JP2006034176A - 茹麺類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 麺の表面のダメージを防止して、品質上のバラツキの少ない茹麺類を製造することができる茹麺類の製造方法、及びかかる茹麺類の製造方法に用いることができる加圧型麺類茹装置を提供すること。
【解決手段】 生麺類を熱水中に投入して麺をほぐすほぐし茹工程と、加圧下、100℃を超える熱水で麺を茹でる加圧茹工程と、冷却水で100℃を超える熱水を冷却する冷却工程とを備えた茹麺類の製造方法であって、前記加圧茹工程が、密閉状態で100℃を超える所定温度まで加熱する加熱昇温工程と、該100℃を超える所定温度でさらに加圧して熱水の沸騰を抑制し麺を沈降させて茹でる沸騰抑制茹工程とを有する茹麺類の製造方法、及びかかる茹麺類の製造方法に用いることができる加圧型麺類茹装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、茹麺類の製造方法に関し、詳しくは、100℃を超える熱水で麺を茹で上げる茹麺類の製造方法に関する。
従来、100℃を超える熱水で麺を茹で上げる茹麺類の製造方法としては、麺生地を押出成型装置で加圧しながら熱湯水を収容した高圧釜内に麺線として押出成型した後前記熱湯水中に高圧蒸気又はエアーを短時間注入して熱湯水を攪拌混合しながらゆで、次いで沸騰水を排除してゆで麺を取り出す方法が知られている(特許文献1参照。)。また、生めん類を加圧環境下でかつ100℃を超える水で茹で上げる方法において、前記生めん類が真空度略600mmHg以下の減圧環境下で混練されためん生地より製造されたものであることを特徴とするゆでめん類の製造方法(特許文献2参照。)や、生麺類を、加圧下で、かつ100℃より上の温度で茹で上げる方法において、茹で上げたときの麺の水分含量を55〜68重量%とすることを特徴とした茹で麺類の製造方法(特許文献3参照。)が知られている。
特開昭56−39754号公報 特開昭60−176554号公報 特開平3−195466号公報
上記100℃を超える熱水で麺を茹で上げる茹麺類の製造方法においては、沸騰した熱水中で茹でるため、麺は湯面に浮上し、浮上して茹でられることにより、麺の自重で堆積した麺が押しつぶされてしまうことがなく、また、麺の中心まで熱水が浸透しふっくらと茹で上げることができる。
しかしながら、麺を浮上させたまま茹で続けると、麺の表面がダメージを受け、さらに減圧冷却時の再沸騰の影響を受け麺の肌荒れや組織崩壊を起こすことが明らかになった。また、麺が湯面から浮上しつづけている部分と湯面下にある麺で品質上のバラツキが生じやすくなるという問題もあった。
本発明の課題は、麺の表面のダメージを防止して、品質上のバラツキの少ない茹麺類を製造することができる茹麺類の製造方法、及びかかる茹麺類の製造方法に用いることができる加圧型麺類茹装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、沸騰した熱水により充分なほぐし効果を得た後、加圧して沸騰を抑えて浮上した麺を沈ませ茹でることにより、麺の表面のダメージを防止すると共に品質のばらつきを抑制して、また、浮上時間をコントロールすることにより麺質に合った程よい弾力を得ることができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、生麺類を熱水中に投入して麺をほぐすほぐし茹工程と、加圧下、100℃を超える熱水で麺を茹でる加圧茹工程と、冷却水で100℃を超える熱水を冷却する冷却工程とを備えた茹麺類の製造方法であって、前記加圧茹工程が、密閉状態で100℃を超える所定温度まで加熱する加熱昇温工程と、該100℃を超える所定温度でさらに加圧して熱水の沸騰を抑制し麺を沈降させて茹でる沸騰抑制茹工程とを有することを特徴とする茹麺類の製造方法(請求項1)や、加圧茹工程における加熱昇温工程と沸騰抑制茹工程との間に、前記100℃を超える所定温度の沸騰した熱水中で麺を浮上させて茹でる沸騰茹工程を有することを特徴とする請求項1に記載の茹麺類の製造方法(請求項2)や、茹で上がった茹麺類を冷凍して冷凍茹麺類とする茹麺類冷凍工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の茹麺類の製造方法(請求項3)や、100℃を超える所定温度が105〜150℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の茹麺類の製造方法(請求項4)や、沸騰抑制茹工程における加圧が高圧エアーを導入することにより行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の茹麺類の製造方法(請求項5)や、高圧エアーによる追加圧力が0.005〜0.1MPaであることを特徴とする請求項5に記載の茹麺類の製造方法(請求項6)に関する。
また本発明は、冷却工程の直前に、さらに加圧して冷却工程における沸騰を抑制することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の茹麺類の製造方法(請求項7)や、ほぐし茹工程〜冷却工程を同一の加圧容器を用いて行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の茹麺類の製造方法(請求項8)や、ほぐし茹工程において一つの容器を用いてほぐした麺を、複数の加圧容器に移し、該複数の加圧容器を用いて加圧茹工程〜冷却工程を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の茹麺類の製造方法(請求項9)や、生麺類が、300Torr〜常圧の環境下で混練され製出された麺であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の茹麺類の製造方法(請求項10)に関する。
さらに本発明は、加圧容器本体と、容器蓋と、加圧容器本体の下部に配置され上方に向けて蒸気を噴出可能な蒸気噴出手段と、加圧容器本体の上部又は容器蓋に配置され冷却水を湯面に向けて噴出可能な冷水噴出手段と、容器内を加圧する加圧手段とを備えたことを特徴とする加圧型麺類茹装置(請求項11)や、加圧容器本体に収容され麺を保持する麺保持容器を備えていることを特徴とする請求項11に記載の加圧型麺類茹装置(請求項12)や、蒸気噴出手段が、加圧容器本体の中心周辺部に多数の噴出口を有する手段であることを特徴とする請求項11又は12に記載の加圧型麺類茹装置(請求項13)や、蒸気噴出手段が、加圧容器本体の中心部に配設されたリング状噴出管であることを特徴とする請求項13に記載の加圧型麺類茹装置(請求項14)や、加圧容器本体又は麺保持容器の底部が、上方に向かって漸次拡大するテーパー形状に形成されていることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の加圧型麺類茹装置(請求項15)や、請求項1〜10の製造方法に用いることを特徴とする請求項11〜15に記載の加圧型麺類茹装置(請求項16)に関する。
本発明の茹麺類の製造方法及び加圧型麺類茹装置によれば、麺の表面のダメージを防止して、品質上のバラツキの少ない茹麺類を製造することができる。
本発明の茹麺類の製造方法としては、生麺類を熱水中に投入して麺をほぐすほぐし茹工程と、加圧下、100℃を超える熱水で麺を茹でる加圧茹工程と、冷却水で100℃を超える熱水を冷却する冷却工程とを備えた茹麺類の製造方法であって、前記加圧茹工程が、密閉状態で100℃を超える所定温度まで加熱する加熱昇温工程と、該100℃を超える所定温度でさらに加圧して熱水の沸騰を抑制し麺を沈降させて茹でる沸騰抑制茹工程とを有する茹麺類の製造方法であれば特に制限されるものではなく、生麺類の種類や製法によって、加圧茹工程における加熱昇温工程と沸騰抑制茹工程との間に、100℃を超える所定温度の沸騰した熱水中で麺を浮上させて茹でる沸騰茹工程を有していてもよい。また、茹で上がった茹麺類を冷凍して冷凍茹麺類とする茹麺類冷凍工程を有していてもよい。
ほぐし茹工程としては、生麺類を熱水中で投入して麺をほぐす工程であれば特に制限されるものではなく、かかるほぐし茹工程において、生麺類を熱水に投入すると同時に攪拌して麺を十分にほぐすことにより、麺同士のくっつきや、折れ曲がり、つぶれなどの外観不良を防止し、茹麺の品質を向上させることができる。かかるほぐし茹工程における茹作業は、以後の工程に用いる加圧容器を用いて行ってもよいし、異なる容器を用いて行ってもよい。ほぐし茹工程における麺ほぐし方法としては、熱水に流れを形成して麺が流動しさえすれば特に制限されず、例えば、下方から噴出される蒸気や高圧エアーによって熱水に流れを形成して行うことができ、熱水の温度低下を防止できることから蒸気を用いることが好ましい。また、攪拌棒や揺動装置等の攪拌手段を用いて攪拌してもよい。また、ほぐし茹工程は、加圧状態で100℃を超える熱水中で行うこともできるが、蒸気や高圧エアーを用いる場合、加圧状態で行うと、加圧容器の制限により高圧の水蒸気又はエアーの圧力が制限されることから、開放系(常圧)で水蒸気又はエアーの圧力を高めて行なうことが好ましく、通常、常圧で90〜100℃程度の熱水中で行う。ほぐし茹工程の茹時間としては、通常、1分〜3分程度である。
加圧茹工程としては、上述のように、加圧下、100℃を超える熱水で麺を茹でる工程であって、加熱昇温工程と沸騰抑制茹工程とを有していれば特に制限されるものではなく、加熱昇温工程と沸騰抑制茹工程との間に、沸騰茹工程を有していてもよい。
加熱昇温工程としては、密閉状態で100℃を超える所定温度まで加熱する工程であれば特に制限されるものではなく、100℃を超える所定温度(到達温度)としては、例えば、105〜150℃であり、110〜130℃であることが好ましく、110〜120℃であることがさらに好ましい。本工程においては、密閉状態で加熱が行われるので、加熱と同時に加圧され、例えば、到達温度が105〜150℃である場合、加圧容器内が0.02〜0.37Mpa(ゲージ圧)に加圧され、この圧力は適宜排気することにより調整することができる。かかる工程における茹時間としては、到達温度や麺及び熱水量によって変化するが、通常、30秒〜5分程度であり、60秒〜3分であることが好ましい。この工程においては、下方から噴出される蒸気(直接蒸気)を用いて加熱することが好ましく、この加熱により熱水を激しく沸騰させ、また、熱水に流れを形成して麺を攪拌することができる。なお、この段階での沸騰は麺の肌荒れを発生させることはない。また、配管内に蒸気を通過させ管壁からの熱を利用して加熱する、いわゆる間接蒸気等の他の加熱手段を直接蒸気と併用して、到達温度まで短時間で到達させることができる。
沸騰茹工程としては、100℃を超える所定温度の沸騰した熱水中で麺を浮上させて茹でる工程であれば特に制限されるものではなく、前記加熱昇温工程で到達した100℃を超える所定温度に保持される工程である。本工程においては、余熱や適宜加熱することにより加圧昇温工程で到達した温度を保持することができるが、その到達温度の±5℃の範囲は本工程における所定温度に含まれる。本工程においては、沸騰した熱水中で麺が浮上し、このように浮上して茹でられることにより、麺が固まったり、麺の自重で堆積した麺が押しつぶされてしまうことがなく、また、この浮上している間に麺の中心まで湯が浸透しふっくらと茹で上げることができる。
沸騰抑制茹工程としては、100℃を超える所定温度でさらに加圧して熱水の沸騰を抑制し麺を沈降させて茹でる工程であれば特に制限されるものではなく、加圧条件としては、前記100℃を超える所定温度の熱水の沸騰が抑制され麺を沈降させるように加圧されれば特に制限されず、通常、蒸気又は高圧エアーが用いられ、急速に圧力を高めることができることから高圧エアーを用いることが好ましく、かかる高圧エアーによる追加圧力(加圧前の容器内圧力との差圧)としては、0.005〜0.1MPaであることが好ましく、0.01〜0.05MPaであることがより好ましい。また、本工程における100℃を超える所定温度とは、前記沸騰茹工程同様、加圧昇温工程で到達した温度の±5℃の範囲をいう。本工程においては、前記沸騰茹工程において浮上していた麺が沈降する。麺が沈降する理由としては、沸騰が抑制されることにより、麺の浮力となっている麺周囲の気泡が消失し、また、空気層を含む見かけ比重の小さい麺が圧力の変化によって比重が変化することによるものと推察される。かかる沸騰抑制工程を有することにより、麺の表面のダメージを防止すると共に品質のばらつきを抑制し、また、浮上時間をコントロールすることにより麺質に合った程よい弾力を得ることができる。
冷却工程としては、冷却水で100℃を超える熱水を冷却する工程であれば特に制限されるものではなく、例えば、シャワー状に噴射する冷却水で湯面及び蒸気と空気が混在する空間を冷却することにより、熱水を100℃未満になるまで冷却していく。容器内の圧力は一時的に下がるが、沸騰抑制工程で混在させたエアーが冷却水の増加に伴い圧縮されるので、その水位上昇とともに内部圧力が上昇し、再沸騰を抑えることができ、ひいては麺の表面のダメージを防止することができる。なお、冷却工程直前に、再沸騰を抑制するために、さらに加圧することも可能である。
冷却水としては、一般の水道水・チラー水を使用することができ、茹上後の麺冷却工程において用いた使用水であってもよい。麺冷却工程で用いられた使用水は約25℃ぐらいになることもあり、温度の高い分その投入量が多くなるが、水資源が有効利用され、また、結果的に加圧容器の茹湯の交換率を高めて茹湯の濁り防止にも寄与するという利点がある。また、冷却水にpH調整剤や消泡剤、食塩水などを定量混入させることもでき、これにより、次バッチの茹湯を調整し、すぐに次バッチの茹で作業を開始することができる。pH調整剤としては、乳酸などの有機酸や製剤化された緩衝剤等を用いることができる。
本発明の茹麺類の製造方法においては、ほぐし茹工程〜冷却工程を同一の加圧容器を用いて行うこともできるし、ほぐし茹工程において一つの容器を用いてほぐした麺を、複数の加圧容器に移し、該複数の加圧容器を用いて加圧茹工程〜冷却工程を行うこともできる。複数の加圧容器を用いることにより、大量の茹麺を連続的に効率よく茹で上げることが可能となる。すなわち、ほぐし茹時間は、加圧茹時間に比して短時間であるので、複数の加圧容器を用いて効率よく茹麺を製造することができる。また、ほぐし茹に使用する容器を加圧容器に比して大きなものを用いることにより、より多くの加圧容器を用いて茹で上げることが可能となり、より効率的に茹麺類の製造を行うことができる。
本発明の茹麺類の製造方法で使用される生麺類としては、うどん麺、そうめん、ひやむぎ、きしめん、そば、ラーメン、スパゲティ等が挙げられ、その製麺方法等特に制限されないが、300Torr〜常圧の環境下で混練され製出された生麺類は、高真空で混練され製出された生麺類に比して比重が小さいので、茹でるときに浮上しやすく、かかる浮上が継続することによる上記問題を生じやすいが、本発明の製造方法によれば沸騰抑制工程において麺を沈めることができるので特に有用である。
上記茹麺類の製造方法に適用可能な本発明の一実施形態に係るバッチ式加圧型麺類茹装置を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るバッチ式加圧型麺類茹装置の概略説明図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るバッチ式加圧型麺類茹装置は、加圧容器本体1と、容器蓋3と、加圧容器本体1内の水を加熱及び/又は保温することが可能な間接加熱ジャケット2と、加圧容器本体に収容され麺を保持するカゴ4と、カゴ4の下方に配置され上方に向けて蒸気を噴出可能な蒸気噴出管5と、カゴ4の上方に配置され冷却水を湯面に向けて噴出可能な冷水管13と、容器蓋3に設けられたエアー加圧手段16を備えた略竪型円筒形加圧容器であり、容器蓋3はヒンジ構造により開閉自由となっている。なお、符号6は直接蒸気入口弁を示し、符号7は排水管を示し、符号8は排水弁を示し、符号9は間接蒸気入口弁を示し、符号10は間接蒸気排出弁を示し、符号11はオーバーフロー排水管を示し、符号12はオーバーフロー排水弁を示し、符号14は給水弁を示し、符号15は減圧開放弁を示し、符号17は圧力計を示し、符号18は釜内部温度センサを示す。
蒸気噴出管5は、加圧容器本体1の中心部に設けられた、カゴ4の1/4〜1/2程度の直径のリング状噴出管であって、上面側に多数の穴(噴出口)が形成され、加圧容器本体1内の水を急速に加熱可能すると共にカゴ4に保持された麺の攪拌を可能としている。また、間接加熱ジャケット2の加熱であると、図2に示すように、熱伝達は容器の壁面に沿って上昇し中心に向かって沈み込むように対流し、この対流は生麺を投入すると麺をカゴ底に沈み込ませてしまい攪拌することができないが、上記のような上方に向けて蒸気を噴出可能な蒸気噴出管5から噴出される蒸気により、投入する麺をほぐしながら攪拌することができる。なお、蒸気の噴出は、加圧容器本体の底部から直接行うこともでき、例えば、加圧容器本体の中心周辺部に多数の噴出口を形成した構成とすることができる。
カゴ4は、メッシュ状のステンレス製の容器であり、加圧容器本体1に装脱着可能となっている。図3に示すように、かかるカゴ4の中には、その底部を上方に向かって漸次拡大するテーパー形状に形成するための整流板20が設けられており、かかる整流板によって、麺がカゴの角に堆積するのを防ぎ、前記蒸気噴出管5による蒸気の効果と相まって攪拌効率を格段に向上することができる。前記整流板20としては、メッシュ製のものは攪拌力がやや弱いが加圧時の熱対流を阻害することがない点で優れており、板状(ボール状)のものは加圧時の熱対流を阻害する要因にはなるが攪拌力に優れており、麺の種類や投入量に合せて選択することが好ましい。なお、カゴ4自体の底部形状を上記のようなテーパー形状とすることもできる。また、カゴ4を設けずに加圧容器本体内に直接麺を保持し、加圧容器本体が揺動可能となった構成とすることもでき、その場合の底部形状は、カゴ方式の場合と同様に、整流板を設けたり、底部形状そのものをテーパー形状とすることができる。
冷水管13は、加圧容器本体1の中心部に設けられた、カゴ4の1/2〜4/5程度の直径のリング状管であって、下面側に多数の穴が形成され、シャワー状に噴射する冷却水で湯面及び蒸気と空気が混在する空間を冷却することにより、加圧容器本体1内の熱水を冷却していく。
上記のような麺類茹装置を用いて茹麺を製造するには、まず、90〜100℃程度の熱水中のカゴ4中に生麺類を投入し、容器蓋3を開放状態のままで、蒸気噴出管5より直接蒸気を噴出させて熱水を攪拌し、1〜2分程度麺をほぐす(ほぐし茹工程)。次に、容器蓋3を閉め、間接加熱ジャケット2による間接蒸気加熱と蒸気噴出管5による直接蒸気加熱を併用して急速に昇温を行う。一般的な加圧釜と同様に最初は加熱しながら蓋上の減圧開放弁15から容器内部の空気を抜き、容器内部の温度むらをなくす。このとき、容器内部は激しく沸騰するがこの段階での沸騰は麺の肌荒れを発生させることはなく、このときもほぐし茹工程と同様に麺は攪拌されている(加熱昇温工程)。そして、温度センサ18が目標温度(例えば、115〜120℃)に達すると、間接蒸気入口弁9と直接蒸気入口弁6は閉じられ、間接加熱ジャケット2内に保有されている蒸気により容器内部は保温され、かつ内部は緩やかに沸騰を続ける(沸騰茹工程)。沸騰茹工程で充分の茹効果を得た後、加圧エアー弁16から0.02Mpa程度エアー加圧することにより、沸騰を抑制し、浮上した麺をカゴ底に沈ませ、攪拌せず静かに加熱する(沸騰抑制茹工程)。充分に茹でた後、給水弁14よりシャワー状に噴射する冷却水で湯面及び蒸気と空気が混在する空間を冷却し、熱水が100℃未満になるまで冷却水を投入する。冷却水量は温度センサ18により冷却水量を制御するか、冷却負荷に合わせた定量を供給する。このとき、湯面上方の蒸気は冷却水で冷却され容器内部の圧力は一時的に下がるが、逆に、加圧茹時に混在させたエアーが冷却水の増加に伴い圧縮されるので、その水位上昇とともに内部圧力が上昇し、再沸騰を抑えることができる(冷却工程)。
冷却水の投入が終了し、熱水の温度が100℃未満になった時点でオーバーフロー排水弁12を開き、容器蓋3が開けられるよう水位を下げる。その際エアー加圧による残圧が残っていれば、エアー圧力により茹湯が押出され、すばやく排湯される。最終的に減圧開放弁15を開き、大気開放とし、容器蓋3を開け、茹麺をカゴ4ごと取り出す。取り出した茹麺は常法に従って、冷却する。次バッチは、カゴ4を加圧容器本体1に戻し、熱水を再沸騰させれば、すぐに開始することができ、バッチ式ではあるが、連続して作業を行うことが可能であり、非常に効率よく茹麺類の製造を行うことができる。
なお、図4に示すように、冷却水の投入と同時に、オーバーフロー排水弁12を開放して、容器内の熱水を切替バルブ22により循環ポンプ21に導き、さらに切替バルブ23を介して、蒸気噴出管5より熱水を再び容器内に導いて、容器内の熱水を循環させて温度むらをなくし、急速に茹麺を冷却することができる。その際、エアーにより容器内部が熱水の沸点より加圧されているため、循環ポンプ21でキャビテーションを起こさずに運転することが可能になる。また、各操作バルブを自動制御とし、圧力センサ、温度センサからの信号で制御する方式とすれば工程を自動化できる。
また、上述のように、ほぐし茹工程〜冷却工程を同一の加圧型麺類茹装置(加圧容器)を用いて行うこともできるが、ほぐし茹工程において一つの容器を用いてほぐした麺を、複数の加圧容器に移し、該複数の加圧容器を用いて加圧茹工程〜冷却工程を行うことにより、大量の茹麺を連続的に効率よく茹で上げることも可能である。すなわち、図5に示すように、ほぐし茹槽24で生麺類のほぐし茹を行い、カゴ湯切り部25で湯を切った後、順次、カゴごと空いている加圧容器26にロボット27によって移送する。ほぐし茹槽24は大きく、ほぐし茹槽24での茹時間は加圧茹時間に比して短時間であるので、複数の加圧容器26を用いて効率よく茹麺を製造することが可能となる。各加圧容器26では加圧茹を行い、再びロボット27により茹で上がった麺をカゴごと茹麺排出部28に移送し、冷却槽29にて茹麺を冷却する。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
1.常圧混練生地でロール製麺の生麺を用いた茹麺の製造
(生麺の調製)
小麦粉(日本製粉 さぬき菊)4kgに対して食塩水(ボーメ10°)41重量%を練水として加え、横型ミキサーにて常圧の状態で10分間混練し麺生地を調製した。これを常法により圧延ロールにて麺帯とし、切刃(角7.5番)にて略巾4ミリ×厚み3.8ミリの麺線とした。このうち4kgを1バッチの試験量とした。
(加圧容器の設定)
加圧容器に56Lの熱水を用意し乳酸にてpHを5〜6付近に調整した。茹上げはメッシュ製の茹カゴを用いた。茹時間は12分30秒間とし、各工程は下記表1のとおりとした。
(高圧エアーで加圧し常時麺を沈ませて茹でる)
ほぐし茹工程の終了直後、蓋を閉める過程で麺は湯面に浮上していた。加熱昇温工程直後、麺はすぐ浮上してきたので(加圧容器ゲージ圧力0.08Mp)、加圧容器蓋部より気層部の蒸気空間を高圧エアーにてさらに加圧(0.08Mpa→0.13Mpa)し、浮上する麺をカゴ底に沈めた。達温維持工程中、高圧エアーによる加圧で0.13Mpaを維持し、熱水は沸騰せず、麺を沈ませたままとした(沸騰抑制茹工程)。冷却工程にて加圧したシャワー水を投入し冷却したが熱水の再沸騰はほとんど起きず、余分なエアーの圧力を減圧して加圧容器の蓋を開放した。蓋を開放してみると茹で上がった麺は浮上していた。茹で開始から12分30秒でカゴを引き上げ冷却槽に移載して冷却し、茹麺を製出した。
(蒸気加圧で加圧し常時麺を沈ませて茹でる)
実施例1の高圧エアーを蒸気に変更して加圧容器の圧力調整を行った。加熱昇温工程直後、麺はすぐ浮上してきたが、加圧容器蓋部より加圧蒸気にてさらに加圧(0.08Mpa→0.1Mpa)し、浮上する麺をカゴ底に沈めた。達温維持工程中、加圧蒸気を蓋上から気層部の蒸気空間に供給して0.1Mpaを維持したところ、熱水は沸騰せず、麺は沈んだままとなり蓋部が加圧蒸気により保温されている為釜内部の温度は116〜117℃にキープされた(沸騰抑制茹工程)。冷却工程にて加圧した水を熱水中に投入し、(蓋部の蒸気空間を急速に冷却しない様に)冷却したが熱水の再沸騰はほとんど起きず、釜内の圧力を減圧し加圧容器の蓋を開放した。蓋を開放してみると茹で上がった麺は浮上していた。茹で開始から12分30秒でカゴを引き上げ冷却槽に移載して冷却し、茹麺を製出した。
比較例1
(常時麺を浮かせたまま茹でる)
茹時間を11分茹とし、達温維持工程を1分30秒短縮し、加熱昇温工程〜達温維持工程においては、加圧流体による加圧は行わず、麺は湯面付近に浮上したままとし、周囲は加圧容器の放熱による自然減圧にともない、緩やかに沸騰が継続する状態とした。冷却工程直前に高圧エアーにて加圧(0.07Mpa→0.09Mpa)し麺をカゴ底に沈めて、シャワー水を投入し冷却したが熱水の再沸騰はほとんど起きず、余分なエアーの圧力を減圧して加圧容器の蓋を開放した。蓋を開放してみると茹で上がった麺は浮上していた。茹で開始から11分でカゴを引き上げ冷却槽に移載して冷却し、茹麺を製出した。
上記実施例1〜2、及び比較例1の茹で上げ直後の状態を下記表2に示す。
(試食評価)
実施例1〜2、及び比較例1の茹麺をそれぞれ220gずつ凍結トレーに収容し−30℃で急速に凍結し、冷凍麺を製出した。この冷凍麺を−18℃で2日間保存し、沸騰する熱水で略1分間で解凍し、市販のうどんつゆにてかけうどんとしたものについて評価を行った。評価は5名のパネラーにより下記の評価基準により行った。比較例はすべて3点とし、評価点は平均点とした。その結果を下記表3に示す。
(外観評価基準)
肌荒れ
5点:標準に比べて肌荒れがなく非常に肌がきれい
4点:標準に比べて肌荒れがほとんどなく肌がきれい
3点:肌は標準である
2点:標準に比べて肌が荒れており外観が劣る
1点:標準に比べて肌が非常に荒れており外観が極めて劣る
折れ曲がり
5点:標準に比べて麺線が非常にまっすぐである
4点:標準に比べて麺線がまっすぐである
3点:麺線は普通である
2点:標準に比べて麺線に折れ曲りつぶれがあり外観が劣る
1点:標準に比べて麺線に折れ曲りつぶれがあり外観が極めて劣る
(食感評価基準)
硬さ
5点:標準と比べて非常に硬い
4点:標準と比べて硬い
3点:硬さは普通である
2点:標準に比べて軟らかい
1点:標準に比べて非常に軟らかい
粘性(もちもち)
5点:標準と比べてもちもちとした粘性が非常に強い
4点:標準と比べてもちもちとした粘性が強い
3点:粘性は普通である
2点:標準に比べてもちもちとした粘性が劣る
1点:標準に比べてもちもちとした粘性が非常に劣る
弾性(こし)
5点:標準と比べて弾力が非常に強い
4点:標準と比べて弾力が強い
3点:弾力は普通である
2点:標準に比べて弾力が弱い
1点:標準に比べて弾力が非常に弱い
食感バランス
5点:標準と比べて食感のバランスが非常によい
4点:標準と比べて食感のバランスがよい
3点:バランスは普通である
2点:標準と比べて食感のバランスがよくない
1点:標準と比べて食感のバランスが非常によくない
常圧混練で製出した生麺の場合、実施例1及び2のように麺をよく攪拌した後麺を常時沈ませて茹でたものが、肌荒れが防止され、麺線の形状も良好なものになり、食感も粘弾性が高くなり良好だった。これにより、高圧エアー加圧で麺を沈ませて茹でることで、品質を調整できることがわかった。また、加圧容器の気層部を加圧する流体を高圧エアーに代えて蒸気を使用しても同様の効果が得られた。
2.減圧混練生地でロール製麺の生麺を用いた茹麺の製造
(生地の調製)
小麦粉(日本製粉 さぬき菊)4kgに対して食塩水(ボーメ10°)41重量%を練水として加え、横型真空ミキサーにて減圧環境下略360Torr(48kPa)の状態で10分間混練し麺生地を調製した。これを常法により圧延ロールにて麺帯とし、切刃(角7.5番)にて略巾4ミリ×厚み3.8ミリの麺線とした。このうち4kgを1バッチの試験量とした。
(加圧容器の設定)
加圧容器に56Lの熱水を用意し乳酸にてpHを5〜6付近に調整した。茹上げはメッシュ製の茹カゴを用いた。茹時間は12分30秒間とし、各工程は実施例1(表1)と同様とした。
(麺を浮上させてから沈めて茹でる)
減圧環境下略360Torrで混練した麺は、常圧混練の麺のようにすぐ浮上してくることはなかったが、茹で開始から4分30秒〜5分30秒(達温維持工程中)に麺は次第に浮いてきた。麺の周囲は加圧容器の放熱による自然減圧にともない、緩やかに沸騰が継続する状態とした(沸騰茹工程)。麺が湯面付近に浮上している状態を約1分間ほどキープし、茹で開始から6分30秒で加圧容器蓋部より気層部の蒸気空間を高圧エアーにてさらに加圧(0.07Mpa→0.09Mpa)し麺をカゴ底に沈めて冷却まで沸騰しない状態で茹で上げた(沸騰抑制茹工程)。その後、シャワー水を投入し冷却したが熱水の再沸騰はほとんど起きず、余分なエアーの圧力を減圧して加圧容器の蓋を開放した。蓋を開放してみると茹で上がった麺は沈んでいた。茹で開始から12分30秒でカゴを引き上げ冷却槽に移載して冷却し、茹麺を製出した。本実施例における加圧容器の蓋及び各バルブの状態、並びに容器内の温度及び圧力を図6に示す。
(常時麺を沈ませて茹でる)
達温後すぐ加圧容器蓋部より気層部の蒸気空間を高圧エアーにてさらに加圧(0.085Mpa→0.105Mpa)し、麺が浮上しないようカゴ底に沈めて冷却まで沸騰しない状態で茹で上げた(沸騰抑制茹工程)。その後シャワー水を投入し冷却したが熱水の再沸騰はほとんど起きず、余分なエアーの圧力を減圧して加圧容器の蓋を開放した。蓋を開放してみると茹で上がった麺は沈んでいた。茹で開始から12分30秒でカゴを引き上げてみると茹麺がカゴの中でブロック状にかたまっていたが冷却槽に移載して冷却すると簡単にほぐすことができた。
比較例2
(麺を浮上させたまま茹でる)
茹で開始から4分30秒〜5分30秒(達温維持工程中)に麺は次第に浮いてきた。高圧エアーによる加圧を行わず、麺は湯面付近に浮上したままとし、周囲は加圧容器の放熱による自然減圧にともない、緩やかに沸騰が継続する状態とした。冷却工程中、シャワー水を直接浮上している麺にかけ、さらに30秒間ほど再沸騰の状況下においた。蓋を開放してみると茹で上がった麺は沈んでいた。茹で開始から12分30秒でカゴを引き上げ冷却槽に移載して冷却し、茹麺を製出した。
比較例3
(常時麺を浮かせたまま茹で、冷却再沸騰の影響を抑える)
茹で開始から4分30秒〜5分30秒(達温維持工程中)に麺は次第に浮いてきた。高圧エアーによる加圧を行わず、麺は湯面付近に浮上したままとし、周囲は加圧容器の放熱による自然減圧にともない、緩やかに沸騰が継続する状態とした。冷却工程直前に加圧容器蓋部より気層部の蒸気空間を高圧エアーにてさらに加圧(0.07Mpa→0.09Mpa)し麺をカゴ底に沈めて、シャワー水を投入し冷却したが熱水の再沸騰はほとんど起きず、余分なエアーの圧力を減圧して加圧容器の蓋を開放した。蓋を開放してみると茹で上がった麺は沈んでいた。茹で開始から12分30秒でカゴを引き上げ冷却槽に移載して冷却し、茹麺を製出した。
上記実施例3〜4、及び比較例2〜3の茹で上げ直後の状態を下記表4に示す。
実施例3〜4、比較例2〜3の茹麺をそれぞれ220gずつ凍結トレーに収容し−30℃で急速に凍結し、冷凍麺を製出した。この冷凍麺を−18℃で2日間保存し、沸騰する熱水で略1分間で解凍し、市販のうどんつゆにてかけうどんとしたものについて評価を行った。評価は5名のパネラーにより、前記と同様の評価基準により行った。比較例2はすべて3点とし、評価点は平均点とした。
減圧環境下略360Torrで混練したうどんの場合、麺を浮上させてから沈めて茹でたものが肌荒れを防止し、バランス良い食感となった。生麺の種類により浮かせたり、沈ませたりするタイミングを調整することにより、品質の調整が可能であることが確認された。減圧混練により麺の生地自体が緻密な組織の場合は、もともと浮上しにくい性質があり、沈めたまま茹でるとむしろ食感が硬い傾向にあることから、茹で前半は麺を浮かせ、後半は肌荒れ防止のため沈ませて茹で上げる方が好ましい。また、予め高圧エアーによる加圧で冷却時の再沸騰状態を防止することで、茹で上げ直前のデリケートな麺の肌荒れを防止できることがわかった。
3.常圧混練生地で手打ち式製麺の生麺を用いた茹麺の製造
(生地の調製)
小麦粉に3kgに対して食塩水(ボーメ10°)44重量%を練水として加え、縦型ミキサーで混練し、生地を調製した。生地塊の組成複合を数回繰り返しグルテン組織を鍛え、生地をまとめ、1時間ほど熟成し、手打ち式麺機にて多方向に圧延し、包丁切にて巾略4〜5mm厚み3.7〜4.5mmの手打ち式うどんを得た。このうち3.4kgを1バッチの試験量とした。
(加圧容器の設定)
加圧容器に56Lの熱水を用意し乳酸にてpHを5〜6付近に調整した。茹上げはメッシュ製の茹カゴを用いた。茹時間は9分30秒間とし、各工程は下記表6のとおりとした。
(常時麺を沈ませて茹でる)
ほぐし茹工程の終了直後、蓋を閉める過程で麺は浮上していた。加熱昇温工程直後、麺はすぐ浮上してきたが、加圧容器蓋部より気層部の蒸気空間を高圧エアーにてさらに加圧(0.08Mpa→0.11Mpa)し、浮上する麺をカゴ底に沈めた。達温維持工程中、高圧エアーによる加圧で0.11Mpaを維持し、熱水は沸騰せず、麺を沈ませたままとした(沸騰抑制茹工程)。冷却工程にて加圧したシャワー水を投入し冷却したが熱水の再沸騰はほとんど起きず、余分なエアーの圧力を減圧して加圧容器の蓋を開放した。蓋を開放してみると茹で上がった麺は浮上していた。茹で開始から9分30秒でカゴを引き上げ冷却槽に移載して冷却し、手打ち式茹麺特有の鼓型の茹麺を製出した。
比較例4
(常時麺を浮かせたまま茹でる)
比較例として高圧エアーによる加圧を行わず、麺は湯面付近に浮上したままとし、周囲は加圧容器の放熱による自然減圧にともない、緩やかに沸騰が継続する状態とした。冷却工程中、シャワー水を直接浮上する麺にかけ、さらに30秒間ほど再沸騰の状況下に置いた。蓋を開放してみると茹で上がった麺は浮上していた。茹で開始から9分30秒でカゴを引き上げ冷却槽に移載して冷却し、茹麺を製出した。
比較例5
(常時麺を浮かせたまま茹で、茹時間を短縮する)
比較例4の茹歩留りを実施例4に近づけるため、茹時間を8分30秒茹とし、達温維持工程を1分間短縮した。加熱昇温工程〜達温維持工程においては、高圧エアーによる加圧は行わず、麺は湯面付近に浮上したままとし、周囲は加圧容器の放熱による自然減圧にともない、緩やかに沸騰が継続する状態とした。冷却工程中、シャワー水を直接浮上する麺にかけ、さらに30秒間ほど再沸騰の状況下に置いた。蓋を開放してみると茹で上がった麺は浮上していた。茹で開始から8分30秒でカゴを引き上げ冷却槽に移載して冷却し、茹麺を製出した。
上記実施例5、及び比較例4〜5の茹で上げ直後の状態を下記表7に示す。
実施例5、比較例4〜5の茹麺をそれぞれ220gずつ凍結トレーに収容し−30℃で急速に凍結し、冷凍麺を製出した。この冷凍麺を−18℃で2日間保存し、沸騰する熱水で略1分間で解凍し、市販のうどんつゆにてかけうどんとしたものについて評価を行った。評価は5名のパネラーにより、前記と同様の評価基準により行った。比較例4はすべて3点とし、評価点は平均点とした。
手打ち式うどんを加圧茹した場合、麺を常時沈ませて茹でたものが外観・食感とも優れていた。常圧混練で製出された生麺は、非常に浮上しやすい性質を持っており、浮上させたまま茹でると麺の肌が荒れやすく、浮力で麺同士が押付けられてしまうためか形状も悪くなることから、本件製法のごとく麺を沈ませて茹で上げることが好ましい。
本発明の一実施形態に係るバッチ式加圧型麺類茹装置の概略説明図である。 蒸気噴出管を備えない加圧型麺類茹装置の熱水の対流向き及び麺の攪拌向きを示す図である。 本発明の蒸気排出管及び整流板を備えた加圧型麺類茹装置の熱水の対流向き、麺の攪拌向き及び直接蒸気の攪拌向きを示す図である。 本発明の他の実施形態に係るバッチ式加圧型麺類茹装置の概略説明図である。 本発明の茹麺類の製造方法において適用可能な一実施形態に係る茹麺類製造装置の概略説明図である。 本発明(実施例3)の茹麺類の製造過程における加圧容器の蓋及び各バルブの状態、並びに容器内の温度及び圧力を示す図である。
符号の説明
1 加圧容器本体
2 間接加熱ジャケット
3 蓋
4 カゴ
5 蒸気噴出管
6 直接蒸気入口弁
7 排水管
8 排水弁
9 間接蒸気入口弁
10 間接蒸気排出弁
11 オーバーフロー排水管
12 オーバーフロー排水弁
13 冷水管
14 給水弁
15 減圧開放弁
16 エアー加圧手段
17 圧力計
18 釜内部温度センサ
20 整流板
21 循環ポンプ
22 切替バルブ
23 切替バルブ
24 ほぐし茹槽
25 カゴ湯切り部
26 加圧容器
27 ロボット
28 茹麺排出部
29 冷却槽

Claims (16)

  1. 生麺類を熱水中に投入して麺をほぐすほぐし茹工程と、加圧下、100℃を超える熱水で麺を茹でる加圧茹工程と、冷却水で100℃を超える熱水を冷却する冷却工程とを備えた茹麺類の製造方法であって、前記加圧茹工程が、密閉状態で100℃を超える所定温度まで加熱する加熱昇温工程と、該100℃を超える所定温度でさらに加圧して熱水の沸騰を抑制し麺を沈降させて茹でる沸騰抑制茹工程とを有することを特徴とする茹麺類の製造方法。
  2. 加圧茹工程における加熱昇温工程と沸騰抑制茹工程との間に、前記100℃を超える所定温度の沸騰した熱水中で麺を浮上させて茹でる沸騰茹工程を有することを特徴とする請求項1に記載の茹麺類の製造方法。
  3. 茹で上がった茹麺類を冷凍して冷凍茹麺類とする茹麺類冷凍工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の茹麺類の製造方法。
  4. 100℃を超える所定温度が105〜150℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の茹麺類の製造方法。
  5. 沸騰抑制茹工程における加圧が高圧エアーを導入することにより行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の茹麺類の製造方法。
  6. 高圧エアーによる追加圧力が0.005〜0.1MPaであることを特徴とする請求項5に記載の茹麺類の製造方法。
  7. 冷却工程の直前に、さらに加圧して冷却工程における沸騰を抑制することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の茹麺類の製造方法。
  8. ほぐし茹工程〜冷却工程を同一の加圧容器を用いて行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の茹麺類の製造方法。
  9. ほぐし茹工程において一つの容器を用いてほぐした麺を、複数の加圧容器に移し、該複数の加圧容器を用いて加圧茹工程〜冷却工程を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の茹麺類の製造方法。
  10. 生麺類が、300Torr〜常圧の環境下で混練され製出された麺であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の茹麺類の製造方法。
  11. 加圧容器本体と、容器蓋と、加圧容器本体の下部に配置され上方に向けて蒸気を噴出可能な蒸気噴出手段と、加圧容器本体の上部又は容器蓋に配置され冷却水を湯面に向けて噴出可能な冷水噴出手段と、容器内を加圧する加圧手段とを備えたことを特徴とする加圧型麺類茹装置。
  12. 加圧容器本体に収容され麺を保持する麺保持容器を備えていることを特徴とする請求項11に記載の加圧型麺類茹装置。
  13. 蒸気噴出手段が、加圧容器本体の中心周辺部に多数の噴出口を有する手段であることを特徴とする請求項11又は12に記載の加圧型麺類茹装置。
  14. 蒸気噴出手段が、加圧容器本体の中心部に配設されたリング状噴出管であることを特徴とする請求項13に記載の加圧型麺類茹装置。
  15. 加圧容器本体又は麺保持容器の底部が、上方に向かって漸次拡大するテーパー形状に形成されていることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の加圧型麺類茹装置。
  16. 請求項1〜10の製造方法に用いることを特徴とする請求項11〜15に記載の加圧型麺類茹装置。
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