JP2005035262A - 集合材 - Google Patents

集合材 Download PDF

Info

Publication number
JP2005035262A
JP2005035262A JP2003375237A JP2003375237A JP2005035262A JP 2005035262 A JP2005035262 A JP 2005035262A JP 2003375237 A JP2003375237 A JP 2003375237A JP 2003375237 A JP2003375237 A JP 2003375237A JP 2005035262 A JP2005035262 A JP 2005035262A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aggregate
longitudinal direction
drum
flat plate
members
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003375237A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Ogino
裕 荻野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2003375237A priority Critical patent/JP2005035262A/ja
Publication of JP2005035262A publication Critical patent/JP2005035262A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Finished Plywoods (AREA)

Abstract

【課題】 従来の集成材は接着剤と加圧により成形されるもので高設備を要し、環境対策も必要とする。
【解決手段】 木質の構成部材1を複数積層し、接合面2となる側にあり溝3を長手方向に設け、隣接した構成部材1のあり溝3同志がひとつの鼓状空間4を形成するように構成し、この鼓状空間4に鼓状接合材5を構成部材1の長手方向に嵌挿して構成部材1同志を接合してなる集合材である。構成部材1の長手方向に延びる鼓状空間4に打ち込んだ鼓状接合材5により隣接した構成部材1は強固に接合される結果、接着剤を使用せずとも大きな接合強度をもつ断面積の大きな梁や柱などに利用できる集合材が得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建築用の梁や柱並びに床材や壁材、土木用の型枠や補強部材などに用いる木質材を主体とした集合材に関する。
近年、森林資源保護の高まりにより、森林材の伐採が制限されるようになった事情などにより、断面積の大きな柱や梁材を一本もの大径木から得ることが不可能になってきた。
そこで、従来から長尺の単板を複数枚積層し、接着剤によって固着して柱状の集合材を形成し、木造建築物の柱や梁などに利用することが広く行われている(特許文献1参照)。
また、断面積の小さな複数の小角材を接着剤で固着した集合材からなり、その端面に鋼材を埋め込んで形成した梁部材も提案されている(特許文献2参照)。
更に、積層材料の固着強度を高めるなどの目的で、木質材と剛性のある金属或いは強化繊維等の強化材とを接着剤で固着積層した梁材も提案されている(特許文献3参照)。
実開平6−67008号公報 実開昭57−89716号公報 特開平6−226715号公報
従来の集合材によって形成される柱ないし梁材は、積層してその接合面に接着剤を塗布して相互に固着して得られるものばかりである。接着剤によって複数単板を固着するには接着剤層の厚さがむらのないように一定に塗布して全体的に均等な接着強度を確保する必要がり、また十分な接着には加圧工程も必要となり、それに応じた設備が必要となる。また、接着剤の使用は環境対策を必要とする。
一般の建築用の梁材は大径木を使用して所定の曲げ強度を達成している。また、接着剤を使用した集成材としての大断面材(大径材)を作っている。
特に最近、資源保護の観点から、大量に発生する間伐材の有効利用が叫ばれており、その有効利用手段の開発が望まれていた。
そこで、本発明の目的は、小径木を利用して、接着剤を使用せずに(補強的使用は除く)、加工を簡単にして必要な強度と断面積を持つ大径の集合材として提供することにあり、また、間伐材の有効利用手段を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、木質の構成部材を複数積層してなる集合材であって、接合面となる側にあり溝を長手方向に設け、隣接した構成部材のあり溝同志がひとつの鼓状空間を形成するように構成し、この鼓状空間に鼓状接合材を構成部材の長手方向に嵌挿して構成部材同志を接合してなる集合材である。
これにより、構成部材の長手方向に延びる鼓状空間に打ち込んだ鼓状接合材により隣接した構成部材は強固に接合される結果、接着剤を使用せずとも大きな接合強度をもつ断面積の大きな梁や柱などに利用できる集合材が得られる。
この場合、構成部材の一部又は全部を、少なくとも1本ものの小径木をそのまま所定寸法の断面形状にしたものとすれば、大きな断面積を有する集合材を形成し易くなる。
また、複数の木質の構成部材を中間に介装材を挟んで接合してなる集合材であって、構成部材の接合面となる側にあり溝を長手方向に設ける一方、介装材の前記あり溝に対応する位置にはありを両接合面に突出形成してなる集合材である。
上記の場合、構成部材の中央部分に少なくとも一対のあり溝を設けるのが、接合強度の観点から好ましい。
また、木質の構成部材を複数積層してなる集合材であって、構成部材の接合面となる側の一方にあり溝を設け、これと係合する他方の構成部材にはありを突出形成し、あり溝にありを嵌合して構成部材同志をあり接合してなる集合材である。この構成では、構成部材自身にあり溝又はありを設けたので格別の接合材は不要となり部材数が減少でき構造的には簡素化される。
上記の構成において、接合された構成部材の長手方向の側面の応力が小さい接合位置に、接合面を跨るように1又は2以上の滑り止め用込み栓を幅方向に横断して設けておけば、集合材に横荷重が作用したときに接合面の滑りが抑制され、構成部材同志の一体性が高まり、集合材があたかも1本ものの木のような挙動を呈する。
上記構成において、複数の集合材の長手方向の連接継手を、ありとあり溝との結合によって構成すれば、長尺の柱や梁などが得られる。
また、複数の構成部材を積層し、その接合面に、該接合面に跨るようにX状又はハの字形に金属ないしプラスチック製の接合材を構成部材の長手方向に入れてなる集合材であれば、剛性が大きな金属などの接合材を打ち込み易くなり、一段と大きな接合強度を有する集合材が得られる。
上述した集合材を用途の多い建築用の柱ないし梁に利用できるので、森林資源の保護につながる。
また、床材や壁材に適した(即ち平板状の)集合材としての構成は、複数の平板をそれぞれ同一面上に隣接してなる上側の第1平板および下側の第2平板とを上下に重ね合わせ、これら平板の長手方向と直交する方向に延びる鼓状空間を第1,第2平板の側面の長手方向に延びる横接合面を跨いで形成し、この鼓状空間に鼓状接合材を嵌挿して形成してなる。かかる構成では、接着剤を使用していないため、環境にやさしく、シックハウスのような弊害も生じないし、金属類も混入されていないためリサイクルも簡単にできる。特に、間伐材を床材や壁材として利用できる結果として大量の間伐材の有効利用ができる。
この場合、上側に配置され、複数の平板を同一面上に隣接して配置することにより形成された縦隣接面を有する第1平板の下側に、該縦隣接面を跨いで下側の一つの平板を当接させてなる。
上記において、上側に配置される複数の平板およびこれに接して下側に配置される平板のいずれも、その木表を表面側に向けて配設しておけば(すなわち、木裏同士を向かい合わせて接合するようにすれば)、上側と下側のそりが相殺されて集合材の平面性が保たれ、品質が向上する。
本発明によれば、構成が簡素で、加工も簡単な、かつ必要な強度も有する用途の多い建築用の梁ないし柱又は床材や壁材として好適な集合材が得られる。その結果として本発明は、森林資源の保護にも寄与しうる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1(a)は一本ものの小径木を所定断面形状に加工した構成部材1を複数積層して大きな断面積をもつ集合材Aとしたときの集合材Aの木口断面を含む斜視図である。
略正方形断面に加工された複数の木質の構成部材1が上下左右に積層され、構成部材1同志の接合面2には相対向して木の中心(深さ)側に向かって広がるテーパ状のあり溝3が長手方向全体にわたって彫り込まれている。あり溝3は一定間隔を置いて複数、通常は中央部寄りに左右一対設けられる。各構成部材1には同じ位置関係に同形のあり溝2が設けてあり、構成部材1を積層したときには2つのあり溝3,3が組み合わさって全体としてひとつの鼓状の空間4が構成部材1の長手方向端から端まで形成されるようになっている。この鼓状空間4には、この鼓状空間4の寸法よりやや小寸法に形成された、構成部材1の長さと同じだけの長さを有する鼓状接合材5(樫や楢等の硬木が好ましい)が、木口から打ち込まれて密着嵌挿され、隣接する構成部材1同志が強固に接合されて一つの大きな断面積を有する集合材(大径集合材)Aが形成されるようになっている。図示例は合計9本の集合材であるが、4本でも6本でもよい。一本ものの小径木をそのまま構成部材として使用する場合には年輪の中心に向かって乾燥時の歪み発生防止のために芯割り6が設けられている。
上記あり溝3は、工場に設置されたあり溝加工機によって彫成される。森林保護のため大きな断面積をもつ大径木は得難いことから、小径木を切り出して、所定断面形状に加工した構成部材1を上下左右に積層して、上記の要領で接合すれば大きな断面積をもつ柱や梁が得られる。通常は、構成部材1同志の接合面には接着剤は不要であるが、補強的に使用しても差し支えない。また、各構成部材1は天然木が使用されるが、合成材の使用もでき、またこれらの混成も可能である。構成部材1はすべて木質であり、また、接合材5も木質のものを使用しておけば、チップ加工などによってリサイクルすることが容易となる。また、上記方法では接着剤を使用せずとも集合材が得られるので高設備が不要で、環境対策やシックハウス対策も要しない。
図1(b)は、例えば住宅建築用の柱や梁材に適した上記よりも小断面積の集合材である。長方形断面の角材に製材された構成部材1に一対のあり溝3が設けられ、2つの構成部材1が相互に接合されたときに上記と同様に鼓状空間4が長手方向に形成される。この鼓状空間4に鼓状接合材5が嵌挿されて、ひとつの略正方形断面をもつ柱ないし梁材に適した集合材Bが形成される。
図1(a)(b)の集合材A,Bの長手方向において、図1(c)にも示すように、木口に近い側面(即ち、応力が小さい位置)には、略正方形断面の滑り止め用込み栓7が、接合面2aを跨ぐように、つまり、集合材の鼓状接合材5の嵌挿位置にこれを横断する格好で集合材の幅方向全体にわたって嵌挿されている。この滑り止め用込み栓7は、鼓状接合材5と同じ深さ(高さ)と、集合材の幅方向全体にわたって嵌挿されるだけの長さとを有している。この滑り止め用込み栓7は、集合材の両端側にその幅方向全体に嵌挿されて、集合材に横荷重が作用したときに(図8参照)集合材を構成する部材の接合面の滑りを抑制して(これは滑り止め用込み栓7が矩形に形成されているため、その回転がし難いことによる作用である)構成部材間の一体性を持たせる役割を果たし、集合材をあたかも1本ものの柱ないし梁材となさしめるように働くものである。なお、滑り止め用込み栓7は集合材の片側に1ないし2箇所又はこれ以上設けてもよい。
図2も技術思想的には図1のものと同様であるが、一方の構成部材1aは小径木のままを正方形断面に製材したものを使用し、他方の構成部材1bはこれと同じ寸法の正方形断面に大径木から切り出して加工して得たものである。この場合も、互いの接合面2となる側に、木口から長手方向全体にわたって一対のあり溝3を彫り、接合したときに鼓状の空間4が形成されるようになっている。鼓状空間4よりやや寸法的に小さい(底部に微小な隙間が確保できる程度の)鼓状接合材5が打ち込まれて(密着嵌挿されて)、一つの集合材Cが形成されるようになっている。接合面2aを跨ぐように滑り止め用込み栓7が木口に近い応力的に小さい位置に2つ嵌挿されている。小径木のままを使用した構成部材1aには芯割り6を設けているが、大径木から切り出しその一部を利用した構成部材1bに芯割りがないので、あり溝3の中間位置に互いに向かい合うようなハの字形に鋸でもって割り溝8を入れるようにしてある。芯割り6や割り溝8は、あり溝3の側の木口の接合面を弾性化して鼓状接合材5を鼓状空間4に嵌挿し易くする働きもする。
図3は、上記のように形成された集合材A〜Cを長手方向に突き合わせて連接するときの接合形態(継手)を示す。連接される部材の突き合わせ面9にそれぞれあり溝13が板幅全体にわたって設けられており、連接したときにひとつの鼓状空間14が形成されようになっている。そして、この鼓状空間4に鼓状の継手接合材15が板幅全体にわたって嵌挿されることにより集合材同志が長手方向に接合されて所望の長い集合材が得られる。なお、上記のような突き合わせ継手は多数の構成部材が積層されてなる集合材の場合、長さ方向において相互に位置を変えて設けるのが曲げ強度上好ましい。
図4は、別の接合形態の集合材D〜Eの斜視図である。複数の構成部材を薄板状の接合材を中間に介装して、あり結合によって大きな断面積の集合材を得ようというものである。すなわち、(a)に示す集合材Dは、長方形断面に加工された外側に位置する構成部材21aと、これと同じ幅を有する長方形断面の中間に位置する構成部材21bと、これら構成部材同志間のの接合用として中間に介在する両面にあり24を有する接合材(介装材)25とからなる。
構成部材21aの接合部22の中央部付近に左右一対の深さ方向に広がったテーパ状のあり溝23が彫り込まれている。そして、中間位置の構成部材21bにはこれと同じ位置に、しかも、部材の両接合部22おいて上記と同じ形態のあり溝23が設けられている。接合材(介装材)25の両面にはあり溝23に対応する位置にあり24が突出形成されている。外側と中間の構成部材21a、21bは一定の間隔を置いてセットされ、相対向する面と面との間に接合材(介装材)25が介装しうるだけの空間(あり空間)が形成されるようになっている。前記あり空間に合うような接合材(介装材)25が密着嵌挿される(打ち込まれる)ことにより複数の構成部材が一体化されてひとつの柱状ないし梁状の集合材Dが形成されるようになっている。図は4つの構成部材からなる集合材の場合を示しているが、積層数はこれに限定されない。すなわち、図4(b)に示すように、2つの構成部材で集合材を形成してもよい。なお、側面には前述した滑り止め用込み栓7が片側2箇所嵌挿されて構成部材の接合面での滑りを抑制するようになっている。
図4(c)は、構成部材21の中央部にのみあり溝23aを形成するのではなく、側端面にもあり溝23bを形成した例である。すなわち、中央部に形成した一つのあり溝23aに加えて、両側端の位置にもあり溝23bが形成されている。そして、薄板状の接合材25(介装材)の中央と両端面位置にはあり溝23a、23bの位置に対応してあり24が突出形成されている。2つの構成部材21が積層されたときに形成されるあり空間に薄板状の接合材25(介装材)が挿入されて接合されることにより、断面積の大きな1本の集合材Fが形成されるものである。
図5は、構成部材31はいずれも1本ものの小径木をそのままを正方形断面に製材加工したものを使用し、これら2つの構成部材31を、図4(b)と同じ接合形態で集合させてなる梁状の集合材Gである。図4(b)と同じ構成要素には同じ符号を付して説明は省略する。なお、1本ものをそのまま使用しているのであり溝の中間には乾燥時の歪み発生防止用の芯割り6が設けられている。
図6は、接合材を使用しない形態のものである。すなわち、外側の構成部材41aにその接合面42となる側の中央部分に左右一対のあり溝43が形成されており、中間の構成部材41bの接合面42となる側にはあり溝43に対応する位置にあり44が突出形成されている。構成部材41bは中間部材であるから、対向面にはあり溝43が形成されている。構成部材41cの接合面にはあり44が突出形成されている。構成部材41a、41b、41cを積層してあり溝43とあり44とを嵌合することにより構成部材同志は強固にあり接合され、断面積の大きなひとつの柱状ないし梁状の集合材Hが形成されるようになっている。なお、構成部材41bと構成部材41cとの接合面においてあり溝とありを逆に設けてあり結合を形成してもよいことはいうまでもない。
図7は、構成部材51の接合面52に鉄、アルミなどの金属又はこれらの合金又はプラスチック製の接合用芯材53を入れて接合したものである。(a)は十字形の接合芯材53を構成部材51の接合面52にX状に跨るように入れて接合したものであり、(b)は接合面52に、ハの字形に接合心材53を接合面52に跨るように入れて接合したものである。この他にもくの字形に入れてもよいし、これらを組み合わせてもよい。
図8は、図1(b)や図2に相当する集合材の曲げ強度試験図である。
(a)は試験要領を示す図で、2,700mmのスパンの集合材に横荷重Wを加える方法によって強度試験をしたものである。(b)は試験に使用した試料を示し、原料は米松を使用し、試料の寸法は幅100mm,厚さ190mm、長さ3、000mmである。滑り止め用込み栓7は、片側1箇所(両側で2箇所)設けたものである。正方形断面に加工した1本ものの米松では、曲げ強さ(kgf/cm2)が200〜220、曲げヤング係数(tonf/cm2)は80〜100である。一般的には2層に積層した集合材の場合、ヤング係数は1/4になり、4層に積層した場合には1/16になると言われている。本発明の図1(b)や図2に相当する本試料の場合、ヤング係数が39 tonf/cm2であり、1本ものと比較して約2/5に落ちる程度に止まり、曲げ強さも324kgf/cm2であり、単板より約1.5倍という結果が得られ、本発明の集合材が建築用などの柱や梁として実用に十分供しることが証明された。また、図4に相当する集合材の場合、滑り止め用込み栓を片側2箇所(合計4箇所)設ければ、曲げ強度は殆ど1本ものと変化しないことが本試験で確認され、この場合も建築用の柱や梁として実用に十分供しうることが判った。
図9は、床材や壁材(耐力壁)などに利用される本発明に係る平板状の集合材(合板)Kの斜視図である。板厚tの木質の平板61a、61b(62a〜62c)を複数同一面上において隣接させて、これを上下に組み合わせて(上の平板を「第1合板61」、下の平板を「第2合板62」という)板厚2tの集合材Kに形成される。そして、上下の第1,第2平板61,62が重ね合わされて形成される接合面64aを跨いで形成される鼓状空間63の中に、鼓状接合材64が該平板の長手方向(繊維方向)と直交する方向に振動ハンマーを用いて鼓状接合材64をその軸方向に叩いて嵌入される(押し込んでいく)ことにより、床材や壁材に適した、ひとつの平板状の合板たる集合材Kが形成される。
この場合、第1平板61を構成する隣接配置された平板61a、61b同士の接合面(縦隣接面)65aを跨いで、下側の第2平板62の平板61cが、また、下側の平板62aと62bとの縦隣接面65bおよび平板62bと62cとの縦隣接面65cに跨って上側の平板61aと61bがそれぞれ配置されるている。しかも、第1平板および第2平板を構成する平板のそれぞれが、その木表(木の表側の面)が表面側に出るように木裏側同士をつき合わせて重ね合わせてある。これは、木表側に当該平板が凹状に「そり」を生じる傾向にあるため、上下の平板でお互いにその「そり」を相殺するようにして、集合材としての平面性を維持できるようにするためである。
図10は上下の平板をそれぞれ構成している第1平板61と第2平板62、および鼓状接合材64の分解斜視図である。第1平板61および第2平板62の所定位置にそれぞれ平板の長手方向に直交する方向に台形状のあり溝(空間)63a、63bが形成されている。そして、図11に示すように、第1平板61と第2平板62とが上下に重なった状態では、上下のあり溝63aと63bが横接合面64aに関して対向して対となり、ひとつの鼓状の空間64を形成するようになっている。
このように一対のあり溝63a、63bとが上下に合成されてひとつの鼓状空間64が形成されるが、このあり溝63a、63bは、図9に示すように、その深さが平板の板厚tの略1/2〜3/4に形成され、かつ、あり溝63a、63bの底の幅は板厚tとほぼ同一になるように形成されている。あり溝63a、63bの表面での幅は略板厚の半分程度に形成される。そして、鼓状空間63に挿入される鼓状接合材64は、この鼓状空間63とほぼ同一の寸法をもつように形成される。鼓状接合材64が、かかる鼓(両側対称の上下テーパ)形状・寸法に形成されることにより、上下に重なった第1,第2平板を相互に強力に引き寄せて強固に密着させると共に、集合板Kにいずれの方向の曲げや軸力が作用したときにも十分な強度と剛性を維持できるようになっている。このため集合材Kは床材や耐力壁の用途として適している。
図10に示す台形状のあり溝63aは、図12(a)に示すように、平板61aを基礎台67上に載置固定しておき、あり溝カッター66を平板の長手方向と直交する方向に移動することにより形成される。これと同一面上で隣接する平板61bの対応位置に、また、これらと上下に重ね合わせて接合される平板の接合面の所定(対応)位置に上記と同様な方法で台形状のあり溝63bを形成する(図10参照)。
図11に示す鼓状空間63に挿入される鼓状接合材64は、図12(b)に示すように、基礎台67上に正方形の原部材64Aを載置して両側から押え治具68〜69で固定しておいて、上記のあり溝カッターを利用して1/4の三角部分を順次、原部材64Aの位置を変えながら切り落としていき、最終的に鼓形状をした接合材(鼓状接合材64)を作り出す。
集合材Kの具体例として、25mmの板厚の合板を上下に重ね合わせてひとつの集合材を形成した場合、鼓状接合材64の間隔は、必要な曲げ強度や剛性を得るうえで300mm程度が好ましい。鼓状接合材64の底幅約25mm、深さ約12mm、窪み位置での幅は約13mmである。
上記集合材Kにおいては、接着剤を使用していないため、環境にやさしく、シックハウスのような弊害も生じないし、金属類も混入されていないためリサイクルも簡単にできる。特に、上記方法により製造する集合材Kでは、20〜30年経った間伐材(小径木のため通常は廃材として処分されていたもの)を床材や壁材として生成することにより、大量の間伐材の有効利用ができる。
構成が簡素で、加工も簡単な、かつ必要な強度も有する建築用の梁ないし柱或いは床板、壁板などの用途に幅広く適用できる。
(a)は所定断面に加工した1本ものの小径木を積層して大きな断面積をもつ集合材としたときの集合材の木口断面を含む斜視図、(b)は、例えば住宅建築用の柱や梁材に適した小断面積の集合材の斜視図、(c)は集合材の長手方向において、木口に近い側面(応力が小さい位置)に滑り止め用込み栓を設けたときの図である。 一方の構成部材は小径木のままを正方形断面に加工したものを使用し、他方はこれと同じ寸法の正方形断面に加工した大径木から切り出した一部を使用して接合したときの、木口を含む斜視図である。 集合材の長手方向における、あり結合による継手を示す図である。 (a)は両面にありを形成した薄板状の接合用の介装材を構成部材の間に挟んで3層からなる集合材を形成したときの木口を含む斜視図、(b)は同様な構成の2層からなる集合材である。(c)は中央部と両端にありを有する接合用介装材としたときの集合材の図である。 1本ものの小径木を正方形断面に加工した構成部材を2層に積層して両者の間を図4(a)の介装材で接合してなる集合材を示す斜視図である。 複数の構成部材同志をあり結合によって接合した状態の、木口を含む斜視図である。 (a)は金属などの接合材を接合面にX状に入れた図、(b)はハの字形に入れた図である。 (a)は本発明の集合材の強度試験要領図、(b)はその試料の図である。 本発明に係る床材や壁材に適した平板状の合板たる集合材の斜視図である。 図9に示す集合材の分解斜視図である。 上下平板を合体して鼓状空間に鼓状接合材を打ち込む前の状態を示した斜視図である。 (a)は平板にあり溝を形成する方法を示した正面図、(b)は鼓状接合材を作成する方法を示した正面図である。
符号の説明
A〜K…集合材
1…構成部材
2…接合面
3、63a、63b…あり溝
4、63…鼓状空間
5、64…鼓状接合材
6…芯割り
7…滑り止め用込み栓
8…割り溝
9…(長手方向)継手
25…接合材(介装材)
53…接合芯材
61…第1平板
61a、61b…(第1平板を構成する)平板
62…第2平板
62a〜62c…(第2平板を構成する)平板
64a…横接合面
65a〜65c…縦隣接面

Claims (12)

  1. 木質の構成部材を複数積層してなる集合材であって、接合面となる側にあり溝を設け、隣接した構成部材のあり溝同志がひとつの鼓状空間を形成するように構成し、この鼓状空間に鼓状接合材を構成部材の長手方向に嵌挿して構成部材同志を接合してなる集合材。
  2. 構成部材の一部又は全部を、少なくとも1本ものの小径木をそのまま所定寸法の断面形状にしたものである請求項1記載の集合材。
  3. 複数の木質の構成部材を中間に介装材を挟んで接合してなる集合材であって、構成部材の接合面となる側にあり溝を長手方向に設ける一方、介装材の前記あり溝に対応する位置にはありを両接合面に突出形成してなる集合材。
  4. 構成部材の中央部分に少なくとも一対のあり溝を設けてなる請求項1〜3の集合材。
  5. 木質の構成部材を複数積層してなる集合材であって、構成部材の接合面となる側の一方にあり溝を長手方向に設け、これと係合する他方の構成部材にはありを突出形成し、あり溝にありを嵌合して構成部材同志をあり接合してなる集合材。
  6. 接合された構成部材の長手方向の側面の応力が小さい接合位置に、接合面を跨るように1又は2以上の滑り止め用込み栓を幅方向に横断して設けてなる請求項1〜5いずれか1項記載の集合材。
  7. 複数の集合材の長手方向の連接継手を、ありとあり溝との結合によって構成してなる請求項1〜6いずれか1項記載の集合材。
  8. 複数の構成部材を積層し、その接合面に、該接合面に跨るようにX状又はハの字形に金属ないしプラスチック製の接合材を構成部材の長手方向に入れてなる集合材。
  9. 請求項1〜8いずれか1項に記載の集合材が建築用の柱ないし梁である集合材。
  10. 複数の木質の平板をそれぞれ同一面上に隣接してなる上側の第1平板および下側の第2平板とを上下に重ね合わせ、これら平板の長手方向と直交する方向に延びる鼓状空間を第1,第2平板の側面の長手方向に延びる横接合面を跨いで形成し、この鼓状空間に鼓状接合材を嵌挿して形成してなる集合材。
  11. 上側に配置され、複数の平板を同一面上に隣接して配置することにより形成された縦隣接面を有する第1平板の下側に、該縦隣接面を跨いで下側の一つの平板を当接させてなる請求項10記載の集合材。
  12. 上側に配置される複数の平板およびこれに接して下側に配置される平板のいずれも、その木表を表面側に向けて配設してなる請求項10又は11記載の集合材。
JP2003375237A 2003-06-23 2003-11-05 集合材 Withdrawn JP2005035262A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003375237A JP2005035262A (ja) 2003-06-23 2003-11-05 集合材

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003178089 2003-06-23
JP2003375237A JP2005035262A (ja) 2003-06-23 2003-11-05 集合材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005035262A true JP2005035262A (ja) 2005-02-10

Family

ID=34220133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003375237A Withdrawn JP2005035262A (ja) 2003-06-23 2003-11-05 集合材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005035262A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100983612B1 (ko) * 2010-01-25 2010-09-24 경민산업주식회사 다중접착집성재의 제조방법 및 이를 통해 얻어진 다중접착집성재
JP2011046288A (ja) * 2009-08-27 2011-03-10 Torisumi Shuseizai Kk 地車用車輪
JP2011140219A (ja) * 2009-12-09 2011-07-21 Iwasakigumi:Kk 集合材による柱・梁・土台・外構用角材
CN108381689A (zh) * 2018-03-13 2018-08-10 和县薛氏木制品制造有限公司 一种集装箱底板用复合型胶合板
KR20200010948A (ko) * 2018-07-23 2020-01-31 신효선 목재를 활용한 대구경 목조기둥 제작방법
CN112405708A (zh) * 2020-12-16 2021-02-26 南京林业大学 一种用小径木制作燕尾榫连接的大径级空心圆木柱的方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011046288A (ja) * 2009-08-27 2011-03-10 Torisumi Shuseizai Kk 地車用車輪
JP2011140219A (ja) * 2009-12-09 2011-07-21 Iwasakigumi:Kk 集合材による柱・梁・土台・外構用角材
KR100983612B1 (ko) * 2010-01-25 2010-09-24 경민산업주식회사 다중접착집성재의 제조방법 및 이를 통해 얻어진 다중접착집성재
CN108381689A (zh) * 2018-03-13 2018-08-10 和县薛氏木制品制造有限公司 一种集装箱底板用复合型胶合板
CN108381689B (zh) * 2018-03-13 2020-04-07 和县薛氏木制品制造有限公司 一种集装箱底板用复合型胶合板
KR20200010948A (ko) * 2018-07-23 2020-01-31 신효선 목재를 활용한 대구경 목조기둥 제작방법
KR102185522B1 (ko) * 2018-07-23 2020-12-02 신효선 목재를 활용한 대구경 목조기둥 제작방법
CN112405708A (zh) * 2020-12-16 2021-02-26 南京林业大学 一种用小径木制作燕尾榫连接的大径级空心圆木柱的方法
CN112405708B (zh) * 2020-12-16 2023-07-18 南京林业大学 一种用小径木制作燕尾榫连接的大径级空心圆木柱的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5404007B2 (ja) 耐力壁構成パネル及び耐力壁構造
JP2005035262A (ja) 集合材
JP2007190830A (ja) 構造用角材及びその製造方法
JP6929163B2 (ja) 合成スラブ
JP2020090818A (ja) 木質部材接合構造
JP7000654B2 (ja) 木質床版の接合構造
JP2023126339A (ja) 木質部材の補強構造
JP2987768B2 (ja) 建築物における構造用集成材及び骨組構造用建築部材
JP2009091848A (ja) 軸材
JP2017128981A (ja) 木質合成梁及びその施工方法
JP2018016978A (ja) 構造部材
JPH066505U (ja) 構造用集成材の剛接合構造
JP2014055406A (ja) 木製梁
JP2015182354A (ja) 建築用重ね合わせパネル、建築物の構造体及び建築用重ね合わせパネルの製造方法
JP2012237160A (ja) 木質耐震壁
JP6928351B2 (ja) 連結構造
JP4699627B2 (ja) 集成材の製造方法及びこの製造方法により形成された集成材
JP4225173B2 (ja) 床材の製造方法
JP7155490B2 (ja) 木質床材、木質床材の固定構造及び木質床材の製造方法
JP2513888Y2 (ja) 集成木材の接合構造
JP6414261B2 (ja) 木質ラーメンモーメント抵抗部構造体
JP3082249U (ja) 側板付き角材
JP2007120181A (ja) 木質継手材、木質継手構造及び木質継手工法
JP2023173305A (ja) 柱梁架構
JP2561588B2 (ja) 建物における間仕切りの施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070109