定し、内燃機関1の運転を制御してもよい。このように、改質触媒温度Tcを取得して、これに応じて第2のガス還流率を決定すれば、より精密に第2のガス還流率を決定して、より燃料消費を低く抑えることができる。また、改質触媒温度Tcに基づくので、改質触媒の温度上昇遅れを考慮して第2のガス還流率を決定できる。
なお、水素濃度センサにより改質ガスExr中の水素濃度を実測し、改質触媒温度Tcを測定することなしに上記制御を実行してもよい。このようにすれば、改質ガス水素濃度DHを第2GRマップに与えることができるので、改質触媒温度Tcから改質ガス水素濃度DHへ変換する際の誤差を低減できる。
以上、この実施例及びその変形例では、内燃機関の運転条件を考慮して第2のガス還流率を決定することにより、改質ガスExrを最大限供給できる。これにより、ある運転条件における最大限の改質ガスExrを内燃機関に還流させてポンピングロスを低減させ、還流流量増加にともなう燃焼悪化は改質ガス中の水素により抑制するので、トルク低下を抑制しつつ、燃料消費を効果的に抑制できる。
また、この実施例及びその変形例では、改質ガスExrに含まれる水素濃度が最大となるように制御できるので、改質ガスExrの還流量増加に起因する燃焼悪化を効率的に抑制できる。また、改質ガスExrに含まれる水素濃度が最大となるように制御できるので、ノッキングの改善効果や、改質して得られた水素による発熱量の増加によるトルク増加効果も得られる。さらに、改質ガスExrを最大限供給することにより、燃焼温度低減によるNOx低減効果も得られる。
以上のように、本発明に係る内燃機関及び内燃機関の運転制御装置は、排ガスに燃料を供給して、水素を含む改質ガスを生成する内燃機関に有用であり、特に、前記改質ガスを可能な限り内燃機関の吸気側に還流させることに適している。
この実施例に係る内燃機関の全体構成図である。 この実施例に係る内燃機関の運転制御装置を示す説明図である。 この実施例に係る内燃機関の運転制御を説明するフローチャートである。 ガス還流率と燃料消費率との関係を示す説明図である。 この実施例に係る第1GRマップの一例を示す説明図である。 この実施例に係る第2GRマップの一例を示す説明図である。 第1のガス還流率の補正に用いるガス還流率補正マップを示す説明図である。 燃料消費率とガス還流率との関係を示す説明図である。 第2のガス還流率を決定する方法の一例を示す説明図である。 第2のガス還流率を決定する方法の一例を示す説明図である。
符号の説明
1 内燃機関
3 吸気通路
5 還流流量調整弁
6 ポート噴射弁
9 排気通路
10 ガス還流通路
11 改質用導管
12 冷却器
20 改質器
21 改質室
22 排気通路
24 改質用燃料噴射弁
30 内燃機関の運転制御装置
31 運転状態判定部
32 制御パラメータ設定部
33 改質制御部
50 エンジンECU
61 第1GRマップ
62 第2GRマップ
63 ガス還流率補正マップ

Claims (12)

  1. 吸気通路から供給される空気と燃料との混合気が燃焼することにより駆動する内燃機関であって、
    改質触媒により排ガスと燃料との混合気を改質して、水素を含む改質ガスを生成する改質手段と、
    前記排ガス又は前記改質ガスを前記吸気通路へ還流させるガス還流通路と、
    前記ガス還流通路に設けられて、前記吸気通路へ還流させる前記排ガス又は前記改質ガスの流量を調整する還流流量調整手段と、を備え、
    前記排ガスのみを還流させるときには、運転条件に応じて定められる第1のガス還流率となるように前記還流流量調整手段が制御され、
    前記改質ガスを還流させるときには、運転条件に応じて定められ、かつ同じ運転条件では前記第1のガス還流率よりも大きい第2のガス還流率となるように前記還流流量調整手段が制御されることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記第2のガス還流率は、前記内燃機関の燃料消費率が最小になるときにおける前記改質ガスのガス還流率であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記第2のガス還流率は、前記内燃機関の燃焼変動の許容限度における前記改質ガスのガス還流率であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  4. 前記改質をするときの前記内燃機関の運転条件において、前記改質ガスに含まれる水素の濃度が最大となるように、前記改質手段に対して改質用燃料を供給することを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関。
  5. 前記内燃機関の暖機が完了するまでは、前記ガス還流通路を閉じるとともに、前記改質を中止することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関。
  6. 前記改質触媒の温度が前記改質触媒の活性温度よりも低い場合には、前記改質を中止するとともに、前記第1のガス還流率となるように前記排ガスのみを吸気側へ還流させることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関。
  7. 改質触媒により排ガスと燃料との混合気を改質して、水素を含む改質ガスを生成する改質手段と、前記排ガス又は前記改質ガスを吸気通路へ還流させるガス還流通路と、前記ガス還流通路に設けられて、吸気通路へ還流させる前記排ガス又は前記改質ガスの流量を調整する還流流量調整手段と、を備える内燃機関を制御するものであり、
    前記排ガスのみを還流させるときには、前記内燃機関の運転条件に応じて定められる第1のガス還流率に設定し、前記改質ガスを還流させるときには、運転条件に応じて定められ、かつ同じ運転条件では前記第1のガス還流率よりも大きい第2のガス還流率に設定する制御パラメータ設定部と、
    前記制御パラメータ設定部が設定した第1又は第2のガス還流率になるように前記還流流量調整手段を制御する改質制御部と、
    を備えて構成されることを特徴とする内燃機関の運転制御装置。
  8. 前記第2のガス還流率は、前記内燃機関の燃料消費率が最小になるときにおける前記改質ガスのガス還流率であることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の運転制御装置。
  9. 前記第2のガス還流率は、前記内燃機関の燃焼変動の許容限度における前記改質ガスのガス還流率であることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の運転制御装置。
  10. 前記制御パラメータ設定部は、
    前記改質をするときの前記内燃機関の運転条件において、前記改質ガスに含まれる水素の濃度が最大となるように、前記改質器に対する改質用燃料の供給量を設定することを特徴とする請求項8又は9に記載の内燃機関の運転制御装置。
  11. さらに、前記内燃機関の運転状態を判定する運転状態判定部を備え、
    前記内燃機関の暖機が完了していないと前記運転状態判定部が判定した場合には、前記改質制御部が前記ガス還流通路を閉じて、前記改質を中止させることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の内燃機関の運転制御装置。
  12. 前記改質触媒の温度が前記改質触媒の活性温度よりも低いと前記運転状態判定部が判定した場合には、
    前記改質制御部は、前記改質を中止するとともに、前記第1のガス還流率となるように前記排ガスのみを吸気側へ還流させることを特徴とする請求項11に記載の内燃機関の運転制御装置。
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