JP2006046274A - 内燃機関及び内燃機関の運転制御装置 - Google Patents

内燃機関及び内燃機関の運転制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】改質ガスを可能な限り内燃機関の吸気側に還流させること。
【解決手段】この内燃機関1は、改質触媒により内燃機関1から排出される排ガスと燃料との混合気を改質して、水素を含む改質ガスを生成する改質器20と、内燃機関1の駆動中における燃焼変動を検出する燃焼圧力センサ481〜484と、吸気通路3に還流させる改質ガスの流量を制御する還流流量調整弁5とを備える。そして、燃焼圧力センサ481〜484により検出される内燃機関1の燃焼変動に基づき、還流流量調整弁5により吸気通路3に還流させる改質ガスの流量を調整して、燃焼変動が許容できる範囲で改質ガスを還流させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、排ガスと燃料との混合気を改質して得られた改質ガスを還流させる内燃機関及び内燃機関の運転制御装置に関するものである。
内燃機関の排ガス中に燃料を添加し、両者の混合気を改質触媒で改質した改質ガスを内燃機関の吸気管に供給するものが知られている。特許文献1には、このような内燃機関において、燃焼変動を検出し、燃焼変動が大きいときには改質触媒が異常であると判断する技術が開示されている。
特開2004−92520号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、燃焼変動によって改質触媒の異常を検出するのみであり、燃料消費の抑制に対しては考慮されておらず改善の余地がある。そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、改質した燃料を内燃機関に可能な限り供給して、燃料消費を抑制できる内燃機関及び内燃機関の運転制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る内燃機関は、吸気通路から供給される空気と燃料との混合気が燃焼することにより駆動する内燃機関であって、改質触媒により前記内燃機関から排出される排ガスと燃料との混合気を改質して、水素を含む改質ガスを生成する改質手段と、前記内燃機関の駆動中における燃焼変動を検出する燃焼変動検出手段と、前記燃焼変動検出手段により検出される燃焼変動に基づいて、前記吸気通路に還流させる前記改質ガスの流量を調整して、前記燃焼変動が許容できる範囲で前記改質ガスを還流させる還流流量調整手段と、を備えることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、記燃焼変動が予め定めた許容値未満である場合、同一の運転条件において、前記改質ガスの還流量をそれまでよりも増加し、前記燃焼変動が前記許容値以上である場合、同一の運転条件において、前記改質ガスの還流量をそれまでよりも低減することを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記燃焼変動に基づき、前記改質ガスの還流量が変化した場合、変化後における改質ガスの還流流量を基準として前記改質ガスを還流することを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記内燃機関が複数の燃焼室を備える場合には、各燃焼室に対してそれぞれ前記改質ガスを還流させるとともに、それぞれの燃焼室での燃焼変動に基づいて、前記燃焼室に還流させる前記改質ガスの流量を調整することを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関の運転制御装置は、排ガスと燃料との混合気を改質触媒により改質し、そのとき生成される水素を含む改質ガスが吸気通路に還流する内燃機関を制御する際に用いるものであり、前記内燃機関の燃焼変動を取得し、予め定めた燃焼変動の許容値と比較する運転状態判定部と、前記燃焼変動と前記許容値との比較結果に基づいて、前記吸気通路に還流させる前記改質ガスの流量を調整して、前記燃焼変動が許容できる範囲で前記改質ガスを還流させる還流制御部と、を含んで構成されることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関の運転制御装置は、前記内燃機関の運転制御装置において、前記燃焼変動が予め定めた許容値未満であると前記運転状態判定部が判定した場合、前記還流制御部は、同一の運転条件において、前記改質ガスの還流量をそれまでよりも増加させ、前記燃焼変動が前記許容値以上であると前記運転状態判定部が判定した場合、前記還流制御部は、同一の運転条件において、前記改質ガスの還流量をそれまでよりも低減させることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関の運転制御装置は、前記内燃機関の運転制御装置において、前記燃焼変動に基づき、前記改質ガスの還流量が変化した場合、変化後における改質ガスの還流流量を学習し、変化後における改質ガスの還流流量を基準として前記改質ガスの還流量を設定する制御パラメータ設定部をさらに備えることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関の運転制御装置は、前記内燃機関の運転制御装置において、前記内燃機関が複数の燃焼室を備える場合には、前記運転状態判定部は、それぞれの前記燃焼室での燃焼変動を取得し、前記還流制御部は、それぞれの前記燃焼室に還流させる前記改質ガスの流量を、それぞれの前記燃焼室に対して調整することを特徴とする。
この発明に係る内燃機関及び内燃機関の運転制御装置では、改質した燃料を内燃機関に可能な限り供給して、燃料消費を抑制できる。
以下、この発明につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、本発明は、特に乗用車やバス、あるいはトラック等の車両に搭載される内燃機関に対して好ましく適用できる。
実施例1に係る内燃機関は、排ガスと燃料との混合気を改質して生成された改質ガスを内燃機関へ還流させる際には、内燃機関の燃焼変動に基づき、前記改質ガスの還流量をフィードバック制御する点に特徴がある。
図1は、実施例1に係る内燃機関の全体構成図である。図1を用いて、この実施例に係る内燃機関の構成について説明する。この実施例に係る内燃機関1は、改質手段である改質器20に排ガスExの一部を導き、この排ガスExに炭化水素(HC)を含む燃料を供給することによって水素(H2)を生成する。そして、この改質反応によって得られた水素を含むガス(以下改質ガスという)Exrを内燃機関1に還流させる。
内燃機関1は、4個の気筒が直列に配置されているが、気筒数及び気筒配置はこれに限られるものではない。また、内燃機関1は、いわゆるロータリー式の内燃機関であってもよい。内燃機関1の各気筒1s1〜1s4には、気筒内の燃焼室における燃焼状態を判定するため、燃焼変動検出手段の一例である燃焼圧力センサ481〜484が取り付けられている。この燃焼圧力センサ481〜484によって各気筒1s1〜1s4内の燃焼圧力を測定して、内燃機関1の燃焼状態を判定する。また、内燃機関1に取り付けられる回転数センサ43を燃焼変動検出手段として用い、これによって検出される内燃機関1の回転数変動に基づいて、内燃機関1の燃焼状態を検出することもできる。さらに、点火プラグSP1〜SP4を燃焼変動検出手段として用い、点火プラグSP1〜SP4から内燃機関1の燃焼イオン電流を検出することにより、内燃機関1の燃焼状態を検出することもできる。なお、燃焼イオン電流は、内燃機関1の各気筒1s1〜1s4にイオン電流計を取り付け、これによって検出してもよい。
内燃機関1に供給される燃料Fは、燃料タンク70内のフィードポンプ71によってポート噴射弁6に供給される。そして、ポート噴射弁6から吸気通路3内に噴射され、吸気通路3を通る空気Aと混合気を形成する。この混合気は、吸気通路を構成するインテークマニホールド71〜74を通って各気筒1s1〜1s4へ導入される。
この実施例においては、単独のポート噴射弁6により内燃機関1の各気筒へ燃料Fを供給するが、ポート噴射弁を気筒数分用意して、各気筒1s1〜1s4のインテークマニホールド71〜74へ燃料Fを噴射してもよい。また、ポート噴射弁の代わりに、気筒内へ直接燃料を噴射する、いわゆる直噴噴射弁を用いて、内燃機関1へ燃料Fを供給してもよい。さらに、ポート噴射弁と直噴噴射弁とを備え、内燃機関1の運転条件に応じて両者の燃料噴射割合を変更して、内燃機関1へ燃料を供給してもよい。
内燃機関1に供給される空気Aは、吸気通路3の入口に取り付けられるエアクリーナ13でごみ等が除去されてから、内燃機関1へ送られる。内燃機関1へ供給される空気Aは、吸気通路3に設けられるスロットル弁4によって流量が調整される。スロットル弁4の開度は、アクセル17と連動する。この実施例において、アクセル17の開度はアクセル開度センサ47で検出されて、エンジンECU50に取り込まれる。アクセル開度センサ47からのアクセル開度情報を元に、エンジンECU50はスロットル弁4の開度を調整する。
アクセル開度が大きくなると、スロットル弁4の開度は大きくなり、アクセル開度が小さくなると、スロットル弁4の開度は小さくなる。内燃機関1へ供給される空気は、吸気通路3であってスロットル弁4の上流に設けられるエアフローセンサ42で流量が計測されて、その計測値はエンジンECU(Electronic Control Unit)50に取り込まれる。エンジンECU50は、エアフローセンサ42により計測された吸入空気量Gaと、回転数センサ43で計測される内燃機関1の機関回転数NEとから、内燃機関1に対する燃料噴射量Qfを決定する。
内燃機関1の各気筒1s1〜1s4で燃焼した混合気は、排ガスExとなってエキゾーストマニホールド8へ排出される。この排ガスExは、排気通路9を通って改質器20の排気通路22へ導入され、排ガスExを改質するための熱を与える。改質器20から排出された排ガスExは、浄化触媒16で浄化された後、大気中へ放出される。なお、浄化触媒16は、改質器20と内燃機関1との間に配置してもよい。排気通路9には、A/F(Air/Fuel:空燃比)センサ45が取り付けられており、排ガスExの空燃比を計測する。そして、排ガスExの空燃比から内燃機関1の燃焼状態を判定し、所定の空燃比から外れた場合には、エンジンECU50で決定される燃料噴射量を補正する。
排気通路9からは改質用導管11が分岐しており、改質用導管11は、改質器20の改質室21と接続されている。改質用導管11には改質用燃料噴射弁24が取り付けられており、この改質用燃料噴射弁24が、改質用導管11へ導かれた排ガスExへ改質用燃料Frを噴射する。改質用燃料噴射弁24には、燃料タンク70内のフィードポンプ71から燃料が供給される。
改質器20は、改質室21と排気通路22とで構成される。改質室21の内壁面には改質用触媒が担持されており、排気通路22を流れる排ガスExの熱により改質用触媒が加熱されて、活性温度Ta以上に保持される。改質器20は、複数の改質室21を備え、各改質室21はそれぞれ連通しており、排ガスExと改質用燃料Frとの混合気(改質用混合気)Gmrは、改質室21を通過する間に改質される。ここで、改質用触媒には、例えばロジウム系の触媒が用いられる。
改質器20には、改質触媒の温度を測定するため、改質触媒床温度センサ44が取り付けられる。改質触媒そのものの温度を測定することは困難であるため、改質触媒を担持する触媒床の温度を測定して、改質触媒温度とする。改質触媒温度が低い場合、改質ガスExr中の水素濃度は低く、改質触媒温度が高くなるほど改質ガスExr中の水素濃度は高くなる。このため、改質触媒温度が活性温度Ta以上になってから、排ガスExの改質を開始するように、改質触媒床温度センサ44により改質触媒の温度を監視する。なお、ロジウム系の改質触媒を用いる場合、活性温度Taは600℃程度である。
改質室21の出口21oには、改質室21と、吸気通路3とを接続する、ガス還流通路10が取り付けられている。ガス還流通路10は、排ガスEx又は改質ガスExrを、内燃機関1の吸気側、すなわち吸気通路3へ還流させる機能を持つ。ガス還流通路10には、冷却器12が設けられており、改質室21で改質された排ガス(改質ガスExr)を冷却する。また、冷却器12とガス還流通路10の出口10oとの間には、還流流量調整手段である還流流量調整弁5が設けられており、エンジンECU50からの指令により、吸気通路3へ還流させる改質ガスExrの流量を調整する。
排気通路9から改質用導管11へ導かれた排ガスExは、改質用燃料噴射弁24から改質用燃料Frが噴射される。改質用燃料Frは、内燃機関1の各気筒1s1〜1s4へ供給される燃料Fの一部であり、内燃機関1の運転条件に応じて改質用燃料Frの噴射量Qfrが決定される。改質用燃料Frと排ガスExとの改質用混合気Gmrは、改質用導管11から改質室21へ導入され、改質室21の内壁面に担持された改質触媒により、式(1)に示す改質反応により改質されて改質ガスExrとなる。
1.56(7.6CO2+6.8H2O+40.8N2)+3C7.613.6+4122kJ→31H2+34.7CO+63.6N2・・・(1)
ここで、左辺第1項が排ガスEx、左辺第2項が燃料(炭化水素CHであり、この実施例ではガソリン)、右辺が改質ガスExrを示す。右辺の改質ガスExrに含まれる水素は、全改質ガスの体積に対して24vol%である。また、この改質反応は吸熱反応であり、これにより排ガスExの熱エネルギを回収することになる。このように、吸熱反応により排ガスExが改質されるため、内燃機関1に供給する燃料の量が同一であっても、排ガスExの熱を吸収した分だけ内燃機関1での燃焼における発熱量が増加する。
また、水素(H2)の発熱量は241.7kJ/molであり、ガソリン(CH1.869)の発熱量は596.5kJ/molである。しかし、式(1)の改質反応により、3モルのガソリン(燃料)から31モルの水素が発生する。したがって、前記発熱量と、式(1)の改質によるモル数変化とを乗ずると、ガソリン単独を燃焼させる場合と比較して、改質ガスExrの発熱量は大幅に増加する。これにより、内燃機関1の出力トルクが増加し、また燃料消費は低減される。
改質室21で生成された改質ガスExrは、ガス還流通路10を通って、吸気通路3へ導入される。改質ガスExrは、700℃前後の高温になるため、ガス還流通路10の途中に設けられた冷却器12で冷却されてから吸気通路3へ導入される。吸気通路3へ導入される改質ガスExrの流量(還流流量)は、還流流量調整弁5で制御される。吸気通路3へ導入される改質ガスExrの流量は、内燃機関1の運転条件に基づき、当該運転条件における最大限の改質ガスを内燃機関1に導入できるように決定されるが、その詳細については後述する。この場合、改質ガスExrに含まれる水素、一酸化炭素(CO)の量を考慮し、ポート噴射弁6の燃料噴射量を低減して空燃比A/Fを最適化する。
改質ガスExrに含まれる水素(H2)は、ガソリンと比較して最大点火エネルギが1/10程度であり、最大燃焼速度が10倍弱である。このため、水素はガソリンと比較して急速燃焼する。上記改質反応によって得られた水素を含む改質ガスExrを内燃機関1に供給すると、改質ガスExr中の水素により、燃焼改善効果が得られる。内燃機関1の運転においては、排ガスExを吸気側に還流させる、いわゆるEGR(Exhaust Gas Recirculation)を実行することがある。
内燃機関1が軽負荷で運転されているときにEGRを実行すると、ポンプロスが低減されて燃料消費を低減できるが、排ガスExの環流量(EGR量)が多すぎると燃焼速度が遅くなって燃焼が悪化する。その結果、内燃機関1の出力トルクが低下し、ドライバビリティが悪化する。この実施例に係る内燃機関1は、水素を含む改質ガスExrを内燃機関1に還流させるので、改質ガスExrの還流量を増加させた場合でも、水素が急速燃焼することで、燃焼悪化が抑制される。その結果、燃焼悪化に起因する出力トルクの低下を抑制して、ドライバビリティの悪化を抑えることができる。
また、内燃機関1が高負荷(例えばWOT領域での運転や負荷率で80%程度を超える領域での運転)においてEGRを実行すると、燃焼室の温度を低下させることができるので、ストイキ(λ=1)で運転できる領域が拡大する。しかし、EGRにより燃焼が悪化して、出力トルクが低下し、ドライバビリティを悪化させることがある。この実施例に係る内燃機関1は、排ガスExだけではなく、水素を含む改質ガスExrを内燃機関1に還流させるので、改質ガスExr中の水素が急速燃焼することで燃焼悪化が抑制される。また、水素の急速燃焼によりノッキングを改善できるので、点火時期を進角させて、内燃機関1の出力トルクを向上させることができる。その結果、燃焼悪化に起因する出力トルクの低下を抑制して、ドライバビリティの悪化を抑えることができる。
次に、実施例1に係る内燃機関の運転制御装置について説明する。図2は、実施例1に係る内燃機関の運転制御装置を示す説明図である。実施例1に係る内燃機関の運転制御は、実施例1に係る内燃機関の運転制御装置30によって実現できる。図2に示すように、内燃機関の運転制御装置30は、エンジンECU50に組み込まれて構成されている。エンジンECU50は、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)50pと、記憶部50mと、入力及び出力ポート55、56と、入力及び出力インターフェイス57、58とから構成される。
なお、エンジンECU50とは別個に、実施例1に係る内燃機関の運転制御装置30を用意し、これをエンジンECU50に接続してもよい。そして、実施例1に係る内燃機関の運転制御方法を実現するにあたっては、エンジンECU50が備える内燃機関1の制御機能を、前記内燃機関の運転制御装置30が利用できるように構成してもよい。
内燃機関の運転制御装置30は、運転状態判定部31と、制御パラメータ設定部32と、還流制御部33とを含んで構成される。これらが、実施例1に係る内燃機関の運転制御方法を実行する部分となる。実施例1において、内燃機関の運転制御装置30は、エンジンECU50を構成するCPU(Central Processing Unit:中央演算装置)50pの一部として構成される。この他に、CPU50pには、内燃機関1の運転を制御したり、内燃機関1へ供給する燃料の量を制御したり、改質のための燃料の量を制御する制御部53が含まれている。
CPU50pと、記憶部50mとは、バス541〜543を介して、入力ポート55及び出力ポート56を介して接続される。これにより、内燃機関の運転制御装置30を構成する運転状態判定部31と制御パラメータ設定部32と、還流制御部33とは、相互に制御データをやり取りしたり、一方に命令を出したりできるように構成される。また、内燃機関の運転制御装置30は、エンジンECU50が有する内燃機関1の負荷KLや機関回転数NEその他の内燃機関の運転制御データを取得したり、内燃機関の運転制御装置30の制御をエンジンECU50の内燃機関の運転制御ルーチンに割り込ませたりすることができる。
入力ポート55には、入力インターフェイス57が接続されている。入力インターフェイス57には、エアフローセンサ42、回転数センサ43、改質触媒床温度センサ44、A/Fセンサ45、冷却水温センサ46、アクセル開度センサ47、燃焼圧力センサ48その他の、燃料供給制御や内燃機関1の運転制御に必要な情報を取得するセンサ類が接続されている。これらのセンサ類から出力される信号は、入力インターフェイス57内のA/Dコンバータ57aやディジタルバッファ57dにより、CPU50pが利用できる信号に変換されて入力ポート55へ送られる。これにより、CPU50pは、燃料供給制御や内燃機関1の運転制御に必要な情報を取得することができる。
出力ポート56には、出力インターフェイス58が接続されている。出力インターフェイス58には、還流流量調整弁5、ポート噴射弁6、改質用燃料噴射弁24その他の、内燃機関1の運転制御に必要な制御対象が接続されている。出力インターフェイス58は、制御回路581、582等を備えており、CPU50pで演算された制御信号に基づき、前記制御対象を動作させる。このような構成により、前記センサ類からの出力信号に基づき、エンジンECU50のCPU50pは、内燃機関1の運転を制御することができる。
記憶部50mには、実施例1に係る燃料供給制御の処理手順を含むコンピュータプログラムや制御マップ、あるいは内燃機関1の運転制御に用いる燃料噴射量のデータマップ等が格納されている。ここで、記憶部50mは、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
上記コンピュータプログラムは、CPU50pへすでに記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせによって、実施例1に係る燃料供給制御の処理手順を実現できるものであってもよい。また、この内燃機関の運転制御装置30は、前記コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、運転状態判定部31、制御パラメータ設定部32、及び還流制御部33の機能を実現するものであってもよい。次に、実施例1に係る燃料供給制御及び内燃機関の運転制御装置等の動作について説明する。この説明においては、適宜図1、図2を参照されたい。
図3は、実施例1に係る内燃機関の運転制御を説明するフローチャートである。図4は、ガス還流率と燃料消費率との関係を示す説明図である。図5−1は、実施例1に係る第1GRマップの一例を示す説明図である。図5−2は、実施例1に係る第2GRマップの一例を示す説明図である。実施例1に係る内燃機関の運転制御を実行するにあたり、内燃機関の運転制御装置30の運転状態判定部31は、冷却水温センサ46から内燃機関1の冷却水温を取得し、内燃機関1の暖機が完了したか否かを判定する(ステップS101)。内燃機関1の暖機が完了していない場合(ステップS101;No)、運転状態判定部31はEGRを実行しない条件にあると判断して(ステップS102)、STARTに戻って内燃機関1の運転状態を監視する。EGRを実行すると、燃焼温度が低下するため、内燃機関1の暖機完了までに余分な時間を要するからである。
このとき、還流制御部33は、還流流量調整弁5を閉じてガスの還流を中止するとともに、エンジンECUの制御部53は、改質用燃料噴射弁24からの燃料供給を停止して、内燃機関1の暖機が完了するまで改質を中止する。これにより、暖機中は、水素が不十分な改質ガスExrの還流を中止して燃焼を安定させるとともに、改質されない燃料が改質室21内やガス還流通路10内に付着することを抑制できる。その結果、これらに起因する燃料消費の増加を抑制できる。
内燃機関1の暖機が完了した場合(ステップS101;Yes)、運転状態判定部31は、改質触媒床温度センサ44から改質触媒の温度を取得する。そして、改質触媒の温度(以下改質触媒温度)Tcが、改質触媒の活性温度Ta以上であるか否かを判定する(ステップS103)。改質触媒温度Tcが活性温度Taよりも低い場合(ステップS103;No)、運転状態判定部31は、改質しない排ガスEx、すなわち排ガスExのみを内燃機関1に還流させる条件であると判定する(ステップS104)。すなわち、第1のガス還流率が記述された第1GR(Gas Recirculation:ガス還流)マップ61により排ガスExの還流量を制御する条件である。内燃機関1の暖機が完了していても、改質触媒温度Tcが活性温度Taよりも低い場合は、改質触媒は改質用燃料Frを十分に改質できず、十分な量の水素を含んだ改質ガスExrを内燃機関1へ還流できないからである。
ここで、「第1のガス還流率」とは、改質しない排ガスEx、すなわち排ガスExのみを内燃機関1に還流させる場合のガス還流率(いわゆるEGR率)をいう。制御パラメータ設定部32は、第1GRマップ61に内燃機関1の機関回転数NEと吸入空気量Gaとを与え、当該運転条件における第1のガス還流率を決定する。還流制御部33は、決定された第1のガス還流率に基づいて、還流流量調整弁5の開度を調整し、排ガスExのみを還流させる。同時に、エンジンECU50の制御部53は、改質用燃料噴射弁24からの燃料供給を停止して、改質触媒の温度が活性温度以上になるまで改質を中止する。これにより、かかる期間中は、排ガスExの還流によるポンピングロスの低減により燃料消費を低減するとともに、改質されない燃料が改質室21内やガス還流通路10内に付着することを抑制して、当該付着による燃料消費の悪化を抑制できる。なお、「ガス還流率」というときは、内燃機関に還流させるガスの種類を問わない。また、改質しない排ガスEx、すなわち排ガスExのみを内燃機関1に還流させる場合、「ガス還流率」は「EGR率」と同義である。
図4の点線は、排ガスExのみを還流させた場合の燃料消費率ρとガス還流率(EGR率)との関係を示している。第1のガス還流率は、排ガスExのみを内燃機関1に還流させる場合において、内燃機関1のある機関回転数NEとある負荷(吸入空気量Ga)との組み合わせに対して、燃料消費率ρが最も少なくなるとき(ρmin1)のガス還流率である。このガス還流率は、図4中のGR1となる。第1GRマップ61(図5−1)は、複数の機関回転数NEと吸入空気量Gaとの組み合わせにおいて求めた第1のガス還流率GR1mnが記述されている。なお、第1GRマップ61には、第1のガス還流率GR1mnの代わりに、当該ガス還流率に相当する排ガスExの還流流量を記述してもよいし、当該ガス還流率になる還流流量調整弁5の開度を記述してもよい。ここでガス還流率とは、ガス還流量/(ガス還流量+吸入空気量)である。
改質触媒の温度が活性温度Ta以上であると運転状態判定部31が判定した場合(ステップS103;Yes)、運転状態判定部31は、改質ガスExrを内燃機関1に還流させる条件であると判定する(ステップS105)。すなわち、第2の排ガス還流率が記述された第2GRマップ62により、内燃機関1に還流させる改質ガスの還流流量を制御する条件である。改質触媒の温度が活性温度Ta以上であれば改質触媒が燃料を十分に改質して、十分な量の水素を含んだ改質ガスExrを内燃機関1へ還流できるからである。ここで、「第2のガス還流率」とは、水素を含む改質ガスExrを内燃機関1に還流させる場合のガス還流率をいう。
図4の実線は、改質ガスExrを還流させた場合の燃料消費率とガス還流率との関係を示している。第2のガス還流率は、改質ガスExrを内燃機関1に還流させる場合において、内燃機関1のある機関回転数NEとある負荷(吸入空気量Ga)との組み合わせに対して、燃料消費率ρが最も少なくなるとき(ρmin2)のガス還流率である。このガス還流率は、図4中のGR2となる。第2GRマップ62(図5−2)は、複数の機関回転数NEと吸入空気量Gaとの組み合わせにおいて求めた第2のガス還流率GR2mnが記述されている。なお、第2GRマップ62には、第2のガス還流率GR2mnの代わりに、当該ガス還流率に相当する改質ガスExrの還流流量を記述してもよいし、当該ガス還流率になる還流流量調整弁5の開度を記述してもよい。制御パラメータ設定部32は、第2GRマップに内燃機関1の機関回転数NEと吸入空気量Gaとを与え、当該運転条件における第2のガス還流率を決定する(ステップS106)。
内燃機関1の機関回転数NEと吸入空気量Gaとが決定されれば、そのときの改質触媒温度Tcも決まる。改質触媒温度Tcが決まれば、その改質触媒温度Tcにおいて得られる改質ガスExr中に含まれる水素濃度(改質ガス水素濃度)DH(vol%)も決まる。すなわち、内燃機関1の機関回転数NEと吸入空気量Gaとが決定されると、改質ガス水素濃度DHが決定される。
第2のガス還流率を決定するにあたっては、例えば、内燃機関1の機関回転数NEと吸入空気量Gaとから決定される改質触媒温度Tc及び改質ガス水素濃度DHとを考慮した実験をして、例えば燃料消費率ρが最も小さくなるガス還流率を第2のガス還流率として決定する。そして、それぞれの機関回転数NEと吸入空気量Gaとの組み合わせに対して第2のガス還流率を求め、第2GRマップ62を作成する。このように、第2のガス還流率は、改質触媒温度Tc及び改質ガス水素濃度DHの情報も含んで決定される。そして、改質器20に供給する改質用燃料供給量を決定するため、第2GRマップ62には、第2のガス還流率の他に、改質ガス水素濃度DHも記述されている。
なお、この実施例では、内燃機関1の燃料消費を低減する目的から燃料消費率ρが最も小さくなるガス還流率を第2のガス還流率として第2GRマップを作成したが、例えば、内燃機関1が搭載される車両のドライバビリティに着目して、内燃機関1のトルク変動の許容限度におけるガス還流率を第2のガス還流率として第2GRマップを作成してもよい。このように、目的に応じて、第2のガス還流率を決定することができる。
このようにして決定された第2のガス還流率は、排ガスExのみを還流させるときの第1のガス還流率よりも大きくなる。すなわち、第2のガス還流率を用いて決定される改質ガスExrの還流量は、第1のガス還流率を用いて決定される排ガスExの還流量よりも大きくなる。これにより、改質ガスExrを還流させるときは、排ガスExのみを還流させるときよりも多くの改質ガスを内燃機関1に還流させることができる。
ある機関回転数NE、吸入空気量Gaが分かれば、内燃機関1が排出する総排ガス量が分かる。また、前記機関回転数NE、吸入空気量Gaのときにおける第2のガス還流率及びそのときの改質ガス水素濃度DHも分かるので、総排ガス量と改質器20に導入される排ガスExの量とが分かる。すなわち、第2のガス還流率に内燃機関1が排出する総排ガス量を乗じた値が、改質器20に導入される排ガスExの量である。そして、改質器20に導入される排ガスExの量と、改質ガス水素濃度DHとから、改質器20に供給する改質用燃料Frの量を決定できる。上記手順によれば、ある機関回転数NE、吸入空気量Gaにおいて得られる改質ガスExrに含まれる水素濃度が最大となるように、改質用燃料が改質器20に供給されることになる。
第2のガス還流率を決定したら、制御パラメータ設定部32は、決定した第2のガス還流率及びそのときの改質ガス水素濃度DHに基づいて、改質用燃料Frの供給量を決定する(ステップS107)。第2のEGR量を決定する際、内燃機関1の運転条件は機関回転数NE及び吸入空気量Gaであり、かつλ=1(ストイキ)なので、このときに内燃機関1から排出される総排ガス量Qex_allが分かる。また、第2のガス還流率は第2GRマップ62により決定されているので、この総排ガス量Qex_allに第2のEGR量を乗ずれば、改質器20へ導かれる排ガスExの量、すなわち、改質器20で改質される排ガス量Qexrを求めることができる。
この実施例においては、ある機関回転数NEと吸入空気量Gaとにおいて、改質ガス水素濃度DHが最大となるように、改質用燃料Frと排ガスExとの混合気Gmrを改質する。このため、改質用燃料Frの供給量τrは、改質される排ガス量Qexrが決定されれば、一義的に決定される。すなわち、改質ガスExrの改質ガス水素濃度DHが最大になるように、例えば、式(1)を用いて改質用燃料Frの供給量τrを決定すればよい。また、改質用燃料Frの供給量τrは、予め実験により求めて、機関回転数NEと吸入空気量Gaとに対してマップ化しておいてもよい。
第2のEGR量を決定したとき、内燃機関1は機関回転数NE及び吸入空気量Gaであり、λ=1(ストイキ)なので、このときに内燃機関1へ供給する全燃料噴射量τallが分かる。上記手順により、改質用燃料Frの供給量τrが決定されるので、内燃機関1へ供給する燃料Feの供給量τeはτall−τrで求めることができる。このような手順により、内燃機関1へ供給する燃料Feの供給量τeと、改質用燃料Frの供給量τrと、改質される排ガス量Qexrを決定する第2のガス還流率とが決定される。還流制御部33は、決定された第2のガス還流率に基づいて、還流流量調整弁5の開度を制御する(ステップS108)。同時に、エンジンECU50の制御部53は、内燃機関1へ供給する燃料Feの供給量τ及び改質用燃料Frの供給量τrで燃料が噴射されるように、ポート噴射弁6及び改質用燃料噴射弁24を制御する(ステップS108)。
改質器20で生成される改質ガスExrは、水素を含む。上述したように、水素は、燃焼速度が速く、可燃限界が広い。また、ガソリンに比べ等モルで1/3弱の発熱量を持つ。このため、水素を含んだ改質ガスExrを内燃機関1に還流させると、排ガスExのみを内燃機関1に還流させる場合よりガス還流率を高くしても安定した燃焼が得られる。したがって、図4に示すように、水素を含んだ改質ガスExrを内燃機関1に還流させる場合、水素を含まない通常の排ガスExを内燃機関1に還流させる場合よりも多くの改質ガスExrを還流させることができる。すなわち、図4に示すように、第2のガス還流率GR2は、第1のガス還流率GR1よりもΔGRだけ大きく設定することができる。
これにより、最大限の改質ガスExrを内燃機関1に還流させることができるので、ポンピングロスを低減させて、燃料消費を効果的に抑制できる。そして、改質ガスExrの還流による燃焼悪化は、改質ガスExr中に含まれる水素により抑制できる。特に、この実施例では、改質ガスExrに含まれる水素濃度が最大となるように制御できるので、改質ガスExrの還流量増加に起因する燃焼悪化も効率的に抑制できる。
また、改質ガスExrに含まれる水素濃度が最大となるように制御できるので、ノッキングの改善効果や、改質して得られた水素による発熱量の増加によるトルク増加効果も得られる。さらに、内燃機関1の運転条件を考慮して第2のガス還流率を決定することにより、改質ガスExrを最大限供給できるので、燃焼温度低減によるNOx低減効果も得られる。
次に、運転状態判定部31は、燃焼圧力センサ48の出力、あるいは回転数センサ43の出力を取得し、取得した出力値から内燃機関1の燃焼変動を判定する(ステップS109)。実施例1において、燃焼変動が、予め定めた許容遅以上である場合には、改質ガスExrの還流量が多すぎるため、許容できない燃焼変動が発生していると判断する。燃焼変動は、例えば、ある所定期間ΔTにおける燃焼圧力の最大値Pmaxの変動率(=σ/Pmax_av)で表すことができる。ここで、Pmax_avは、所定期間ΔTにおけるPmaxの平均値であり、σは、所定期間ΔTにおけるPmaxの標準偏差である。そして、Pmaxの変動率が、予め定めた変動率の許容値Pc以上になっている場合に、許容できない燃焼変動が発生していると判断できる。また、内燃機関1に取り付けられる回転数センサ43を用いる場合には、回転数センサ43の出力信号から内燃機関1のトルク変動を検出する。そして、内燃機関1に、予め定めた許容値以上のトルク変動が発生している場合には、許容できない燃焼変動が発生していると判断する。
内燃機関1の燃焼変動が予め定めた許容値未満である場合(ステップS109;Yes)、運転状態判定部31は、内燃機関1の燃焼変動は許容範囲であると判定する。内燃機関1の燃焼変動が許容範囲であれば、まだ改質ガスExrの還流量を増加させ、内燃機関1の燃料消費を抑制できる余地がある。しかし、内燃機関1の燃焼変動が許容値と同等である場合に改質ガスExrの還流量を増加させると、内燃機関1の燃焼変動が再び許容できなくなるおそれがある。このため、燃焼変動が許容値未満で、かつ予め定めた所定の下限値以上であれば、内燃機関1は許容できない燃焼変動が発生する限界の状態で運転されていると判断し、改質ガスExrの還流量の増加を中止する(ステップS110;Yes)。前記下限値は、例えば、予め定めた許容遅の所定割合(例えば95%)とすることができる。
燃焼変動が前記下限値未満である場合(ステップS110;No)、改質ガスExrの還流量を増加させ、内燃機関1の燃料消費を抑制できる余地がある。この場合、制御パラメータ設定部32は、第2GRマップ62に格納されている現在の運転条件に対する第2のガス還流率GR2に、予め定めたガス還流率増加値(ΔGR21)を加算して増加させる(ステップS111)。すなわち、このときの第2のガス還流率GR2は、GR2+ΔGR21となる。ここで、第2ガス還流率GR2を変更すれば、内燃機関1の吸気通路3に還流される改質ガスExrの流量も変化する。すなわち、第2ガス還流率GR2を変更することにより、内燃機関1の吸気通路3に還流される改質ガスExrの流量を調整することができる。
還流制御部33は、ガス還流率増加値ΔGR21に相当する分、還流流量調整弁5を開き、改質ガスExrの還流量をそれまでよりも増加させる(ステップS112)。これにより、内燃機関1へ還流する改質ガスExrの還流量を、ガス還流率増加値ΔGR21に相当する量だけ増量させることができる。なお、ガス還流率増加値ΔGR21は、予め実験やシミュレーションにより求めておき、記憶部50mに格納しておく。その後、ステップS109に戻り、内燃機関1の燃焼状態を判定し、許容できない燃焼変動が発生する限界の状態で内燃機関1が運転されるまで(ステップS110;Yes)、還流制御部33は、還流流量調整弁5の開度を大きくする(ステップS109〜S111)。
内燃機関1の燃焼変動が予め定めた所定値以上である場合(ステップS109;No)、運転状態判定部31は、内燃機関1の燃焼変動は許容範囲を超えていると判定する。内燃機関1の燃焼変動が許容範囲を超えると内燃機関1の出力トルク変動やトルク低下により、ドライバビリティを悪化させるおそれがある。このため、改質ガスExrの還流量を減少させ、内燃機関1の燃焼を改善する必要がある。この場合、制御パラメータ設定部32は、第2GRマップ62に格納されている現在の運転条件に対する第2のガス還流率GR2を、予め定めたガス還流率減少値ΔGR22に相当する量だけ低減させる(ステップS113)。このときの第2のガス還流率GR2は、GR2−ΔGR22となる。
還流制御部33は、ガス還流率減少値ΔGR22に相当する分、還流流量調整弁5を閉じ、改質ガスExrの還流量をそれまでよりも低減させる(ステップS114)。これにより、内燃機関1へ還流する改質ガスExrの還流量を、ガス還流率減少値ΔGR22に相当する量だけ低減させることができる。なお、ガス還流率減少値ΔGR22は、予め実験やシミュレーションにより求めておき、記憶部50mに格納しておく。その後、ステップS109に戻り、内燃機関1の燃焼状態を判定し、内燃機関1の燃焼変動が許容できるまで(ステップS109;No)、還流制御部33は、還流流量調整弁5の開度を小さくして、還流流量を低減する(ステップS109、S113、S114)。
実施例1では、改質ガスの還流流量を制御するための基準として、第2のガス還流率GR2を用いたが、排ガスExのみを還流させるときの還流流量を決定する第1のガス還流率を基準としてもよい。このようにすれば、第2のガス還流率を記述したマップを用意するために要する実験等の手間を省くことができる。また、第2のガス還流率のような、改質ガスの還流流量を制御するための基準をもたず、燃焼変動のみに基づくフィードバック制御を行ってもよい。
以上、実施例1では、燃焼変動に基づいて、内燃機関の吸気通路に還流させる改質ガスの流量をフィードバック制御する。これにより、燃焼変動が許容できる限界まで改質ガスを還流させることができるので、ポンピングロスの低減により燃料消費を効果的に抑制できる。また、還流流量増加にともなう燃焼悪化は改質ガス中の水素により抑制することによりトルク低下、トルク変動を抑制できるので、改質ガスの還流流量を大きくして、燃料消費を効果的に抑制できる。
また、実施例1では、燃焼変動に基づいて、内燃機関の吸気通路に還流させる改質ガスの流量をフィードバック制御する。これにより、内燃機関や改質器を含む改質システムの経時変化により、改質ガスの還流可能量が変化した場合でも、常に燃焼変動が許容できる限界まで改質ガスを還流させることができる。その結果、ポンピングロスの低減により燃料消費を効果的に抑制できる。なお、実施例1において開示した構成は、以下の実施例においても適宜適用できる。また、実施例1及びその変形例において開示した構成と同様の構成を備える以上、実施例1及びその変形例と同様の作用、効果を奏する。
実施例2は、実施例1と略同様の構成であるが、フィードバック制御して修正した第2のガス還流率を学習する点が異なる。すなわち、燃焼変動に基づいて、第2ガス還流率が変化した場合、変化後における第2のガス還流率を基準として、燃焼変動に基づいて改質ガスの還流流量をフィードバック制御する。他の構成は実施例1等と同様なのでその説明を省略する。図6は、実施例2に係る内燃機関の運転制御を説明するフローチャートである。図7−1、図7−2は、実施例2に係る内燃機関の運転制御の学習方法例を示す説明図である。実施例2に係る内燃機関の運転制御は、実施例1に係る内燃機関の運転制御装置30(図2参照)により実現できる。実施例2に係る内燃機関の運転制御において、ステップS201〜ステップS205は、実施例1に係る内燃機関の運転制御におけるステップS101〜ステップS105と同様なので、説明を省略する。
内燃機関の運転制御装置30の運転状態判定部31が、改質ガスを含む排ガスを内燃機関1に還流させる条件であると判定したら(ステップS205)、制御パラメータ設定部32は、第2GRマップ62(図5−2)に内燃機関1の機関回転数NEと吸入空気量Gaとを与え、当該運転条件における第2のガス還流率を決定する(ステップS206)。
ここで、実施例2においては、フィードバック制御の結果、第2のガス還流率を修正した場合は、その修正値を学習値として、もとの第2のガス還流率と置き換える。第2のガス還流率は、すでに第2のガス還流率を増加又は減少させている場合には、その増加、又は減少後の値が学習されて、第2GRマップ62に格納されている。第2のガス還流率が一回も修正されていない場合、当初の第2GRマップ62に格納されている第2のガス還流率が、ステップS206で決定される第2のガス還流率である。第2のガス還流率を決定したら、制御パラメータ設定部32は、決定した第2のガス還流率及びそのときの改質ガス水素濃度DHに基づいて、改質用燃料Frの供給量を決定する(ステップS207)。還流制御部33は、決定された第2のガス還流率に基づいて、還流流量調整弁5の開度を調整する(ステップS208)。
次に、運転状態判定部31は、内燃機関1の燃焼変動を判定する(ステップS209)。そして、内燃機関1の燃焼変動が予め定めた所定値未満である場合(ステップS209;Yes)、運転状態判定部31は、内燃機関1の燃焼変動は許容範囲であると判定する。内燃機関1の燃焼変動が許容範囲であれば、まだ改質ガスExrの還流量を増加させ、内燃機関1の燃料消費を抑制できる余地がある。
この場合、制御パラメータ設定部32は、現在の第2のガス還流率GR2に、予め定めたガス還流率増加値ΔGR21を加算した値(GR2+ΔGR21)で、現在の第2のガス還流率GR2を修正する。そして、これを新たな第2のガス還流率GR2(=GR2+ΔGR21)として設定する(ステップS210)。制御部53は、還流流量調整弁5の開度を、修正した第2のガス還流率GR2(=GR2+ΔGR21)に相当する開度に制御して、改質ガスExrの還流流量を増加させる(ステップS211)。
次に、制御パラメータ設定部32は、現在の内燃機関1の運転条件における第2のガス還流率を、修正した第2のガス還流率GR2(=GR2+ΔGR21)に置き換え(ステップS212)、以後の制御では置き換えた第2のガス還流率GR2を用いる。すなわち、図7−1に示す第2GRマップ62に記述された現在の内燃機関1の運転条件における第2のガス還流率は、図7−2に示すように、ΔGR21(又はΔGR22)で修正された値となる。これにより、修正した第2のガス還流率GR2が学習される。ここで、実施例2では、当初設定されている第2のガス還流率GR2に、ガス還流率増加値ΔGR21又はガス還流率減少値ΔGR22を加算又は減算する。すなわち、当初設定されている第2のガス還流率GR2を基本として、これにガス還流率増加値ΔGR21等が加算又は減算されることになる。
運転状態判定部31は、修正した第2のガス還流率によって内燃機関1が運転されている状態で、内燃機関1の燃焼変動を判定する(ステップS213)。そして、内燃機関1の燃焼変動が予め定めた所定値未満である場合(ステップS213;Yes)、運転状態判定部31は、内燃機関1の燃焼変動は許容範囲であると判定する。この場合、改質ガスExrの還流量を増加させ、内燃機関1の燃料消費を抑制できる余地があるので、制御パラメータ設定部32及び還流制御部33は、ステップS210〜S212を繰り返し、第2のガス還流率をガス還流率増加値ΔGR21づつ増加させ、ガス還流率増加値ΔGR21により修正した第2のガス還流率を学習する。なお、改質ガスExrが変化するので、改質用燃料噴射弁24から供給される改質用燃料Frの供給量も変化する。このため、実施例2に係る制御により変化した改質用燃料Frの供給量も同時に学習してもよい。
修正した第2のガス還流率で内燃機関1が運転されている状態において、内燃機関1の燃焼変動が予め定めた所定値以上である場合(ステップS213;No)、運転状態判定部31は、内燃機関1の燃焼変動は許容範囲を超えていると判定する。内燃機関1の燃焼変動が許容範囲を超えると内燃機関1の出力トルク変動により、ドライバビリティを悪化させるおそれがある。このため、改質ガスExrの還流量を減少させ、内燃機関1の燃焼を改善する必要がある。
この場合、制御パラメータ設定部32は、現在の第2のガス還流率GR2から、予め定めたガス還流率減少値ΔGR22を減算した値(GR2−ΔGR22)により、現在の第2のガス還流率GR2を修正する。(ステップS214)。還流制御部33は、還流流量調整弁5の開度を、修正した第2のガス還流率GR2に相当する開度に制御して、改質ガスExrの還流流量をそれまでよりも低減させる(ステップS215)。
次に、制御パラメータ設定部32は、現在の内燃機関1の運転条件における第2のガス還流率を、修正した第2のガス還流率GR2=(GR2−ΔGR22)に置き換える(ステップS216)。すなわち、第2GRマップ62に記述された現在の内燃機関1の運転条件における第2のガス還流率は、ΔGR22で修正された値となる。この置き換えにより、修正した第2のガス還流率GR2が学習される。なお、ガス還流率減少値ΔGR22は、予め実験やシミュレーションにより求めておき、記憶部50mに格納しておく。また、上記ガス還流率増加値ΔGR21とガス還流率減少値ΔGR22とは異なる値としてもよいし、同じ値としてもよい。
運転状態判定部31は、修正した第2のガス還流率GR2のもとで内燃機関1が運転されている状態で、内燃機関1の燃焼変動を判定する(ステップS217)。そして、内燃機関1の燃焼変動が予め定めた所定値未満である場合(ステップS217;Yes)、運転状態判定部31は、内燃機関1の燃焼変動は許容範囲であると判定し、学習を終了させる(ステップS218)。内燃機関1の燃焼変動が予め定めた所定値以上である場合(ステップS217;No)、制御パラメータ設定部32及び還流制御部33は、内燃機関1の燃焼変動が予め定めた所定値未満となるまでステップS214〜S216を繰り返す。
上記ステップS209において、内燃機関1の燃焼変動が予め定めた所定値以上であると運転状態判定部31が判定した場合(ステップS209;No)、内燃機関1の燃焼変動は許容範囲を超えていると考えられる。内燃機関1の燃焼変動が許容範囲を超えると内燃機関1の出力トルク変動により、ドライバビリティを悪化させるおそれがある。このため、改質ガスExrの還流量を減少させ、内燃機関1の燃焼を改善する必要がある。
この場合、制御パラメータ設定部32は、第2のガス還流率GR2を、現在の第2のガス還流率GR2から、予め定めたガス還流率減少値ΔGR22を減算した、修正した第2のガス還流率GR2(GR2−ΔGR22)に設定する(ステップS219)。ここで、予め定めたガス還流率減少値ΔGR22は、上記ガス還流率減少値ΔGR22と同じものである。還流制御部33は、還流流量調整弁5の開度を、修正した第2のガス還流率GR2に相当する開度に制御して、改質ガスExrの還流流量を減少させる(ステップS220)。
次に、制御パラメータ設定部32は、現在の内燃機関1の運転条件における第2のガス還流率GR2を、修正した第2のガス還流率GR2(=GR2−ΔGR22)に置き換える(ステップS221)。すなわち、第2GRマップ62に記述された現在の内燃機関1の運転条件における第2のガス還流率GR2は、学習値ΔGR22で修正された値となり、修正した第2のガス還流率GR2が学習される。
運転状態判定部31は、修正した第2のガス還流率GR2のもとで内燃機関1が運転されている状態で、内燃機関1の燃焼変動を判定する(ステップS222)。そして、内燃機関1の燃焼変動が予め定めた所定値未満である場合(ステップS222;Yes)、運転状態判定部31は、内燃機関1の燃焼変動は許容範囲であると判定し、学習を終了させる(ステップS218)。内燃機関1の燃焼変動が予め定めた所定値以上である場合(ステップS222;No)、制御パラメータ設定部32及び還流制御部33は、内燃機関1の燃焼変動が予め定めた所定値未満となるまでステップS219〜S221を繰り返す。
実施例2では、改質ガスの還流流量を制御するための基準として、第2のガス還流率GR2を用いたが、排ガスExのみを還流させるときの還流流量を決定する第1のガス還流率を基準としてもよい。実施例2においては、許容できない燃焼変動が発生して、第2のガス還流率(すなわち改質ガスの還流流量)に変化があった場合、これを学習する。このため、排ガスExのみを還流させるときの還流流量を決定する第1のガス還流率を基準としても、内燃機関1の運転が進むにしたがって、最大限の改質ガスを還流させる制御が確実に実現できる。
以上、実施例2では、実施例1の構成を備えるので、実施例1と同様の作用、効果を奏する。さらに、実施例2では、許容できない燃焼変動が発生して、第2のガス還流率(すなわち改質ガスの還流流量)に変化があった場合、これを学習する。これにより、改質ガスの還流流量をさらに精密に制御できるので、さらに燃料消費の抑制を図ることができる。また、学習により、燃料消費内燃機関や改質システムの経時変化、あるいは使用者の癖等に柔軟かつ迅速に対応できるので、さらに燃料消費の抑制を図ることができる。なお、実施例2において開示した構成は、以下の実施例においても適宜適用できる。また、実施例2及びその変形例において開示した構成と同様の構成を備える以上、実施例2及びその変形例と同様の作用、効果を奏する。
実施例3は、内燃機関が複数の燃焼室を備える場合、燃焼室へ空気を供給する吸気通路が各燃焼室へ向かって分岐した後に改質ガスを還流させ、各気筒毎の燃焼変動に基づき、各燃焼室に対してそれぞれ独立にガス還流率を決定し、改質ガスの還流流量を決定する点に特徴がある。図8は、実施例3に係る内燃機関の全体構成図である。実施例3に係る内燃機関1aは、各気筒1s1〜1s4が備える各燃焼室に還流される改質ガスExrの流量を、それぞれ独立して制御できるように構成される。このため、改質室21の出口21oに設けられるガス還流通路10は、冷却器12の下流で内燃機関1の各気筒1s1〜1s4が備える燃焼室の数と同じ数に分岐する。そして、各気筒1s1〜1s4の各燃焼室につながるインテークマニホールド71〜74へ接続される。なお、インテークマニホールド71〜74は、内燃機関1の吸気通路を構成する。また、ガス還流通路10の各分岐管101〜104には、それぞれ還流流量調整弁51〜54が設けられており、これによって内燃機関1aの各気筒1s1〜1s4に還流される改質ガスExrの還流流量を、それぞれ独立して制御できる。
実施例3において、内燃機関1aに燃料Feを供給するポート噴射弁61〜64は、各気筒1s1〜1s4それぞれに対して設けられている。このようにすれば、内燃機関1の燃焼をより精密に制御できるので好ましいが、実施例1に係る内燃機関1(図1参照)と同様に、1個のポート噴射弁6により内燃機関1へ燃料を供給してもよい。次に、実施例3に係る内燃機関の運転制御について説明する。なお、実施例3に係る内燃機関の運転制御は、実施例1に係る内燃機関の運転制御装置30(図2)により実現できる。そして、還流流量調整弁51〜54は、前記内燃機関の運転制御装置30の還流制御部33により、ポート噴射弁61〜64は、エンジンECU50内の制御部53により制御される。
図9は、実施例3に係る内燃機関の運転制御を説明するフローチャートである。実施例3に係る内燃機関の運転制御において、ステップS301〜ステップS307は、実施例1に係る内燃機関の運転制御におけるステップS101〜ステップS107と同様なので、説明を省略する。還流制御部33が、決定された第2のガス還流率に基づいて、それぞれの還流流量調整弁51〜54の開度を制御し、また、エンジンECU50の制御部53が、改質用燃料噴射弁24及び各ポート噴射弁61〜64からの燃料噴射量を制御する(ステップS308)。
次に、運転状態判定部31は、気筒カウント数iを0にリセットする(ステップS309)。ここで、iは、実施例3に係る内燃機関1aの運転制御にあたり、制御対象の気筒を特定するものであり、1〜nまで変化する。例えば、i=2のときは、内燃機関の運転制御にあたり、2番気筒を対象とすることになる。ここで、nは、制御対象の内燃機関が備える総気筒数であり、実施例3に係る内燃機関1aではn=4である。
次に、運転状態判定部31は、気筒カウント数i=i+1とする。(ステップS310)。これで、内燃機関1aの1番気筒が制御対象となる。そして、運転状態判定部31は、内燃機関1aのi番気筒(ここでは1番気筒)の燃焼変動を判定する(ステップS311)。そして、i番気筒の燃焼変動が予め定めた所定値未満である場合(ステップS311;Yes)、運転状態判定部31は、i番気筒の燃焼変動は許容範囲であると判定する。i番気筒の燃焼変動が許容範囲であれば、まだ改質ガスExrの還流量を増加させ、内燃機関1aの燃料消費を抑制できる余地がある。
この場合、運転状態判定部31は、内燃機関1の燃焼変動が、予め定めた上記下限値以上であるか否かを判定する(ステップS312)。燃焼変動が、上記下限値未満である場合(ステップS312;No)、制御パラメータ設定部32は、還流流量調整弁5i(ここではi=1)に対する現在の第2のガス還流率GR2iに、予め定めたガス還流率増加値ΔGR21iを加算する。そして、この(GR2i+ΔGR21i)が、新たな第2のガス還流率GR2iとなる(ステップS313)。
還流制御部33は、還流流量調整弁5iの開度を、新たな第2のガス還流率GR2(=GR2i+ΔGR21i)に相当する開度に制御して、改質ガスExrの還流流量を増加させる(ステップS314)。次に、運転状態判定部31は、内燃機関1aのi番気筒の燃焼変動を判定する(ステップS312)。そして、内燃機関1の燃焼変動が予め定めた下限値以上である場合(ステップS312;Yes)、i番気筒は燃焼変動が許容できる限界範囲で運転されていると判定する。その後、i番気筒と同様にすべての気筒に対して燃焼状態を判定し(ステップS315;No)、内燃機関の運転制御装置30は、燃焼変動が許容できる限界範囲ですべての気筒が運転されるように制御する。すべての気筒に対して前記制御が終了したら(ステップS315;Yes)、STARTに戻って内燃機関1aの運転を監視する。
ステップS311で、内燃機関1の燃焼変動が予め定めた所定値以上であると判定された場合(ステップS311;No)、運転状態判定部31は、i番気筒には、許容できない燃焼変動が発生していると判定する。i番気筒の燃焼変動が許容範囲を超えると内燃機関1の出力トルク変動により、ドライバビリティを悪化させるおそれがある。このため、i番気筒に対する改質ガスExrの還流量を減少させ、i番気筒の燃焼を改善する必要がある。
この場合、制御パラメータ設定部32は、還流流量調整弁5i(ここではi=1)に対する現在の第2のガス還流率GR2iから、予め定めたガス還流率減少値ΔGR22iを減算する。そして、この(GR2i−ΔGR22i)が、新たな第2のガス還流率GR2iとなる(ステップS316)。還流制御部33は、還流流量調整弁5iの開度を、新たな第2のガス還流率GR2(=GR2i−ΔGR22i)に相当する開度に制御して、改質ガスExrの還流流量を低減させる(ステップS317)。制御パラメータ設定部32及び還流制御部33は、内燃機関1の燃焼変動が予め定めた所定値未満となるまで(ステップS311;Yes)ステップS316、S317を繰り返す。なお、実施例3に係る上記手順において、許容できない燃焼変動が発生して第2のガス還流率を変更した場合、すなわち、改質ガスの還流流量を変更した場合、実施例2で説明したように、変更の結果を学習してもよい。
以上、実施例3では、実施例1の構成を備えるので、実施例1と同様の作用、効果を奏する。さらに、実施例3では、それぞれの気筒に対して独立に改質ガスの還流流量を制御する。これにより、燃焼変動が許容できる気筒に対しては改質ガスの還流流量を増加できるので、内燃機関全体としてはさらに燃料消費を低減できる。このように、燃焼変動に基づいて、各気筒毎に改質ガスの還流流量をフィードバック制御するので、さらに精密に内燃機関に対する改質ガスの還流流量を制御して、さらなる燃料消費の低減を図ることができる。
以上のように、本発明に係る内燃機関及び内燃機関の運転制御装置は、排ガスに燃料を供給して、水素を含む改質ガスを生成する内燃機関に有用であり、特に、前記改質ガスを可能な限り内燃機関の吸気側に還流させることに適している。
実施例1に係る内燃機関の全体構成図である。 実施例1に係る内燃機関の運転制御装置を示す説明図である。 実施例1に係る内燃機関の運転制御を説明するフローチャートである。 ガス還流率と燃料消費率との関係を示す説明図である。 実施例1に係る第1GRマップの一例を示す説明図である。 実施例1に係る第2GRマップの一例を示す説明図である。 実施例2に係る内燃機関の運転制御を説明するフローチャートである。 実施例2に係る内燃機関の運転制御の学習方法例を示す説明図である。 実施例2に係る内燃機関の運転制御の学習方法例を示す説明図である。 実施例3に係る内燃機関の全体構成図である。 実施例3に係る内燃機関の運転制御を説明するフローチャートである。
符号の説明
1、1a 内燃機関
3 吸気通路
5 還流流量調整弁
6 ポート噴射弁
10 ガス還流通路
10o 出口
11 改質用導管
12 冷却器
20 改質器
21 改質室
22 排気通路
24 改質用燃料噴射弁
30 内燃機関の運転制御装置
31 運転状態判定部
32 制御パラメータ設定部
33 還流制御部
50 エンジンECU
61 第1GRマップ
62 第2GRマップ
481〜484 燃焼圧力センサ

Claims (8)

  1. 吸気通路から供給される空気と燃料との混合気が燃焼することにより駆動する内燃機関であって、
    改質触媒により前記内燃機関から排出される排ガスと燃料との混合気を改質して、水素を含む改質ガスを生成する改質手段と、
    前記内燃機関の駆動中における燃焼変動を検出する燃焼変動検出手段と、
    前記燃焼変動検出手段により検出される燃焼変動に基づいて、前記吸気通路に還流させる前記改質ガスの流量を調整して、前記燃焼変動が許容できる範囲で前記改質ガスを還流させる還流流量調整手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記燃焼変動が予め定めた許容値未満である場合、同一の運転条件において、前記改質ガスの還流量をそれまでよりも増加し、
    前記燃焼変動が前記許容値以上である場合、同一の運転条件において、前記改質ガスの還流量をそれまでよりも低減することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記燃焼変動に基づき、前記改質ガスの還流量が変化した場合、変化後における改質ガスの還流流量を基準として前記改質ガスを還流することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関。
  4. 前記内燃機関が複数の燃焼室を備える場合には、各燃焼室に対してそれぞれ前記改質ガスを還流させるとともに、それぞれの燃焼室での燃焼変動に基づいて、前記燃焼室に還流させる前記改質ガスの流量を調整することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関。
  5. 排ガスと燃料との混合気を改質触媒により改質し、そのとき生成される水素を含む改質ガスが吸気通路に還流する内燃機関を制御する際に用いるものであり、
    前記内燃機関の燃焼変動を取得し、予め定めた燃焼変動の許容値と比較する運転状態判定部と、
    前記燃焼変動と前記許容値との比較結果に基づいて、前記吸気通路に還流させる前記改質ガスの流量を調整して、前記燃焼変動が許容できる範囲で前記改質ガスを還流させる還流制御部と、
    を含んで構成されることを特徴とする内燃機関の運転制御装置。
  6. 前記燃焼変動が予め定めた許容値未満であると前記運転状態判定部が判定した場合、前記還流制御部は、同一の運転条件において、前記改質ガスの還流量をそれまでよりも増加させ、
    前記燃焼変動が前記許容値以上であると前記運転状態判定部が判定した場合、
    前記還流制御部は、同一の運転条件において、前記改質ガスの還流量をそれまでよりも低減させることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の運転制御装置。
  7. 前記燃焼変動に基づき、前記改質ガスの還流量が変化した場合、変化後における改質ガスの還流流量を学習し、変化後における改質ガスの還流流量を基準として前記改質ガスの還流量を設定する制御パラメータ設定部をさらに備えることを特徴とする請求項6又は7に記載の内燃機関の運転制御装置。
  8. 前記内燃機関が複数の燃焼室を備える場合には、前記運転状態判定部は、それぞれの前記燃焼室での燃焼変動を取得し、
    前記還流制御部は、それぞれの前記燃焼室に還流させる前記改質ガスの流量を、それぞれの前記燃焼室に対して調整することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の内燃機関の運転制御装置。
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