JP4122913B2 - 水素利用内燃機関およびその運転方法 - Google Patents

水素利用内燃機関およびその運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4122913B2
JP4122913B2 JP2002280878A JP2002280878A JP4122913B2 JP 4122913 B2 JP4122913 B2 JP 4122913B2 JP 2002280878 A JP2002280878 A JP 2002280878A JP 2002280878 A JP2002280878 A JP 2002280878A JP 4122913 B2 JP4122913 B2 JP 4122913B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amount
hydrogen
hydrogen gas
hydrocarbon fuel
exhaust gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002280878A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004116398A (ja
Inventor
知広 品川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2002280878A priority Critical patent/JP4122913B2/ja
Publication of JP2004116398A publication Critical patent/JP2004116398A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4122913B2 publication Critical patent/JP4122913B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/30Use of alternative fuels, e.g. biofuels

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃焼の燃料として炭化水素燃料と共に水素ガスを用いる水素利用内燃機関、およびその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料としてガソリンを用いる内燃機関では、ガソリンに加えてさらに水素ガスを供給することによって、燃焼反応における希薄限界を拡大させることができるため、排ガス中の窒素酸化物(NOx)のさらなる低減が可能となることが知られている。このように水素を加えて希薄燃焼を行なうと、燃焼温度が低下することにより、内燃機関における熱放出によるエネルギ損失が少なくなり、内燃機関の効率が向上するという効果も得られる。また、希薄燃焼を行なうときには、スロットルバルブをより大きく開くため、内燃機関が吸気を行なう際のエネルギ損失(ポンプ損失)を低減することができ、このことによっても内燃機関の効率向上の効果が得られる。このように、燃料としてガソリンに加えて水素をさらに供給してNOxの低減を図る場合には、水素供給量の割合をある程度以上に大きくすることで、NOx低減の程度を充分に確保できることが知られている。
【0003】
内燃機関から排出される排ガス中のNOxを低減するための他の方法として、燃焼室から排出される排ガスを吸気側に再循環(exhaust gas recirculation、EGR)させる方法も知られている。排ガスを吸気側に再循環させることによって、燃焼温度が低下するため、排ガス中のNOx量が低減される。また、このようなEGRを行なう際に、空燃比が所定の値をとるある条件下において、ガソリンに加えて水素を供給する動作と同時に行なうことで、排ガスNOx量のさらなる低減が可能となる場合があることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−306750号公報
【特許文献2】
特開昭59−43939号公報
【特許文献3】
特開昭53−70219号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水素を供給することでNOx低減を図る場合には、供給ガソリン量に対して充分な割合で水素を供給して排ガス中のNOx量を低減しようとすると、負荷要求が大きいときほど水素供給量を増やすことが必要になってしまう。そのため、ガソリン機関を車両駆動用の動力源として用いる場合のように、負荷変動が大きくかつ準備可能な(搭載可能な)水素量に限りがある場合には、航続距離を確保するために、水素の消費量をできる限り抑えることが求められる。また、EGRによってNOx低減を図る場合には、排ガスを吸気側に供給することによって燃焼が不安定となって運転性が悪化したり、出力が低下したりして、効率の低下を引き起こすおそれがあった。
【0006】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、内燃機関における効率を充分に確保しつつ、排ガス中のNOxを低減すると共に、水素消費量の増大といった不都合を防止するための技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するために、本発明は、燃焼の燃料として炭化水素燃料と共に水素ガスを用いる水素利用内燃機関であって、
燃焼室と、
前記燃焼室に炭化水素燃料を供給する炭化水素燃料供給部と、
前記燃焼室に水素ガスを供給する水素供給部と、
負荷要求に応じて、前記炭化水素燃料供給部から供給する炭化水素燃料供給量と、前記水素供給部から供給する水素ガス供給量とを決定する供給燃料量制御部と、
前記燃焼室に内燃機関排ガスの一部を供給する排ガス供給部と
を備え、
前記供給燃料量制御部は、
前記炭化水素燃料供給量に対する前記水素ガス供給量の割合が所定の値となるように前記負荷要求に応じて前記炭化水素燃料供給量および前記水素ガス供給量を設定すると仮定した場合に、水素ガス供給量が所定の上限値以下となるときには前記設定した水素ガス供給量および炭化水素燃料供給量を実際に供給すべき量とし、前記水素ガス供給量が前記所定の上限値を上回るときには前記所定の上限値を実際に供給すべき水素ガス量とし、
前記排ガス供給部は、前記仮定をした場合に前記水素ガス供給量が前記所定の上限値を上回るときに、前記排ガスの供給を行なうことを要旨とする。
【0008】
このような構成とすれば、負荷要求が比較的小さいときには、炭化水素燃料供給量に対する水素ガス供給量の割合が所定の値となるように、炭化水素燃料に加えて水素ガスを内燃機関に供給するため、希薄燃焼を行なって排ガス中のNOx量を充分に低減することが可能となる。さらに、希薄燃焼を行なうことで、熱放出によるエネルギ損失やポンプ損失を低減して、内燃機関の効率を向上させることができる。また、負荷要求が比較的大きいときには、水素ガス供給量を所定の上限値とするため、水素ガスの消費量を抑えることができる。そして、このように負荷要求が比較的大きいときには、EGRをさらに行なうことで、排ガス中のNOx量を充分に低減可能となる。このようにEGRを行なう場合にも、炭化水素燃料に加えてさらに水素ガスを供給することにより、よりリーンな状態で安定して燃焼を行なうことが可能となり、上記内燃機関の効率を向上させる効果を得ることができる。
【0009】
本発明の水素利用内燃機関において、
前記燃焼室から排出される排ガス中の窒素酸化物量を検出するNOxセンサをさらに備え、
前記排ガス供給部は、前記NOxセンサが検出した窒素酸化物量が所定量を超えるとき、前記燃焼室に供給する前記排ガス量をより増加させることとしても良い。
【0010】
このような構成とすれば、負荷要求が比較的大きいときに、燃焼室に供給する排ガス量を充分に多くすることで、排ガス中のNOx量を充分に低減可能となる。このとき、燃焼室に対しては炭化水素燃料に加えてさらに水素ガスを供給するため、排ガス中のNOx量が充分に低減されるまでEGRを行なう排ガス量を増やしても、良好な燃焼状態を維持することが可能となる。
【0011】
また、本発明の水素利用内燃機関において、
前記内燃機関が出力するトルクの変動を検出するトルク変動検出部をさらに備え、
前記供給燃料量制御部は、前記トルク変動検出部が検出したトルク変動の大きさが所定の値を超える場合には、実際に供給する水素ガス量をさらに増加させることとしても良い。
【0012】
このような構成とすれば、燃焼室に供給される炭化水素燃料や水素ガスの量が、何らかの不都合に起因して不足したり、燃焼室に供給する排ガス量が過剰になることによって燃焼状態が悪化することがあっても、直ちにこのような燃焼状態を改善することができる。
【0013】
本発明の水素利用内燃機関において、
前記水素供給部は、実質的に他の成分を含有しない水素ガスを供給することとしても良い。
【0014】
このような構成とすれば、他の成分が燃焼状態を悪化させるおそれがないため、よりリーンな(空燃比の高い)状態であっても支障なく燃焼を行なわせることが可能となり、このように空燃比を高めることで排ガス中のNOxを低減する効果を充分に得ることが可能となる。ここで、実質的に他の成分を含有しない水素ガスとは、例えば水素濃度が90%以上である水素ガスとすることができる。
【0015】
本発明の水素利用内燃機関において、
前記炭化水素はガソリンであり、
前記炭化水素燃料供給量に対する前記水素ガス供給量の割合である前記所定の値は、熱量比で20%以上に相当する値であることとしても良い。
【0016】
このような構成とすれば、実際に供給する炭化水素燃料量に対する実際に供給する水素ガス量の割合が熱量比で20%以上になる場合には、排ガス中のNOx量を実質的にゼロにすることが可能となる。
【0017】
本発明の水素利用内燃機関において、
前記炭化水素燃料の供給量および水素ガス供給量に応じて、前記排ガス中の窒素酸化物量が充分に少なくなる条件として予め定めた量の空気が取り込まれるように、燃焼に用いる空気の吸入量を制御する吸入空気量制御部を、さらに備えることとしても良い。
【0018】
このように吸入空気量を制御することで、排ガス中のNOx量を削減する効果を充分に高めることができる。排ガス中のNOx量をより少なくするためには、燃焼室での燃焼反応が支障なく進行する範囲でより空燃比が高くなるように吸入空気量を設定すればよい。このように吸入空気量を制御する際には、例えば、排ガス中のNOx量が1g/kWh以下となるように制御することが望ましい。
【0019】
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、内燃機関の運転方法などの形態で実現することが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の全体構成:
B.運転の動作:
C.効果:
D.変形例:
【0021】
A.装置の構成:
図1は、本発明の一実施例である制御装置を備えるエンジン10の概略構成を示す説明図である。周知のようにエンジンは、燃焼室内で燃料を燃焼させ、そのときに発生する燃焼熱を機械的仕事に変換して動力として出力することを動作原理としている。図1に示したエンジン10は、車両の駆動用動力源として車両に搭載されており、円筒状のシリンダが設けられたシリンダブロック11と、シリンダブロック11の上部に組み付けられたシリンダヘッド20と、シリンダ内部で摺動可能に組み付けられたピストン12とで燃焼室を形成する。
【0022】
シリンダブロック11には、燃焼室内の燃焼圧を検出するための燃焼圧センサ42が設けられている。また、シリンダヘッド20には、燃焼室内に空気を吸入するための吸気弁22と、燃焼室内から排気ガスを排出するための排気弁21と、点火プラグ23と、燃料を噴射するためのインジェクタ35が設けられている。インジェクタ35は、通電制御により開閉駆動されて燃料を噴射する電磁弁である。このインジェクタ35には、圧力センサ57が併設されており、ガソリン高圧ポンプ58で所定の圧力に加圧された燃料が供給されている。インジェクタ35から噴射された燃料は燃焼室内で蒸発し、吸気弁22を介して導入される空気と混合して混合気を形成する。また、シリンダヘッド20には、燃焼室に空気を導くための吸気マニホールド30と、燃焼室から排出された排気ガスを導くための排気マニホールド16とが取り付けられている。
【0023】
吸気マニホールド30は、サージタンク31と、吸気通路32とを介してエアクリーナ34に接続されている。外気はエアクリーナ34を通過する際に、エアクリーナに設けられたエレメントによって異物が除去される。エアクリーナ34の下流側の吸気通路32には、吸入空気量を検出するためのエアフロメータ33が設けられている。また、吸気通路32において、エアフロメータ33とサージタンク31との間には、燃焼室から排出された排ガスを導入するためのEGRバルブ38が設けられている。EGRとは、既述したように、燃焼室から排出される排ガスを吸気側に再循環させることであるが、本実施例で実行されるEGRの動作については後に詳しく説明する。さらに、吸気通路32において、EGRバルブ38とサージタンク31の間には、水素ガスを噴射するための水素インジェクタ39が取り付けられている。水素インジェクタ39は、水素流路54を介して、水素を貯蔵する水素タンク50と接続している。水素流路54には水素ポンプ52が設けられると共に、水素タンク50と水素流路54との接続部には圧力センサが設けられており、水素ポンプ52によって所定圧に加圧された水素が、水素インジェクタ39に供給される。水素インジェクタ39は、通電制御により開閉駆動されて水素を噴射する電磁弁である。水素インジェクタ39から噴射された水素は、吸気通路32内の空気と混合して燃焼室に供給される。
【0024】
サージタンク31の下流側の吸気マニホールド30内には、燃焼室に流入する空気量を調整するためのスロットルバルブ36が設けられている。このスロットルバルブ36は、スロットルモータ37によって開閉駆動され、エンジン10において所望の吸入空気量が実現される。
【0025】
排気マニホールド16は、NOxセンサ59を備えると共に、触媒コンバータ54に接続されている。エンジン10から排出される排ガスには、空気中の窒素が反応することによって生成される窒素酸化物(NOx)が含まれ、NOxセンサ59は、排ガス中のNOx量を検出する。触媒コンバータ54は、エンジン10から排出される排ガスを浄化するための触媒を備えている。すなわち、排ガス中の不完全燃焼成分である炭化水素(HC)および一酸化炭素(CO)を酸化すると共に、上記NOxを還元する三元触媒を備えている。この触媒の働きによって触媒コンバータ54で浄化された排ガスは、大気中に排出される。
【0026】
さらに、排気マニホールド16には、ここから分岐する流路であるEGR流路44が設けられている。本実施例のエンジン10では、燃焼室に対して、外部から取り入れた吸入空気に加えて、燃焼室から排出される排ガスの一部を環流(EGR)させる運転状態を、選択可能となっている。排ガスの一部は、上記EGR流路44を介して、既述したEGRバルブ38から吸気通路32内に供給され、吸入空気に混合される。このEGRバルブ38の開弁制御を行なうことで、燃焼室に環流させるガス量(EGRガス量)を調節している。
【0027】
ピストン12は、クランク機構を介してクランクシャフト17に接続されている。クランクシャフト17が回転すると、クランク機構の働きによって回転運動が往復直線運動に変換されて、ピストン12がシリンダ内を上下に摺動する。また、ピストン12が上下動する動きは、クランク機構によってクランクシャフト17の回転運動に変換される。排気弁21を閉じ、吸気弁22を開いた状態でピストン12が下降すると、吸気マニホールド30内の空気と燃料とが、吸気弁22から燃焼室内に流入する。次いで吸気弁22を閉じてピストン12を上昇させ、吸入した混合気を圧縮した後、点火プラグ23から火花を飛ばすと、ピストン12によって圧縮された混合気が爆発的に燃焼して、ピストン12を下方に押し下げる。この力はクランク機構によって回転運動に変換されて、クランクシャフト17から動力として出力される。クランクシャフト17の先端には、クランクシャフトの回転位置を検出するためのクランク角度センサ41が設けられている。
【0028】
電子制御ユニット(以下、ECU)40は、燃料噴射制御や、点火時期制御、あるいはEGR制御などの、エンジン10の全体の動作を制御する。このECU40は、中央処理装置(以下、CPU)、ROM、RAM、入出力回路などがバスによって相互に接続されて構成された論理演算回路である。
【0029】
ECU40によるこうした制御は、運転者の操作したアクセル開度や、エンジンの回転速度、吸入空気量などの各種運転条件をECU40が検出し、ROMに格納されている各種プログラムに従って、スロットルモータ37、点火プラグ23、インジェクタ35、水素インジェクタ39などを駆動することによって行われる。アクセル開度は、アクセルペダルに設けられたアクセル開度センサ44によって検出される。エンジン回転速度は、既述したクランクシャフト17に設けられたクランク角度センサ41の検出信号に基づいて算出される。また、吸入空気量は、吸気通路32に設けたエアフロメータ33の検出信号に基づいて求められる。
【0030】
燃料噴射制御とは、燃焼室内に導入される空気量に合わせて適切な量の燃料を噴射することにより、燃焼室内に形成される混合気の空気と燃料との比率(空燃比)を適切な値に保つための制御である。なお、本実施例では、燃料噴射量の制御としては、インジェクタ35から噴射されるガソリン量と共に、水素インジェクタ39から噴射される水素量が制御される。
【0031】
点火時期制御は、ピストン12の上昇に合わせて適切なタイミングで火花を飛ばすための制御である。EGR制御は、燃焼室から排出される排ガスのうちの所定量を燃焼室に環流させることによって、排ガス中のNOxを低減するための制御である。
【0032】
B.運転の動作:
図2は、本実施例のエンジン10の稼働中に、ECU40において所定の周期で繰り返し実行されるNOx低減処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンが実行されると、ECU40は、まず、エンジン10の回転速度およびアクセル開度を取得する(ステップS100)。エンジン10の回転速度およびアクセル開度を取得すると、ECU40は、これに基づいてエンジン10における要求トルクを算出して(ステップS110)、ガソリン噴射量、水素噴射量、吸入空気量を、それぞれQG ’(cc/st )、QH ’(cc/st )、P’に設定する(ステップS120)。
【0033】
図3は、実施例と同様のエンジンにおいて、ガソリンと水素とを種々の量比で噴射して、そのときの排ガス中のNOx量を調べた結果を表わす図である。図3では、ガソリンと水との量比を異ならせた各条件においてそれぞれ吸入空気量を変化させて、排ガス中のNOx濃度が最も低くなったとき、すなわち吸入空気量(空燃比)が最適となったときの測定値を、その条件における排ガス中NOx量としている。そのため、図3に示した各測定結果では、測定時の空燃比は必ずしも同一ではない。吸入空気量の最適値についてさらに説明する。エンジンに対して、ガソリンに加えてさらに水素を供給すると、より高い空燃比で支障なく燃焼反応が進行可能となる。このとき、支障なく燃焼反応が進行する範囲であれば、できるだけ空気量を増加させた方が、燃焼温度が低下することによって排ガス中のNOx量をより低減可能となる。しかしながら、空気量を過剰にしてしまうと、失火などの不都合が生じるようになる。そのため、吸入空気量の最適値とは、支障なく燃焼反応が進行する範囲での吸入空気量の最大値としてとらえることができる。
【0034】
図3に示すように、吸入空気量(空燃比)を最適値に調節する場合には、ガソリンに対する水素の割合が熱量比で30%以上(全熱量に対する水素の熱量の割合が22%以上)に相当する値のときに、排ガス中のNOx量を実質的にゼロにすることができる。そのため、本実施例では、ガソリン噴射量に対する水素噴射量の割合が熱量比で30%となるように、ステップS120においてガソリン噴射量設定値QG ’と水素噴射量設定値QH ’とを定めている。
【0035】
本実施例では、ECU40において、エンジン10における要求トルクと、これに対応するガソリン噴射量、水素噴射量および吸入空気量が、予めマップとして記憶されている。すなわち、エンジン10で熱エネルギを機械的仕事に変換して所定の要求トルクを得るために必要な燃料量(熱量比が上記値となるガソリン噴射量と水素噴射量)と、このときの吸入空気量の最適値とが、要求トルクに対して予め記憶されている。上記したように、吸入空気量の最適値は、実験的に定めた値である。ステップ120では、ステップS110で算出した要求トルクに基づいて、上記マップを参照してガソリン噴射量設定値QG ’、水素噴射量設定値QH ’および吸入空気量設定値P’を定める。
【0036】
次に、ステップS120で設定した水素噴射量QH ’と、所定の基準値Q0 (cc/st )とを比較する(ステップS130)。ここで基準値Q0 とは、水素噴射量の上限値として予め設定してECU40内に記憶させた値である。
【0037】
ステップS130において、水素噴射量設定値QH ’が基準値Q0 以下であると判断されたときには、水素噴射量QH (cc/st )、ガソリン噴射量QG (cc/st )および吸入空気量Pのそれぞれを、ステップS120で設定したQH ’、QG ’およびP’に決定する。また、EGRバルブ38の開度(EGR開度)をゼロ、すなわちEGRガス量をゼロに決定する。そして、水素インジェクタ39、インジェクタ35、スロットルモータ37、EGRバルブ38に対して、噴射量やガス量が上記の値となるように駆動信号を出力する(以上、ステップS140)。なお、エンジン10における回転速度に対応して、所定の吸入空気量とするためのスロットル開度が予め実験的に設定されて、ECU40内にマップとして記憶されている。そのため、ステップS140では、ステップS100で検出したエンジン回転速度と、ステップS120で決定した吸入空気量Pとに基づいて、上記マップを参照することによってスロットル開度を決定し、スロットルモータ37を駆動している。
【0038】
ステップS140において、上記のように駆動信号を出力すると、ステップS10に移行してトルクの検出を行なう。このステップS10以下の処理については、後に説明する。
【0039】
ステップS130において、水素噴射量設定値Q’が所定の基準値Q0 よりも大きいと判断されると、水素噴射量QH は、上記基準値Q0 に決定される。また、ガソリン噴射量QG は、ステップS120で設定されたガソリン噴射量設定値QG ’よりも大きな値に決定される(QG =QG ’+α)。ここで、ガソリン噴射量設定値QG ’に対する増し分であるαは、ステップS110で算出した要求トルクを得るために、ガソリン噴射量を補正するためのものである。すなわち、水素噴射量QH を、水素噴射量設定値QH ’よりも小さいQ0 に抑えたことによる出力エネルギの減少を、ガソリン噴射量の増加によって補うための増し分である。また、吸入空気量Pは、ステップS120で設定したP’に決定される。さらに、EGRバルブ38の開度は、予め定めた所定の開度であるB%に決定される。そして、水素インジェクタ39、インジェクタ35、スロットルモータ37、EGRバルブ38に対して、噴射量やガス量が上記の値となるように駆動信号を出力する(以上、ステップS150)。なお、吸入空気量の制御は、ステップS140と同様に、検出したエンジン回転速度と決定した吸入空気量Pとに基づいて、所定のマップを参照してスロットル開度を決定することによって行なっている。
【0040】
なお、上記の説明では、ステップS120およびステップS130の後に、ステップS140とステップS150のうちのいずれかを行なうこととしているが、実際には、これらの工程はそれぞれ別個に行なうわけではない。エンジン10では、これらの判断が同時に行なわれるように、要求トルクに基づいて水素噴射量を定めるためのマップとして、水素噴射量の上限を最初からQ0 に抑えて設定したマップが用意されている。すなわち、ガソリン噴射量に対する水素噴射量の割合を熱量比で30%にすると水素噴射量QH ’が基準値Q0 を超えてしまう場合には、水素噴射量としてはQ0 が、ガソリン噴射量としては水素噴射量を補って要求トルクを実現可能となる量が、それぞれ記憶されているマップが用意されている。そして、このように水素噴射量QH が基準値Q0 に設定される要求トルクに対しては、吸入空気量Pについても、そのときの水素噴射量QH とガソリン噴射量QG に応じた量が記憶されている。さらに、エンジン回転速度に基づいてスロットル開度を設定するためのマップとして、EGR開度がB%のときのものを記憶しており、水素噴射量QH が基準値Q0 に設定される場合には、このマップを参照してスロットル開度を設定する。
【0041】
次に、NOxセンサ59から検出信号を取得して(ステップS160)、検出した排ガス中のNOx量と、所定の基準値C(ppm )と比較する(ステップS170)。ここで、所定の基準値Cとは、排ガス中のNOx量として許容できる上限値であり、予め設定してECU40に記憶したものである。
【0042】
ステップS170において、排ガス中のNOx量が所定の基準値C以下であると判断されると、ステップS10に移行してトルクの検出を行なう。このステップS10以下の処理については、後に説明する。
【0043】
ステップS170において、排ガス中のNOx量が所定の基準値Cよりも大きいと判断されると、EGR開度を、ステップS150で決定した開度B%に増加量F%を加えた開度として、改めて決定する(ステップS180)。ここで、増加量F%は、EGRガス量を増加させる際のEGR開度の最少増加量として、予め設定した値である。このようにEGR開度を改めて決定してEGRバルブ38を駆動すると、その後ステップS160に戻って、ステップS160以下の処理を繰り返す。このように燃焼室に環流させるEGRガス量を増やすと、燃焼温度が低下することで排ガス中のNOx濃度は低下する。そのため、ここでは、排ガス中のNOx量が上記基準値C以下になるまで、EGR開度をF%ずつ大きくしていく制御を繰り返す。なお、ステップS180においてEGR開度を増加させることで、空燃比が変化するため、吸入空気量の補正を行なう構成も可能である。また、EGR開度を増加させることで、エンジン回転速度と吸入空気量とスロットル開度との対応関係も変化してしまうため、これに対する補正を行なうことも可能である。しかしながら、上記増加量F%は、非常に小さい値が設定されており、吸入空気量に対する影響が少ないため、本実施例では吸入空気量(スロットル開度)の補正は行なわないこととしている。
【0044】
ステップS140の後、または、ステップS170においてNOx量が基準値C以下であると判断された後は、エンジン10における出力トルクの検出を行ない、トルク変動の大きさを、基準値D(Nm)と比較する(ステップS190)。エンジン10における燃焼状態に支障があると、トルク変動は大きくなる。基準値Dは、エンジン10における燃焼状態が支障なく進行していると判断するための基準値として予め設定して、ECU40に記憶したものである。
【0045】
ここで、エンジン10における出力トルクの検出について説明する。エンジン10では、エンジンの回転速度を計測することによってトルクを検出している。以下に、図4を用いて、トルク検出の原理を簡単に説明する。図4は、4つの燃焼室を備えたいわゆる4気筒エンジンにおいて、エンジンの回転速度や出力トルクが変化する様子を示した説明図である。エンジンの回転速度は、エンジンが定常状態で運転されている場合でも、実際にはクランク角度と共に変動している。このような変動が生じるのは、それぞれの燃焼室において、位相を少しずつ異にしながら、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程が繰り返し行なわれていることによる。図4(A)は、クランク角度に対してエンジン回転速度が変動する様子を示している。図4(B)は、クランク角度に対して出力トルクが変動する様子を示している。また、図4(C)には、1番気筒についての4つの工程と、各気筒についての燃焼室内の圧力とが示されている。各気筒では、膨張行程の最初だけがエネルギを出力する状態となり、他はエネルギを消費する状態となる。そのため、いずれかの気筒が膨張行程に入るのに伴ってエンジン10の出力トルクは増大し、これによってエンジン回転速度が上昇する。したがって、出力トルクは、エンジン回転速度の変化率に基づいて算出することができる。支障なく燃焼反応が進行する場合には、エンジン回転速度も出力トルクも所定の変動幅の中に収まって変動する。しかしながら、燃焼状態に不具合が生じた場合には、異常が生じた気筒で所望のエネルギが出力されないことにより、出力トルクは上記所定の変動幅を超える異常な変動を示すようになる。実際には、所定のクランク角度に対応した2点で計測したエンジン回転速度の差異を求め、この差異が所定値以上となることによって、トルク変動の大きさが所定の基準値以上になったと判断することができる。なお、エンジン10の出力トルクは、エンジン回転速度に基づいて検出するほかに、燃焼圧センサ42の検出信号に基づいて検出したり、トルクセンサを設けて直接検出することとしても良い。
【0046】
ステップS190において、トルク変動の大きさが基準値D以下であると判断されるときには、本ルーチンを終了する。また、ステップS190において、トルク変動の大きさが基準値Dを上回ると判断されるときには、先の工程で決定された水素噴射量に増加量G(cc/st )を加えた値を、水素噴射量として新たに決定する(ステップS200)。すなわち、このステップS200が、ステップS140において水素噴射量QH =QH ’と決定した後の工程である場合には、改めて水素噴射量QH =QH ’+Gと決定し直す。また、このステップS200が、ステップS150において水素噴射量QH =Q0 と決定した後の工程である場合には、改めて、水素噴射量QH =Q0 +Gと決定し直す。ここで、増加量Gは、水素噴射量を増加させる際の最少増加量として、予め設定した値である。トルク変動が大きいということは、既述したように燃焼状態に不都合が生じていると考えられるため、本実施例では、水素噴射量を増量することによって、燃焼状態の改善を図っている。
【0047】
ステップS200において水素噴射量QH を増加すると、次にステップS160に戻って、ステップS160以下の処理を実行する。水素噴射量を増加させることにより、燃料量が確保されて燃焼状態は改善されると考えられるが、燃焼室内は、よりリッチな状態となるため、排ガス中のNOx濃度が上昇してしまうおそれがある。そのため、ステップS200において水素噴射量を増加させた後は、排ガス中のNOx量を検出して、排ガス中のNOx量が許容範囲であるかどうかを確認する。排ガス中のNOx量が許容量を超える場合には、環流させるEGRガス量を増量させることで、排ガス中のNOx量の低減を図る。このように、トルク変動の大きさの不具合は水素噴射量の増加で改善し、これによるNOx量の増加があるときには、EGRガス量の増加によってNOx量を改善する。最終的にステップS190においてトルク変動の大きさが基準値D以下になると、本ルーチンを終了する。
【0048】
C.効果:
以上のように構成された本実施例のエンジン10によれば、水素の消費量を抑えつつ、効率向上と排ガス中のNOx低減とを実現することができる。すなわち、燃料としてガソリンに加えて水素を用いるため、よりリーンな状態で燃焼を行なうことができ、排ガス中のNOxを低減することができる。また、既述したように、熱放出によるエネルギ損失やポンプ損失を抑えて内燃機関の効率を向上させることができる。このとき、低負荷状態(要求トルクが所定値以下)のときには、ガソリン噴射量と水素噴射量とを所定の量比で用いることにより、排ガス中のNOx量を極めて少なくすることができる。また、高負荷状態(要求トルクが所定値を超える)のときには、水素の供給量を所定の上限値とするため、水素の消費量を抑えることができる。そして、さらにEGRを行なうことで、排ガス中のNOx量を、充分に少なくすることができる。したがって、負荷が大きく変動する場合であっても、全体として水素の消費量を抑えつつ、排ガス中のNOx量が充分に少ない状態に保ち、内燃機関の効率が充分に高い状態を維持することができる。
【0049】
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0050】
D1.変形例1:
上記実施例では、排ガス中のNOx量をほぼ確実にゼロとするために、ガソリン噴射量に対する水素噴射量の割合を、熱量比で30%に相当する値としたが、異なる割合を設定しても良い。例えば、上記熱量比で20%あるいは25%に相当する値となるように、より低い値を設定しても良い。実際には、特に負荷(エンジンにおける要求トルク)が小さいときには、水素噴射量の割合をより低くしても、通常は排ガス中のNOx量を充分にゼロに近づけることが可能となる。
【0051】
D2.変形例2:
上記実施例では、排ガス中のNOx量を低減する制御を行なう際に、負荷状態を低負荷状態と高負荷状態との2段階に分けているが、負荷状態をさらに多くの段階に分けることとしても良い。例えば、負荷状態を、低負荷状態と中負荷状態と高負荷状態の3段階に分けて制御を行なっても良い。すなわち、低負荷状態のときには、実施例の低負荷状態と同様に、所望のトルクを出力可能であって、ガソリン噴射量に対する水素噴射量の割合が所定の値(例えば30%)となるように、噴射量を定めて、NOx量の低減を図る。そして、中負荷状態のときには、水素噴射量を第1の上限値に抑えてガソリン噴射量を決定し、NOx量が充分に低減されるようにEGRを行なう。高負荷状態のときには、水素噴射量を、上記第1の上限値よりも大きな第2の上限値に抑えてガソリン噴射量を決定し、NOx量が充分に低減されるようにEGRを行なう。このような構成とすれば、水素噴射量の上限値を複数段設けて、EGRを効率よく行なうことで、水素の消費量を抑える効果をさらに高めることができる。高負荷状態における水素噴射量の上限値は、最大負荷のときに、NOx量が充分に少なくなるまでEGRガス量を増やしても、支障なく燃焼反応を進行することができる量として設定すればよい。そのため、最大負荷に応じて定められるこのような上限値よりも小さな値である第1の上限値を、中負荷状態のときに用いることで、全体として水素消費量を削減することが可能となる。
【0052】
D3.変形例3:
実施例では、ステップS200で水素噴射量を増加させた後は、排ガス中のNOx量を検出して、必要に応じてEGR開度を調節することとしたが、ステップS200の後は、NOx量の検出は行なわない構成も可能である。これは、トルク変動を抑えるために必要な水素追加量は、通常は、A/F(空気量と燃料量の比)に影響しないほどごくわずかでよいことによる。このように、A/Fに影響しない極めて小さな値に水素増加量Gを設定して、燃焼状態を改善することが可能であり、このときの排ガス中のNOx増加量は無視する構成とすることができる。この場合には、ステップS200で水素噴射量を増加させた後は、ステップS190に戻ってトルク変動の大きさを再び確認することとすればよい。
【0053】
D4.変形例4:
実施例では、排気側には三元触媒を配設することとしたが、三元触媒に代えて酸化触媒を用いることとしても良い。従来、EGRによってNOxを低減する場合には、燃焼を確保するためにEGRガス量を控える必要があるため、NOx量を充分なレベルにまで低減することは困難であった。したがって、通常は、後段の三元触媒によりNOxをさらに低減していた。本発明に基づき水素添加により燃焼を確保する場合には、NOxを充分に低減可能となるように充分量のEGRガスを用いることが可能である。そのため、後段触媒によらずに充分にNOxを低減できる。なお、この場合にも排ガス中にHCは含有されるが、三元触媒ではなく酸化触媒を用いればよいため、上記のように希薄燃焼を行なう内燃機関に容易に適用できる。
【0054】
D5.変形例5:
実施例では、ガソリンは燃焼室内に噴射(直噴)し、水素は吸気通路32内に噴射(ポート噴射)することとしたが、種々の変形が可能である。ガソリンの噴射位置と水素の噴射位置のそれぞれについて、直噴とポート噴射のいずれを選択することも可能である。
【0055】
また、実施例では、EGRガスの供給位置を、サージタンク31よりも上流側にして、EGRガスと空気との混合状態を確保しているが、異なる位置からEGRガスを供給することとしても良い。より下流側からEGRガスを供給することとすれば、燃焼室に導入されるガス温度をより上昇させることができ、燃費向上を図ることができる。
【0056】
D6.変形例6:
実施例では、燃焼室に水素を供給するために水素タンク50を備えることとしたが、ガソリンを改質して生成した水素を燃焼室に供給することとしても良い。しかしながら、改質ガスは、通常、水素濃度が21%程度であり、COや窒素をさらに含んでいる。燃焼の燃料としてCOを用いると、燃焼効率の低下につながる。また、窒素(不活性ガス)を含む改質ガスを燃焼室に供給することは、水素とEGRとを同時に入れることと同じとなる。したがって、負荷が比較的小さいときに、水素を加えることで効率を向上させる効果をより充分に得るためには、改質ガスを用いる場合には、内燃機関に供給するのに先立って、COを除去したり、あるいは水素純度を上げる工程を行なうことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である制御装置を備えるエンジン10の概略構成を示す説明図である。
【図2】 NOx低減処理ルーチンを表わすフローチャートである。
【図3】 ガソリンと水素とを種々の量比で噴射して、そのときの排ガス中のNOx量を調べた結果を表わす図である。
【図4】 4気筒エンジンにおいて、エンジンの回転速度や出力トルクが変化する様子を示した説明図である。
【符号の説明】
10…エンジン
11…シリンダブロック
12…ピストン
16…排気マニホールド
17…クランクシャフト
20…シリンダヘッド
21…排気弁
22…吸気弁
23…点火プラグ
30…吸気マニホールド
31…サージタンク
32…吸気通路
33…エアフロメータ
34…エアクリーナ
35…インジェクタ
36…スロットルバルブ
37…スロットルモータ
38…EGRバルブ
39…水素インジェクタ
40…ECU
41…クランク角度センサ
42…燃焼圧センサ
44…EGR流路
44…アクセル開度センサ
50…水素タンク
52…水素ポンプ
54…触媒コンバータ
54…水素流路
57…圧力センサ
58…ガソリン高圧ポンプ
59…NOxセンサ

Claims (7)

  1. 燃焼の燃料として炭化水素燃料と共に水素ガスを用いる水素利用内燃機関であって、
    燃焼室と、
    前記燃焼室に炭化水素燃料を供給する炭化水素燃料供給部と、
    前記燃焼室に水素ガスを供給する水素供給部と、
    負荷要求に応じて、前記炭化水素燃料供給部から供給する炭化水素燃料供給量と、前記水素供給部から供給する水素ガス供給量とを決定する供給燃料量制御部と、
    前記燃焼室に内燃機関排ガスの一部を供給する排ガス供給部と
    を備え、
    前記供給燃料量制御部は、
    前記炭化水素燃料供給量に対する前記水素ガス供給量の割合が、熱量比で20%以上に相当する予め定めた割合となるように前記負荷要求に応じて前記炭化水素燃料供給量および前記水素ガス供給量を設定すると仮定した場合に
    素ガス供給量が所定の上限値以下となるときには前記設定した水素ガス供給量および炭化水素燃料供給量を実際に供給すべき量とし
    記水素ガス供給量が前記所定の上限値を上回るときには前記所定の上限値を実際に供給すべき水素ガス量とすると共に、前記水素ガス供給量が前記所定の上限値を上回る量に対応して、実際に供給すべき前記炭化水素燃料供給量を増加させる補正を行ない、
    前記排ガス供給部は、前記仮定をした場合に前記水素ガス供給量が前記所定の上限値を上回るときに、前記排ガスの供給を行なう
    水素利用内燃機関。
  2. 請求項1記載の水素利用内燃機関であって、
    前記燃焼室から排出される排ガス中の窒素酸化物量を検出するNOxセンサをさらに備え、
    前記排ガス供給部は、前記NOxセンサが検出した窒素酸化物量が所定量を超えるとき、前記燃焼室に供給する前記排ガス量をより増加させる
    水素利用内燃機関。
  3. 請求項1または2記載の水素利用内燃機関であって、
    前記内燃機関が出力するトルクの変動を検出するトルク変動検出部をさらに備え、
    前記供給燃料量制御部は、前記トルク変動検出部が検出したトルク変動の大きさが所定の値を超える場合には、実際に供給する水素ガス量をさらに増加させる
    水素利用内燃機関。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の水素利用内燃機関であって、
    前記水素供給部は、水素濃度が90%以上であるガスを供給する
    水素利用内燃機関。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の水素利用内燃機関であって、
    前記炭化水素はガソリンであ
    水素利用内燃機関。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載の水素利用内燃機関であって、
    前記炭化水素燃料の供給量および水素ガス供給量に応じて、失火を生じることなく燃焼反応が進行可能となる吸入空気量の最大値に相当する量の空気が取り込まれるように、燃焼に用いる空気の吸入量を制御する吸入空気量制御部を、さらに備える
    水素利用内燃機関。
  7. 燃焼の燃料として炭化水素燃料と共に水素ガスを用いる水素利用内燃機関の運転方法であって、
    (a)前記内燃機関の燃焼室に供給する炭化水素燃料供給量と水素ガス供給量とを、負荷要求に応じて決定する工程と、
    (b)前記(a)工程の決定に従って、前記燃焼室に炭化水素燃料を供給する工程と、
    (c)前記(a)工程の決定に従って、前記燃焼室に水素ガスを供給する工程と、
    (d)前記燃焼室に対して、該内燃機関から排出された排ガスの一部を所定の条件下で供給する工程と
    を備え、
    前記(a)工程は、
    前記炭化水素燃料供給量に対する前記水素ガス供給量の割合が、熱量比で20%以上に相当する予め定めた割合となるように前記負荷要求に応じて前記炭化水素燃料供給量および前記水素ガス供給量を設定すると仮定した場合に
    素ガス供給量が所定の上限値以下となるときには、前記設定した水素ガス供給量および炭化水素燃料供給量を実際に供給すべき量として決定する工程と、
    前記水素ガス供給量が前記所定の上限値を上回るときには、前記所定の上限値を実際に供給すべき水素ガス量として決定すると共に、前記水素ガス供給量が前記所定の上限値を上回る量に対応して、実際に供給すべき前記炭化水素燃料供給量を増加させる補正を行なう工程と、を含み、
    前記(d)工程は、前記仮定をした場合に前記水素ガス供給量が前記所定の上限値を上回るときに、前記排ガスの供給を行なう工程を含む
    水素利用内燃機関の運転方法。
JP2002280878A 2002-09-26 2002-09-26 水素利用内燃機関およびその運転方法 Expired - Fee Related JP4122913B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002280878A JP4122913B2 (ja) 2002-09-26 2002-09-26 水素利用内燃機関およびその運転方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002280878A JP4122913B2 (ja) 2002-09-26 2002-09-26 水素利用内燃機関およびその運転方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004116398A JP2004116398A (ja) 2004-04-15
JP4122913B2 true JP4122913B2 (ja) 2008-07-23

Family

ID=32275470

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002280878A Expired - Fee Related JP4122913B2 (ja) 2002-09-26 2002-09-26 水素利用内燃機関およびその運転方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4122913B2 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT414265B (de) 2004-05-21 2006-10-15 Ge Jenbacher Gmbh & Co Ohg Verfahren zum regeln einer brennkraftmaschine
JP4232708B2 (ja) * 2004-07-26 2009-03-04 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP4120625B2 (ja) 2004-07-29 2008-07-16 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP4232710B2 (ja) * 2004-07-30 2009-03-04 トヨタ自動車株式会社 水素添加内燃機関の制御装置
JP4003764B2 (ja) 2004-08-04 2007-11-07 トヨタ自動車株式会社 水素添加内燃機関の制御装置
JP4103867B2 (ja) 2004-08-04 2008-06-18 トヨタ自動車株式会社 水素添加内燃機関の制御装置
JP4525282B2 (ja) * 2004-10-04 2010-08-18 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP4552590B2 (ja) * 2004-10-14 2010-09-29 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP4492304B2 (ja) * 2004-11-16 2010-06-30 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
US7789047B2 (en) 2005-05-24 2010-09-07 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Hydrogen-fueled internal combustion engine
JP2008121690A (ja) * 2008-02-07 2008-05-29 Toyota Motor Corp 水素添加内燃機関の制御装置
KR101106268B1 (ko) 2009-03-05 2012-01-18 한국기계연구원 혼소 엔진의 미연 탄화수소 저감을 위한 배기가스 재순환 시스템
JP2012122383A (ja) * 2010-12-07 2012-06-28 Kazusumi Tomiyoshi 内燃機関システム
JP5788775B2 (ja) * 2011-11-25 2015-10-07 大阪瓦斯株式会社 エンジン
CN105673199B (zh) * 2016-03-01 2018-01-23 上海交通大学 带egr的进气掺氢富氧汽油发动机燃烧的控制方法
DE102021006374A1 (de) 2021-12-28 2023-06-29 2G Energy AG Verfahren zum Betrieb einer Brennkraftmaschine mit Gasgemischen hoher Flammengeschwindigkeit und niedriger Zündenergie sowie entsprechende Brennkraftmaschine
CN114961942B (zh) * 2022-06-14 2024-04-16 潍柴动力股份有限公司 一种减少甲烷排放的方法及装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5110221A (ja) * 1974-07-15 1976-01-27 Nissan Motor Nainenkikan
JPS5851142B2 (ja) * 1979-02-05 1983-11-15 日産自動車株式会社 アルコ−ル改質ガスエンジンの空気過剰率制御装置
JPS58133461A (ja) * 1982-01-29 1983-08-09 インスチツ−ト・プロブレム・マシノストロエニア・アカデミ−・ナウク・ウクラインスコイ・エスエスエル 気化器付き内燃機関への供給方法とそのための気化器
JP2824663B2 (ja) * 1989-06-22 1998-11-11 ヤマハ発動機株式会社 内燃機関の燃料供給装置
JPH0610772A (ja) * 1992-06-26 1994-01-18 Mazda Motor Corp 水素エンジン
JPH10306750A (ja) * 1997-05-09 1998-11-17 Nichijiyuu New Material Kk ガソリン機関の燃焼方法
JP3642171B2 (ja) * 1998-02-13 2005-04-27 日産自動車株式会社 ディーゼルエンジンの排気浄化装置
JP2001152879A (ja) * 1999-11-26 2001-06-05 Toyota Motor Corp 内燃機関のegr制御装置
JP4169237B2 (ja) * 2000-06-19 2008-10-22 株式会社小松製作所 内燃機関の排気再循環制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004116398A (ja) 2004-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4122913B2 (ja) 水素利用内燃機関およびその運転方法
US6505465B2 (en) Device for controlling an internal combustion engine
US5839275A (en) Fuel injection control device for a direct injection type engine
EP0987419B1 (en) Internal combustion engine
US5979398A (en) Compression-ignition type engine
KR20060051868A (ko) 엔진
US8904754B2 (en) Control apparatus and control method for internal combustion engine
US5947097A (en) Apparatus and method for controlling intake air amount in engines that perform lean combustion
US6637191B1 (en) Method and system for diagnosing a secondary air supply for an internal combustion engine
JP3988518B2 (ja) 内燃機関の排ガス浄化装置
JP4720779B2 (ja) 排気温度低減制御装置及び方法
EP2251539B1 (en) Electric current supply control apparatus for glow plug, and glow plug and electric current supply apparatus connected to the glow plug
JP4888307B2 (ja) 内燃機関
EP1088983B1 (en) A control system for a direct injection engine of spark ignition type
GB2363476A (en) Controlling fuel vapour purging in stratified combustion mode of DISI engine
JP2007077913A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2007211608A (ja) 水素エンジンの制御装置
JP2009138695A (ja) 内燃機関
JP4325505B2 (ja) 圧縮着火内燃機関の燃焼制御システム
JP4134861B2 (ja) 予混合圧縮着火式内燃機関の制御装置
JP4432386B2 (ja) 内燃機関
JPH05296111A (ja) 希薄燃焼内燃機関及びその制御方法
JPH11247688A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4807125B2 (ja) 圧縮着火内燃機関の着火時期制御装置
JP2000097076A (ja) 筒内噴射型内燃機関

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070814

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080408

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080421

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120516

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120516

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130516

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees