JP2001278700A - ナノ構造体、その製造方法および磁気デバイス - Google Patents

ナノ構造体、その製造方法および磁気デバイス

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JP2001278700A
JP2001278700A JP2000091952A JP2000091952A JP2001278700A JP 2001278700 A JP2001278700 A JP 2001278700A JP 2000091952 A JP2000091952 A JP 2000091952A JP 2000091952 A JP2000091952 A JP 2000091952A JP 2001278700 A JP2001278700 A JP 2001278700A
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oxide
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pores
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Yoji Teramoto
洋二 寺本
Toru Den
透 田
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    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/08Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers
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    • H01F10/18Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition being compounds
    • H01F10/193Magnetic semiconductor compounds
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細孔中にペロブスカイト型酸化物をエピタキ
シャル成長したナノ構造体を提供する。 【解決手段】 ペロブスカイト型酸化物表面を有する基
体上に絶縁膜を有し、該絶縁膜が表面から基体表面まで
達する複数の細孔を有するナノ構造体において、少なく
とも該細孔中にペロブスカイト型酸化物が存在するナノ
構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はナノ構造体、その製
造方法および磁気デバイスに関し、詳しくは光、磁性、
電気、化学的な特性を有するナノ構造体において、特に
ナノ構造を有するペロブスカイト型酸化物材料を利用し
た、磁気抵抗効果素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナノオーダーの微細な構造を有する材料
(ナノ構造体)の作製方法としては、例えば、フォトリ
ソグラフィーをはじめ、電子線露光、X線露光などの微
細パターン形成技術をはじめとする半導体加工技術によ
って直接的にナノ構造体を作製する方法が挙げられる。
また、このような作製方法のほかに、自然に生成される
規則的な構造、すなわち、自己規則的に形成される構造
をべースに、新規なナノ構造体を実現しようとする試み
がある。
【0003】このような自己規則的手法として、ナノサ
イズの細孔を有するナノ構造体を容易に制御良く作製す
ることができる陽極酸化が挙げられる。例えば、アルミ
ニウム及びその合金を酸性浴中で作製する陽極酸化アル
ミナが知られている。Al板を酸性電解質中で陽極酸化
すると、多孔質酸化皮膜が形成される。例えば、「ネイ
チャー」337巻(1989年)147頁{“Natu
re”Vol.337(1989)147}が挙げられ
る。
【0004】この多孔質酸化皮膜の特徴は、直径が数n
m〜数百nmの極めて微細な円柱状細孔(ナノホール)
が数nm〜数百nmの間隔(セルサイズ)で平行に配列
するという特異な幾何学的構造を有することにある。こ
の円柱状の細孔は、高いアスペクト比を有し、断面の径
の一様性にも優れている。またこの細孔の径および間隔
は、陽極酸化時の電流、電圧を調整することにより、酸
化膜の厚さ、細孔の深さは陽極酸化の時間を制御するこ
とで、ある程度の制御が可能である。この陽極酸化の特
異な幾何学構造に着目したさまざまな応用が試みられて
いる。
【0005】他方、磁気特性を有する金属酸化物として
は、従来、磁気抵抗(MR)効果を利用した磁気センサ
や薄膜磁気ヘッドの磁性薄膜には、パーマロイを中心と
した金属磁性材料が用いられている。このような、磁気
抵抗効果素子は、パーマロイの電流方向と磁化の方向の
相対角に依存して生じる抵抗効果の差を利用したもので
あり、磁気抵抗変化率が、数%程度と小さく、高感度化
のために、磁気抵抗変化率の大きな材料が望まれてい
た。
【0006】最近では酸化物系において、更に大きな磁
気抵抗効果を示す材料の存在が明らかになっている。特
にMn系酸化物であるLa−Mn−Sr−Oにより構成
されるペロブスカイト型酸化物について、非常に大きな
磁気抵抗変化が観測されている。
【0007】この大きな磁気抵抗変化のことを超巨大磁
気抵抗効果といい、磁場を印加した時に生じる構造相転
移のために、電気抵抗が大きく変化すると考えられてい
る。
【0008】以上のように、磁気抵抗効果を有する酸化
物は、パーマロイなどの従来の金属材料と比較して極め
て大きな磁気抵抗変化率を示すため、この材料を用いる
ことで、従来のメモリや磁気ヘッド素子をより高密度
に、よりコンパクトに作製することが可能となる。
【0009】更に、磁気抵抗効果を有する酸化物は磁場
だけでなく、光、電荷等の刺激を加えることによって、
電気抵抗等の物理的特性が変化することも知られてお
り、このような特性を利用して、磁気抵抗効果を有する
酸化物はメモリや磁気ヘッドのみにとどまらず、産業分
野への幅広い応用が期待される。
【0010】最近、単結晶相からなる酸化物だけでな
く、多結晶酸化物について研究が進んでいる。例えば、
“Appl.Phys.Lett.”,vol.77
(1996年)2041〜2044頁に示されるよう
に、この磁気抵抗効果は、粒界をトンネル障壁とする強
磁性トンネル接合に起因すると考えられている。
【0011】一般に、絶縁体を介した2つの磁性材料に
おける、ただ一つのトンネル過程おいて、そのトンネル
過程の抵抗をR,磁気抵抗MRの変化をΔR、第1の磁
性材料と第2の磁性材料の分極率をそれぞれP1 ,P2
とすると、磁気抵抗変化率は、ΔR/R=2P12
(1−P12 )で表されることが知られている。
【0012】この式から、分極率が大きなものほど高い
磁気抵抗変化を示すことがわかる。大きなスピン分極率
を持つペロブスカイト型Mn酸化物強磁性体を用いたト
ンネル型磁気抵抗効果素子が報告されている。例えば、
“Appl.Phys.Lett.”,vol.77
(1996年)3266〜3268頁には、La0.67
0.33MnO3 /SrTiO3 /La0.67Sr0.33Mn
3 構造を有する素子において、大きなMRを得てい
る。このように、大きなスピン分極を持つペロブスカイ
ト型マンガン酸化物を強磁性金属層として用いれば、遷
移金属系の強磁性トンネル接合で得られているよりも遥
かに大きい磁気抵抗変化率が期待できる。最近では、比
較的低磁場において、大きな磁気抵抗効果を持つ二重ペ
ロブスカイト型構造を持つ材料も報告されている。例え
ば、“Nature”vol.395(1998年)6
77頁には、多結晶体であるSr2 FeMoO6 が、室
温、低磁場において、磁気抵抗を示している。
【0013】さらに、このようなトンネル過程を複数回
組み合わせると、高次トンネル効果により、さらに高い
磁気抵抗変化率を得ることができる。このような系とし
て、磁性体粒子が絶縁体マトリクス中に高密度に分散し
て、粒子同士が直接に接しない構造を有している、グラ
ニュラーと呼ばれる材料も研究が行われている。例え
ば、“J.Appl.Phys.”,vol.82(1
997年)5646〜5652頁には、遷移金属系のグ
ラニュラー薄膜である、Co−Al−O系の薄膜が示さ
れている。グラニュラー構造における、磁性粒子を高い
スピン分極率を有するペロブスカイト型マンガン酸化物
を磁性粒子として用いることにより、更に大きな磁気抵
抗変化率が期待できる。例えば、“Appl.Phy
s.Lett.”,vol.72(1998年)111
3〜1115頁には、種々の基板上にペロブスカイト型
マンガン酸化物を成膜し、その時生成される粒界をトン
ネル層として用いた磁性薄膜において、磁場での抵抗変
化率の改善が見られている。これは、ペロブスカイト型
酸化物の結晶構造は成膜する基板表面の状態(格子定数
・熱膨張率・結晶構造・拡散性・反応性)に大きく依存
するため、基体表面を変化させることで、所望の結晶構
造を得ることができる。例えば、磁性酸化物の場合、結
晶構造が磁気特性に大きく影響するため、基体をナノオ
ーダーで制御できれば、磁気特性の改善が可能である。
また、磁化容易軸が、構造により強く依存するような磁
性材料の場合、ある特定の結晶方位を有するようなナノ
構造を人工的に作製することにより、磁化方向を制御す
ることが可能である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ペロブスカイト型酸化
物は構成元素の多様性により、磁性、強誘電性、超伝導
性、イオン導電性など多岐にわたる機能を有している。
このような、機能を持つペロブスカイト型酸化物をナノ
オーダーで制御することで、新たな機能やデバイスヘの
応用が考えられ、微細構造を有するペロブスカイト型酸
化物の作製法が望まれている。
【0015】例えば、特開平5−159396号公報に
示されるように、通例として細孔中には金属または合金
を電解析出させることを主眼としているものがあるが、
幅広い機能を有するペロブスカイト型酸化物を細孔中に
エピタキシャル成長させることはできないという問題点
を有している。
【0016】さらに、一般的に陽極酸化法で細孔を形成
する場合、複数の細孔を有するナノ構造体の底部は導電
性を有するものしか作製できないという、作製法由来の
本質的な問題点を有している。
【0017】最近、スピンを利用したデバイスヘの応用
から、磁性を持つペロブスカイト型酸化物のナノオーダ
ーで制御する作製法が望まれている。例えば、磁気抵抗
効果を利用した、磁気センサ、磁気メモリ等のデバイス
の高機能化、高密度化には、低磁場下において高い磁気
抵抗率の変化が望まれ、これには、ナノオーダーの微細
構造を持つグラニュラー構造が有望であると考えられて
いる。このようなペロブスカイト型酸化物のグラニュラ
ー構造を持つ材料として、基板との整合性から生じる
粒界を障壁とするもの、例えば“Appl.Phys.
Lett.”,vol.73(1998年)2506〜
2508頁、絶縁物との混合によるグラニュラー構造
が挙げられる。しかし、トンネル層として粒界が充分に
作用しない、あるいは磁化容易軸が一定でないなどの問
題が生じ、期待されているほどの低磁場化、高MR化に
は到達していない等の問題がある。
【0018】本発明は、この様な従来技術の問題点を解
決するためになされたものであり、細孔中にペロブスカ
イト型酸化物をエピタキシャル成長したナノ構造体およ
びその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0019】また本発明は、磁気抵抗効果を有する磁性
体をナノ構造体の細孔に充填することで、従来よりも、
低磁場、高MRを有する磁気デバイスを提供することを
目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく成
された本発明の構成は、以下の通りである。即ち、本発
明の第一の発明は、ペロブスカイト型酸化物表面を有す
る基体上に絶縁膜を有し、該絶縁膜が表面から基体表面
まで達する複数の細孔を有するナノ構造体において、少
なくとも該細孔中にペロブスカイト型酸化物が存在する
ことを特徴とするナノ構造体である。
【0021】前記細孔中のペロブスカイト型酸化物が基
体に対してエピタキシャルに成長していることが好まし
い。前記ペロブスカイト型酸化物表面を有する基体がS
rTiO3 であることが好ましい。
【0022】前記ペロブスカイト型酸化物表面を有する
基体が、酸化・還元される事により、基体表面が絶縁体
化または伝導体化する事が好ましい。前記絶縁膜がアル
ミナからなることが好ましい。
【0023】前記複数の細孔を有する絶縁膜がアルミニ
ウムの陽極酸化法により形成されてなることが好まし
い。前記細孔の直径が5〜500nmであることが好ま
しい。前記細孔中のペロブスカイト型酸化物が磁気抵抗
効果を有するペロブスカイト型酸化物であることが好ま
しい。
【0024】前記細孔中のペロブスカイト型酸化物が、
1-xx MO3 及びL2-2y1+2yMn27(式中、L
は少なくとも1種類のランタノイド元素、AはCa及び
Srから選ばれる少なくとも1種類の金属、MはMn単
独あるいは3d,4d及び5d遷移金属の中から選ばれ
る少なくとも1種類の金属とMnとからなる金属、xは
0.1≦x≦0.4、yは0≦y≦0.5を示す。)で
表わされるペロブスカイト構造を有する強磁性酸化物で
あることが好ましい。
【0025】前記ナノ構造体の孔部の上部から横方向に
成長したペロブスカイト型酸化物と、表面において隣接
している孔部のペロブスカイト型酸化物との間に粒界が
存在することが好ましい。前記粒界中にAlを含有する
ことが好ましい。
【0026】本発明の第二の発明は、ペロブスカイト型
酸化物表面を有する基体上に絶縁膜を形成する工程、該
絶縁膜に表面から基体表面まで達する複数の細孔を形成
する工程、該細孔にペロブスカイト型酸化物を構成する
金属原子のいずれかが溶媒中で金属−酸素結合を有して
いる前駆体溶液を充填した後、熱処理を行う工程を有す
ることを特徴とする上記のナノ構造体の製造方法であ
る。
【0027】本発明の第三の発明は、上記のナノ構造体
の底部と表面に電極を具備することを特徴とする磁気デ
バイスである。また、上記のナノ構造体の粒界を含む膜
の表面に少なくとも2つの電極を具備することを特徴と
する磁気デバイスである。
【0028】上記の様に、本発明は、ペロブスカイト型
酸化物表面を有する基体上に絶縁膜を有し、この絶縁膜
が表面から基体表面まで達する複数の細孔を有するナノ
構造体において、ペロブスカイト型酸化物を基体表面と
し、液相中で基体表面上に、ペロブスカイト型酸化物を
細孔中に成長させることにより、微細かつ高密度に配列
し、エピタキシャル成長したペロブスカイト型酸化物の
ナノ構造体を得ることを特徴とする。
【0029】本発明のナノ構造体は、更なる特徴とし
て、前記ペロブスカイト型酸化物表面を有する基体とし
て、酸化・還元による作用により、基体表面を伝導体化
または絶縁体化することにより、複数の細孔を有するナ
ノ構造体の底部を伝導体化または絶縁体化でき、電気的
に作用されない、微細かつ高密度に配列したペロブスカ
イト型酸化物のナノ構造体を得ることである。
【0030】本発明のナノ構造体の製造方法の特徴とし
て、上記のペロブスカイト型酸化物を充填する方法とし
て、ペロブスカイト型酸化物を構成する金属原子のいず
れかが溶媒中で金属−酸素結合を有している前駆体溶液
を孔部に充填し、熱処理を行うことで、前記微細孔中に
エピタキシャル成長したペロブスカイト型酸化物である
磁性体を作製でき、磁化容易軸が一定であり、微細かつ
高密度に配列した、MRを有するペロブスカイト型酸化
物であるナノ構造体を得ることを特徴とする。
【0031】また、本発明は、磁性体である金属酸化物
として、ペロブスカイト構造を有する強磁性酸化物L
1-xx MO3 及びL2-2y1+2yMn27(式中、Lは
少なくとも1種類のランタノイド元素、AはCa及びS
rから選ばれる少なくとも1種類の金属、MはMn単独
あるいは3d,4d及び5d遷移金属の中から選ばれる
少なくとも1種類の金属とMnとからなる金属、xは
0.1≦x≦0.4、yは0≦y≦0.5)であること
を特徴とする。
【0032】また、本発明は、ナノ構造体の孔部の上部
から成長したペロブスカイト型酸化物と、表面において
隣接している孔部のペロブスカイト型酸化物との間に、
孔部の上部から成長したペロブスカイト型酸化物とAl
を含有する絶縁膜とを反応させることで、前記粒界とし
て、前記ペロブスカイト型酸化物との間にAlを含有す
る相を人工的に作製し、電気的に高いポテンシャルを有
する粒界を作製することを特徴とする。
【0033】また、本発明は、前記Alを含有する粒界
を含む膜の表面に電気特性を取出す少なくとも2つの電
極を具備することで、磁気の変化に対応することが可能
な磁気デバイスを作製し、低磁場化、高MR化を得るこ
とを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の特徴を説明する。
【0035】ペロブスカイト型酸化物基体上に細孔を有
する絶縁膜 図1は本発明のペロブスカイト型酸化物基体上に多孔体
を有するナノ構造体を示す概略平面図であり、図2は図
1のAA線断面図である。図1、2において、1はペロ
ブスカイト表面を有する基体、2は絶縁膜、3は絶縁膜
2が有するナノホール(細孔)である。
【0036】この絶縁膜2は、多数の円柱状のナノホー
ル(細孔)3を有しており、好ましくは陽極酸化により
作製したアルミニウムと酸素を主成分としているものが
望ましい。そして、ナノホール3は、ペロブスカイト型
酸化物表面にほぼ垂直に配置し、それぞれのナノホール
は互いに平行かつほぼ等間隔に配置している。またナノ
ホール3は絶縁膜2の表面からペロブスカイト型酸化物
表面にまで貫通しており、ペロブスカイト型酸化物の表
面が清浄であるものが望ましい。ナノホールの大きさや
形状は、酸性溶液中に浸すことで所望の大きさに作製可
能である。
【0037】ペロブスカイト型酸化物表面を有する基体
表面の作製 導電性あるいは絶縁性を持つペロブスカイト型酸化物表
面を有する基体は、単結晶基体あるいは、他の基体上
に、スパッタ法、レーザーアブレーション法、CVD法
等を用いて作製しているものであれば良い。ただし、<
100>、<110>、<111>等に配向しているペ
ロブスカイト型酸化物がより好ましい。
【0038】導電性ペロブスカイト型酸化物としては、
特に限定はしないが、例えば、ReO3 ,La1-x Sr
x CoO3 ,SrRuO3 ,La1-x Srx MnO3
La 2-2xSr1-2xMn27 ,PZT(Pb−ZrO3
−PbTiO3),La2-xCa1-2xMn27,CaFe
3,LaCoO3,LaNiO3,PrNiO3,NdN
iO3,SmNiO3,CaRuO3,BaRuO3,Ba
MoO3,SnMoO3,CaMoO3やYBa2Cu3
7-xなどの超電導酸化物あるいはSrTiO3 ,CaT
iO3 ,BaTiO3 のように本来絶縁性だが、還元等
により導電性を有するものが好ましい。
【0039】前記多孔体として、陽極酸化法を用いて形
成されるアルミナナノホールを用いる場合には、SrT
iO3 のような本来絶縁体である表面を利用するときS
rTiO3 の表面を還元することにより、一時的に電気
導電性を持たせる必要がある。なお、導電性を持たせた
SrTiO3 は、酸化させることにより絶縁体とするこ
とが可能である。
【0040】なお、本発明における多孔体は、上記に示
した陽極酸化法に限られるものではない。
【0041】ナノホール中へのペロブスカイト型金属酸
化物の充填 ナノホール中へのペロブスカイト型金属酸化物の充填
は、所望のペロブスカイト型酸化物を構成する金属原子
のいずれかが溶媒中で金属−酸素結合を有している前駆
体溶液を、ナノホール上部から、ディップコートやスピ
ンコート等で塗布した後、真空脱気することで行う。そ
の後、乾燥させ、結晶化温度よりも高い温度で焼結する
工程を1回または複数回行うことで結晶化させる。
【0042】もちろん、ナノホール上部からの溶液の浸
透を利用したものでなくても、電気泳動法やCVD法に
よってもナノホール中にペロブスカイト型金属酸化物を
形成できる。
【0043】金属−酸素結合を有している前駆体溶液の
作製 溶液中で金属−酸素結合を有している前駆体溶液の作製
法の一例として、特許第2655515号に示される有
機溶液を用いた。以下に本実験で使用した溶液の作製方
法を示す。
【0044】前駆体溶液は、酸化物薄膜を構成する金属
が、金属−酸素結合を有するか、または錯体として溶媒
中に一様に溶解しているものであれば特に制限はない。
例えば、ランタンアルコキシド、ランタンカルボン酸
塩、ランタンアセチルアセトン塩、ストロンチウムカル
ボン酸塩、マンガンアルコキシドなどの有機金属原料を
組み合わせに注意して、アルコール、アルコキシアルコ
ール、エステル、カルボン酸および環状有機化合物溶媒
に溶解することで得られる。
【0045】具体的には、溶媒として、エタノール、イ
ソプロパノール、n−プロパノール、sec−プロパノ
ール、tert−プロパノール、2−メトキシエタノー
ル、2−エトキシエタノール、2−プロポキシエタノー
ル、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロ
パノール、1−エトキシ−2−プロパノール、3−エト
キシ−1−ブタノール、シクロヘキサン、シクロヘキセ
ン、シクロヘキサノン、シクロヘキサジエン、トルエ
ン、キシレン、ピリジン等が用いられる。
【0046】次に、以下の方法により詳細に、前駆体溶
液の3種類の調整法を例示する。 方法1 LaとSrについてはカルボン酸塩をカルボン酸、もし
くは環状有機化合物に溶解し混合溶液Aとする。Mnに
ついてはアルコキシドをアルコールもしくはアルコキシ
アルコールに溶解し溶液Bとする。
【0047】方法2 LaとSrについては金属アルコキシドをアルコール、
もしくはアルコキシドアルコールに溶解し混合溶液Aと
する。Mnについてはカルボン酸塩をカルボン酸もしく
は環状有機化合物に溶解し溶液Bとする。
【0048】方法3 LaとSrについてはアセチルアセトン塩をアルコキシ
ドアルコール、もしくはエステルに溶解し混合溶液Aと
する。Mnについてはカルボン酸塩をカルボン酸もしく
は環状有機化合物に溶解し溶液Bとする。
【0049】引き続いて、方法1〜方法3のいずれかの
方法により調整された混合溶液A(La,Sr溶液)と
溶液B(Mn溶液)を混合することで、前駆体溶液は加
水分解によりLa,Sr,Mnが一様に分布し、かつ金
属−酸素−金属結合を有した溶液となる。また、還流を
行うことで、より速く加水分解を進めることができる。
このとき、反応に必要とされる水が、前駆体溶液中に混
在しているが、悪影響を及ぼすことはない。
【0050】上記の様にして細孔中に充填されるペロブ
スカイト型酸化物は、L1-xx MO3 及びL2-2y
1+2yMn27(式中、Lは少なくとも1種類のランタノ
イド元素、AはCa及びSrから選ばれる少なくとも1
種類の金属、MはMn単独あるいは3d,4d及び5d
遷移金属の中から選ばれる少なくとも1種類の金属とM
nとからなる金属、、xは0.1≦x≦0.4、yは0
≦y≦0.5を示す。)から選ばれる少なくとも1種類
からなるペロブスカイト構造を有する強磁性酸化物が好
ましい。その具体例を示すと、La0.67Sr0.33MnO
3,La0.67Ca0 .33MnO3,Pr0.65Ca0.35MnO
3,Nd0.7Sr0.3MnO3,La1.6Sr1 .4Mn27
La1.8Ca1.2Mn27等が挙げられる。
【0051】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をより詳細に説
明するが、本発明の種々の構成はこれらの実施例にのみ
限定されるものではない。
【0052】実施例1 本実施例は、導電性ペロブスカイト型酸化物であるSr
RuO3 上の陽極酸化アルミナノホールの孔部に磁性を
有するペロブスカイト型金属酸化物を作製した結果を示
す。図3に実施例1で示されるナノ構造体の製造方法の
工程図を示す。本実施例では、n型Siウエハ上に<0
01>配向したSrRuO3 表面を有する基体を用い
た。
【0053】(1)SrRuO3 の表面を有する基体の
作製 n型Siウエハ5上に、SrRuO3 4をスパッタ法に
より作製した。この時のガスはArとO2 の混合ガスと
しガス圧は5.0×10-1Paとし、RFパワーは50
Wとした。(図3(a)) (2)SrRuO3 上にAlを形成 上記SrRuO3 基板上に、RFスパッタ法により厚さ
300nmのAl膜6を成膜した。この時のガスはAr
としガス圧は、2.3×10-4Pa,RFパワーは50
0Wとした。膜厚は50nmとした。(図3(b))
【0054】(3)陽極酸化 本実施例においては、電解質として0.3Mのシュウ酸
水溶液を使用し、恒温槽により溶液を17℃に保持し
た。ここで陽極酸化電圧はDC40Vとし、ナノホール
すべてがSrRuO3 基板表面に到達するまで、陽極酸
化を行った。陽極酸化処理後、純水、およびイソプロピ
ルアルコールによる洗浄を行った。(図3(c)) (4)ポワワイドニング処理 陽極酸化後、5wt%リン酸溶液中に20〜45分間浸
す本処理により、適宜、ナノホールの径を広げた。(図
3(d))
【0055】(5)Alの酸化 前記ナノ構造体を800℃で1時間、酸素中で熱処理す
ることで、アモルファス状陽極酸化アルミナを結晶化さ
せた。(図3(e)) (6)前駆体溶液の調整 上記発明の実施形態で説明した方法を用いて、La:S
r:Mn=0.83:0.17:1.00の組成比を持
つ前駆体溶液を調整した。
【0056】(7)ナノ構造体への前駆体の充填 (5)で作製したナノ構造体上に(6)で作製した前駆
体溶液9をスピンコート法により塗布した。そのコート
条件は、第1速500rpmで5秒間、第2速1500
rpmで25秒間とした。(図3(f)) 塗布した後、真空脱気下に5分間放置することで前駆体
溶液をナノホールヘ充填した。その後、300℃、30
分、空気中で乾燥し乾燥ゲル10化した。(図3
(g))
【0057】(8)熱処理 上記(7)で作製した試料を、850℃、1時間、酸素
中で焼成することで細孔中にLa0.83Sr0.17MnO3
をエピタキシャル成長させた。(図3(h))
【0058】評価 (a)取出した試料の断面をFE−SEM(Field
Emisson−Scanning Electro
n Microscope:電界放出走査型電子顕微
鏡)にて観察した結果、図4に示される形状が観察され
た。 (b)断面をTEMにて観察した結果、図4中のIに示
す基板に対して磁性酸化物がエピタキシャルに成長して
いることが確認された。IIの部分では、磁性酸化物と
Al23 との反応により磁性酸化物の結晶構造及び成
分が変化していることが分かった。
【0059】結果 ナノ構造体中の孔部に、結晶化した磁気抵抗効果を有す
るペロブスカイト型酸化物を作製することができた。こ
れにより、磁性を有するペロブスカイト型酸化物を高密
度に配列させることが可能である。
【0060】実施例2 本実施例は、絶縁性SrTiO3 基板上の陽極酸化アル
ミナノホールの孔部に磁性を有するペロブスカイト型金
属酸化物を作製した結果を示す。図5に実施例2で示さ
れるナノ構造体の製造方法の工程図を示す。
【0061】本実施例のSrTiO3 基体としては、S
rTiO3 (100)単結晶基板を用いた。 (1)SrTiO3 の表面処理 SrTiO3 を1000℃で1時間、酸素中で熱処理す
ることで、表面形状が平滑化したSrTiO3 基体13
を得た。(図5(a))
【0062】(2)SrTiO3 の導体化 上記SrTiO3 を1100℃で5時間、H2 を2%含
むHe中で熱処理することで、SrTiO3 の表面を還
元させた。この時の抵抗値を直流4端子法を用いて、測
定したところ約8.27×10-2Ω・cmであり電極と
して十分使用できるものであった。(図5(b)) (3)SrTiO3 上にAlを形成 上記SrTiO3 基板上に、RFスパッタ法により厚さ
300nmのAl膜6を成膜した。この時のガスはAr
としガス圧は2.3×10-4Pa、RFパワーは500
Wとした。(図5(c))
【0063】(4)陽極酸化 本実施例においては、電解液として0.3Mのシュウ酸
水溶液を使用し、恒温槽により溶液を17℃に保持し
た。ここで陽極酸化電圧はDC40Vとし、ナノホール
すべてがSrTiO3 基板表面まで達するまで、陽極酸
化を行った。陽極酸化処理後、純水、およびイソプロピ
ルアルコールによる洗浄を行った。(図5(d)) (5)ポワワイドニング処理 陽極酸化後、5wt%リン酸溶液中に20〜45分間浸
す本処理により、適宜、ナノホールの径を広げた。(図
5(e))
【0064】(6)Al及びSrTiO3 の酸化 上記のSrTiO3 基板上のナノ構造体を800℃で1
時間、酸素中で熱処理することで、アモルファス状陽極
酸化アルミナを結晶化し、SrTiO3 表面を酸化し
た。(図5(f)) (7)前駆体溶液の調整 上記の実施形態で説明した方法を用いて、La:Sr:
Mn=O.83:0.17:1.00の組成比を持つ前
駆体溶液を調整した。
【0065】(8)ナノ構造体への前駆体の充填 (6)で作製したナノ構造体上に(7)で作製した前駆
体溶液9をスピンコート法により塗布した。そのコート
条件は、第1速500rpmで5秒間、第2速1500
rpmで25秒間とした。(図5(g)) 塗布した後、真空脱気下に5分間放置することで前駆体
溶液をナノホールヘ充填した。その後、300℃、30
分、空気中で乾燥した。(図5(h)) (9)熱処理 上記(8)で作製した試料を、850℃、1時間、酸素
中で焼成することで、細孔中にLa0.83Sr0.17MnO
3 をエピタキシャル成長させた。(図5(i))
【0066】評価 (a)取出した試料の表面および断面をFE−SEM
(Fie1d Emisson−Scanning E
lectron Microscope:電界放出走査
型電子顕微鏡)にて観察した結果、図6に示される形状
が得られた。 (b)断面をTEMにて観察した結果、図6中のIaに
示す基板に対して磁性酸化物がエピタキシャルに成長し
ていることが確認された。IIaの部分には、磁性酸化
物と陽極酸化膜との反応により磁性酸化物の結晶構造及
び成分が変化していることが分かった。
【0067】結果 絶縁体基板上に作製されたナノ構造体中の孔部に、結晶
化した磁気抵抗効果を有するペロブスカイト型酸化物を
作製することができた。これにより、基体の電気的特性
に影響されずに、ペロブスカイト酸化物を高密度に配列
することが可能となった。
【0068】実施例3 本実施例は、SrTiO3 基板上の陽極酸化アルミナノ
ホールの孔部に磁性を有するペロブスカイト型金属酸化
物が充填され、かつ基体表面で近接のナノホールから横
方向に成長したペロブスカイト型酸化物と粒界を介して
接合しているナノ構造体を作製し、電気的特性を取出す
電極を作製した磁気デバイスについて示す。図7には、
以下に示す実施例の工程図を示す。
【0069】(1)〜(7)は、実施例2で示される
(1)〜(7)と同様の手順に従う。 (8)ナノ構造体への前駆体の充填 (6)で作製したナノ構造体上に(7)で作製した前駆
体溶液をスピンコート法により塗布した。そのコート条
件は、第1速500rpmで5秒間、第2速1500r
pmで25秒間とした。塗布した後、真空脱気下に5分
放置することで前駆体溶液をナノホールヘ充填した。そ
の後、300℃、30分、空気中で乾燥した。
【0070】(8)で示した行程を、2回繰り返し行っ
た。これにより、乾燥後は図7(a)で示される形態と
なる。 (9) 熱処理 上記(8)で作製した試料を、850℃,1時間、酸素
中で焼成した。(図7(b))
【0071】(10)電極作製 電極は、上記ナノ構造上に、フォトリソ技術を用いてパ
ターニングした後、RFスパッタ法により厚さ5nmの
Ti膜を作製し、次に、厚さ500nmのPtを成膜す
ることで作製した。(図7(c)) 成膜時のガスはArとし、ガス圧は1.5×1O-5
a,RFパワーは150Wとした。
【0072】評価 (a)取出した試料の表面および断面をFE−SEM
(Field Emisson−Scanning E
lectron Microscope:電界放出走査
型電子顕微鏡)にて観察した結果、図8に示される形状
が得られた。 (b)断面をTEMにて観察した結果、図9中のIbに
示す基板に対して磁性酸化物がエピタキシャルに成長し
ていることが確認された。IIbの部分には、磁性酸化
物と陽極酸化膜との反応により磁性酸化物の結晶構造及
び成分が変化していることが分かった。IIIの部分に
おいても、IIbと同様な現象が生じていることが分か
った。 (c)(10)で作製した磁気デバイスに磁場印加した
時、低磁場において、負の磁気抵抗効果を示した。
【0073】結果 酸化物磁性体間に結晶構造が乱れた粒界を人工的に生じ
させることにより、グラニュラー構造を有する薄膜が作
製でき、低磁場において高いMRを示した。この結果
は、SrTiO3 上に前記に示した方法と同じように作
製した粒界を含まないLa0.83Sr0.17MnO3 膜より
も低磁場において、高MRを示した。
【0074】実施例4 本実施例は、導電性ペロブスカイト型酸化物であるSr
RuO3 基板上の陽極酸化アルミナノホールの孔部に磁
性を有するペロブスカイト型金属酸化物が作製されたナ
ノ構造体を基体として、前記基体表面にペロブスカイト
型酸化物を成膜することで、ナノ構造を持つ薄膜を作製
した後、電気的特性を取出すための電極を作製した磁気
デバイスについて示す。
【0075】図10には、以下に示す実施例の工程図を
示す。(1)〜(8)は前記実施例1の(6)前駆体溶
液の調整において、La:Sr:Mn=1.4:1.
6:2に変更(La1.4Sr1.6Mn27)した以外は実
施例1と同様である。 (9)表面研磨 (8)で作製したナノ構造体の表面において、ナノ構造
体の表面を機械研磨することで、各細孔の電気的なつな
がりを遮断した。(図10(a))
【0076】(10)電極作製 電極15は、前記研磨表面上に、RFスパッタ法により
厚さ5nmのTi膜を作製した後、厚さ500nmのP
tを成膜することで磁気センサを作製した。(図10
(b)) 成膜時のガスはArとし、ガス圧は1.5×10-5
a,RFパワーは150Wとした。
【0077】評価 (10)で作製した磁気デバイスに磁場を印加したとき
MRを示した。この時の磁場の感度は、SrRuO3
に前記に示した方法と同じように作製したLa 0.83Sr
0.17MnO3 膜に見られる磁場に対する感度よりも高
く、MRも高い結果を示した。
【0078】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、ペ
ロブスカイト型酸化物表面を有する基体上に絶縁膜を有
し、この絶縁膜が表面から基体表面まで達する複数の細
孔を有するナノ構造体において、細孔中にペロブスカイ
ト型酸化物をエピタキシャル成長したナノ構造体を得る
ことができた。これにより、磁性、光、電気、化学的に
幅広い特性を有するペロブスカイト型酸化物を微細化、
高密度化する技術が確立でき、さまざまな応用分野への
展開が可能となった。
【0079】この応用の一例として、磁気抵抗効果を有
する磁性体を細孔に充填することで、従来よりも、低磁
場、高MRを有する磁気デバイスが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のペロブスカイト型酸化物基体上に多孔
体を有するナノ構造体を示す概略平面図である。
【図2】図1に示されるAA線断面図である。
【図3】実施例1に示されるナノ構造体の製造方法を示
す工程図である。
【図4】実施例1に示されるナノ構造体を示す断面図で
ある。
【図5】実施例2に示されるナノ構造体の製造方法を示
す工程図である。
【図6】実施例2に示されるナノ構造体を示す断面図で
ある。
【図7】実施例3に示される磁気デバイスの製造方法を
示す工程図である。
【図8】磁気デバイスの概略平面図である。
【図9】図8に示されるBB線断面図である。
【図10】実施例4に示される磁気センサの製造方法を
示す工程図である。
【符号の説明】
1 ペロブスカイト表面を有する基体 2 絶縁膜 3 ナノホール 4 SrRuO3 5 n型Siウエハ 6 Al膜 7 アニール前の陽極酸化アルミナ 8 アニール後の陽極酸化アルミナ 9 前駆体溶液 10 乾燥ゲル 11 L0.83Sr0.17MnO3 11a La1.4Sr1.6Mn27 12 粒界 13 SrTiO3 14 表面還元SrTiO3 15 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 43/12 H01L 43/12

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペロブスカイト型酸化物表面を有する基
    体上に絶縁膜を有し、該絶縁膜が表面から基体表面まで
    達する複数の細孔を有するナノ構造体において、前記細
    孔中にペロブスカイト型酸化物が存在することを特徴と
    するナノ構造体。
  2. 【請求項2】 前記細孔中のペロブスカイト型酸化物が
    基体に対してエピタキシャルに成長していることを特徴
    とする請求項1に記載のナノ構造体。
  3. 【請求項3】 前記ペロブスカイト型酸化物表面を有す
    る基体がSrTiO 3 であることを特徴とする請求項1
    に記載のナノ構造体。
  4. 【請求項4】 前記ペロブスカイト型酸化物表面を有す
    る基体が、酸化・還元される事により、基体表面が絶縁
    体化または伝導体化する事を特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかの項に記載のナノ構造体。
  5. 【請求項5】 前記絶縁膜がアルミナからなることを特
    徴とする請求項1に記載のナノ構造体。
  6. 【請求項6】 前記複数の細孔を有する絶縁膜がアルミ
    ニウムの陽極酸化法により形成されてなることを特徴と
    する請求項1または5に記載のナノ構造体。
  7. 【請求項7】 前記細孔の直径が5〜500nmである
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの項に記載
    のナノ構造体。
  8. 【請求項8】 前記細孔中のペロブスカイト型酸化物が
    磁気抵抗効果を有するペロブスカイト型酸化物であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のナノ構造体。
  9. 【請求項9】 前記細孔中のペロブスカイト型酸化物
    が、L1-xx MO3及びL2-2y1+2yMn27(式
    中、Lは少なくとも1種類のランタノイド元素、AはC
    a及びSrから選ばれる少なくとも1種類の金属、Mは
    Mn単独あるいは3d,4d及び5d遷移金属の中から
    選ばれる少なくとも1種類の金属とMnとからなる金
    属、xは0.1≦x≦0.4、yは0≦y≦0.5を示
    す。)で表されるペロブスカイト構造を有する強磁性酸
    化物であることを特徴とする請求項1または8に記載の
    ナノ構造体。
  10. 【請求項10】 前記ナノ構造体の表面において、孔部
    の上部から横方向に成長したペロブスカイト型酸化物ど
    うしが接合し、粒界を形成することを特徴とする請求項
    1に記載のナノ構造体。
  11. 【請求項11】 前記粒界中にAlを含有することを特
    徴とする請求項10に記載のナノ構造体。
  12. 【請求項12】 ペロブスカイト型酸化物表面を有する
    基体上に絶縁膜を形成する工程、該絶縁膜に表面から基
    体表面まで達する複数の細孔を形成する工程、該細孔に
    ペロブスカイト型酸化物を構成する金属原子のいずれか
    が溶媒中で金属−酸素結合を有している前駆体溶液を充
    填した後、熱処理を行う工程を有することを特徴とする
    請求項1に記載のナノ構造体の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載のナノ構造体の底部と
    表面に電極を具備することを特徴とする磁気デバイス。
  14. 【請求項14】 請求項10に記載のナノ構造体の粒界
    を含む膜の表面に少なくとも2つの電極を具備すること
    を特徴とする磁気デバイス。
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