JP2001072650A - 5−アルキル−2−アミノ−4−置換オキシフェノール化合物およびそのプロトン酸塩の製造方法 - Google Patents
5−アルキル−2−アミノ−4−置換オキシフェノール化合物およびそのプロトン酸塩の製造方法Info
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Abstract
ェノール化合物およびそのプロトン酸塩の製造方法を提
供する。 【解決手段】5−アルキル−1−ベンジルオキシ−2−
ニトロ−4−置換オキシベンゼン化合物を還元する。
Description
材料に使用されるカラー拡散転写方式の色素供与性化合
物の合成中間体およびフェノール型シアンカプラー等の
合成中間体として有用な、5−アルキル−2−アミノ−
4−置換オキシフェノール化合物およびそのプロトン酸
塩の製造方法、その合成中間体である5−アルキル−1
−ベンジルオキシ−2−ニトロ−4−置換オキシベンゼ
ン化合物およびその製造方法に関する。
供与性化合物自身とは異なる拡散性を有するアゾ色素を
与えるアゾ色素供与性化合物を用いたカラー拡散転写写
真方式は従来から知られている。シアン色素を放出する
色素供与性化合物として堅牢性の高い化合物が開発さ
れ、例えば特開平9−292684号、同11−449
38号、同11−125888号、同11−12588
9号などに記載されている。これらに記載されている色
素供与性化合物の合成中間体の1つとして、例えば2−
アミノ−4−ヘキサデシルオキシ−5−t−オクチルフ
ェノールおよび2−アミノ−5−t−ブチル−4−ヘキ
サデシルオキシフェノール等が使用されている。2−ア
ミノ−4−ヘキサデシルオキシ−5−t−オクチルフェ
ノールの合成法としては、その中間体である2−アルキ
ル−1−ヘキサデシル−4−ピバロイルハイドロキノン
化合物を合成する方法が、特開平11−158114号
に記載されている。次に、ピバロイル基を脱保護した後
アゾカップリング反応によりアゾ化合物とし、さらに還
元反応を行うことにより2−アミノ−4−ヘキサデシル
オキシ−5−t−オクチルフェノールおよびそのプロト
ン酸塩が合成されている。しかしながら、この方法は収
率が低く、ジアゾ化工程、アゾカップリング工程および
還元工程と反応工程数が多く操作も煩雑であるため生産
性が低い。またジアゾ化工程で大量の酸を使用すること
および還元工程で不要なアニリン化合物が生成するた
め、廃棄物の処理が必要なことなどが問題であった。一
方、3−アルキル−4−置換オキシフェノールのニトロ
化により、目的の5−アルキル−2−アミノ−4−置換
オキシフェノールの前駆体である5−アルキル−2−ニ
トロ−4−置換オキシフェノールを合成する方法は、ニ
トロ化の反応収率が低いことが問題であった。
工程が簡略で、収率が高くかつ不要な廃棄物を出さない
5−アルキル−2−アミノ−4−置換オキシフェノール
化合物およびそのプロトン酸塩の製造方法を提供するこ
とにある。
が簡便で、収率が高く、しかも不要な廃棄物を出さない
5−アルキル−2−アミノ−4−置換オキシフェノール
化合物およびそのプロトン酸塩の製造方法を提供するこ
とを目的に鋭意研究を行った。その結果、これまで知ら
れていなかった新規の化合物である5−アルキル−1−
ベンジルオキシ−2−ニトロ−4−置換オキシベンゼン
化合物を合成中間体として経由することにより、前記の
問題点を解決できる5−アルキル−2−アミノ−4−置
換オキシフェノール化合物およびそのプロトン酸塩の製
造方法を見出し、本発明をなすに至った。すなわち本発
明は、 (1)一般式(II)で表わされる5−アルキル−1−
ベンジルオキシ−2−ニトロ−4−置換オキシベンゼン
化合物を還元することを特徴とする、一般式(I)で表
わされる5−アルキル−2−アミノ−4−置換オキシフ
ェノール化合物およびそのプロトン酸塩の製造方法。 一般式(I)
キル基を表わし、R2は置換もしくは無置換のアルキ
ル、アリールまたは複素環基を表わす。HXはプロトン
酸を表わし、mは0ないし1の数を表わす。) (2)一般式(III)で表わされる5−アルキル−1
−ベンジルオキシ−4−置換オキシベンゼン化合物をニ
トロ化することを特徴とする、一般式(II)で表わさ
れる5−アルキル−1−ベンジルオキシ−2−ニトロ−
4−置換オキシベンゼン化合物の製造方法。 一般式(III)
キル基を表わし、R2は置換もしくは無置換のアルキ
ル、アリールまたは複素環基を表わす。) (3)一般式(II)で表わされる2−アルキル−4−
ベンジルオキシ−2−ニトロ−4−置換オキシベンゼン
化合物。(式中、R1は置換もしくは無置換のアルキル
基を表わし、R2は置換もしくは無置換のアルキル、ア
リールまたは複素環基を表わす。)を提供するものであ
る。
(I)、(II)および(III)で表される化合物中
R1、R2、mおよびHXの好ましい具体例について詳し
く述べる。
で表される化合物中、R1は置換もしくは無置換のアル
キル基を表わし、具体的には炭素数1ないし30の直鎖
または分岐鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、1−メ
チルプロピル、1,1,−ジメチルエチル、ペンチル、
イソペンチル、1−エチルプロピル、1,1−ジメチル
プロピル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチ
ル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、デシル、ド
デシル、ヘキサデシル、オクタデシル)、および炭素数
3ないし8のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル)が含まれる。
ていてもよく、2個以上の置換基を有する場合には同じ
であっても異なっていてもよい。好ましいい置換基とし
てはハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素)、アル
キル基(R1で定義したアルキル基と同義の基を表わ
す)、アリール基(炭素数6ないし20のアリール基
で、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル)、
アルコキシ基(炭素数1ないし10のアルコキシ基で、
例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプ
ロピルオキシ、1−ブトキシ、1−ヘキシルオキシ)、
シクロアルキルオキシ基(炭素数3ないし8のシクロア
ルキルオキシ基で、例えば、シクロペンチルオキシ、シ
クロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(炭素数6な
いし20のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、
2−メトキシフェノキシ、1−ナフトキシ)、カルボン
アミド基(炭素数2ないし16のカルボンアミド基で、
例えば、アセトアミド、プロピオンアミド、オクタノイ
ルアミド)、スルホンアミド基(炭素数1ないし15の
スルホンアミド基で、例えば、メタンスルホンアミド、
プロパンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、ベン
ゼンスルホンアミド)、アルコキシカルボニル基(炭素
数2ないし10のアルコキシカルボニル基で、例えば、
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アリール
オキシカルボニル基(炭素数7ないし11のアリールオ
キシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、
1−ナフチルオキシカルボニル)、カルボキシル基、ヒ
ドロキシル基などが挙げられる。
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イ
ソブチル基、1−メチルプロピル基、1,1−ジメチル
エチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,1,3,
3−テトラメチルブチル基、シクロヘキシル基を表わ
し、最も好ましいアルキル基は、1,1−ジメチルエチ
ル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基を表わ
す。
で表される化合物中、R2はアルキル基(R1で定義した
アルキル基と同義の基を表わす)、アリール基(炭素数
6ないし20のアリール基で、例えばフェニル、1−ナ
フチル、2−ナフチル)、複素環基(炭素数1ないし1
0の、5ないし8員環の芳香族複素環基を表わし、例え
ば、1−ピリジル、4−ピリジル、2−フリル、2−ピ
リミジル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、2−ベ
ンゾチアゾリル)等が挙げられる。R2で表わされる基
はさらに置換基を有していてもよく、2個以上の置換基
を有する場合には同じであっても異なっていてもよく、
好ましいい置換基としてはR1で挙げた置換基と同義の
基を表わす。一般式(I)、(II)および(III)
で表される化合物中、R2中で表わされる好ましい置換
基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシ
ル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシ
ル基が挙げられ、より好ましいのはヘキサデシル基、オ
クタデシル基である。
0ないし1の数を表わす。一般式(I)で表わされる化
合物中、HXはプロトン酸を表わし、好ましい具体例
は、HCl、HBr、HI、HOOCCOOH、HOO
CCC6H4COOH、HOOCCH=CHCOOH、H
2SO4、CH3COOH、C6H5SO3H、p−CH3C6
H4SO3H、CH3COOH、ClCH2COOH、Cl
3COOH、CF3COOH、HO3SC10H6SO3H等
が挙げられ、最も好ましいのは、HCl、HBr、H2
SO4、p−CH3C6H4SO3Hである。
ル−2−アミノ−4−置換オキシフェノール化合物およ
びそのプロトン酸塩の代表的具体例を以下に示すが、本
発明はこれらによって限定されるものではない。
ル−1−ベンジルオキシ−2−ニトロ−4−置換オキシ
ベンゼン化合物の代表的具体例を以下に示すが、本発明
はこれらによって限定されるものではない。
キル−1−ベンジルオキシ−4−置換オキシベンゼン化
合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
すことができる。反応工程式
同じ意味をもつ) 上記反応工程式に従い、本発明を詳細に説明する。
−4−ベンジルオキシ−4−置換オキシベンゼン化合物
は、2−アルキルハイドロキノン化合物を出発原料とし
て、2工程で合成することができる。フェノール類のO
−アルキル化は一般的に知られる方法(「新実験化学講
座」第14巻、566ページ、1977、丸善)により
合成することができる。2−アルキルハイドロキノン化
合物に対して同じ当量数の塩基の存在下、ハロゲン化ベ
ンジル等との反応により2−アルキル−4−ベンジルオ
キシフェノール化合物を合成した後、もう一方のヒドロ
キシル基に置換基を導入する方法により、一般式(II
I)で表わされる2−アルキル−4−ベンジルオキシ−
4−置換オキシベンゼン化合物を合成することができ
る。2−アルキルハイドロキノン化合物の2位のアルキ
ル基が3級アルキル基のように嵩高い置換基を有する場
合の方が、立体的に小さいアルキル基を有するの場合に
比べて、4位のヒドロキシル基をより選択的にベンジル
化することができるため有利である。
−4−ベンジルオキシ−4−置換オキシベンゼン化合物
をニトロ化することにより、一般式(II)で表わされる
5−アルキル−1−ベンジルオキシ−2−ニトロ−4−
置換オキシベンゼン化合物を合成する方法において、ニ
トロ化剤として硝酸、テトラフルオロホウ酸ニトロニウ
ム、硝酸アセチル等を用いることができるが、硝酸を用
いるのがより好ましい。一般式(III)で表わされる2
−アルキル−4−ベンジルオキシ−4−置換オキシベン
ゼン化合物に対するニトロ化剤の好ましいモル比は、
1.0〜1.5、より好ましいのは1.0〜1.3の範
囲である。また、好ましい反応溶媒としては酢酸、硫
酸、メタンスルホン酸、酢酸メチル、酢酸エチル、塩化
メチレン、クロロホルム等が挙げられ、これらの溶媒を
混合して用いることもできる。より好ましい反応溶媒と
しては酢酸、酢酸エチル、塩化メチレン、クロロホルム
が挙げられ、最も好ましいのは酢酸および酢酸エチルで
ある。
−1−ベンジルオキシ−4−置換オキシベンゼン化合物
をニトロ化することにより、一般式(II)で表わされる
5−アルキル−1−ベンジルオキシ−2−ニトロ−4−
置換オキシベンゼン化合物を合成する方法において、好
ましい反応温度は−10〜100℃の範囲であり、より
好ましい反応温度は−10〜70℃の範囲であり、反応
物により選択される。また、好ましい反応時間は、5分
〜10時間の範囲であり、より好ましくは10分ないし
5時間の範囲であり、反応物により選択される。
1−ベンジルオキシ−2−ニトロ−4−置換オキシベン
ゼン化合物を還元することにより、一般式(I)で表わ
される5−アルキル−2−アミノ−4−置換オキシフェ
ノール化合物およびそのプロトン酸塩を合成する方法に
おいて、ニトロ基の還元および水素化分解による脱ベン
ジル化を同時に行うことが可能である。その方法の1つ
の方法として、一般的によく知られているようにPd−
Cもしくはラネーニッケル触媒の存在下、接触還元によ
る方法が適用できる。使用する触媒は反応の進行の速い
Pd−Cを用いるのがより好ましい。またもう1つの方
法として、Synthesis,1988年,91頁に
記載されている方法、すなわちPd−C触媒の存在下
で、ぎ酸アンモニウムを用いて還元する方法を適用する
ことができる。また段階的に行うことも可能であるが、
反応工程が簡略である点で前者の方が有利である。使用
される好ましい反応溶媒としては、酢酸エステル類(酢
酸メチル、酢酸エチル等)、低級アルコール類(メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール
等)、エーテル系溶媒(テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等)、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルホアセトアミド等)が挙げられる
が、より好ましい溶媒は酢酸エチル、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン等であ
り、反応物により選択される。好ましい反応温度は、1
0〜130℃、より好ましくは20〜100℃であり、
反応物により選択される。また、好ましい反応時間は5
分〜10時間であり、より好ましいのは10分〜5時間
の範囲であり、反応物により選択される。一般式(II)
で表わされる5−アルキル−1−ベンジルオキシ−2−
ニトロ−4−置換オキシベンゼン化合物を還元すること
により、一般式(I)で表わされる5−アルキル−2−
アミノ−4−置換オキシフェノール化合物およびそのプ
ロトン酸塩を製造する方法において、還元により生成す
る一般式(I)で表わされる5−アルキル−2−アミノ
−4−置換オキシフェノール化合物は、空気中の酸素に
より極めて酸化され易いため、反応、後処理および取り
出しを不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。ま
た、生成した5−アルキル−2−アミノ−4−置換オキ
シフェノール化合物を単離することなしに次工程の反応
に供することも好ましい方法の1つである。
−2−アミノ−4−置換オキシフェノール化合物を、そ
のプロトン酸塩とすることにより、安定な化合物として
単離することができる。その際、反応溶媒は先に述べた
好ましい溶媒を使用するが、プロトン酸塩の結晶をより
析出させ易くするため、5−アルキル−2−アミノ−4
−置換オキシフェノール化合物を合成する際に使用した
種類と異なる溶媒を加えるか、あるいは反応に使用した
溶媒を異なる溶媒に置き換えることによる等の方法が効
果的である。
2−アミノ−4−置換オキシフェノール化合物のプロト
ン酸塩を合成する反応において、用いることのできるプ
ロトン酸としては塩化水素、臭化水素、よう化水素、硫
酸、炭酸等の無機酸、酢酸クロロ酢酸、トリクロロ酢
酸、蓚酸、マレイン酸、安息香酸、フタル酸等の有機カ
ルボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸等が挙げられ
る。好ましいプロトン酸としては塩化水素、臭化水素、
硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸であ
り反応物により選択される。
アルキル−2−アミノ−4−置換オキシフェノール化合
物に対して、好ましくは0.35〜1.5の範囲であ
り、より好ましくは0.5〜1.3の範囲である。
れらによって限定されるものではない。 実施例1(例示化合物P−1の合成) 1)2−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−ハ
イドロキノン6.67g(0.03モル)にN,N−ジ
メチルアセトアミド30mlを加え溶解させた。窒素雰
囲気下、氷冷下で攪拌しながら水素化ナトリウム1.2
g(0.036モル)を分割添加した。反応温度を5〜
10℃に保ちながら臭化ベンジル5.13g(0.03
モル)を5分で滴下した。同温度で4時間攪拌した後、
希塩酸水溶液を加えた。酢酸エチルで抽出し、水洗し
た。有機溶媒層を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を
減圧下で留去し、カラム精製した後n−ヘキサンに加熱
溶解した。氷冷して析出した結晶を濾過することによ
り、4−ベンジルオキシ−2−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)−フェノール5.4g(収率57.6
%)を得た。融点は89〜90℃であった。生成物の構
造は 1H−NMR、マススペクトルにより確認した。 1
H−NMR(CDCl3)σ(ppm)(多重度、積分
値)7.50〜7.22(m,5H)、6.91(d,
1H)、6.65(dd,1H)、6.50(d,1
H)、5.00(s,2H)、4.50(s,1H)、
1.92(s,2H)、1.40(s,6H)、0.7
4(s,9H) 2)得られた4−ベンジルオキシ−2−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)−フェノール5.4g(0.
0173モル)をN,N−ジメチルホルムアミド27m
lに溶解した。室温で攪拌下、水酸化ナトリウム1.4
g(0.035モル)および水1.4mlを添加した。
45〜50℃に加熱し、セチルブロマイド6.1g
(0.02モル)を滴下した。50℃で4時間攪拌を行
った後、室温まで冷却し希塩酸水溶液を添加した。酢酸
エチルで抽出し、水洗した。有機溶媒層を乾燥した後、
溶媒を減圧下で留去した。メタノール35mlを加え加
熱した。室温まで冷却して析出した結晶を濾過して4−
ベンジルオキシ−1−ヘキサデシルオキシ−2−(1,
1,3,3−テトラメチルブチル)−ベンゼン8.73
g(収率94%)を得た。融点は39〜40℃であっ
た。生成物の構造はマススペクトルで確認した。
(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−ベンゼン7
g(0.013モル)に酢酸30mlを加え、室温で攪
拌した。60%硝酸1ml(0.013モル)を5分か
けて滴下した。発熱により30℃まで温度が上昇し、原
料の結晶が溶解した。反応温度を30〜35℃に保ちな
がら3時間反応を行った。反応時間の経過とともに結晶
が析出した。温度を室温まで冷却した後、析出した結晶
を濾過して4−ベンジルオキシ−1−ヘキサデシルオキ
シ−5−ニトロ−2−(1,1,3,3−テトラメチル
ブチル)−ベンゼン6.7g(収率88%)を得た。融
点は57〜58℃であった。生成物の構造は 1H−NM
R、マススペクトルにより確認した。 1H−NMR(C
DCl3)σ(ppm)(多重度、積分値)7.53〜
7.22(m,6H)、7.00(s,1H)、5.2
1(s,2H)、3.95(t,2H)、1.95
(s,2H)、1.90〜1.77(m,2H)、1.
62〜1.45(m,2H)、1.33(s,6H)、
1.40〜1.18(m,24H)、0.90(t,3
H)、0.61(s,9H)
トロ−2−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−
ベンゼン8.7g(0.015モル)を酢酸エチル80
mlに溶解し、200mlオートクレーブに仕込んだ。
10%Pd−C0.45gを添加した。水素のガス圧を
15kg/cm2に導入し、30〜35℃で3時間攪拌
を行った。理論量の水素圧が消費されたのを確認し、室
温まで冷却した後触媒を除去した。溶媒を減圧留去して
1−アミノ−4−ヘキサデシルオキシ−2−(1,1,
3,3−テトラメチルブチル)−フェノールの結晶6.
9g(収率100%)を得た。融点は84〜85℃であ
った。生成物の構造は 1H−NMR、マススペクトルに
より確認した。 1H−NMR(DMSO−d6)σ(p
pm)(多重度、積分値)8.10(s,1H)、6.
55(br,1H)、6.20(br,1H)、4.2
9(br,2H)、3.77(br,2H)、2.00
〜1.60(m,4H)、1.59〜1.08(m,3
2H)、0.86(t,3H)、0.67(br,9
H)
ヘキサデシルオキシ−2−(1,1,3,3−テトラメ
チルブチル)−フェノールの結晶にイソプロパノール1
5mlとアセトニトリル50mlを加え加熱溶解した。
この溶液にパラトルエンスルホン酸1水和物2.85g
(0.015モル)を添加すると結晶が析出した。室温
で15分間攪拌した後、アセトニトリルを更に25ml
添加した。析出した結晶を濾過して目的の1−アミノ−
4−ヘキサデシルオキシ−2−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)−フェノールの1パラトルエンスルホ
ン酸塩8.0g(収率84.5%)を得た。融点は17
8〜181℃であり、従来から知られている方法で合成
したサンプルの融点と一致した。
カラー拡散転写方式に用いられらる色素供与性化合物お
よびフェノール型シアンカプラーの重要な中間体である
5−アルキル−2−アミノ−4−置換オキシフェノール
化合物およびそのプロトン酸塩を製造するにあたり、新
規な化合物である5−アルキル−1−ベンジルオキシ−
2−ニトロ−4−置換オキシベンゼン化合物を中間体と
して経るという全く新しい合成法を提供することができ
た。これまでに知られていた5−アルキル−2−アミノ
−4−置換オキシフェノール化合物およびそのプロトン
酸塩の合成法に比べて工程が簡略で、不要な廃棄物を出
すことなく、しかも高収率で目的物を合成することがで
きる。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式(II)で表わされる5−アルキ
ル−1−ベンジルオキシ−2−ニトロ−4−置換オキシ
ベンゼン化合物を還元することを特徴とする、一般式
(I)で表わされる5−アルキル−2−アミノ−4−置
換オキシフェノール化合物およびそのプロトン酸塩の製
造方法。 一般式(I) 【化1】 一般式(II) 【化2】 (式中、R1は置換もしくは無置換のアルキル基を表わ
し、R2は置換もしくは無置換のアルキル、アリールま
たは複素環基を表わす。HXはプロトン酸を表わし、m
は0ないし1の数を表わす。) - 【請求項2】 一般式(III)で表わされる2−アル
キル−4−ベンジルオキシ−4−置換オキシベンゼン化
合物をニトロ化することを特徴とする、一般式(II)
で表わされる5−アルキル−1−ベンジルオキシ−2−
ニトロ−4−置換オキシベンゼン化合物の製造方法。 一般式(III) 【化3】 (式中、R1は置換もしくは無置換のアルキル基を表わ
し、R2は置換もしくは無置換のアルキル、アリールま
たは複素環基を表わす。) - 【請求項3】 一般式(II)で表わされる5−アルキ
ル−1−ベンジルオキシ−2−ニトロ−4−置換オキシ
ベンゼン化合物。(式中、R1は置換もしくは無置換の
アルキル基を表わし、R2は置換もしくは無置換のアル
キル、アリールまたは複素環基を表わす。)
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