JP2006028126A - 置換芳香族化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明はハロゲン化銀写真感光材料に用いられる写真用有用性化合物や、医薬品あるいは農薬などの合成中間体として有用な化合物である、置換芳香族化合物の製造法に関する。
一般に電子求引性基および良い脱離基となる置換基を有する芳香族化合物は求核剤との反応により、脱離基が求核剤により置換された芳香族化合物を生成することが知られている。この場合の原料としては電子求引性基としてニトロ基を有し、脱離基としてハロゲン原子、アリールまたはアルキルスルホニル基、アリールまたはアルキルスルフィニル基、アリールまたはアルキルスルホニルオキシ基、アリールまたはアルキルチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、ニトロ基、アジド基等を有する化合物が一般に用いられる。一方、芳香族化合物としてフェノール類は安価で入手容易であり、また置換基の導入も容易であることからフェノール類のOH基を脱離基に変換し、求核剤と反応することができれば、置換芳香族化合物の製造法としては極めて有用である。このようなタイプの反応は既に種々の方法が知られており、p−トルエンスルホニル化した後、求核剤と反応する例がある(例えば非特許文献1、非特許文献2参照)。またトリフルオロメタンスルホニル化した後、求核剤と反応する例がある(例えば非特許文献3、非特許文献4参照)。しかしながら、前者の反応においては、芳香族化合物の置換基によっては求核剤がp−トルエンスルホニル基の硫黄部を攻撃し、フェノール類が脱離するという副反応が生じるという問題がある。また後者においては、その原料となるトリフルオロメタンスルホニルクロライド、もしくはトリフルオロメタンスルホン酸無水物が高価であり、安価に目的物を製造するには不適という問題があった。そこでフェノール類と、容易に、かつ安価に入手できる原料を用いて、短工程で選択性良く、かつ収率良く、置換芳香族化合物の製造方法の開発が望まれていた。
「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(Journal of the American Chemical Society)」,第81巻,p.2104−2109(1959年) 「ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry)」,第67巻,p.1277−1281(2002年) 「シンセシス(Synthesis)」,p.1145−1147(1990年) 「シンレット(Synlett)」,第10巻,p.1559−1562(1999年)
「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(Journal of the American Chemical Society)」,第81巻,p.2104−2109(1959年) 「ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry)」,第67巻,p.1277−1281(2002年) 「シンセシス(Synthesis)」,p.1145−1147(1990年) 「シンレット(Synlett)」,第10巻,p.1559−1562(1999年)
本発明の目的は、前記の問題点を克服し、フェノール類と、容易に、かつ安価に入手できる原料を用いて、短工程で選択性良く、かつ収率良く、置換芳香族化合物の製造方法を提供することである。
上記の課題を解決すべく鋭意検討を行い、上記の課題は下記の手段で達成できることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされるに至ったものである。すなわち、本発明は、
(1)下記一般式(II)で表される化合物と求核剤を反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表される化合物の製造方法。
一般式(I)
(1)下記一般式(II)で表される化合物と求核剤を反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表される化合物の製造方法。
一般式(I)
(式中、Xは置換基を表す。R1はハメットのσp値が0より大きい電子求引性の置換基を表す。mは1以上5以下の整数を表す。R2は置換基を表す。nは0以上4以下の整数を表す。mが2〜5のとき、複数のR1は互いに同じでも異なってもよく、nが2〜4のとき、複数のR2は互いに同じでも異なっていてもよい。また、複数のR1同士、R2同士もしくはR1とR2が互いに結合して環を形成してもよい。)
一般式(II)
一般式(II)
(式中、R1、R2、mおよびnは一般式(I)と同義である。R3、R4はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。ここでR3とR4が互いに結合して環を形成してもよい。pは1または2を表す。)
(2)前記一般式(II)で表される化合物が、下記一般式(III)で表される化合物と下記一般式(IV)で表される化合物を反応させて製造した化合物であることを特徴とする(1)に記載の製造方法。
一般式(III)
(2)前記一般式(II)で表される化合物が、下記一般式(III)で表される化合物と下記一般式(IV)で表される化合物を反応させて製造した化合物であることを特徴とする(1)に記載の製造方法。
一般式(III)
一般式(IV)
(一般式(III)、(IV)において、R1、R2、mおよびnは前記一般式(I)と同義であり、R3、R4およびpは前記一般式(II)と同義である。)
(3)前記の方法で製造された一般式(II)で表される化合物が、単離することなく反応混合物のまま用いることを特徴とする(2)項に記載の製造方法。
(4)R1がニトロ基であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の製造方法。
(5)前記一般式(I)において、Xが窒素原子、硫黄原子のいずれかでベンゼン環に結合する基であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の製造方法。
(6)mが1であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の製造方法。
(7)pが2であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の製造方法。
(8)R3およびR4がともにアルキル基であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の製造方法。
を提供するものである。
(3)前記の方法で製造された一般式(II)で表される化合物が、単離することなく反応混合物のまま用いることを特徴とする(2)項に記載の製造方法。
(4)R1がニトロ基であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の製造方法。
(5)前記一般式(I)において、Xが窒素原子、硫黄原子のいずれかでベンゼン環に結合する基であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の製造方法。
(6)mが1であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の製造方法。
(7)pが2であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の製造方法。
(8)R3およびR4がともにアルキル基であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の製造方法。
を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、フェノール類と、容易に、かつ安価に入手できる原料を用いて、短工程で選択性良く、かつ収率良く、置換基を有する芳香族化合物を製造することができる。
本発明について詳細に説明する。
本発明は、一般式(II)で表される化合物と求核剤を反応させることにより、一般式(I)で表される化合物を製造するものである。また、本発明においては、好ましくは一般式(II)で表される化合物は、一般式(III)で表されるフェノール類と一般式(IV)で表される化合物とから製造されたものである。
本発明を説明するに際し、本発明の一般式(II)で表される化合物の製造方法を限定するものではないが、説明の便宜上、好ましい工程である下記の第1工程を含めて、下記の反応スキームにまとめた。
本発明は、一般式(II)で表される化合物と求核剤を反応させることにより、一般式(I)で表される化合物を製造するものである。また、本発明においては、好ましくは一般式(II)で表される化合物は、一般式(III)で表されるフェノール類と一般式(IV)で表される化合物とから製造されたものである。
本発明を説明するに際し、本発明の一般式(II)で表される化合物の製造方法を限定するものではないが、説明の便宜上、好ましい工程である下記の第1工程を含めて、下記の反応スキームにまとめた。
本発明の該第2工程では、上記一般式(II)で表される化合物の−O−P(=O)−〔N(R3)(R4)〕pが結合するベンゼン環の炭素原子を求核剤、すなわち、上記反応スキームではX−またはX−Hが攻撃し、Xが置換するものである。
次に本発明で使用する一般式(I)、一般式(II)で表される化合物 、本発明で好ましく使用される一般式(III)、一般式(IV)で表される化合物について詳しく述べる。
一般式(I)において、Xは置換基を表す。この置換基としては、水酸基以外の置換基が好ましく、例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルキル基(直鎖または分岐で、好ましくは炭素数1〜30で、例えば、メチル、イソプロピル、t−ブチル、t−オクチル、n−オクタデシル)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30で、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは炭素数5〜30で、例えば、ビシクロ[3,2,1]オクト−2−イル)、アルケニル基(直鎖または分岐で、好ましくは2〜30で、例えば、ビニル、アリル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは炭素数4〜30で、例えば、シクロヘキセニル)、ビシクロアルケニル基(好ましくは炭素数5〜30で、例えば、ビシクロ[2,2,2]オクト−5−エン−2−イル)、アルキニル基(直鎖または分岐で、好ましくは炭素数2〜30で、例えば、エチニル、3−ペンテン−1−イニル)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30で、例えば、フェニル、ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくは、環構成原子に酸素原子、窒素原子、硫黄原子を少なくとも1個含む5〜7員環で、飽和環、不飽和環、芳香環のいずれでもよく、また縮環していてもよく、例えば、チエニル、フリル、イミダゾリル、インドリル、ピロリジル、ピラゾリジル、モルホリニル)、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30で、直鎖でも分岐でもよく、例えば、メトキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、n−オクタデシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30で、例えば、フェノキシ、ナフトキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくはヘテロ環部が前述のヘテロ環基で説明したものであり、例えば、ピリジルオキシ、イミダゾリルオキシ、プリニルオキシ、フリルオキシ、チエニルオキシ)、
一般式(I)において、Xは置換基を表す。この置換基としては、水酸基以外の置換基が好ましく、例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルキル基(直鎖または分岐で、好ましくは炭素数1〜30で、例えば、メチル、イソプロピル、t−ブチル、t−オクチル、n−オクタデシル)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30で、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは炭素数5〜30で、例えば、ビシクロ[3,2,1]オクト−2−イル)、アルケニル基(直鎖または分岐で、好ましくは2〜30で、例えば、ビニル、アリル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは炭素数4〜30で、例えば、シクロヘキセニル)、ビシクロアルケニル基(好ましくは炭素数5〜30で、例えば、ビシクロ[2,2,2]オクト−5−エン−2−イル)、アルキニル基(直鎖または分岐で、好ましくは炭素数2〜30で、例えば、エチニル、3−ペンテン−1−イニル)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30で、例えば、フェニル、ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくは、環構成原子に酸素原子、窒素原子、硫黄原子を少なくとも1個含む5〜7員環で、飽和環、不飽和環、芳香環のいずれでもよく、また縮環していてもよく、例えば、チエニル、フリル、イミダゾリル、インドリル、ピロリジル、ピラゾリジル、モルホリニル)、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30で、直鎖でも分岐でもよく、例えば、メトキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、n−オクタデシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30で、例えば、フェノキシ、ナフトキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくはヘテロ環部が前述のヘテロ環基で説明したものであり、例えば、ピリジルオキシ、イミダゾリルオキシ、プリニルオキシ、フリルオキシ、チエニルオキシ)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜30で、脂肪族アシル、芳香族アシル、ヘテロ環アシルが挙げられ、例えば、アセチル、ステアロイル、オレイル、ベンゾイル、アクリロイル、ニコチノイル)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜30で、例えば、カルバモイル、ジメチルカルバモイル、フェニルカルバモイル)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30で、メトキシカルボニルオキシ、オクトキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜30で、例えばフェノキシカルボニルオキシ、ナフトキシカルボニルオキシ)、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含み、好ましくは炭素数1〜30のアミノ基で、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジブチルアミノ、フェニルアミノ、ナフチルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30で、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、ニコチノイルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30で、例えば、アミノカルボニルアミノ、ジエチルアミノカルボニルアミノ、フェニルアミノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30で、メトキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30で、フェノキシカルボニルアミノ、ナフトキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30で、アルキルスルファモイルアミノ、アリールスルファモイルアミノが好ましく、例えば、メタンスルファモイルアミノ、ドデカンスルファモイルアミノ、シクロヘキサンスルファモイルアミノ、ベンゼンスルファモイルアミノ)、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数30までで、例えば、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(直鎖または分岐で、好ましくは炭素数1〜30で、例えば、メチルチオ、イソプロピルチオ、n−オクタデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30で、例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ)、ヘテロ環チオ基(ヘテロ環部が前述のヘテロ環基で説明したものが好ましく、例えば、イミダゾリルチオ、ピリジルチオ、キナゾリルチオ、チエニルチオ)、チオシアノ基、イソチオシアノ基、スルファモイル基(好ましくは炭素数30までのアルキルまたはアリールスルファモイル基で、例えばメチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル)、
スルホ基、アルキルまたはアリールスルフィニル基(好ましくは炭素数30までで、例えば、メチルスルフィニル、フェニルスルフィニル)、アルキルまたはアリールスルホニル基(好ましくは炭素数30までで、例えばメチルスルホニル、フェニルスルホニル)、イミド基(好ましくは炭素数30までで、例えば、スクシンイミド、フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは炭素数30までで、例えばジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは炭素数30までで、例えば、ジメチルホスホスフィニル、ジフェニルホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは炭素数30までで、例えば、ジエチルホスフィニルオキシ、ジフェニルホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは炭素数30までで、例えば、ジエチルホスフィニルアミノ、ジフェニルホスフィニルアミノ)等が挙げられる。
なお、上述の置換基はさらに置換基で置換されていてもよく、該置換基としては上述の基が挙げられる。
Xは、好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、又は炭素原子でベンゼン環に結合する基であり、より好ましくは窒素原子、又は硫黄原子でベンゼン環に結合する基であり、さらに好ましくは硫黄でベンゼン環に結合する基であり、最も好ましくはアルキルチオ基、アリールチオ基である。
なお、一般式(II)と反応させる求核剤としてはXアニオン、もしくはXに水素原子あるいは金属原子が結合した化合物が挙げられる。
求核剤の例としては、アミン類(例えばアンモニア、ジエチルアミン、ドデシルアミン、ピロリジン等)、アニリン類(例えばアニリン、N−メチルアニリン等)、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、i−プロパノール、n−ドデカノール等)、フェノール類(例えばフェノール、p−クロルフェノール等)、チオール類(例えばメチルメルカプタン、i−プロピルメルカプタン、2−エチルヘキシルメルカプタン等)、チオフェノール類(例えばチオフェノール、p−ドデシルチオフェノール等)、イミド類(例えばスクシンイミド等)、活性メチレン化合物(例えばマロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル等)、およびこれらの塩類、アルキルまたはアリールグリニャール試薬(例えばメチルグリニャール試薬、フェニルグリニャール試薬等)、有機銅試薬(例えばリチウムジメチル銅等)、アルキルまたはアリールリチウム(例えばn−ブチルリチウム等)、シアン化物塩、硫化物塩、アジ化物塩、ハロゲン化物塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩、亜硫酸塩等が挙げられる。
求核剤の例としては、アミン類(例えばアンモニア、ジエチルアミン、ドデシルアミン、ピロリジン等)、アニリン類(例えばアニリン、N−メチルアニリン等)、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、i−プロパノール、n−ドデカノール等)、フェノール類(例えばフェノール、p−クロルフェノール等)、チオール類(例えばメチルメルカプタン、i−プロピルメルカプタン、2−エチルヘキシルメルカプタン等)、チオフェノール類(例えばチオフェノール、p−ドデシルチオフェノール等)、イミド類(例えばスクシンイミド等)、活性メチレン化合物(例えばマロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル等)、およびこれらの塩類、アルキルまたはアリールグリニャール試薬(例えばメチルグリニャール試薬、フェニルグリニャール試薬等)、有機銅試薬(例えばリチウムジメチル銅等)、アルキルまたはアリールリチウム(例えばn−ブチルリチウム等)、シアン化物塩、硫化物塩、アジ化物塩、ハロゲン化物塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩、亜硫酸塩等が挙げられる。
一般式(I)、一般式(II)および一般式(III)において、R1はハメットの置換基定数σp値が0より大きい電子求引性の置換基を表す。
なお、ハメットの置換基定数σpについては、例えば稲本直樹著「ハメット則−構造と反応性−」(丸善)、「新実験化学講座14・有機化合物の合成と反応V」2605頁(日本化学会編、丸善)、仲矢忠雄著「理論有機化学解説」217頁(東京化学同人)、ケミカル・レビュー(91巻),165〜195頁(1991年)等の成書に詳しく解説されている。
R1としては、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルキルまたはアリールスルホニル基、アルキルまたはアリールスルファモイル基、トリフルオロメチル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルキルまたはアリールカルバモイル基などが挙げられる。
R1は置換基を有していてもよく、置換基の例としては前記Xの置換基として挙げたものが挙げられる。好ましくはR1 は、ハメットのσp値が0.4より大きい電子求引性の置換基であり、より好ましくはハメットのσp値が0.6より大きい電子求引性の置換基であり、最も好ましくはニトロ基である。
一般式(I)、一般式(II)および一般式(III)において、mは1〜5の整数を表す。好ましくはmは1〜3の整数であり、より好ましくはmは1〜2の整数であり、最も好ましくはmは1である。
一般式(I)、一般式(II)および一般式(III)において、R2は置換基を表す。この置換基の例としては前記Xの置換基として挙げたものが挙げられる。
一般式(I)、一般式(II)および一般式(III)において、nは0〜4の整数を表す。好ましくはnは0〜3の整数であり、より好ましくはnは0〜2の整数である。
一般式(I)、一般式(II)および一般式(III)において、複数のR1同士、R2同士、またはR1とR2が互いに結合して環を形成してもよい。該環としては、芳香族であっても非芳香族であってもよく、また脂環式であってもヘテロ環式であっても良い。
一般式(II)および一般式(IV)において、R3、R4はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
該アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、例えばメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、ドデシル、2−エチルヘキシルが挙げられる。該シクロアルキル基としては、好ましくは炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルキル基で、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルが挙げられる。
該アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、例えばメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、ドデシル、2−エチルヘキシルが挙げられる。該シクロアルキル基としては、好ましくは炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルキル基で、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルが挙げられる。
アリール基としては、好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換、単環もしくは縮環のアリール基で、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニルが挙げられる。
ヘテロ環基としては、前述のXにおけるヘテロ環基が好ましく、5員または6員環のものがより好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、該へテロ環基におけるヘテロ環は、芳香族ヘテロ環であっても非芳香族ヘテロ環であっても良い。例えば、ヘテロ環基におけるヘテロ環としては、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。
好ましくはR3、R4はアルキル基であり、より好ましくはメチル基もしくはエチル基であり、最も好ましくはメチル基である。
一般式(II)および一般式(IV)において、R3とR4は互いに結合して環を形成してもよい。該環としては、芳香族性、非芳香族性のいずれでもよく、また脂環式、ヘテロ環式のいずれでもよいが、非芳香族性の環が好ましい。
一般式(II)および一般式(IV)において、pは1または2を表す。好ましくはpは2である。なお、pが2の場合、2個の−N(R3)R4は同じでも異なっていてもよく、また、pが1の場合、2個のフェノキシ基は同じでも異なっていてもよい。
次に本発明の一般式(I)で表される化合物について具体例を挙げるが、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
次に本発明の一般式(II)で表される化合物について具体例を挙げるが、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
一般式(III)で表されるフェノール化合物は、既知の種々の合成法により製造することができる。また一般式(IV)で表わされる化合物は既知の種々の合成法により製造することができるが、オキシ塩化リンとジアルキルアミンから合成する方法が安価であり好ましい。
前記の反応スキームにおける第1工程および第2工程はそれぞれ、あるいは一貫して無溶媒で行ってもよいし、適当な溶媒に溶解または分散して行ってもよい。本発明の反応に用いることのできる溶媒としては、例えば、水、アルコール系溶媒(例えばメタノール、イソプロパノール)、塩基系溶媒(例えばジクロロメチレン)、芳香族系溶媒(例えば、ベンゼン、クロルベンゼン、トルエン)、アミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル)、エーテル系溶媒(例えばテトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテル)、スルホン系溶媒(例えばジメチルスルホン、スルホラン)、リン酸アミド系溶媒(例えばヘキサメチルホスホリックトリアミド)または炭化水素系溶媒(例えばシクロヘキサン、ノルマルヘキサン)が挙げられる。
これらの溶媒は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。特に水と、水と混合しない有機溶媒を併用し、2層系で反応を行うことも好ましい。また一貫法で行う時は、第2工程の時に別の溶媒を加えてもよい。溶媒の使用量は第1工程においては一般式(III)で表される化合物の1質量部当たり、第2工程においては一般式(II)で表される化合物の1質量部当たり、それぞれ0.1〜1000質量部好ましくは、0.5〜100質量部、さらに好ましくは1〜50質量部の割合である。
本発明の方法においては第1工程において、あるいは第2工程において、好ましくは第1工程、第2工程ともに塩基を使用することが好ましい。本発明に用いることのできる塩基としては、例えば水酸化化合物(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラブチルアンモニウム)、炭酸化合物(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸テトラブチルアンモニウム)、アミン類(例えば、アンモニア、トリエチルアミン)、アニリン類(例えば、ジエチルアニリン)、芳香族ヘテロ環類(例えば、ピリジン、イミダゾール)、グアニジン類(例えばテトラメチルグアニジン)、重炭酸化合物(例えば重曹)、含窒素ヘテロ環類(例えば1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン)、酢酸化合物(例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム)、有機化合物の金属塩(例えばナトリウムメトキシド)などが挙げられる。
これらの塩基は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用しても良い。塩基の使用量は第1工程においては一般式(III)で表される化合物の1モル当たり、第2工程においては一般式(II)で表される化合物の1モル当たり、それぞれ0.1〜100モル好ましくは、0.5〜10モル、さらに好ましくは1〜5モルの割合である。
また、本発明の方法においては第1工程において、あるいは第2工程において、もしくは第1工程、第2工程ともに相関移動触媒を使うことも好ましい。該相間移動触媒としてはアンモニウム塩(例えばテトラブチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド)、ホスフィニウム塩(例えば、テトラブチルホスフィニウムブロマイド)などが挙げられ、さらに好ましくはアンモニウム塩が使用される。相間移動触媒の使用量としては、一般式(I)で表される化合物の1モル当たり、好ましくは0.001 〜10モル、より好ましくは0.01〜1モル、さらに好ましくは0.05〜0.5モルの割合で使用される。
第2工程において、求核剤の使用量は一般式(II)で表される化合物の1モル当たり0.001〜100モル、好ましくは0.01〜50モル、さらに好ましくは0.1〜20モル、特に好ましくは0.1〜10モルの割合である。
第2工程においては、第1工程において調製した一般式(II)で表される化合物を単離して用いても良いが、単離をせずに一般式(II)で表される化合物を含む溶液(反応混合物)をそのまま用いることがより好ましい。
第2工程においては、第1工程において調製した一般式(II)で表される化合物あるいはその溶液中に、求核剤あるいはその溶液を添加してもよいし、逆に求核剤あるいはその溶液に一般式(II)で表される化合物あるいはその溶液を添加してもよい。本反応の反応温度は第1工程、第2工程ともに特に制限はないが、−50℃〜150℃の範囲で実施可能であり、好ましくは−10℃〜80℃の範囲で実施でき、特に好ましくは0℃〜60℃の範囲で実施できる。
以下に本発明の具体的製造例を挙げるが本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1(例示化合物(1)の合成)
以下の反応スキームのように合成した。
実施例1(例示化合物(1)の合成)
以下の反応スキームのように合成した。
4−t−ブチル−2−ニトロフェノール0.980g(0.00502モル)、ビス(ジメチルアミノ)ホスホリルクロライド1.05g(純度90%、0.00554モル)をアセトニトリル5.00mlに溶解し、トリエチルアミン1.05ml(0.00753モル)を加え、70℃にて6時間攪拌した。反応液に酢酸エチル、水を加えて抽出し、有機層を0.1N炭酸カリウム水溶液、希塩酸水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、1.59g(0.00483モル)の例示化合物(21)を淡黄色油状物として得た。収率96%。
1H−NMR (in CDCl3, 270 MHz) δ = 1.30 (s, 9H, t−Bu), 2.70 (s. 6H, −NCH3), 2.74 (s, 6H, −NCH3), 7.48 (d, 1H, J = 8.9 Hz), 7.53 (dd, 1H, J = 2.7, 8.9 Hz), 7.91 (br.d, J = 2.7 Hz).
1H−NMR (in CDCl3, 270 MHz) δ = 1.30 (s, 9H, t−Bu), 2.70 (s. 6H, −NCH3), 2.74 (s, 6H, −NCH3), 7.48 (d, 1H, J = 8.9 Hz), 7.53 (dd, 1H, J = 2.7, 8.9 Hz), 7.91 (br.d, J = 2.7 Hz).
例示化合物(21)0.160g(0.000486モル)、2−エチルヘキシルメルカプタン0.0800g(0.000547モル)、テトラブチルアンモニウムブロミド0.0200g(0.0000620モル)をトルエン0.850mlに溶解し、25%水酸化ナトリウム水溶液0.850mlを加えて80℃にて4時間撹拌した。反応液に酢酸エチル、水を加えて抽出し、有機層を希塩酸水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒を溶離液として用いて精製し、0.150g(0.000464モル)の例示化合物(1)を黄色油状物として得た。収率93.8%。
1H−NMR (in CDCl3, 270 MHz) δ = 0.80−0.90 (m, 6H, −CH3 x 2),1.20−1.60 (m, 8H, −CH2), 1.60−1.72 (m, 1H, −CH) 1.32 (s, 9H, t−Bu), 2.87 (d, 2H, J =6.2 Hz), 7.33 (d, 1H, J = 8.9 Hz), 7.55 (dd, 1H, J = 2.4, 8.9 Hz), 8.16 (br.d, J = 2.4 Hz).
1H−NMR (in CDCl3, 270 MHz) δ = 0.80−0.90 (m, 6H, −CH3 x 2),1.20−1.60 (m, 8H, −CH2), 1.60−1.72 (m, 1H, −CH) 1.32 (s, 9H, t−Bu), 2.87 (d, 2H, J =6.2 Hz), 7.33 (d, 1H, J = 8.9 Hz), 7.55 (dd, 1H, J = 2.4, 8.9 Hz), 8.16 (br.d, J = 2.4 Hz).
実施例2(例示化合物(4)の合成)
以下の反応スキームのように合成した。
以下の反応スキームのように合成した。
例示化合物(21)3.29g(0.010モル)、ジエチルアミン2.19g(0.030モル)をDMF15mlに溶解し、80℃にて12時間撹拌した。反応液に酢酸エチル、水を加えて抽出し、有機層を希塩酸水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒を溶離液として用いて精製し、2.05g(0.082モル)の例示化合物(4)を橙黄色油状物として得た。収率82.0%。
実施例3(例示化合物(1)の合成)
以下の反応スキームのように合成した。
以下の反応スキームのように合成した。
オキシ塩化リン0.460ml(0.00501モル)をトルエン4.90mlに溶解し、4−t−ブチル−2−ニトロフェノール0.980g(0.00502モル)を添加した後、トリエチルアミン0.770ml(0.00552モル)を0℃にて滴下し、20℃にて2時間攪拌した。さらにジエチルアミン1.05ml(0.0100モル)、トリエチルアミン1.40ml(0.0100モル)を滴下し、80℃にて2時間攪拌した。酢酸エチル、水を加えて抽出し、有機層を0.1N炭酸カリウム水溶液、希塩酸水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、0.270g(0.000532モル)の例示化合物(26)を淡黄色油状物として得た。収率21%。
1H−NMR (in CDCl3, 270 MHz) δ = 1.30 (s, 9H, t−Bu), 3.00−3.20 (m, 8H, −CH2), 7.51 (dd, 1H, J = 2.7, 8.9 Hz), 7.71 (dd, 1H, J = 1.0, 8.9 Hz), 7.78 (br.dd, J = 1.0, 2.7 Hz).
1H−NMR (in CDCl3, 270 MHz) δ = 1.30 (s, 9H, t−Bu), 3.00−3.20 (m, 8H, −CH2), 7.51 (dd, 1H, J = 2.7, 8.9 Hz), 7.71 (dd, 1H, J = 1.0, 8.9 Hz), 7.78 (br.dd, J = 1.0, 2.7 Hz).
例示化合物(26)0.200g(0.000394モル)、2−エチルヘキシルメルカプタン0.120g(0.000820モル)、テトラブチルアンモニウムブロミド0.025g(0.0000776モル)をトルエン1.00mlに溶解し、25%水酸化ナトリウム水溶液1.00mlを加えて80℃にて3時間撹拌した。反応液に酢酸エチル、水を加えて抽出し、有機層を希塩酸水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒を溶離液として用いて精製し、0.195g(0.000603モル)の例示化合物(1)を黄色油状物として得た。収率76.5%。
1H−NMR、TLCのRf値などの物性値は実施例1の方法で製造したサンプルとよい一致を示した。
1H−NMR、TLCのRf値などの物性値は実施例1の方法で製造したサンプルとよい一致を示した。
比較例1(例示化合物(1)の合成)
以下の反応スキームのようにp−トルエンスルホニル体を経由して合成した。
以下の反応スキームのようにp−トルエンスルホニル体を経由して合成した。
4−t−ブチル−2−ニトロフェノール19.5g(0.100モル)、トリエチルアミン16.7ml(0.120モル)を塩化メチレン100mlに溶解し、水冷下p−トルエンスルホニルクロライド21.0g(0.110モル)を加え、室温にて4時間攪拌した。反応液に酢酸エチル、水を加えて抽出し、有機層を0.1N炭酸カリウム水溶液、希塩酸水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチル/ヘキサン混合溶液から晶析し、化合物(A−1)30.9g(0.0884モル)を淡黄色結晶として得た。収率88.4%。
1H−NMR (in CDCl3, 270 MHz) δ = 1.32 (s, 9H, t−Bu), 2.45 (s, 3H, −CH3), 7.32 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 7.59 (dd, 1H, J = 2.4, 8.6 Hz), 7.77 (d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.86 (d, 1H, J = 2.4 Hz).
1H−NMR (in CDCl3, 270 MHz) δ = 1.32 (s, 9H, t−Bu), 2.45 (s, 3H, −CH3), 7.32 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 7.59 (dd, 1H, J = 2.4, 8.6 Hz), 7.77 (d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.86 (d, 1H, J = 2.4 Hz).
化合物(A−1)3.49g(0.010モル)、2−エチルヘキシルメルカプタン1.75g(0.012モル)、テトラブチルアンモニウムブロミド0.28g(0.0010モル)をトルエン15mlに溶解し、25%水酸化ナトリウム水溶液5mlを加えて60℃にて1時間撹拌した。反応液に酢酸エチル、水を加えて抽出し、有機層を希塩酸水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒を溶離液として用いて精製したところ、1.46g(0.00452モル)の例示化合物(1)(収率45.2%)と0.94g(0.00482モル)の4−t−ブチル−2−ニトロフェノールが得られた。
比較例1のようにp−トルエンスルホニル体経由では反応の選択性が悪いことがわかる。一方、本発明である実施例1〜3はいずれも反応の選択性に優れていた。
比較例1のようにp−トルエンスルホニル体経由では反応の選択性が悪いことがわかる。一方、本発明である実施例1〜3はいずれも反応の選択性に優れていた。
Claims (4)
- 下記一般式(II)で表される化合物と求核剤を反応させることを特徴とする下記一般式(I)で表される化合物の製造方法。
一般式(I)
一般式(II)
- R1がニトロ基であることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記一般式(I)において、Xが窒素原子、硫黄原子のいずれかでベンゼン環に結合する基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
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JP2004212024A JP2006028126A (ja) | 2004-07-20 | 2004-07-20 | 置換芳香族化合物の製造方法 |
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