JP4593239B2 - 電気機械フィルタ - Google Patents

電気機械フィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP4593239B2
JP4593239B2 JP2004319355A JP2004319355A JP4593239B2 JP 4593239 B2 JP4593239 B2 JP 4593239B2 JP 2004319355 A JP2004319355 A JP 2004319355A JP 2004319355 A JP2004319355 A JP 2004319355A JP 4593239 B2 JP4593239 B2 JP 4593239B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
electromechanical filter
signal line
magnetic
conductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004319355A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005176318A (ja
Inventor
康幸 内藤
淑人 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2004319355A priority Critical patent/JP4593239B2/ja
Priority to EP04818972.4A priority patent/EP1686689A4/en
Priority to CN2004800392962A priority patent/CN1902818B/zh
Priority to US10/578,040 priority patent/US7397326B2/en
Priority to PCT/JP2004/017246 priority patent/WO2005050839A1/ja
Publication of JP2005176318A publication Critical patent/JP2005176318A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4593239B2 publication Critical patent/JP4593239B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/02244Details of microelectro-mechanical resonators
    • H03H9/02393Post-fabrication trimming of parameters, e.g. resonance frequency, Q factor
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/02244Details of microelectro-mechanical resonators
    • H03H2009/02488Vibration modes
    • H03H2009/02496Horizontal, i.e. parallel to the substrate plane
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/02244Details of microelectro-mechanical resonators
    • H03H2009/02488Vibration modes
    • H03H2009/02511Vertical, i.e. perpendicular to the substrate plane
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/02244Details of microelectro-mechanical resonators
    • H03H2009/02488Vibration modes
    • H03H2009/02519Torsional

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Description

本発明は、電気機械フィルタにかかり、特に、信号線路となる電極、磁界発生部、およびそれらを可動とする機構を備える電気機械フィルタに関する。
無線端末などの情報通信機器の普及が進む中、通信に使用される周波数は、携帯電話等の数百MHzから無線LAN等の数GHz帯と広帯域化が加速している。現在は、各種通信方式に対応した端末を独立使用している状況であるが、将来的には、一つの無線端末で各種通信方式に対応した端末の実現が望まれている。
一方、無線端末の小型化が進む中、端末の筐体内に内蔵されるフィルタなどの受動部品の小型化が望まれている。近年、特に、無線通信でよく用いられているLCなどによる電気的共振を利用したフィルタは、共振器サイズが電気長に依存するため、フィルタの小型化が難しいという問題があり、新たな信号選択の原理が模索されている。
その中で、磁性体を用いたGHz帯素子の開発が活発になってきている。数百MHzから数GHz帯以上の高周波帯をターゲットにした受動素子に磁性体を用いる試みは、高周波伝送線路フィルタにまで及んでいる。その利点として、Fe等の磁性金属材料を用いれば、温度特性や飽和磁化の点で優れており、ICへの集積化にも適することが挙げられる。最近では、磁性金属の導入による波長短縮効果の増大が報告されており、素子の小型化への期待がふくらんでいる。
磁性体を用いたフィルタとして、例えば、非特許文献1がある。この非特許文献1では、GaAs基板上にFeを含む強磁性体膜のマイクロストリップ線路を形成したFe/GaAs基板ハイブリッドマイクロストリップ線路を構成し、強磁性共鳴現象を利用して10GHz帯のバンドストップフィルタを実現している。このバンドストップフィルタの強磁性共鳴周波数frは、式1の様に表される。γはジャイロ磁気定数(1.105×105g[A-1m・s-1]、g:ランデ因子)、Haは異方性磁界(A/m)、Isは飽和磁界(T)、Hは直流バイ
アス磁界である。
単結晶Fe膜の結晶磁気異方性定数K1〜48kl/m3と飽和磁化Is〜2.15Tから、異方性磁界Haは、式2となる。遷移金属Feでは、g〜2であるから、外部直流バイアス磁界Hがゼロ
の場合の強磁性共鳴周波数は、約9.85GHzとなる。
Hの大きさを変えることで、強磁性共鳴周波数を変調でき、チューナブルフィルタを実
現できる。
また、強磁性共鳴周波数の値には、直流バイアス磁界Hの大きさだけでなく、ベクトル
にも依存する。式1は、ストリップ線路電流による高周波磁界と直流バイアス磁界による磁気モーメントが直交した場合の表式であり、高周波磁界と磁気モーメントが同一方向となった場合は、強磁性共鳴は起こらない。直流バイアス磁界Hのベクトルにも着目する必
要がある。
E.Schloemann et al.:J. Appl. Phys., 63, 3140 (1998).
しかしながら、現在のところ、非特許文献1にみられるフィルタは、一旦磁性体の磁化容易軸が、高周波磁界と直交する様に材料を堆積すると、その後直流バイアス磁界Hの大きさや方向を変えることができず、チューナブルフィルタを実現することはできないという問題がある。実験上では、大掛かりな磁界印加装置を用いて磁性体の磁化方向や大きさを制御し、チューナブルフィルタリング効果を実現しているが、勿論その様な機構は携帯端末のような小型装置へは適用できない。また、磁界印加用コイルを用いれば電流を流すこととなり、消費電力が大きくなるため、この面でも携帯端末への適用が不適である。このような状況からみても、この非特許文献1の技術は、携帯端末へ適用可能なチューナブルフィルタの実現が難しいという問題がある。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、小型で消費電力が小さく、通過帯域(バンドパス周波数)または遮断帯域(バンドストップ周波数)を変調可能なチューナブルフィルタを提供することを目的とする。
即ち、本発明では、信号線路となる電極、磁界発生部、およびそれらを可動とする機構とを備え、所定の周波数の信号のみを選択して出力することができるとともに、所定の周波数を変調可能とすることを可能とする電気機械フィルタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、信号線路に流れる電流による高周波磁界と交差する直流バイアス磁界とを相対的にベクトル変調することにより、強磁性共鳴周波数を変調する。
すなわち、本発明の電気機械フィルタは、信号線路となる電極と、この電極に相対向するように配置された駆動電極と、これらの電極間に生起される電界によって相対的にベクトル変位可能に形成された磁界発生部と、前記これらの電極のいずれか一方あるいは前記磁界発生部のいずれかが可動であり、前記信号線路を流れる信号のうち、所定の周波数の信号のみを選択して出力することができるとともに、所定の周波数を変調可能としたものである。
この構成により、第1及び第2の電極、磁界発生部のいずれかの変位により、信号線路を構成する電極を貫く前記磁界発生部より生ずる磁界を可変とすることで、従来実現困難であった強磁性共鳴周波数の変調を行うことができ、電気的操作のみによって、通過帯域あるいは遮断帯域を変調することができる。
この構成によって、信号フィルタリングのチューナブル機能を有するフィルタを実現する。
本発明における電極や磁界発生部を機械的に変位可能に駆動する技術は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により形成される梁と、梁あるいはこの梁に設けられた電極と、電気機械効果をもつ回路部と、磁界発生部とで実現される。
本発明の電気機械フィルタは、基板と、前記基板上に形成され、信号線路となる導体と、前記導体を貫く磁界を発生する磁界発生部と、前記導体または前記磁界発生部と所定の間隔を隔てて対向して配置された駆動電極と、を備え、前記駆動電極の電位を変化させることにより、前記駆動電極と前記導体との間で生起される静電力によって前記導体を変位させ、または、前記駆動電極と前記磁界発生部との間で生起される静電力によって前記磁界発生部を変位させ、前記導体と前記磁界発生部との相対位置を変位させることによって、前記信号線路を貫く磁界を変化させることにより磁性共鳴周波数を変化させる
この構成により、駆動電極による静電力などを変化させることにより、導体あるいは駆動電極あるいは磁界発生部を変位させることにより、信号線路を貫く磁界を変化させることができ、強磁性共鳴周波数を容易に調整することができる。
また本発明の電気機械フィルタは、前記導体が、前記駆動電極と対向して配置され、前記駆動電極との間での静電力により相対的に変位可能な電極であるものを含む。
この構成により、信号線路を両持ち梁とするなどの方法により、容易に変位可能であり、駆動電極に与える電位を調整するのみで強磁性共鳴周波数を容易に調整することができ、変調可能な電気機械フィルタを形成することができる。
また本発明の電気機械フィルタは、前記磁界発生部が、変位可能に形成された磁性体を含む。
この構成により、磁界の方向を容易に変化させることができ、従って変調可能な電気機械フィルタを形成することができる。また、磁界発生部が可動であれば、信号線路を固定にすることができ、基板表面に所望の厚さの信号線路を形成することができることになり、製造が容易で、耐久性の高い電気機械フィルタを形成することが可能となる。また、信号伝送線路そのものは固定であるため、より信頼性の高いものとなる。
また本発明の電気機械フィルタは、前記磁性体が、前記駆動電極の静電力によって変位される。
この構成により、駆動電極の電位を変化させるのみで容易に磁性体を変位させることができ、磁界変化を容易に実現することができるため、変調可能な電気機械フィルタを形成することができる。
また本発明の電気機械フィルタは、前記駆動電極が、可動であるようにしてもよい。
この構成により、設計の自由度を高めることができる。駆動電極が可動であれば、信号線路を固定にすることができ、信号線路との相互作用で変位された駆動電極によってさらに磁界発生部を変位させることもできる。
また本発明の電気機械フィルタは、前記基板表面に形成され、電位を可変に構成された駆動電極と、前記駆動電極上に、所定の間隔を隔てて相対向して配置され、信号線路となる導体と、前記信号線路と交差する磁界成分をもつように着磁された磁性体を備えた磁界発生部とを備え、前記駆動電極の電位を変化させることにより、前記信号線路を変位させ、前記信号線路を貫く前記磁性体による磁界を変化させることにより、磁性共鳴周波数を変化させるようにしている。
この構成により、駆動電極の電位を変化させることにより、容易に信号線路を変位させることが出来、その結果信号線路が受ける磁界を容易に変化させることができ、変調可能な電気機械フィルタを形成することができる。
また本発明の電気機械フィルタは、前記基板表面に形成された磁性体を含む磁界発生部と、前記磁性体上に、所定の間隔を隔てて相対向して変位可能に配置され、信号線路となる導体と、前記信号線路に近接して配置された駆動電極とを備え、前記磁性体は、前記信号線路と交差する磁界成分をもつように着磁され、前記駆動電極の電位を変化させることにより、前記信号線路を変位させ、前記信号線路を貫く前記磁性体による磁界を変化させることにより、磁性共鳴周波数を変化させるようにしている。
また本発明の電気機械フィルタは、前記基板は、表面が絶縁膜により覆われた半導体基板であり、前記磁性体は、前記絶縁膜上に形成されており、前記信号線路は、前記磁性体と対向するように配設された両持ち梁を構成している。
この構成により、加工性が良好で、容易に信号線路が受ける磁界を容易に変化させることができ、変調可能な電気機械フィルタを形成することができる。
また本発明の電気機械フィルタは、前記信号線路が、前記駆動電極と平行に配置されるとともに、前記磁性体は、前記導体を流れる信号と直交する方向に磁場を形成する。
この構成により、磁界変化を最大限に大きく共鳴周波数の変化として取り出すことができ変調可能な電気機械フィルタを形成することができる。
また本発明の電気機械フィルタは、前記磁性体が、前記信号線路を挟むように配置された第1及び第2の磁性体膜パターンを含む。
この構成により、磁性体を水平ニ方向で変位可能とし、変調をより高精度に制御可能とすることができる。
また本発明の電気機械フィルタは、前記基板表面に形成された磁性体を含む磁界発生部と、前記磁性体上に、所定の間隔を隔てて相対向して変位可能に配置され、信号線路となる導体と、前記信号線路に近接して配置された駆動電極とを備え、前記磁性体は、前記信号線路と交差する磁界成分をもつように着磁され、前記駆動電極の電位を変化させることにより、前記信号線路を変位させ、前記信号線路を貫く前記磁性体による磁界を変化させることにより、磁性共鳴周波数を変化させるようにしている。
この構成により、薄膜プロセスにより容易に、微細かつ信頼性の高い、変調可能な電気機械フィルタを形成することが可能となる。
また本発明の電気機械フィルタは、前記磁性体が、半導体基板表面を覆う絶縁膜上に形成されており、前記信号線路は、前記磁性体と対向するように配設された両持ち梁を構成している。
この構成により、信号線路の変位により、半導体基板と接触するような場合があっても、短絡を防止することができる。
また本発明の電気機械フィルタは前記信号線路が、前記駆動電極と平行に配置されるとともに、前記磁性体は、前記導体を流れる信号と直交する方向に磁場を形成するものを含む。
この構成により、信号線路と磁界が直交する方向にあるため、より高感度となり、高精度の変調が可能となる。
また本発明の電気機械フィルタは、前記駆動電極は、前記信号線路を間に挟むように配置された第1駆動電極及び第2駆動電極を含む。
この構成により、磁性体を水平ニ方向で変位可能とし、変調をより高精度に制御可能とすることができる。
また本発明の電気機械フィルタは、前記基板表面に形成され、空間的に変位可能に形成された磁性体を含む磁界発生部と、前記磁性体に対して、所定の間隔を隔てて相対向するように前記基板に固定配置され、信号線路となる導体と、前記磁界発生部に近接して配置され、前記磁界発生部を変位可能な駆動電極とを備え、前記磁性体は、前記信号線路と交差する磁界成分をもつように着磁され、前記駆動電極の電位を変化させることにより、前記磁性体を変位させ、前記信号線路を貫く前記磁性体による磁界を変化させることにより、磁性共鳴周波数を変化させるようにしたものを含む。
この構成により、信号線路が固定であるため、基板表面に所望の厚さの信号線路を形成することができることになり、製造が容易で、耐久性の高い電気機械フィルタを形成することが可能となる。また、より信頼性の高いものとなる。
また本発明の電気機械フィルタは、前記基板が半導体基板であり、前記磁性体が、前記半導体基板表面に形成されたスペーサを介して形成された梁状体を構成している。
また本発明の電気機械フィルタは、前記信号線路が、前記半導体基板表面に絶縁膜を介して形成された導体である。
また本発明の電気機械フィルタは、前記信号線路が、前記磁性体と所定の間隔を隔てて相対向するように形成されたものを含む。
この構成により、強磁性体の形成が容易となる。強磁性体材料の形成を、より下層の工程で実現することができるため、強磁性体の成膜に際して、生じ易い電極材料等の劣化を防止することができる。
また本発明の電気機械フィルタは、基板表面に形成され、電位を可変に構成された第1及び第2の駆動電極と、前記第1の駆動電極に、所定の間隔を隔てて相対向して配置され、信号線路となる導体と、前記第2の駆動電極に、所定の間隔を隔てて相対向して配置され、前記信号線路と交差する磁界成分をもつように着磁された磁性体を備えた磁界発生部とを備え、前記第1の駆動電極の電位を変化させることにより、前記信号線路を変位させるとともに、前記第2の駆動電極の電位を変化させることにより、前記磁性体を変位させ、前記信号線路を貫く前記磁性体による磁界を変化させることにより、磁性共鳴周波数を変化させるようにしたものを含む
この構成により、第1及び第2の駆動電極によりそれぞれ磁界および信号線路の位置を変化させることができるため、より高精度の変調が可能となる。
また本発明の電気機械フィルタは、基板と、前記基板上に形成され、入力側の信号線路となる第1の導体と、前記第1の導体を貫く磁界を発生する磁界発生部と、前記磁界発生部と所定の間隔を隔てて対向して配置された駆動電極と、前記磁界発生部と所定の間隔を隔てて相対向して配置され、出力側の信号線路となる第2の導体と、を備え、前記駆動電極の電位を変化させることにより、前記駆動電極と前記磁界発生部との間で生起される静電力によって前記磁界発生部を変位させ、前記第1の導体と前記磁界発生部の相対位置を変位させることによって、前記入力側の信号線路を貫く磁界を変化させ、前記第2の導体は、前記第1の導体を流れる高周波電流による磁界と前記磁界発生部の磁界との共鳴によって誘起される誘起起電力を伝送するものを含む。
この構成により、第1の導体に信号が入力されると、磁界発生部の周りに高周波電流による高周波磁界を発生する。この高周波磁界により、磁界発生部にスピンの歳差運動が励起される(キッテルモード)。このモードのつくる磁界により、第1の導体に誘導起電力が生じる。そしてこの磁界発生部の強磁性共鳴周波数の信号が入力されたときのみ、強磁性共鳴現象が起こり、磁界発生部のスピンの歳差運動の角度が最大となり、誘導起電力の大きさが最大となる。このようにして、第2の導体が誘導起電力により信号を出力することになり、強磁性共鳴周波数によって決まるある特定の周波数の信号のみ第2の導体に伝搬することができる。
また本発明の電気機械フィルタは、前記第1の導体と前記第2の導体とが直交するように配置されている。
この構成により、互いの信号の干渉をなくし、ノイズのない信号出力を実現することができる。
また本発明の電気機械フィルタは、前記第1の導体と前記第2の導体は所定の間隔を隔てて平行に配置されている。
これにより、小型化をはかることができる。
また本発明の電気機械フィルタは、複数の前記電気機械フィルタを配列して接続し、チューナブルバンドパスフィルタ機能を実現するものを含む。
また本発明の電気機械フィルタは、複数の前記電気機械フィルタを配列して接続し、チューナブルバンドストップフィルタ機能を実現するものを含む。
以上説明したように、本発明によれば、信号線路となる電極、磁界発生部、およびそれらを可動とする機構を備えることで、所定の周波数の信号のみを選択して通過あるいは遮断するように出力することができるとともに、所定の周波数を変調可能とすることができる。
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1(a)および(b)は、本発明の実施の形態1における電気機械フィルタの構成を示す斜視図および断面図である。
この電気機械フィルタ100は、信号線路に対し、この信号線路を貫く磁界を発生する磁界発生部を配し、静電力によって、この信号線路と磁界発生部の相対位置を変位させ、前記信号線路を貫く磁界を変化させ、信号線路に流れる電流による高周波磁界と交差する直流バイアス磁界とを相対的にベクトル変調することにより、強磁性共鳴周波数を変調することにより、強磁性共振周波数を変調可能にし、前記可動電極101を流れる信号のうち特定周波数の信号を吸収させることにより、バンドストップフィルタを構成したものである。
この電気機械フィルタ100では、図1(a)に示すように、表面に酸化シリコン膜と窒化シリコンの2層膜からなる絶縁膜106が形成されたガリウム砒素(GaAs)基板107上に、突出するように2つのポスト104が配設され、このポスト104間に架橋され、両持ち梁を構成する可動電極101と、可動電極101に信号を入力する信号入力ポートIN、可動電極101から信号を外部に出力する信号出力ポートOUTとが設けられている。
可動電極101の下方には、この可動電極101と相対向するように駆動電極103が設けられており、可動電極101と駆動電極103との間の電位差により生ずる静電力により、可動電極101が下方へ変位可能に構成されている。
可動電極101に直流バイアス磁界Hを印加するように、可動電極101から所定の距離だけ離間した位置に磁性体102が設けられている。この磁性体102は、可動電極101に所望の直流バイアス磁界Hを印加するため、可動電極101の変位範囲と相対的に最適化された位置に設けるため、スペーサ105を介して前記GaAs基板107上に設けられている。
次に、この電気機械フィルタ100におけるチューナブルフィルタリングの仕組みについて説明する。
図1(b)は、本発明実施の形態1における電気機械フィルタの構成を示す断面図である。信号入力ポートINより入力された信号は、可動電極101に伝搬し、信号出力ポートOUTへ出力される。この場合、磁性体102がつくる直流バイアス磁界H中に可動電極が位置するため、強磁性共鳴現象による信号のフィルタリングがおき、強磁性共鳴周波数によって決まるある特定の周波数の信号のみ信号出力ポートOUTへ伝搬することができる。ここでは強磁性共鳴周波数の信号が吸収され、この強磁性共鳴周波数を除く周波数の信号が伝送される。
本発明電気機械フィルタでは、この信号フィルタリングの機能に加え、チューナブル機能を付加する。フィルタを通過可能な信号の周波数を変調可能とするためには、強磁性共鳴周波数frを可変とする必要があり、そのためには、強磁性共鳴周波数frを示す次式1中の直流バイアス磁界Hを可変とすれば良い。
図1(b)に示す様に、磁性体102からは直流バイアス磁界Hが放射線状に発生しており、この電気機械フィルタでは、その直流バイアス磁界H中を信号線路である可動電極101が移動できる様になっている。可動電極101の移動方向をV1で示す。
この様な仕組みにすることにより、可動電極を貫く直流バイアス磁界のベクトルや大きさを可変とすることができ、強磁性共鳴周波数を変化させることが可能となる。
図2(a)および(b)は、本実施の形態1における電気機械フィルタのチューナブルフィルタリング特性を示す図である。本図には本発明電気機械フィルタの適用例として、バンドパスフィルタ特性と、バンドストップフィルタ特性を示したが、本発明電気機械フィルタを直列に接続することにより、図の様なバンドパスフィルタを実現することも可能である。フィルタリングの中心周波数fcに対し、低周波数側fc’、高周波数側fc”へ
と周波数を変調可能にすることができる。
この場合、フィルタ特性の中心周波数やチューナブルレンジは、可動電極101の変位範囲における直流バイアス磁界Hに依存するため、磁性体102の初期状態は重要である。磁性体膜の堆積条件によってきまる磁化容易軸や、磁性体102堆積後に外部磁場を印加して行う着磁方向は、磁性体102から可動電極101方向にする必要がある。また、可動電極101が、所望とする直流バイアス磁界H中を変位するため、可動電極101と磁性体102との距離や高さ等の相対位置、可動電極101と駆動電極103との距離、所望の直流バイアス磁界Hを発生するための磁性体102の厚さや幅等の形状は、要求するチューナブルフィルタ特性に応じて最適化する必要がある。
このように、電気機械フィルタ100によれば、所定の周波数の信号のみを選択して、出力することができ、且つ所定の周波数を変調可能とする。
図3(a)および(b)は、本発明の実施の形態1における電気機械フィルタの変形例を示す斜視図および断面図である。
前記実施の形態1の電気機械フィルタの変形例である電気機械フィルタ100aでは、図3(a)に示すように、前記実施の形態1に示した電気機械フィルタ100においては、一つの磁性体102で直流バイアス磁界Hを発生させているのに対し、二つの磁性体を、可動電極101を挟む形で対向に位置することにより、電気機械フィルタ100とは異なる直流バイアス磁界Hを形成する。
図3(b)にからあきらかなように、直流バイアス磁界Hが、可動電極101を横断する様に発生していることが分かる。この場合、二つの磁性体102とも同一方向に磁化する様に、磁化容易軸の制御と着磁が必要となる。
図4は、二つの磁性体102によって形成される直流バイアス磁界Hの発生パターンのシミュレーション結果である。xは基板面に対して水平方向、zは基板面に対して垂直方向を示す。例として、直径100μm、長さ100μmの二つの磁性体102を、50μmの間隔を空けて配置した場合を示す。長さ方向は、x方向である。二つの磁性体102の磁化Mの方向は、x方向に対して同一方向となっており、それぞれの磁性体102から発生する磁力線が結合し、直流バイアス磁界Hのパターンを形成している。曲線は磁力線を、色の濃淡は直流バイアス磁界Hの強さを表わしており、磁力線の密度が濃く色が明るい部分ほど直流バイアス磁界Hが強い部分である。
図5に、x=0μmの位置におけるz方向の各位置に対する直流バイアス磁界Hの強さを示す。z=100μmの初期位置から数十μm下方へ移動した場合、直流バイアス磁界Hの強さが数100Oe変化することが分かる。例えば、z方向下方へ20μm以下の変位量で直流バイアス磁界Hを100Oe変化させることが可能である。
この様な直流バイアス磁界Hの中を可動電極101が移動した場合の強磁性共鳴周波数frおよび共鳴周波数のチューニングレンジを計算する。強磁性共鳴周波数frは前記式1の様に表される。γはジャイロ磁気定数(1.105×105g[A-1m・s-1]、g:ランデ因子)、Haは異方性磁界(A/m)、Isは飽和磁界(T)、Hは直流バイアス磁界である。磁性体102に強磁性体である単結晶Fe膜を用いた場合、結晶磁気異方性定数K1〜48kl/m3と飽和磁化Is〜2.15Tから、異方性磁界Haは、前記式2となる。遷移金属Feでは、g〜2である。
可動電極101がz=100μmの初期位置にある場合は、外部直流バイアス磁界Hがゼロであるため、強磁性共鳴周波数は約9.85GHzとなる。次に共鳴周波数をチューニングするために、可動電極101と駆動電極103との間に電圧を印加し、静電力により可動電極101を下方へ移動させる。可動電極101が約20μm変位しz=80μmに位置した場合、直流バイアス磁界Hが100Oeとなり、共振周波数は約10.72GHzとなる。つまり、約20μmの可動電極101の変位量で、約1GHzのチューニングレンジを実現することができる。
更には、z=100μmの初期位置から数十μm移動した位置において、直流バイアス磁界Hの強さが数100Oe変化することから、約10GHzの大きなチューニングレンジを実現することも可能である。
なお、可動電極101の移動量に対して線型的な共鳴周波数の変化を得たい場合には、位置と直流バイアス磁界Hの関係が線型にある領域を用いれば良い。また、位置に対してチューニングが急峻過ぎる場合には、位置と直流バイアス磁界Hの関係がなだらかな領域を用いればよい。この場合、共鳴周波数の制御性を良くすることができる。
以上の様に、直流バイアス磁界Hの大きさを変えることで、強磁性共鳴周波数を変調でき、チューナブルフィルタを実現することが可能となる。
なお、図3(b)は一例であるが、磁性体の数や位置を変えることにより、様々な直流バイアス磁界Hの形成が可能である。例えば、図4のz=110μmの位置におけるx方向の各位置に対する直流バイアス磁界Hの強さを図6に示す。位置に対する直流バイアス磁界Hの大きさの振る舞いは図5と大きく異なり、可動電極101をx方向へ駆動させれば強磁性共鳴周波数および共鳴周波数のチューニングレンジが違うデバイスも実現可能である。(この具体的な実施例は、実施の形態2に示す。)
以上の様に、可動電極101を貫く直流バイアス磁界Hのべクトルや大きさ制御し、フィルタの中心周波数および中心周波数のチューナブルレンジを制御することが可能となる。
なお、可動電極101のサイズは、二つの磁性体102の間に侵入できるよう幅を50μm以下である45μm程度、低電圧で大きな変位量が得られるようバネ力を下げるために、厚みを0.7μm、長さを500μmと高アスペクト比にすることが可能である。ただし、可動電極101は磁性体102の上方のみで変位しても良いため、必ずしもそれに限ったサイズではない。
また、駆動方法は、静電力駆動に限らず、可動電極101と駆動電極103との間隔に依存しない圧電力駆動、ローレンツ力駆動などを用いることが可能である。また、可動電極101を所定の位置に固定する機構を備えることも可能であり、その機構の駆動方法として、静電力駆動、圧電力駆動、ローレンツ力駆動などを用いることが可能である。
なお、本実施の形態の電気機械フィルタ100aにおいて、前記実施の形態1に示す電気機械フィルタ100と同様の構成については同名称および同符号を付して説明は省略する。
次に、前記実施の形態1に示した電気機械フィルタ100aの製造方法について説明する。
図7(a)〜(i)は、本発明の実施の形態1における電気機械フィルタの製造工程を段階的に説明する断面図である。
先ず、図7(a)に示すように、例えば、GaAs基板などの基板107上に酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の2層膜からなる絶縁膜106を形成する。更に、その上にスペーサ105となるスペーサ材料としての酸化シリコン膜105aをスパッタにより形成する。
次いで、図7(b)に示すように、酸化シリコン膜105aをドライエッチングにより成形するため、フォトリソグラフィによりパターンニングしたフォトレジスト301を形成する。
そして、このフォトレジスト301をマスクとして、スペーサ材料としての酸化シリコン膜105aをドライエッチングし、フォトレジスト301をアッシングにより除去する。このようにフォトレジスト301を除去した後の基板107上の酸化シリコン膜105aは、図7(c)に示すように、スペーサ105となる。
次いで、磁性体102の形成を行う。
図7(d)に示すように、スペーサ105および絶縁膜106上に、Fe、Co、Niなどの磁性薄膜102aをスパッタにより堆積し、その上にフォトリソグラフィにより磁性体パターンを形成するためのフォトレジスト302を形成する。
次いで、この磁性薄膜102aをドライエッチングして、フォトレジスト302をアッシングにより除去し、図7(e)に示すように、スペーサ105上の磁性体102部分を形成する。
次いで、駆動電極103の形成を行う。
図7(f)に示すように、磁性体102および絶縁膜106の形成された基板表面全体に、Alなどの金属薄膜103aをスパッタにより堆積し、その上にフォトリソグラフィにより駆動電極パターンにパターニングされたフォトレジスト303を形成する。
次いで、金属薄膜103aをドライエッチングして、フォトレジスト303をアッシングにより除去し、図7(g)に示すように、スペーサ105上の磁性体102部分を形成する。
最後に、可動電極101の形成を行う。
図7(h)に示すように、磁性体102および駆動電極103、絶縁膜106上に、犠牲層パターンにパターニングされたフォトレジスト304形成する。次に、Alなどの金属薄膜101aをスパッタにより堆積し、その上にフォトリソグラフィにより可動電極パターンにパターニングされたフォトレジスト305を形成する。
次いで、金属薄膜101aをドライエッチングして、フォトレジスト304をアッシングにより除去し、図7(i)に示すように、中空構造の可動電極101部分を形成する。
なお、信号線路となる可動電極101を伝搬する高周波信号が基板107に伝搬して大きな損失を生じるおそれがないことが保障される場合には、絶縁膜106はなくても良い。
また、本発明電気機械フィルタを並列または直列に接続した多段フィルタ構成にすることが可能である。
また、磁界発生部として、磁性体102の代わりにコイルを形成し、同様の直流バイアス磁界Hを発生することができ、MEMS技術による可変インダクタを用いて、直流バイアス磁界Hを可変、もしくは交流バイアス磁界とすることも可能である。
また、本実施の形態1では、駆動電極103が一つとし、信号線路を構成する可動電極101を垂直一方向可動としたが、駆動電極103を複数とし、可動電極101の移動方向V1を複数方向としても良い。
(実施の形態2)
図9(a)および(b)は、本発明の実施の形態2における電気機械フィルタの構成を示す斜視図および断面図である。
本実施の形態では、上述したように、駆動電極103を複数とし、可動電極101の移動方向V1を複数方向としたもので、磁性体は、可動電極101の真下に位置するように基板表面に形成したものである。すなわち、信号線路を構成する可動電極101を挟むように両側に駆動電極103を形成し、この信号線路の真下に磁性体102を配し、磁界が基板に垂直な方向に印加されるようにしたものである。
この電気機械フィルタ400では、図9(a)に示すように、表面に絶縁膜106が形成された基板107上に、ポスト104間に架橋された可動電極101と、可動電極101に信号を入力する信号入力ポートIN、可動電極101から信号を外部に出力する信号出力ポートOUTとが設けられている。
可動電極101の両側には、可動電極101を挟む形で駆動電極103が設けられており、可動電極101と駆動電極103との間の電位差により生ずる静電力により、可動電極101が水平二方向V1へ動く様になっている。駆動電極103は、可動電極101に所望の駆動力を与えるため、可動電極101と相対的に最適化された位置に設けるため、スペーサ108を介して基板107上に設けられている。
可動電極101の下方には、可動電極101に直流バイアス磁界Hを印加する磁性体102が設けられている。
実施の形態1における電気機械フィルタ100、電気機械フィルタ100aでは、直流バイアス磁界Hは水平方向から、可動電極101の移動方向は垂直方向であったのに対し、本実施の形態2における電気機械フィルタ400では、直流バイアス磁界Hは垂直方向から、可動電極101の移動方向は水平方向となっている。
この様に、実施の形態1における電気機械フィルタ100、電気機械フィルタ100aの構造や製造方法では実現困難である直流バイアス磁界Hの形状と、その中を移動する可動電極101の移動方向や移動範囲を、構造を変えることにより実現している。
次に、この電気機械フィルタ400におけるチューナブルフィルタリングの仕組みについて説明する。
図9(b)は、本発明実施の形態2における電気機械フィルタの構成を示す断面図である。この例ではカーボンナノチューブを用いている。信号入力ポートINより入力された信号は、可動電極101に伝搬し、信号出力ポートOUTへ出力される。この場合、磁性体102がつくる直流バイアス磁界H中に可動電極が位置するため、強磁性共鳴現象による信号のフィルタリングがおき、強磁性共鳴周波数によって決まるある特定の周波数の信号のみ信号出力ポートOUTへ伝搬することができる。
本発明電気機械フィルタでは、この信号フィルタリングの機能に加え、チューナブル機能を付加する。フィルタを通過可能な信号の周波数を変調可能とするためには、強磁性共鳴周波数frを可変とする必要があり、そのためには、強磁性共鳴周波数frを示す式1中の直流バイアス磁界Hを可変とすれば良い。
図9(b)に示す様に、磁性体102からは直流バイアス磁界Hが放射線状に発生しており、本発明電気機械フィルタでは、その直流バイアス磁界H中を信号線路である可動電極101が移動できる様になっている。可動電極101の移動方向をV1で示す。
この様な仕組みにすることにより、可動電極を貫く直流バイアス磁界のベクトルや大きさを可変とすることができ、強磁性共鳴周波数を変化させることが可能となる。
この場合、フィルタ特性の中心周波数やチューナブルレンジは、可動電極101の変位範囲における直流バイアス磁界Hの大きさや、ベクトル依存するため、磁性体102の堆積条件による磁化容易軸や、磁性体102堆積後の外部磁場による着磁方向は、磁性体102から可動電極101にむかう方向にする必要がある。また、可動電極101が、所望とする直流バイアス磁界H中を移動するため、可動電極101と磁性体102との距離や高さ等の相対位置、可動電極101と駆動電極103との距離、所望の直流バイアス磁界Hを発生するための磁性体102の厚さや幅等の形状は、要求するチューナブルフィルタ特性に応じて最適化する必要がある。
このように、電気機械フィルタ400によれば、所定の周波数の信号のみを選択して、出力することができ、且つ所定の周波数を変調可能とすることを可能とする。
電気機械フィルタ400の製造方法に関しては、実施の形態1における電気機械フィルタ100、電気機械フィルタ100aの製造方法において、磁性薄膜102aをAlなどの金属薄膜103aに、金属薄膜103aをFe、Co、Niなどの磁性薄膜102に置き換えるだけで、製造と製造方法の共通化が可能である。
なお、本発明電気機械フィルタを並列または直列に接続した多段フィルタ構成にすることが可能である。
また、磁界発生部として、磁性体102の代わりにコイルを形成し、同様の直流バイアス磁界Hを発生することができ、MEMS技術による可変インダクタを用いて、直流バイアス磁界Hを可変、もしくは交流バイアス磁界とすることも可能である。
また、本実施の形態2では、駆動電極103が二つとし、可動電極101を水平二方向可動としたが、駆動電極103をどちらか片方一つとし、可動電極101の移動方向V1をどちらか一方方向としても良い。
また、本実施の形態2では、駆動電極103が二つとし、可動電極101を水平二方向可動としたが、駆動電極103を複数とし、可動電極101の移動方向V1を複数方向としても良い。
また、カーボンナノチューブを用いることにより、加工性が良好で高精度で微細な梁の形成が容易となる。
(実施の形態3)
図10(a)および(b)は、本発明の実施の形態3における電気機械フィルタの構成を示す斜視図および断面図である。
図10(a)に示す電気機械フィルタ500では、表面に絶縁膜106が形成された基板107上に、ポスト104間に架橋された固定電極111と、固定電極111に信号を入力する信号入力ポートIN、固定電極111から信号を外部に出力する信号出力ポートOUTとが設けられている。
固定電極111の下方には、固定電極111に直流バイアス磁界Hを印加する磁性体102が設けられている。磁性体102は、ステム109上に設けられている。磁性体102の両側下方には、磁性体102を動かす駆動電極110が設けられており、磁性体102と駆動電極110との間の電位差により生ずる静電力により、磁性体102回転二方向へ動く様になっている。
実施の形態1や実施の形態2における電気機械フィルタ100、電気機械フィルタ100a、電気機械フィルタ400では、直流バイアス磁界Hは固定で、可動電極101が可動であったのに対し、本実施の形態3における電気機械フィルタ500では、直流バイアス磁界Hが可動で、可動電極101を固定電極111としている。いずれの場合にもブリッジ状をなすように形成しているが、固定電極111の方は、変動を避けるために梁(ビーム)の厚さを厚く形成することができ、また耐久性、信頼性を向上することも可能である。この様に、実施の形態1や実施の形態2における電気機械フィルタ100、電気機械フィルタ100a、電気機械フィルタ400の構造や製造方法では実現困難である直流バイアス磁界Hの形状と、その中に位置する信号線路である固定電極111の相対位置を、構造を変えることにより実現している。
また、前記実施の形態3では、固定電極をブリッジ状に形成したが、固定電極を基板表面に形成した導体パターンで構成し、この上に絶縁性材料からなるステム109を形成し、図10(a)および(b)に示したのと同様にステム109を支点として可動の磁性体パターンを形成してもよい。
さらにまた、ステム109の少なくとも外壁が絶縁性材料で構成されている場合は、ステムに自己整合的に固定電極を形成することにより、フォトリソグラフィ工程の低減をはかるとともに、磁性体パターンに近接して駆動電極(固定電極)を配することができ、静電力を高めるとともに占有面積の低減を図ることができる。
次に、この電気機械フィルタ500におけるチューナブルフィルタリングの仕組みについて説明する。
図10(b)は、本発明実施の形態3における電気機械フィルタの構成を示す断面図である。カーボンナノチューブを用いた電気機械フィルタの構成を示す縦断面図である。信号入力ポートINより入力された信号は、固定電極111に伝搬し、信号出力ポートOUTへ出力される。この場合、磁性体102がつくる直流バイアス磁界H中に可動電極が位置するため、強磁性共鳴現象による信号のフィルタリングがおき、強磁性共鳴周波数によって決まるある特定の周波数の信号のみ信号出力ポートOUTへ伝搬することができる。
本発明電気機械フィルタでは、この信号フィルタリングの機能に加え、チューナブル機能を付加する。フィルタを通過可能な信号の周波数を変調可能とするためには、強磁性共鳴周波数frを可変とする必要があり、そのためには、強磁性共鳴周波数frを示す式1中の直流バイアス磁界Hを可変とすれば良い。
図10(b)に示す様に、磁性体102からは直流バイアス磁界Hが放射線状に発生している。本発明電気機械フィルタでは、磁性体102が可動であるため、その直流バイアス磁界Hと信号線路である固定電極111の相対位置を可変としている。磁性体102の移動方向をV2で示す。
図11は、磁性体102が移動した場合の直流バイアス磁界Hと固定電極111の相対位置を示す図である。固定電極111を貫く直流バイアス磁界Hのベクトル(方向や大きさ)が変化していることが分かる。
この様な仕組みにすることにより、固定電極を貫く直流バイアス磁界の方向や大きさを可変とすることができ、強磁性共鳴周波数を変化させることが可能となる。
この場合、フィルタ特性の中心周波数やチューナブルレンジは、磁性体102の変位範囲における直流バイアス磁界Hの大きさや、方向に依存するため、磁性体102の堆積条件による磁化容易軸や、磁性体102堆積後の外部磁場による着磁方向は、磁性体102から固定電極111方向にする必要がある。また、固定電極111が、所望とする直流バイアス磁界H中を移動するため、固定電極111と磁性体102との距離や高さ等の相対位置、所望の直流バイアス磁界Hを発生するための磁性体102の厚さや幅等の形状は、要求するチューナブルフィルタ特性に応じて最適化する必要がある。
このように、電気機械フィルタ500によれば、所定の周波数の信号のみを選択して、出力することができ、且つ所定の周波数を変調可能とすることを可能とする。
なお、本発明電気機械フィルタを並列または直列に接続した多段フィルタ構成にすることが可能である。
また、本実施の形態においても、磁界発生部として磁性体102の代わりにコイルを形成し、同様の直流バイアス磁界Hを発生することができ、MEMS技術による可変インダクタを用いて、直流バイアス磁界Hを可変、もしくは交流バイアス磁界とすることも可能である。
また、本実施の形態3では、駆動電極110が二つとし、磁性体102を回転二方向可動としたが、駆動電極110をどちらか片方一つとし、磁性体102の移動方向V2をどちらか一方方向としても良い。
また、本実施の形態3では、駆動電極110が二つとし、磁性体102を回転二方向可動としたが、駆動電極110を複数とし、磁性体の移動方向V2を複数方向としても良い。
(実施の形態4)
図12(a)および(b)は、本発明の実施の形態4における電気機械フィルタの構成を示す斜視図および断面図である。
図12(a)に示す電気機械フィルタ600では、前記実施の形態3の構造において磁性体102を更に静電力で水平ニ方向に駆動する駆動電極110を付加し、磁性体102を回転ニ方向と水平ニ方向とで変位可能とし、変調をより自由度高く高精度に制御可能としたものである。
すなわち、表面に絶縁膜106が形成された基板107上に、ポスト104間に架橋された可動電極101と、この可動電極101に信号を入力する信号入力ポートIN、可動電極101から信号を外部に出力する信号出力ポートOUTとが設けられている。
可動電極101の下方には、可動電極101に直流バイアス磁界Hを印加する磁性体102が設けられている。磁性体102は、ステム109上に設けられている。磁性体102の両側下方には、磁性体102を動かす駆動電極110が設けられており、磁性体102と駆動電極110との間の電位差により生ずる静電力により、磁性体102回転二方向へ動く様になっている。
一方、固定電極111の両側には、駆動電極110を挟む形で駆動電極103が設けられており、可動電極110と駆動電極103との間の電位差により生ずる静電力により、可動電極110が水平二方向へ動く様になっている。駆動電極103は、可動電極101に所望の駆動力を与えるため、可動電極110と相対的に最適化された位置に設けるため、スペーサ108を介して基板107上に設けられている。
このように、実施の形態1や実施の形態2、および実施の形態3における電気機械フィルタ100、電気機械フィルタ100a、電気機械フィルタ400、電気機械フィルタ500では、直流バイアス磁界H、もしくは信号線路となる可動電極101および固定電極111どちらか一方が可動であったのに対し、本実施の形態4における電気機械フィルタ600では、直流バイアス磁界H、可動電極101とも可動としている。この様に、実施の形態1や実施の形態2、および実施の形態3における電気機械フィルタ100、電気機械フィルタ100a、電気機械フィルタ400、電気機械フィルタ500の構造や製造方法では実現困難である直流バイアス磁界Hの形状と、その中に位置する信号線路である可動電極101、磁性体102の相対位置を、構造を変えることにより実現している。
次に、この電気機械フィルタ600におけるチューナブルフィルタリングの仕組みについて説明する。
図12(b)は、本発明実施の形態4における電気機械フィルタの構成を示す断面図である。カーボンナノチューブを用いた電気機械フィルタの構成を示す縦断面図である。信号入力ポートINより入力された信号は、可動電極101に伝搬し、信号出力ポートOUTへ出力される。この場合、磁性体102がつくる直流バイアス磁界H中に可動電極が位置するため、強磁性共鳴現象による信号のフィルタリングがおき、強磁性共鳴周波数によってある周波数の信号が吸収され、残る特定の周波数の信号のみ信号出力ポートOUTへ伝搬することができる。
本発明電気機械フィルタでは、この信号フィルタリングの機能に加え、チューナブル機能を付加する。フィルタを通過可能な信号の周波数を変調可能とするためには、強磁性共鳴周波数frを可変とする必要があり、そのためには、強磁性共鳴周波数frを示す式1中の直流バイアス磁界Hを可変とすれば良い。
図12(b)に示す様に、磁性体102からは直流バイアス磁界Hが放射線状に発生している。本発明電気機械フィルタでは、磁性体102が可動であるため、その直流バイアス磁界Hと信号線路である可動電極101の相対位置を可変としている。磁性体102の移動方向をV2で示す。
また、本発明電気機械フィルタでは、その直流バイアス磁界H中を信号線路である可動電極101が同時に移動できる様になっている。可動電極101の移動方向をV1で示す。
10は、磁性体102と可動電極101が移動した場合の直流バイアス磁界Hと可動電極101の相対位置を示す図である。図13と図12(b)との比較から、可動電極101を貫く直流バイアス磁界Hのベクトルや大きさが変わっていることが分かる。
この様な仕組みにすることにより、固定電極を貫く直流バイアス磁界のベクトルや大きさを可変とすることができ、強磁性共鳴周波数を変化させることが可能となる。
この場合、フィルタ特性の中心周波数やチューナブルレンジは、磁性体102や可動電極101の変位範囲における直流バイアス磁界Hの大きさや、ベクトル依存するため、磁性体102の堆積条件による磁化容易軸や、磁性体102堆積後の外部磁場による着磁方向は、磁性体102から可動電極101方向にする必要がある。また、可動電極101が、所望とする直流バイアス磁界H中を移動するため、可動電極101と磁性体102との距離や高さ等の相対位置、所望の直流バイアス磁界Hを発生するための磁性体102の厚さや幅等の形状は、要求するチューナブルフィルタ特性に応じて最適化する必要がある。
このように、電気機械フィルタ600によれば、所定の周波数の信号のみを選択して、出力することができ、且つ所定の周波数を変調可能とすることを可能とする。
なお、本発明電気機械フィルタを並列または直列に接続した多段フィルタ構成にすることが可能である。
また、磁界発生部として、磁性体102の代わりにコイルを形成し、同様の直流バイアス磁界Hを発生することができ、MEMS技術による可変インダクタを用いて、直流バイアス磁界Hを可変、もしくは交流バイアス磁界とすることも可能である。
また、本実施の形態4では、駆動電極110が二つとし、磁性体102を回転二方向可動としたが、駆動電極110をどちらか片方一つとし、磁性体102の移動方向V2をどちらか一方方向としても良い。
また、本実施の形態4では、駆動電極103二つとし、可動電極101を水平二方向可動としたが、駆動電極103をどちらか片方一つとし、可動電極101の移動方向V1をどちらか一方方向としても良い。
また、本実施の形態4では、駆動電極110が二つとし、磁性体102を回転二方向可動としたが、駆動電極110を複数とし、磁性体の移動方向V2を複数方向としても良い。
また、本実施の形態4では、駆動電極103が二つとし、可動電極101を水平二方向可動としたが、駆動電極103を複数とし、可動電極101の移動方向V1を複数方向としても良い。
(実施の形態5)
図14は、本発明の実施の形態5における電気機械フィルタの構成を示す斜視図である。
以上の実施の形態では、1本の信号線路を伝搬する信号を強磁性共鳴により特定周波数のものだけストップし、出力するものについて説明したが、本実施の形態では、入力信号の誘導起電力により、信号の変調を実現するものである。
すなわち、信号線路としての固定電極111の周りに高周波電流による高周波磁界を生成し、この高周波磁界によって磁性体102中に励起されるスピンの歳差運動を励起し、強磁性共鳴現象により、磁性体102中の歳差運動の角度が最大となるのを利用し、これらの信号線路の磁界と、磁性体102のスピンの歳差運動による磁界を受けることのできる領域に出力用の信号線路となる固定電極112を配置し、共鳴によって生じる、誘導起電力が所定の大きさ以上のときのみ、信号が、信号出力ポートOUTへ伝搬することができるようにしたもので、これによりバンドパスフィルタを形成する。
図14に示す電気機械フィルタ700では、表面に絶縁膜106が形成された基板107上に、固定電極111と、信号を入力する信号入力ポートINが設けられている。固定電極111の上方には、磁性体102が設けられており、磁性体102は、ステム109上に設けられている。磁性体102の両側下方には、磁性体102を変位させるための駆動電極110が設けられており、磁性体102と駆動電極110との間の電位差により生ずる静電力により、磁性体102回転二方向へ動く様になっている。磁性体102の上方には、ポスト104間に架橋された固定電極112と、固定電極112から信号を外部に出力する信号出力ポートOUTとが設けられている。磁性体102を固定電極111、112で挟む形で構成されており、固定電極112は、固定電極111と直交する様に配置されている。
次に、この電気機械フィルタ700におけるチューナブルフィルタリングの仕組みについて説明する。
カーボンナノチューブを用いた電気機械フィルタの構成を示す縦断面図である。信号入力ポートINより入力された信号は、固定電極111に伝搬し、固定電極111の周りに高周波電流による高周波磁界を発生する。この高周波磁界により、磁性体102中にスピンの歳差運動が励起される(キッテルモード)。このモードのつくる磁界により、固定電極112に誘導起電力が生じる。磁性体102の強磁性共鳴周波数の信号が入力されたときのみ、強磁性共鳴現象が起こり、磁性体102中の歳差運動の角度が最大となり、誘導起電力の大きさも最大となる。よって、信号のフィルタリングがおき、強磁性共鳴周波数によって決まるある特定の周波数の信号のみ信号出力ポートOUTへ伝搬することができる。
本発明電気機械フィルタでは、この信号フィルタリングの機能に加え、チューナブル機能を付加する。フィルタを通過可能な信号の周波数を変調可能とするためには、強磁性共鳴周波数frを可変とする必要があり、そのためには、強磁性共鳴周波数frを示す式1中の直流バイアス磁界Hを可変とすれば良い。
磁性体102からは直流バイアス磁界Hが放射線状に発生している。本発明電気機械フィルタでは、磁性体102が可動であるため、その直流バイアス磁界Hと信号線路である固定電極111の相対位置を可変としている。磁性体102の移動方向をV2で示す。
この様な仕組みにすることにより、固定電極を貫く直流バイアス磁界のベクトルや大きさを可変とすることができ、強磁性共鳴周波数を変化させることが可能となる。
この場合、フィルタ特性の中心周波数やチューナブルレンジは、磁性体102の変位範囲における直流バイアス磁界Hの大きさや、方向に依存するため、磁性体102の堆積条件による磁化容易軸や、磁性体102堆積後の外部磁場による着磁方向は、磁性体102から固定電極111に向かう方向にする必要がある。また、固定電極111が、所望とする直流バイアス磁界H中を移動するため、固定電極111と磁性体102との距離や高さ等の相対位置、所望の直流バイアス磁界Hを発生するための磁性体102の厚さや幅等の形状は、要求するチューナブルフィルタ特性に応じて最適化する必要がある。
このように、本実施の形態の電気機械フィルタ700によれば、所定の周波数の信号のみを選択して、出力することができ、且つ所定の周波数を変調可能とすることを可能とする。
なお、本実施の形態では、磁性体102に対し軸方向の回転を実現するようにしたが、ステムを基板表面に垂直に形成した細いポール状にし、このポールを支点として全方向に回転可能に形成することも可能である。
この場合、磁性体102はポールを中心とする円形パターンであるのが望ましい。
さらにまた、駆動電極としての固定電極についても、ポールの周りに多数個配列し、各固定電極の電位を制御することにより磁性体102の回動を制御することも可能である。
また、電気機械フィルタ700では、固定電極111に入力される信号がつくる磁界により、直接的に誘導起電力が固定電極112に励起されることを防ぐため、固定電極111と固定電極112を直交する様に配置したが、固定電極111と固定電極112を、相関が起こらない間隔を隔てて平行に配置した電気機械フィルタも可能である。
図15は、本発明の実施の形態5における電気機械フィルタの変形例の構成を示す斜視図である。
図15に示す電気機械フィルタ800では、表面に絶縁膜106が形成された基板107上に、固定電極111と、信号を入力する信号入力ポートINが設けられている。固定電極111の上方には、磁性体102が設けられており、磁性体102は、シリコンなどで形成されたステム109上に設けられている。磁性体102の両側下方には、磁性体102を動かす駆動電極110が設けられており、磁性体102と駆動電極110との間の電位差により生ずる静電力により、磁性体102回転二方向へ動く様になっている。固定電極112は、磁性体102の下方で、固定電極111と固定電極111から生ずる磁界の影響を受けない程度の間隔を空けて平行に配置されている。固定電極112からは、信号を外部に出力する信号出力ポートOUTが設けられている。
次に、この電気機械フィルタ800におけるチューナブルフィルタリングの仕組みについて説明する。
カーボンナノチューブを用いた電気機械フィルタの構成を示す縦断面図である。信号入力ポートINより入力された信号は、固定電極111に伝搬し、固定電極111の周りに高周波電流による高周波磁界を発生する。この高周波磁界により、磁性体102中にスピンの歳差運動が励起される(キッテルモード)。すると、スピン波が固定電極111側から固定電極112側へと伝搬し、固定電極112側では、このモードのつくる磁界により、固定電極112に誘導起電力が生じる。磁性体102の強磁性共鳴周波数の信号が入力されたときのみ、強磁性共鳴現象が起こり、磁性体102中の歳差運動の角度が最大となり、誘導起電力の大きさも最大となる。よって、信号のフィルタリングがおき、強磁性共鳴周波数によって決まるある特定の周波数の信号のみ信号出力ポートOUTへ伝搬することができる。
本発明電気機械フィルタでは、この信号フィルタリングの機能に加え、チューナブル機能を付加する。フィルタを通過可能な信号の周波数を変調可能とするためには、強磁性共鳴周波数frを可変とする必要があり、そのためには、強磁性共鳴周波数frを示す式1中の直流バイアス磁界Hを可変とすれば良い。
磁性体102からは直流バイアス磁界Hが放射線状に発生している。本発明電気機械フィルタでは、磁性体102が可動であるため、その直流バイアス磁界Hと信号線路である固定電極111の相対位置を可変としている。磁性体102の移動方向をV2で示す。
この様な仕組みにすることにより、固定電極を貫く直流バイアス磁界のベクトルや大きさを可変とすることができ、強磁性共鳴周波数を変化させることが可能となる。
この場合、フィルタ特性の中心周波数やチューナブルレンジは、磁性体102の変位範囲における直流バイアス磁界Hの大きさ等に、ベクトル依存するため、磁性体102の堆積条件による磁化容易軸や、磁性体102堆積後の外部磁場による着磁方向は、磁性体102から固定電極111方向にする必要がある。また、固定電極111が、所望とする直流バイアス磁界H中を移動するため、固定電極111と磁性体102との距離や高さ等の相対位置、所望の直流バイアス磁界Hを発生するための磁性体102の厚さや幅等の形状は、要求するチューナブルフィルタ特性に応じて最適化する必要がある。
このように、電気機械フィルタ800によれば、所定の周波数の信号のみを選択して、出力することができ、且つ所定の周波数を変調可能とすることを可能とする。
なお、本発明電気機械フィルタを並列または直列に接続した多段フィルタ構成にすることが可能である。
また、磁界発生部として磁性体102の代わりにコイルを形成し、同様の直流バイアス磁界Hを発生することができ、MEMS技術による可変インダクタを用いて、直流バイアス磁界Hを可変、もしくは交流バイアス磁界とすることも可能である。
また、本実施の形態5では、駆動電極110が二つとし、磁性体102を回転二方向可動としたが、駆動電極110をどちらか片方一つとし、磁性体102の移動方向V2をどちらか一方方向としても良い。
また、本実施の形態5では、駆動電極110が二つとし、磁性体102を回転二方向可動としたが、駆動電極110を複数とし、磁性体の移動方向V2を複数方向としても良い。
なお、以上説明してきたように、本発明の電気機械フィルタは、小型でかつ消費電力の少ない変調可能な電気機械フィルタを提供することができるもので、ディスクリート素子として有効であることはいうまでもないが、他の回路素子とともに集積化可能であり、伝送損失が少なく小型で信頼性の高いフィルタを備えた半導体集積回路装置を提供することも可能である。
また、前記各実施の形態では基板表面に梁を形成し、可動電極を形成する例について説明したが、いずれにおいても、基板に所望の断面形状のトレンチを形成し、このトレンチ上に梁を残しこれを可動部とするなどの構成も可能である。このような構成は、シリコンの異方性エッチングを用いて形成するなどにより容易に実現可能である。
さらにまた、前記各実施の形態では、シリコン基板のみならず、GaAsなどの化合物半導体基板など、使用する基板に適合するように電極材料あるいは磁性膜材料を選択すればよく、他の回路素子との集積化は極めて容易である。また、基板表面を覆う絶縁膜106およびスペーサとなる絶縁膜については、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜あるいはこれらの積層膜でもよい。
また、カーボンナノチューブについても各実施の形態で適用可能である。
本発明に係る電気機械フィルタは、磁性体、もしくは信号線路となる電極を可動とすることにより、電極を貫く直流バイアス磁界の方向や大きさを可変にすることができ、強磁性共鳴周波数を可変にすることによりチューナブル機能を備える電気機械フィルタとして有用である。
(a)本発明実施の形態1における電気機械フィルタの構成を示す斜視図、(b)本発明実施の形態1における電気機械フィルタの構成を示す断面図、 本発明実施の形態1における電気機械フィルタのチューナブルフィルタリング特性を示す図であり、(a)はバンドストップ特性を示す図、(b)はバンドパス特性を示す図 (a)図1の電気機械フィルタの変形例を示す斜視図、(b)図1の電気機械フィルタの変形例を示す断面図 二つの磁性体102によって形成される直流バイアス磁界Hの発生パターンのシミュレーション結果を示す図 x=0μmの位置におけるz方向の各位置に対する直流バイアス磁界Hの強さを示す図 図4のz=110μmの位置における、x方向の各位置に対する直流バイアス磁界Hの強さを示す図 本発明の実施の形態1における電気機械フィルタの製造工程を段階的に説明する断面図 本発明の実施の形態1における電気機械フィルタの製造工程を段階的に説明する断面図 (a)本発明の実施の形態2における電気機械フィルタの構成を示す斜視図、(b)本発明実施の形態2における電気機械フィルタの構成を示す断面図、 (a)本発明の実施の形態3における電気機械フィルタの構成を示す斜視図、(b)本発明実施の形態3における電気機械フィルタの構成を示す断面図 (c)磁性体が移動した場合の直流バイアス磁界と固定電極の相対位置を示す図 (a)本発明の実施の形態4における電気機械フィルタの構成を示す斜視図、(b)本発明実施の形態4における電気機械フィルタの構成を示す断面図 磁性体と可動電極が移動した場合の直流バイアス磁界と可動電極の相対位置を示す図 本発明の実施の形態5における電気機械フィルタの構成を示す斜視図、 本発明実施の形態5における電気機械フィルタの変形例の構成を示す斜視図
符号の説明
100、100a、400、500、600、700、800 電気機械フィルタ
101 可動電極
102 磁性体
103、110 駆動電極
104 ポスト
105、108 スペーサ
106 絶縁膜
107 基板
109 ステム
111、112 固定電極

Claims (19)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成され、信号線路となる導体と、
    前記導体を貫く磁界を発生する磁界発生部と、
    前記導体または前記磁界発生部と所定の間隔を隔てて対向して配置された駆動電極と、
    を備え、
    前記駆動電極の電位を変化させることにより、前記駆動電極と前記導体との間で生起される静電力によって前記導体を変位させ、または、前記駆動電極と前記磁界発生部との間で生起される静電力によって前記磁界発生部を変位させ、前記導体と前記磁界発生部との相対位置を変位させることによって、前記信号線路を貫く磁界を変化させることにより磁性共鳴周波数を変化させる、電気機械フィルタ。
  2. 請求項1記載の電気機械フィルタであって、
    前記導体は、前記駆動電極と対向して配置され、前記駆動電極との間で生起される静電力により相対的に変位可能な電極である電気機械フィルタ。
  3. 請求項1または2に記載の電気機械フィルタであって、
    前記磁界発生部は、変位可能に形成された磁性体を含む電気機械フィルタ。
  4. 請求項3に記載の電気機械フィルタであって、
    前記磁性体は、前記駆動電極の静電力によって変位される電気機械フィルタ。
  5. 請求項2に記載の電気機械フィルタであって、
    前記基板表面に形成され、電位を可変に構成された駆動電極と、
    前記駆動電極上に、所定の間隔を隔てて相対向して配置され、信号線路となる導体と、
    前記信号線路と交差する磁界成分をもつように着磁された磁性体を備えた磁界発生部とを備え、
    前記駆動電極の電位を変化させることにより、前記信号線路を変位させ、前記信号線路を貫く前記磁性体による磁界を変化させることにより、磁性共鳴周波数を変化させるようにした電気機械フィルタ。
  6. 請求項2に記載の電気機械フィルタであって、
    前記基板表面に形成された磁性体を含む磁界発生部と、
    前記磁性体上に、所定の間隔を隔てて相対向して変位可能に配置され、信号線路となる導体と、
    前記信号線路に近接して配置された駆動電極とを備え、
    前記磁性体は、前記信号線路と交差する磁界成分をもつように着磁され、
    前記駆動電極の電位を変化させることにより、前記信号線路を変位させ、前記信号線路を貫く前記磁性体による磁界を変化させることにより、磁性共鳴周波数を変化させるようにした電気機械フィルタ。
  7. 請求項またはに記載の電気機械フィルタであって、
    前記基板は、表面が絶縁膜により覆われた半導体基板であり、
    前記磁性体は、前記絶縁膜上に形成されており、
    前記信号線路は、前記磁性体と対向するように配設された両持ち梁を構成している電気機械フィルタ。
  8. 請求項またはに記載の電気機械フィルタであって、
    前記信号線路は、前記駆動電極と平行に配置されるとともに、
    前記磁性体は、前記導体を流れる信号と直交する方向に磁場を形成する電気機械フィルタ。
  9. 請求項6乃至のいずれか1項に記載の電気機械フィルタであって、
    前記駆動電極は、前記信号線路を間に挟むように配置された第1駆動電極及び第2駆動電極を含む電気機械フィルタ。
  10. 請求項4に記載の電気機械フィルタであって、
    前記基板表面に形成され、空間的に変位可能に形成された磁性体を含む磁界発生部と、
    前記磁性体に対して、所定の間隔を隔てて相対向するように前記基板に固定配置され、信号線路となる導体と、
    前記磁界発生部に近接して配置され、前記磁界発生部を変位可能な駆動電極とを備え、
    前記磁性体は、前記信号線路と交差する磁界成分をもつように着磁され、
    前記駆動電極の電位を変化させることにより、前記磁性体を変位させ、
    前記信号線路を貫く前記磁性体による磁界を変化させることにより、磁性共鳴周波数を変化させるようにした電気機械フィルタ。
  11. 請求項10に記載の電気機械フィルタであって、
    前記基板は半導体基板であり、
    前記磁性体は、前記半導体基板表面に形成されたスペーサを介して形成された梁状体を構成している電気機械フィルタ。
  12. 請求項11に記載の電気機械フィルタであって、
    前記信号線路は、前記半導体基板表面に絶縁膜を介して形成された導体である電気機械フィルタ。
  13. 請求項12に記載の電気機械フィルタであって、
    前記信号線路は、前記磁性体と所定の間隔を隔てて相対向するように形成された電気機械フィルタ。
  14. 請求項1に記載の電気機械フィルタであって、
    前記基板表面に形成され、電位を可変に構成された第1及び第2の駆動電極と、
    前記第1の駆動電極に、所定の間隔を隔てて相対向して配置され、信号線路となる導体と、
    前記第2の駆動電極に、所定の間隔を隔てて相対向して配置され、前記信号線路と交差する磁界成分をもつように着磁された磁性体を備えた磁界発生部とを備え、
    前記第1の駆動電極の電位を変化させることにより、前記信号線路を変位させるとともに、
    前記第2の駆動電極の電位を変化させることにより、前記磁性体を変位させ、
    前記信号線路を貫く前記磁性体による磁界を変化させることにより、磁性共鳴周波数を変化させるようにした電気機械フィルタ。
  15. 基板と、
    前記基板上に形成され、入力側の信号線路となる第1の導体と、
    前記第1の導体を貫く磁界を発生する磁界発生部と、
    前記磁界発生部と所定の間隔を隔てて対向して配置された駆動電極と、
    前記磁界発生部と所定の間隔を隔てて相対向して配置され、出力側の信号線路となる第2の導体と、
    を備え、
    前記駆動電極の電位を変化させることにより、前記駆動電極と前記磁界発生部との間で生起される静電力によって前記磁界発生部を変位させ、前記第1の導体と前記磁界発生部の相対位置を変位させることによって、前記入力側の信号線路を貫く磁界を変化させ、
    前記第2の導体は、前記第1の導体を流れる高周波電流による磁界と前記磁界発生部の磁界との共鳴によって誘起される誘起起電力を伝送する、電気機械フィルタ。
  16. 請求項15記載の電気機械フィルタであって、
    前記第1の導体と前記第2の導体は直交するように配置されている電気機械フィルタ。
  17. 請求項15記載の電気機械フィルタであって、
    前記第1の導体と前記第2の導体は所定の間隔を隔てて平行に配置されている電気機械フィルタ。
  18. 請求項1乃至17のいずれか1項に記載の電気機械フィルタであって、
    複数の前記電気機械フィルタを配列して接続し、チューナブルバンドパスフィルタ機能を実現した電気機械フィルタ。
  19. 請求項1乃至17のいずれか1項に記載の電気機械フィルタであって、
    複数の前記電気機械フィルタを配列して接続し、チューナブルバンドストップフィルタ機能を実現した電気機械フィルタ。
JP2004319355A 2003-11-19 2004-11-02 電気機械フィルタ Expired - Fee Related JP4593239B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004319355A JP4593239B2 (ja) 2003-11-19 2004-11-02 電気機械フィルタ
EP04818972.4A EP1686689A4 (en) 2003-11-19 2004-11-19 Electromechanical filter
CN2004800392962A CN1902818B (zh) 2003-11-19 2004-11-19 电动机械滤波器
US10/578,040 US7397326B2 (en) 2003-11-19 2004-11-19 Electromechanical filter
PCT/JP2004/017246 WO2005050839A1 (ja) 2003-11-19 2004-11-19 電気機械フィルタ

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003389832 2003-11-19
JP2004319355A JP4593239B2 (ja) 2003-11-19 2004-11-02 電気機械フィルタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005176318A JP2005176318A (ja) 2005-06-30
JP4593239B2 true JP4593239B2 (ja) 2010-12-08

Family

ID=34622177

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004319355A Expired - Fee Related JP4593239B2 (ja) 2003-11-19 2004-11-02 電気機械フィルタ

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7397326B2 (ja)
EP (1) EP1686689A4 (ja)
JP (1) JP4593239B2 (ja)
CN (1) CN1902818B (ja)
WO (1) WO2005050839A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4611127B2 (ja) 2004-06-14 2011-01-12 パナソニック株式会社 電気機械信号選択素子
US7629192B2 (en) * 2005-10-13 2009-12-08 International Business Machines Corporation Passive electrically testable acceleration and voltage measurement devices
FR2920754B1 (fr) * 2007-09-07 2010-06-18 St Microelectronics Sa Micro systeme comprenant une poutre deformable par flexion et procede de fabrication
FR2929464B1 (fr) * 2008-03-28 2011-09-09 Commissariat Energie Atomique Nano resonnateur magnetique
WO2011089692A1 (ja) * 2010-01-20 2011-07-28 株式会社 東芝 スピン波デバイス
KR102042014B1 (ko) * 2013-05-03 2019-11-08 엘지이노텍 주식회사 멤스 자계 센서
JP6511532B2 (ja) * 2015-09-30 2019-05-15 Tdk株式会社 磁気抵抗効果デバイス
JP6511531B2 (ja) * 2015-09-30 2019-05-15 Tdk株式会社 磁気抵抗効果デバイス
US10145906B2 (en) 2015-12-17 2018-12-04 Analog Devices Global Devices, systems and methods including magnetic structures
CN114659625B (zh) * 2022-03-17 2023-04-25 电子科技大学 基于石墨烯机械振子的性能可调辐射热计及制备方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003133880A (ja) * 2001-07-02 2003-05-09 Memscap マイクロエレクトロメカニカルコンポーネント
JP2003152488A (ja) * 2001-08-06 2003-05-23 Memscap マイクロマシンコンポーネント
JP2003309449A (ja) * 2002-02-13 2003-10-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 微小機械振動フィルタ

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01114111A (ja) * 1987-10-27 1989-05-02 Yokogawa Electric Corp メカニカルフィルター
JP2513280B2 (ja) * 1988-08-17 1996-07-03 横河電機株式会社 メカニカルフィルタ―
US5836203A (en) * 1996-10-21 1998-11-17 Sandia Corporation Magnetically excited flexural plate wave apparatus
US6348846B1 (en) * 1999-10-14 2002-02-19 International Business Machines Corporation Filter circuit including system for tuning resonant structures to change resonant frequencies thereof
FR2811163B1 (fr) * 2000-06-30 2002-10-04 Centre Nat Rech Scient Filtre nono-electromecanique
WO2002088764A1 (en) * 2001-04-26 2002-11-07 The Johns Hopkins University Lorentz force driven mechanical filter/mixer designs for rf applications
SG106612A1 (en) * 2001-05-29 2004-10-29 Sony Electronics Singapore Pte A force sensing device
JP4602130B2 (ja) * 2004-04-28 2010-12-22 パナソニック株式会社 電気機械フィルタ
JP4611127B2 (ja) * 2004-06-14 2011-01-12 パナソニック株式会社 電気機械信号選択素子

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003133880A (ja) * 2001-07-02 2003-05-09 Memscap マイクロエレクトロメカニカルコンポーネント
JP2003152488A (ja) * 2001-08-06 2003-05-23 Memscap マイクロマシンコンポーネント
JP2003309449A (ja) * 2002-02-13 2003-10-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 微小機械振動フィルタ

Also Published As

Publication number Publication date
EP1686689A1 (en) 2006-08-02
WO2005050839A1 (ja) 2005-06-02
EP1686689A4 (en) 2017-11-08
US20070075806A1 (en) 2007-04-05
CN1902818A (zh) 2007-01-24
US7397326B2 (en) 2008-07-08
CN1902818B (zh) 2010-12-08
JP2005176318A (ja) 2005-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4611127B2 (ja) 電気機械信号選択素子
US7486002B2 (en) Lateral piezoelectric driven highly tunable micro-electromechanical system (MEMS) inductor
JP4602130B2 (ja) 電気機械フィルタ
JP4593239B2 (ja) 電気機械フィルタ
JP4633689B2 (ja) マイクロ波発振素子及びその製造方法、並びに該マイクロ波発振素子を備えたマイクロ波発振装置
US20030119677A1 (en) Tunable superconductor resonator
Arif et al. All-silicon technology for high-$ Q $ evanescent mode cavity tunable resonators and filters
US7843023B2 (en) Electromechanical switch
US8665041B2 (en) Integrated microminiature relay
JP2004134370A (ja) スイッチ
JP2008072120A (ja) 圧電制御された集積磁性装置
US9583250B2 (en) MEMS tunable inductor
Fan et al. Universal MEMS platforms for passive RF components: suspended inductors and variable capacitors
JP2003152488A (ja) マイクロマシンコンポーネント
Yamane et al. A Ku-band dual-SPDT RF-MEMS switch by double-side SOI bulk micromachining
US10809322B1 (en) Multi-octave-tunable magnetostatic/spin-wave microwave passive components with zero-quiescent-power and high-Q in chip-scale
US8120015B2 (en) Resonant structure comprising wire and resonant tunneling transistor
JP2003133880A (ja) マイクロエレクトロメカニカルコンポーネント
KR100831526B1 (ko) 스위치
JP4541718B2 (ja) 高周波集積回路とその製造方法
JP6384059B2 (ja) 発振器
KR101320268B1 (ko) 수정 진동자 및 그 제조 방법
Qazi MEMS-Based Wireless Communications
Liu Tunable evanescent-mode cavity filters for reconfigurable radio frontends
Seeger et al. Fabrication challenges for next-generation devices: Microelectromechanical systems for radio-frequency wireless communications

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070704

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20071113

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100518

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100817

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100915

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4593239

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees