JP2016117898A - ポリアミド組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリアミド組成物を提供する。【解決手段】本発明は、少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩および少なくとも1種の多価アルコールを含む、ナイロン−6および/またはナイロン−6,6をベースとする組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩および少なくとも1種の多価アルコールを含む、ナイロン−6および/またはナイロン−6,6をベースとする組成物に関する。
ポリアミドは、それらの良好な機械的安定性、それらの化学的安定性、およびそれらの良好な加工性のために、特に電気および電子構成部品の分野においては、重要な熱可塑性プラスチック材料である。しかしながら、電気および電子分野においては、極めて多くの場合、難燃性についての要求性能が高くなる特定の用途が存在し、それが理由で、そこで使用されるポリアミドを、難燃剤を用いて変性する必要が生じることが多い。ハロゲン化難燃剤が、そのような目的のための1つの選択肢ではあるが、近年になってそれらは、社会的な関心に基づく技術的な理由から、ハロゲンを含まない代替え物、たとえば有機リン化合物、たとえば有機置換基を有するホスフィン酸の金属塩に置きかえられることが多くなってきた(特許文献1)。有機置換基を有するホスフィン酸の金属塩は、たとえば、窒素含有難燃剤をベースとする他の難燃性相乗剤、またはさらなる他の助剤、たとえばホウ酸の金属塩、特にはホウ酸亜鉛などと組み合わせて使用されることが多い(特許文献2)。
しかしながら、電子構成部品の微小化が進み、電力密度の増大に伴っての温度上昇が高くなってくると、高温で保持される使用温度での機械的な長期間の安定性についての問題点がこれまでにも増して重要となり、その理由は特に、一般的に使用されている銅塩をベースとする熱安定剤(特許文献3)が、それらの塩と金属接点との間の相互作用が原因で、多くの場合、電気および電子分野では使用不可能となるからである。
したがって、(特許文献4)には、加熱貯蔵の後での機械的性質を改良するための、補強材および少なくとも1種の、ハロゲンを含まないホスフィン酸の金属塩をベースとするリン含有難燃剤系、ならびに、ベーマイトと3個以上のヒドロキシル基および約2000以下の平均分子量(Mn)を有する少なくとも1種の多価アルコールとの組合せを含むポリアミド組成物についての教示がある。(特許文献4)においては、ベーマイトは、メラミンポリリン酸塩の代替え物として使用されている。しかしながら、(特許文献4)に記載のそれらの難燃性組成物の大きな欠点は、初期の機械的性質に対するベーマイトの悪影響である。その実施例に記載されているホウ酸亜鉛の使用については批判が加えられるべきであり、それがウォーターハザードに分類されることから、可能であれば、今日ではその使用を避けるべきである。
本発明に関連して、考慮に入れておくべきさらなる従来技術としては、以下のものが挙げられる:
(特許文献5):ジアルキルホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩、亜リン酸の塩、ならびに充填剤および補強材をベースとする難燃性ポリアミド組成物が開示されている;
(特許文献6):ポリアミドおよび多価アルコールからなる熱可塑性プラスチック組成物が記載されている;
(特許文献7):ポリアミドの熱安定化および光安定化のための、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する多価アルコールが特許請求されている;
(特許文献8):少なくとも1種のホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩をベースとするナノスケールのリン含有難燃剤を含む難燃性ポリマー成形組成物に関連している;
(特許文献9):少なくとも1種のホスフィン酸の塩、ジホスフィン酸の塩、および/またはそれらのポリマーと、少なくとも1種のポリヒドロキシル化合物を含む難燃性組成物が開示されている;ならびに
(非特許文献1)。
欧州特許出願公開第0 792 912A2号明細書 国際公開第2006/029711A1号パンフレット 米国特許第A2705227号明細書 米国特許出願公開第2013−0217814A1号明細書 国際公開第2014/135256A1号パンフレット 国際公開第2013/033287A2号パンフレット 国際公開第2012/140100A1号パンフレット 欧州特許出願公開第1624015A1号明細書 独国特許出願公開第10 2004 019716A1号明細書
J.B.Dahiya et.al.,Polymer Degradation and Stability,Barking,GB,vol.97,no.8,2012−05−18,pages 1458−1465,"The combined effect of organicphosphinate/ammonium polyphosphate and pentaerythritol on thermal and fire properties of polyamide 6−clay nanocomposites"
したがって、本発明が取り組んだ問題点は、高い熱安定性を有する、ハロゲンを含まない難燃性ポリアミド組成物を提供することであり、そこでは、その熱安定化のための系が初期の機械的性質に最小限の影響しか与えず、さらにはハロゲン化銅を含まず、そしてそれと同時に、可能であれば、ホウ酸亜鉛の使用も必要としない。
驚くべきことには、PA6またはPA66をベースとし、少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩および少なくとも1種の多価アルコールを有機のホスフィン酸の金属塩と組み合わせて含む組成物およびそれから製造することが可能な製品が、その組成物の融点より下の温度とその組成物の融点より上の温度との両方で、大きく改良された熱安定性を有し、UL94V法によるUL94試験における難燃性、またはISO 527−1、−2に従った破壊応力により測定した初期の機械的性質、またはシャルピー(ISO 179−1eU)によって測定した耐衝撃性に何の悪影響も有さないことが今や見いだされた。
融点未満での熱安定性の測定は、45日間(1080時間)、200℃で加熱空気エージングさせた後での、破壊応力のパーセント保持率である。保持率が100%である場合には、貯蔵後の破壊応力が、貯蔵開始時の破壊応力と同じということになるであろう。
融点より高い温度での熱安定性の測定は、ISO 1133−1に従った、温度270℃、加重5kgでのMVR試験に基づいた試験方法で実施する。熱安定性の尺度は、滞留時間20分の後のMVR値と、滞留時間5分の後のMVR値の商であると考えられる。商が1であるということは、20分後での溶融粘度が、5分の場合の値に比較して、変化していないことを意味している。この数値が高いほど、溶融粘度の低下が大きく、したがって、組成物の熱分解が確認される。
したがって、本発明は以下のもの:
A)ナイロン−6および/またはナイロン−6,6、
B)少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩、
C)少なくとも1種の、少なくとも3個のアルコール基と200g/molよりも高い分子量とを有する多価アルコール、
D)1種もしくは複数の、式(I)のホスフィン酸塩および/または1種もしくは複数の、式(II)のジホスフィン酸塩、および/またはそれらのポリマー
Figure 2016117898
[式中、
、Rは、同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ直鎖状もしくは分岐状のC〜C−アルキル、および/またはC〜C14−アリールであり、
は、直鎖状もしくは分岐状のC〜C10アルキレン、C〜C10アリーレン、またはC〜Cアルキル−C〜C10アリーレン、またはC〜C10アリール−C〜Cアルキレンであり、
Mは、アルミニウム、亜鉛、またはチタンであり、
mは、1〜4の整数であり、
nは、1〜3の整数であり、
xは、1および2であり、
ここで、式(II)におけるn、xおよびmは同時には、式(II)のジホスフィン酸塩が全体として電荷を有さないような整数値のみを取ることができる]
を含む組成物およびそれらから製造することが可能な製品を提供する。
誤解が無いように付言すれば、本発明の範囲には、以下において、一般的な条項として、または「好ましい」範囲として特定される定義およびパラメーターのすべてが、各種所望の組合せで包含されていることに注意されたい。本記載に関連するすべての標準は、本発明の出願日において有効な版が適用される。
本発明の組成物は、少なくとも1つの混合装置において、反応剤として使用するための成分A)〜D)を混合することによって、さらなる使用のために配合される。これによって、中間体の、本発明の組成物をベースとする成形組成物が得られる。それらの成形組成物は、もっぱら成分A)〜D)のみで構成されていてもよく、あるいは、成分A)〜D)に加えてさらなる成分を含んでいてもよい。この場合においては、成分A)〜D)は、重量%を合計したものが常に100となるように、決められた範囲の中で変更するべきである。
好ましくは、本発明は、成分B)の質量比が、成分B)および成分D)の質量比を合計したものを基準にして、10%より大きい、好ましくは15%より大きい、より好ましくは20%より大きい組成物に関する。その質量比は、DIN 1310に定義されている。
好ましい実施形態においては、本発明は、以下のもの:
A)25重量%〜95重量%、好ましくは32重量%〜90重量%、より好ましくは35重量%〜85.5重量%の、ナイロン−6および/またはナイロン−6,6、
B)1重量%〜15重量%、好ましくは3重量%〜10重量%、より好ましくは4重量%〜8重量%の、少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩、
C)0.1重量%〜5重量%、好ましくは0.3重量%〜3重量%、より好ましくは0.5重量%〜2重量%の、少なくとも3個のアルコール基および200g/molより高い分子量を有する、少なくとも1種の多価アルコール、
D)3.9重量%〜55重量%、好ましくは6.7重量%〜55重量%、より好ましくは10重量%〜55重量%の、1種もしくは複数の、式(I)の有機ホスフィン酸塩および/または1種もしくは複数の、式(II)のジホスフィン酸塩、および/またはそれらのポリマー
Figure 2016117898
[式中、
、Rは、同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ直鎖状もしくは分岐状のC〜C−アルキル、および/またはC〜C14−アリールであり、
は、直鎖状もしくは分岐状のC〜C10アルキレン、C〜C10アリーレン、またはC〜Cアルキル−C〜C10アリーレン、またはC〜C10アリール−C〜Cアルキレンであり、
Mは、アルミニウム、亜鉛、またはチタンであり、
mは、1〜4の整数であり、
nは、1〜3の整数であり、
xは、1および2であり、
ここで、式(II)におけるn、xおよびmは同時には、式(II)のジホスフィン酸塩が全体として電荷を有さないような整数値のみを取ることができ、ただし、それらの重量パーセントを合計したものが常に100になる]
を含む組成物およびそれらから製造することが可能な製品に関する。
特に好ましい実施形態においては、本発明は、以下のもの:
A)25重量%〜95重量%、好ましくは32重量%〜90重量%、より好ましくは35重量%〜85.5重量%の、ナイロン−6および/またはナイロン−6,6、
B)1重量%〜15重量%、好ましくは3重量%〜10重量%、より好ましくは4重量%〜8重量%の、少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩、
C)0.1重量%〜5重量%、好ましくは0.3重量%〜3重量%、より好ましくは0.5重量%〜2重量%の、少なくとも3個のアルコール基および200g/molより高く、かつ600g/molよりも低い分子量を有する、少なくとも1種の多価アルコール、
D)3.9重量%〜55重量%、好ましくは6.7重量%〜55重量%、より好ましくは10重量%〜55重量%の、1種もしくは複数の、式(I)の有機ホスフィン酸塩および/または1種もしくは複数の、式(II)のジホスフィン酸塩、および/またはそれらのポリマー
Figure 2016117898
[式中、
、Rは、同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ直鎖状もしくは分岐状のC〜C−アルキル、および/またはC〜C14−アリールであり、
は、直鎖状もしくは分岐状のC〜C10アルキレン、C〜C10アリーレン、またはC〜Cアルキル−C〜C10アリーレン、またはC〜C10アリール−C〜Cアルキレンであり、
Mは、アルミニウム、亜鉛、またはチタンであり、
mは、1〜4の整数であり、
nは、1〜3の整数であり、
xは、1および2であり、
ここで、式(II)におけるn、xおよびmは同時には、式(II)のジホスフィン酸塩が全体として電荷を有さないような整数値のみを取ることができ、ただし、それらの重量パーセントを合計したものが常に100になる]
を含む組成物およびそれらから製造することが可能な製品に関する。
さらに特に好ましい実施形態においては、本発明は、以下のもの:
A)25重量%〜95重量%、好ましくは32重量%〜90重量%、より好ましくは35重量%〜85.5重量%の、ナイロン−6および/またはナイロン−6,6、
B)1重量%〜15重量%、好ましくは3重量%〜10重量%、より好ましくは4重量%〜8重量%の、少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩、
C)0.1重量%〜5重量%、好ましくは0.3重量%〜3重量%、より好ましくは0.5重量%〜2重量%の、少なくとも3個のアルコール基および200g/molより高く、かつ600g/molよりも低い分子量を有する、少なくとも1種の多価アルコール、
D)3.9重量%〜55重量%、好ましくは6.7重量%〜55重量%、より好ましくは10重量%〜55重量%の、1種もしくは複数の、式(I)の有機ホスフィン酸塩および/または1種もしくは複数の、式(II)のジホスフィン酸塩、および/またはそれらのポリマー
Figure 2016117898
[式中、
、Rは、同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ直鎖状もしくは分岐状のC〜C−アルキル、および/またはC〜C14−アリールであり、
は、直鎖状もしくは分岐状のC〜C10アルキレン、C〜C10アリーレン、またはC〜Cアルキル−C〜C10アリーレン、またはC〜C10アリール−C〜Cアルキレンであり、
Mは、アルミニウム、亜鉛、またはチタンであり、
mは、1〜4の整数であり、
nは、1〜3の整数であり、
xは、1および2であり、
ここで、式(II)におけるn、xおよびmは同時には、式(II)のジホスフィン酸塩が全体として電荷を有さないような整数値のみを取ることができ、ただし、成分B)の質量比が、成分B)および成分D)の質量比を合計したものを基準にして、10%より大きい、好ましくは15%より大きい、より好ましくは20%より大きく、かつA)、B)、C)およびD)の重量パーセントを合計したものが常に100になる]
含む組成物およびそれらから製造することが可能な製品に関する。
好ましい実施形態においては、その組成物には、成分A)、B)、C)およびD)に加えて、さらにE)立体障害フェノールの群からの少なくとも1種の熱安定剤を、それぞれの場合において全体の組成を基準にして、好ましくは0.01重量%〜3重量%の範囲、より好ましくは0.1重量%〜2重量%の範囲、最も好ましくは0.3重量%〜1重量%の範囲で含み、その場合、その他の成分の少なくとも1つのレベルを下げて、重量パーセントを合計したものが常に100になる。
さらに好ましい実施形態においては、その組成物には、成分A)〜E)に加えるかまたはE)に代えて、さらにF)ガラス繊維を、それぞれの場合において全体の組成を基準にして、好ましくは5重量%〜60重量%の範囲、より好ましくは10重量%〜50重量%の範囲、最も好ましくは15重量%〜45重量%の範囲で含み、その場合、その他の成分の少なくとも1つのレベルを下げて、重量パーセントを合計したものが常に100になる。
さらに好ましい実施形態においては、その組成物には、成分A)〜F)に加えるかあるいはE)および/またはF)に代えて、さらにG)成分E)以外の少なくとも1種の充填剤または補強材を、それぞれの場合において全体の組成を基準にして、好ましくは0.5重量%〜50重量%の範囲、より好ましくは1重量%〜30重量%の範囲、さらにより好ましくは2重量%〜15重量%の範囲、特に好ましくは2重量%〜6重量%の範囲で含み、その場合、その他の成分の少なくとも1つのレベルを下げて、重量パーセントを合計したものが常に100になる。
さらに好ましい実施形態においては、その組成物には、成分A)〜G)に加えるかあるいはE)および/またはF)および/またはG)に代えて、さらにH)成分B)〜E)以外の少なくとも1種のさらなる添加剤を、それぞれの場合において全体の組成を基準にして、好ましくは0.01重量%〜20重量%の範囲、より好ましくは0.05重量%〜10重量%、最も好ましくは0.1重量%〜5重量%の範囲で含み、その場合、その他の成分の少なくとも1つのレベルを下げて、重量パーセントを合計したものが常に100になる。
また別の実施形態においては、本発明は、以下のもの:
100質量部の成分A)、
1〜40質量部、好ましくは6〜25質量部、より好ましくは8〜18質量部の、成分B)、
0.1〜15質量部、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは1〜7質量部の、成分C)、
5〜150質量部、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは15〜60質量部の、成分D)
を含む組成物およびそれらから製造することが可能な製品に関する。
好ましいまた別の実施形態においては、その組成物には、成分A)、B)、C)およびD)に加えてさらに、0.01〜6質量部、好ましくは0.1〜4質量部、より好ましくは0.5〜2質量部の成分E)を含む。
さらに好ましいまた別の実施形態においては、その組成物には、成分A)〜E)に加えるかまたはE)に代えて、さらに5〜300質量部、好ましくは15〜200質量部、より好ましくは30〜150質量部の成分F)を含む。
さらに好ましいまた別の実施形態においては、その組成物には、成分A)〜F)に加えるかあるいはE)および/またはF)に代えて、さらに0.1〜250質量部、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜80質量部、特に好ましくは6〜30質量部の成分G)を含む。
さらに好ましいまた別の実施形態においては、その組成物には、成分A)〜G)に加えるかあるいはE)および/またはF)および/またはG)に代えて、さらに0.01〜60質量部、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは0.2〜15質量部の成分H)を含む。
質量比に100%を乗算すれば、パーセントの形式で報告することも可能であり、この目的のためには、本発明に関連して、重量パーセント(重量%)が使用される。
成分A)
成分A)としては、組成物には、PA6[CAS No.25038−54−4]またはPA66[CAS No.32131−17−2]が含まれる。PA6および/またはPA66をベースとするコポリアミドも、本発明の主題に包含される。
本出願に関連して使用されるポリアミドの命名法は、国際的な標準に準じたものであって、最初の数が出発ジアミンの中の炭素原子の数を表し、最後の数がジカルボン酸の中の炭素原子の数を表している。たとえばPA6の場合のように、数字が1つしか表記されていない場合、このことは、その出発原料がα,ω−アミノカルボン酸か、またはそれから誘導されるラクタム、すなわち、PA6の場合であればε−カプロラクタムであったことを意味している。さらなる情報については、次の文献を参照されたい:H.Domininghaus,Die Kunststoffe und ihre Eigenschaften[The Polymers and Their Properties],pages 272 ff.,VDI−Verlag,1976。
成分A)として使用するためのナイロン−6またはナイロン−6,6が、ISO 307に従い、96重量%硫酸中の0.5重量%溶液で25℃で測定して、80〜180mL/gの範囲の粘度数を有しているのが好ましい。
成分A)として使用するためのナイロン−6が、特定の標準法または上述の方法によって測定して、85〜160mL/gの範囲の粘度数を有していればより好ましく、90〜140mL/gの範囲の粘度数を有していれば最も好ましい。
成分A)として使用するためのナイロン−6,6が、上述の方法によって測定して、100〜170mL/gの範囲の粘度数を有していればより好ましく、110〜160mL/gの範囲の粘度数を有していれば最も好ましい。
溶液中での粘度測定を使用して、K値が求められ、これは、それによってポリマーの流動性を特徴付けることが可能な分子パラメーターである。簡単な形式では:K値=1000kで、[η]=2.303×(75k+k)、[η]=シュタウディンガー粘度である。DIN 53726に従って、複雑な換算を使用することなく、それから粘度数J(単位:cm/g)を求めることができる。
Figure 2016117898
http://www.mhaeberl.de/KUT/3Kunststoffrschmelze.htmを参照されたい。実際のところ、そこには、K値から粘度数Jへの換算表がある。
Hans Domininghausの“Die Kunstoffe und ihre Eigenschaften”,5th edition(1998),p.14によれば、熱可塑性ポリアミドとは、その分子鎖が側鎖をまったく有していないか、そうでなければ、長短各種の長さで、数の点では異なっている側鎖を有しており、加熱すれば軟化し、事実上無制限な程度にまで成形することが可能なポリアミドを意味していると理解するべきである。
本発明において好ましいポリアミドは、各種のプロセスで調製することが可能であり、極めて多種の単位から合成でき、特定の用途の場合においては、単独で、または加工助剤、安定剤、またはその他のポリマーアロイの相手、好ましくはエラストマーと組み合わせて変性して、特定の性能の組合せを有する材料を得ることができる。ある割合で各種のポリマー、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)を含むブレンド物もまた好適であり、その場合には、場合によっては、1種または複数の相溶化剤を使用することも可能である。エラストマーを添加することによって、ポリアミドの性質、たとえば耐衝撃性を改良することも可能である。可能な組合せが多数あることによって、広く各種の性質を有する極めて多くの製品を製造することが可能となる。
ポリアミドの調製には無数の公知の手順が知られており、そこで使用されるのは、最終製品の目的に合わせて、各種のモノマー単位、所望の分子量を達成するための各種の連鎖移動剤、あるいは、後工程で意図している後処理のための反応性基を有するモノマーである。
ポリアミドを調製するのに工業的に適したプロセスは、通常、溶融状態での重縮合で進行する。本発明に関連して、ラクタムの加水分解的重合もまた重縮合とみなされる。
成分A)として使用するためのポリアミド、PA6およびPA66は、半晶質のポリアミドである。半晶質ポリアミドは、独国特許出願公開第10 2011 084 519A1号明細書によれば、ISO 11357に従うDSC方法で、第二加熱操作で、溶融ピークを積分することによって測定して、4〜25J/gの範囲の融解エンタルピーを有している。それとは対照的に、非晶質ポリアミドは、ISO 11357に従うDSC方法で、第二加熱操作で、溶融ピークを積分することによって測定して、4J/g未満の融解エンタルピーを有している。
成分A)として使用するためのナイロン−6は、ε−カプロラクタムから得ることができる。成分A)として使用するためのナイロン−6,6は、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸とから得ることができる。
さらに、PA6、PA66、またはポリマー鎖の中のそれぞれのポリアミド基に3〜11個のメチレン基、極めて特に好ましくは4〜6個のメチレン基が存在しているそれらのコポリアミドをベースとする化合物のほとんどのものが、好ましい。ナイロン−6は、たとえばDurethan(登録商標)B26(Lanxess Deutschland GmbH(Cologne)製)として、そしてナイロン−6,6は、Ultramid(登録商標)A27E(BASF SE(Ludwigshafen)製)として、得ることが可能である。
成分B)
成分B)としては、組成物には、少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩が含まれる。
Wikipediaによれば、ホスホン酸とは、実験式HPOを有する物質[CAS No.13598−36−2]を意味していると理解されたい(http://de.Wikipedia.org/wiki/Phosphons%C3%A4ure)。ホスホン酸の塩が、ホスホン酸塩と呼ばれる。ホスホン酸は、2つの互変異性形で存在することが可能であり、それらの1つは、リン原子の上に自由電子対を有しており、他の1つは、リンに対する二重結合酸素(P=O)を有している。その互変異性の平衡は、二重結合酸素を有する形の側に完全に偏っている。A.F.Holleman,E.Wiberg:Lehrbuch der Anorganischen Chemie[Inorganic Chemistry],101st edition,Walter de Gruyter,Berlin/New York 1995,ISBN 3−11−012641−9,p.764によれば、「亜リン酸」および「亜リン酸塩」という用語は、リンの上に自由電子対を有する互変異性化学種に対してのみ使用されるべきである。しかしながら、「亜リン酸」および「亜リン酸塩」という用語は、以前は、リンに対する酸素二重結合を有する互変異性形にも使用されていたため、本発明においては、「ホスホン酸」と「亜リン酸」という用語、ならびに「ホスホン酸塩」と「亜リン酸塩」という用語は、互いに同義語であるとして使用される。
成分B)としては、
第一ホスホン酸アルミニウム[Al(HPO]、
塩基性ホスホン酸アルミニウム[Al(OH)HPO・2HO]、
Al(HPO・xAl・nH
(ここで、xは、2.27〜1の範囲であり、およびnは0〜4の範囲である)、
Al(HPO・(HO) (III)
(ここで、qは0〜4の範囲である)、特にホスホン酸アルミニウム四水和物[Al(HPO・4HO]または第二ホスホン酸アルミニウム[Al(HPO]、
Al(HPO(OH)・(HO) (IV)
(ここで、Mはアルカリ金属イオンを表し、ならびにzは0.01〜1.5の範囲であり、yは2.63〜3.5の範囲であり、vは0〜2の範囲であり、およびwは0〜4の範囲である)、および
Al(HPO(HPO・(HO) (V)
(ここで、uは2〜2.99の範囲であり、tは2〜0.01の範囲であり、およびsは0〜4の範囲である)
(ここで、式(IV)におけるz、yおよびv、ならびに式(V)におけるuおよびtは、ホスホン酸の相当するアルミニウム塩が、全体として電荷を有さないような数値のみを取ることができる)
の群から選択される少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩を使用するのが好ましい。
式(IV)における好ましいアルカリ金属は、ナトリウムおよびカリウムである。
記載されたホスホン酸のアルミニウム塩は、個別に使用することも、混合物中で使用することも可能である。
特に好ましいホスホン酸のアルミニウム塩は、
第一ホスホン酸アルミニウム[Al(HPO]、
第二ホスホン酸アルミニウム[Al(HPO]、
塩基性ホスホン酸アルミニウム[Al(OH)HPO・2HO]、
ホスホン酸アルミニウム四水和物[Al(HPO・4HO]、および
Al(HPO・xAl・nH
(ここで、xは2.27〜1の範囲であり、およびnは0〜4の範囲である)
の群から選択される。
極めて特に好ましいのは、第二ホスホン酸アルミニウム[Al(HPO、CAS No.71449−76−8]および第二ホスホン酸アルミニウム四水和物[Al(HPO・4HO、CAS No.156024−71−4]であり、とりわけ好ましいのは、第二ホスホン酸アルミニウム[Al(HPO]である。
本発明において成分B)として使用するためのホスホン酸のアルミニウム塩の調製法は、たとえば国際公開第2013/083247A1号パンフレットに記載されている。典型的にはそれらは、アルミニウム源、好ましくはアルミニウムイソプロポキシド、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウムまたは水酸化アルミニウムと、リン源、好ましくはホスホン酸、ホスホン酸アンモニウム、ホスホン酸アルカリ金属塩とを、場合によってはテンプレートと共に、溶液中、20〜200℃で、最高で4日間までの時間をかけて反応させることによって調製される。この目的のためには、アルミニウム源とリン源とを混合し、熱水条件下または還流条件下で加熱し、濾過分離し、洗浄し、乾燥させる。
好ましいテンプレートは、ヘキサン−1,6−ジアミン、グアニジンカーボネート、またはアンモニアである。好ましい溶媒は、水である。
成分C)
成分C)としては、組成物には、少なくとも3個のアルコール基および200g/molより高い分子量を有する、少なくとも1種の多価アルコールが含まれる。「アルコール基」とは、その中で酸素原子が、炭素原子および水素原子に結合されている化学構造を指している。成分C)の分子量が、200g/molより高く、600g/molより低い範囲にあるのが好ましい。本発明において成分C)として使用するための好ましい多価アルコールは、脂肪族多価アルコール、脂肪族−脂環族多価アルコール、または脂環族多価アルコール、および炭水化物の群に属する。
それらの多価アルコールの脂肪族鎖には、炭素原子だけではなく、窒素、硫黄および酸素の群から選択されるヘテロ原子も含まれていてよい。多価アルコールの一部としての脂環族の構造要素は、単環式であっても、あるいは二環式もしくは多環式の環構造の一部であってもよい。その環構造は、もっぱら炭素原子からなっていてもよく、あるいはヘテロサイクリックであってもよい。その多価アルコールの一部としてのヘテロサイクリック環は、単環式、または二環式もしくは多環式の環構造の一部であってよく、そして好ましくは窒素、酸素および硫黄の群からの、1個または複数のヘテロ原子が含まれていてもよい。その多価アルコールにはさらに、少なくとも1個のさらなる置換基、たとえばエーテル、カルボキシル、エステル、またはアミド基が含まれていてもよい。
好ましいのは、その中で、アルコールの少なくとも1つの組が、それらのアルコールのそれぞれに結合されている炭素原子が、少なくとも1個の原子で互いに分離されている関係にあるような、多価アルコールである。特に好ましいのは、その中で、アルコールの少なくとも1つの組が、それらのアルコールのそれぞれに結合されている炭素原子が、1個の炭素原子で互いに分離されている関係にあるような、多価アルコールである。
極めて特に好ましい多価アルコールは、ジペンタエリスリトール[CAS No.126−58−9]およびトリペンタエリスリトール[CAS No.78−24−0]の群から選択され、特に好ましいのは、ジペンタエリスリトールである。
成分D)
成分D)としては、組成物には、先に特定された式(I)の1種もしくは複数の有機ホスフィン酸塩、および/または先に特定された式(II)の1種もしくは複数のジホスフィン酸塩、および/またはそれらのポリマーが含まれる。ホスフィン酸塩およびジホスフィン酸塩は、本発明に関連して、ホスフィン酸塩とも呼ばれる。
式(I)または(II)においては、Mがアルミニウムであるのが好ましい。式(I)または(II)においては、RとRとが、同一であるかまたは異なっていて、かつ直鎖状もしくは分岐状のC〜Cアルキル、および/またはフェニルであるのが好ましい。RとRとが、同一であるかまたは異なっていて、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルおよび/またはフェニルであれば、より好ましい。
式(II)におけるRが、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、tert−ブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレン、n−ドデシレン、フェニレン、ナフチレン、メチルフェニレン、エチルフェニレン、tert−ブチルフェニレン、メチルナフチレン、エチルナフチレン、tert−ブチルナフチレン、フェニルメチレン、フェニルエチレン、フェニルプロピレン、またはフェニルブチレンであるのが好ましい。より好ましくは、Rがフェニレンまたはナフチレンである。好適なホスフィン酸塩が、国際公開第A97/39053号パンフレットの中に記載されており、ホスフィン酸塩に関するその内容は、本出願にも包含される。本発明の感覚において特に好ましいホスフィン酸塩は、ジメチルホスフィン酸、エチルメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、およびメチル−n−プロピルホスフィン酸のアルミニウム塩および亜鉛塩、ならびにそれらの混合物である。
式(I)において、mは、好ましくは2および3、より好ましくは3である。
式(II)において、nは、好ましくは1および3、より好ましくは3である。
式(II)において、xは、好ましくは1および2、より好ましくは2である。
成分D)として、アルミニウムトリス(ジエチルホスフィネート)[CAS No.225789−38−8]を使用するのが極めて特に好ましいが、これは、たとえばClariant International Ltd.(Muttenz,Switzerland)からExolit(登録商標)OP1230またはExolit(登録商標)OP1240の商品名で供給されている。
成分E)
成分E)としては、組成物に、立体障害フェノールの群から選択される、少なくとも1種の熱安定剤が含まれていてもよい。
それらの化合物は、そのフェノール性の環の上に少なくとも1個の、立体的に障害のある基を有する、フェノール性の構造を有している。好ましい立体障害フェノールは、式(VI)の1つの分子単位を有する化合物である。
Figure 2016117898
[式中、RおよびRはそれぞれ、アルキル基、置換されたアルキル基、または置換されたトリアゾール基であり、R基とR基は、同一であっても異なっていてもよく、そしてRは、アルキル基、置換されたアルキル基、アルコキシ基、または置換されたアミノ基である。]
有機化学においては、立体障害とは、反応の過程における、分子の空間的な配置の影響のことを表している。その用語は、反応に関与する原子の近傍に大きく、嵩高い基が存在していると、反応が進行するとしても、極めてゆっくりとしか進行しなという事実を伝えている。立体障害の影響の1つのよく知られた例は、グリニャール反応におけるケトンの反応である。グリニャール反応において、ジ−tert−ブチルケトンが使用されると、極めて嵩高いそのtert−ブチル基が反応を抑制して、メチル基よりも大きい基は導入できず、さらに大きい基はまったく反応しない。
極めて特に好ましい、式(VI)の熱安定剤は、たとえば独国特許出願公開第A27 02 661号明細書(米国特許第A4 360 617号明細書)において抗酸化剤として記載されている(その特許の内容はすべて、本出願に包含されているものとする)。好ましい立体障害フェノールのさらなる群は、置換されたベンゼンカルボン酸、特に置換されたベンゼンプロピオン酸から誘導される。このタイプの特に好ましい化合物は、式(VII)の化合物である。
Figure 2016117898
[式中、R、R、R10、およびR11は、それぞれ独立して、それら自体が置換されていてもよいC〜C−アルキル基(それらのうちの少なくとも1つは、立体的に障害のある基である)であり、そしてRは、1〜10個の炭素原子を有し、さらにその主鎖の中にC−O結合を有していてもよい二価の脂肪族基である]。好ましい式(VII)の化合物は、式(VIII)、(IX)および(X)の化合物である。
Figure 2016117898
[式(VIII)は、BASF SE製のIrganox(登録商標)245[CAS No.36443−68−2]であり、それの化学名は、トリエチレングリコールビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネートである。]
Figure 2016117898
[式(IX)は、BASF SE製のIrganox(登録商標)259[CAS No.35074−77−2]であり、それの化学名は、1,6−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−(tert)−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメートである。]
Figure 2016117898
[式(X)は、BASF SE製のIrganox(登録商標)1098[CAS No.23128−74−7]であり、それの化学名は、N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]である。]
成分E)として特に好適に使用される熱安定剤は、以下のものの群から選択される:2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジステアリル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2,6,7−トリオキサ−1−ホスファビシクロ[2.2.2]オクト−4−イルメチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−3,5−ジステアリルチオトリアジルアミン、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルジメチルアミン。
成分E)として使用するのに特に好ましい、立体障害フェノールの群からの熱安定剤は、以下のものである:BASF SE(Ludwigshafen,Germany)からの、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](Irganox(登録商標)259)、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、およびN,N’−ヘキサメチレンビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド(Irganox(登録商標)1098)、および上述のIrganox(登録商標)245。
本発明において極めて特に好ましい立体障害フェノールの群からの熱安定剤は、供給業者の中でもとりわけ、BASF SE(Ludwigshafen,Germany)からIrganox(登録商標)1098として、またはWeihai Jinwei ChemIndustry Co.Ltd.からLowinox(登録商標)HD98として入手することが可能な、N,N’−ヘキサメチレンビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド[CAS No.23128−74−7]である。
成分F)
成分F)として、組成物にはガラス繊維が含まれていてもよい。
「http://de.wikipedia.org/wiki/Faser−Kunststoff−Verbund」によれば、0.1〜1mmの範囲の長さを有するチョップトファイバー(短繊維とも呼ばれる)と、1〜50mmの長さを有する長繊維と、L>50mmの長さを有する連続繊維とは、区別される。短繊維は、射出成形技術において使用され、エクストルーダーを用いて直接的に加工することも可能である。長繊維もやはり、エクストルーダーで加工することができる。それらは、スプレーレイアップで広く使用されている。長繊維は、熱硬化性樹脂に充填剤として添加されることが多い。連続繊維は、繊維強化プラスチックにおいて、ロービングまたは織物の形態で使用される。連続繊維を含む製品は、最高の剛性および強度値を与える。さらに利用することが可能なのが、摩砕したガラス繊維であって、摩砕した後のそれらの長さは、典型的には、70〜200μmの範囲である。
本発明において成分F)として使用するのに好ましいのは、1〜50mmの範囲、より好ましくは1〜10mmの範囲、極めて好ましくは2〜7mmの範囲の初期長さを有する、チョップトガラス長繊維である。
成分F)として好適に使用されるガラス繊維は、7〜18μmの範囲、より好ましくは9〜15μmの範囲の繊維直径を有している。好ましい実施形態においては、成分F)のそのガラス繊維が、適切なサイジング系または単独の接着促進剤もしくは接着促進剤系を用いて変性されている。シランベースのサイジング系または接着促進剤を使用するのが好ましい。
成分F)として使用するためのガラス繊維を処理するのに特に好ましいシランベースの接着促進剤は、一般式(XI)のシラン化合物である。
(X−(CH−Si−(O−C2r+14−k (XI)
[式中、
Xは、NH−、カルボキシル−、HO−、または
Figure 2016117898
であり
式(XI)中のqは、2〜10、好ましくは3〜4の整数であり、
式(XI)中のrは、1〜5、好ましくは1〜2の整数であり、
式(XI)中のkは、1〜3の整数、好ましくは1である。]
特に好ましい接着促進剤は、以下の群からのシラン化合物である:アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノブチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシラン、ならびにX置換基としてグリシジル基またはカルボキシル基、極めて好ましくはカルボキシル基を含む、相当するシラン。
成分F)として使用されるガラス繊維を変性するためには、接着促進剤、好ましくは式(XI)のシラン化合物を、それぞれの場合において成分F)の100重量%を基準にして、好ましくは0.05重量%〜2重量%の量、より好ましくは0.25重量%〜1.5重量%の量、最も好ましくは0.5重量%〜1重量%の量で使用する。
成分F)のガラス繊維は、組成物を得るためまたは製品を得るための加工の結果として、組成物中または製品中では、元々使用されたガラス繊維よりも短くなっている可能性がある。したがって、加工後のガラス繊維の長さの算術平均は、多くの場合、わずか150μm〜300μmの範囲である。
「http://www.r−g.de/wiki/Glasfasern」によれば、ガラス繊維は、溶融紡糸プロセス(ダイドローイング、ロッドドローイングおよびダイブローイングプロセス)で製造される。ダイドローイングプロセスにおいては、加熱されたガラス素材が、白金紡糸口金プレートの中の数百個のダイ孔を通して、重力下に流れ出る。それらのフィラメントは、3〜4km/分の速度で、無限の長さに引き出すことができる。
当業者は、各種のタイプのガラス繊維を区別しており、それらのいくつかを例としてここに挙げる:
・ Eガラス:最善の費用−便益比を有する、最も一般的に使用されている材料(R&G製のEガラス)
・ Hガラス:重量を減少させるための中空ガラス繊維(R&G製の中空ガラス繊維、160g/mおよび216g/m
・ R,Sガラス:機械的高性能のため(R&G製のS2ガラス)
・ Dガラス:電気的高性能のためのボロシリケートガラス
・ Cガラス:高化学的耐久性
・ 石英ガラス:高熱安定性。
さらなる例は、「http://de.wikipedia.org/wiki/Glasfaser」に見いだすことができる。プラスチックの補強のためには、Eガラス繊維に最大の関心が寄せられている。「E」はエレクトロガラスを表しており、その理由は、それが元々、特に電気産業で使用されていたからである。
Eガラスを製造するためには、純粋な石英に、石灰石、カオリンおよびホウ酸を加えて、ガラス溶融物が製造される。二酸化ケイ素と共に、それらは、各種の量で各種の金属酸化物を含んでいる。それらの組成が、製品の性質を決定する。本発明においては、Eガラス、Hガラス、R,Sガラス、Dガラス、Cガラスおよび石英ガラスの群からの少なくとも1つのタイプのガラス繊維を使用するのが好ましく、Eガラスから製造したガラス繊維を使用すれば、特に好ましい。
Eガラスから製造したガラス繊維は、最も一般的に使用されている補強材料である。その強度性能は、金属(たとえば、アルミニウム合金)の強度に相当し、Eガラス繊維を含む積層物の比重は、金属の比重よりは低い。Eガラス繊維は、不燃性で、約400℃までの耐熱性を有し、ほとんどの化学薬品に対する抵抗性があり、耐候性もある。
成分G)
成分G)として、組成物に、成分E)とは異なる、少なくとも1種のさらなる充填剤または補強材が含まれていてもよい。
この場合においては、下記のものからの2種以上の混合物を使用することもまた可能である:好ましくはタルク、マイカ、シリケート、非晶質石英ガラス、石英粉、ウォラストナイト、カオリン、非晶質シリカ、ナノスケール鉱物質、より好ましくはモンモリロナイト、炭酸マグネシウム、チョーク、長石、硫酸バリウムをベースとする充填剤および/または補強材、および/または炭素繊維をベースとする繊維質充填剤および/または補強材、さらには、ガラスから製造した、未処理で表面変性したか、またはサイジング処理した球状の充填剤および補強材。また別の実施形態においては、必要があれば、成分G)としてナノ−ベーマイトを使用することもできる。好ましくは、タルク、マイカ、シリケート、ウォラストナイト、カオリン、非晶質シリカ、炭酸マグネシウム、チョーク、長石および/または硫酸バリウムをベースとする、鉱物質の微粒子状充填剤を使用する。特に好ましいのは、タルク、ウォラストナイトおよび/またはカオリンをベースとする微粒子状充填剤の使用である。
さらには、針状の鉱物質充填剤を使用すれば、特に好ましい。本発明においては、針状の鉱物質充填剤とは、極めて鋭い針状の特性を有する鉱物質充填剤を意味していると理解されたい。好ましいのは、針状のウォラストナイトである。その針状の鉱物質充填剤が、好ましくは2:1〜35:1の範囲、より好ましくは3:1〜19:1の範囲、特に好ましくは4:1〜12:1の範囲の、長さ:直径の比率を有している。針状の鉱物質充填剤の中央粒径は、CILAS GRANULOMETERで測定して、好ましくは20μm未満、より好ましくは15μm未満、特に好ましくは10μm未満である。
特に好ましいのは、d90が5〜250μmの範囲、好ましくは10〜150μmの範囲、より好ましくは15〜80μmの範囲、最も好ましくは16〜25μmの範囲である粒径分布を有し、長さが0.01〜0.5mmの範囲である、非繊維質で非発泡の摩砕ガラスの使用である。好ましいのは、さらにd10が、0.3〜10μmの範囲、好ましくは0.5〜6μmの範囲、より好ましくは0.7〜3μmの範囲である、非繊維質で非発泡の摩砕ガラスの使用である。極めて特に好ましいのは、さらに、3〜50μmの範囲、好ましくは4〜40μmの範囲、より好ましくは5〜30μmの範囲の、d50を有する、非繊維質で非発泡の摩砕ガラスである。
d10、d50、およびd90の値、その測定、およびその意味合いに関しては、Chemie Ingenieur Technik(72)p.273−276,3/2000,Wiley−VCH Verlags GmbH,Weinheim,2000も参考になり、それによると、d10は、その粒径より下に粒子の量の10%が入る粒径であり、d50は、その粒径より下に粒子の量の50%が入る粒径(中央値)であり、d90は、その粒径より下に粒子の量の90%が入る粒径である。
本発明において使用するための非繊維質で非発泡の摩砕ガラスは、好ましくは、3〜60μmの範囲、特に好ましくは15〜30μmの範囲の中央粒径を有している。粒径分布のための数値および粒径のための数値は、本明細書においては、それぞれの場合において熱可塑性成形組成物の中に組み入れる前の、いわゆる表面基準の粒径に基づいている。これに関連して、それぞれのガラス粒子の表面の直径は、仮想の球状粒子(球体)の表面に関係させて、表現されている。これは、Ankersmid(EyeTech(登録商標)ソフトウェアおよびACM−104測定セルを備えたEye Tech(登録商標)、Ankersmid Lab(Oosterhout,the Netherlands)からの、レーザー調光の原理で動作する粒径分析計によって求められる。しかし、先に説明したようにして、粒径測定のための標準ISO 13320に従って、レーザー回折法を採用することもまた可能である。
好ましくは、本発明においては、その非繊維質で非発泡の摩砕ガラスが、微粒子で、非円筒形の形状であり、5未満、好ましくは3未満、より好ましくは2未満の長さ対厚みの比率を有している。言うまでもないことであるが、その値がゼロになることはあり得ない。
成分G)として特に好適に使用される非発泡で非繊維質な摩砕ガラスはさらに、5よりも大きいアスペクト比(長さ/直径の比)を有する、円筒状または楕円の断面を有する繊維状ガラスに典型的なガラス形状を、それが有していないことを特徴としている。
本発明において成分G)として特に好適に使用される非発泡で非繊維質な摩砕ガラスは、好ましくは、ミル、好ましくはボールミルを用いてガラスを摩砕し、より好ましくはその後で篩別することによって得られる。有用な出発物質としては、あらゆる形状の固化させたガラスが挙げられる。
本発明において使用するための非繊維質で非発泡の摩砕ガラス得ることを目的として摩砕するための好適な出発物質としてはさらに、特に、ガラス製品の製造において、望ましくない副生物としておよび/または規格外れの主製品として得られるようなガラス廃棄物も挙げられる。そのようなものとしては特に、廃ガラス、リサイクルガラスおよび破損ガラス、特に窓ガラスやビンガラスの製造の際に得られるもの、およびガラス含有充填剤および補強材の製造の際に得られるもの、特にメルトケーキと呼ばれる形態にあるものが挙げられる。そのガラスは着色していてもよいが、出発物質としては非着色のガラスが好ましい。
摩砕のために有用な出発ガラスには、原理的には、たとえばDIN 1259−1に記載されているような、すべてのタイプのガラスが含まれる。好ましいのは、ソーダ石灰ガラス、フロートガラス、石英ガラス、鉛クリスタルガラス、ボロシリケートガラス、Aガラス、およびEガラスであり、特に好ましいのは、ソーダ石灰ガラス、ボロシリケートガラス、Aガラス、およびEガラスであり、極めて特に好ましいのは、AガラスおよびEガラス、特にはEガラスである。Eガラスの物理的データおよび組成については、「http://wiki.r−g.de/index.php?title=Glasfasern」を参照されたい。本発明において使用するのに特に好ましい非繊維質で非発泡の摩砕したEガラスは、表Iに記載した次の特性の少なくとも1つを有している。
Figure 2016117898
本発明において成分G)として使用するための非発泡で非繊維質なガラスを製造するには、KO含量が、ガラスの全部の成分を基準にして2重量%以下であるタイプのガラスが、同様に特に好ましい。本発明において成分G)として使用するための非発泡で非繊維質なガラスは、たとえばVitroMinerals(Covington,GA,USA)から購入することができる。規格CS−325、CS−500、およびCS−600にあるCS Glass Powderとして、またはそうでなければLA400として供給される(以下の文献を参照されたい:「www.glassfillers.com」、またはChris DeArmitt,Additives Feature,Mineral Fillers,COMPOUNDING WORLD,February 2011,pages 28−38、もしくは「www.compoundingworld.com」)。
好ましい実施形態において成分G)として使用される非発泡で非繊維質な摩砕ガラスは、好ましくは2400〜2700kg/mの範囲、より好ましくは2400〜2600kg/mの範囲の、ASTM C 693による密度(かさ密度ではない!)を有しており、そのため、発泡ガラス(密度=100〜165kg/m)、発泡ガラスペレット(密度=130〜170kg/m)、および膨張ガラス(密度=110〜360kg/m)とは明らかに区別される(AGY製品カタログ、Pub.No.LIT−2006−111 R2(02/06)も参照されたい)。
本発明において好ましくは、成分G)として使用するための非発泡で非繊維質な摩砕ガラスは、アミノアルキルトリアルコキシシランをベースとする、表面変性またはサイジングを用いて得られる。別な実施形態または好ましい実施形態においては、その非発泡で非繊維質な摩砕ガラスは、シランまたはシロキサンをベースとするさらなる表面変性またはサイジングで得ることが可能であり、好ましくはグリシジル−官能化、カルボキシル−官能化、アルケニル−官能化、アクリロイルオキシアルキル−官能化、および/またはメタクリロイルオキシアルキル−官能化したトリアルコキシシランまたはそれらの水性加水分解物、およびそれらの組合せを用いる。
好ましいアミノアルキルトリアルコキシシランは、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノブチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシラン、またはそれらの水性加水分解物であり、極めて好ましいのは、アミノプロピルトリエトキシシランである。
表面コーティングのためには、アミノアルキルトリアルコキシシランを、非発泡で非繊維質な摩砕ガラスを基準にして、好ましくは0.01重量%〜1.5重量%の量、より好ましくは0.05重量%〜1.0重量%の量、最も好ましくは0.1重量%〜0.5重量%の量で使用する。
摩砕のための出発物質のガラスが、表面変性またはサイジングの処理をあらかじめ受けていてもよい。同様にして、本発明において成分G)として使用するための非発泡で非繊維質な摩砕ガラスに、摩砕した後で表面変性またはサイジングの処理を施すこともまた可能である。
Lanxess Deutschland GmbH(Cologne)製のMF7900を使用することが特に可能であり、これは、Eガラスをベースとする非繊維質で非発泡の摩砕ガラスであって、それぞれの場合において粒子表面積を基準にして、d90が54μm、d50が14μm、d10が2.4μm、中央粒径が21μmであり、約0.1重量%のトリエトキシ(3−アミノプロピル)シランサイジング剤を含んでいる。
本発明において成分G)として使用するための非発泡で非繊維質な摩砕ガラスは、本発明の組成物を得るため、またはそれらから製造することが可能な製品を得るための加工の結果として、および製品そのものにおいて、元々使用された摩砕粒子よりも小さいd90もしくはd50もしくはd10、またはより小さい中央粒径を有していてもよい。
非発泡で非繊維質な摩砕ガラスとは別に、好ましい実施形態において成分G)として挙げられたその他の充填剤および/または補強材もまた、好ましくは接着促進剤または接着促進剤系を用いて、より好ましくはシランをベースとする接着促進剤系を用いて、表面変性をしておく。しかしながら、そのような前処理が絶対に必要という訳ではない。有用な接着促進剤としては同様に、既に先に述べた一般式(XI)のシラン化合物が挙げられる。
成分G)を変性するためには、シラン化合物は、成分G)の鉱物質充填剤を基準にして、一般的には0.05重量%〜2重量%の量、好ましくは0.25重量%〜1.5重量%の量、特には0.5重量%〜1重量%の量で、表面コーティングに使用される。
成分G)として挙げたこれらのさらなる充填剤もまた、組成物を得るため、またはその組成物からの製品を得るための加工の結果として、または製品において、元々使用された充填剤よりも小さなd97またはd50を有していてもよい。
成分H)
成分H)としては、成分B)〜E)とは異なる少なくとも1種のさらなる添加剤が使用される。
成分H)として好適に使用される添加剤としては、以下のものが挙げられる:抗酸化剤および熱安定剤、UV安定剤、ガンマ線安定剤、加水分解安定剤、帯電防止剤、乳化剤、成核剤、可塑剤、加工助剤、耐衝撃性改良剤、染料、顔料、レーザー吸収剤、成分E)以外の潤滑剤および/または離型剤、およびさらなる難燃剤、流動助剤、ならびに成分B)およびE)以外のエラストマー変性剤。それらの添加剤は単独で使用してもよく、あるいは混合物として、またはマスターバッチの形態として使用してもよい。
成分H)のための好ましい熱安定剤としては以下のものが挙げられる:ホスファイト、ヒドロキノン、芳香族二級アミンたとえばジフェニルアミン、置換レソルシノール、サリチレート、ベンゾトリアゾール、およびベンゾフェノン、さらには、それらの群の各種置換された代表的化合物またはそれらの混合物。
また別の実施形態においては、必要があれば、成分H)として、銅塩、特にヨウ化銅(I)を、好ましくはヨウ化カリウム、および/または次亜リン酸ナトリウムNaHPOと組み合わせて使用することもまた可能である。
使用されるUV安定剤は、好ましくは、置換されたレソルシノール、サリチレート、ベンゾトリアゾール、およびベンゾフェノンである。
使用される着色剤は、好ましくは無機顔料、特にウルトラマリンブルー、酸化鉄、二酸化チタン、硫化亜鉛、またはカーボンブラック、およびさらには有機顔料、好ましくはフタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、ならびに染料、好ましくはニグロシンおよびアントラキノンである。
使用される成核剤は、好ましくはフェニルホスフィン酸ナトリウムまたはフェニルホスフィン酸カルシウム、酸化アルミニウム、または二酸化ケイ素、および最も好ましくはタルクであるが、このリストに限定される訳ではない。
使用される流動助剤は、好ましくは、少なくとも1種のα−オレフィンと、脂肪族アルコールのメタクリル酸エステルもしくはアクリル酸エステルの少なくとも1種とのコポリマーである。特に好ましいのは、α−オレフィンがエテンおよび/またはプロペンで構成され、メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルが、アルコール成分として、6〜20個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を含むコポリマーである。極めて特に好ましいのは、アクリル酸2−エチルヘキシルである。流動助剤として好適なコポリマーの特徴は、それらの組成だけではなく、それらが低分子量であることである。したがって、本発明において熱分解から保護されるべき組成物に好適なコポリマーは特に、190℃、加重2.16kgで測定したMFI値が、少なくとも100g/10分、好ましくは少なくとも150g/10分、より好ましくは少なくとも300g/10分であるものである。MFI、すなわちメルトフローインデックスは、熱可塑性プラスチックの溶融物の流動特性を表すために使用され、標準のISO 1133またはASTM D 1238に規定されている。
成分H)として好適に使用される可塑剤は、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ブチルベンジル、炭化水素オイル、またはN−(n−ブチル)ベンゼンスルホンアミドである。
成分H)として使用するためのエラストマー変性剤には、以下のものからなる1種または複数のグラフトポリマーが含まれているのが好ましい:
H.1:5重量%〜95重量%、好ましくは30重量%〜90重量%の、少なくとも1種のビニルモノマー、および
H.2:95重量%〜5重量%、好ましくは70重量%〜10重量%の、<10℃、好ましくは<0℃、より好ましくは<−20℃のガラス転移温度を有する、1種または複数のグラフトベース。
グラフトベースのH.2は、一般的には0.05〜10μm、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.2〜1μmの中央粒径(d50)を有している。
H.1のためのモノマーは、以下のものの混合物であるのが好ましい:
H.1.1:50重量%〜99重量%の、ビニル芳香族化合物および/または環置換されたビニル芳香族化合物、特に、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、および/またはメタクリル酸(C〜C)−アルキル、特にメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、ならびに
H.1.2:1重量%〜50重量%の、ビニルシアニド、特に、不飽和ニトリルたとえば、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル、および/または(メタ)アクリル酸(C〜C)−アルキル、特にメタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、および/または誘導体、特に不飽和カルボン酸の無水物およびイミド、特に無水マレイン酸およびN−フェニルマレイミド。
好適なモノマーH.1.1は、スチレン、α−メチルスチレンおよびメタクリル酸メチルのモノマーの少なくとも1種から選択され、好適なモノマーH.1.2は、アクリロニトリル、無水マレイン酸、メタクリル酸グリシジル、およびメタクリル酸メチルのモノマーの少なくとも1種から選択される。
特に好適なモノマーは、H.1.1ではスチレン、H.1.2ではアクリロニトリルである。
エラストマー変性剤において使用するグラフトポリマーに好適なグラフトベースのH.2の例は、ジエンゴム、EPDMゴム、すなわちエチレン/プロピレンおよび場合によってはジエンをベースとするもの、さらには、アクリル酸エステル、ポリウレタン、シリコーン、クロロプレン、およびエチレン/酢酸ビニルゴムである。EPDMは、エチレン−プロピレン−ジエンゴムを表している。
好適なグラフトベースH.2は、ジエンゴム、特にブタジエン、イソプレンなどをベースとするもの、またはジエンゴムもしくはジエンゴムのコポリマーもしくはそれらの混合物と、さらなる共重合性モノマー、特にH.1.1およびH.1.2に記載のものとの混合物であり、ただし、成分H.2のガラス転移温度は、<10℃、好ましくは<0℃、より好ましくは<−10℃である。
特に好ましいグラフトベースのH.2は、ABSポリマー(エマルション法、バルク法、および懸濁法のABS)であり、ここでABSは、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンを表しており、たとえば、独国特許出願公開第A2 035 390号明細書(=米国特許第A3 644 574号明細書)、または独国特許出願公開第A2 248 242号明細書(=英国特許出願公開第A1 409 275号明細書)、またはUllmann,Enzyklopaedie der Technischen Chemie[Encyclopedia of Industrial Chemistry],vol.19(1980),p.280 ff.に記載されている。グラフトベースのH.2のゲル含量は、好ましくは少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも40重量%である(トルエン中で測定)。
それらのエラストマー変性剤またはグラフトポリマーは、フリーラジカル重合、好ましくはエマルション重合、懸濁重合、溶液重合、またはバルク重合、特には、エマルション重合またはバルク重合で調製される。
特に好適なグラフトゴムは、米国特許第A4 937 285号明細書の記載に従って、有機ヒドロペルオキシドとアスコルビン酸とからなる重合開始剤系を用いたレドックス開始によって調製したABSポリマーである。
周知のように、グラフト化反応においては、グラフトモノマーがグラフトベースの上に完全にグラフトされる必要はないため、本発明においては、グラフトポリマーとは、グラフトベースの存在下にグラフトモノマーを(共)重合させることによって得られ、仕上げ作業においても同様に存在している、反応生成物を意味しているとも理解されたい。
同様に好適なアクリレートゴムは、好ましくはアクリル酸アルキルのポリマーであるグラフトベースH.2をベースとし、場合によっては、H.2を基準にして、最高40重量%までの、その他の重合性エチレン性不飽和モノマーを組み合わせたものである。好適な重合性アクリル酸エステルとしては、以下のものが挙げられる:C〜C−アルキルエステル、たとえばメチル、エチル、ブチル、n−オクチルおよび2−エチルヘキシルエステル;ハロアルキルエステル、好ましくはハロC〜C−アルキルエステル、たとえばアクリル酸クロロエチル、グリシジルエステル、およびそれらのモノマーの混合物。ここで特に好ましいのは、コアとしてアクリル酸ブチルそしてシェルとしてメタクリル酸メチルを有するグラフトポリマーであって、特に挙げれば、Dow Corning Corporation(Midlnad,Michigan,USA)製のPoraloid(登録商標)EXL2300である。
架橋させるために、2個以上の重合性二重結合を有するモノマーを共重合させることも可能である。架橋性モノマーの好ましい例としては、以下のものが挙げられる:3〜8個の炭素原子を有する不飽和モノカルボン酸と、3〜12個の炭素原子を有する不飽和1価アルコールまたは2〜4個のOH基および2〜20個の炭素原子を有する飽和ポリオールとのエステル、好ましくは、エチレングリコールジメタクリレート、メタクリル酸アリル;ポリ不飽和ヘテロサイクリック化合物、好ましくはトリビニルシアヌレートおよびトリアリルシアヌレート;多官能ビニル化合物、好ましくはジビニルベンゼンおよびトリビニルベンゼン;さらにはリン酸トリアリルおよびフタル酸ジアリル。
好適な架橋性モノマーは、メタクリル酸アリル、エチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル、および少なくとも3個のエチレン性不飽和基を有するヘテロサイクリック化合物である。
特に好適な架橋性モノマーは、環状モノマーのトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリアリルベンゼンである。架橋されたモノマーの量は、グラフトベースH.2を基準にして、好ましくは0.02重量%〜5重量%、特には0.05重量%〜2重量%である。
少なくとも3個のエチレン性不飽和基を有する環状の架橋性モノマーの場合には、グラフトベースH.2の1重量%未満の量に制限するのが有利である。
アクリル酸エステルに加えて、場合によってはグラフトベースH.2の調製に使用される、好適な「その他の」重合性、エチレン性不飽和モノマーとしては、以下のものが挙げられる:アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリルアミド、ビニルC〜Cアルキルエーテル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル、およびブタジエン。グラフトベースH.2として好ましいアクリレートゴムは、少なくとも60重量%のゲル含量を有するエマルションポリマーである。
H.2においてさらに好適で適切なグラフトベースは、グラフト活性サイトを有するシリコーンゴムであって、たとえば、独国特許出願公開第A3 704 657号明細書(=米国特許第4 859 740号明細書)、独国特許出願公開第A3 704 655号明細書(=米国特許第4 861 831号明細書)、独国特許出願公開第A3 631 540号明細書(=米国特許第4 806 593号明細書)および独国特許出願公開第A3 631 539号明細書(=米国特許第4 812 515号明細書)に記載がある。
グラフトポリマーをベースとするエラストマー変性剤と同様に、グラフトポリマーをベースとせず、<10℃、好ましくは<0℃、より好ましくは<−20℃のガラス転移温度を有するエラストマー変性剤を使用することも可能である。好ましくは、これらには、ブロックコポリマー構造を有するエラストマーおよびそれに加えて、熱可塑性的に溶融することが可能なエラストマー、特に、EPM、EPDMおよび/またはSEBSゴム(EPM=エチレン−プロピレンコポリマー、EPDM=エチレン−プロピレン−ジエンゴム、SEBS=スチレン−エテン−ブテン−スチレンコポリマー)が含まれる。
好適なさらなる難燃剤は、成分B)およびE)以外の、鉱物質難燃剤、窒素含有難燃剤、またはリン含有難燃剤である。
好ましい窒素含有難燃剤は、以下のものである:トリクロロトリアジン、ピペラジン、およびCAS No.1078142−02−5に従うモルホリンの反応生成物、特にはMCA PPM Triazine HF(MCA Technologies GmbH(Biel−Benken,Switzerland)製)、メラミンシアヌレート、およびメラミンの縮合反応生成物、たとえばメレム、メラム、メロン、またはこのタイプでさらに縮合度の高い化合物。好適な無機窒素含有化合物は、アンモニウム塩である。
さらに、脂肪族および芳香族スルホン酸の塩、ならびに鉱物質難燃性添加剤、たとえば、水酸化アルミニウムおよび/または水酸化マグネシウム、Ca−Mg炭酸塩水和物(たとえば、独国特許出願公開第A4 236 122号明細書)を使用することもまた可能である。
同様に有用なのが、酸素含有、窒素含有または硫黄含有の金属化合物の群からの難燃性相乗剤であって、特に好ましいのが、先に説明したように亜鉛を含まない化合物、特に酸化モリブデン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、窒化チタン、窒化ホウ素、窒化マグネシウム、リン酸カルシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、またはそれらの混合物である。
また別の実施形態においては、必要であれば、そして先に述べた欠点を考慮に入れた上で、成分H)として亜鉛化合物を使用することもまた可能である。それらとしては、好ましくは、酸化亜鉛、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、硫化亜鉛、および窒化亜鉛、またはそれらの混合物が挙げられる。
また別の実施形態においては、必要であれば、そしてそれに伴う欠点を考慮に入れた上で、成分H)としてハロゲン化された難燃剤を使用することもまた可能である。
好ましいハロゲン含有難燃剤は標準的な有機ハロゲン化合物であって、より好ましくはエチレン−1,2−ビステトラブロモフタルイミド、デカブロモジフェニルエタン、テトラブロモビスフェノールAエポキシオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAオリゴカーボネート、テトラクロロビスフェノールAオリゴカーボネート、ポリペンタブロモベンジルアクリレート、臭素化ポリスチレン、または臭素化ポリフェニレンエーテルであり、それらは単独で使用することもでき、あるいは相乗剤、特に三酸化アンチモンまたは五酸化アンチモンと組み合わせて使用することもできる。
成分B)またはE)以外の、好ましいリン含有難燃剤としては以下のものが挙げられる:赤リン、無機金属の次亜リン酸塩、特に次亜リン酸アルミニウム、金属のホスホン酸塩、特にホスホン酸カルシウム、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン10−オキシドの誘導体(DOPO誘導体)、レソルシノールビス(ジフェニルホスフェート)(RDP)(オリゴマーを含む)、およびビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)(BDP)(オリゴマーを含む)、さらには、メラミンピロホスフェート、ならびに、必要であれば、メラミンポリホスフェート、さらには、メラミンポリ(リン酸アルミニウム)、メラミンポリ(リン酸亜鉛)、またはフェノキシホスファゼンオリゴマー、およびそれらの混合物。
成分H)として使用されるさらなる難燃剤としては、炭化層形成物、より好ましくはフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンまたはポリエーテルケトン、および、滴り防止剤、特にはテトラフルオロエチレンポリマーが挙げられる。
難燃剤は、純品の形態で添加してもよく、あるいはマスターバッチまたはコンパクテートとして添加してもよい。
成分H)として使用するための潤滑剤および/または離型剤としては、好ましくは、以下のものが挙げられる:長鎖脂肪酸、特にステアリン酸またはベヘン酸、それらの塩、特にステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛、およびそれらのエステル誘導体またはアミド誘導体、特にエチレンビスステアリルアミド、モンタンワックス、および低分子量ポリエチレンもしくはポリプロピレンワックス。
本発明に関連して、モンタンワックスは、28〜32個の炭素原子の鎖長を有する、直鎖の飽和カルボン酸の混合物である。
本発明において特に好ましいのは、8〜40個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和の脂肪族カルボン酸と、2〜40個の炭素原子を有する脂肪族飽和アルコールまたはアミンとからのエステルまたはアミド、ならびに8〜40個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和の脂肪族カルボン酸の金属塩の群からの潤滑剤および/または離型剤の使用である。
極めて特に好ましいのは、エチレンビスステアリルアミド、ステアリン酸カルシウム、およびエチレングリコールジモンタネートの群からの少なくとも1種の潤滑剤および/または離型剤の使用である。
特に好ましいのは、ステアリン酸カルシウム[CAS No.1592−23−0]またはエチレンビスステアリルアミド[CAS No.110−30−5]の使用である。
極めて特に好ましいのは、エチレンビスステアリルアミド(Emery Oleochemicals製のLoxiol(登録商標)EBS)の使用である。
成分H)として好適に使用されるレーザー吸収剤は、好ましくは、以下の群から選択される:三酸化アンチモン、酸化スズ、オルトリン酸スズ、チタン酸バリウム、酸化アルミニウム、ヒドロキシリン酸銅、オルトリン酸銅、二リン酸銅カリウム、水酸化銅、アンチモンスズ酸化物、三酸化ビスマス、およびアントラキノン。特に好ましいのは、三酸化アンチモンおよびアンチモンスズ酸化物である。極めて特に好ましいのは、三酸化アンチモンである。
レーザー吸収剤、特に三酸化アンチモンは、粉体として直接使用することもでき、あるいはマスターバッチの形態で使用することもできる。好ましいマスターバッチは、ポリアミドをベースとするもの、またはポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン−ポリプロピレンコポリマー、無水マレイン酸をグラフトされたポリエチレンおよび/または無水マレイン酸をグラフトされたポリプロピレンをベースとするものであり、三酸化アンチモンのマスターバッチのためのポリマーは、個別に、または混合物として使用することができる。極めて特に好ましいのは、ナイロン−6ベースのマスターバッチの形態で三酸化アンチモンを使用することである。
レーザー吸収剤は、個別に使用することもでき、あるいは複数のレーザー吸収剤の混合物として使用することもできる。
レーザー吸収剤は、特定の波長のレーザー光を吸収することができる。実際のところ、その波長は、157nm〜10.6μmの範囲である。この波長のレーザーの例は、国際公開第2009/003976A1号パンフレットに記載されている。それを用いれば1064、532、355、および266nmの波長を達成することが可能なとなるNd:YAGレーザーおよびCOレーザーを使用するのが好ましい。
好ましい実施形態においては、本発明は、以下のもの
A)ナイロン−6および/またはナイロン−6,6、
B)少なくとも1種の、式(III)のAl(HPO・(HO)(ここでqは0〜4の範囲である)のホスホン酸アルミニウム、
C)ジペンタエリスリトール、および
D)アルミニウムトリス(ジエチルホスフィネート)
を含む組成物に関する。
好ましい実施形態においては、本発明は、以下のもの
A)ナイロン−6およびナイロン−6,6、
B)少なくとも1種の、式(III)のAl(HPO・(HO)(ここでqは0〜4の範囲である)のホスホン酸アルミニウム、
C)ジペンタエリスリトール、および
D)アルミニウムトリス(ジエチルホスフィネート)
を含む組成物に関する。
好ましい実施形態においては、本発明は、以下のもの
A)ナイロン−6および/またはナイロン−6,6、
B)少なくとも1種の、式(III)のAl(HPO・(HO)(ここでqは0〜4の範囲である)のホスホン酸アルミニウム、
C)ジペンタエリスリトール、
D)アルミニウムトリス(ジエチルホスフィネート)、および
E)
2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
ヘキサン−1,6−ジオールビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート(Irganox(登録商標)259)、
ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
N,N’−ヘキサメチレンビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド(Irganox(登録商標)1098)、および
トリエチレングリコールビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート(Irganox(登録商標)245)
の群からの少なくとも1種の熱安定剤
を含む組成物に関する。
好ましい実施形態においては、本発明は、以下のもの
A)ナイロン−6およびナイロン−6,6、
B)少なくとも1種の、式(III)のAl(HPO・(HO)(ここでqは0〜4の範囲である)のホスホン酸アルミニウム、
C)ジペンタエリスリトール、
D)アルミニウムトリス(ジエチルホスフィネート)、および
E)N,N’−ヘキサメチレンビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド(Irganox(登録商標)1098)
を含む組成物に関する。
方法
本発明はさらに、PA6ベースおよび/またはPA66ベースの組成物およびそれらから製造することが可能な製品の、従来技術を用いて改良された熱安定性を有する、それに相当する組成物に比較して、UL94V法によるUL94試験における難燃性、ISO 527−1、−2に従った破壊強度によって測定するか、またはシャルピー耐衝撃性(ISO 179−1eU)によって測定された初期の機械的性質に悪影響を及ぼすことなく、熱安定性を改良するための方法であって、
少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩を、
少なくとも1種の、少なくとも3個のアルコール基と200g/molよりも高い分子量とを有する多価アルコール、および
1種もしくは複数の、式(I)の有機ホスフィン酸塩および/または1種もしくは複数の、式(II)のジホスフィン酸塩、および/またはそれらのポリマー
Figure 2016117898
[式中、
、Rは、同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ直鎖状もしくは分岐状のC〜C−アルキル、および/またはC〜C14−アリールであり、
は、直鎖状もしくは分岐状のC〜C10アルキレン、C〜C10アリーレン、またはC〜Cアルキル−C〜C10アリーレン、またはC〜C10アリール−C〜Cアルキレンであり、
Mは、アルミニウム、亜鉛、またはチタンであり、
mは、1〜4の整数であり、
nは、1〜3の整数であり、
xは、1および2であり、
ここで、式(II)におけるn、xおよびmは同時には、式(II)のジホスフィン酸塩が全体として電荷を有さないような整数値のみを取ることができる]
と組み合わせて使用することによる、方法に関する。
本発明さらに、特別な方法のGIT(ガスアシスト射出成形法)、WIT(水アシスト射出成形法)、およびPIT(プロジェクタイル射出成形法)を含む射出成形プロセス、異形押出成形法も含む押出成形プロセス、またはブロー成形プロセスにおいて、本発明の組成物を使用することにより、製品、好ましくは電気構成部品、より好ましくは残余電流サーキットブレーカーおよびその他のサーキットブレーカー、最も好ましくは16Aよりも高い定格電流を有するサーキットブレーカー、特に好ましくは32Aよりも高い定格電流を有するサーキットブレーカー、極めて特に好ましくは64Aよりも高い定格電流を有するサーキットブレーカーを製造するためのプロセスにも関する。
それらの製品を製造するためには、最初に、本発明の組成物の各成分を少なくとも1種の混合装置の中で混合し、成形組成物の形態となったその混合物を、その少なくとも1種の混合装置の出口からさらなる加工へ直接送り出すか、またはストランドとして排出し、ペレタイザー、好ましくは回転ブレード付きローラーの手段により切断して、後の加工操作で利用可能な所望の長さのペレットとする。
多くの加工業者はペレットの形態のプラスチックを必要とするため、本発明の組成物から得ることが可能な成形組成物のペレット化は、重要な役割を果たす。ホットカットとコールドカットは、根本的に区別される。加工法に応じて、異なった粒子形態が得られる。ホットカットの場合においては、本発明の組成物を含むペレットは、ビーズ状またはレンズ状の形態で得られ、コールドカットの場合には、円筒状または立方体の形態でペレットが得られる。本発明の組成物を含むペレットの形態の成形組成物は、コールドカットによって得るのが好ましい。
当業者は、本発明の組成物から得られる成形組成物の中の成分の混合に関して最適な混合効果を達成させるのに適した、各種の混合装置を自由に使用してよい。本発明に関連して、エクストルーダーが好ましい混合装置である。好ましいエクストルーダーは、一軸スクリューエクストルーダーまたは二軸スクリューエクストルーダーおよびそれぞれのサブグループであり、最も好ましくは通常の一軸スクリューエクストルーダー、搬送一軸スクリューエクストルーダー、逆回転二軸スクリューエクストルーダー、または共回転二軸スクリューエクストルーダーである。それらは当業者には馴染みの深いものであり、以下の文献に記載がある:Technische Thermoplaste 4.Polyamide[Industrial Thermoplastics,4.Polyamide],eds.:G.W.Becker and D.Braun,Carl Hanser Verlag,1998,p.311−314、およびK.Brast,Thesis“Verarbeitung von Langfaser−verstaerkten Thermoplasten im direkten Plastifizier−/Pressverfahren”[Processing of Long−Fibre Reinforced Thermoplastics Using the Direct Strand−Deposition Process],Rheinische−Westfaelische Technische Hochschule Aachen,2001,p.30−33。
本発明において成形組成物またはペレットの形態で存在している組成物は、最終的には、成形法によって、本発明の製品、好ましくは電気製品または電子製品を製造するために使用される。好ましい成形法は、射出成形法または押出成形法である。
押出成形法または射出成形法の手段によって製品を製造するための本発明のプロセスは、好ましくは230〜330℃の範囲、より好ましくは250〜300℃の範囲の溶融温度、および場合によってはそれに加えて、2500bar以下の圧力、好ましくは2000bar以下の圧力、より好ましくは1500bar以下の圧力、最も好ましくは750bar以下の圧力で実施する。
射出成形のプロセスは、好ましくはペレットの形態にある、成形組成物としての本発明の組成物を、加熱した円筒状のキャビティの中で溶融(可塑化)させ、それを射出成形材料として、温度制御されたキャビティの中へ加圧下に射出することを特徴としている。その材料を冷却(固化)させてから、射出成形物を脱型する。このプロセスは、次の工程に分けられる:
1.可塑化/溶融
2.射出相(充填操作)
3.圧力保持相(結晶化の過程で熱収縮が起きるため)
4.脱型。
射出成形機は、型締めユニット、射出ユニット、駆動系および制御系からなっている。型締めユニットには、金型のための固定および移動熱盤および端盤、さらにはタイバーおよび移動型熱盤のための駆動系(トグリング機構または油圧型締めユニット)が含まれる。
射出ユニットには、電気加熱可能なバレル、スクリューのための駆動装置(モーター、ギアボックス)、およびスクリューおよび射出ユニットを移動させるための油圧系が含まれる。射出ユニットが実施する作業は、本発明において成形組成物として使用するための、特にペレットの形態にある、組成物を溶融させること、それを計量すること、それを少なくとも1つのキャビティの中に射出すること、および(収縮に備えて)圧力を維持することである。溶融物がスクリューの内部で逆向きに流れるという問題(漏れ流れ)は、逆止弁によって解決される。
射出成形金型の中では、入ってきた溶融物が分離、冷却され、製造目的の部品が製造される。この目的のためには、二つ割りの金型が常に必要である。射出成形においては、次のような機能系に区別される:
− ランナー系
− 成形インサート系
− ベント系
− マシンケースおよび力吸収系
− 脱型系および移動伝送系
− 加熱系。
GIT(ガスアシスト射出成形法)、WIT(水アシスト射出成形法)およびプロジェクタイル射出成形法(PIT)の特殊な射出成形方法は、中空の加工物を製造するために特化された射出成形法である。標準的な射出成形との違いは、金型充填相の最後に向けて、または注型用金型の所定の部分充填の後の特別な操作に存在している。その方法に特定された作業工程において、プロセス媒体を、インジェクターを介して予備成形物の溶融したコアの中に注入して、キャビティを形成させる。この媒体が、GITの場合においてはガス(一般的には窒素)、WITの場合においては水である。PITの場合においては、プロジェクタイルを溶融させたコアの中に推進させて、それによってキャビティを形成させる。
射出成形法とは対照的に、押出成形法では、エクストルーダーの中で、本発明の組成物を含む連続的に成形されたポリマーのストランドを使用し、エクストルーダーとは、熱可塑性プラスチックの成形品を製造するための機械である。下記の装置に区別される:
− 一軸エクストルーダーおよび二軸エクストルーダーおよびそれぞれのサブグループ、
− 普通の一軸エクストルーダー、移送一軸エクストルーダー、
− 逆回転二軸エクストルーダーおよび共回転二軸エクストルーダー。
本発明に関連して異形材とは、その長さ方向全体にわたって同一の断面を有する構成部品または部品である。それらは、異形押出成形法で製造することができる。異形押出成形法における、基本的な方法工程は次のとおりである:
1.エクストルーダーの中で、熱可塑性プラスチックの溶融物を可塑化させて準備する工程、
2.その熱可塑性プラスチックの溶融ストランドを、押出加工される異形の断面を有するキャリブレーションスリーブに通して押出加工する工程、
3.キャリブレーティングテーブル上で、その押出加工された異形材を冷却する工程、
4.引き抜きシステムを使用して、その異形品をキャリブレーションテーブル越しに移送する工程、
5.カッティングシステムの中で、もともと長かった異形品を所定の長さに切断する工程、
6.所定の長さに切断された異形品をコレクティングテーブル上に集める工程。
ナイロン−6およびナイロン−6,6の異形押出成形についての記述が次の文献にある:Kunststoff−Handbuch[Plastics Handbook]3/4,Polyamide[Polyamides],Carl Hanser Verlag,Munich 1998,pages 374−384。
本発明に関連して、ブロー成形法とは、好ましくは標準的な押出ブロー成形法、3D押出ブロー成形法、吸引ブロー成形法、および逐次共押出成形法である。
標準的な押出ブロー成形法における基本的な方法工程は、Thielen,Hartwig,Gust,“Blasformen von Kunststoffhohlkoerpern”[Blow Moulding of Hollow Plastics Bodies],Carl Hanser Verlag,Munich,2006,pages 15−17によれば、以下のとおりである:
1.エクストルーダーの中で、熱可塑性プラスチックの溶融物を可塑化させて準備する工程、
2.垂直に流動移動している溶融物を下方向に偏向させて、筒状の「パリソン」を形成させる工程、
3.一般的には2つの半割りシェルからなる金型、ブロー金型の手段によって、そのぶら下がっているパリソンを封じる工程、
4.ブローイングマンドレルまたは1個もしくは複数のブローイングピンを挿入する工程、
5.そのブロー金型の冷却した壁面に対してそのプラスチックパリソンを吹き付けて、そのプラスチックを冷却、固化させて、最終的な成形品の形状をとらせる工程、
6.金型を開けて、ブロー成形した部品を脱型させる工程。
7.そのブロー成形品の両端の食い切り「バリ」屑を除去する工程。
さらなる後加工工程を続けてもよい。
標準的な押出ブロー成形の手段によって、複雑な形状と多軸の湾曲を有する製品を製造することもまた可能である。しかしながら、その場合には、過剰な食い切り材料を大きな割合で含み、広い領域でウェルドシームを有する製品が得られる。
したがって、3D押出ブロー成形(3Dブロー成形とも呼ばれる)においては、物品の断面にマッチした直径を有するパリソンに変形および調節する特定の装置を使用することによって、ウェルドシームを避け、そして材料の使用量も減らし、次いでそれを、直接ブロー成形金型キャビティの中に導入する。それによって、物品の末端に残存するピンチシームは、最小限度にまで低下する(Thielen,Hartwig,Gust,“Blasformen von Kunststoffhohlkoerpern”,Carl Hanser Verlag,Munich 2006,pages 117−122)。
吸引ブロー成形法(やはり、吸引ブローイングとも呼ばれる)においては、パリソンをチューブ押出ダイヘッドから密閉したブロー金型の中へ直接送り、空気流の手段によって、ブロー金型から「吸引」する。パリソンの下端がブロー金型から出てきたら、密封要素の手段によって、その上端および下端を切り取り、それに続けて、ブローと冷却の手順を実施する(Thielen,Hartwig,Gust,“Blasformen von Kunststoffhohlkoerpern”,Carl Hanser Verlag,Munich 2006,page 123)。
使用
本出願はさらに、射出成形プロセス(GIT(ガスアシスト射出成形法)、WIT(水アシスト射出成形法)およびPIT(プロジェクタイル射出成形法)の特別な方法を含む)、押出成形プロセス(異形押出成形も含む)、ブロー成形プロセス(より好ましくは標準的な押出ブロー成形法、3D押出ブロー成形法、または吸引ブロー成形法)における、成形組成物としての本発明の組成物の使用も提供し、その目的は、それらから本発明の熱的に安定化された製品を製造するためである。
本発明はさらに、製品のみならず、さらには複合構造物およびオーバーモールド複合構造物、好ましくは電気構成部品、より好ましくは、残余電流サーキットブレーカーおよびその他のサーキットブレーカー、最も好ましくは16Aよりも高い定格電流を有するサーキットブレーカー、特に好ましくは32Aよりも高い定格電流を有するサーキットブレーカー、極めて特に好ましくは64Aよりも高い定格電流を有するサーキットブレーカーを製造するための、本発明の組成物の使用にも関する。
本発明の製品は、好ましくは、自動車分野における乗用車、重量物運搬車のための構造部品として、民間航空機、宇宙空間において、鉄道車両において、各種産業システムにおいて、さらには庭園および家庭用電気製品のため、コンピューターハードウェアとして、携帯電子機器において、レジャー用物品およびスポーツ用品において、機械部品として、建造物において、光電池系において、または機械装置において、などの分野において使用することができる。
庭園用および家庭用の好ましい用途としては、洗濯機、食器洗浄機、乾燥機、冷蔵庫、エアコンシステム、芝刈り機、暖房、ヒューズボックス、警報システムなどが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
本発明に記載の性質における改良を示すために、まず、コンパウンディングによって相当するポリマー組成物を調製した。この目的のためには、表IIに記載の個々の成分を、二軸スクリューエクストルーダー(ZSK 25 Compounder、Coperion Werner&Pfleiderer(Stuttgart,Germany)製)の中で270〜300℃の温度で混合し、ストランドとして排出し、ペレット化が可能になるまで冷却し、そしてペレット化した。(一般的には、真空乾燥キャビネット中80℃で2日間の)乾燥をさせた後で、270〜290℃の範囲の温度でペレットを加工して、それぞれの試験のための標準試験片を得た。
ファイバー−マトリックス半製品の難燃性は、UL94V法(Underwriters Laboratories Inc.Standard of Safety,“Test for Flammability of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliances”,p.14 to p.18 Northbrook 1998)に従って求めた。試験片の寸法は、125mm×13mm×0.75mmであった。
破壊応力は、ISO 3167、タイプAに基づくダンベル試験片についての、ISO 527−1、−2に基づく引張試験から得て、その都度新規に射出成形した状態にある試験片について、測定または計測した。
加熱空気エージングをした後の破壊応力(「破壊応力[エージング後]」)は、引張試験片を、Binder FP115加熱空気オーブン(Binder(Tuttlingen,Germany)製)の中、200℃で45日間(1080時間)保存してから、それらを室温にまで冷却し、次いでそれらを上述のようにして試験することによって求めた。
溶融粘度は、ISO 1133−1に従い、温度270℃、加重5kgでペレットについて求め、それぞれの組成物の熱安定性を求めるために、5分および20分の滞留時間の後の数値を求めた。20分後の値と5分後の値の商(「MVRからの商」)は、最初に述べたように、融点よりも高い温度での組成物の熱安定性の目安と考えられる。商の値が1である場合には、5分後と20分後で溶融粘度に変化がなく、このことは熱安定性が高いことを示唆している。さらに、その商が1よりも大きいならば、それらの条件下では、その組成物が、より不安定である。
耐衝撃性は、80mm×10mm×4mmの寸法の試験片について、ISO 179−1eUに従ったシャルピー試験によって得た。
実験には以下のものを使用した:
成分A/1:ナイロン−6,6(Ultramid(登録商標)A27E、BASF(Ludwigshafen,Germany)製)、
成分A/2:ナイロン−6(Durethan(登録商標)B26、Lanxess Deutschland GmbH(Cologne,Germany)製)、
成分B/1:第二ホスホン酸アルミニウム(国際公開第2013/083247A1号パンフレット、実施例2に従って調製)、
成分C/1:ジペンタエリスリトール[CAS No.126−58−9](Di−Penta 93、Perstorp Speciality Chemicals AB(Perstorp,Sweden)製)、
成分D/1:アルミニウムトリス(ジエチルホスフィネート)、[CAS No.225789−38−8](Exolit(登録商標)OP1230、Clariant SE(Muttenz,Switzerland)製)、
成分E/1:Irganox 1098(登録商標)熱安定剤、BASF(Ludwigshafen,Germany)製、
成分F/1:CS 7928チョップトガラス繊維、Lanxess Deutschland GmbH(Cologne,Germany)製[中央繊維直径:11μm、中央繊維長さ:4.5mm、Eガラス]、
成分H/1:エチレンビスステアリルアミド[CAS No.110−30−5]、Loxiol(登録商標)EBSの形態、Emery Oleochemicals製。
Figure 2016117898
表IIの本発明実施例からは、本発明の成分C/1を用いた組合せでは、使用したポリアミドの融点未満の温度で数日間貯蔵した場合と、使用したポリアミドの融点より高い温度での破壊応力の場合との両方において、熱安定性が明らかに改良されていることが分かる。成分B/1と組み合わせて成分C/1を加えても、初期の機械的性質、ここでは破壊応力の低下、または難燃性の低下はいずれも起きることなく、実際のところ、難燃性の改良が達成され、UL94が、比較例1ではV−1であったのにくらべて、実施例1ではV−0等級であった。ここで強調されるべきは、本発明の実施例1を用いれば、ホウ酸亜鉛を使用しなくてもUL94でV−0等級を達成することさえ可能であったということである。

Claims (15)

  1. 組成物であって、
    A)ナイロン−6および/またはナイロン−6,6、
    B)少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩、
    C)少なくとも1種の、少なくとも3個のアルコール基と200g/molよりも高い分子量とを有する多価アルコール、
    D)1種もしくは複数の、式(I)の有機ホスフィン酸塩および/または1種もしく複数の、式(II)のジホスフィン酸塩、および/またはそれらのポリマー
    Figure 2016117898
    [式中、
    、Rは、同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ直鎖状もしくは分岐状のC〜C−アルキル、および/またはC〜C14−アリールであり、
    は、直鎖状もしくは分岐状のC〜C10アルキレン、C〜C10アリーレン、またはC〜Cアルキル−C〜C10アリーレン、またはC〜C10アリール−C〜Cアルキレンであり、
    Mは、アルミニウム、亜鉛、またはチタンであり、
    mは、1〜4の整数であり、
    nは、1〜3の整数であり、
    xは、1および2であり、
    ここで、式(II)におけるn、xおよびmは同時には、前記式(II)の前記ジホスフィン酸塩が全体として電荷を有さないような整数値のみを取ることができる]
    を含む、組成物。
  2. 成分B)の質量比が、成分B)および成分D)の質量比を合計したものを基準にして、10%より大きいことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 成分A)〜D)に加えて、さらにE)立体障害フェノールの群からの少なくとも1種の熱安定剤を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 成分A)〜E)に加えるかまたはE)に代えて、さらにF)ガラス繊維を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 成分A)〜F)に加えるかあるいはE)および/またはF)に代えて、さらにG)成分E)以外の少なくとも1種の充填剤または補強材を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 成分B)として、
    第一ホスホン酸アルミニウム[Al(HPO]、
    塩基性ホスホン酸アルミニウム[Al(OH)HPO・2HO]、
    Al(HPO・xAl・nH
    (ここで、xは、2.27〜1の範囲であり、およびnは0〜4の範囲である)、
    Al(HPO・(HO) (III)
    (ここで、qは0〜4の範囲である)、特にホスホン酸アルミニウム四水和物[Al(HPO・4HO]または第二ホスホン酸アルミニウム[Al(HPO]、
    Al(HPO(OH)・(HO) (IV)
    (ここで、Mはアルカリ金属イオンを表し、ならびにzは0.01〜1.5の範囲であり、yは2.63〜3.5の範囲であり、vは0〜2の範囲であり、およびwは0〜4の範囲である)、および
    Al(HPO(HPO・(HO) (V)
    (ここで、uは2〜2.99の範囲であり、tは2〜0.01の範囲であり、およびsは0〜4の範囲である)
    (ここで、式(IV)におけるz、yおよびv、ならびに式(V)におけるuおよびtは、前記ホスホン酸の前記相当するアルミニウム塩が、全体として電荷を有さないような数値のみを取ることができる)
    の群から選択される少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩が使用されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 成分B)として、
    第一ホスホン酸アルミニウム[Al(HPO]、
    第二ホスホン酸アルミニウム[Al(HPO]、
    塩基性ホスホン酸アルミニウム[Al(OH)HPO・2HO]、
    ホスホン酸アルミニウム四水和物[Al(HPO・4HO]、および
    Al(HPO・xAl・nH
    (ここで、xは2.27〜1の範囲であり、およびnは0〜4の範囲である)
    の群から選択される少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩が使用されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 成分C)が、多価アルコール、脂肪族多価アルコール、脂肪族−脂環族多価アルコール、または脂環族多価アルコール、および炭水化物を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. ジペンタエリスリトールまたはトリペンタエリスリトールが使用されることを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
  10. 前記式(I)または(II)におけるMがアルミニウムであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記式(I)および(II)におけるRおよびRが、同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ直鎖状もしくは分岐状のC〜Cアルキル、および/またはフェニルであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 式(II)におけるRが、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、tert−ブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレン、n−ドデシレン、フェニレン、ナフチレン、メチルフェニレン、エチルフェニレン、tert−ブチルフェニレン、メチルナフチレン、エチルナフチレン、tert−ブチルナフチレン、フェニルメチレン、フェニルエチレン、フェニルプロピレン、またはフェニルブチレンであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. PA6ベースおよび/またはPA66ベースの組成物ならびにそれらから製造することが可能な製品の熱安定性を改良するための方法であって、
    少なくとも1種の、ホスホン酸のアルミニウム塩を、
    少なくとも1種の、少なくとも3個のアルコール基と200g/molよりも高い分子量とを有する多価アルコール、および
    1種もしくは複数の、式(I)の有機ホスフィン酸塩および/または1種もしくは複数の、式(II)のジホスフィン酸塩、および/またはそれらのポリマー
    Figure 2016117898
    [式中、
    、Rは、同一であるかまたは異なっていて、かつそれぞれ直鎖状もしくは分岐状のC〜C−アルキル、および/またはC〜C14−アリールであり、
    は、直鎖状もしくは分岐状のC〜C10−アルキレン、C〜C10−アリーレン、またはC〜C−アルキル−C〜C10−アリーレン、またはC〜C10−アリール−C〜C−アルキレンであり、
    Mは、アルミニウム、亜鉛、またはチタンであり、
    mは、1〜4の整数であり、
    nは、1〜3の整数であり、
    xは、1および2であり、
    ここで、式(II)におけるn、xおよびmは同時には、前記式(II)の前記ジホスフィン酸塩が全体として電荷を有さないような整数値のみを取ることができる]
    と組み合わせて使用することを特徴とする、方法。
  14. 前記組成物が、特殊な方法のガスアシスト射出成形法、水アシスト射出成形法、およびプロジェクタイル射出成形法を含む射出成形法において、異形押出成形法を含む押出成形プロセスにおいて、またはブロー成形法において使用されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. 製品、好ましくは電気構成部品を製造するための、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物の使用。
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