JP2006033813A - 電気機械信号選択素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型化、高集積化が可能で、高感度振動検出機構を備えることなく所定の周波数の信号のみを選択して出力することを可能とする電気機械信号選択素子およびそれを用いた電気機器を提供する。
【解決手段】 共振器となる微小振動子を備え、前記微小振動子は、前記微小振動子の振動を励起する外力により励振可能であって、前記微小振動子に構造変化により物理的性質が変化する材料を使用することにより、高感度の電気機械信号選択素子を実現する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気機械フィルタを含む電気機械信号選択素子に係り、特に共振器となる微小振動子、それを励振する機構、あるいは微小振動子に、構造変化により物理的性質が変化する材料を用い、信号選択素子特性を調整可能にした電気機械信号選択素子に関する。
無線端末などの情報通信機器の普及が進む中、通信に使用される周波数は、携帯電話等の数百MHzから無線LAN等の数GHz帯と広帯域化が加速している。現在は、各種通信方式に対応した端末を独立使用している状況であるが、将来的には一つの無線端末で各種通信方式に対応した端末の実現が望まれている。
また、無線の端末の小型化が進む中、端末の筐体内に内蔵される信号選択素子などの受動部品の小型化が望まれている。近年、特に無線通信でよく用いられているLCなどによる電気的共振を利用した信号選択素子は、共振器のサイズが電気長に依存するため信号選択素子の小型化が難しいという問題があり、新たな信号選択の原理が模索されている。
その中で、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により作製されるRF-MEMS
信号選択素子の研究開発が活発になっている。RF-MEMS信号選択素子とは、微小振動子の機械的振動を用いた電気機械信号選択素子である。その利点として、高周波信号の電気的振動を微小振動子の機械的振動に変換し、再び電気的振動として出力信号を取り出すため、共振器のサイズが電気長に依存することがなく、信号選択素子の小型が可能であることが挙げられる。また、RF-ICと親和性の良いプロセスで製造可能であるため、信号選択素子をRF-ICに内蔵することも可能であり、無線部の小型化に大きく貢献する技術として期待されている。
GHz帯の微小振動子を用いた電気機械信号選択素子として、例えば非特許文献1がある。この非特許文献1では、シリコン基板上に円盤型の微小振動子を構成し、微小振動子の機械的共振現象を利用して中心周波数1.14GHzの電気機械共振器を実現している。信号選択の仕組みは、信号入力ポートから駆動電極に入力された高周波信号により、駆動電極と微小振動子の間に静電力が加わり、高周波信号の周波数で微小振動子が励振される。微小振動子の機械的な自己共振周波数の信号が入力された場合、微小振動子は大きく励振され、微小振動子と検出電極間の距離の変化による静電容量の変化が生ずる。すると、微小振動子に電圧が印加されているため、微小振動子の機械的振動を、電気的振動として検出電極で取り出し、検出電極から信号出力ポートへと信号が出力される。つまり、微小振動子の自己共振周波数により設定された周波数の信号のみを選択的に出力することができるわけである。
現在、電気機械信号選択素子においては、適応周波数の高周波化、高Q値(Quality Factor)化が試みられている。適応周波数の高周波化を実現するためには、微小振動子の自己共振周波数を高周波化する必要がある。そのためには、微小振動子のサイズを小さくするか、微小振動子の高次モードを使用する方法が考えられる。
微小振動子が、マイクロメートルオーダーからナノメートルオーダーへと微細化が進むに従い、その振動は極微となり、量子振動や熱振動のノイズレベルへと近づくため、量子限界に近い振動の検出を可能とする超高感度の振動検出方法の実現が必要である。
J. Wang, et al., IEEE RFIC Symp., 8-10 June, pp. 335-338, 2003.
しかしながら、現在のところ、微小振動子の自己共振周波数の高周波化を図った場合、微小振動子の振動振幅が小さくなるため、微小振動子と検出電極間に発生する微小な静電容量の変化を電気信号の出力として検出することが困難となる問題がある。より高感度で微小振動子の微小振動を検出するためには、微小振動子と検出電極間の距離を小さくするか、微小振動子に印加する電圧VPを高くする必要がある。
例えば、非特許文献1にみられる電気機械信号選択素子においては、半径20μm、厚さ2μmの円盤型の微小振動子において、微小振動子と検出電極間の距離は100nmであり、3μm深さの高アスペクト比エッチングにより形成している。今後、さらなる微小振動子と検出電極間の距離の微細化が必要となれば、製造方法の限界に達することが予想される。また、微小振動子に印加する電圧は12.9Vから30.54Vであり、無線端末に適用するには電圧が高いのが現状である。
電気機械信号選択素子の適応周波数の高周波化を実現するには、実現困難な高感度振動検出機構を備えない構造で、信号選択を行なう方法が必要である。
本発明は前記実情に鑑みてなされたものであり、高感度振動検出機構を備えることなく、所定の周波数の信号のみを選択して出力することのできる電気機械信号選択素子およびそれを用いた電気機器を提供することを目的とする。
本発明では、高感度振動検出機構を備えることなく信号選択を可能とする電気機械信号選択素子を実現するために、微小振動子が自己共振周波数で振動した際に生ずる微小振動子の構造変化に起因する物理的性質の変化を信号選択の仕組みに使用するものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明電気機械信号選択素子は、入力信号により励振可能な微小振動子と、前記微小振動子を保持するポストと、を具備し、前記微小振動子は、励振により物理的性質の変化を生じ、選択信号を変化し得るように構成されたことを特徴とする。
この構成により、共振器となる微小振動子は外力により励振可能であって、構造変化により物理的性質が変化する材料を使用することで、信号選択を可能とするもので、従来実現困難であった高感度振動検出機構を備えることなく信号選択機能を有する電気機械信号選択素子を実現する。
ここで微小振動子とは、特にサイズを限定するものではないが、MEMS技術で形成されるマイクロメートルオーダーからナノメートルオーダー程度の振動子をいうものとする。
また本発明の電気機械信号選択素子は、前記微小振動子は、構造変化により物理的性質が変化する材料で構成されたものを含む。
この構成により、高感度の信号検出機構を具備することなく、電気伝導性や、圧電特性を変化することにより、所望の信号特性を得ることができる。
また本発明の電気機械信号選択素子は、前記物理的性質は、電気伝導特性であるものを含む。
この構成により、励振によって電気伝導特性が直接的に変化することになるため、検出が容易である。
また本発明の電気機械信号選択素子は、前記微小振動子は、前記ポスト上に設置された電極により保持されたものを含む。
この構成により、構造変化により物理的性質が変化する材料で形成された微小振動子に、振動による歪みを与えることが可能となり、所望の物理的性質の変化を得ることが可能となる。
また本発明の電気機械信号選択素子は、前記電極と前記微小振動子との接合面は、前記ポストから離間した位置にあるものを含む。
この構成により、微小振動子全体に振動による歪みを与えることが可能となり、所望の物理的性質の変化を得ることが可能となる。
また本発明の電気機械信号選択素子は、前記ポストの剛性は、前記微小振動子の剛性より低いものを含む。
この構成により、微小振動子全体に振動による歪みを与えることが可能となり、所望の物理的性質の変化を得ることが可能となる。
また本発明の電気機械信号選択素子は、前記微小振動子が、前記物理的性質の変化が生ずる材料層、導体層から成る少なくとも二層の多層構造で形成されたものを含む。
この構成により、導体層を流れる高周波信号は、主に微小振動子の励振を担い、相変化材料層を流れる高周波信号は、電気伝導特性を含む物理的性質の変化による信号選択を担うようにすることができる。
また本発明の電気機械信号選択素子は、前記導体層が線状に形成され、前記物理的性質の変化が生ずる材料が、前記線状導体層の周囲に形成されたものを含む。
この構成により、微小振動子の外側の方は自由面が大きい分、相変化を生じやすいことを利用し、中心部の導体層を流れる高周波信号は、主に微小振動子の励振を担い、相変化材料層を流れる高周波信号が、電気伝導特性を含む物理的性質の変化による信号選択を担うようにすることができる。
また本発明の電気機械信号選択素子は、前記物理的性質の変化が生ずる材料層が、信号の電界が集中する側に形成されたものを含む。
この構成により、相変化材料層を、高周波信号の電界が集中する側に形成することによって、相変化材料層の電気伝導特性の変化による信号選択効果を増大することができる。
また本発明の電気機械信号選択素子は、前記物理的性質の変化が生ずる材料層が、前記導体層の基板側下方に形成されたものを含む。
この構成により、相変化材料層を、高周波信号の電界が集中する基板接地側に形成することによって、相変化材料層の電気伝導特性の変化による信号選択効果を増大することができる。
また、本発明の電気機械信号選択素子は、前記導体層の径の半分が、高周波信号の表皮深さ以下の大きさであるものを含む。
この構成により、物理的性質の変化が生ずる材料が、絶縁体の状態でも微小振動子を励振させる高周波信号を流すことが可能となる。周波数が高くなる程表面付近を流れる表皮効果と呼ばれる性質があることから、導体層の径の半分の大きさを、少なくとも高周波信号の表皮深さ以下の信号電力減衰率の大きな形状としても、微小振動子が振動し、相変化材料層を含む微小振動子全体が抵抗の低い状態となった場合に、信号を通過する構成としてもよい。この場合、少なくとも微小振動子の半径の大きさが、高周波信号の表皮深さ以上の信号電力減衰率の小さい形状としてもよい。
また、本発明の電気機械信号選択素子は、前記微小振動子が、ペロブスカイト型遷移金属酸化物で構成されたものを含む。
また、本発明の電気機械信号選択素子は、前記ペロブスカイト型遷移金属酸化物は、金属絶縁体転移を示すPrNiOであるものを含む。
また、本発明の電気機械信号選択素子は、前記微小振動子は、ピエゾ抵抗効果材料で構成されたものを含む。
また、本発明の電気機械信号選択素子は、前記微小振動子は、Si、La1-XSrXMnO3又はBaTiO3の少なくとも1で構成されたものを含む。
また、本発明の電気機械信号選択素子は、前記微小振動子は、超伝導体で構成されたものを含む。
また、本発明の電気機械信号選択素子は、前記超伝導体は、Al、Pb、La2-XSrXCuO4、(BEDTTTF)2I3のいずれかであるものを含む。
また、本発明の電気機械信号選択素子は、前記微小振動子は、カーボン系材料で構成されたものを含む。
また、本発明の電気機械信号選択素子は、前記入力信号を、前記微小振動子に設けた電極から加えるようにしたものを含む。
また、本発明の電気機械信号選択素子は、前記入力信号を、前記微小振動子に隣接して配置された駆動電極から加えるようにしたものを含む。
また、本発明の電気機械信号選択素子は、前記駆動電極に加える外力が、静電力であるものを含む。
また、本発明の電気機械信号選択素子は、前記微小振動子に外部磁場を印加する機構を備え、ローレンツ力により前記微小振動子を励振するものを含む。
また、本発明の電気機械信号選択素子は、前記微小振動子に隣接して配置された駆動電極もしくは信号入力電極に、外部磁場を印加する機構を備え、所望の方向に前記微小振動子の振動を励起するようにしたものを含む。
この構成により、前記微小振動子に隣接して配置された駆動電極もしくは前記微小振動子に外部磁場を印加する機構を備え、前記駆動電極もしくは外部磁場を印加する機構の配置により、所望の方向に前記微小振動子の振動を励起する外力を印加することができる。
また、本発明の電気機械信号選択素子は、前記物理的性質の変化は圧電効果によるものを含む。
また、本発明の電気機械信号選択素子は、前記微小振動子は、励振され構造変化を生じた場合に、前記圧電効果により信号を発生するように構成されたものを含む。
また、本発明の電気機械信号選択素子は、前記微小振動子は、セラミックスで構成されたものを含む。
また、本発明の電気機械信号選択素子は、前記微小振動子は、PZTで構成されたものを含む。
この構成によりスパッタリング法などで容易に形成することが出来、製造が容易である。
以上説明したように、本発明によれば、微小振動子が自己共振周波数で振動した際に生ずる微小振動子の構造変化に起因する物理的性質の変化を信号選択の仕組みに使用することにより、所定の周波数の信号のみを選択して出力することができる。
また、高感度振動検出機構を備える必要がないため、構造が簡素でかつ低コストで製造可能な高周波信号選択機能を有する電気機械信号選択素子を提供する。
また、微小振動子に振動を励起するための外力を与える機構も不要となり、さらに構造が簡潔となることから、低コストでの製造が可能となる。
なお、本発明電気機械信号選択素子は、無線通信用電気回路のみならず、様々な用途の電気回路に適用可能である。
また、本発明電気機械信号選択素子は、共振器としても使用可能であるため発振器に用いることや、ミキサーや増幅器などの電気回路のブロック中に用いることが可能である。
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の実施の形態1における電気機械信号選択素子の構成を示す斜視図であり、微小振動子101としてPrNiO3が用いられる。図1(a)に示す電気機械信号選択素子100では、表面に絶縁層105が形成され接地された基板106上に、ポスト103間に張架された微小振動子101が設けられている。微小振動子101には、信号を入力する信号入力ポートINと信号を出力する信号出力ポートOUTとが接続されている。この信号入力ポートINに高周波信号が入力された場合、微小振動子101と基板106との間に電位差が生じ、高周波信号と同じ周波数で微小振動子101に静電力が加わる仕組みになっている。
次に、この電気機械信号選択素子100における微小振動子の信号選択の仕組みについて説明する。信号入力ポートINより入力された信号は、微小振動子101に伝搬し、高周波信号の周波数で微小振動子101を励振する。微小振動子101の自己共振周波数に応じた信号が入力された場合のみ、微小振動子101は大きな振幅で励振され、微小振動子101の構造変形が生ずる。微小振動子101の振動は、その自己共振周波数の高次モードまで使用することが可能であり、微小振動子101の振動方向は、その励起された振動モードによって変化する。微小振動子101の振動方向をVで示す。この構造では、図1に示すように、振動方向Vは多方向である。
微小振動子101が極微で、その振動振幅が小さいほど、その変化量を電気的に検出する従来の電気機械信号選択素子の振動検出方法では、信号を取り出すことは困難である。そこで、本発明の電気機械信号選択素子100では、微小振動子101が自己共振周波数で振動した際に、微小振動子101の構造変化により物理的性質が変化し、信号を選択する新方式を導入する。本実施の形態1では、物理的性質の変化として電気伝導特性の変化を生じるように構成している。
図2は、本発明の実施の形態1における電気機械信号選択素子の微小振動子の構造変形を示す図である。微小振動子101が振動していない状態では、図2(a)に示すように、微小振動子101の構造は、直線的な静止状態にあり、結晶構造も格子定数(a,b)で格子107が規則的に並んだ歪みの生じていない状態にある。一方、微小振動子101が、自己共振周波数により励振された状態では、図2(b)に示すように、微小振動子101の構造は、曲線的な振動状態となり、結晶構造も格子が不規則に並んだ歪みの生じた状態となる。この場合、格子定数は局所的に異なる値(a’,b’)となり、ある場所ではb’、またある場所ではb”というように不規則となる。
本発明の電気機械信号選択素子100では、微小振動子101の構造変化による電気伝導特性の変化を信号選択の仕組みに使用するため、微小振動子101に構造変化により電子バンド構造が変化する材料を使用する。図3は、本発明の実施の形態1における電気機械信号選択素子の微小振動子を構成する材料の電子バンド構造を示す図である。図3(a)は、微小振動子101が振動していない静止状態の微小振動子101の電子バンド構造である。微小振動子101の結晶構造に歪みが生じていない状態では、微小振動子101の電気伝導特性は絶縁性となっている。価電子帯と伝導帯の間に、大きくエネルギーギャップEGが開いた電子バンド構造となっており、電気伝導に寄与するフェルミエネルギーEFは、そのエネルギーギャップEGの中に位置しているため、電子が移動することのできない絶縁体としての電子バンド構造となっている。一方、図3(b)は、微小振動子101が、自己共振周波数により励振された振動状態の微小振動子101の電子バンド構造である。微小振動子101の結晶構造に歪みが生じた状態では、その歪みにより、微小振動子101の電子バンド構造が変化し金属構造になり、電気伝導特性は導電性となる。価電子帯と伝導帯の間にあったエネルギーギャップEGが消失し、電気伝導に寄与するフェルミエネルギーEF上に、伝導帯の電子バンドがかかることにより、電子が伝導することのできる金属的電子バンド構造へと変化する。
微小振動子101の自己共振周波数ではない信号が、信号入力ポートINより入力された場合は、微小振動子101は振動していない静止状態にあり、絶縁体としての電子バンド構造をもち、その電気伝導特性は絶縁性となっている。この場合、信号は、微小振動子101を流れることができず、信号出力ポートOUTへは信号は出力されない。一方、微小振動子101の自己共振周波数の信号が、信号入力ポートINより入力された場合では、微小振動子101は励振された振動状態となり、その電気伝導特性は金属となる。この場合、信号は、微小振動子101を流れることが可能となり、信号出力ポートOUTへ信号が出力される。つまり、微小振動子101の自己共振周波数の信号が、信号入力ポートINより入力された場合のみ、同じ周波数の信号が信号出力ポートOUTへ、選択的に通過できるわけである。
図4(a)は、本発明の実施の形態1における電気機械信号選択素子の信号選択特性を示す図である。中心周波数fCのバンドパス信号選択素子特性を有することが可能である。中心周波数fCおよびQ値は、微小機械振動子101の設計に依存し、微小機械振動子101の自己共振周波数およびQ値により決定される。
本実施の形態では、微小振動子101に使用する構造変化により、電子バンド構造が変化する材料として、前記PrNiO3を用いた。PrNiO3はセラミックスであり、結晶構造の歪みに起因する金属−絶縁体転移が起こり、同一材料において劇的な電気伝導特性の変化が生ずる。ペロブスカイト型遷移金属酸化物PrNiO3は、絶縁体から金属への転移が観られる材料である。Prをイオン半径のより小さいイオンに置換して歪みを大きくすることにより、バンドギャップを大きくすることもできる。このような材料に、外力で機械的に結晶歪を励起した場合、電子バンド構造の変化による電気伝導特性の変化が生ずる。
ここでは、微小振動子101の構造変化とその電気伝導特性の関係の一例を示したが、微小振動子101が振動していない状態、すなわち静止状態の時は、絶縁体に限定されることなく、半導体や高抵抗の金属など、インピーダンスの高い状態であり、微小振動子101が励振された振動状態の時は、金属に限定されることなく、低抵抗の半導体など、インピーダンスの低い状態であればよい。
なお、前記実施の形態では、微小振動子101として両持ち梁を用いたのに対し、図1(b)に変形例を示すように中心に円盤101Cを配した微小振動子101を用いてもよい。
図1(b)は、図1(a)の電気機械信号選択素子の変形例を示す斜視図である。図1(b)に示す電気機械信号選択素子200では、電気機械信号選択素子100において微小振動子を両持ち梁としたのに対し、この様に、微小振動子101として、微小振動子の中心に円盤101Cを配設することにより、感度を向上することができる。また、この他、片持ち梁、角盤など、適宜形状変化を行なうことが可能である。なお、図1(b)の電気機械信号選択素子200において、図1(a)に示した電気機械信号選択素子100と同様の構成については、同名称および同符号を付して説明は省略する。
また、本発明の実施の形態1における電気機械信号選択素子は、微小振動子101に構造変化と電気伝導特性の関係が逆である材料、つまり、静止状態では金属や低抵抗の半導体などのインピーダンスの低い状態、振動状態では絶縁体、または半導体や高抵抗の金属などのインピーダンスの高い状態となる材料を使用することにより、図4(b)に示すような中心周波数fCのバンドストップ信号選択素子特性を有することも可能である。
なお、信号出力ポートOUT側に、出力信号のパワーを増幅するためのパワーアンプなどを設けることが可能である。
また、複数個の微小振動子を機械的に結合させて用いることにより、信号選択特性のQ値や信号の通過帯域幅を制御することが可能である。
また、本発明電気機械信号選択素子を、並列または直列に接続した多段信号選択素子構成にすることが可能である。
ここで、電気機械信号選択素子100の製造方法について説明する。工程としては図5に示した電気機械信号選択素子200についても同様であり、マスクパターンの形状が異なるのみである。
図5(a)〜(c)は、本発明の実施の形態1における図1(a)の電気機械信号選択素子のA−B断面に相当する電気機械信号選択素子の製造工程を、段階的に説明する断面図である。先ず、図5(a)に示すように、Siからなる基板106上に、熱酸化法あるいはスパッタリング法などによりSiO2、Si3N4などの絶縁層105を形成する。次に、ポスト103となるSiO2、Si3N4などの絶縁材料を、スパッタリング法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより形成する。更に、その上に微小振動子101となる材料(ここではPrNiO3)を、スパッタリング法やCVD法などにより堆積する。図5(b)に示すように、微小振動子101となる材料の上に、フォトレジスト108を形成し、電子線ビームリソグラフィーやフォトリソグラフィーなどによりパターニングし、微小振動子101のパターンをドライエッチングにより成形する。最後に、フォトレジスト108をアッシングにより除去した後、犠牲層としての役割も果たす微小振動子101下方の絶縁材料を、微小振動子101となる材料との選択性ウエットエッチングなどにより除去し、図5(c)に示すような微小振動子101の中空構造を作製する。エッチャントとして、HFなどを用いる。また、選択性ウエットエッチング後に、中空構造の基板への接触を回避するため、CO2超臨界乾燥を行なう。
なお、前記実施の形態では、微小振動子101としてPrNiO3を用いたが、PrNiO3に限定されることなく、例えばSi(ポリSi、単結晶Si、ドープドSi(P型、N型))、Ga、GaAs、GaAsP、InGaAs、GaN、AlGaN、SiCなどの半導体も適用可能である。また基板としてもSiに限定されることなく、GaAs、GaAsP、InGaAs、GaN、AlGaNなど化合物半導体も適用可能で
ある。
半導体においては、結晶歪みを与えることにより電子バンド構造を変化させ、電気伝導特性を変えることができる。例えば、Si中にボロンやリンなどの不純物をドーピングすることにより、抵抗率やヤング率を調整することも可能である。さらには、化合物半導体の場合には、組成比の調整とドーパントの調整により、所望のバンドギャップと電気的伝導性の変化量とを調整することができる。SiCにおいては、結晶歪を与えることにより、歪みがない場合と比較してドリフト速度が上昇し、電気伝導性が良くなる性質がある。また、Siにおいては、電子バンド構造が1次元系となるナノワイヤーにおいて、周囲にSiO2を形成して巨大な応力を与えると結晶歪みが生じ、電子バンド構造が大きく変化しやすくなる。2GPaの応力で150meVバンドギャップを減じることができる。
また、カーボンナノチューブなどのカーボン系材料においては、構造の違いにより電気伝導特性の変化が生ずる。カーボンナノチューブにおいては、グラフェンシートの巻き方(カイラリティー)によって電気伝導特性が金属や半導体となる。半導体的カーボンナノチューブにおいては、非常に小さいエネルギーギャップ(2、3meV)や中程度のエネルギーギャップ(0.2〜0.3eV)の電子バンド構造も観られる。またカーボンナノチューブの中に様々な物質を注入したピーボットにすることにより、カーボンナノチューブの電子バンド構造を制御することが可能である。注入する物質としてセシウム(Cs)などの原子や、フラーレンC60、異原子内包フラーレン、有機物質などの分子である。カドリニウム金属内包フラーレンGd@C82を内包した単層カーボンナノチューブにおいては、Gd@C82がない部分でバンドギャップが0.42eVであるのに対し、Gd@C82が存在する部分においては、バンドギャップが0.17eVと局所的に狭くなる。カーボンナノチューブなどのカーボン系材料は、その構造によって電子バンド構造が大きく変化する材料であり、このような材料に外力で機械的に結晶歪を励起した場合、電子バンド構造の変化による電気伝導特性の変化が生ずる。
Siのような半導体や金属薄膜抵抗体、La1-XSrXMnO3、BaTiO3のようなセラミックスにおいては、歪みの大きさに応じて抵抗が変化する性質(ピエゾ抵抗効果)がある。ペロブスカイト型マンガン酸化物La1-XSrXMnO3においては、X=0.25において室温で比較的高いピエゾ抵抗効果を示し、150MPaで歪みを与えた場合、抵抗率が7%変化する。これは、構造体を高強度化するために、ジルコニア(ZrO2)中に20wt% La1-XSrXMnO3を分散させた場合である。分散量を変えることによりピエゾ抵抗効果や強度を制御可能であり、抵抗率の変化量や構造体の共振周波数および振幅量(歪み量)を変えることができる。また、異なる組成の材料を積層し、所望の抵抗率変化と共振周波数を得ることができるように調整することも有効である。
また、半導体BaTiO3のようなセラミックスにおいては、巨大ピエゾ抵抗効果が発現する。強誘電体における単一の分極区を形成した直径10〜20μmの棒状の素子において、圧縮2.5×10-4の歪を機械的に与えた場合、5Vで約300から3kΩcm、0.01Vで約3kから3MΩcmへと大きな抵抗変化が生じる。一桁以上の抵抗変化率が発現するため、信号選択素子において重要な大きなON/OFF比が得られる。この材料は、ゾルゲル法のような簡易なプロセスで形成可能である。
さらにまた、Al、Pb、La2-XSrXCuO4、(BEDTTTF)2I3などの超伝導体も有効である。Alなどの超伝導金属においては、結晶格子の歪みにより、電気伝導特性が電気抵抗ゼロの超伝導へと転移する。超伝導の発現には2つの電子により形成されるクーパーペアーの形成が必要であるが、その要因が結晶格子の歪みである。格子点に位置するプラスの極性をもつイオンが結晶歪みにより集まると、そこは局所的にプラスの極性が強くなり、マイナスの極性をもつ電子が集まって来る。するとそこで、クーパーペアーが形成される電子構造となるわけである。またLa2-XSrXCuO4などの銅酸化物高温超伝導体においては、絶縁体から超伝導体への転移を含む複雑な相図がみられ、機械的に結晶構造の歪みを与えることによりその電気伝導特性を制御可能である。
また、量子ドットなどを埋め込んだ複合材料も有効である。量子ドットなどを埋め込んだ複合材料においては、結晶歪みを与えることにより、量子ドットの電子バンド構造を変化させ、電気伝導特性を変えることができる。GaAsにInGaAs量子ドットを埋め込んだ複合材料においては、MEMS技術により作製された両持ち梁を外力により曲げ結晶歪みを励起することにより、量子ドットの歪みに起因する電子バンド構造の変化が生じる。
この他、以下に示すような材料も結晶歪による電気伝導特性の変化を示すことから、適用可能である。
なお、(DMe-DCNQI)2Cuなどの有機物質、カーボンナノチューブなどのカーボン系材料、複数の材料を積層した超格子材料、Al、Au、Cuなどの金属、SiO2、Si3N4などの絶縁材料、Niなどの磁性体、PZTなどの誘電材料なども適用可能である。
前記実施の形態1では、微小振動子の振動方向は規定されていなかったが、微小振動子に、所望とする方向に振動を励起する外力が加わるように、駆動電極102を配置することが可能である。図6は、本発明の実施の形態1における図1の電気機械信号選択素子の変形例を示す斜視図である。図6(a)に示す電気機械信号選択素子300では、表面に絶縁層105が形成された基板106上に、ポスト103間に張架された微小振動子101と、スペーサ104上に設けられた駆動電極102が設けられている。微小振動子101には、信号を入力する信号入力ポートINと信号を出力する信号出力ポートOUTとが接続されており、高周波信号が入力された場合、微小振動子101と駆動電極102との間に電位差が生じ、高周波信号と同じ周波数で微小振動子101に静電力が加わる仕組みになっている。微小振動子101の振動方向をVで示す。図6(a)においては、微小機械振動子101の振動方向Vを基板に対して水平方向の場合を示したが、振動方向は垂直方向を含めた様々な方向が可能であり、所望とする方向に励振力が微小振動子に加わるよう駆動電極102を配置することが可能である。
図6(b)は、図6(a)の電気機械信号選択素子の変形例を示す斜視図である。図6(b)に示す電気機械信号選択素子400では、電気機械信号選択素子300において微小振動子101として両持ち梁を用いているのに対し、円盤を用いた例である。この様に、微小振動子101として、他にも片持ち梁、角盤など様々な形状を用いることが可能である。なお、図6(b)の電気機械信号選択素子400において、図6(a)に示す電気機械信号選択素子300と同様の構成については、同名称および同符号を付して説明は省略する。
ここで、電気機械信号選択素子300の製造方法について説明する。なお、図6(b)に示した電気機械信号選択素子400についてもマスクパターンが若干異なるのみで、方法自体は同様である。図7(a)乃至(c)、図8(a)乃至(b)は、本発明の実施の形態1の変形例である図6(a)の電気機械信号選択素子のC−D断面における電気機械信号選択素子の製造工程を、段階的に説明する断面図である。先ず、図7(a)に示すように、Siなどの基板106上に、SiO2、Si3N4などの絶縁層105を熱酸化やスパッタなどにより形成する。ここでも基板1としては、SiのほかGaAsなどの化合物半導体も適用可能である。次に、ポスト103、スペーサ104となるSiO2、Si3N4などの絶縁材料を、スパッタリング法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより形成する。更に、その上に、駆動電極102となるSiを、CVD法などにより堆積する。Si、GaAs等の半導体材料にはドーピングが可能であり、P型化あるいは、N型化により低抵抗化のために行なうものである。Siの場合P型であればボロンを、N型であれば燐をドーピングすることが可能である。ドーピングは、振動子の低抵抗化すなわちインピーダンスを下げる効果や、ヤング率の制御の効果がある。
次に、図7(b)に示すように、駆動電極102となる前記ドープドシリコンの上に、電子線ビームリソグラフィーやフォトリソグラフィーなどによりパターニングしたフォトレジスト108を形成し、このパターンをマスクとしてドライエッチングにより成形する。
次いで、微小振動子101の形成を行なう。図7(c)に示ように、フォトレジスト108をアッシングにより除去した後、微小振動子101となる材料をスパッタリング法やCVD法などにより堆積する。次いで、微小振動子101となる材料の上に、電子線ビームリソグラフィーやフォトリソグラフィーなどによりパターニングしたフォトレジスト108を形成し、図8(a)に示すように、ドライエッチングにより成形する。最後に、フォトレジスト108をアッシングにより除去した後、犠牲層としての役割も果たす微小振動子101下方の絶縁材料を、微小振動子101となる材料との選択性ウエットエッチングなどにより除去し、図8(b)に示すような微小振動子101の中空構造を作製する。エッチャントとしてHFなどを用いる。また、選択性ウエットエッチング後に中空構造の基板への接触を回避するため、CO2超臨界乾燥を行なう。
なお、微小振動子101の材料としては、前記実施の形態1と同様である。駆動電極102を半導体材料で構成する場合には、微小振動子101と同一工程で形成しておき、パターン形成後、あるいはパターン形成前に、ドーピングにより駆動電極102のみを選択的に低抵抗化するようにしてもよい。これにより、マスク数が低減され工程の簡略化をはかることができる。
さらにまた、微小振動子101にドーピングを行う、あるいは改質処理を行うことにより、構造変化を生じ易い構造とすることも可能である。改質処理としては、例えばイオン半径の大きい材料をイオン注入することにより、結晶歪を形成する処理などがある。
また、駆動電極102の材料として、アルミニウム、金、銅などの金属材料をスパッタや蒸着等により堆積し、形成することが可能である。
また、この場合も高周波信号の基板106による損失の影響がないことが保障される場合には、絶縁層105を形成しなくてもよい。
このように、電気機械信号選択素子100、200、300、400によれば、従来実現困難であった高感度振動検出機構を備えることなく所定の周波数の信号のみを選択して出力することを可能とする。また、高感度振動検出機構を備える必要がないため、構造が簡素でかつ低コストで製造可能な高周波信号選択機能を有する電気機械信号選択素子を提供する。さらには、電気機械信号選択素子100、200によれば微小振動子に振動を励起するための外力を与える機構も備える必要がなくなり、さらに構造が簡潔で低コストでの製造を可能とする。
なお、実施の形態1における電気機械信号選択素子は、フィルタ素子やサンプリング素子、スイッチ素子として適用可能である。
また、高周波信号が伝搬する微小振動子のサイズは挿入損失を低減するためマイクロメートルオーダーの大きさとしてもよい。
また、GHz帯の共振周波数を得るために微小振動子の高次モードの共振を用いてもよい。
また、挿入損失を低減するために本発明の電気機械信号選択素子を並列に複数接続して構成してもよい。
また、本発明電気機械信号選択素子は、無線通信端末のみならず、様々な用途の電気機器に適用可能である。
また、本発明電気機械信号選択素子は、無線通信用電気回路のみならず、様々な用途の電気回路に適用可能である。
また、本発明電気機械信号選択素子は、共振器など別の用途としても使用可能であり、発振器やミキサー、増幅器などの電気回路のブロック中に用いることが可能である。
(実施の形態2)
図9(a)は、本発明の実施の形態2における電気機械信号選択素子の構成を示す斜視図である。図9(a)に示す電気機械信号選択素子500では、表面に絶縁層105が形成された基板106上に、ポスト103間に張架された微小振動子101が設けられており、微小振動子101に外部磁場Hを印加する機構が設けられている。微小振動子101には、信号を入力する信号入力ポートINと信号を出力する信号出力ポートOUTとが接続されている。外部磁場Hを印加する機構は、磁性体やコイルなどの磁場を発生させる機構が可能である。
実施の形態1における電気機械信号選択素子100、200では、微小振動子101を静電力により励振するのに対し、本実施の形態2における電気機械信号選択素子500では、その励振方法が異なりローレンツ力により微小振動子101を励振する。
電気機械信号選択素子500における微小振動子の励振方法について説明する。微小振動子101に振動させたい方向にローレンツ力が印加されるよう、外部磁場Hを微小振動子101に印加しておく。微小振動子101の振動方向をVで示すが、この場合、外部磁場Hのベクトル方向は基板に対して垂直方向である。高周波信号が信号入力ポートINより入力され、微小振動子101に高周波信号による交流電流が流れた場合、交流電流と外部磁場Hにより微小振動子101にローレンツ力が加えられる。そのローレンツ力の方向は、交流電流の方向により交互に切り替わるが、その周波数は高周波信号の周波数である。このようにして、高周波信号により微小振動子101にローレンツ力を印加し、微小振動子101を励振するわけである。
次に、この電気機械信号選択素子300における微小振動子の信号選択の仕組みについて説明する。信号入力ポートINより入力された信号は、微小振動子101に伝搬し、高周波信号の周波数で微小振動子101を励振する。微小振動子101の自己共振周波数の信号が入力された場合のみ、微小振動子101は大きな振幅で励振され、微小振動子101の構造変形が生ずる。微小振動子101の振動は、その自己共振周波数の高次モードまで使用することが可能であり、微小振動子101の振動方向は、その励起された振動モードによって変化する。
微小振動子101が極微で、その振動振幅が小さいほど、その変化量を電気的に検出する従来の電気機械信号選択素子の振動検出方法では、信号を取り出すことは困難である。そこで、本発明電気機械信号選択素子300では、微小振動子101が自己共振周波数で振動した際に、微小振動子101の構造変化により物理的性質が変化し、信号を選択する新方式を導入する。本実施の形態2では、物理的性質の変化として電気伝導特性の変化を適用した場合を示す。
図2は、本発明の実施の形態2における電気機械信号選択素子の微小振動子の構造変形を示す図である。微小振動子101が振動していない状態では、図2(a)に示すように、微小振動子101の構造は直線的な静止状態にあり、結晶構造も格子定数(a,b)で格子107が規則的に並んだ歪みの生じていない状態にある。一方、微小振動子101が自己共振周波数により励振された状態では、図2(b)に示すように微小振動子101の構造は曲線的な振動状態となり、結晶構造も格子が不規則に並んだ歪みの生じた状態となる。この場合、格子定数は局所的に違う値(a’,b’)となり、ある場所ではb’、またある場所ではb”というように不規則となる。
本発明電気機械信号選択素子500では、微小振動子101の構造変化による電気伝導特性の変化を信号選択の仕組みに使用するため、微小振動子101に構造変化により電子バンド構造が変化する材料を使用する。本実施の形態2においては、微小振動子101を励振するために交流電流が流れる必要があるため、微小振動子101が振動していない静止状態において、ある程度の電気伝導性を有する必要がある。図10は、本発明の実施の形態2における電気機械信号選択素子の微小振動子の電子バンド構造を示す図である。図10(a)は、微小振動子101が振動していない静止状態の微小振動子101の電子バンド構造である。微小振動子101の結晶構造に歪みが生じていない状態では、微小振動子101の電気伝導特性は、半導体または高抵抗の金属となっている。半導体の場合は、価電子帯と伝導帯の間にエネルギーギャップEGが開いた電子バンド構造となっており、電気伝導に寄与するフェルミエネルギーEFは、そのエネルギーギャップEGの中に位置している。絶縁体の場合と比較してエネルギーギャップEGが小さいため、キャリア(電子または正孔)が移動することができる半導体的電子バンド構造となっている。
また、比較的高い抵抗の金属の場合は、価電子帯と伝導帯の間にエネルギーギャップEGは存在しない金属的なバンド構造となっているが、電気伝導に寄与するフェルミエネルギーEF上にかかる伝導帯の電子バンドの数が比較的少ないため、通常の抵抗の金属と比較して伝導することのできる電子の数が少なくなる。よって、高抵抗の金属的電子バンド構造となっている。一方、図10(b)は、微小振動子101が、自己共振周波数により励振された振動状態の微小振動子101の電子バンド構造である。微小振動子101が、自己共振周波数により励振された振動状態において、微小振動子101の結晶構造に歪みが生じた状態では、その歪みにより微小振動子101の電子バンド構造が変化し、電気伝導特性は金属となる。価電子帯と伝導帯の間のエネルギーギャップEGは存在せず、電気伝導に寄与するフェルミエネルギーEF上に伝導帯の電子バンドが多くかかることにより、金属的電子バンド構造へと変化する。
微小振動子101の自己共振周波数ではない信号が、信号入力ポートINより入力された場合では、微小振動子101は振動していない静止状態にあり、その電気伝導特性は半導体または高抵抗の金属となっている。この場合、高いインピーダンスの微小振動子101を十分な信号が流れることができず、信号出力ポートOUTへは信号は出力されない。一方、微小振動子101の自己共振周波数の振動が、信号入力ポートINより入力された場合では、微小振動子101は励振された振動状態となり、その電気伝導特性は金属となる。この場合、信号は微小振動子101を流れることが可能となり、信号出力ポートOUTは信号が出力される。つまり、微小振動子101の自己共振周波数の信号が信号入力ポートINより入力された場合のみ、同じ周波数の信号が信号出力ポートOUTへ選択的に通過できるわけである。
図4(a)は、本発明の実施の形態2における電気機械信号選択素子の信号選択特性を示す図である。中心周波数fCのバンドパス信号選択素子特性を有することが可能である。中心周波数fCおよびQ値は、微小機械振動子101の設計に依存し、微小機械振動子101の自己共振周波数およびQ値により決められる。
この場合、微小振動子101の構造変化とその電気伝導特性の関係の一例を示したが、微小振動子101が励振された振動状態の時は、低抵抗の半導体などインピーダンスの低い状態であっても良い。
微小振動子101に使用する構造変化により電子バンド構造が変化する材料についても、実施の形態1と同様である。
図9(b)は、図9(a)の電気機械信号選択素子の変形例を示す斜視図である。図9(b)に示す電気機械信号選択素子600では、電気機械信号選択素子500において微小振動子101として両持ち梁を用いているのに対し、円盤を用いた例である。この様に、微小振動子101として、他にも片持ち梁、角盤など様々な形状を用いることが可能である。なお、図9(b)の電気機械信号選択素子600において、図9(a)に示す電気機械信号選択素子500と同様の構成については、同名称および同符号を付して説明は省略する。
なお、本発明の実施の形態2における電気機械信号選択素子は、微小振動子101に構造変化と電気伝導特性の関係が逆である材料、つまり、静止状態では金属や低抵抗の半導体などのインピーダンスの低い状態、振動状態では半導体や高抵抗の金属などのインピーダンスの高い状態となる材料を使用することにより、図4(b)に示すような中心周波数fCのバンドストップ信号選択素子特性を有することも可能である。
また、信号出力ポートOUT側に、出力信号のパワーを増幅するためのパワーアンプ等を設けることが可能である。
また、複数個の微小振動子を機械的に結合させることにより、信号選択特性のQ値や信号の通過帯域幅を制御することが可能である。
また、本発明電気機械信号選択素子を、並列または直列に接続した多段信号選択素子構成にすることが可能である。
また、本実施の形態2においては、微小機械振動子の振動方向を、基板に対して水平方向の場合を示したが、振動方向は垂直方向を含めた様々な方向が可能であり、所望とする方向に、励振力が微小振動子に加わるように、外部磁場Hを印加する機構の配置や磁場Hの印加方向を制御することが可能である。
電気機械信号選択素子500、600は、本発明の実施の形態1における電気機械信号選択素子100、200の製造方法と同様な製造方法で作製可能である。
このように、電気機械信号選択素子500、600によれば、従来実現困難であった高感度振動検出機構を備えることなく、所定の周波数の信号のみを選択して出力することを可能とする。また、高感度振動検出機構を備える必要がないため、構造が簡素で、かつ低コストで製造可能な、高周波信号選択機能を有する電気機械信号選択素子を提供する。さらには、微小振動子に振動を励起するための外力を与える機構も備える必要がなくなり、さらに構造が簡潔で低コストでの製造を可能とする。
(実施の形態3)
図11(a)は、本発明の実施の形態3における電気機械信号選択素子の構成を示す斜視図である。図11(a)に示す電気機械信号選択素子700では、表面に絶縁層105が形成された基板106上に、ポスト103間に張架されたPZTからなる微小振動子101と、スペーサ104上に設けられた信号入力電極109が設けられている。信号入力電極109には、信号を入力する信号入力ポートINが、微小振動子101には、信号を出力する信号出力ポートOUTが接続されている。高周波信号が信号入力ポートINより入力された場合、信号入力電極109と微小振動子101との間に電位差が生じ、高周波信号と同じ周波数で微小振動子101に静電力が加わる仕組みになっている。微小振動子101の振動方向をVで示す。図11(a)においては、微小機械振動子101の振動方向Vを、基板に対して水平方向の場合を示したが、振動方向は、垂直方向を含めた様々な方向が可能であり、所望とする方向に励振力が微小振動子に加わるように、信号入力電極109を配置することが可能である。
次に、この電気機械信号選択素子700における微小振動子の信号選択の仕組みについて説明する。微小振動子としてPZTを用いた電気機械信号選択素子の構成を示す縦断面図である。信号入力ポートINより入力された信号は、信号入力電極109に伝搬し、高周波信号の周波数で微小振動子101を励振する。微小振動子101の自己共振周波数の信号が入力された場合のみ、微小振動子101は、大きな振幅で励振され微小振動子101の構造変形が生ずる。微小振動子101の振動は、その自己共振周波数の高次モードまで使用することが可能であり、微小振動子101の振動方向は、その励起された振動モードによって変化する。
微小振動子101が極微で、その振動振幅が小さいほど、その変化量を電気的に検出する従来の電気機械信号選択素子の振動検出方法では、信号を取り出すことは困難である。そこで、本発明電気機械信号選択素子700では、微小振動子101が自己共振周波数で振動した際に、微小振動子101の構造変化により物理的性質が変化し、信号を選択する新方式を導入する。本実施の形態3では、物理的性質の変化として圧電効果を適用した場合を示す。
本発明の実施の形態3における電気機械信号選択素子の微小振動子の構造変形についても、図2に示したような現象が生じている。微小振動子101が振動していない状態では、図2(a)に示すように、微小振動子101の構造は直線的な静止状態にあり、結晶構造も、格子定数(a,b)により格子107が規則的に並んだ、歪みの生じていない状態にある。一方、微小振動子101が、自己共振周波数により励振された状態では、図2(b)に示すように、微小振動子101の構造は、曲線的な振動状態となり、結晶構造も格子が、不規則に並んだ歪みの生じた状態となる。この場合、格子定数は、局所的に違う値(a’,b’)となり、ある場所ではb’、またある場所ではb”というように不規則となる。
本発明の電気機械信号選択素子700では、微小振動子101の構造変化による圧電効果を信号選択の仕組みに使用するため、微小振動子101に圧電材料を使用する。微小振動子101の自己共振周波数ではない信号が、信号入力ポートINより入力された場合では、微小振動子101は振動していない静止状態にある。一方、微小振動子101の自己共振周波数の振動が、信号入力ポートINより入力された場合では、微小振動子101は励振された振動状態となり、微小振動子101の歪みによる圧電効果が起きる。この場合、圧電効果により微小振動子101の自己共振周波数の交流電圧が発生し、信号出力ポートOUTへ信号が出力される。つまり、微小振動子101の自己共振周波数の信号が、信号入力ポートINより入力された場合のみ、同じ周波数の信号が、信号出力ポートOUTへ選択的に出力されるわけである。
本発明の実施の形態3における電気機械信号選択素子によっても、図4(a)に信号選択特性を示すように、中心周波数fCのバンドパス信号選択素子特性を有することが可能である。ここでも中心周波数fCおよびQ値は、微小機械振動子101の設計に依存し、微小機械振動子101の自己共振周波数およびQ値により決められる。
微小振動子101に使用する圧電材料としては、PZTなどの圧電材料のほか、誘電材料、カーボンナノチューブなどのカーボン系材料、SiO2、Si3N4などの絶縁材料、La1-XSrXMnO3、PrNiO3などのセラミックス、(DMe-DCNQI)2Cuなどの有機物質、量子ドットなどを埋め込んだ複合材料、複数の材料を積層した超格子材料などの結晶歪による圧電効果を示す材料を使用することが可能である。
図11(b)は、図11(a)の電気機械信号選択素子の変形例を示す斜視図である。図11(b)に示す電気機械信号選択素子800では、電気機械信号選択素子700において、微小振動子101として両持ち梁を用いているのに対し、円盤を用いた例である。この様に、微小振動子101として、他にも片持ち梁、角盤など様々な形状を用いることが可能である。なお、図11(b)の電気機械信号選択素子800において、図11(a)に示す電気機械信号選択素子700と同様の構成については、同名称および同符号を付して説明は省略する。
なお、信号出力ポートOUT側に、出力信号のパワーを増幅するためのパワーアンプなどを設けることが可能である。
また、複数個の微小振動子を機械的に結合させることにより、信号選択特性のQ値や信号の通過帯域幅を制御することが可能である。
また、本発明の電気機械信号選択素子を、並列または直列に接続した多段信号選択素子構成にすることが可能である。
電気機械信号選択素子700、800は、本発明の実施の形態1における電気機械信号選択素子100、200の製造方法と同様な製造方法で作製可能である。
このように、電気機械信号選択素子700、800によれば、従来実現困難であった高感度振動検出機構を備えることなく、所定の周波数の信号のみを選択して出力することを可能とする。また、高感度振動検出機構を備える必要がないため、構造が簡素で、かつ低コストで製造可能な、高周波信号選択機能を有する電気機械信号選択素子を提供する。
(実施の形態4)
図12(a)は、本発明の実施の形態4における電気機械信号選択素子の構成を示す斜視図である。図12(a)に示す電気機械信号選択素子2000では、ポスト103上に形成された電極201間に、張架された微小振動子101が設けられている。微小振動子101には、信号を入力する信号入力ポートINと信号を出力する信号出力ポートOUTが接続されており、この信号入力ポートINに高周波信号が入力された場合、微小振動子101と接地された基板106との間に電位差が生じ、高周波信号と同じ周波数で微小振動子101に静電力が加わる仕組みになっている。
微小振動子101は、ポスト103上に固定されている部分を有さないため中空で全体にわたり可動であり、振動による構造変形および電気伝導特性を含む物理的性質の変化を、微小振動子101全体にわたり与えることが可能となる。
この構造は、実施の形態1に示した製造工程に、電極201の材料堆積とパターニング工程を追加するのみで製造可能であり、電極201の材料は、Al、Auを含む金属材料、ドープドシリコンを含む導電性材料である。
図12(b)は、本発明の実施の形態4における電気機械信号選択素子の変形例の構成を示す斜視図である。図12(b)に示す電気機械信号選択素子2001では、ポスト103間に張架された微小振動子101が設けられている。ポスト103の構造は、細い柱状の形状となっており、微小振動子101と接触する固定部分の面積を小さくしたものとなっている。
微小振動子101は、ポスト103上に柔軟に固定されているため、全体にわたり可動であり、振動による構造変形および電気伝導特性を含む物理的性質の変化を、微小振動子101全体にわたり与えることが可能となる。
この構造は、SiO2、Si3N4などの絶縁材料で形成されるポスト103を、等方性のウエットエッチングもしくはドライエッチングによりエッチングし、エッチング時間の最適化を行うことにより形成可能である。
(実施の形態5)
図13は、本発明の実施の形態5における電気機械信号選択素子の構成を示す斜視図である。図13に示す電気機械信号選択素子2002では、ポスト103間に張架された振動部分が、電極201と微小振動子101から成っている。中空に浮いた変位可能な部分の一部が、振動による電気伝導特性の変化が生ずる材料で形成された微小振動子101である。
この構造では、微小振動子101全体に一様、もしくは多様の歪みを与えることが可能であり、信号選択は、振動部分の一部に形成された微小振動子101の電気伝導特性の変化で行う。
この構造は、図12(a)の製造工程において、電極201、微小振動子101のマスクパターンを変えることにより製造する。
(実施の形態6)
図14(a)は、本発明の実施の形態6における微小振動子の構成を示す要部拡大斜視図である。図14(a)に示す微小振動子1011では、線状の導体層203の表面に、構造変化により物理的性質の変化を示す相変化材料層202を、形成した層状構造となっている。
導体203を流れる高周波信号は、主に微小振動子1011の励振を担い、相変化材料層202を流れる高周波信号は、電気伝導特性を含む物理的性質の変化による信号選択を担う。
なお、微小振動子1011に入力される高周波信号は、周波数が高くなる程表面付近を流れる表皮効果と呼ばれる性質がある。導体層203の径の半分の大きさを、少なくとも高周波信号の表皮深さ以下の信号電力減衰率の大きな形状としてもよく、微小振動子1011が振動し、相変化材料層202を含む微小振動子1011全体が、抵抗の低い状態となった場合に、信号を通過する構成としてもよい。この場合、少なくとも微小振動子1011の半径の大きさが、高周波信号の表皮深さ以上の信号電力減衰率の小さい形状としてもよい。
図14(b)は、本発明の実施の形態6における微小振動子の変形例の構成を示す斜視図である。図14(b)に示す微小振動子1012では、導体層203の下方基板側に、構造変化により物理的性質の変化を示す相変化材料層202を、形成した層状構造となっている。
導体層203を流れる高周波信号は、主に微小振動子1011の励振を担い、相変化材料層202を流れる高周波信号は、電気伝導特性を含む物理的性質の変化による信号選択を担う。
相変化材料層202を高周波信号の電界Eが集中する基板接地側に形成することにより、相変化材料層202の電気伝導特性の変化による信号選択効果を、増大することができる。
なお、相変化材料層202を、導体層203に対して、高周波信号の電界が集中する側に任意に形成することができる。
なお、微小振動子1012に入力される高周波信号は、周波数が高くなる程表面付近を流れる表皮効果と呼ばれる性質がある。導体203の径の半分の大きさを、少なくとも高周波信号の表皮深さ以下の信号電力減衰率の大きな形状としてもよく、微小振動子1012が振動し、相変化材料202を含む微小振動子1012全体が、抵抗の低い状態となった場合に、信号を通過する構成としてもよい。この場合、少なくとも微小振動子1012の半径の大きさが、高周波信号の表皮深さ以上の信号電力減衰率の小さい形状としてもよい。
また、微小振動子1011の層状構造は、二層以上の複数の層状構造とすることができる。
また、本実施の形態6における電気機械信号選択素子および微小振動子の構造は、実施の形態1および2および3における電気機械信号選択素子100、200、300、400、500、600、700、800においても適用可能である。
(実施の形態7)
図15は、本発明の実施の形態7における信号選択特性を示す図である。図15(a)においては、微小振動子101の材料が歪みに対して線形、もしくは非線形の電気伝導特性の変化を示す場合である。未振動時に微小振動子101が高抵抗状態であった場合、アイソレーションが-30dB以上、機械的共振時に微小振動子の抵抗が1Ω以下であった場合、挿入損失-0.1dB以下を実現可能である。微小振動子101の材料として、ピエゾ抵抗効果材料などを用いた場合、この様な特性を示す。
図15(b)においては、微小振動子101の材料が歪みに対して、ON/OFF形の電気伝導特性の変化を示す場合である。未振動時に微小振動子101が絶縁体であった場合、アイソレーションが大きい状態にあり、機械的共振時に微小振動子が金属の低抵抗状態になった場合、挿入損失約0dBを実現可能である。微小振動子101の材料としてペロブスカイト型遷移金属酸化物を含む金属絶縁体転移材料などを用いた場合、この様な特性を示す。
本発明に係る電気機械信号選択素子は、微小振動子が自己共振周波数で振動した際に生ずる、微小振動子の構造変化に起因する物理的性質の変化により、信号選択を可能にすることができ、構造が簡素で、かつ低コストで製造可能な、高周波信号選択機能を有する電気機械信号選択素子およびそれを用いた電気機器として有用である。
(a)は本発明の実施の形態1における電気機械信号選択素子の構成を示す斜視図、(b)は図1(a)の電気機械信号選択素子の変形例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1および実施の形態2および実施の形態3における電気機械信号選択素子の微小振動子の構造変形を示す図であり、(a)は微小振動子の静止状態を示す図、(b)微小振動子の振動状態を示す図である。 本発明の実施の形態1における電気機械信号選択素子の微小振動子の電子バンド構造を示す図であり、(a)は微小振動子の静止状態を示す図、(b)は微小振動子の振動状態を示す図である。 本発明の実施の形態1および実施の形態2および実施の形態3における電気機械信号選択素子の信号選択素子リング特性を示す図であり、(a)はバンドストップ信号選択素子特性を示す図、(b)はバンドストップ信号選択素子特性を示す図である。 本発明の実施の形態1における図1の電気機械信号選択素子の製造工程を段階的に説明する断面図である。 (a)は本発明の実施の形態1における図1の電気機械信号選択素子の変形例を示す斜視図、(b)は図6(a)の電気機械信号選択素子の変形例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における図6の電気機械信号選択素子の製造工程を段階的に説明する断面図である。 本発明の実施の形態1における図6の電気機械信号選択素子の製造工程を段階的に説明する断面図である。 (a)は本発明の実施の形態2における電気機械信号選択素子の構成を示す斜視図、(b)は図9(a)の電気機械信号選択素子の変形例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における電気機械信号選択素子の微小振動子の電子バンド構造を示す図であり、(a)は微小振動子の静止状態を示す図、(b)は微小振動子の振動状態を示す図である。 (a)は本発明の実施の形態3における電気機械信号選択素子の構成を示す斜視図、(b)は図11(a)の電気機械信号選択素子の変形例を示す斜視図である。 (a)は本発明の実施の形態4における電気機械信号選択素子の構成を示す斜視図、(b)は本発明の実施の形態4の変形例における電気機械信号選択素子の構成を示す斜視図である。 (a)は本発明の実施の形態5における電気機械信号選択素子の構成を示す斜視図である。 (a)は本発明の実施の形態6における微小振動子の構造示す斜視図、(b)は本発明の実施の形態6の変形例における微小振動子の構造示す斜視図である。 本発明の実施の形態7における信号選択特性を示す図であり、(a)は微小振動子101の材料が歪みに対して線形、もしくは非線形の電気伝導特性の変化を示す場合の図、(b)は微小振動子101の材料が歪みに対してON/OFF形の電気伝導特性の変化を示す場合の図である。
符号の説明
100、200、300、400、500、600、700、800、2000、2001、2002 電気機械信号選択素子
101、1011、1012 微小振動子
102 駆動電極
103 ポスト
104 スペーサ
105 絶縁層
106 基板
107 格子
108 フォトレジスト
109 信号入力電極
201 電極
202 相変化材料
203 導体

Claims (27)

  1. 入力信号により励振可能な微小振動子と、
    前記微小振動子を保持するポストと、
    を具備し、
    前記微小振動子は、励振により物理的性質の変化を生じ、選択信号を変化し得るように構成された電気機械信号選択素子。
  2. 請求項1記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記微小振動子は、構造変化により物理的性質が変化する材料で構成された電気機械信号選択素子。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記物理的性質は、電気伝導特性である電気機械信号選択素子。
  4. 請求項1記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記微小振動子は、前記ポスト上に設置された電極により保持された電気機械信号選択素子。
  5. 請求項4記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記電極と前記微小振動子との接合面は、前記ポストから離間した位置である電気機械信号選択素子。
  6. 請求項1記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記ポストは、前記微小振動子の剛性より低い構造で構成された電気機械信号選択素子。
  7. 請求項1記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記微小振動子が、前記物理的性質の変化が生ずる材料層と、導体層とを含む少なくとも二層の多層構造で形成された電気機械信号選択素子。
  8. 請求項7記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記導体が線状に形成され、前記物理的性質の変化が生ずる材料層が、前記線状導体層の周囲に形成された電気機械信号選択素子。
  9. 請求項7記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記物理的性質の変化が生ずる材料層が、信号の電界が集中する側に形成された電気機械信号選択素子。
  10. 請求項9記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記物理的性質の変化が生ずる材料層が、前記導体層の基板側下方に形成された電気機械信号選択素子。
  11. 請求項7記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記導体の径の半分が、高周波信号の表皮深さ以下の大きさである電気機械信号選択素子。
  12. 請求項1記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記微小振動子が、ペロブスカイト型遷移金属酸化物で構成された電気機械信号選択素子。
  13. 請求項12記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記ペロブスカイト型遷移金属酸化物は、金属絶縁体転移を示すPrNiO3である電気機械信号選択素子。
  14. 請求項1記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記微小振動子は、ピエゾ抵抗効果材料で構成された電気機械信号選択素子。
  15. 請求項14記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記微小振動子は、Si、La1-XSrXMnO3又はBaTiO3の少なくとも1で構成された電気機械信号選択素子。
  16. 請求項1記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記微小振動子は、超伝導体で構成された電気機械信号選択素子。
  17. 請求項16に記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記超伝導体は、Al、Pb、La2-XSrXCuO4、(BEDTTTF)2I3のいずれかである電気機械信号選択素子。
  18. 請求項1記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記微小振動子は、カーボン系材料で構成された電気機械信号選択素子。
  19. 請求項1記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記入力信号を、前記微小振動子に設けた電極から加えるようにした電気機械信号選択素子。
  20. 請求項1記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記入力信号を、前記微小振動子に隣接して配置された駆動電極から加えるようにした電気機械信号選択素子。
  21. 請求項1記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記駆動電極に加える外力が、静電力である電気機械信号選択素子。
  22. 請求項1記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記微小振動子に外部磁場を印加する機構を備え、ローレンツ力により前記微小振動子を励振する電気機械信号選択素子。
  23. 請求項1記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記微小振動子に隣接して配置された駆動電極もしくは信号入力電極に、外部磁場を印加する機構を備え、所望の方向に前記微小振動子の振動を励起するようにした電気機械信号選択素子。
  24. 請求項1記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記物理的性質の変化は圧電効果によるものである電気機械信号選択素子。
  25. 請求項24記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記微小振動子は、励振され構造変化を生じた場合に、前記圧電効果により信号を発生するように構成された電気機械信号選択素子。
  26. 請求項1記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記微小振動子は、セラミックスで構成された電気機械信号選択素子。
  27. 請求項26に記載の電気機械信号選択素子であって、
    前記微小振動子は、PZTで構成された電気機械信号選択素子。
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