JP2006027020A - 湾曲加工用材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】所要数の板材を積層するとともに板材相互をアリ結合によって一体化してなる集合材であって、作業者の手の力によって容易に湾曲できるようにしたものにおいて、アリ結合の部分におけるひずみを吸収することにより割れの発生や、隣接するアリ結合部分へのひずみの伝播を阻止し、円滑にアリ結合ができ、また施工現場において容易に湾曲できるようにすることである。
【解決手段】板材1の対向面3に設けたアリ溝4ごとに所要幅の開口部逃げ面7、その逃げ面の外側に開口部逃げ溝11、さらにその外側に摩擦低減用逃げ面12を設け、前記アリ溝4の傾斜内面5とこれに対向した接合部材14の傾斜外面16との間に所要の圧縮しろを形成し、前記接合部材14により該圧縮しろを押し広げながら圧入する際に発生する弾性ひずみを前記開口部逃げ面7と開口部逃げ溝11で吸収させ、前記摩擦低減用逃げ溝12の存在により板材1相互間の長さ方向の滑りを可能とし、湾曲荷重の付加により全体を容易に湾曲できるようにした。
【選択図】図5

Description

この発明は、木工の分野において板材を所要枚数重ねて相互に結合した集合材を施工現場において作業者の手の力で容易に湾曲できるようにした湾曲加工用材料に関するものである。
建築の施工現場において作業者の手の力によって容易に湾曲できるようにした湾曲加工用材料については、先にこの出願人が特許出願しているところである(特許文献1、2)。
この湾曲加工用材料は、複数枚の板材を重ね、各板材の少なくとも一方の対向面に設けたアリ溝に他方の対向面に設けたアリを結合させ、前記板材相互の対向面間で長さ方向に滑りを生じさせながら板厚方向に湾曲させるようにしたものであり、板厚方向の荷重を付加することにより、板材相互の結合状態を維持したまま全体的に所要のアールを持つように湾曲させることができる。湾曲させたのちにその形状に適宜の手段で固定し、建築用材の一部等として使用に供される。ここにいうアリは、前記アリ溝に嵌合される通常のあり(特許文献2)の他に、断面X型の別部材でなる接合部材を含むものである(特許文献1)。
特開2003−285303号公報 特開2003−200404号公報
前記の湾曲加工用材料は、板材相互の分離を防止する観点からはアリ結合はガタツキなく強固な構造であることが望ましい。しかし、湾曲させるという観点からは板材相互が容易に長さ方向に滑ることが望ましい。
しかるに、従来の場合は、単なるアリ結合による板材相互の結合構造と板材相互間の長さ方向の滑りを可能としただけのものであったため、湾曲に必要な最低限の要件は満たすものの、実際の施工時においては、接合部材(アリを含む)をアリ溝に圧入する際に発生するひずみにより割れが生じたり、また湾曲させる場合に板材相互の滑りが十分でなく大きな労力が必要となったり、また湾曲させる際の応力集中によって板材相互の分離が生じる等の不具合が発生し易い問題があった。
さらに、板材の幅方向に複数のアリ溝を形成しているため、先に接合部材を圧入した際に発生するひずみが後で接合部材を圧入する他のアリ溝の部分に伝播するため、接合部材を圧入する作業が非常に困難なものとなり、アリ溝に割れが発生するか、場合によってはひずみが過大となって圧入が不可能になることがある。
そこで、この発明は、板材相互間に弾性ひずみを発生させることによってアリ結合の際に割れが発生せず、長期に渡って確実な結合を維持することができ、また湾曲作業が容易にできる湾曲加工用材料を提供することを課題とする。
前記の課題を解決するために、この発明は、複数枚の板材を重ね、各板材の対向面にそれぞれ幅方向に所要の間隔をおいて複数列の同一形状のアリ溝を形成するとともに前記対向面の各アリ溝を対向させてアリ溝空所を形成し、各アリ溝空所にX型断面形状をもった別体の接合部材を圧入し、これによって前記板材相互を接合させてなる集合材に板厚方向の荷重を付加して全体を湾曲させる場合に使用される湾曲加工用材料において、前記アリ溝ごとに所要幅の逃げ面、逃げ溝及び摩擦低減用逃げ面を前記対向面に設け、前記アリ溝の傾斜内面とこれに対向した前記接合部材の傾斜外面との間に所要の圧縮しろを形成し、前記接合部材を前記アリ溝空所に圧入する際に該圧縮しろを押し拡げることによって発生する弾性ひずみを前記逃げ面と逃げ溝で吸収させるとともに該弾性ひずみによって板材相互を接合させ、前記摩擦低減用逃げ面の存在により板材相互間の長さ方向の滑りを容易にしたものである。
なお、前記アリ溝の底面とこれに対向した接合部材との間にひずみ吸収用の溝底逃げすき間を設け、該アリ溝の底面近辺の傾斜内面から接合部材先端部に加わる圧縮によって発生する該接合部材先端部のひずみを前記溝底逃げすき間で吸収するようにしてもよい。
また、前記のアリ溝に代えて、各板材の対向面に相互に隣接し逆向き傾斜した一対の傾斜溝の組み合わせによって一組の集合アリ溝を形成するようにしてもよい。集合アリ溝が一つのアリ溝と同等の作用効果を奏する。
さらに、板材の対向面の一方にアリ溝、他方にアリを設けた通常のアリ結合の場合には、アリ溝とアリの双方にひずみ吸収用の逃げ面と逃げ溝を設けることとする。
なお、この発明において、単にアリ結合というときは、前記のようにアリ溝と接合部材との結合のほか、一対の傾斜溝の組み合わせからなる集合アリ溝と各傾斜溝空所に圧入される接合部材による結合、アリ溝とアリの圧入による結合の何れをも指す。また、「逃げ面」は板材の厚さ方向のひずみを吸収するに足る比較的幅の広い浅い溝、「逃げ溝」は板材の幅方向のひずみを吸収するに足る比較的幅の狭い深い溝をいう。
以上のように構成することにより、この発明の湾曲加工用板材は、アリ結合時に発生する弾性ひずみが逃げ面や逃げ溝、又は溝底逃げすき間によって吸収され応力の分散が生じるため、板材の割れが発生し難く、また接合部材圧入時の座屈も防止することができる。また、1個所のアリ結合の部分で発生する弾性ひずみが他のアリ結合の部分に伝播することが回避されるため、後から接合部材を圧入する作業を円滑に行うことができる。また、前記の弾性ひずみの存在により、アリ結合による板材相互の結合が長期にわたり安定したものとなる。さらに、板材の対向面に摩擦低減用逃げ面を設けたことによって、湾曲荷重を付加した際に対向面で滑りが発生し易くなり、集合材全体を容易に湾曲させることができる。
図1から図6に示した第1の実施形態は、杉、桧等の小径木から製作された板材1(例、厚さ16〜200mm、幅50〜300mm、長さ1000〜4000mm)を所要枚数積層し、接着剤を用いることなく結合して集合材2を形成したものである。各板材1の対向面相互は以下説明するようなアリ結合により一体化されている。
図2に示したように、各板材1の対向面3には幅方向に所定の間隔をおいて所要数のアリ溝4が長さ方向に平行に形成される。各アリ溝4の底面の幅をA(図3(a)参照)、その高さをB、傾斜内面5の傾斜角をαで示している。各アリ溝4の開口6に沿った対向面3において、その開口6に達する所要幅Cの開口部逃げ面7を全長に渡り形成している。開口部逃げ面7は一定の小さい角度で傾斜し開口6に達するように形成される。幅Cの大きさは、たとえば傾斜内面5のほぼ余弦(cosα)の大きさに設定される。開口部逃げ面7の最大深さt1は、後述のように傾斜内面5、開口部逃げ面7及び開口部逃げ溝11に囲まれた部分の板厚方向へのひずみ量を吸収し得る大きさに設定される。開口6の幅をDで表わしている。
前記の開口部逃げ面7の外側辺8の外側において開口部逃げ溝11が設けられる。この開口部逃げ溝11の高さはアリ溝4の高さBの半分程度である。またその幅はt2であり、後述の圧縮しろ21の最大幅t2(図4(a)参照)と同じ大きさに設定される。
前記一方の開口部逃げ溝11の外側には、所要幅の摩擦低減用逃げ面12が設けられる。この摩擦低減用逃げ面12は、対向面3における板材1相互間の接触範囲を狭くして対向面3間における摩擦を低減する目的のものであるので浅いものでよく、接合時及び湾曲時における変形を損なわない範囲でできるだけ広く形成される。
なお、前述のアリ溝4、その左右の開口部逃げ面7、7さらにその外側の開口部逃げ溝11、11及び一方の開口部逃げ溝11の外側の摩擦低減用逃げ面12によって1つの組(イ)が構成され(図2(a)参照)、そのような組(イ)が板材1の一側端から順に他側端にわたり一定ピッチで配列される。この場合、他側端の組(イ’)においては摩擦低減用逃げ面12は存在しない。これは他側端の対向面3にすき間が生じることを避けるためである。
上記のアリ溝4、開口部逃げ面7、7、開口部逃げ溝11及び摩擦低減用逃げ面12は、対向面3の両側(上下)において同じ位置に対称形に形成される結果、図2(b)に示したように、相互にそれらの開口面が合致する。アリ溝4及びその開口6の両側に存在する開口部逃げ面7、7相互が合致することにより形成される空所をアリ溝空所13と呼ぶこととする。
前記の板材1の相互を結合し密着状態に保持するために、前記のアリ溝空所13に圧入させる接合部材14は、図3(b)に示したような上下左右が対称形のX型断面を有する木製のものである。X型断面としたのは、断面係数を小さくすることによって湾曲し易く、かつアリ溝空所13に圧入する際の座屈が起こり難い形状だからである。
前記の接合部材14は、X字状に突き出した4本のウェブ15を有し(図3(b)参照)、各ウェブ15は、上下方向の中間屈曲点18において上下に分かれた傾斜外面16、左右方向の中間屈曲点19において左右に分かれた傾斜上面17を有する。各ウェブ15の傾斜外面16と傾斜上面17は上方に至るに従い次第に接近し、その上端において対向面3に平行な平坦面20に達する。
前記接合部材14の最大幅をA’、中間屈曲点18からの高さをB’、傾斜外面16の傾斜角をβ、中間屈曲点18、18間の間隔をD’とすると、A≦A’、B>B’、α≦β、D<D’の関係に設定される。
上記のような大きさの関係にあるアリ溝空所13に接合部材14の端面を、その中間屈曲点18、18が対向面3上に合致するように合わせて重ねると図4(a)に示したようになる。図示のように、アリ溝4の傾斜内面5より接合部材14の傾斜外面16の方が外方にあって、網点で示す範囲だけ接合部材14がアリ溝4の外側に位置する。この範囲は接合部材14をアリ溝空所13に圧入した際に圧縮され押し広げられる部分、即ち、圧縮しろ21となる。この圧縮しろ21が相対的に大きくなると圧入抵抗が大きく、板材1のひずみが大きくなるが、弾性域を越えてはならない。圧縮しろ21が小さい場合は圧入抵抗が小さく、板材1の弾性ひずみは小さくなる。
圧縮しろ21の下端の幅(中間屈曲点18と開口6間の間隔)はほぼt2に設定される。ただし、t2=(D’−D)×1/2である。
また、α≦βの関係があるが、α=βの場合に前記の圧縮しろ21を規定する傾斜内面5と傾斜外面16は平行となる(図4(b)参照)。α<βの場合は図4(a)に図示のように、上端に至るに従い圧縮しろ21が小さくなる。
さらに、B>B’の関係があることから、アリ溝4の溝底と接合部材14の上端との間に幅t3の溝底逃げすき間22が存在する。この溝底逃げすき間22は、ウェブ15の先端部分の弾性ひずみを吸収するに足る大きさに設定される。なお、図4(a)の場合、A=A’の関係にあるが、図4(b)のように、A<A’となる場合もある。
以上のような構造の板材1を積層してそれぞれの対向面3を密着させ、その対向面3の両側(上下)のアリ溝4、開口部逃げ面7、開口部逃げ溝11及び摩擦低減用逃げ面12を対向させたうえで、アリ溝4の対向によって形成されたアリ溝空所13に前記の接合部材14を圧入する。接合部材14の先端面は、図4(a)に示したように、アリ溝空所13に対して一定の圧縮しろ21分だけ重なりがあるため、その圧縮しろ21を弾性的に外方に押し広げながら接合部材14が圧入される。
接合部材14の全長がアリ溝空所13に圧入された状態においては、図5に示したように、開口6の両側部分においては、網点で示した(I)の範囲に弾性ひずみが生じ、開口部逃げ面7相互がt1だけ接近又は密着し、また、開口部逃げ溝11がその溝幅t2だけ圧縮される。(I)の範囲の弾性ひずみに対向した接合部材14の部分は十分な厚みを有するので、この部分に弾性ひずみは生じない。これに対し、ウェブ15の先端部分は前述のように次第に幅が狭くなっているので剛性が相対的に小さくなっており、この部分に対向した板材1の部分は十分な厚みがあるので、網点で示した範囲(II)の部分のウェブ15の先端部分がひずむ。その弾性ひずみは前記の溝底逃げすき間22に吸収される。
接合部材14を圧入したことによる板材1の(I)の範囲の弾性ひずみ、及びウェブ15の(II)の範囲の弾性ひずみによって、対向面3を挟んだ2枚の板材1相互が強固に結合されることになる。また、これらの弾性ひずみはそれぞれ開口部逃げ面7、開口部逃げ溝11及び溝底逃げすき間22において吸収される。このため、板材1に割れが発生することがなく、接合部材14の腰折れも発生しない。さらに、開口部逃げ溝11は、前記の弾性ひずみを隣接する他のアリ溝空所13に伝播することを遮断するため、後で接合部材14が圧入されるアリ溝空所13においては、先に圧入されたアリ溝空所13で発生した弾性ひずみの影響を受けることがなく、円滑に接合部材14を圧入することができる。
前記のようにして所要枚数の板材1を接合一体化して形成された集合材2は、図1に示したように、対向面3において、摩擦低減用逃げ面12、アリ溝4の底面におけるすき間、完全には密着しない開口部逃げ面7、開口部逃げ溝11等の部分において摩擦が低減されているので、この集合材2を湾曲用部材として利用する場合、施工現場において作業者が特別の装置を使用することなく、手の力等の小さい力で湾曲荷重Fを付加すると、対向面3において長さ方向の滑りδが生じ、円滑かつ容易に湾曲することができる(図6参照)。
次に、図7から図11に基づいて、第2の実施形態を説明する。基本的には前記の第1の実施形態と同様であるが、接合部材14が金属(例、アルミニウム)によりX型断面に形成したものであり、したがって4本のウェブ15(図9(b)参照)の肉厚tが前記の場合に比べ薄く形成されている点、及びアリ溝4の断面形状が前記接合部材14の2本のウェブ15の上半分の形状に対応してV型に形成されている点(図9(a)参照)において相違するが、その他の構成は同一である。
この場合もアリ溝4の底面の幅Aと接合部材14の上端の幅A’は、A≧A’の関係を有し、またアリ溝4の深さBと接合部材9の上半分の高さB’は、B>B’、D>D’の関係を有する。また、アリ溝4の傾斜内面5の角度αと接合部材14の傾斜外面16の角度βは、α≦βの関係を有し、さらに、接合部材14のウェブ15の厚みtとV型のアリ溝4の幅t’は、t<t’の関係にある。
前記のV形のアリ溝4の開口6に沿った対向面3に開口部逃げ面7が設けられる点、その外側に開口部逃げ溝11が設けられる点、さらにその外側に摩擦低減用逃げ面12が設けられ、これらの部分が対向面3の同一位置に設けられ、それぞれが対向面3を挟んで対向する点は前述の第1の実施形態の場合と同様である。また、対向面3において上記のアリ溝4と開口部逃げ面7が相互に対向してアリ溝空所13が形成され、そのアリ溝空所13に接合部材14が圧入されるが、この場合も、傾斜内面5と傾斜外面16との間に一定の圧縮しろ21が設けられる(図10(c)参照)。
接合部材14の圧入により圧縮しろ21の部分が押し広げられ、その弾性ひずみ(図11の(I)の網点の範囲参照)が開口部逃げ面7、開口部逃げ溝11において吸収される。また、接合部材14のウェブ15の先端部の弾性ひずみ(図11の(II)の網点の範囲参照)が溝底逃げすき間22(図10(c)参照)において吸収される。これによって、各板材1相互が強固に結合される一方、湾曲時において対向面3で滑りδ(図6参照)が生じて円滑かつ容易に湾曲される点等も前述の場合と同様である。
次に、図12から図17に基づいて第3の実施形態を説明する。この場合は、板材1に前記のアリ溝4に変えて一定角度に傾斜した傾斜溝4’を設けたものである。通常のアリ溝は前記の図3(a)に示したように、一定の傾斜角αをもって反対方向に傾斜した対向一対の傾斜内面5が形成された溝をいうが、この場合の傾斜溝4’は、図14(a)に示したように、対向した傾斜内面5’、5’が平行である点で相違し、従って傾斜角αをもった傾斜内面5’は1個所しか存在しない。しかし、図13に示したように、幅方向に隣接した他の傾斜溝4’は反対方向に傾斜しているため、隣接した傾斜溝4’、4’はハの字形の左右対称形になっており、反対方向の傾斜角αを有する対向した傾斜内面5’が存在する。したがって、相互に隣接した一対の傾斜溝4’、4’の集合により集合アリ溝30が構成され、その集合アリ溝30が通常の一つのアリ溝4と均等な溝となっている。
図14(a)に示したように、各傾斜溝4’の溝底の幅をE、深さをFで表わし、傾斜内面5’の角度をαで表わす。傾斜内面5’に沿った対向面3に一定幅の開口部逃げ面7が設けられ、その外側に開口部逃げ溝11が設けられる。また、開口部逃げ溝11の外側に摩擦低減用逃げ面12が設けられる。この摩擦低減用逃げ面12は一組の傾斜溝4’、4’の中間部分に1個所設けられる。一対の傾斜溝4’、4’(即ち、集合アリ溝30)、開口部逃げ面7、7、開口部逃げ溝11、11及び摩擦低減用逃げ面12によって1組(イ)を形成する。両端部においては、前記1組(イ)の半分、即ち傾斜方向の相違する1つの傾斜溝4’、開口部逃げ面7、開口部逃げ溝11の組(イ’)が形成される。この組(イ’)においては摩擦低減用逃げ面12は存在しない。前記の組(イ)(イ)’は幅方向に一定ピッチで形成されるが、他方の対向面3においては1ピッチずれた位置に形成される。その結果、傾斜溝4’の部分が対向面3で合致し、図15に示したような平行四辺形の傾斜溝空所13’が形成される。
一方、接合部材14’は木製のものであり、その断面形状は平行四辺形に形成される(図14(b)参照)。その上端の幅E’は傾斜溝4’の溝底の幅Eより小さく(E>E’)形成され、またその中間部からの高さF’は傾斜溝4’の深さFより小さく形成される(F>F’)。また、D>D’の関係にある。さらに、傾斜外面16の傾斜角βと前記の傾斜内面5’の傾斜角αの関係はα≦βの関係に設定され、一定の圧縮しろ21が形成される(図16(a)(b)参照)。
前記の傾斜溝空所13’に接合部材14’を圧入すると、前記の圧縮しろ21の分だけ押し広げられるために、板材1側の網点で示した範囲(I)の部分と、接合部材14’の網点で示した範囲(II)の部分において弾性ひずみが生じる。同様の現象は対となる他方の傾斜溝空所13’においても発生し、板材1相互を実質的にアリ結合によって一体化する。同時に板材1の対向面間の摩擦は摩擦低減用逃げ面12等によって低減され、湾曲時の滑りを可能にしている。
次に、図18から図21に示した第4の実施形態について説明する。この場合は、図19に示したように、一方の板材1の対向面3に形成されたアリ溝4、開口部逃げ面7、開口部逃げ溝11及び摩擦低減用逃げ面12は前述の第1の実施形態の場合(図2参照)と同様である。これに対し、他方の対向面3においては、前記アリ溝4に対向しこれに圧入されるアリ25が設けられる。アリ25の頂面において両方の傾斜外面16とのコーナ部分に達するアリ逃げ面27、27が設けられ、そのアリ逃げ面27、27の内側にアリ逃げ溝28、28、さらに、アリ逃げ溝28、28間に摩擦低減用逃げ面29が形成される。
前記のアリ溝4の溝底の幅A、深さB、開口6の幅Dに対し、アリ25の頂面の幅A’、高さB’及び立ち上がりの幅D’の関係は、A≦A’、B=B’、D>D’の関係に設定される。また、アリ溝4の傾斜内面5の角度α、アリ25の傾斜外面16の角度βの関係はα≦βの関係に設定され、傾斜内面5と傾斜外面16の間に圧縮しろ21が形成される(図21(a)参照)。
従って、前記アリ溝4にアリ25を圧入すると、板材1の網点で示した範囲(I)の部分、及びアリ25の網点で示した範囲(II)の部分が圧縮されて弾性ひずみが発生し(図21(b)参照)、板材1相互がその対向面3においてアリ結合される。また、対向面3における摩擦は、摩擦低減用逃げ面12,29等により形成される。
第1の実施形態の一部省略端面図 (a)同上の板材の端面図、(b)同上のアリ溝空所の拡大端面図 (a)同上の板材の一部拡大端面図、(b)同上の接合部材の拡大端面図 (a)同上の圧縮しろの説明図、(b)(a)図の変形例の説明図 同上の接合部分の端面図 同上の湾曲状態の側面図 第2の実施形態の一部省略端面図 同上の板材の端面図 (a)同上の板材の一部拡大端面図、(b)同上の接合部材の拡大端面図 (a)同上のアリ溝空所の拡大端面図、(b)同上の圧縮しろの説明図、(c)(b)図の一部拡大図 同上の接合部分の端面図 第3の実施形態の端面図 同上の板材の端面図 (a)同上の板材の一部拡大端面図、(b)同上の接合部材の拡大端面図 同上の傾斜溝空所を示す端面図 (a)同上の圧縮しろの説明図、(b)(a)図の一部拡大図 同上の接合部分の端面図 第4の実施形態の一部省略端面図 同上の板材の一部端面図 (a)同上のアリ溝部分の拡大端面図、(b)同上のアリ部分の拡大端面図 (a)同上の圧縮しろの説明図、(b)同上の接合部分の端面図
符号の説明
1 板材
2 集合材
3 対向面
4 アリ溝
4’ 傾斜溝
5、5’ 傾斜内面
6 開口
7 開口部逃げ面
8 外側辺
11 開口部逃げ溝
12 摩擦低減用逃げ面
13 アリ溝空所
13’ 傾斜溝空所
14、14’ 接合部材
15 ウェブ
16 傾斜外面
17 傾斜上面
18 中間屈曲点
19 中間屈曲点
20 平坦面
21 圧縮しろ
22 溝底逃げすき間
25 アリ
27 アリ逃げ面
28 アリ逃げ溝
29 摩擦低減用逃げ面

Claims (4)

  1. 複数枚の板材を重ね、各板材の対向面にそれぞれ幅方向に所要の間隔をおいて複数列の同一形状のアリ溝を形成するとともに前記対向面の各アリ溝を対向させてアリ溝空所を形成し、各アリ溝空所にX型断面形状をもった別体の接合部材を圧入し、これによって前記板材相互を接合させてなる集合材に板厚方向の荷重を付加して全体を湾曲させる場合に使用される湾曲加工用材料において、前記アリ溝ごとに所要幅の逃げ面、逃げ溝及び摩擦低減用逃げ面を前記対向面に設け、前記アリ溝の傾斜内面とこれに対向した前記接合部材の傾斜外面との間に所要の圧縮しろを形成し、前記接合部材を前記アリ溝空所に圧入する際に該圧縮しろを押し拡げることによって発生する弾性ひずみを前記逃げ面と逃げ溝で吸収させるとともに該弾性ひずみによって板材相互を接合させ、前記摩擦低減用逃げ面の存在により板材相互間の長さ方向の滑りを容易にしたことを特徴とする湾曲加工用材料。
  2. 前記アリ溝の底面とこれに対向した接合部材との間にひずみ吸収用の溝底逃げすき間を設け、該アリ溝の底面近辺の傾斜内面から接合部材先端部に加わる圧縮によって発生する該接合部材先端部の弾性ひずみを前記溝底逃げすき間で吸収するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の湾曲加工用材料。
  3. 複数枚の板材を重ね、各板材の対向面に相互に隣接し逆向き傾斜した傾斜内面を有する一対の傾斜溝の組み合わせによって一組の集合アリ溝を一定ピッチで形成し、一方の対向面の集合アリ溝に対し他方の対向面の集合アリ溝を1ピッチだけずらせた位置に形成し、両方の対向面の傾斜溝の開口端を合致させることにより交互に傾斜方向が反対となる平行四辺形の傾斜溝空所を形成し、その傾斜溝空所の断面形状に実質的に合致する平行四辺形の断面形状をもった別体の接合部材を該傾斜溝空所に圧入して前記板材相互を密着させ、板材相互の対向面間で長さ方向に滑りを生じさせながら全体を板厚方向に湾曲させるようにした湾曲加工用材料において、前記傾斜溝ごとに所要幅の逃げ面、逃げ溝及び摩擦低減用逃げ面を設け、前記傾斜溝の傾斜内面とその傾斜内面に対向した前記接合部材の傾斜外面との間に所要の圧縮しろを形成し、前記接合部材を前記傾斜溝空所に圧入する際に該圧縮しろを押し拡げることによって発生する弾性ひずみを前記逃げ面と逃げ溝で吸収させるとともに該弾性ひずみによって板材相互を接合させ、前記摩擦低減用逃げ面の存在により板材相互間の長さ方向の滑りを容易にしたことを特徴とする湾曲加工用材料。
  4. 複数枚の板材を重ね、各板材の対向面の一方にアリ溝を設けるとともに他方の対向面にアリを設け、そのアリを前記アリ溝に圧入させることにより前記板材相互を密着させ、板材相互の対向面間で長さ方向に滑りを生じさせながら全体を板厚方向に湾曲させるようにした湾曲加工用材料において、前記板材の対向面に前記アリ溝ごとに所定幅の逃げ面、逃げ溝及び摩擦低減用逃げ面を設け、前記アリの上端面にも所定幅の逃げ面、逃げ溝及び摩擦低減用逃げ面を設け、前記アリ溝の傾斜内面とアリの傾斜外面との間に所要の圧縮しろを形成し、前記アリを前記アリ溝に圧入する際に該圧縮しろを押し拡げることによって発生するひずみを前記各逃げ面と各逃げ溝で吸収させるとともに該弾性ひずみによって板材相互を接合させ、前記各摩擦低減用逃げ面の存在により板材相互間の長さ方向の滑りを容易にしたことを特徴とする湾曲加工用材料。
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