JP4177672B2 - マイクロデバイス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気回路に用いられるマイクロデバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来については、非特許文献1に記載されたものが知られている。
【0003】
図21及び図22を用いて、その詳細を説明する。図21は薄膜で構成されたメンブレン構造を有するスイッチの断面図である。信号を遮断させる場合は、図22に示すように静電気を印加し、メンブレンと電極が接触するようにし、信号を通過させる場合は静電気を印加しない、というものがある。
【0004】
【非特許文献1】
イントロダクション・トゥ・マイクロエレクトロメカニカル・マイクロウェーブ・システムズ、122頁、アーテック・ハウス出版社(「Introduction to Microelectromechanical Microwave Systems」、P122、Artech House Publishers)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の装置においては、信号を減衰させる際にスイッチを短絡させるため、短絡面で反射波が生じることにより、スイッチの前段の増幅器に過大な電力が戻り、増幅器を破壊する。またメンブレンと電極が十分に離れていないと電気的に結合するため、スイッチオン状態で通過損失が生じるという問題がある。また、メンブレンと電極の距離が大きいと、必要な静電気力が大きくなり、印加する電圧が高くなりすぎるという問題もある。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、小さな電圧でよりアイソレーションを確保することのできるマイクロデバイスを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の骨子は、マイクロデバイスにおいて、電気信号の導通または遮断を行う複数の振動体を独立して静電気で接触または離脱させることにより、印加する電圧に対して2倍の距離を得て、小さな電圧でよりアイソレーションを確保することである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のマイクロデバイスは、支持部分と可動部分を有し、基板上に前記支持部分で固定された静電力互いに接触する複数の微小構造の振動体と、前記基板上に固定された静電気により前記振動体との間に引力を発生して前記振動体間を分離する複数の第1電極と、前記複数の第1電極に電圧を印可する第1印可手段と、前記振動体同士が接触した状態で前記振動体間に信号を流し、前記振動体同士が分離した状態で前記振動体間に流れる信号を遮断し、前記振動体同士の引力及び前記振動体と前記第1電極との間の引力の働く方向以外の方向で前記振動体との間に引力を発生する第2電極と、を具備し、前記第2電極から励振された周波数で、励振された周波数において前記振動体と前記第2電極との間の容量を変化させることで、周波数選択性を有する構成を採る。
【0009】
この構成によれば、各振動体をそれぞれ互いに離れる方向に動かすため、印加する電圧に対して2倍の距離を得ることができるため、小さな電圧でよりアイソレーションを確保することができる。
【0010】
本発明のマイクロデバイスは、前記振動体は、振動体同士が接触する面を導電体として前記接触時に直流信号を導通する構成を採る。
【0011】
この構成によれば、直流信号を導通するスイッチとして機能することができる。
【0012】
本発明のマイクロデバイスは、前記振動体は、振動体同士が接触する面を絶縁体として前記接触時に交流信号を導通する構成を採る。
【0013】
この構成によれば、交流信号を導通するスイッチとして機能することができる。
【0014】
本発明のマイクロデバイスは、前記振動体と前記第1電極が接触した時に前記振動体の入力端子と前記第1電極の入力端子との間に入力信号の周波数に対応したインピーダンスを持つ構成を採る。
【0015】
本発明のマイクロデバイスは、前記振動体同士の引力及び前記振動体と前記第1電極との間の引力の働く方向以外の方向で前記振動体との間に引力を発生する第2電極と、を具備し、前記第2電極から励振された周波数で、励振された周波数において前記振動体と前記第2電極との間の容量を変化させることで、周波数選択性を有する構成を採る。
【0016】
これらの構成によれば、信号遮断時に信号の反射を防ぐことができる。
【0017】
本発明のマイクロデバイスは、前記第2電極に接続する負荷である負荷手段を具備し、前記第2電極と前記振動体との間に信号を流す構成を採る。
【0018】
この構成によれば、信号を周波数成分別で分離することができる。
【0019】
本発明のマイクロデバイスは、前記第2電極と前記振動体間に直流信号を印可する第2印可手段と、を具備し、前記振動体と前記第2電極との間の容量を変化させる構成を採る。
【0020】
この構成によれば、振動体をスイッチとして接続する制御とフィルタとして振動する制御を独立に行うことが可能ため、フィルタ機能を有したスイッチ作用を有する。
【0021】
本発明のマイクロデバイスは、前記振動体の数の前記第2電極を具備し、前記第2電極は、前記振動体から前記第1電極の方向と前記振動体から前記第2電極の方向が直交する位置にあり、前記第2印可手段は、前記第2電極毎に異なる周波数の交流信号を印可する。
【0022】
この構成によれば、フィルタで通過させる周波数帯域を広げることができる。
【0023】
本発明のマイクロデバイスは、前記振動体を真空中に封入する封入手段を具備する構成を採る。
【0024】
この構成によれば、高速で信号を導通または遮断の切替を行うことができる。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るマイクロデバイスの構成を示す図である。図1のマイクロデバイスは、基板1と、入出力ポート2と、入出力ポート3と、振動体4と、振動体5と、電極6と、電極7と、電極8と、電極9と、制御信号10と、制御信号11と、制御信号12と、制御信号13と、直流電源14と、直流電源15とから主に構成される。
【0027】
基板1は、振動体4と、振動体5と、電極6と、電極7と、電極8と、電極9とを集積する基板である。基板1は、絶縁体または半導体であることが望ましい。
【0028】
入出力ポート2、及び入出力ポート3はスイッチに信号を入出させるための端子である。入出力ポート2は、振動体5に電気的に接続している。同様に入出力ポート3は、振動体4に電気的に接続している。マイクロデバイスは、入出力ポート2から振動体5と振動体4を介して入出力ポート3に信号を流すことができる。また、入出力ポート3から入出力ポート2に信号を流しても良い。
【0029】
振動体4及び振動体5は、基板1に対して水平方向および垂直方向に振動が可能な振動体である。振動体4は、基板1と固定で接する支持部分と、振動体5と接触する接触面と、振動体4が電極7と接触する接触面とこれらの接触面をもつ可動部分と、支持部分と可動部分を接続する架橋部分から主に構成される。例えば、振動体4及び振動体5は、片持ち梁のような構造にすることで実現可能である。振動体4及び振動体5は、インダクタを介して直流電位が与えられている。電極6、電極7、電極8、及び電極9は振動体に静電気を印加するための電極である。
【0030】
電極6は、振動体5が振動体4から離れる方向に配置され得るのが望ましい。すなわち、振動体5が、振動体4と電極6の中間に存在し、振動体4と振動体5の間に働く引力が、振動体5と電極6の間に引力と同じ軸上に存在し、かつ反対方向になる位置に電極6を配置するのが望ましい。電極6と同様に、電極7は、振動体4が振動体5から離れる方向に配置され得るのが望ましい。
【0031】
電極9は、振動体4と振動体5の間に働く引力、及び振動体5と電極6の間に働く引力の両方の力の働く方向と異なる方向で振動体5に静電気力を発生させる位置とする。例えば、振動体4と振動体5の間に働く引力、及び振動体5と電極6の間に働く引力の両方の力の働く方向と直交する方向で振動体5に静電気力を発生させる位置とするのが望ましい。
【0032】
言い換えれば、電極9と振動体5が向かい合う面は、振動体4と振動体5の接触面と、及び振動体5と電極6の接触面と直交する方向であることが望ましい。同様に、電極8は、振動体4と振動体5の間に働く引力、及び振動体4と電極7の間に働く引力の両方の力の働く方向と異なる方向で振動体4に静電気力を発生させる位置とする。
【0033】
制御信号10は、電極6に電圧を印可する信号である。同様に、制御信号13は、電極7に電圧を印可する信号である。制御信号11は、電極9に交流電圧を印可する信号である。同様に制御信号12は、電極8に交流電圧を印可する信号である。
【0034】
DC電極14は、振動体5に直流電圧を印可する。同様にDC電極15は、振動体4に直流電圧を印可する。
【0035】
次に、スイッチの動作方法について説明する。図2、図3、図4、及び図5は、本実施の形態のスイッチの動作を示す図である。図2にオフ状態のスイッチ上面図、図3にオフ状態の断面図を示し、図4にオン状態のスイッチ上面図、図5にオン状態の断面図を示す。いま、スイッチをオフする場合は、例えばDC電極14及びDC電極15に直流電位Vcを印加する。電極6及び電極7にはそれぞれ−Vcの電位を印加すると静電力が生じ、振動体4は電極7側に、振動体5は電極6側に引き付けられれ、電極と振動体は電気的に結合する。このとき電極6、7は入出力端子からスイッチを見た場合ちょうど特性インピーダンスとなるような抵抗を有する。振動体4が電極6に接触するとこの抵抗により反射波が生じない。また、2つの振動体4及び振動体5をそれぞれ互いに離れる方向に動かすため、印加する電圧に対して2倍の距離を得ることができるため、アイソレーションをより確保することができる。
【0036】
次にスイッチをオンする場合は、例えばDC電極14に−Vc、DC電極15に+Vc、電極6+に+Vc,電極7に−Vcを印可する。振動体4と5は互いに引き寄せられ電気的に結合する。
【0037】
このとき、振動体4と振動体5が物理的に接触した場合、接触面に誘電体膜があれば容量結合、なければ抵抗結合となる。容量結合の場合は周波数特性を有するスイッチとなる。また抵抗結合の場合は、DC信号がDC電極14からDC電極15に流れ、短絡状態となるため、インダクタの代わりもしくはインダクタと直列に抵抗を設ける必要がある。
【0038】
振動体4及び振動体5の形状は、静電気力により所定の反応時間内で接触及び離脱可能な大きさであればよい。例えば、振動体4及び振動体5の形状は、長さ500μm、厚み2μm、幅2μmの立方体形状を有しており、振動体4と振動体5のギャップは0.6μm、振動体4と電極7のギャップは0.6μm、振動体5と電極6のギャップは0.6μmで配置する。いま絶縁体の膜厚を10nmとすれば、7Vを印加した際に5μS以下で振動体が応答することが可能となる。またSWの通過損失は0.5dB以下とすることができる。
【0039】
次に、フィルタとしての機能について説明する。図6及び図7は、本実施の形態のマイクロデバイスの動作を示す図である。図6に示すように、振動体4と振動体5が接触しているスイッチオン状態では、電極8及び電極9から振動体4及び振動体5に所望の周波数および振幅で交流電界を印可すれば、振動体4及び振動体5は励振され、制御信号に応じた周波数で振動する。
【0040】
この結果、振動体4と電極8の間の容量が変化する。この容量変化の周期に対応する周波数でのインピーダンスが変化することにより、この周波数の信号を選択することができる。振動体5と電極9の間も同様である。
【0041】
このとき電極8と電極9にかける交流電界が同相である場合、図7に示すように振動体4及び振動体5はねじれ方向のモードで振動する。
【0042】
そして、電極8と電極9にかける交流電界が逆相である場合、振動体4と電極8の間に働く力、及び振動体5と電極9の間に働く力が、引力同士または斥力同士となるので図6に示すように垂直方向のモードで振動しやすくなる。振動体4、振動体5、電極8及び電極9の形状、振動体4と電極8の距離、振動体5と電極9の距離を各モードの共振周波数を所望の値となる設計をすることにより、振動モードを制御することで容易にフィルタの共振周波数を変化させることができる。
【0043】
また、上記説明では、電極8及び電極9に交流信号を印可することにより振動体4及び振動体5を振動させることにより、振動体4から振動体5に流す信号について、通過する周波数の信号と減衰する周波数の信号とを作り出してフィルターとして機能させているが、振動体4及び振動体5を振動させる方法は、他の方法でも良い。
【0044】
すなわち、外部から印加する交流電界は必ずしも外部から印加する必要はなく振動体4及び振動体5に入力する高周波信号自身が有する静電力によって励振されてもよい。
【0045】
この場合のフィルタ動作としては、いくつか構造が考えられる。図1の制御信号11と制御信号12を負荷に置き換えても実現できる。例えば、外部から制御信号を入力しない場合は、振動体4と振動体5とを導通する信号自身が有する静電力により、振動体4及び振動体5は励振される。
【0046】
このとき振動体4と振動体5とを通過する信号に、振動体4及び振動体5が結合した状態での固有振動数の周波数を有する信号が含まれていれば、振動体4及び振動体5を大きく励振する。このときの振動モードが例えば縦方向に振動するモードにしておけば、振動体4及び振動体5は、基板垂直方向に大きく励振され、振動体4及び振動体5と電極8及び電極9間のギャップは変化し、電気的に結合する。
【0047】
つまり、振動体4及び振動体5が固有振動数で励振されるため、固有振動数を有する信号は、電極8及び電極9と選択的に結合し、入出力ポートに伝わらず、所謂ノッチフィルタの効果を示す。このとき電極8及び電極9に端子をつなぎ、振動体4及び振動体5の固有振動数を所望の値で設計しておけば、デュプレクッサーとしても用いることができる。
【0048】
また、外部から信号を入力する場合は、制御信号12もしくはかつ制御信号11から、制御信号を入力して振動体4及び振動体5を励振させる。このとき、振動体4及び振動体5の固有振動数で励振すれば、強く励振され、励振した信号の周波数だけを選択的に取り除くことができる。
【0049】
また必ずしも制御信号は、固有振動数である必要は無く、振動体4及び振動体5を励振させられる静電力を有していれば、どの周波数でも良い。
【0050】
また、例えば、電極8及び9に制御信号を入れず、出力端子を接続すれば、入力端子から入力した信号は、振動体4及び振動体5を励振させ、固有振動数付近の周波数を有する信号のみを選択的に、出力端子から取り出すことができる。
【0051】
仮に、振動体が1つの場合は、振動体のQ値が高いため、共振周波数は急峻となり、固有振動数のみを有する信号しか選択的に取り出せない。しかしながら、本願発明のマイクロデバイスでは、2つの同じ振動体を結合させて、振動させれることにより、単体の固有振動数を挟んで2つのモードに別れて振動させることができる。すなわち、2つの振動体が同じ方向に振動するモードと互いに逆相で振動する2つのモードが起こり、Δfの帯域を有したフィルタとして動作することができる。
【0052】
図8は、本実施の形態のマイクロデバイスの周波数特性の一例を示す図である。図8において、点線で示したスペクトラムは、振動体単体での固有振動数を示す。また、図8において、実線で示したスペクトラムは、2つの振動体が結合した際のスペクトラムを表している。フィルタに適用するためには、適用するシステムによって、所望の帯域があるが、振動体の結合度を変化させることにより、この帯域を変化させることができる。
【0053】
振動体4及び振動体5が結合した状態は両持ち梁の構造とみなすことができるため、固有振動数は式(1)で表すことができる。
【0054】
【数1】
Figure 0004177672
ここで、tは梁の厚み、Lは梁の長さ、Eは梁を構成する材質のヤング率、ρは密度をそれぞれ表す。所望の周波数にするためには、梁の形状を制御することで所望の周波数に設定することができる。
【0055】
このように本実施の形態のマイクロデバイスは、実施の形態1と同様に水平方向の振動を利用すれば、SWとして機能し、縦方向の振動を利用すれば、所望の周波数の信号の除去もしくは選択が容易に行える2つの機能を有したデバイスを実現することができる。
【0056】
次に、上記スイッチを形成する場合の工程の一例を説明する。図9、図10、図11、図12、図13、及び図14は、本実施の形態のマイクロデバイスを生成する工程での断面図である。図9に示すように、高抵抗シリコン基板21を熱酸化することで、高抵抗シリコン基板21上に300nm程度の膜厚のシリコン酸化膜22を形成する。次に、シリコン窒化膜23を減圧CVD法を用いて20nmの膜厚で堆積する。さらにシリコン酸化膜24を50nmの膜厚で減圧CVD法を用いて堆積する。
【0057】
しかる後、図10に示すように、シリコン酸化膜24にフォトレジストからなる犠牲層を膜厚2μmでスピンコート、露光、現像したのち、ホットプレートで140℃10分のベークを行うことで犠牲層25を形成する。
【0058】
しかる後、図11に示すように、基板全面にAL26をスパッタにより2μmの膜厚で堆積し、所定の領域にレジストが残るようにフォトレジストによるパターン27の形成を行う。
【0059】
次に、図12に示すように、前記フォトレジストからなるパターンをマスクとしてALのドライエッチングを行うことで、梁28を形成し、さらに酸素プラズマによりフォトレジストからなるパターン27ならびに犠牲層25を除去する。前記工程により、基板表面と間隙29を有する梁28が形成される。
【0060】
さらに、図13に示すように、全面にプラズマCVDによりシリコン窒化膜30を膜厚50nmで堆積することで、基板表面のシリコン酸化膜24上ならびに梁28の周辺にシリコン窒化膜が形成される。
【0061】
最後に、図14に示すように、シリコン窒化膜を異方性を有するドライエッチング法にて前記堆積膜厚以上の膜厚例えば100nmでシリコン酸化膜と選択比を有する条件でエッチバックすることで、梁の上面はシリコン窒化膜がなく側面31にのみ窒化膜が残るようにエッチングをおこなう。
【0062】
なお、本実施の形態では基板に、高抵抗シリコン基板を用いたが、絶縁体または半導体であればいずれも適用できる。例えば、通常のシリコン基板、化合物半導体基板、絶縁材料基板を用いても良い。
【0063】
また、高抵抗シリコン基板21上に絶縁膜としてシリコン酸化膜22、シリコン窒化膜23、シリコン酸化膜24を形成したが、基板の抵抗が十分高い場合これら絶縁性膜の形成を省略しても良い。また、シリコン基板上にシリコン酸化膜22、シリコン窒化膜23、シリコン酸化膜24と3層構造の絶縁膜としたが、前記シリコン窒化膜23の膜厚が、梁上に堆積するシリコン窒化膜と比較して十分厚い膜厚、いわゆるエッチバック工程を経ても消失しない膜厚である場合、シリコン酸化膜24形成工程は省略することが可能である。
【0064】
なお、本実施の形態では梁を形成する材料としてALを用いたが、他の金属材料Mo、Ti、Au、Cu、ならびに高濃度に不純物導入された半導体材料例えばアモルファスシリコン、導電性を有する高分子材料などを用いても良い。さらに成膜方法としてスパッタを用いたがCVD法、メッキ法などを用いて形成しても良い。
【0065】
(実施の形態2)
図15、図16、及び図17を参照しながら本発明の実施の形態2について説明する。図15は、本発明の実施の形態2のマイクロデバイスの概略構成を示す図である。入出力端子33から入力した信号は信号線35を介して平面振動体36と電気的に結合し、さらに平面振動体36と信号線34が電気的に結合して、入出力端子32から信号が取り出される。このとき結合する信号は、平面振動体36が振動している周波数の信号と選択的に結合するため、フィルタの役割を果たす。
【0066】
以下具体的に説明する。平面振動体36の基板側には複数の電極50、基板側には複数の電極38が設けられ、各電極は制御信号発生機構49から発生する制御信号により独立に電位が印加でき、平面振動体36と基板30との間に任意の静電力を発生させることができる。このため平面振動体36には任意の方向から、任意の力で静電力をかけることができる。この印加する制御信号の周波数、振幅、位置を変化させることで、平面振動体の振動周波数および振動モードを制御することができる。
【0067】
例えば電極38は図16のように51、52、53、54からなる扇上の電極で構成されているものとする。平面振動体電極50の全ての電極には一様の直流電位−Vcをかけて、基板側電極の全ての電極(51、52、53、54)に−Vc×Sin(fbt)で示される制御信号を印加すれば、平面振動体は制御信号の周波数fbに応じた周波数で強制的に振動される。また一部の電極にインパルス的に制御信号を印加すると、平面振動体は励振され、平面振動体の固有振動数で振動する。固有振動数は式2のように示され、mは質量、kはばね定数を示す。
【0068】
【数2】
Figure 0004177672
また平面振動体の電極50に一様に直流電位−V1、基板側電極の51と53には直流電位+V2を印加した状態で、基板側電極52,54に−V1×Sin(fct)で示される制御信号を印加し、平面振動体を励振する。このとき図17のように、電極51,53から印加された静電力により平面振動体36はたわむため、平面振動体が有するばね定数が変化する。このため式2より、平面振動体の固有振動数が変化させることができる。このように平面振動体が振動する周波数、モードを任意に制御できるため、フィルタの通過帯域の中心周波数を変化させることができる。
【0069】
(実施の形態3)
図18、図19、及び図20を参照しながら本発明の実施の形態3について説明する。図18は本発明の実施形態3の概略構成を示したものである。実施の形態2とほぼ同じ構成であるが、平面振動体66の上にカンチレバー61を設けた構成となっている。このカンチレバー61は平面振動体66の任意の位置に接触できるように、平面方向および垂直法方向に移動できる図示していない3軸制御機構を有している。実施の形態2では平面振動体が振動するモード、共振周波数を制御するため、外部から静電力を印加して所望のモード、周波数に制御するが、本実施形態では、カンチレバー61を振動体に物理的に接触させ振動体内に固定端を任意に設けることで、平面振動体の振動モードおよび共振周波数を制御するものである。図19及び図20にその一例を示す。図19に示すようにカンチレバーが接触していない場合は、基本モード(共振周波数f0)で平面振動体66が振動をしているに対して、図20に示すように、カンチレバー61により、強制的に振動体を固定させる場合は、平面振動体はいくつか振動体に分けられて、複数の周波数(共振周波数f0、f1、f2)で振動する。
【0070】
また信号線65により入力する入力信号は図20に示すように、直接振動体66に入力する構造を用いてもよい。その際振動周波数は信号線を取り出す位置によってことなるため、複数の周波数を有した信号を取り出すことも可能となる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマイクロデバイスによれば、マイクロデバイスにおいて、電気信号の導通または遮断を行う複数の振動体を独立して静電気で接触または離脱させることにより、印加する電圧に対して2倍の距離を得ることができ、小さな電圧でよりアイソレーションを確保することができる。
【0072】
また、本発明のマイクロデバイスによれば、振動体が振動する振動モード、周波数を任意に変更することができるの、素子を通過する信号の電力および周波数を任意に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るマイクロデバイスの構成を示す図
【図2】上記実施の形態のマイクロデバイスの動作を示す図
【図3】上記実施の形態のマイクロデバイスの動作を示す図
【図4】上記実施の形態のマイクロデバイスの動作を示す図
【図5】上記実施の形態のマイクロデバイスの動作を示す図
【図6】上記実施の形態のマイクロデバイスの動作を示す図
【図7】上記実施の形態のマイクロデバイスの動作を示す図
【図8】上記実施の形態のマイクロデバイスの周波数特性の一例を示す図
【図9】上記実施の形態のマイクロデバイスを生成する工程での断面図
【図10】上記実施の形態のマイクロデバイスを生成する工程での断面図
【図11】上記実施の形態のマイクロデバイスを生成する工程での断面図
【図12】上記実施の形態のマイクロデバイスを生成する工程での断面図
【図13】上記実施の形態のマイクロデバイスを生成する工程での断面図
【図14】上記実施の形態のマイクロデバイスを生成する工程での断面図
【図15】本発明の実施の形態2のマイクロデバイス概略構成を示す図
【図16】上記実施の形態のマイクロデバイスの基板側電極パターンを示す図
【図17】上記実施の形態ののマイクロデバイスの断面を示す図
【図18】本発明の実施の形態3に係るのマイクロデバイスの概略構成を示す図
【図19】上記実施の形態ののマイクロデバイスにおける、カンチレバーによる固定端の生成を示す図
【図20】上記実施の形態ののマイクロデバイスの動作を示す図
【図21】薄膜で構成されたメンブレン構造を有するスイッチの断面図
【図22】薄膜で構成されたメンブレン構造を有するスイッチの断面図
【符号の説明】
1 基板
2、3 入出力ポート
4、5 振動体
6、7、8、9 電極
10、11、12、13 制御信号

Claims (7)

  1. 支持部分と可動部分を有し、基板上に前記支持部分で固定された静電力で互いに接触する複数の微小構造の振動体と、
    前記基板上に固定された静電気により前記振動体との間に引力を発生して前記振動体間を分離する複数の第1電極と、
    前記複数の第1電極に電圧を印可する第1印可手段と
    前記振動体同士が接触した状態で前記振動体間に信号を流し、
    前記振動体同士が分離した状態で前記振動体間に流れる信号を遮断し、
    前記振動体同士の引力及び前記振動体と前記第1電極との間の引力の働く方向以外の方向で前記振動体との間に引力を発生する第2電極と、を具備し、
    前記第2電極から励振された周波数で、励振された周波数において前記振動体と前記第2電極との間の容量を変化させることで、周波数選択性を有するマイクロデバイス。
  2. 前記振動体は、振動体同士が接触する面を導電体として前記接触時に直流信号を導通する請求項1に記載のマイクロデバイス。
  3. 前記振動体は、振動体同士が接触する面を絶縁体として前記接触時に交流信号を導通する請求項1に記載のマイクロデバイス。
  4. 前記第2電極に接続する負荷である負荷手段を具備し、前記第2電極と前記振動体との間に信号を流す請求項に記載のマイクロデバイス。
  5. 前記第2電極と前記振動体間に直流信号を印可する第2印可手段と、を具備し、前記振動体と前記第2電極との間の容量を変化させる請求項記載のマイクロデバイス。
  6. 前記振動体の数の前記第2電極を具備し、前記第2電極は、前記振動体から前記第1電極の方向と前記振動体から前記第2電極の方向が直交する位置にあり、前記第2印可手段は、前記第2電極毎に異なる周波数の交流信号を印可する請求項記載のマイクロデバイス。
  7. 前記振動体を真空中に封入する封入手段を具備する請求項記載のマイクロデバイス。
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