JP2655359B2 - 芳香族求核置換反応による芳香族アミン類、芳香族アルコール類、芳香族チオール類の合成法 - Google Patents

芳香族求核置換反応による芳香族アミン類、芳香族アルコール類、芳香族チオール類の合成法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は芳香族アミン誘導体、芳香族アルコール誘導
体あるいは芳香族チオール誘導体の新規な合成法に関
し、さらに詳しくは分子内の置換基の関与を利用した芳
香族求核置換反応によって選択的かつ効率的に芳香族ア
ミン誘導体、芳香族アルコール誘導体あるいは芳香族チ
オール誘導体を合成する方法に関する。
(背景技術) 化学工業における芳香族アミン誘導体、芳香族アルコ
ール誘導体あるいは芳香族チオール誘導体の重要性は述
べるまでもなく明白である。特に、医薬、農薬、染料、
写真感光材料等のファインケミカル分野においては、必
要とされるこれら誘導体も非常に複雑なものが多く、そ
の効率的かつ選択性の高い合成法が求められている。
芳香族アミン誘導体についてはアニリン誘導体が特に
重要であり、この合成法については成書に詳しいが、例
えば、ベンゼン誘導体のニトロ化、還元により合成する
方法、あるいは、フェノール類のジアゾカップリング後
に還元する方法、フェノール類のニトロソ化後還元する
方法、芳香族求核置換反応によりアミンとベンゼン誘導
体から合成する方法、安息香酸アミド誘導体の転移反応
を利用する方法、アセトフェノンオキシム誘導体の転移
反応を利用する方法等枚挙にいとまがない。
また、芳香族アルコール類についてはフェノール誘導
体が最も重要であるが、この合成についてもアリールス
ルホン酸類のアルカリ溶融による方法、アシルベンゼン
類の過酸による転移反応を利用する方法、芳香族求核置
換反応によりハロベンゼン類と水酸イオンにより合成す
る方法、ジアゾニウム塩の加溶媒分解による方法等種々
知られている。
チオフェノール類については、芳香族求核置換反応に
よりハロベンゼン類と硫化水素イオンあるいはその等価
体の反応によって合成する反応、アリールスルホニルハ
ライドの還元反応、スルフェニルハライドを用いたフリ
ーデル−クラフツ反応の後に、適当な方法で脱ブロック
する反応等が知られている。
これらの反応の中で、芳香族求核置換反応を用いて、
アミノ基、ヒドロキシル基あるいはメルカプト基を導入
する反応は、比較的複雑な置換基を有する芳香環に対し
ても一般性があるためにしばしば用いられる。この反応
においては、アミノ基を導入する場合にはアミンを、ヒ
ドロキシル基を導入する場合には水酸イオンを、メルカ
プト基を導入する場合には硫化水素イオンを用いること
になる。
しかしながら、これらの反応は一般に塩基性条件下で
行われ、時として過酷な反応条件を必要とするために、
加圧下での反応を必要としたり、塩基性条件に対して反
応性を有する官能基、例えば、アルコキシカルボニル
基、シアノ基等が存在する場合には、予め官能基を保護
しておくか、別の官能基に一旦変換しておくことが必要
となる場合や、求核置換による反応を断念せざるをえな
い場合が生じる。
また、反応点が二つ以上存在する場合に、アミン、水
酸イオン、硫化水素イオンを用いると、所望の位置に選
択的に導入することが困難な場合が多い。
このような事情から、アミノ基を導入する場合には保
護されたアミノ基、例えば、フタルイミド、ベンゼンス
ルホンアミド等が用いられ、ヒドロキシル基を導入する
場合には保護された水酸基、例えば、酢酸などのカルボ
ン酸類、メタノールなどのアルコール類が用いられる。
また、メルカプト基を導入する場合には保護されたメル
カプト基、例えば、キサントゲン酸やチオ尿素類等が使
用される。
(発明が解決しようとする課題) しかし、これらの方法を用いても、特にアミノ基や水
酸基を導入する場合においては、保護されたアミノ基や
水酸基を用いると、一般的にpKaの低下をまねくため、
なおさら過酷な反応条件を必要とする場合が出てくる。
このため、先に述べたように塩基性条件下に耐えない官
能基、求核剤である保護されたアミノ基や水酸基と反応
性を有する官能基が存在する場合などで、問題を残すこ
とになる。
このため、可能な限り穏やかな条件で、これらの官能
基を導入する方法が望まれている。
従って、本発明の目的は、第一に、穏やかな条件でア
ミノ基、水酸基、メルカプト基を導入することが可能と
なる芳香族求核置換反応を開発することである。本発明
の第二の目的は反応点が二つ以上存在する場合に、選択
的にアミノ基、水酸基、メルカプト基を導入することが
可能となる芳香族求核置換反応を開発することにある。
本発明の第三の目的は、穏やかな条件下、選択的にアミ
ノ基、水酸基、メルカプト基を導入し、簡便、且つ効率
的に芳香族アミン類、芳香族アルコール類あるいは芳香
族チオール類を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、芳香族求核置換反応によってアミノ
基、水酸基、メルカプト基を導入する方法について検討
を行った。その中でも特に、エステルやニトリルのよう
に求核性種に対して反応性を有する化合物に対する導入
とアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、
アリールチオ基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、
沃素)等の芳香族求核置換反応において良い脱離基とな
るものによって複数個置換された芳香環に対して選択的
な置換可能な反応の開発を検討した。
この結果、本発明者らは、一般式(I) 〔式(I)中、 Q1はベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピリミ
ジン環、ピラジン環、トリアジン環、フラン環、ピロー
ル環、チオフェン環、イミダゾール環又はトリアゾール
環を形成する基を表わし、 EWGはハメットのσ値で正の値を有する基を表わ
し、 mは1〜5の整数を表わし、 Xは一般式(III) (式(III)中、 R4は水素原子、アリール基又はアルキル基を表わし、 Q2はベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピリミ
ジン環、ピラジン環、トリアジン環、フラン環、ピロー
ル環、チオフェン環、イミダゾール環又はトリアゾール
環を形成する基を表わし、 Z1及びZ2はそれぞれ酸素原子又は硫黄原子を表わ
す。) で表わされる基を表わし、 nは1〜3の整数を表わす。〕 で表わされる化合物と一般式(II) M−Y (II) 〔式(II)中、 Mは水素原子、金属原子又はアンモニウムを表わし、 Yは−NHR1基、−OR1基又は−SR1基を表わし、 R1は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環残
基、−NR2R3基又は−OR2基を表わし、R2及びR3はそれぞ
れ水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環残基
を表わす。〕 で表わされる求核剤とを反応させることを特徴とする芳
香族求核置換反応による芳香族アミン類、芳香族アルコ
ール類又は芳香族チオール類の合成法により、上記課題
が解決されることを見出した。
即ち、本発明の特徴は、第一に芳香族環に直接アミノ
基、水酸基、メルカプト基を導入するのではなく、一
旦、穏やかな条件で芳香族環に導入が可能なフェノール
類やチオフェノール類で置換した化合物とし、この後
に、所望の官能基、例えば、アミノ基、ヒドロキシル基
等、に相当する化合物を作用させ、結果的に所望の位置
に所望の官能基を有する芳香族環を得ることにある。
本発明の特徴の第二は、前述したように、本発明では
予め芳香族求核置換を行う位置にフェノールあるいはチ
オフェノールを導入するが、このフェノールあるいはチ
オフェノールの2位をカルボニル基又はチオカルボニル
基のような親電子性の基で置換しておくことである。本
発明の最大の特徴はこの点であって、下記スキームのよ
うに、この2位の置換基に対して、導入する求核剤が先
ず付加を行い、ついで、芳香族求核置換を行う位置に対
して、分子外から持ち込まれた求核剤の孤立電子対ある
いは求核剤の付加によって親電子性中心から生成した孤
立電子対が付加することによって、6員環のマイゼンハ
イマー錯体中間体(A)又は(B)が生成すると推定さ
れる。このマイゼンハイマー錯体が生成物へと分解し、
目的の化合物が得られる。換言すれば、本発明において
は、芳香族求核置換での求核種が、分子間反応によって
新たに生成することが特徴である。
従って、本発明の反応機構は下記の通りと推定される
(但し、便宜上n=1の場合を表わす)。
上記反応スキームにおいて、経路(1)はYが−NHR1
基、−OH基又は−SH基を表わす場合であり、マイゼンハ
イマー錯体(A)においてY0は−NR1−、−O−又は−
S−を表わす(但し、例外としてZ2及びYがそれぞれ−
S−及び−OH基を表わす場合は経路(2)を経由す
る)。一方、経路(2)はYが−OR1基又は−SR1基(但
し、R1が水素原子を表わす場合を除く)を表わす場合を
示す。経路(2)において、Y′は=O又は=Sを表わ
す。
また、上記反応において、Yが二級アミン(−NR
2基)を表わす場合にはYが一級アミンを表わす場合に
比べて反応が非常に遅くなることも判った。
更に、nが2又は3を表わす場合には、上記反応スキ
ームに従い、結果的に全ての−X基を−Y基又は−Z2H
基に置換することができる。
ここで述べた6員環のマイゼンハイマー錯体を経由す
る芳香族求核置換反応に類似の反応として、スマイルス
転移が一般に知られている。スマイルス転移において
は、求核種は分子内の求核性の孤立電子対である。本発
明においては、分子間の求核付加反応により新たな求核
性種が生成する点が新規な点となっており、このことが
種々のメリットを生み出している。
求核付加反応によって新たに求核性種が生成すること
によって生ずるメリットとしては、第一に、導入する求
核剤は分子外から供給するので、任意に選択することが
できること。第二には、スマイルス転移においては一般
に目的物を得るために脱保護工程を必要とするのに対し
て、本発明の方法では直接目的物を得ることができ、脱
保護工程を必要としないこと。第三には、本発明の方法
では、例えば、一級アミンは反応するのに対して、二級
アミン、三級アミンは反応しないため、容易に一級アミ
ンを他のアミンと区別できること(芳香族求核置換反応
において一級アミンと二級アミンを区別するのは一般に
容易ではない。)である。
また、一般的には芳香族求核置換反応においては律速
段階が分子間の求核付加反応となるが、本発明の方法で
は、これが分子内反応に変換されることを意味してい
る。従って、律速段階である求核付加反応が分子内反応
となることで、分子間反応としては最も活性と言われる
フッ素原子が離脱基である場合よりも大きな速度を得る
ことが出来る。このため、本発明の方法を用いることに
よって、反応が遅く高温を必要とし、場合によっては加
圧条件を必要とする反応においても、非常に穏和な条件
で行うことが可能となった。
次に、本発明の内容についてさらに詳しく述べる。
一般式(I)において、Q1は芳香族環を形成する基で
ある。芳香族基の例を挙げると、ベンゼン環、ナフタレ
ン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリア
ジン環、フラン環、ピロール環、チオフェン環、イミダ
ゾール環、トリアゾール環等を挙げることができる。こ
こで述べた芳香族環はさらに飽和あるいは不飽和の環と
縮合するものも含んでいる。
EWGはハメットのσ値で正の値を有する置換基を表
し、例としては以下の電子吸引性の基又は原子を挙げる
ことが出来る。
ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、カルボキシル基、
イソシアノ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子、沃素原子など)、ヨードシル基、ヨ
ージル基、ジアゾ基、アジド基、アシル基(置換されて
もよいアシル基。例えば、アセチル基、プロピオニル
基、ブチロイル基、iso−ブチロイル基、2,2−ジメチル
プロピオニル基、ベンゾイル基、3,4−ジクロロベンゾ
イル基、3−アセチルアミノ−4−メトキシベンゾイル
基、4−メチルベンゾイル基など)、スルホニル基(置
換されてもよいスルホニル基。例えば、メタンスルホニ
ル基、エタンスルホニル基、クロルメタンスルホニル
基、プロパンスルホニル基、ブタンスルホニル基、n−
オクタンスルホニル基、n−ドデカンスルホニル基、n
−ヘキサデカンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、
4−トルエンスルホニル基、4−n−ドデシルオキシベ
ンゼンスルホニル基など)、カルバモイル基(置換され
てもよいカルバモイル基。例えば、カルバモイル基、メ
チルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、ビス−
(2−メトキシエチル)カルバモイル基、ジエチルカル
バモイル基、シクロヘキシルカルバモイル基、ジ−n−
オクチルカルバモイル基、3−ドデシルオキシプロピル
カルバモイル基、ヘキサデシルカルバモイル基、3−
(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)プロピルカルバ
モイル基、3−オクタンスルホニルアミノフェニルカル
バモイル基、ジ−n−オクタデシルカルバモイル基な
ど)、スルファモイル基(置換されてもよいスルファモ
イル基、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイ
ル基、ジメチルスルファモイル基、ビス−(2−メトキ
シエチル)スルファモイル基、ジエチルスルファモイル
基、ジ−n−ブチルスルファモイル基、メチル−n−オ
クチルスルファモイル基、n−ヘキサデシルメチルスル
ファモイル基、3−エトキシプロピルメチルスルファモ
イル基、N−フェニル−N−メチルスルファモイル基、
4−デシルオキシフェニルスルファモイル基、メチルオ
クタデシルスルファモイル基など)、アルコキシカルボ
ニル基(置換されてもよいアルコキシカルボニル基。例
えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、
ドデシルオキシカルボニル基、2−メトキシエトキシカ
ルボニル基など)、アリールオキシカルボニル基(置換
されてもよいアリールオキシカルボニル基。例えば、フ
ェノキシカルボニル基、4−ニトロフェノキシカルボニ
ル基、2−メトキシフェノキシカルボニル基など)。
好ましくはmは1〜5の整数を表わすが、EWGのう
ち、少なくとも一つはニトロ基、シアノ基、スルホニル
基、アシル基、スルファモイル基及びアルコキシカルボ
ニル基の中から選ばれることが好ましい。mが2以上の
時、EWGは同じであっても、それぞれ異なっていても良
い。
Xは一般式(III)で表わされる芳香族求核置換反応
における離脱基を表わす。
一般式(III)において、R4は水素原子、アリール基
またはアルキル基を表わす。アリール基の例としては、
置換されてもよいアリール基、例えば、フェニル基、ナ
フチル基、3−クロロフェニル基、2−メタンスルホニ
ル−4−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4
−メトキシフェニル基、4−アセチルアミノフェニル
基、4−メタンスルホニルフェニル基、2,4−ジメチル
フェニル基、4−テトラデシルオキシフェニル基などが
あり、アルキル基の例としては、置換されてもよいアル
キル基、例えば、メチル基、トリフルオロメチル基、ベ
ンジル基、クロロメチル基、エトキシカルボニルメチル
基、エチル基、カルボキシエチル基、アリル基、n−プ
ロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、n−ペンチ
ル基、n−オクチル基などがある。
nは1〜3の整数を表わすが、好ましくは1である。
R4は好ましくは水素原子である。
Q2は芳香族環を形成する基を表わす。芳香族環の例は
Q1で述べたものと同じであるが、Q2の好ましい例はベン
ゼン環、ナフタレン環である。また、置換基を有してい
てもよい。
一般式(II)において、Yは−NHR1基、−OR1基、−S
R1基を表わす。R1は水素原子、アルキル基、アリール
基、ヘテロ環残基、−NR2R3基または−OR2基を表わす。
R1の例を挙げる。
R1は水素原子の他、アルキル基(置換されてもよいア
ルキル基、例えば、メチル基、トリフルオロメチル基、
ベンジル基、クロロメチル基、エトキシカルボニルメチ
ル基、エチル基、カルボキシエチル基、アリル基、n−
プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、n−ペン
チル基、n−オクチル基など)、アリール基(置換され
てもよいアリール基、例えば、フェニル基、ナフチル
基、3−クロロフェニル基、2−メタンスルホニル−4
−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−メト
キシフェニル基、4−アセチルアミノフェニル基、4−
メタンスルホニルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル
基、4−テトラデシルオキシフェニル基など)、ヘテロ
環残基(置換されてもよいヘテロ環残基、例えば、2−
イミダゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、2
−ベンゾオキサゾリル基など)を表わす。
R1はさらにそれ自体が−NR2R3基または−OR2基であっ
てもよく、ここで、R2、R3はそれぞれ水素原子、アルキ
ル基、アリール基又はヘテロ環残基を表わし、具体的な
例としては、R1で述べたものと同じものを挙げることが
できる。
Mは水素原子、金属原子又はアンモニウムを表わす。
金属原子としてはリチウム、ナトリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、銀、銅などが好ましい。
アンモニウムとしては4級アンモニウムが好ましい。
以下に本発明に含まれる合成法の一般的方法を示す。
本発明の一般式(I)で表わされる化合物は従来公知
の種々の方法を適宜用いることにより合成することがで
きる。
本発明では前述の如く、芳香族環においてアミノ基、
水酸基又はメルカプト基を導入すべき位置に一般式(II
I)で表わされるX基を導入する必要がある。例えば、
一般式(I)で表わされる化合物を得るのに、大別して
以下の三つの方法がある(以下の各スキームにおいて、
Q1及びQ2に相当する芳香族環は便宜上フェニル基を表わ
す場合について説明する。) (I)アミノ基等を導入すべき位置にハロゲンを有する
芳香族求核置換反応に対して活性な芳香族ハライド〔一
般式(IV)〕と一般式(V)で表わされる基(例えばサ
リチルアルデヒド)をアプロティックな溶媒中で塩基性
条件下反応させることによって得る方法(スキーム
I)。
式(IV)において、Halはハロゲン原子(好ましくは
フッ素原子、塩素原子)を表わす。Z1、Z2、R4、EWG及
びmは上記定義の通りである。
(II)アミノ基等を導入すべき位置に水酸基又はメルカ
プト基を有する電子吸引性基によって置換された芳香族
アルコール〔一般式(VI)〕と2位にアシル基を有する
芳香族求核置換に対して活性なハライド〔一般式(VI
I)〕をアプロティックな溶媒中で塩基性条件下反応さ
せることによって得る方法(スキームII)。
式(VI)及び(VII)において、R5は電子吸引性基が
好ましい。ただし、R5のハメットのσ値はEWGにおけ
るハメットのσ値の合計を超えないことが好ましい。
また、Hal、Z1、Z2、R4、EWG及びmは上記定義の通りで
ある。
この方法は別の角度から見ると、水酸基を他の基に変
換する方法ということが出来、この点でも価値がある。
(III)アミノ基等を導入すべき位置にハロゲンを有す
る芳香族求核置換反応に対して活性な芳香族ハライド
〔一般式(IV)〕とフェノール又はチオフェノール〔一
般式(VIII)、例としてp−クレゾール〕をアプロティ
ックな溶媒中で塩基性条件下反応させ、この後に、アシ
ル化を行うことによって得る方法(スキームIII)。
式(VIII)において、R6はフェノキシ又はチオフェノ
キシのオルト位のアシル化を促進するような電子供与性
基であることが好ましい。
また、Hal、Z1、Z2、R4、EWG及びmは上記定義の通り
である。
上記の如くして得られた式(I)の化合物は、以下に
示す如き方法により、アミノ化、ヒドロキシル化又はメ
ルカプト化することができる。
(1)アミノ化 一般式(I)で表される化合物はプロティックな溶媒
(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール
など)もしくはアプロティックな溶媒(例えば、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセタミド、ジメチルスルホ
キシド、アセトニトリル、スルホランなど)またはこれ
らの混合溶媒中でアンモニアガス、アンモニア水、炭酸
アンモニウム等のアンモニウム塩類あるいは一級アミン
(溶液あるいはニート)と混合することにより容易に反
応し、芳香族アミン誘導体を与える。反応温度は導入す
るアミノ基の求核性と一般式(I)で表される化合物に
よってことなるが、0℃から80℃程度で反応を行うこと
が好ましい。
(2)ヒドロキシル化 ヒドロキシル化については、一般式(I)で表される
化合物のZ2は酸素原子である。このような化合物におい
てはプロティックな溶媒(メタノール、エタノール、イ
ソプロパノールなど)もしくはアプロティックな溶媒
(例えば、ホルムアミド、ジメチルアセタミド、ジメチ
ルスルホキシド、アセトニトリル、スルホランなど)ま
たはこれらの混合溶媒中で塩基(水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸
ナトリウムやアルコラート類など)と混合することで容
易に芳香族アルコールを与える。反応温度は一般的に0
℃から80℃で良好な結果を与える。
(3)メルカプト化 メルカプト化は一般式(I)で表わされる化合物のZ2
が硫黄原子の場合には、プロティックな溶媒(メタノー
ル、エタノール、イソプロパノールなど)もしくはアプ
ロティックな溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセタミド、ジメチルスルホキシド、アセトニト
リル、スルホランなど)またはこれらの混合溶媒中で塩
基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムやアルコラート類
など)と混合することで容易に芳香族チオールを得るこ
とができる。
また、一般式(I)で表される化合物のZ2が酸素原子
である場合には、一般式(II)で表される化合物はプロ
ティックな溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパ
ノールなど)あるいはアプロティックな溶媒(例えば、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセタミド、ジメチル
スルホキシド、アセトニトリル、スルホランなど)また
はこれらの混合溶媒中、Na2SあるいはNaHSを作用させる
ことで合成が可能である。
本発明で用いられる溶媒はほとんどの場合、どのよう
な溶媒であっても基質と求核剤が均一になっていれば反
応に進行するが、強い塩基性の条件を使用する際にはア
プロティックな溶媒の方が好ましい。
反応温度はアミノ化の項で述べたが、一般的には0℃
から80℃で良好な結果を与える。
本発明の方法を用いることによる有用な合成法の1つ
として、以下の例のようなアニリン(化合物C)の合成
をあげることができる。即ち、下記化合物Aにおいて
は、アンモニアあるいはp−トルエンスルホンアミドを
反応させた場合にはこれらの求核剤はアルコキシ基を置
換する。また、フタルイミドを求核剤として用いた場合
にはフタルイミドアニオンがクロル基を置換したものが
得られるが、非常に収率が悪く実用できる反応とは言い
がたい。
本発明の方法を前提とすることにより、先ず、サリチ
ルアルデヒドと化合物Aを反応し、選択的にクロル基を
置換し化合物Bを得ることができる。化合物Bはアンモ
ニアと室温下速やかに反応し、アニリンCを高収率で与
える。
結果として、本発明の方法は、これまでの方法では困
難であった位置選択的なアミノ化を、非常に効率良く行
うことを可能にした。
(実施例) 以下本発明を実施例により例証する。
実施例1(4−ニトロ−2−メタンスルホニル−5−
(2−メトキシエトキシ)アニリンの合成) 本発明の方法によれば、芳香族求核置換反応を速やか
に行わせるだけでなく、場合によっては通常の方法では
得られない選択性を得ることが可能となる。例えば、化
合物(D)を芳香族求核置換反応により、アミノ化を行
う場合、通常の方法ではアルコキシ基が選択的に置換さ
れてしまう。(スキーム1) ところが、o−ホルミルフェノキシ基の置換はニトロ
基のp−位で選択的に起こる。従って、本発明の方法に
よれば、芳香族求核置換反応が非常に加速されているた
めアミノ化はニトロ基の2位のアルコキシ基を置換せ
ず、o−ホルミルフェノキシ基が置換している位置で選
択的に起こる。(スキーム2) 化合物〔1〕は色相、堅牢性、溶解性に優れた2−ア
シルアミノ−1−ナフトールアゾ系のシアン色素のジア
ゾ成分アニリンとして有用な化合物である。
以下に本発明の方法を応用した4−ニトロ−2−メタ
ンスルホニル−5−(2−メトキシエトキシ)アニリン
(化合物〔1〕)の合成法を示す。
合成例1−1(2,4−ジクロロメタンスルホニルベンゼ
ンの合成) 85℃に加熱したメタンスルホン酸無水物0.3molにm−
ジクロロベンゼン22g(0.15mol)及びトリフルオロメタ
ンスルホン酸1.5ml(0.017mol)を添加した。反応液を1
25℃まで加熱し、その温度で7時間撹拌した。その後、
反応液を30℃まで冷却し、水300ml、イソプロピルアル
コール300mlの混合液に滴下したところ白色の結晶が析
出した。これを濾取し、水洗して2,4−ジクロロメタン
スルホニルベンゼンを得た。収量24g、収率72%。
1H NMR(CDCl3)δ8.11(1H,d,J=8.7Hz)、7.10(1
H,d,J=1.3Hz)、7.49(1H,dd,J=8.7Hz)、3.29(3H,
s) 合成例1−2(2,4−ジクロロ−5−メタンスルホニル
ニトロベンゼンの合成) 2,4−ジクロロメタンスルホニルベンゼン24gを濃硫酸
133gに溶解し、20℃で混酸(硝酸(d=1.38)12.4g/濃
硫酸16.3g)を滴下した。20℃で1時間撹拌したのち反
応液を氷水250mlに滴下し、析出した結晶を濾取、水
洗、乾燥し2,4−ジクロロ−5−メタンスルホニルニト
ロベンゼンを得た。収量28.6g、収率99%。
1H NMR(CDCl3)δ8.69(1H,s)、7.81(1H,s)、3.3
3(3H,s) 合成例1−3(2−メトキシエトキシ−4−クロロ−5
−メタンスルホニルニトロベンゼンの合成) 2,4−ジクロロ−5−メタンスルホニルニトロベンゼ
ン50gとメトキシエタノール150mlの混合液に、−5℃以
下に保ちながら水酸化カリウムのメトキシエタノール溶
液(水酸化カリウム14.6g/メトキシエタノール150ml)
を滴下した。反応を−2℃で30分行った後、濃塩酸4ml
を加えて中和した。中和された混合液を90℃まで加熱す
ると均一な溶液となった。これを70℃まで冷却したの
ち、温水220mlを滴下したところ、結晶が析出した。こ
れを濾過、乾燥し、2−メトキシエトキシ−4−クロロ
−5−メタンスルホニルニトロベンゼンを得た。収量50
g、収率87%。
1H NMR(CDCl3)δ8.65(1H,s)、7.36(1H,s)、4.3
9(2H,t,J=5.3Hz)、3.84(2H,t,J=5.3Hz)、3.48(3
H,s)、3.30(3H,s) 合成例1−4(4−(2−ホルミル)フェノキシ−5−
メタンスルホニル−2−メトキシエトキシニトロベンゼ
ンの合成) 4−クロロ−5−メタンスルホニル−2−メトキシエ
トキシニトロベンゼン45g、炭酸カリウム24.1g、DMF
(ジメチルホルムアミド)130mlの混合液に室温でサリ
チルアルデヒド19.5mlを滴下した。反応混合液を70℃ま
で加熱し、2時間反応した。反応液を室温まで冷却し
た。反応液を氷水250ml、アセトニトリル50ml、濃塩酸2
3mlの混合液に徐々に滴下したところ結晶が析出した。
この結晶を水洗、乾燥して4−(2−ホルミル)フェノ
キシ−5−メタンスルホニル−2−メトキシエトキシニ
トロベンゼンを得た。収量46.7g、収率81%。
1H NMR(CDCl3)δ10.21(1H,s)、8.69−6.50(6H,
m)、4.08(2H,t,J=5.8Hz)、3.69(2H,t,J=5.8H
z)、3.40(3H,s)、3.32(3H,s) 合成例1−5(4−ニトロ−2−メタンスルホニル−5
−メトキシエトキシアニリンの合成) 4−(2−ホルミル)フェノキシ−5−メタンスルホ
ニル−2−メトキシエトキシニトロベンゼン45g(15.2m
mol)のDMF溶液を5℃に冷却し、28%のアンモニア水溶
液45mlを反応液の温度が20℃を越えないように滴下し
た。滴下収量後、反応液を25℃まで昇温し、1時間撹拌
したのち、再び10℃まで冷却し、水200mlを滴下した。
生成した粗結晶を濾取したのちアセトニトリル50ml/メ
タノール50mlの混合液から再結晶し、4−ニトロ−2−
メタンスルホニル−5−メトキシエトキシアニリンを得
た。収量28g、収率89% 1H NMR(CDCl3)δ8.41(1H,s)、6.75(2H,bs)、6.
60(1H,s)、4.22(2H,t,J=5.7Hz)、3.82(2H,t,J=
5.7Hz)、3.46(3H,s)、3.10(3H,s) 実施例2(2−シアノ−4−メタンスルホニルアニリン
の合成) 合成例2−1(2−(2−ホルミル)フェノキシ−5−
メタンスルホニルベンゾニトリルの合成) 1.0gの2−クロロ−5−メタンスルホニルベンゾニト
リルを20mlのDMAC(ジメチルアセタミド)に添加し、こ
れに0.85gのサリチルアルデヒドを添加した。さらに炭
酸カリウム1gを添加し、80℃で2時間反応した。反応液
を希塩酸に注ぎ、析出した結晶を濾取した。得られた結
晶はアセトニトリルと少量の水の混合液から再結晶し
た。収率89%。
合成例2−2(2−シアノ−4−メタンスルホニルアニ
リンの合成) 合成例2−1で合成した2−(2−ホルミル)フェノ
キシ−5−メタンスルホニルベンゾニトリル1.0gをDMSO
(ジメチルスルホキシド)15mlと混合し、3gの炭酸アン
モニウムを加え、1.5時間60℃で反応した。反応終了後
希塩酸と酢酸エチルを加え、抽出操作を行い、有機層を
充分に水洗したのち硫酸マグネシウムで有機層を乾燥し
た。溶媒を減圧留去したのち残渣をイソプロピルアルコ
ールと少量の水から結晶化させて2−シアノ−4−メタ
ンスルホニルアニリン0.5gを得た。収率95%。融点155
〜157℃。
実施例3(2−クロロ−4,5−ジシアノアニリンの合
成) 合成例3−1(4−(2−ホルミル)フェノキシ−5−
クロロフタロニトリルの合成) 15gの4,5−ジクロロフタロニトリルを150mlのDMACに
加え、これに10.2gのサリチルアルデヒドを添加した。
さらに炭酸カリウム12.8gを添加し、60℃で3時間反応
した。反応終了後、反応液を希塩酸に注ぎ、析出した結
晶を濾取した。得られた結晶をエタノールと少量のアセ
トニトリルの混合液から再結晶した。収率75%。
合成例3−2(2−クロロ−4,5−ジシアノアニリンの
合成) 4−(2−ホルミル)フェノキシ−5−クロロフタロ
ニトリル2.0gをDMSO15mlに混合し、炭酸アンモニウム6g
を加え、2時間60℃で反応した。反応終了後希塩酸と酢
酸エチルを加え、抽出操作を行い、有機層を水洗したの
ち硫酸マグネシウムで有機層を乾燥した。溶媒を減圧留
去したのち残渣をイソプロピルアルコールと少量の水か
ら結晶化させて2−クロロ−4,5−ジシアノアニリン1.2
6gを得た。収率85%。融点206〜209℃。
実施例4 下記スキームで示される本発明に従う各合成法を第1
表に、反応条件、収率、生成物及び生成物の融点ととも
に示す。
以下に本発明の他の方法に比する優位性を示す実験例
を示す。
実験例1 実験例2 本発明の有用性は上記の実験例1および2より明らか
である。即ち、実験例1より、芳香族求核置換反応にお
いて、ハロゲン原子を直接求核剤で置換するよりも、一
旦o−ホルミルフェノキシ基で置換した後、所望の求核
剤で置換する場合の方が、o−ホルミル基に由来する加
速効果により速やかに目的物が得られることがわかる。
また、一般に芳香族求核置換反応において、脱離基がフ
ッ素原子の場合に最も反応性が高いとされてきたが、実
験例2より、脱離基がo−ホルミルフェノキシ基の場合
の方がさらに反応性が高いことが分かる。
(発明の効果) 本発明によれば芳香族環に穏やかな条件でアミノ基、
水酸基又はメルカプト基を簡便かつ効率的に導入するこ
とが可能となる。
更に、本発明によれば、反応点が二つ以上存在する場
合に、選択的にアミノ基、水酸基又はメルカプト基を芳
香族環に導入することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 211/52 8828−4H C07C 211/52 255/50 9357−4H 255/50 255/51 9357−4H 255/51 315/04 7419−4H 315/04 317/36 7419−4H 317/36 317/48 7419−4H 317/48 319/02 7419−4H 319/02 323/65 7419−4H 323/65 C07D 521/00 C07D 521/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 〔式(I)中、 Q1はベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピリミジ
    ン環、ピラジン環、トリアジン環、フラン環、ピロール
    環、チオフェン環、イミダゾール環又はトリアゾール環
    を形成する基を表わし、 EWGはハメットのσ値で正の値を有する基を表わし、 mは1〜5の整数を表わし、 Xは一般式(III) (式(III)中、 R4は水素原子、アリール基又はアルキル基を表わし、 Q2はベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピリミジ
    ン環、ピラジン環、トリアジン環、フラン環、ピロール
    環、チオフェン環、イミダゾール環又はトリアゾール環
    を形成する基を表わし、 Z1及びZ2はそれぞれ酸素原子又は硫黄原子を表わす。) で表わされる基を表わし、 nは1〜3の整数を表わす。〕 で表わされる化合物と一般式(II) M−Y (II) 〔式(II)中、 Mは水素原子、金属原子又はアンモニウムを表わし、 Yは−NHR1基、−OR1基又は−SR1基を表わし、 R1は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環残
    基、−NR2R3基又は−OR2基を表わし、R2及びR3はそれぞ
    れ水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環残基
    を表わす。〕 で表わされる求核剤とを反応させることを特徴とする芳
    香族求核置換反応による芳香族アミン類、芳香族アルコ
    ール類又は芳香族チオール類の合成法。
  2. 【請求項2】一般式(II)において、Yが−NHR1基(R1
    は請求項(1)記載の定義の通り)、−OH基又は−SH基
    を表わすことを特徴とする請求項(1)記載の芳香族ア
    ミン類、芳香族アルコール類又は芳香族チオール類の合
    成法。
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