JP4506416B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、排ガスと燃料との混合気を改質して得られた改質ガスを還流させる内燃機関に関する。
内燃機関の排ガス中に燃料を添加し、両者の混合気を改質触媒で改質した改質ガスを内燃機関の吸気管に供給するものが知られている(例えば特許文献1)。
特開2004−92520号公報
ところで、特許文献1に開示されている技術は、噴射した燃料を蒸発させた後改質触媒へ導入して改質させるものであり、燃料中に含まれる硫黄分はすべて改質触媒へ導入される。特許文献1に開示されている技術では、この燃料中に含まれる硫黄分によって改質触媒が被毒して、所期の改質性能が発揮されなくなってしまう。このような場合、改質触媒を交換したり、改質触媒を取り外して回復処理をしたりすることが考えられる。
しかし、また、前記内燃機関が動力源として車両や発電機等の機器に搭載される場合、利便性を考慮すると、燃料中に含まれる硫黄分によって被毒した改質触媒は、機器へ搭載したまま回復できることが望ましい。このため、燃料中の硫黄分によって被毒した改質触媒の改質性能を、簡易な手法で回復できるようにすることが望まれる。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、排ガスに燃料を供給して、水素を含む改質ガスを生成する内燃機関において、燃料中の硫黄分によって被毒した改質触媒の改質性能を、簡易な手法で回復できる内燃機関を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る内燃機関は、改質触媒により排ガスと燃料との混合気を改質して、水素を含む改質ガスを生成するとともに、吸気通路を介して前記改質ガスを燃焼室へ還流させる改質手段と、所定の条件で蒸発した前記燃料の燃料蒸気から生成された低硫黄燃料を貯蔵する低硫黄燃料貯蔵手段と、前記低硫黄燃料を前記改質触媒へ供給する低硫黄燃料供給手段と、を含むことを特徴とする。
この内燃機関は、所定の条件で蒸発した改質用燃料の燃料蒸気から、前記改質用燃料よりも硫黄分を低減した低硫黄燃料を生成し、これを改質触媒へ供給する。これによって、燃料中の硫黄分によって被毒した改質触媒の改質性能を、簡易な手法で回復させることができる。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記低硫黄燃料貯蔵手段は、液化した前記燃料蒸気を貯蔵することを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記燃料を前記所定の条件で蒸発させる燃料蒸発手段をさらに含み、これによって得られる前記燃料の燃料蒸気から生成された低硫黄燃料が、前記低硫黄燃料貯蔵手段へ貯蔵されることを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記改質触媒の硫黄による被毒が許容できない場合には前記低硫黄燃料を前記改質触媒に供給し、前記被毒が許容できる場合には前記燃料を前記改質触媒に供給する燃料選択手段をさらに含むことを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記低硫黄燃料を前記改質触媒に供給する場合には、前記被毒が許容できるようになったときに、前記改質触媒に対する前記低硫黄燃料の供給を停止することを特徴とする。
次の本発明に係る内燃機関は、前記内燃機関において、前記所定の条件は、前記燃料に含まれる硫黄分のうち、沸点の最も低い硫黄分の沸点よりも低い温度であることを特徴とする。
この発明に係る内燃機関は、排ガスに燃料を供給して、水素を含む改質ガスを生成する内燃機関において、燃料中の硫黄分によって被毒した改質触媒の改質性能を、簡易な手法で回復できる。
以下、この発明につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下の実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、本発明は、特に乗用車やバス、あるいはトラック等の車両に搭載される内燃機関に対して好ましく適用できる。
実施例1に係る内燃機関は、排ガスと燃料との混合気を改質して生成された改質ガスを還流させる内燃機関において、所定の条件で蒸発した燃料の蒸気から生成した低硫黄燃料を改質手段が備える改質触媒へ供給する点に特徴がある。このように、実施例1に係る内燃機関は、改質触媒に供給する前の燃料を所定の条件において蒸発させて低硫黄燃料を生成し、この低硫黄燃料を改質触媒へ供給するものである。
ここで「燃料」とは、炭化水素(CH)を含む燃料であり、この点で、以下の説明で用いる記機関用燃料も改質用燃料も区別はない。説明の便宜上、「機関用燃料」というときには内燃機関へ供給する燃料をいい、「改質用燃料」というときには改質触媒へ供給する燃料をいう。単に「燃料」というときには、炭化水素(CH)を含む燃料一般をいうが、「燃料」の概念には、前記「機関用燃料」と前記「改質用燃料」とが含まれる。
図1は、実施例1に係る内燃機関の全体構成図である。まず、この実施例に係る内燃機関の構成について説明する。この実施例に係る内燃機関1は、改質手段である改質器20に排ガスExの一部を導き、この排ガスExに炭化水素(CH)を含む燃料を供給することによって水素(H2)を生成する。そして、この改質反応によって得られた水素を含むガス(以下改質ガスという)Exrを内燃機関1に還流させる。
内燃機関1は、4個の気筒が直列に配置されているが、気筒数及び気筒配置はこれに限られるものではない。また、内燃機関1は、いわゆるロータリー式の内燃機関であってもよい。内燃機関1に供給される機関用燃料Feは、燃料貯蔵手段である燃料タンク70内から第1フィードポンプ71によって吸引され、機関用燃料供給通路72を通ってポート噴射弁6に供給される。そして、ポート噴射弁6から吸気通路3内に噴射され、吸気通路3を通る空気Aと混合気を形成する。この混合気は、吸気通路を構成するインテークマニホールド71〜74を通って各気筒1s1〜1s4へ導入される。
この実施例においては、単独のポート噴射弁6により内燃機関1の各気筒へ燃料Fを供給するが、ポート噴射弁を気筒数分用意して、各気筒1s1〜1s4のインテークマニホールド71〜74へ燃料Fを噴射してもよい。また、ポート噴射弁の代わりに、気筒内へ直接燃料を噴射する、いわゆる直噴噴射弁を用いて、内燃機関1へ燃料Fを供給してもよい。さらに、ポート噴射弁と直噴噴射弁とを備え、内燃機関1の運転条件に応じて両者の燃料噴射割合を変更して、内燃機関1へ機関用燃料Feを供給してもよい。
内燃機関1に供給される空気Aは、吸気通路3の入口に取り付けられるエアクリーナ13でごみ等が除去されてから、内燃機関1へ送られる。内燃機関1へ供給される空気Aは、吸気通路3に設けられるスロットル弁4によって流量が調整される。スロットル弁4の開度は、アクセル47Pと連動する。この実施例において、アクセル47Pの開度はアクセル開度センサ47で検出されて、機関ECU50に取り込まれる。アクセル開度センサ47からのアクセル開度情報を元に、機関ECU50はスロットル弁4の開度を調整する。
ポート噴射弁6を備える内燃機関の場合、通常、アクセル開度が大きくなると、スロットル弁4の開度は大きくなり、アクセル開度が小さくなると、スロットル弁4の開度は小さくなる。内燃機関1へ供給される空気は、吸気通路3であってスロットル弁4の上流に設けられるエアフローセンサ42で流量が計測されて、その計測値は機関ECU(Electronic Control Unit)50に取り込まれる。機関ECU50は、エアフローセンサ42により計測された吸入空気量Gaと、回転数センサ43で計測される内燃機関1の機関回転数NEとから、内燃機関1に対する機関用燃料Feの供給量τeを決定する。
内燃機関1の各気筒1s1〜1s4で燃焼した混合気は、排ガスExとなってエキゾーストマニホールド8へ排出される。この排ガスExは、排気通路9を通って改質器20の排気通路22へ導入され、排ガスExを改質するための熱を与える。改質器20から排出された排ガスExは、浄化触媒16で浄化された後、大気中へ放出される。なお、浄化触媒16は、改質器20と内燃機関1との間に配置してもよい。排気通路9には、A/F(Air/Fuel:空燃比)センサ45が取り付けられており、排ガスExの空燃比を計測する。そして、排ガスExの空燃比から内燃機関1の燃焼状態を判定し、所定の空燃比から外れた場合には、内燃機関1や改質器20へ供給される燃料の供給量を補正する。なお、A/Fセンサ45の代わりに、O2センサを用いてもよい。
排気通路9からは改質用導管11が分岐しており、改質用導管11は、改質器20の改質室21と接続されている。改質用導管11には改質用燃料噴射弁24が取り付けられており、この改質用燃料噴射弁24が、改質用導管11へ導かれた排ガスExへ改質用燃料Frを噴射する。これによって、改質器20の改質室21が備える改質触媒に、改質用燃料Frを供給する。改質用燃料Frは、燃料タンク70から第1フィードポンプ71によって吸引されて、改質用燃料供給通路73を通って改質用燃料噴射弁24に供給される。
改質器20は、改質室21と排気通路22とで構成される。改質室21の内壁面には改質触媒が担持されており、排気通路22を流れる排ガスExの熱により改質触媒が加熱されて、活性温度Θa以上に保持される。改質器20は、複数の改質室21を備え、各改質室21はそれぞれ連通している。排ガスExと改質用燃料Frとの混合気(改質用混合気)Gmrは、改質室21を通過する間に改質される。ここで、改質触媒には、例えばロジウム系の触媒が用いられる。
改質器20には、改質触媒の温度を測定するため、改質触媒床温度センサ44が取り付けられる。改質触媒そのものの温度を測定することは困難であるため、改質触媒を担持する触媒床の温度を測定して、改質触媒温度とする。改質触媒温度が低い場合、改質ガスExr中の水素濃度は低く、改質触媒温度が高くなるほど改質ガスExr中の水素濃度は高くなる。このため、改質触媒温度が活性温度Θa以上になってから、排ガスExの改質を開始するように、改質触媒床温度センサ44により改質触媒の温度を監視する。なお、ロジウム系の改質触媒を用いる場合、活性温度Θaは600℃程度である。
改質室21の出口21oには、ガス還流通路10が取り付けられている。このガス還流通路10は、改質室21と、吸気通路3とを接続する。そして、ガス還流通路10は、排ガスEx又は改質ガスExrを内燃機関1の吸気側、すなわち吸気通路3へ還流させる機能を持つ。ガス還流通路10には、冷却器12が設けられており、改質室21で改質された排ガス(改質ガスExr)を冷却する。また、冷却器12とガス還流通路10の出口10oとの間には、還流流量調整手段である還流流量調整弁5が設けられており、機関ECU50からの指令により、吸気通路3へ還流させる改質ガスExrの流量を調整する。
次に、改質について説明する。排気通路9から改質用導管11へ導かれた排ガスExは、改質用燃料噴射弁24から改質用燃料Frが噴射される。改質用燃料Frは、内燃機関1の各気筒1s1〜1s4へ供給される機関用燃料Feの一部であり、内燃機関1の運転条件に応じて改質用燃料Frの供給量τrが決定される。改質用燃料Frと排ガスExとの改質用混合気Gmrは、改質用導管11から改質室21へ導入され、改質室21の内壁面に担持された改質触媒により、式(1)に示す改質反応により改質されて改質ガスExrとなる。
1.56(7.6CO2+6.8H2O+40.8N2)+3C7.613.6+4122kJ→31H2+34.7CO+63.6N2・・・(1)
ここで、左辺第1項が排ガスEx、左辺第2項が燃料(炭化水素CHであり、この実施例ではガソリン)、右辺が改質ガスExrを示す。右辺の改質ガスExrに含まれる水素は、全改質ガスの体積に対して24vol%である。また、この改質反応は吸熱反応であり、これにより排ガスExの熱エネルギを回収することになる。このように、吸熱反応により排ガスExが改質されるため、内燃機関1に供給する燃料の量が同一であっても、排ガスExの熱を吸収した分だけ内燃機関1での燃焼における発熱量が増加する。
また、水素(H2)の発熱量は241.7kJ/molであり、ガソリン(CH1.869)の発熱量は596.5kJ/molである。しかし、式(1)の改質反応により、3モルのガソリン(燃料)から31モルの水素が発生する。したがって、前記発熱量と、式(1)の改質によるモル数変化とを乗ずると、ガソリン単独を燃焼させる場合と比較して、改質ガスExrの発熱量は大幅に増加する。これにより、内燃機関1の出力トルクが増加し、また燃料消費は低減される。
改質室21で生成された改質ガスExrは、ガス還流通路10を通って、吸気通路3へ導入される。改質ガスExrは、700℃前後の高温になるため、ガス還流通路10の途中に設けられた冷却器12で冷却されてから吸気通路3へ導入される。吸気通路3へ導入される改質ガスExrの流量(還流流量)は、還流流量調整弁5で制御される。吸気通路3へ導入される改質ガスExrの流量は、例えば、内燃機関1の運転条件に基づいて、当該運転条件における最大限の改質ガスを内燃機関1に導入できるように決定される。この場合、改質ガスExrに含まれる水素、一酸化炭素(CO)の量を考慮し、ポート噴射弁6から内燃機関1へ供給される機関用燃料Feの供給量τeを低減して、内燃機関1の空燃比A/Fを最適化する。
改質ガスExrに含まれる水素(H2)は、ガソリンと比較して最大点火エネルギが1/10程度であり、最大燃焼速度が10倍弱である。このため、水素はガソリンと比較して急速燃焼する。上記改質反応によって得られた水素を含む改質ガスExrを内燃機関1に供給すると、改質ガスExr中の水素により、燃焼改善効果が得られる。内燃機関1の運転においては、排ガスExを吸気側に還流させる、いわゆるEGR(Exhaust Gas Recirculation)を実行することがある。
内燃機関1が軽負荷で運転されているときにEGRを実行すると、ポンプロスが低減されて燃料消費を低減できるが、排ガスExの環流量(EGR量)が多すぎると燃焼速度が遅くなって燃焼が悪化する。その結果、内燃機関1の出力トルクが低下し、ドライバビリティが悪化する。この実施例に係る内燃機関1は、水素を含む改質ガスExrを内燃機関1に還流させるので、改質ガスExrの還流量を増加させた場合でも、水素が急速燃焼することで、燃焼悪化が抑制される。その結果、燃焼悪化に起因する出力トルクの低下を抑制して、ドライバビリティの悪化を抑えることができる。
また、内燃機関1が高負荷(例えばWOT(Wide Open Throttle)領域での運転や負荷率で80%程度を超える領域での運転)においてEGRを実行すると、燃焼室の温度を低下させることができるので、ストイキ(λ=1)で運転できる領域が拡大する。しかし、EGRにより燃焼が悪化して、出力トルクが低下し、ドライバビリティを悪化させることがある。
この実施例に係る内燃機関1は、排ガスExだけではなく、水素を含む改質ガスExrを内燃機関1に還流させるので、改質ガスExr中の水素が急速燃焼することで燃焼悪化が抑制される。また、水素の急速燃焼によりノッキングを改善できるので、点火時期を進角させて、内燃機関1の出力トルクを向上させることができる。その結果、燃焼悪化に起因する出力トルクの低下を抑制して、ドライバビリティの悪化を抑えることができる。
実施例1において、改質用燃料Frは、機関用燃料Feと同じ燃料であり、この実施例ではガソリンを使用する。通常ガソリンには硫黄(S)分が含有されている。このため、改質用燃料Frにガソリンを用いると、改質を続けるにしたがって改質用燃料Frに含まれる硫黄分(有機硫黄化合物のような硫黄化合物)が、改質室21の内壁面に担持される改質触媒へ付着する。これによって、改質性能が低下する。すなわち、同じ改質条件であっても改質反応が進行しにくくなり、その結果、改質ガスExrに含まれる水素の濃度が低下する。改質触媒への硫黄分付着により改質反応が妨げられることをS(硫黄)被毒といい、燃料中に含まれる硫黄による被毒である。
S被毒した改質触媒は、高温(900℃程度)にある程度の時間保持すれば、改質反応は回復する。しかし、S被毒からの回復に際して改質触媒を高温に保持する方法は熱源の確保が難しい。本発明者は、S被毒からの回復に関して鋭意研究を続けた結果、硫黄分の含有量を低減した低硫黄燃料を改質触媒へ供給すれば、改質触媒はS被毒から回復することを見出した。例えば、改質触媒がS被毒した場合には、それまで改質触媒へ供給していた改質用燃料Frよりも硫黄分を低減した低硫黄燃料Flsを改質触媒へ供給して改質反応させれば、改質触媒はS被毒から回復する。
硫黄分を低減した低硫黄燃料Flsは、前記改質用燃料Frや機関用燃料Feとは別個に用意してもよいが、この方法では、2種類の燃料を用意する必要があるので利便性が低くなってしまう。そこで、実施例1において、低硫黄燃料Flsは、改質用燃料Fr又は機関用燃料Feから生成するようにしてある。次に、この方法について説明する。この説明では、改質用燃料Fr又は機関用燃料Feを総称して燃料という。
図2は、含有率(蒸気)/含有率(液体)と、改質用燃料に含まれる炭化水素の沸点との関係の一例を示す説明図である。表1は、燃料のガソリンに含まれる硫黄分の割合を示す一例である。図2は、大気圧、かつ温度条件が41℃以下のもとで採取した燃料の蒸気に含まれる炭化水素の割合を、液体の燃料に含まれる炭化水素の沸点を横軸として示したものである。
図2に示すように、燃料に含まれる炭化水素のうち沸点の低い炭化水素ほど、燃料の蒸気に含まれる割合は、液体の燃料に含まれる割合と比較して高くなる。また、硫黄分は、有機硫黄化合物の形で燃料に含まれるが、表1に示すように、燃料に含まれる硫黄分の9割は、沸点が100℃以上である。また、残りの1割も沸点が82℃であり、燃料に含まれる硫黄分は、沸点が比較的高い。
Figure 0004506416
図2及び表1に示す硫黄分の沸点をもとに、温度条件が41℃以下において採取した燃料の蒸気に含まれる硫黄分の含有率を推定すると、液体の状態での燃料に含まれる硫黄分の含有率の1/5程度に減少すると考えられる。すなわち、温度条件が41℃以下における燃料の蒸気を抽出すれば、燃料よりも硫黄分を低減した低硫黄燃料Flsを得ることができる。
本発明者は、この低硫黄燃料Flsを改質用の燃料としてS被毒した改質触媒に供給すれば、前記改質触媒をS被毒から回復させることができることを見出した。実施例1では、所定の条件(少なくとも温度、圧力を含む)で採取した燃料の蒸気から生成した低硫黄燃料Flsを改質触媒に供給する。そして、S被毒した改質触媒に前記低硫黄燃料Flsを供給することで、前記改質触媒をS被毒から回復させる。また、改質触媒に供給する改質用の燃料として、生成した低硫黄燃料Flsを用いれば、S被毒を極めて効果的に抑制し、改質触媒をほとんどS被毒の影響を受けない状態で使用することもできる。
低硫黄燃料Flsを生成する温度が低いほど、低硫黄燃料Flsの硫黄分は少なくなる。したがって、低硫黄燃料Flsを生成する温度は、必要な低硫黄燃料Flsの生成量を確保できる範囲において、できるだけ低いことが好ましい。ここで、S被毒した改質触媒は、そのとき改質に用いていた燃料よりも硫黄分の少ない燃料を用いれば、S被毒から回復する可能性がある。
これは、改質触媒のS被毒からの回復には、できるだけ硫黄分を含まない低硫黄燃料Flsを用いることが好ましいが、S被毒を引き起こした燃料よりも硫黄分が少なければ、ある程度の硫黄分を含んでいても、改質触媒はS被毒から回復する可能性があるということを意味する。したがって、改質触媒がS被毒から回復するに必要な程度まで、低硫黄燃料Flsに含まれる硫黄分が低減されていればよい。かかる観点から、前記所定の条件を決定すればよい。
例えば、図2に示した例では、温度条件が41℃以下において生成した低硫黄燃料Flsに含まれる硫黄分の含有率は、液体の状態での改質用燃料Frに含まれる硫黄分の含有率の1/5程度に減少すると推定される。改質触媒がS被毒から回復するための硫黄分の上限が、例えば、液体の状態での燃料に含まれる硫黄分の含有率の2/5程度であるとすれば、41℃よりも高い温度条件で生成した低硫黄燃料Flsを用いてもよい。燃料の硫黄分の組成や含有率は様々であり、また、S被毒から回復可能な硫黄分含有率の上限値は、改質触媒の種類や回復時の温度条件等によっても異なる。このため、S被毒から回復可能な硫黄分含有率の上限値、及び燃料の種類等によって、低硫黄燃料Flsを生成するための所定の条件を設定する。
なお、生成する低硫黄燃料Flsは、硫黄分ができるだけ少ない方が好ましいことは言うまでもない。かかる観点からは、前記所定の条件は、燃料に含まれる硫黄分のうち、沸点の最も低い硫黄分の沸点よりも低い温度とすることが好ましい。表1に示すガソリンを燃料として用いる場合を例にとれば、前記所定の条件の温度は気圧によっても変化するが、大気圧の場合には80℃以下である。なお、圧力が変化すれば、前記所定の条件の温度も変化する。
低硫黄燃料Flsを生成する温度が低いほど、低硫黄燃料Flsの硫黄分は少なくなるので、前記所定の条件の温度は、できるだけ低くすることが好ましい。一方、低硫黄燃料Flsを生成する温度が低すぎると、得られる燃料の蒸気が少なくなるため、低硫黄燃料Flsの生成量は低減する。このため、生成される低硫黄燃料Flsの量を確保する観点から、前記所定の条件の温度は、改質触媒がS被毒から回復できる程度に硫黄分を低減できる範囲において、できるだけ高くすることが好ましい。これらを勘案し、さらにS被毒から回復可能な硫黄分含有率の上限値、燃料の種類、気圧等を考慮して、低硫黄燃料Flsを生成するための所定の条件を設定する。
実施例1に係る内燃機関1は、燃料タンク70内の燃料蒸気を、燃料蒸気通路74を介して低硫黄燃料貯蔵手段である低硫黄燃料タンク60に導き、ここに貯える。燃料タンク70内の燃料Fは、通常20℃〜40℃程度の範囲に保たれるので、かかる環境条件で蒸発した燃料Fの蒸気が低硫黄燃料タンク60に貯えられることになる。これによって、燃料Fよりも硫黄分の少ない低硫黄燃料Flsを低硫黄燃料タンク60に貯えることができる。
低硫黄燃料タンク60は、燃料タンク70内の燃料蒸気を液化して貯える。低硫黄燃料Flsは、改質用燃料噴射弁24から改質用触媒へ供給される。このように、改質用燃料噴射弁24は、改質用燃料Frの供給手段のみならず、低硫黄燃料供給手段としても機能する。改質用燃料噴射弁24は、開弁時間によって供給量を制御するが、低硫黄燃料Flsを液化させれば、これを改質用触媒へ供給する際における供給量の把握が容易になる。また、液体で貯蔵すれば、取り扱いも容易である。燃料タンク70内の蒸気を液化して貯えるため、低硫黄燃料タンク60には、冷却手段を備えることが好ましい。このようにすれば、効率よく燃料蒸気を液化することができる。
低硫黄燃料タンク60には、燃料量検知センサ48が取り付けられており、低硫黄燃料タンク60内に低硫黄燃料Flsがどの程度貯えられているかを検出できるように構成される。低硫黄燃料タンク60内には第2フィードポンプ60Pが備えられており、低硫黄燃料タンク60内の低硫黄燃料Flsを改質用燃料噴射弁24へ供給する。低硫黄燃料Flsは、燃料選択手段である三方弁61を介して改質用燃料噴射弁24へ送られる。
三方弁61には、第1フィードポンプ71からの改質用燃料供給通路73と、第2フィードポンプ60Pからの低硫黄燃料供給通路75とが接続されている。三方弁61は、機関ECU50からの指令によって、第1フィードポンプ71又は第2フィードポンプ60Pの一方を選択して、改質用燃料Fr又は低硫黄燃料Flsのいずれか一方を、改質用燃料噴射弁24へ供給する。例えば、改質触媒のS被毒が許容できない場合には、三方弁61を切り替えて低硫黄燃料タンク60内の低硫黄燃料Flsを改質触媒に供給する。そして、改質触媒のS被毒が許容できる場合には、燃料タンク70から改質用燃料Frを改質触媒へ供給する。
図3は、実施例1に係る内燃機関の運転制御の手順を示すフローチャートである。この制御は、機関ECU50の被毒回復制御部51が実行する。実施例1に係る内燃機関の運転制御を実行するにあたり、被毒回復制御部51は、改質器20が備える改質触媒のS被毒が許容できるか否かを判定する(ステップS101)。この判定には、例えば、次のような方法を用いることができる。これは、ガス還流通路10に取り付けた水素濃度センサ49によって改質ガスExrに含まれる水素濃度を検出し、所期の水素濃度が得られていない場合にはS被毒が許容できないと判定する方法である。なお、改質触媒のS被毒が許容できるか否かを判定せず、一定の周期で低硫黄燃料Flsを供給することによるS被毒の回復を実行してもよい。
S被毒が許容できる場合(ステップS101;Yes)、改質触媒の改質性能は必要上十分に確保されていると判定できる。この場合には、燃料タンク70内の改質用燃料Frを改質触媒へ供給する(ステップS102)。具体的には、三方弁61を切り替えて、燃料タンク70内の改質用燃料Frを第1フィードポンプ71によって改質用燃料噴射弁24へ供給し、ここから改質触媒へ改質用燃料Frを供給する。その後、STARTに戻ってS被毒の監視を継続する。
S被毒が許容できない場合(ステップS101;No)、改質触媒の改質性能は必要上十分に確保されていないと判定できる。この場合には、低硫黄燃料タンク60内の低硫黄燃料Flsを改質触媒へ供給し、S被毒から前記改質触媒を回復させる必要がある。ここで、S被毒からの回復には、ある程度の低硫黄燃料Flsが必要である。このため、被毒回復制御部51は、燃料量検知センサ48の信号を取得して、S被毒回復に供することのできる低硫黄燃料Flsが低硫黄燃料タンク60にあるか否かを判定する(ステップS103)。
S被毒回復に供することのできる低硫黄燃料Flsがない場合(ステップS103;No)、被毒回復制御部51は、低硫黄燃料Flsを改質触媒へ供給することによるS被毒の回復動作を待機状態とする(ステップS104)。このとき、改質ガスExrの還流量を低減するか、あるいは改質を中止することが好ましい。許容できないS被毒が発生している場合、改質ガスExrの水素濃度は所期の値よりも低下するので、内燃機関1の燃焼が不安定になるおそれがあるからである。
S被毒回復に供することのできる低硫黄燃料Flsがある場合(ステップS103;Yes)、被毒回復制御部51は、S被毒回復に用いる低硫黄燃料Flsを改質触媒へ供給する(ステップS105)。具体的には、三方弁61を切り替えて、第2フィードポンプ60Pを駆動することにより、低硫黄燃料タンク60内の低硫黄燃料Flsを改質用燃料噴射弁24へ供給し、ここから改質触媒へ前記低硫黄燃料Flsを供給する。これによって、改質触媒をS被毒から回復させる。
このとき、被毒回復制御部51は、水素濃度センサ49によって改質ガスExrに含まれる水素濃度を検出し、改質ガスExrの水素濃度が所期の値まで回復したら、改質触媒がS被毒から回復したと判定し、低硫黄燃料Flsの供給を停止してもよい。これによって、改質触媒がS被毒から回復した場合には、低硫黄燃料Flsの供給を停止することができるので、低硫黄燃料Flsの過剰な消費を抑制できる。
以上、実施例1では、所定の条件で蒸発した燃料の燃料蒸気から、前記燃料よりも硫黄分を低減した低硫黄燃料を生成する。そして、少なくとも改質触媒をS被毒から回復させる際には、S被毒により改質性能の低下した改質触媒へ供給する。これによって、S被毒からの回復に際して改質触媒を高温に保持するための熱源を用意する必要はない。また、内燃機関及びこれが備える改質手段へ供給する燃料から、S被毒からの回復に用いる低硫黄燃料を生成するので、S被毒からの回復用に用いる回復剤等を別個に用意する必要はない。このように、簡易な構成でS被毒から改質触媒を回復させることができる。その結果、内燃機関が動力源として車両や発電機等の機器に搭載される場合、S被毒した改質触媒は、機器へ搭載したまま回復できる。そして、S被毒した改質触媒を交換したり、S被毒した改質触媒を取り外して回復処理をしたりすることは不要となり、利便性が向上する。
また、改質時において、生成した低硫黄燃料を改質触媒へ供給すれば、S被毒を極めて低減することができるので、S被毒による改質性能の低下を極めて低く抑えることができる。実施例1では、生成した低硫黄燃料を液化して取り扱う例について説明したが、生成した低硫黄燃料を蒸気、すなわち気体のまま貯蔵して、蒸気の状態で改質触媒に供給してもよい。また、内燃機関が車両に搭載される場合、蒸発燃料を貯蔵して吸気系へ戻す、いわゆるキャニスタが用いられる場合があるが、これを利用して低硫黄燃料を生成してもよい。なお、実施例1の構成は、以下の実施例においても適宜適用することができる。また、実施例1と同様の構成を備えていれば、実施例1と同様の作用、効果を奏する。
実施例2は、実施例1と略同様の構成であるが、燃料を蒸発させて低硫黄燃料を生成する燃料蒸発手段を備える点が異なる。他の構成は実施例1と同様なのでその説明を省略するとともに、同一の構成には同一の符号を付す。実施例2も実施例1と同様に、改質触媒に供給する前の燃料を所定の条件において蒸発させて低硫黄燃料を生成し、この低硫黄燃料を改質触媒へ供給するものである。なお、実施例2では、説明の便宜上、改質用燃料Frから低硫黄燃料Flsを生成するようにしているが、低硫黄燃料Flsは炭化水素を含む燃料から生成されればよく、機関用燃料Feを用いてもよい。
図4は、実施例2に係る内燃機関を示す説明図である。この内燃機関1は、燃料蒸発手段62を備える。この燃料蒸発手段62は、燃料タンク70から供給される改質用燃料Frから低硫黄燃料Flsを生成して、低硫黄燃料タンク60へ貯蔵する。燃料蒸発手段62には、改質用燃料供給通路73から分岐する分岐通路76から改質用燃料Frが供給される。また、実施例1に係る内燃機関1と同様に、実施例2に係る内燃機関1は、改質用燃料供給通路73の途中に三方弁61が設けられており、これを切り替えることにより、改質触媒へ供給する燃料を、低硫黄燃料Fls又は改質用燃料Frのいずれか一方に切り替える。
実施例2において、燃料蒸発手段62は、改質用燃料Frを所定の条件(実施例1と同様)で蒸発させ、これによって得られた改質用燃料Frの蒸気を、燃料蒸気供給通路77を介して低硫黄燃料タンク60へ送る。そして、前記蒸気を低硫黄燃料タンク60で液化させることにより、改質用燃料Frから低硫黄燃料Flsを生成して貯蔵する。
改質用燃料Frを所定の条件で蒸発させるため、燃料蒸発手段62には加熱手段としてヒータ62hが設けられている。ヒータ62hは、例えば車載のバッテリーによって発熱する電気ヒータや、内燃機関1の冷却水を利用する温水ヒータ等を用いることができる。ヒータ62hの温度は機関ECU50の被毒回復制御部51によって、改質用燃料Frを前記所定の条件で蒸発させるように制御される。また、燃料蒸発手段62には、燃料タンク70に接続する燃料リターン通路78が取り付けられている。低硫黄燃料Flsを生成した後の改質用燃料Frは、燃料リターン通路78を通って燃料タンク70へ戻される。
なお、燃料蒸発手段62内部の圧力を大気圧よりも低くして改質用燃料Frの沸点を大気圧のときよりも低下させ、改質用燃料Frの蒸発を促進してもよい。例えば、内燃機関1のインテークマニホールド71〜74内の負圧を利用して、燃料蒸発手段62内部の圧力を大気圧よりも低くすることができる。このようにすれば、改質用燃料Frの加熱量を低減できる。また、燃料蒸発手段62内部の圧力を調整することによって、改質用燃料Frの加熱を不要にすることもできる。次に、実施例2に係る内燃機関の運転制御の手順を説明する。
図5は、実施例2に係る内燃機関の運転制御の手順を示すフローチャートである。この制御は、機関ECU50の被毒回復制御部51が実行する。実施例2に係る内燃機関の運転制御のステップS201〜ステップS203は、実施例1に係る内燃機関の運転制御のステップS101〜ステップS103と同様なので、説明を省略する。
S被毒回復に供することのできる低硫黄燃料Flsがない場合(ステップS203;No)、被毒回復制御部51は、燃料蒸発手段62に備えられるヒータ62hで、燃料蒸発手段62内の改質用燃料Frを前記所定の条件に加熱する(ステップS204)。これにより、改質用燃料Frから低硫黄燃料Flsを生成して、これを低硫黄燃料タンク60に貯蔵する。このとき、改質ガスExrの還流量を低減するか、あるいは改質を中止することが好ましい。許容できないS被毒が発生している場合、改質ガスExrの水素濃度は所期の値よりも低下するので、内燃機関1の燃焼が不安定になるおそれがあるからである。その後、S被毒回復に供することのできる低硫黄燃料Flsができるまで、ステップS203、ステップS204を繰り返す。
S被毒回復に供することのできる低硫黄燃料Flsがある場合(ステップS203;Yes)、被毒回復制御部51は、低硫黄燃料Flsを改質触媒へ供給する(ステップS205)。具体的には、三方弁61を切り替えて、第2フィードポンプ60Pを駆動することにより、低硫黄燃料タンク60内の低硫黄燃料Flsを改質用燃料噴射弁24へ供給し、ここから改質触媒へ前記低硫黄燃料Flsを供給する。これによって、改質触媒をS被毒から回復させる。
このように、実施例2では、S被毒回復に供することのできる低硫黄燃料Flsがない場合には、燃料蒸発手段62によって低硫黄燃料Flsを生成できるので、速やかにS被毒回復動作に移行することができる。また、低硫黄燃料タンク60に取り付けられている燃料量検知センサ48の信号から、常にS被毒回復に必要な低硫黄燃料Flsが確保されるように、燃料蒸発手段62によって低硫黄燃料Flsを生成するようにしてもよい。このようにすれば、S被毒回復が必要になったときには直ちにこれを実行できる。
(変形例)
この変形例は、実施例2と略同様の構成であるが、改質用燃料と低硫黄燃料との燃料選択手段を備えず、燃料蒸発手段で生成した低硫黄燃料を改質手段が備える改質触媒へ供給する点が異なる。
図6は、実施例2の変形例に係る内燃機関を示す説明図である。この内燃機関1は、燃料蒸発手段62を備える。この燃料蒸発手段62は、燃料タンク70から供給される改質用燃料Frから低硫黄燃料Flsを生成して、低硫黄燃料タンク60へ貯蔵する。燃料蒸発手段62には、改質用燃料供給通路73から分岐する分岐通路76から改質用燃料Frが供給される。
この変形例において、燃料蒸発手段62は、改質用燃料Frを所定の条件(実施例1と同様)で蒸発させ、これによって得られた改質用燃料Frの蒸気を、燃料蒸気供給通路77を介して低硫黄燃料タンク60へ送る。そして、前記蒸気を低硫黄燃料タンク60で液化させることにより、改質用燃料Frから低硫黄燃料Flsを生成して貯蔵する。この低硫黄燃料Flsは、改質用燃料供給通路73を介して改質用燃料噴射弁24から改質器20が備える改質触媒へ供給される。
機関ECU50は、低硫黄燃料タンク60内の低硫黄燃料Flsの量が改質器20での改質に不足しないように、燃料量検知センサ48によって低硫黄燃料Flsの貯蔵量を把握する。そして、機関ECU50は、低硫黄燃料Flsの減少量に応じてヒータ62hを昇温させ、燃料蒸発手段62内の改質用燃料Frを前記所定の条件に加熱する。これにより、改質用燃料Frから低硫黄燃料Flsを生成して、消費された低硫黄燃料Flsを補う。なお、改質に供する燃料の消費量は、内燃機関1の運転条件によって決定されるので、機関ECU50によって改質に供する低硫黄燃料Flsの消費量を積算し、この積算値に応じて消費された低硫黄燃料Flsを補ってもよい。このようにすれば、図6に示す燃料量検知センサ48を省略することができるので、構成を簡略化できる。
この変形例では、低硫黄燃料Flsを改質用の燃料として改質触媒へ供給するので、S被毒による改質性能低下を極めて低く抑えることができる。これによって、極めて長い期間、十分な改質性能を発揮させることができる。また、燃料蒸発手段62によって、改質に必要な低硫黄燃料Flsを生成できる。
以上、実施例2及びその変形例では、燃料蒸発手段によって必要な量の低硫黄燃料を生成することができる。これによって、低硫黄燃料を安定して改質器に供給できるので、S被毒回復が必要になった場合には、速やかにこれを実行できる。また、生成した低硫黄燃料を改質触媒へ供給することで、改質を実行させることもできる。
以上のように、本発明に係る内燃機関は、排ガスに燃料を供給して、水素を含む改質ガスを生成する内燃機関に有用であり、特に、改質触媒をS被毒から回復させることに適している。
実施例1に係る内燃機関の全体構成図である。 含有率(蒸気)/含有率(液体)と、改質用燃料に含まれる炭化水素の沸点との関係の一例を示す説明図である。 実施例1に係る内燃機関の運転制御の手順を示すフローチャートである。 実施例2に係る内燃機関を示す説明図である。 実施例2に係る内燃機関の運転制御の手順を示すフローチャートである。 実施例2の変形例に係る内燃機関を示す説明図である。
符号の説明
1 内燃機関
3 吸気通路
5 還流流量調整弁
10 ガス還流通路
11 改質用導管
20 改質器
24 改質用燃料噴射弁
48 燃料量検知センサ
49 水素濃度センサ
50 機関ECU
51 被毒回復制御部
60 低硫黄燃料タンク
60P 第2フィードポンプ
61 三方弁
62 燃料蒸発手段
62h ヒータ
70 燃料タンク
71 第1フィードポンプ
72 機関用燃料供給通路
73 改質用燃料供給通路
74 燃料蒸気通路
75 低硫黄燃料供給通路
76 分岐通路
77 燃料蒸気供給通路
78 燃料リターン通路

Claims (8)

  1. 改質触媒により排ガスと燃料との混合気を改質して、水素を含む改質ガスを生成するとともに、吸気通路を介して前記改質ガスを燃焼室へ還流させる改質手段と、
    所定の条件で蒸発した前記燃料の燃料蒸気から生成された低硫黄燃料を貯蔵する低硫黄燃料貯蔵手段と、
    前記改質触媒が硫黄で被毒した場合に前記低硫黄燃料を前記改質触媒へ供給する低硫黄燃料供給手段と、
    を含むことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記低硫黄燃料貯蔵手段は、液化した前記燃料蒸気を貯蔵することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記燃料を前記所定の条件で蒸発させる燃料蒸発手段をさらに含み、これによって得られる前記燃料の燃料蒸気から生成された低硫黄燃料が、前記低硫黄燃料貯蔵手段へ貯蔵されることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関。
  4. 改質触媒により排ガスと燃料との混合気を改質して、水素を含む改質ガスを生成するとともに、吸気通路を介して前記改質ガスを燃焼室へ還流させる改質手段と、
    所定の条件で蒸発した前記燃料の燃料蒸気から生成された低硫黄燃料を貯蔵する低硫黄燃料貯蔵手段と、
    前記低硫黄燃料を前記改質触媒へ供給する低硫黄燃料供給手段と、
    前記改質触媒の硫黄による被毒が許容できない場合には前記低硫黄燃料を前記改質触媒に供給し、前記被毒が許容できる場合には前記燃料を前記改質触媒に供給する燃料選択手段と、
    を含むことを特徴とする内燃機関。
  5. 前記低硫黄燃料貯蔵手段は、液化した前記燃料蒸気を貯蔵することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関。
  6. 前記燃料を前記所定の条件で蒸発させる燃料蒸発手段をさらに含み、これによって得られる前記燃料の燃料蒸気から生成された低硫黄燃料が、前記低硫黄燃料貯蔵手段へ貯蔵されることを特徴とする請求項4又は5に記載の内燃機関。
  7. 前記低硫黄燃料を前記改質触媒に供給する場合には、前記被毒が許容できるようになったときに、前記改質触媒に対する前記低硫黄燃料の供給を停止することを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の内燃機関。
  8. 前記所定の条件は、前記燃料に含まれる硫黄分のうち、沸点の最も低い硫黄分の沸点よりも低い温度であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の内燃機関。
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