JP2006037100A - 難燃性ポリマー成形材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 グローワイヤー着火温度(GWIT)が高められた難燃性ポリマー成形材料の提供。
【解決手段】 本発明は、次式(I)のホスフィン酸塩及び/または次式(II)のジホスフィン酸塩及び/またはこれらのポリマーの少なくとも一種を含むナノ粒状リン含有難燃剤系を含む、難燃性ポリマー成形材料に関する。
【化1】
Figure 2006037100

[式中、
1及びR2は、同一かまたは異なり、線状もしくは分枝状C1〜C6アルキル、及び/またはアリールであり、
3は、線状もしくは分枝状C1〜C10アルキレン、C6〜C10アリーレン、C6〜C10アルキルアリーレン、またはC6〜C10アリールアルキレンであり、
Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Fe、Zr、Zn、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na、K、及び/またはプロトン化した窒素塩基であり、
mは、1〜4であり、
nは、1〜4であり、そして
xは、1〜4である]
【選択図】 なし

Description

本発明は、2004年7月22日に出願された優先権主張の基礎となるドイツ特許出願第102004035508.8号に記載されたものである。このドイツ特許出願明細書の内容は、本明細書に全て掲載されたものとする。
本発明は、難燃性ポリマー成形材料、これの製造方法、及び難燃性ポリマー成形体に関する。
プラスチックとナノ粒状フィラー(ナノフィラー)からなるナノ複合体は、それらの特定の構造に起因してその特性に格別な向上、中でも剛性の向上と、プラスチック成形体の耐衝撃強さの向上を示す。公知のナノフィラーは、有機変性されたフィロシリケート(ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイトなど)である。
欠点の一つは、これらは、不活性物質として働くだけなので、それら単独では十分な難燃性を達成できないことである。
それゆえ、追加的にナノフィラーも含む難燃性ポリマーを安定化させ、それゆえ、例えばグローワイヤー着火温度(GWIT)を高めようとする試みが絶えず為されてきた。この際の欠点の一つは、ナノフィラーは不活性物質として働きそして難燃剤系の他に追加的に使用しなければならないということである。その結果として、難燃性ポリマー成形体の固形分含有率が高まり、機械的弾性が失われる。
驚くべきことに、ナノ粒状難燃剤系を用いるだけでグローワイヤー着火温度を高め得ることがここに見出された。それゆえ、有機物質が層間挿入されたフィロシリケートは無しで済ませることができる。また、難燃性ポリマー成形材料の固形物含有率を減少させることができる。その結果として、顕著に向上した機械的弾性を有する難燃性ポリマー及びポリマー成形体を得ることができる。
更に、驚くべきことに、本発明に従い使用されるナノ粒状リン含有難燃剤系は、非ナノ粒状リン含有難燃剤系と比較して、透明プラスチックにおいて透光性を高めることも見出された。
それゆえ、本発明は、次式(I)のホスフィン酸塩及び/または次式(II)のジホスフィン酸塩及び/またはこれらのポリマーの少なくとも一種を含むナノ粒状リン含有難燃剤系を含む、難燃性ポリマー成形材料を提供する。
Figure 2006037100
式中、
1及びR2は、同一かまたは異なり、線状もしくは分枝状C1〜C6アルキル、及び/またはアリールであり、R3は、線状もしくは分枝状C1〜C10アルキレン、C6〜C10アリーレン、C6〜C10アルキルアリーレンまたはC6〜C10アリールアルキレンであり、Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Fe、Zr、Zn、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na、K及び/またはプロトン化された窒素塩基であり、mは1〜4であり、nは1〜4であり、xは1〜4である。
1及びR2は、同一かまたは異なり、好ましくは線状もしくは分枝状C1〜C6アルキル、及び/またはフェニルである。
1及びR2の他の好ましい意味は、同一かまたは異なり、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル及び/またはフェニルである。
3は、好ましくは、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、tert−ブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレン、またはn−ドデシレン; フェニレンまたはナフチレン; メチルフェニレン、エチルフェニレン、tert−ブチルフェニレン、メチルナフチレン、エチルナフチレン、またはtert−ブチルナフチレン; フェニルメチレン、フェニルエチレン、フェニルプロピレン、またはフェニルブチレンである。
上記ナノ粒状リン含有難燃剤系の粒度は、好ましくは、1〜1000nm、特に好ましくは5〜500nmである。
上記ナノ粒状リン含有難燃剤系のBET表面積は、好ましくは、2〜1000m2/g、特に好ましくは5〜500m2/gである。
上記ナノ粒状リン含有難燃剤系は、好ましくは、0.01〜10重量%の量で保護コロイド及び/または結晶化改質剤(crystallization modifiers)を含む。
該難燃性ポリマー成形材料は、好ましくは、
ナノ粒状リン含有難燃剤系0.5〜45重量%、
ポリマーまたはポリマー混合物0.5〜95重量%
を含み、これら両成分の合計が100重量%である。
該難燃性ポリマー成形材料は、好ましくは、
ナノ粒状リン含有難燃剤系0.5〜45重量%、
ポリマーまたはポリマー混合物0.5〜95重量%、
添加剤0.5〜55重量%、
フィラーまたは強化材0.5〜55重量%、
を含み、これらの成分の合計が100重量%である。
該難燃性ポリマー成形材料は、好ましくは、
ナノ粒状リン含有難燃剤系10〜40重量%、
ポリマーまたはポリマー混合物10〜80重量%、
添加剤2〜40重量%、
フィラーまたは強化材2〜40重量%
を含み、これらの成分の合計が100重量%である。
上記ポリマーは、好ましくは、熱可塑性または熱硬化性ポリマーである。
熱可塑性ポリマーは、好ましくは、HI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエーテル、及びABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)で表される種のブレンドまたはポリブレンド、好ましくは、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、及び/またはABSである。
熱硬化性ポリマーは、好ましくは、ホルムアルデヒドポリマー、エポキシポリマー、メラミンポリマー、またはフェノール樹脂ポリマー、及び/またはポリウレタンである。
添加剤は、好ましくは、窒素化合物、リン化合物またはリン−窒素化合物である。
添加剤は、好ましくは、次式(III)〜(VIII)で表される窒素化合物、またはこれらの混合物である。
Figure 2006037100
式中、
5〜R7は、水素、C1〜C8アルキル、C5〜C16シクロアルキルもしくはC5〜C16アルキルシクロアルキル(これらは、場合によっては、ヒドロキシまたはC1〜C4ヒドロキシアルキル官能基によって置換されている)、C2〜C8アルケニル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アシル、C1〜C8アシルオキシ、またはC6〜C12アリールもしくはC6〜C12アリールアルキル、−OR8または−N(R8)R9(これには、N−脂環式またはN−芳香族タイプの系も包含される)であり、
8は、水素、C1〜C8アルキル、C5〜C16シクロアルキルもしくはC5〜C16アルキルシクロアルキル(これらは、場合によっては、ヒドロキシまたはC1〜C4ヒドロキシアルキル官能基によって置換されている)、C2〜C8アルケニル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アシル、C1〜C8アシルオキシ、またはC6〜C12アリールもしくはC6〜C12アリールアルキルであり、
9〜R13は、R8と同じ定義であるか、または−O−R8であり、
m及びnは、互いに独立して、1、2、3または4であり、そして
Xは、トリアジン化合物(III)と付加物を形成することができる酸である。
上記添加剤は、好ましくは、メラミン、メラミン縮合物、例えばメラム、メレム及び/またはメロン; ベンゾグアナミン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、アラントン、グリコールウリル、ジシアンジアミド、及び/またはグアニジンなどの窒素化合物である。
添加剤の他の好ましい意味は、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート、メラムポリホスフェート、メレムポリホスフェート、及び/またはメロンポリホスフェート、及び/またはメラミンシアヌレート、及び/または尿素シアヌレートである。
添加剤の他の好ましい意味は、亜鉛化合物、例えば酸化亜鉛、水酸化亜鉛、酸化亜鉛水和物、無水炭酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、炭酸水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛水和物、(塩基性)ケイ酸亜鉛、ヘキサフルオロケイ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、炭酸水酸化アルミニウムマグネシウム亜鉛、ヘキサフルオロケイ酸亜鉛6水和物、第3主族のオキソ酸の亜鉛塩、例えばホウ酸亜鉛、第5主族のオキソ酸の亜鉛塩、例えばリン酸亜鉛、ピロリン酸亜鉛、遷移金属のオキソ酸の亜鉛塩、例えばクロム酸(VI)亜鉛水酸化物(亜鉛黄)、亜鉛クロマイト、モリブデン酸亜鉛、過マンガン酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛ケイ酸マグネシウム、過マンガン酸亜鉛である。
添加剤の他の好ましい意味は、アンチモン化合物、例えば三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、及び/または酒石酸アンチモンである。
添加剤の他の好ましい意味は、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートと芳香族ポリカルボン酸とのオリゴマー性エステルであるか、またはカルボジイミド類、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ポリイソシアネート、カルボニルビスカプロラクタム、スチレン−アクリル酸ポリマー、立体障害性フェノール、及び/または式(NH4)yH3-yPO4または(NH4PO3)z(式中、yは1〜3であり、そしてzは1〜10000である)で表される窒素含有ホスフェートであるか、または離型剤である。
添加剤の他の好ましい意味は、少なくとも一種の相容化剤である。
更に上記の添加剤は、ナノ粒状であることもでき、好ましくは1〜1000nmの粒度を有する。
前記相容化剤は、好ましくは、酸無水物で変性したオリゴマーまたはヒドロキシ含有ポリオレフィンオリゴマー、好ましくはポリプロピレン−無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリスチレン、ポリカプロラクトン、オルガノシラン、及び/または第四級アンモニウム化合物である。
ポリブチレンテレフタレート成形材料の場合は、SV数(SV number)は750〜1400、特に好ましくは950〜1300、特に1000〜1200である。
ナイロン−6,6に基づくガラス繊維で強化した難燃性ポリマー成形材料の場合は、MVR値は、好ましくは、2〜200cm3/分(275℃,5kg)である。
該難燃性ポリマー成形材料の残留含水率は、好ましくは、0.01〜10重量%、特に好ましくは0.1〜1重量%である。
該難燃性ポリマー成形材料の透明性は、好ましくは、70〜100%である。
更に本発明は、本発明の難燃性ポリマー成形材料を製造する方法であって、リン含有難燃剤系を、配合装置中でポリマー成形材料またはポリマー中に分散させることを含む上記方法も提供する。
他の態様では、リン含有難燃剤系を、配合装置中でポリマー成形材料と一緒にポリマー中に分散させる。
好ましくは、更に別のポリマー、添加剤、助剤、特に分散剤及び/または相容化剤を、上記方法の間に加える。配合装置は、好ましくは、単軸もしくは二軸スクリューニーダー、コニーダー(co-kneaders)、ブラベンダーニーダー、カレンダー、またはロールミル(トリプルロールミルも含む)である。
温度は好ましくは50〜150℃であり、反応時間は好ましくは0.01〜100時間であり、そして圧力は好ましくは1〜200MPaである。
好ましくは、ナノ粒状リン含有難燃剤系を基準にして0.01〜10重量%、特に好ましくは1〜5重量%の量の少なくとも一種の相容化剤を添加剤として加える。
相容化剤は、好ましくは、酸無水物で変性したオリゴマーまたはヒドロキシ含有ポリオレフィンオリゴマー、好ましくはポリプロピレン−無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリスチレン、ポリカプロラクトン、オルガノシラン及び/または第四級アンモニウム化合物を含む。
上記方法における加工温度は、好ましくは、ポリスチレンの場合には170〜200℃、ポリプロピレンの場合は200〜300℃、ポリエチレンテレフタレート(PET)の場合は250〜290℃、ポリブチレンテレフタレート(PBT)の場合は230〜270℃、ナイロン−6(PA6)の場合は260〜290℃、ナイロン−6,6(PA6.6)の場合は260〜290℃、ポリカーボネートの場合は280〜320℃である。
スクリューニーダー、コニーダー及び/または押出機のL/D値は、好ましくは、1〜100、特に好ましくは2〜50である。
配合装置の剪断速度は、好ましくは10秒-1〜20000秒-1、特に好ましくは100秒-1〜10000秒-1である。
更に本発明は、次式(I)のホスフィン酸塩及び/または次式(II)のジホスフィン酸塩及び/またはこれらのポリマーを含むナノ粒状リン含有難燃剤系を含む、ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメント、及びポリマーファイバーも提供する。
Figure 2006037100
[R1及びR2は、同一かまたは異なり、線状もしくは分枝状C1〜C6アルキル、及び/またはアリールであり、R3は、線状もしくは分枝状C1〜C10アルキレン、C6〜C10アリーレン、C6〜C10アルキルアリーレン、またはC6〜C10アリールアルキレンであり、
Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Fe、Zr、Zn、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na、K及び/またはプロトン化された窒素塩基であり、mは1〜4であり、nは1〜4であり、そしてxは1〜4である。
前記ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメント、及びポリマーファイバーは、好ましくは、
ナノ粒状リン含有難燃剤系0.5〜45重量%、
ポリマーまたはポリマー混合物0.5〜95重量%、
を含む。
前記ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメント、及びポリマーファイバーは、好ましくは、
ナノ粒状リン含有難燃剤系0.5〜45重量%、
ポリマーまたはポリマー混合物0.5〜95重量%、
添加剤0.5〜55重量%、
フィラーまたは強化材0.5〜55重量%、
を含む。
前記ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメント、及びポリマーファイバーは、好ましくは、
ナノ粒状リン含有難燃剤系10〜40重量%、
ポリマーまたはポリマー混合物10〜80重量%、
添加剤2〜40重量%、
フィラーまたは強化材2〜40重量%、
を含む。
更に本発明は、本発明の難燃性ポリマー成形材料を含む、ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメント及びポリマーファイバーも提供する。
前記ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメント、及びポリマーファイバーは、好ましくは、
難燃性ポリマー成形材料60〜98重量%、
ポリマーまたはポリマー混合物1〜40重量%、
を含む。
前記ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメント、及びポリマーファイバーは、特に好ましくは、
難燃性ポリマー成形材料60〜98重量%、
ポリマーまたはポリマー混合物1〜40重量%、
添加剤0.2〜40重量%、
フィラーまたは強化材0.2〜40重量%、
を含む。
ポリブチレンテレフタレートまたはナイロン−6,6またはナイロン−6の場合には、前記ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメント、及びポリマーファイバーの弾性率は10000〜12000MPaである。
前記ポリマー成形体のUL94クラスは、前記ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメント、及びポリマーファイバーについてはV−1またはV−0である。
ポリブチレンテレフタレートの場合は、前記ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメント、及びポリマーファイバーの破断時引張ひずみは、好ましくは、1.3〜3%、好ましくは1.9〜2.2%である。
ポリブチレンテレフタレートの場合は、前記ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメント、及びポリマーファイバーの耐衝撃性は、好ましくは、45〜70kJ/m2、好ましくは55〜62kJ/m2である。
ポリブチレンテレフタレートの場合には、前記ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメント、及びポリマーファイバーのグローワイヤー温度(グローワイヤー着火試験,GWIT)は、好ましくは750〜900℃、特に好ましくは775〜875℃である。
前記ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメント、及びポリマーファイバーの透明性は、好ましくは70〜100%である。
前記ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメント、及びポリマーファイバーにおいて、ナノ粒状リン含有難燃剤系の粒度は好ましくは1〜1000nm、特に好ましくは5〜500nmであり、及び/またはナノ粒状リン含有難燃剤系のBET表面積は好ましくは2〜1000m2/g、特に好ましくは5〜500m2/gであり、及び/またはナノ粒状リン含有難燃剤系は、好ましくは0.01〜10重量%の量で保護コロイド及び/または結晶化改質剤を含む。
更に本発明は、射出成形によって、前記ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメント、及びポリマーファイバーを製造する方法も提供する。
上記方法における加工温度は、ポリスチレンの場合は200〜250℃、ポリプロピレンの場合は200〜300℃、ポリエチレンテレフタレート(PET)の場合は250〜290℃、ポリブチレンテレフタレート(PBT)の場合は230〜270℃、ナイロン−6(PA6)の場合は260〜290℃、ナイロン−6,6(PA6.6)の場合は260〜290℃、ポリカーボネートの場合は280〜320℃である。
Mは、好ましくは、アルミニウム、カルシウム、チタン、亜鉛、スズ、またはジルコニウムである。プロトン化された窒素塩基の中では、好ましいものは、アンモニア、メラミン、トリエタノールアミンのプロトン化された塩基、特にNH4 +である。
好ましく使用できるホスフィン酸塩は、トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、及びこれらの混合物である。
前記トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム類は、適当ならば、エチルブチルホスフィン酸アルミニウム、エチルホスホン酸アルミニウム、亜リン酸アルミニウム及び/または次亜リン酸アルミニウムの群から選択される補助成分を0.01〜10%の量で含む。
好ましく使用できる他のホスフィン酸塩は、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、及びこれらの混合物である。
ここで前記ビスジエチルホスフィン酸亜鉛は、適当ならば、エチルブチルホスフィン酸亜鉛、エチルホスホン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛及び/または次亜リン酸亜鉛の群から選択される補助成分を0.01〜10%の量で含む。
好ましく使用できる他のホスフィン酸塩は、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスジエチルホスフィン酸チタン、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスメチルエチルホスフィン酸チタン、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル、テトラキスジフェニルホスフィン酸チタン、及びこれらの任意の所望の混合物である。
本発明に従い使用することができる前記ナノ粒状リン含有難燃剤系の好ましい嵩密度は、10〜1000g/l、特に40〜400g/lであり、残留含水率は、好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.1〜1重量%である。
本発明に従い使用することができるナノ粒状リン含有難燃剤系の好ましいLカラー値は、85〜99.9、特に好ましくは90〜98である。
本発明に従い使用することができるナノ粒状リン含有難燃剤系のaカラー値は、好ましくは−4〜+9、特に好ましくは−2〜+6であり、そしてbカラー値は、好ましくは−2〜+6、特に好ましくは−1〜+3である。
前記カラー値は、ハンターシステム(CIE−LABシステム、国際照明委員会)で表したものである。L値は0(黒)〜100(白)の範囲であり、a値は−a(緑)〜+a(赤)の範囲であり、そしてb値は−b(青)〜+b(黄)の範囲である。
上記の範囲を下回るL値または上記の範囲外のa値もしくはb値を有するナノ粒状リン含有難燃剤系は、白色顔料をより多量に使用することを必要とする。これは、ポリマー成形体の機械的安定性の性質(例えば、弾性率)を低下させる。
該ナノ粒状リン含有難燃剤系は、好ましくは、ポリマー中の分散物の形である。
該ナノ粒状リン含有難燃剤系は、好ましくは、ポリマー中に分散させる前にその最終の粒度を有する。これは、適当な製造方法によって達成され、好ましくは、DE-A-101 48 615及び/またはEP-A-1 167 461に記載されるような、適当なミニリアクター及び/またはマイクロリアクター中で行われる。
マイクロリアクターでの好ましい処理量は、10-3l/h〜103l/hであり、そしてミニリアクターでの好ましい処理量は、102l/h〜105l/hである。
反応を行う方法は、好ましくは、適当なアルミニウム化合物、亜鉛化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物及び/またはスズ化合物(成分A)を、式(I)のホスフィン酸及び/または式(II)のジホスフィン酸の適当な化合物、及び/またはこれらのポリマー(成分B)と反応させる方法である。成分A)及びB)の使用比率A:Bは、好ましくは100:1〜1:100金属電荷数当量/リンモル数、特に好ましくは10:1〜1:10金属荷電数当量/リンモル数である。ここで、金属荷電数当量は、金属のモル数を金属種の荷電数で割って得た商である。
好ましい条件は、0〜300℃の温度及び110-7〜1102hの反応時間である。圧力は0.1〜196MPaとすることができる。
好ましくは、ナノ粒状リン含有難燃剤系を基準にして0.01〜10重量%の保護コロイド及び/または結晶化改質剤が、成分AとBの反応中に加えられる。
好ましい保護コロイド及び/または結晶化改質剤の例は、ポリマー性第四級アンモニウム塩((R)Genamin PDAC, Clariant)、ポリエチレンイミン((R)Lupasol G 20, BASF)、没食子酸、ゼラチン、ホスホン酸及びこれらの塩(エチルホスホン酸、[(ホスホノメチル)イミノ]ビス[2,1−エタンジイルニトリロビス(メチレン)]テトラキスホスホン酸((R)Cublen D50)、アミノトリス(メチレン)ホスホン酸((R)Cublen AP 5)、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸((R)Cublen K 60)、及び/またはピロリン酸ナトリウムである。
ナノ粒状リン含有難燃剤系の他の製造方法は、ゾル−ゲル法である。この方法では、上記の成分Aを加水分解し、次いで上記の成分Bの一つと反応させる。他の態様では、成分Aを成分Bの存在下に加水分解する。
成分Aは、好ましくは有機アルミニウム/チタン/亜鉛/スズ/ジルコニウム化合物である。
好ましい有機アルミニウム/チタン/亜鉛/スズ/ジルコニウム化合物は、アルミニウム/チタン/亜鉛/スズ/ジルコニウムアルコキシドであり、そして特に、アルミニウムアルコキシドは、アルミニウムn−ブトキシド、アルミニウムsec−ブトキシド、アルミニウムtert−ブトキシド、及び/またはアルミニウムイソプロポキシド; スズ(IV)tert−ブトキシド; ジルコニウム(IV)tert−ブトキシド; チタン(IV)n−プロポキシド((R)Tilcom NPT, Vertec NPT)、チタン(IV)n−ブトキシド、チタンクロライドトリイソプロポキシド、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)2−エチルヘキソキシド((R)Tilcom EHT, (R)Vertec EHT)である。ここで、キレート剤としてのアセチルアセトネートの使用が好ましい。
更に、上記の反応は、通常の条件下においてミクロリアクターまたはミニリアクター中で行うことができる。
好ましく使用することができるナノ粒状リン含有難燃剤系は、湿式粉砕法によって製造することができる。この方法では、難燃剤系を0.1〜50重量%、好ましくは1〜20重量%の濃度で溶剤中に分散し、次いで湿式粉砕する。
上記の通り、本発明は、ナノ粒状リン含有難燃剤系を含む難燃性ポリマー成形材料も提供する。ここでポリマー成形材料(polymer molding compositions)という表現は、複合体(composites)または配合材料(compounded materials)と同義である。
ボリュームフローインデックス(メルトフローインデックス、MFI、MVR)も、相容性の評価に利用することができる。MVR値の急激な上昇はポリマーの分解を示す。
好ましいポリマーは、モノもしくはジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリイソプレン、またはポリブタジエン、並びにシクロオレフィンのポリマー、例えばシクロペンテンまたはノルボルネンのポリマー; 更にポリエチレン(これは、必要ならば架橋されていてもよい)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度高分子量ポリエチレン(HMWHDPE)、高密度超高分子量ポリエチレン(UHMWHDPE)、中密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、及び分枝状低密度ポリエチレン(VLDPE)またはこれらの混合物である。
他の好ましいポリマーは、モノもしくはジオレフィン同士のまたはこれらと他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン−プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、及びこれと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン−1−ブテンコポリマー、プロピレン−イソブチレンコポリマー、エチレン−1−ブテンコポリマー、エチレン−ヘキセンコポリマー、エチレン−メチルペンテンコポリマー、エチレン−ヘプテンコポリマー、エチレン−オクテンコポリマー、プロピレン−ブタジエンコポリマー、イソブチレン−イソプレンコポリマー、エチレン−アルキルアクリレートコポリマー、エチレン−アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー及びこれらと一酸化炭素とのコポリマー、及びエチレン−アクリル酸コポリマー及びこれらの塩(アイオノマー)、並びにエチレンとプロピレン及びジエン(例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデンノルボルネン)とのターポリマー; 並びにこれらのコポリマー同士の混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー、LLDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー、LLDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー、及び交互構造もしくはランダム構造のポリアルキレン−一酸化炭素コポリマー、及びこれらと他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物である。他の好ましいポリマーは、炭化水素樹脂(例えば、C5〜C9)(これの水素化変性物の含む(例えば粘着性付与剤樹脂))、及びポリアルキレンとデンプンとの混合物である。
他の好ましいポリマーは、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、及び/またはポリ(アルファ−メチルスチレン)である。
他の好ましいポリマーは、スチレンもしくはアルファ−メチルスチレンとジエンもしくはアクリル酸誘導体とのコポリマー、例えばスチレン−ブタジエン、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−アルキルメタクリレート、スチレン−ブタジエン−アルキルアクリレート、スチレン−ブタジエン−アルキルメタクリレート、スチレン−無水マレイン酸、スチレン−アクリロニトリル−メチルアクリレート; スチレンコポリマーと、他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマーまたはエチレン−プロピレン−ジエンターポリマーとからなる、高耐衝撃性を有する混合物; 及びスチレンのブロックコポリマー、例えばスチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン、及びスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンである。
他の好ましいポリマーは、スチレンもしくはアルファ−メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエン上にスチレンがグラフトしたグラフトコポリマー、ポリブタジエン−スチレンコポリマー上にスチレンがグラフトしたグラフトコポリマー、ポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー上にスチレンがグラフトしたグラフトコポリマー、ポリブタジエン上にスチレン及びアクリロニトリル(またはメタクリロニトリル)がグラフトしたグラフトコポリマー; ポリブタジエン上にスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレートがグラフトしたグラフトコポリマー; ポリブタジエン上にスチレン及び無水マレイン酸がグラフトしたグラフトコポリマー; ポリブタジエン上にスチレン、アクリロニトリル、及び無水マレイン酸もしくはマレイミドがグラフトしたグラフトコポリマー; ポリブタジエン上にスチレン及びマレイミドがグラフトしたグラフトコポリマー、ポリブタジエン上にスチレン及びアルキルアクリレートもしくはアルキルメタクリレートがグラフトしたグラフトコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー上にスチレン及びアクリロニトリルがグラフトしたグラフトコポリマー、ポリアルキルアクリレートもしくはポリアルキルメタクリレート上にスチレン及びアクリロニトリルがグラフトしたグラフトコポリマー、アクリレート−ブタジエンコポリマー上にスチレン及びアクリロニトリルがグラフトしたグラフトコポリマー、並びにこれらの混合物、例えばABSポリマー、MBSポリマー、ASAポリマー、またはAESポリマーとして知られるものである。
他の好ましいポリマーは、ハロゲン含有ポリマー、例えばポリクロロプレン、塩素化ゴム、塩素化及び臭素化イソブチレン−イソプレンコポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化もしくはクロロスルホン化ポリエチレン、エチレンと塩素化エチレンとのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−もしくはコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ポリビニルフルオライド、ポリビニリデンフルオライド; 及びこれらのコポリマー、例えば塩化ビニル−塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル、及び塩化ビニリデン−酢酸ビニルである。
他の好ましいポリマーは、アルファ,ベータ−不飽和酸またはこれらの或る種の誘導体から誘導されるポリマー、例えばポリアクリレート及びポリメタクリレート、ブチル−アクリレート−衝撃改質ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル、及び上記のモノマー同士のまたはこれらと他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル−ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル−アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル−アルコキシアルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル−ハロゲン化ビニルコポリマー、及びアクリロニトリル−アルキルメタクリレート−ブタジエンターポリマーである。
他の好ましいポリマーは、不飽和アルコールまたはアミンあるいはそれらのアシル誘導体もしくはアセタールから誘導されるポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート、ポリアリルメラミン; またはこれらとオレフィンとのコポリマーである。
他の好ましいポリマーは、環状エーテルのホモもしくはコポリマー、例えばポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、またはこれらとビスグリシジルエーテルとのコポリマーである。
他の好ましいポリマーは、ポリアセタール、例えばポリオキシメチレン、及び例えばエチレンオキシドなどのコモノマーを含むポリオキシメチレン; 熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで変性されたポリアセタールである。
他の好ましいポリマーは、ポリフェニレンオキシドまたはポリフェニレンスルフィド、あるいはこれらとスチレンポリマーまたはポリアミドとの混合物である。
他の好ましいポリマーは、一方では末端ヒドロキシ基を有するポリエーテル、ポリエステルまたはポリブタジエンから、他方では脂肪族または芳香族ポリイソシアネートから誘導されるポリウレタン、あるいはこれらのポリウレタンの前駆体である。
他の好ましいポリマーは、ジアミン及びジカルボン酸から及び/またはアミノカルボン酸から、または対応するラクタムから誘導されるポリアミド及びコポリアミド、例えば、ナイロン−4、ナイロン−6((R)Akulon K122, DSM; (R)Zytel 7301, DuPont; (R)Durethan B 29, Bayer)、ナイロン−6,6((R)Zytel 101, DuPont; (R)Durethan A30, (R)Durethan AKV, (R)Durethan AM, Bayer; (R)Ultramid A3, BASF)、ナイロン−6,10、ナイロン−6,9、ナイロン−6,12、ナイロン−4,6、ナイロン−12,12、ナイロン−11、ナイロン−12((R)Grillamid L20, Ems Chemie); m−キシレン、ジアミン及びアジピン酸に基づく芳香族ポリアミド; ヘキサメチレンジアミン及びイソフタル酸及び/またはテレフタル酸、及び必要に応じて改質剤としてのエラストマーから製造されるポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタルアミドである。他の好適なポリマーは、上記のポリアミドと、ポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー、または化学結合もしくはグラフトしたエラストマー、またはポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールもしくはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマーである。EPDM−またはABSで変性したポリアミドまたはコポリアミド、また同様に、加工中に縮合されたポリアミド(“RIMポリアミドシステム”)も好適である。
他の好ましいポリマーは、ポリユリア、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン、またはポリベンズイミダゾールである。
他の好ましいポリマーは、ジカルボン酸及びジアルコール及び/またはヒドロキシカルボン酸からか、または対応するラクトンから誘導されるポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート((R)Celanex 2500, (R)Celanex 2002, Celanese; (R)Ultradur, BASF)、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート、並びにヒドロキシ末端基を有するポリエーテルから誘導されるブロックポリエーテルエステル; 及びポリカーボネートもしくはMBSで変性された前記ポリエステルである。
他の好ましいポリマーは、ポリカーボネートもしくはポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンまたはポリエーテルケトンである。
他の好ましいポリマーは、一方ではアルデヒド、及び他方ではフェノール、尿素もしくはメラミンから誘導された架橋されたポリマー、例えばフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、またはメラミン−ホルムアルデヒド樹脂である。
他の好ましいポリマーは、乾性(drying)もしくは非乾性(non-drying)アルキド樹脂である。
他の好ましいポリマーは、飽和もしくは不飽和ジカルボン酸と多価アルコール及び架橋剤としてのビニル化合物とのコポリエステルから誘導された不飽和ポリエステル樹脂、並びにこれらのハロゲン含有難燃性変性物である。
他の好ましいポリマーは、置換されたアクリル酸エステル、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、またはポリエステルアクリレートから誘導された架橋可能なアクリル樹脂である。
他の好ましいポリマーは、次のもの、すなわちメラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネートまたはエポキシ樹脂で架橋された、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂またはアクリレート樹脂である。
他の好ましいポリマーは、脂肪族グリシジル化合物、環状脂肪族グリシジル化合物、複素環式グリシジル化合物または芳香族グリシジル化合物から誘導された架橋エポキシ樹脂、例えば、促進剤を使用してもしくは使用せずに慣用の硬化剤、例えば酸無水物もしくはアミンで架橋されたビスフェノールAジグリシジルエーテルまたはビスフェノールFジグリシジルエーテルの生成物である。
他の好ましいポリマーは、上記のポリマーの混合物(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDMもしくはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PU、PC/熱可塑性PU、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS、及びPBT/PET/PCである。
難燃性ポリマー成形材料及び難燃性ポリマー成形体のための強化材の好ましい形は、繊維、不織布、マット、織編布、ストランド状物、テープ状物、可撓性チューブ状物、ブレイド状物、中実体、成形体、及び中空体である。
難燃性ポリマー成形材料及び難燃性ポリマー成形体のための強化材の好ましい材料は、無機材料、例えばEガラス(一般のプラスチック強化用もしくは電気分野用のケイ酸ホウ素アルミニウムガラス)、Rガラス、及びSガラス(高温度下で高い機械的要求が求められる場合のための特殊ガラス)、Dガラス(高温度下で高い絶縁要求が求められる場合のための特殊ガラス)、Cガラス(特定の耐化学薬品性のためにホウ素添加量を増加したアルカリ−ライムガラス)、石英ガラス、カーボン、鉱物類、金属(鋼鉄、アルミニウム、マグネシウム、モリブデン、タングステン)、セラミック(金属酸化物)である。
難燃性ポリマー成形材料及び難燃性ポリマー成形体のための強化材の他の好ましい材料は、重縮合物、例えばナイロン−6(例えば、(R)Perlon)、ナイロン−6,6(例えば、(R)Nylon)、ナイロン−11(例えば、(R)Rilsan、(R)Qiana)、芳香族ポリアミド(ポリ−m−フェニレンイソフタルアミド(例えば、(R)Nomex)、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド(例えば、(R)Aramid、(R)Kevlar))、ポリエチレングリコールテレフタレート(例えば、(R)Dacron、(R)Diolen、(R)Terylene、(R)Trevira、(R)Vestanなど)、ポリ−1,4−ジメチレンシクロヘキサンテレフタレート(例えば、(R)Kodel、(R)Vestan X 160など)、ポリカーボネート、ポリウレタンエラストマー(例えば、(R)Dorlastan、(R)Lycraなど)である。
難燃性ポリマー成形材料及び難燃性ポリマー成形体のための強化材の他の好ましい材料は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリルホモポリマー、ポリアクリロニトリルコポリマー(例えば(R)Dralon、(R)Orlon)、モダアクリル樹脂(例えば、(R)Kanekalon、(R)Venel)、アタクチックポリビニルクロライド(例えば(R)Rhovyl、(R)Fibravyl)、シンジオタクチックポリビニルクロライド(例えば(R)Leavil)、ポリビニルアルコール(例えば(R)Kuralon、(R)Vinylal、(R)Vinylon)、ポリテトラフルオロエチレン(例えば(R)Teflon、(R)Hostaflon)、ポリスチレン(例えば(R)Polyfiber、(R)Styroflex)などのポリマーである。
難燃性ポリマー成形材料及び難燃性ポリマー成形体のための強化材の他の好ましい材料は、天然繊維及び半合成繊維(ビスコースセルロース、銅セルロース、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、亜麻、麻、サイザル、ジュート、カラムシ、綿)である。
短ガラス繊維の好ましい寸法は、長さが0.01〜10mmで、直径が0.005〜0.015mmである。
該難燃性ポリマー成形材料は、好ましくは、ペレットの形(配合材料)である。このペレットは、好ましくは、円形、楕円形もしくは不規則な底面を持つ筒状の形、あるいは球、クッション、立方体、平行六面体または角柱の形を有する。
前記ペレットの長さ:直径比は、好ましくは1:50〜50:1、特に好ましくは1:5〜5:1であり、そして該ペレットの直径は好ましくは0.5〜15mm、特に好ましくは2〜3mmであり、そして長さは、好ましくは0.5〜15mm、特に好ましくは2〜5mmである。
難燃性ポリマー成形材料の好ましい製造方法は、前記ナノ粒状リン含有難燃剤系の存在下に本発明に従い使用されるポリマーを重合する方法である(“in-situ”重合法)。
好ましい熱可塑性ポリマーは、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、及びアルファ−ベータ−不飽和モノマーのポリマーであり、また、コポリマーも好ましい。
遊離基重合法の場合は、モノマー、ナノ粒状リン含有難燃剤系及び開始剤を、高速ミキサーで混合し、そして重合する。好ましい条件は、0〜300℃、好ましくは50〜150℃の温度、及び0.01〜100hの時間である。圧力は、1〜200MPaの範囲で変えることができる。
疎水性モノマーの場合は、懸濁重合が特に好ましい。乳化剤及び本発明に従い使用される溶剤を添加することがこの際好ましい。
特に好ましいものは、スチレン、アルキルスチレン、及びジビニルベンゼンである。特に好ましいものは、スチレン、アルファ−メチルスチレン、p−メチルスチレン、及びジビニルベンゼンである。本発明では、上記のスチレン類の一種または二種以上のものを、任意の所望の構造に(共)重合することができる。
適当な乳化剤は、陰イオン性界面活性剤、例えばロジン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム; 陽イオン性界面活性剤、例えばセチルトリメチルアンモニウムブロマイド及びドデシルアミンクロライド; 非イオン性界面活性剤、例えばノニルポリオキシエチレンエーテル及びオクチルフェニルポリオキシエチレンエーテルなどである。これらの乳化剤は、単独でまたはこれらの混合物として使用することができる。
適当な溶剤は、水、アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、tert−アミルアルコール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、イソオクタノール、n−トリデカノール、ベンジルアルコールなどである。また、グリコール類、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコールなど; 脂肪族炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、及び石油エーテル、ナフサ、ケロシン、石油、パラフィン油など; 芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼンなど; ハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、四塩化炭素、テトラブロモエチレンなど; 脂肪環式炭化水素、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、及びメチルシクロヘキサンなど; エーテル類、例えばアニソール(メチルフェニルエーテル)、tert−ブチルメチルエーテル、ジベンジルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジフェニルエーテル、メチルビニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルなど; グリコールエーテル類、例えばジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME,モノグリム)、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグリム)、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなど; ケトン類、例えばアセトン、ジイソブチルケトン、メチルn−プロピルケトン; メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど; エステル類、例えば蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、及び酢酸n−ブチルなど; カルボン酸、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸なども好ましい。これらの化合物の一種または二種以上を単独でまたは組み合わせて使用することができる。
適当な開始剤は、遊離基を生成する系ならばどのようなものでもよい。パーオキソ化合物及び/またはアゾ開始剤が特に好ましい。
重縮合方法の場合は、モノマー及びモノマー混合物を初期装入物として使用し、そしてリン含有難燃剤系を高速度ミキサーで混合し、そして前記材料を重合する。
適当なポリエステルは、芳香族、環状脂肪族もしくは脂肪族ジオールと、脂肪族、芳香族または環状脂肪族ジカルボン酸との縮合から生じ、そしてこれは、環状脂肪族、脂肪族または芳香族ポリエステルであることができる。
その例は、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンドデケート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン2,7−ナフタレート、ポリ−メタ−フェニレンイソフタレート、ポリグリコール酸、ポリエチレンスクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリデカメチレンアゼレート、ポリデカメチレンアジペート、ポリデカメチレンセバケート、ポリジメチルプロピオラクトン、ポリ−パラ−ヒドロキシベンゾエート(Ekonol)、ポリエチレンオキシベンゾエート(A-tell)、ポリエチレンイソフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリデカメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(トランス)、ポリエチレン1,5−ナフタレン、ポリエチレン2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロへキシレンジメチレンテレフタレート(Kodel)(シス/トランス)である。
適当なポリアミドは、各カルボキサミド繰り返し基を互いに隔離する少なくとも二つの炭素原子が存在する線状ポリカルボキサミドである。その例は、ヘキサメチレンジアンモニウムイソフタレート30%及びヘキサメチレンジアンモニウムアジペート70%から組成されるコポリアミド、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン−6,10)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリヘプタメチレンピメラミド(ナイロン−7,7)、ポリオクタメチレンスベラミド(ナイロン−8,8)、ポリノナメチレンアゼラミド(ナイロン−9,9)、ポリ(デカメチレンアゼラミド)(ナイロン−10,9)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン−10,10)、ポリビス−4−アミノシクロヘキシルメタン−1,10−デカンカルボキサミド、ポリ−m−キシレンアジパミド、ポリ−p−キシレンセバカミド、ポリ−2,2,2−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリピペラジンセバカミド、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−メタ−フェニレンイソフタルアミドなどである。他の例は、ポリ−4−アミノ酪酸(ナイロン−4)、ポリ−6−アミノヘキサン酸(ナイロン−6)、ポリ−7−アミノヘプタン酸(ナイロン−7)、ポリ−8−アミノオクタン酸(ナイロン−8)、ポリ−9−アミノノナン酸(ナイロン−9)、ポリ−10−アミノデカン酸(ナイロン−10)、ポリ−11−アミノウンデカン酸(ナイロン−11)、ポリ−12−アミノドデカン酸(ナイロン−12)などである。
溶融物分散法は、非ナノ粒状のリン含有難燃剤系をナノ粒状リン含有難燃剤系に変え、そして同時にこれをポリマー中に分散させる。
溶融物分散法という用語は、押出、配合(compounding)、及び/またはマスターバッチの製造と同義である。
リン含有難燃剤系を熱可塑性ポリマー中に組み入れる方法の例は、粉末及び/またはペレットの形の全ての成分をミキサー中で予備混合し、次いでこれらを、配合装置(例えば二軸スクリュー押出機)でポリマー溶融物中に均一化する方法である。前記成分は、供給システムによって別々に、配合装置に直接導入することもできる。
溶融物分散法の間は、マトリックスポリマー中のナノ粒状リン含有難燃剤系の分散物は、相容化剤の添加、混合時間、剪断力負荷量、及びポリマー粘度によって影響を受ける。
ポリオレフィンマトリックスポリマーの場合は、好ましいものは、酸無水物で変性したオリゴマーまたはヒドロキシ含有ポリオレフィンオリゴマーなどの相容化剤が好ましい。中でも特に好ましいものは、ポリプロピレン−無水マレイン酸コポリマー、例えば(R)Polybond 3000(マレイン酸で変性したポリプロピレン1.2%を含む。Crompton Middlebury, USA)、(R)Polybond 3200及び2000、及び(R)Orevac-CA100(Elf Atochem Co. Ltd., 無水マレイン酸−ポリプロピレンコポリマー,Mw=30000-50000)である。
相容化剤の他の例は、RnSiX(4-n)の構造を有するオルガノシランである(式中、nは1〜3の整数であり、そしてRは、ケイ素原子に直接結合した炭素原子を含む有機基であり、そしてXはアルコキシ、アクリルオキシ、アミノまたはハロゲンラジカルである)。前記有機基は1〜20の炭素原子を含みそしてアルキル、アリール、アルカリール、アリールアルキル、ビニル、アリル、アミノアルキル、アミノアリールであることができるか、またはエーテル、ケトン、エステル、エポキシ、アミン及び/またはカルボキシ基を含む他の有機基であることができる。
好ましいシランは、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン及びアリルトリメトキシシランなどである。
相容化剤の他の例は、炭素原子数が12〜22個の少なくとも一つのアルキル置換基を窒素原子上に有する第四級アンモニウム化合物である。窒素上の他の置換基は、(a)炭素原子数1〜22の線状もしくは分枝状アルキル基、(b)アリールアルキル基、例えばベンジル基及び置換されたベンジル基、及び(c)アリール基、例えばフェニル及び置換されたフェニル基であることができる。前記第四級アンモニウム化合物は、式R1234+-で表すことができる。式中、Mはアニオン、例えば塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、亜硝酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、水酸化物イオン、C1〜C18−カルボキシレートイオンなどであり、R1は、炭素原子数12〜22のアルキル基であり、そしてR2、R3及びR4は、炭素原子数12〜22のアルキル基、炭素原子数7〜22のアリールアルキル基、炭素原子数6〜22のアリール基、及びこれらの混合物である。
好ましい第四級アンモニウム化合物は、前記式中、R1及びR2が、炭素原子数12〜22のアルキル基であり、そしてR3及びR4がメチルである化合物、及び前記式中、R1が、炭素原子数12〜22のアルキル基であり、R2がベンジルであり、そしてR3及びR4がメチルである化合物、またはこれらの混合物である。
前記長鎖アルキル基は、天然に生ずる植物及び/または動物性の脂肪または油からあるいは石油化学品から、例えばコーン油、綿実油、ヤシ油、大豆油、ヒマシ油及び/または獣油から誘導することができる。
前記第四級アンモニウム化合物に存在することができる他のアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、デシル、ドデシル、ラウリル、ステアリルなどである。
アリール基には、フェニル及び置換されたフェニル基が包含される。アリールアルキル基には、ベンジル基及び置換されたベンジル基が包含される。
本発明に従い使用される第四級アンモニウム化合物は、例えばジメチルジ(水素化獣脂)アンモニウムクロライド、メチルトリ(水素化獣脂)アンモニウムクロライド、ジメチルベンジル(水素化獣脂)アンモニウムクロライド、メチルベンジルジ(水素化獣脂)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウム塩、ドデシルアンモニウム塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム塩、ビス(2−ヒドロキシエチル)オクタデシルメチルアンモニウム塩、オクタデシルベンジルジメチルアンモニウム塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩などである。
好ましい配合機は、様々な大きさ及び設計の二軸スクリューニーダーである。好ましいものは、ZSKメガコンパウンダー、ZSK メガボリューム(Krupp Werner & Pfleiderer)、Berstorff ZE 25、Leistritz ZSE−27などである。
更に別の好ましいものは、MDK 46 コニーダー(例えば、スイス在のBuss社製の、11のL/Dを有するもの)、すなわちヒンジバレルを有する単軸スクリューニーダーである。
好ましい温度は、加工すべきプラスチックの融点の温度である。溶融物は、通常は、ストランドの形で引き抜き、冷却しそしてペレット化する。
本発明の難燃性組成物は、好ましくは、次いで難燃性ポリマー成形体の製造に使用される難燃性ポリマー成形材料に使用される。前記ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバーのポリマーは、好ましくは熱可塑性または熱硬化性ポリマーである。
驚くべきことに、本発明の圧縮造粒化難燃剤組成物または難燃性成形材料に基づく難燃性ポリマー成形体の機械的特性は、従来技術のものよりもかなり良好であることが見出された。
試験方法:
a)平均粒度の測定
Ultra-Turraxミキサーを使用して、1gの固形試験品を、水中3%のイソプロパノールの溶液中に分散させる。Malvern 4700C装置を用いて、光相関分光法によって平均粒度を測定する。
b)ポリマー成形材料及びポリマー成形マトリックス中でのナノ粒状難燃剤系の粒度の測定
複合体の試験品を、Philips PW1710粉末X線回折計(CuKalpha2放射線,波長1.54439オングストローム,加速電圧35kV,加熱電流28mA,モノクロメータ、スキャン速度3°2シータ/分)で測定した。平均一次粒度Dは、半最大強度の位置での回折角シータにおけるX線反射の線幅(ベータ)から次の式に従いシェラー法によって計算する: D=1.54439[ang]57.3/(ベータコサイン(シータ))(H. Krischner, Einfuehrung in die Roentgenfeinstrukturanalyse [X線微細構造分析の手引き], Vieweg (1987) 106-110参照)。
難燃性ポリマー成形材料及び難燃性ポリマー成形体の製造、加工及び試験
難燃剤系成分を、ポリマーペレット及び場合によっては添加剤と混合し、そして二軸スクリュー押出機(ZSK 25 WLE,14.5kg/h,200rpm,L/D:4)中で、170℃(ポリスチレン)、230〜260℃(PBT)または260℃(PA6)、あるいは260〜280℃(PA66)の温度で配合する。均一化されたポリマーストランドを引き抜き、水浴中で冷却し、次いでペレット化する。
十分に乾燥した後、得られた成形材料を、射出成形機(Aarburg Allrounder)で、240〜270℃(PBT)、275℃(PA6)または260〜290℃(PA66)の温度で加工して試験片を得た。
難燃性ポリマー成形体の機械的特性の測定
破断時引張ひずみは、DIN EN ISO527−1に基づく方法によって測定した。耐衝撃性は、ISO 180に基づく方法によって測定した。
難燃性ポリマー成形体の難燃性の測定:
UL94試験(アンダーライターズ・ラボラトリーズ)に基づいて試験片を難燃性について試験、クラス付けした。
UL94(アンダーライターズ・ラボラトリーズ)耐火クラスを、厚さ1.5mmの試験片を用いて、各々の混合物から得た試験片について求めた。UL94クラスとは以下のものである。
V−0: 残炎時間が10秒以下、10回接炎した場合の全残炎時間が50秒以下、燃焼滴下物無し、試験片の燃え尽き無し、接炎終了後の試験片の残燼時間が30秒以下。
V−1: 接炎終了後の残炎時間が30秒以下、10回接炎した際の全残炎時間が250秒以下、接炎終了後の試験片の残燼時間が60秒以下、他の基準はV−0と同じ。
V−2: 綿指示材が燃焼滴下物によって着火する。他の基準はV−1と同じ。
分類不能(ucl): 耐火クラスV−2を満たさない。
グローワイヤー着火試験測定のためにはIEC 60695−1−13を使用した。
SV数(比粘度)の測定
ジクロロ酢酸(溶剤)50mlを入れた、すりガラスストッパを備えた250mLの三角フラスコ中に、ポリマー試験片(例えばPBT)0.5gを計り入れる。この試験片を、25℃で攪拌しながら16時間で溶解する。この溶液を、G1ガラスフリットに通して濾過する。この溶液20mlを、毛管中に充填し、(ウベローデ)毛管粘度計中に掛け、そして25℃の温度に制御する。そしてSV数を、SV数=100[流下時間(試験片溶液)/流下時間(溶剤)−1]の式から計算する。
ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートには、ジクロロ酢酸の代わりに、フェノールと1,2−ジクロロベンゼンとの混合物(1:1w/w)またはm−クレゾールを使用することもできる。ポリアミドには、硫酸、蟻酸、またはm−クレゾールを使用することができる。
例1
レーディゲミキサー中で、99.9重量部のジエチルホスフィン酸アルミニウム2を、0.1重量部のアルキルシロキサン(エタノール中10%濃度溶液の形のもの)と混合し、次いでこの材料を乾燥室中で120℃で2時間乾燥する。
例2
レーディゲミキサー中で、99重量部のジエチルホスフィン酸アルミニウム2を、1重量部のアルキルシロキサン(エタノール中10%濃度溶液の形)と混合し、次いでこの材料を乾燥室中で120℃で2時間乾燥する。
例3
レーディゲミキサー中で、90重量部のジエチルホスフィン酸アルミニウム2を10重量部のアルキルシロキサン(エタノール中10%濃度溶液の形)と混合し、次いでこの材料を乾燥室中で120℃で2時間乾燥する。
例4
水410.6g中のジエチルホスフィン酸ナトリウム72gの溶液を80℃に加熱し、次いでマイクロリアクター中で、硫酸アルミニウム溶液107g(Al 4.2重量%)で3時間処理する。この材料を、遠心分離によって電解質不含に洗浄し、そして120℃で5時間乾燥する。
例5
水410.6g中にジエチルホスフィン酸ナトリウム72g及びポリエチレンイミン0.65gを含む溶液を80℃に加熱し、次いでマイクロリアクター中で、硫酸アルミニウム溶液107g(Al 4.2重量%)で3時間処理する。この材料を、遠心分離によって電解質不含に洗浄し、そして120℃で5時間乾燥する。
例6
4.54kgの市販のジエチルホスフィン酸アルミニウム1(平均粒径は約22μm)を、Sweco M−45ミル中で、90.72kgの水と一緒に50時間粉砕し、次いで乾燥する。BET表面積は約66m2/gであり、そして平均粒度は0.023μmである。
例7
上記の“難燃性ポリマー成形材料及び難燃性ポリマー成形体の製造、加工及び試験”に記載した一般手順に従い、10重量部のジエチルホスフィン酸アルミニウム2、30重量部のガラスファイバー、及び59.9重量部のナイロン−6,6を加工して成形材料を得る。0.1重量部のアミノシランを相容化剤として加える。
例8
例7に類似して、10重量部のジエチルホスフィン酸アルミニウム2、30重量部のガラスファイバー、及び59重量部のナイロン−6,6を加工して成形材料を得る。1重量部のグリシドキシシランを相容化剤として加える。
例9(比較例)
例7に類似して、10重量%のジエチルホスフィン酸アルミニウム1、5重量%のメラミンポリホスフェート、5重量%のナノクレイ(nanoclay)、30重量%のガラスファイバー、及び50重量%のナイロン−6,6から組成される成形材料を調製し、そして加工して難燃性ポリマー成形体を得る。アンダーライターズ・ラボラトリーズUL94に従い試験した試験片はV−0のカテゴリーを満たす。
例10
例7に類似して、10重量%の例2で得た材料、30重量%のガラスファイバー、及び60重量%のナイロン−6,6から組成される成形材料を調製、加工して難燃性ポリマー成形体を得る。アンダーライターズ・ラボラトリーズUL94に従い試験した試験片はV−0のカテゴリーを満たす。
例11
例7に類似して、10重量%の例3で得た材料、30重量%のガラスファイバー、及び60重量%のナイロン−6,6から組成される成形材料を調製、加工して難燃性ポリマー成形体を得る。アンダーライターズ・ラボラトリーズUL94に従い試験した試験片は、V−0のカテゴリーを満たす。
例12
例7に類似して、10重量%の例4で得た材料、30重量%のガラスファイバー、及び60重量%のナイロン−6,6から組成される成形材料を調製、加工して難燃性ポリマー成形体を得る。アンダーライターズ・ラボラトリーズUL94に従い試験した試験片は、V−0のカテゴリーを満たす。
例13
例7に類似して、10重量%の例5で得た材料、30重量%のガラスファイバー、及び60重量%のナイロン−6,6から組成される成形材料を調製、加工して難燃性ポリマー成形体を得る。アンダーライターズ・ラボラトリーズUL94に従い試験した試験片はV−0のカテゴリーを満たす。
例14
例7に類似して、7.5重量%の例2で得た材料、2.5重量%のメラミンポリホスフェート、30重量%のガラスファイバー、及び60重量%のナイロン−6,6から組成される成形材料を調製、加工して難燃性ポリマー成形体を得る。アンダーライターズ・ラボラトリーズUL94に従い試験した試験片はV−0のカテゴリーを満たす。
例15
例7に類似して、7.5重量%の例4で得た材料、2.5重量%のメラミンポリホスフェート、30重量%のガラスファイバー、及び60重量%のナイロン−6,6から組成される成形材料を調製、加工して難燃性ポリマー成形体を得る。アンダーライターズ・ラボラトリーズUL94に従い試験した試験片は、V−0のカテゴリーを満たす。
例16
例7に類似して、7.5重量%の例5で得た材料、2.5重量%のメラミンポリホスフェート、30重量%のガラスファイバー、及び60重量%のナイロン−6,6から組成される成形材料を調製、加工して難燃性ポリマー成形体を得る。アンダーライターズ・ラボラトリーズUL94に従い試験した試験片はV−0のカテゴリーを満たす。
例17
例7に類似して、7.5重量%の例6(5a)で得た材料、2.5重量%のメラミンポリホスフェート、30重量%のガラスファイバー、及び60重量%のナイロン−6,6から組成される成形材料を調製、加工して難燃性ポリマー成形体を得る。アンダーライターズ・ラボラトリーズUL94に従い試験した試験片はV−0のカテゴリーを満たす。
例18
例7に類似して、例7で得た材料から組成される成形材料を調製、加工して難燃性ポリマー成形体を得る。アンダーライターズ・ラボラトリーズUL94に従い試験した試験片は、V−0のカテゴリーを満たす。
例19
例7に類似して、例8(5c)から得た材料から組成される成形材料を調製、加工して難燃性ポリマー成形体を得る。アンダーライターズ・ラボラトリーズUL94に従い試験された試験片はV−0のカテゴリーを満たす。
例20
410.6gの水中に72gのジエチルホスフィン酸ナトリウム及び0.65gのLupasol G20を含む溶液を80℃に加熱し、次いで硫酸アルミニウム溶液107g(Al 4.2重量%)で3時間処理する。次いで線状ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0gを加える。この反応溶液を5時間で約95℃に加熱し、かつその最中に、ピネンヒドロパーオキシド0.2g(活性成分44%)及びスチレン51.9g(0.5モル)からなる混合物をポンプで計量添加する。この材料を遠心分離によって電解質不含に洗浄し、そして120℃で5時間乾燥する。
例21
水410.6g中にジエチルホスフィン酸ナトリウム72g及びゼラチン0.65gを含む溶液を80℃に加熱し、そして硫酸アルミニウム溶液(Al 4.2重量%)107gで3時間処理する。次いで、線状ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0gを加える。この反応溶液を5時間で約95℃に加熱し、かつその最中に、ピネンヒドロパーオキシド0.2g(活性成分44%)及びスチレン51.9g(0.5モル)からなる混合物をポンプで計量添加する。この材料を遠心分離することによって電解質不含に洗浄し、そして120℃で5時間乾燥する。
例22
脱イオン水275gを80℃に加熱し、次いでアルミニウムトリ−sec−ブトキシド41gで30分間処理する。これにより析出物が生じる。この析出物は、濃硝酸1.16g及び脱イオン水80gから組成される溶液を用いて1時間で溶解することができる。三日間攪拌した後、得られたゾルを、ジエチレンホスフィン酸61gで処理する。1.0gの線状ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを次いで加える。この反応溶液を5時間で約95℃に加熱し、かつこの最中に、ピネンヒドロパーオキシド(活性成分44%)とスチレン51.9g(0.5モル)からなる混合物をポンプで計量添加する。この材料を遠心分離によって電解質不含に洗浄し、そして120℃で5時間乾燥する。
例23
ブラベンダー実験室用ニーダーを用いて、ポリスチレン及び例20(13)で得た材料から組成される難燃性ポリマー成形材料を調製し、そしてこの組成物を加工して難燃性ポリマー成形体を得る。アンダーライターズ・ラボラトリーズUL94に従い試験した試験片はV−0のカテゴリーを満たす。
例24
ブラベンダー実験室用ニーダーを用いて、ポリスチレン及び例21で得た材料から組成される難燃性ポリマー成形材料を調製し、そしてこの組成物を加工して難燃性ポリマー成形体を得る。アンダーライターズ・ラボラトリーズUL94に従い試験した試験片はV−0のカテゴリーを満たす。
例25
ブラベンダー実験室用ニーダーを用いて、ポリスチレン及び例22(15)で得た材料から組成される難燃性ポリマー成形材料を調製し、そしてこの組成物を加工して難燃性ポリマー成形体を得る。アンダーライターズ・ラボラトリーズUL94に従い試験した試験片はV−0のカテゴリーを満たす。
例26
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートから誘導されたジウレタンジメタクリレート40.8重量部、ビス(ジイソシアナトメチル)トリシクロデカン及び2−ヒドロキシエチルアクリレートから誘導されたジウレタンジアクリレート24.5重量部、ドデカンジオールジメタクリレート4重量部、テトラアクリロイルオキシエトキシペンタエリトリトール12.3重量部、例6(23 18)で得た材料17.9重量部、及び3−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン0.18重量部からなる混合物を、トリプル−ロールミルを用いて均一化する。
得られたペースト状物の透明性を、フォトメータ(石英セルd=1mm,タイプ:ELKO2,カールツァイス,フィルターNo.S51E67)で測定する。脱イオン水が基準溶液として使用され、そして測定される透明性値は、装置上で直接読み取られる。透明性は70%である。
例27(比較例)
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートから誘導されたジウレタンジメタクリレート40.8重量部、ビス(ジイソシアナトメチル)トリシクロデカン及び2−ヒドロキシエチルアクリレートから誘導されたジウレタンジアクリレート24.5重量部、ドデカンジオールジメタクリレート4重量部、テトラアクリロイルオキシエトキシペンタエリトリトール12.3重量部、市販のジエチルホスフィン酸アルミニウム1(平均粒径=約22μm)17.9重量部、及び3−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン0.18重量部からなる混合物を、トリプル−ロールミルを用いて均一化する。透明性の測定は40%の値を与える。
例28
フェナントレンキノン0.1重量部、N,N−ジメチル−p−トルイジン0.2重量部、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルベンゼン0.02重量部を、例26で得た材料と混合する。得られた組成物を、光重合化剤(Heraeus Kulzer GmbH製のDentacolor)を用いて、開口中空の金属製の型中で360秒間硬化して、試験片を得る。上記の一般手順に従い測定した、この難燃性ポリマー成形体中のナノ粒状リン含有難燃剤系の粒度は0.1μmである。アンダーライターズ・ラボラトリーズUL94に従い試験した試験片は、V−0のカテゴリーを満たす。
Figure 2006037100
Figure 2006037100
Figure 2006037100
Figure 2006037100

Claims (52)

  1. 次式(I)のホスフィン酸塩及び/または次式(II)のジホスフィン酸塩及び/またはこれらのポリマーの少なくとも一種を含むナノ粒状リン含有難燃剤系を含む、難燃性ポリマー成形材料。
    Figure 2006037100
    [式中、
    1及びR2は、同一かまたは異なり、そして線状もしくは分枝状C1〜C6アルキル、及び/またはアリールであり、
    3は、線状もしくは分枝状C1〜C10アルキレン、C6〜C10アリーレン、C6〜C10アルキルアリーレン、またはC6〜C10アリールアルキレンであり、
    Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Fe、Zr、Zn、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na、K及び/またはプロトン化された窒素塩基であり、
    mは、1〜4であり、
    nは、1〜4であり、そして
    xは、1〜4である]
  2. 1及びR2が、同一かまたは異なり、線状もしくは分枝状C1〜C6アルキル、及び/またはフェニルである、請求項1の難燃性ポリマー成形材料。
  3. 1及びR2が、同一かまたは異なり、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル及び/またはフェニルである、請求項1または2の難燃性ポリマー成形材料。
  4. 3が、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、tert−ブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレンもしくはn−ドデシレン; フェニレンもしくはナフチレン; メチルフェニレン、エチルフェニレン、tert−ブチルフェニレン、メチルナフチレン、エチルナフチレンもしくはtert−ブチルナフチレン; フェニルメチレン、フェニルエチレン、フェニルプロピレン、もしくはフェニルブチレンである、請求項1〜3のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料。
  5. ナノ粒状リン含有難燃剤系の粒度が、1〜1000nm、好ましくは5〜500nmである、請求項1〜4のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料。
  6. ナノ粒状リン含有難燃剤系のBET表面積が2〜1000m2/g、特に好ましくは5〜500m2/gである、請求項1〜5のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料。
  7. ナノ粒状リン含有難燃剤系が、0.01〜10重量%の量で保護コロイド及び/または結晶化改質剤を含む、請求項1〜6のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料。
  8. ナノ粒状リン含有難燃剤系0.5〜45重量%、
    ポリマーまたはポリマー混合物0.5〜95重量%、
    を含み、前記成分の合計が100重量%である、
    請求項1〜7のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料。
  9. ナノ粒状リン含有難燃剤系0.5〜45重量%、
    ポリマーまたはポリマー混合物0.5〜95重量%、
    添加剤0.5〜55重量%、
    フィラーまたは強化材0.5〜55重量%、
    を含み、前記成分の合計が100重量%である、
    請求項1〜7のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料。
  10. ナノ粒状リン含有難燃剤系10〜40重量%、
    ポリマーまたはポリマー混合物10〜80重量%、
    添加剤2〜40重量%、
    フィラーまたは強化材2〜40重量%、
    を含み、前記成分の合計が100重量%である、
    請求項1〜7のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料。
  11. ポリマーが熱可塑性または熱硬化性ポリマーである、請求項1〜10のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料。
  12. 熱可塑性ポリマーが、HI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエーテル、及びABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)で表される種のブレンドまたはポリブレンド、好ましくはポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、及び/またはABSである、請求項11の難燃性ポリマー成形材料。
  13. 熱硬化性ポリマーが、ホルムアルデヒドポリマー、エポキシポリマー、メラミンポリマー、またはフェノール樹脂ポリマー、及び/またはポリウレタンである、請求項11の難燃性ポリマー成形材料。
  14. 添加剤が、窒素化合物、リン化合物、またはリン−窒素化合物である、請求項10または11の難燃性ポリマー成形材料。
  15. 添加剤が、次式(III)〜(VIII)の窒素化合物、またはこれらの混合物である、請求項9〜14のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料。
    Figure 2006037100
    [式中、
    5〜R7は、水素、C1〜C8アルキル、C5〜C16シクロアルキルまたはC5〜C16アルキルシクロアルキル(これらは場合によってはヒドロキシまたはC1〜C4ヒドロキシアルキル官能基によって置換されている)、C2〜C8アルケニル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アシル、C1〜C8アシルオキシ、C6〜C12アリールもしくはC6〜C12アリールアルキル、−OR8、または−N(R8)R9(N−脂環式もしくはN−芳香族タイプのものも含まれる)であり、
    8は、水素、C1〜C8アルキル、C5〜C16シクロアルキルもしくはC5〜C16アルキルシクロアルキル(これは場合によってはヒドロキシもしくはC1〜C4ヒドロキシアルキル官能基によって置換されている)、C2〜C8アルケニル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アシル、C1〜C8アシルオキシ、またはC6〜C12アリールもしくはC6〜C12アリールアルキルであり、
    9〜R13は、R8と同じく定義されるか、または−O−R8であり、
    m及びnは、互いに独立して、1、2、3または4であり、
    Xは、トリアジン化合物(III)と付加物を形成することができる酸である]
  16. 添加剤が、窒素化合物、例えばメラミン、メラミン縮合物、例えばメラム、メレム及び/またはメロン; ベンゾグアナミン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、アラントイン、グリコールウリル、ジシアンジアミド、及び/またはグアニジンである、請求項9〜15のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料。
  17. 添加剤が、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート、メラムポリホスフェート、メレムポリホスフェート、及び/またはメロンポリホスフェート、及び/またはメラミンシアヌレート、及び/または尿素シアヌレートである、請求項9〜14のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料。
  18. 添加剤が、亜鉛化合物、例えば酸化亜鉛、水酸化亜鉛、酸化亜鉛水和物、無水炭酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、炭酸水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛水和物、(塩基性)ケイ酸亜鉛、ヘキサフルオロケイ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、炭酸水酸化アルミニウムマグネシウム亜鉛、ヘキサフルオロケイ酸亜鉛6水和物、第3主族のオキソ酸の亜鉛塩、例えばホウ酸亜鉛、第5主族のオキソ酸の亜鉛塩、例えばリン酸亜鉛、ピロリン酸亜鉛、遷移金属のオキソ酸の亜鉛塩、例えばクロム酸(VI)亜鉛水酸化物(亜鉛黄)、亜鉛クロマイト、モリブデン酸亜鉛、過マンガン酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛ケイ酸マグネシウム、過マンガン酸亜鉛である、請求項9または10の難燃性ポリマー成形材料。
  19. 添加剤が、アンチモン化合物、例えば三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、及び/または酒石酸アンチモンである、請求項9または10の難燃性ポリマー成形材料。
  20. 添加剤が、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートと芳香族ポリカルボン酸とのオリゴマー性エステルであるか、またはカルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ポリイソシアネート、カルボニルビスカプロラクタム、スチレン−アクリル酸ポリマー、立体障害性フェノール、及び/または式(NH4y3-yPO4もしくは(NH4PO3z(式中、yは1〜3であり、そしてzは1〜10000である)で表される窒素含有ホスフェートであるか、または離型剤である、請求項9または10の難燃性ポリマー成形材料。
  21. 添加剤が少なくとも一種の相容化剤である、請求項9〜20のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料。
  22. 相容化剤が、酸無水物で変性したオリゴマーまたはヒドロキシ含有ポリオレフィンオリゴマー、好ましくはポリプロピレン−無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリスチレン、ポリカプロラクトン、オルガノシラン、及び/または第四級アンモニウム化合物である、請求項21の難燃性ポリマー成形材料。
  23. ポリブチレンテレフタレート成形材料の場合のSV数が、750〜1400、好ましくは950〜1300、特に1000〜1200である、請求項1〜22のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料。
  24. ナイロン−6,6に基づくガラス繊維で強化した難燃性ポリマー成形材料の場合のMVR値が、2〜200cm3/分(275℃,5kg)である、請求項1〜22のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料。
  25. 残留含水率が0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜1重量%である、請求項1〜24のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料。
  26. 透明性が70〜100%である、請求項1〜25のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料。
  27. リン含有難燃剤系を、配合装置中で、ポリマー成形材料またはポリマー中に分散させることを含む、請求項1〜26のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料を製造する方法。
  28. リン含有難燃剤系を、配合装置中で、ポリマー成形材料と一緒にポリマー中に分散させることを含む、請求項1〜26のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料を製造する方法。
  29. 更に別のポリマー、添加剤、助剤、特に分散剤、及び/または相容化剤を加える、請求項27または28の難燃性ポリマー成形材料の製造方法。
  30. 配合装置が、単軸もしくは二軸スクリューニーダー、コニーダー、ブラベンダーニーダー、カレンダー、またはロールミル(トリプルロールミルも含む)である、請求項17〜29のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料の製造方法。
  31. 温度が50〜150℃であり、反応時間が0.01〜100時間であり、そして圧力が1〜200MPaである、請求項27〜30のいずれか一つの方法。
  32. ナノ粒状リン含有難燃剤系を基準にして0.01〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の量の少なくとも一種の相容化剤を添加剤として加える、請求項27〜31のいずれか一つの難燃性ポリマー成形材料の製造方法。
  33. 相容化剤が、酸無水物で変性したオリゴマーまたはヒドロキシ含有ポリオレフィンオリゴマー、好ましくはポリプロピレン−無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリスチレン、ポリカプロラクトン、オルガノシラン、及び/または第四級アンモニウム化合物を含む、請求項32の難燃性ポリマー成形材料の製造方法。
  34. 加工温度が、
    ポリスチレンの場合は170〜200℃、
    ポリプロピレンの場合は200〜300℃、
    ポリエチレンテレフタレート(PET)の場合は250〜290℃、
    ポリブチレンテレフタレート(PBT)の場合は230〜270℃、
    ナイロン−6(PA6)の場合は260〜290℃、
    ナイロン−6,6の場合は260〜290℃、
    ポリカーボネートの場合は280〜320℃である、
    請求項27〜33のいずれか一つの方法。
  35. 押出機のL/D値が1〜100、好ましくは2〜50である、請求項34の方法。
  36. 配合装置の剪断速度が、10秒-1〜20000秒-1、好ましくは100秒-1〜10000秒-1である、請求項27〜36のいずれか一つの方法。
  37. 次式(I)のホスフィン酸塩及び/または次式(II)のジホスフィン酸塩及び/またはこれらのポリマーを含むナノ粒状リン含有難燃剤系を含む、ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメント、またはポリマーファイバー。
    Figure 2006037100
    [式中、
    1及びR2は、同一かまたは異なり、線状もしくは分枝状C1〜C6アルキル、及び/またはアリールであり、
    3は、線状もしくは分枝状C1〜C10アルキレン、C6〜C10アリーレン、C6〜C10アルキルアリーレン、またはC6〜C10アリールアルキレンであり、
    Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Fe、Zr、Zn、Ce、Bi、Sr、Mn、Li、Na、K、及び/またはプロトン化した窒素塩基であり、
    mは、1〜4であり、
    nは、1〜4であり、そして
    xは、1〜4である]
  38. ナノ粒状リン含有難燃剤系0.5〜45重量%、
    ポリマーまたはポリマー混合物0.5〜95重量%、
    を含む、請求項37のポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバー。
  39. ナノ粒状リン含有難燃剤系0.5〜45重量%、
    ポリマーまたはポリマー混合物0.5〜95重量%、
    添加剤0.5〜55重量%、
    フィラーまたは強化材0.5〜55重量%、
    を含む、請求項37または38のポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバー。
  40. ナノ粒状リン含有難燃剤系10〜40重量%、
    ポリマーまたはポリマー混合物10〜80重量%、
    添加剤2〜40重量%、
    フィラーまたは強化材2〜40重量%、
    を含む、請求項39のポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバー。
  41. 請求項1〜25のいずれか一つに記載の難燃性ポリマー成形材料を含む、ポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバー。
  42. 難燃性ポリマー成形材料60〜98重量%、
    ポリマーまたはポリマー混合物1〜40重量%、
    を含む、請求項40のポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバー。
  43. 難燃性ポリマー成形材料60〜98重量%、
    ポリマーまたはポリマー混合物1〜40重量%、
    添加剤0.2〜40重量%。
    フィラーまたは強化材0.2〜40重量%、
    を含む、請求項42のポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバー。
  44. ポリブチレンテレフタレートまたはナイロン−6,6またはナイロン−6の場合の弾性率が10000〜12000MPaである、請求項37〜43のいずれか一つのポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバー。
  45. ポリマー成形体のUL94クラスがV−1またはV−0である、請求項37〜44のいずれか一つのポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバー。
  46. ポリブチレンテレフタレートの場合の破断時引張ひずみが1.3〜3%、好ましくは1.9〜2.2%である、請求項37〜45のいずれか一つのポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバー。
  47. ポリブチレンテレフタレートの場合の耐衝撃性が45〜70KJ/m2、好ましくは55〜62kJ/m2である、請求項37〜46のいずれか一つのポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバー。
  48. ポリブチレンテレフタレートの場合のグローワイヤー温度(グローワイヤー着火試験、GWIT)が750〜900℃、好ましくは775〜875℃である、請求項37〜47のいずれか一つのポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバー。
  49. 透明性が70〜100%である、請求項37〜48のいずれか一つのポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバー。
  50. ナノ粒状リン含有難燃剤系の粒度が1〜1000nm、好ましくは5〜500nmであり、及び/またはナノ粒状リン含有難燃剤系のBET表面積が2〜1000m2/g、好ましくは5〜500m2/gであり、及び/またはナノ粒状リン含有難燃剤系が、0.01〜10重量%の量で保護コロイド及び/または結晶化改質剤を含む、請求項37〜49のいずれか一つのポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバー。
  51. 射出成形を含む、請求項37〜50のいずれか一つのポリマー成形体、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバーの製造方法。
  52. 加工温度が、
    ポリスチレンの場合は200〜250℃、
    ポリプロピレンの場合は200〜300℃、
    ポリエチレンテレフタレート(PET)の場合は250〜290℃、
    ポリブチレンテレフタレート(PBT)の場合は230〜270℃、
    ナイロン−6(PA6)の場合は260〜290℃、
    ナイロン−6,6(PA6.6)の場合は260〜290℃、
    ポリカーボネートの場合は280〜320℃である、
    請求項51の方法。
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