JP4185643B2 - 板材の接合部材及び板材の接合構造 - Google Patents

板材の接合部材及び板材の接合構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、床板等の板材を相互に接合するための接合部材及び接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
例えば、床を施工する場合は、多数の床板を相互に接合しながら敷設するのが一般的であり、図9(a)に示すように、床板50の一方の接合端面51に雄実52を形成すると共に他方の接合端面51に雌実53を形成し、接合しようとする床板50、50の雄実52と雌実53とを相互に嵌合させることによって、隣接する床板50、50同士を相互に接合するようになっている。
【0003】
ところで、上述したような床板の接合構造では、同図(b)に示すように、一方の床板50の接合端面51と他方の床板50の接合端面51とが相互に付き合わされることになるので、このようにして多数の床板50を接合しながら敷設することで床を施工すると、室内の温湿度の変動等によって床板50が膨張(伸長)した場合には、その膨張(伸長)量を吸収することができず、図10(a)に示すように、床板50、50同士の接合部分に突き上げが発生するといった問題がある。
【0004】
このような床板50、50の接合部分における突き上げの発生を防止するために、余裕を持たせて床板50、50同士を接合することも考えられるが、逆に、室内の温湿度の変動によって床板50、50が収縮した場合には、同図(b)に示すように、床板50、50同士の接合部分に隙間Lが発生し、床の外観が損なわれるといった問題がある。
【0005】
このため、図11(a)に示すように、接合部材60を介して床板50、50同士を相互に接合することが行われている。この接合部材60は、同図(b)に示すように、接合しようとする2枚の床板50、50の間に挟み込まれる軟質樹脂によって形成された本体部61と、この本体部61に一体的に連設された左右一対の凸部62、62とから構成されており、床板50、50の接合端面51、51に予め形成された凹部(溝)54、54と接合部材60の凸部62、62とを相互に嵌合させることによって、床板50、50の接合端面51、51を軟質樹脂からなる本体部61に当接させるようにして床板50、50同士を接合するものである。
【0006】
このような接合部材60を用いて床板50、50同士を接合すると、相互に接合された床板50、50の伸縮量を、軟質樹脂からなる本体部61によってある程度吸収することができるので、床板50、50同士の接合部分における突き上げや隙間の発生を軽減することができる。
【0007】
ところで、床板50の伸縮量を接合部材60によって効果的に吸収するためには、床板50が膨張(伸長)したときに本体部61がさらに圧縮されるように、また、床板50が収縮したときには圧縮された本体部61が復元して床板50の接合端面51から離反しないように、床板50、50を接合する際に、軟質樹脂からなる本体部61をある程度の圧縮状態に保持しておかなければならない。
【0008】
しかしながら、接合部材60の本体部61が最適な圧縮状態になるように、床板50を接合することは難しく、床板50を敷設する現場施工者によっても床の施工状態にムラが発生するので、上述したような接合部材60を用いて床板50、50を接合したとしても、床板50、50同士の接合部分における突き上げや隙間の発生を確実に防止することができないのが現状である。
【0009】
また、床板50、50の接合部分には目地溝が形成される場合が多く、特に、擬似溝が形成された床板を使用する場合は、床板同士の接合部分にも擬似溝と同様の目地溝を形成する必要があるが、上述したような接合部材60を用いて床板50、50同士を接合した場合は、床板50、50の接合部分に目地溝を形成することができないといった問題がある。
【0010】
そこで、この発明の課題は、板材の伸縮量を効果的に吸収することができるような状態に板材を確実に接合することができ、しかも、板材の接合部分に目地溝を形成することができる板材の接合部材及び板材の接合構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記の課題を解決するため、この発明は、隣接する板材同士を相互に接合する板材の接合部材であって、上面に目地溝が形成された、前記板材の接合方向に伸縮自在の本体部と、前記本体部に連設された、前記板材の接合端面にそれぞれ形成された凹部に嵌合する一対の凸部と、前記本体部の圧縮状態を規制する規制部とを備え、前記規制部は、接合後における前記板材の伸長力によって前記本体部の圧縮規制状態が解除されるように、変形可能に形成されている板材の接合部材及びこの接合部材を介して隣接する板材同士を相互に接合する板材の接合構造であって、隣接する前記板材は、それぞれの接合端面に凹部が形成されており、前記接合部材の前記本体部が前記規制部によって所定の圧縮状態に保持された状態で、前記接合部材の一対の前記凸部が隣接する前記板材の接合端面に形成された前記凹部にそれぞれ嵌合している板材の接合構造を提供するものである。
【0012】
以上のように構成された接合部材を用いて板材を接合すると、接合部材によって板材の接合部分に目地溝が形成されると共に、規制部の存在によって、常に本体部が所定の圧縮状態に保持されるように確実に板材を接合することができ、しかも、接合後における板材の伸長力によって規制部が変形することで、本体部がさらに圧縮可能な状態となるので、接合後における板材の伸縮量を効果的に吸収することができる。
【0013】
また、隣接する板材同士を相互に接合する板材の接合部材であって、前記板材の接合方向に伸縮可能な本体部と、前記本体部に連設された、隣接する前記板材の接合端面にそれぞれ形成された凹部に嵌合する一対の凸部と、前記本体部に連設された、一方の前記板材の接合端面から突出して目地溝の一方の内側面を形成する溝形成部にその下方側から当接することで前記目地溝の他方の内側面を形成する上下方向に変形可能な張出片と、前記本体部の圧縮状態を規制する規制部とを備え、前記規制部は、接合後における前記板材の伸長力によって前記本体部の圧縮規制状態が解除されるように、変形可能に形成されている、請求項3に記載の接合部材及びこの接合部材を介して隣接する板材同士を相互に接合する板材の接合構造であって、隣接する前記板材は、それぞれの接合端面に凹部が形成されていると共に、一方の前記板材の接合端面には、その接合端面から突出して目地溝の一方の内側面を形成する溝形成部が連設されており、前記接合部材の前記本体部が前記規制部によって所定の圧縮状態に保持された状態で、前記接合部材の一対の前記凸部が隣接する前記板材の接合端面に形成された前記凹部にそれぞれ嵌合している、請求項7に記載の板材の接合構造によっても同様の効果を得ることができる。
【0014】
特に、上面に目地溝が形成された、前記板材の接合方向に伸縮自在の本体部と、前記本体部に連設された、一方の前記板材の接合端面に形成された凹部に嵌合する凸部と、前記本体部の圧縮状態を規制する規制部とを備え、前記本体部は、他方の前記板材の接合端面に固着されるようになっており、前記規制部は、接合後における前記板材の伸長力によって前記本体部の圧縮規制状態が解除されるように、変形可能に形成されている、請求項2に記載の接合部材及びこの接合部材を介して隣接する板材同士を相互に接合する板材の接合構造であって、一方の前記板材は、その接合端面に凹部が形成されており、前記接合部材の前記本体部が他方の前記板材の接合端面に固着され、前記接合部材の前記本体部が前記規制部によって所定の圧縮状態に保持された状態で、前記接合部材の前記凸部が一方の前記板材の接合端面に形成された前記凹部に嵌合している、請求項6に記載の板材の接合構造にあっては、接合部材の本体部が一方の板材の接合端面に固着されているので、板材同士の接合力をさらに高めることができる。
【0015】
また、隣接する板材同士を相互に接合する板材の接合部材であって、前記板材の接合方向に伸縮可能な本体部と、前記本体部に連設された、一方の前記板材の接合端面に形成された凹部に嵌合する凸部と、前記本体部に連設された、一方の前記板材の接合端面から突出して目地溝の一方の内側面を形成する溝形成部にその下方側から当接することで前記目地溝の他方の内側面を形成する上下方向に変形可能な張出片と、前記本体部の圧縮状態を規制する規制部とを備え、前記本体部は、他方の前記板材の接合端面に固着されるようになっており、前記規制部は、接合後における前記板材の伸長力によって前記本体部の圧縮規制状態が解除されるように、変形可能に形成されている、請求項4に記載の接合部材及びこの接合部材を介して隣接する板材同士を相互に接合する板材の接合構造であって、一方の前記板材の接合端面には、凹部が形成されていると共にその接合端面から突出して目地溝の一方の内側面を形成する溝形成部が連設されており、前記接合部材の前記本体部が他方の前記板材の接合端面に固着され、前記接合部材の前記本体部が前記規制部によって所定の圧縮状態に保持された状態で、前記接合部材の前記凸部が一方の前記板材の接合端面に形成された前記凹部に嵌合している、請求項8に記載の板材の接合構造によっても同様の効果を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1には、隣接する2枚の床板10が接合部材20を介して相互に接合された床板の接合構造(状態)が示されている。
【0017】
前記床板10は、図2に示すように、3プライ合板や5プライ合板等からなる下部基材11の表面に、中質繊維板(MDF)からなる上部基材12及び表面化粧材13が順次積層されたものであり、2枚の床板10の接合端面10aには、凹部10bがそれぞれ形成されていると共に、各床板10の表面にはV字状の多数の擬似溝(図示せず)が形成されている。
【0018】
前記接合部材20は、ゴム系樹脂等の合成樹脂を用いて押出成形された樹脂成形体であり、図2に示すように、隣接する床板10間に挟み込まれる、床板10の接合方向に伸縮自在の本体部21と、接合状態において隣接する2枚の床板10の接合端面10aに形成された凹部10bにそれぞれ嵌合する左右一対の凸部22と、本体部21の圧縮状態を規制する規制部23とを備えている。
【0019】
前記本体部21は、床板10の接合状態において各床板10の接合端面10aに接触する左右一対の対向板21aと、両対向板21aをその上端部で相互に結合するV字状に屈曲した弾性変形可能な連結板21bとから構成されており、隣接する2枚の床板10が相互に接合された状態では、図1に示すように、隣接する2枚の床板10間に連結板21bが露出することで、V字状に屈曲した連結板21bによって床板10の接合部分に目地溝Aが形成されるようになっている。
【0020】
左右一対の前記凸部22は、本体部21における一対の対向板21aの外面からそれぞれ外側に突出するように、本体部21に一体成形されており、この凸部22の上面及び下面には断面形状が鋸歯状の抜止部が形成されている。従って、この凸部22が、床板10の接合端面10aに形成された凹部10bに一旦嵌合すると、断面形状が鋸歯状の抜止部が凹部10bの内面に食い込んで、嵌合した凸部22が凹部10bから容易に抜けないようになっている。
【0021】
前記規制部23は、一方の対向板21aの内面から内側に突出するように本体部21に連設されており、本体部21が床板10の接合方向に圧縮されたときに、その先端が他方の対向板21aの内面に当接することで、本体部21が必要以上に圧縮されないようになっている。
【0022】
以上のように構成された接合部材20を用いて隣接する2枚の床板10を接合しながら床下地材の上に敷設するには、まず、一方の床板10の裏面に接着剤を塗布した状態で床下地材の上に接着することで固定した後、この床板10の接合端面10aに形成された凹部10bに接合部材20の一方の凸部22を嵌合させながら、裏面に接着剤が塗布された他方の床板10の接合端面10aに形成された凹部10bに接合部材20の他方の凸部22を嵌合させて床下地材に接着すると、図1に示すように、2枚の床材10が接合部材20を介して相互に接合された状態で敷設される。
【0023】
このとき、上述したように、規制部23の先端が他方の対向板21aの内面に当接することで、本体部21の圧縮状態が規制され、常に最適の圧縮状態で、2枚の床板10が相互に接合されることになる。また、2枚の床板10が相互に接合された状態では、図1に示すように、2枚の床板10間に接合部材20の連結板21bが露出し、この連結板21bによって床板10の接合部分に目地溝Aが形成されることになる。
【0024】
このようにして2枚の床板10が相互に接合された後に、床板10が膨張(伸張)した場合は、図3(a)に示すように、床板10の伸張力によって規制部23が上方側または下方側のいずれか一方側に屈曲するように変形して、本体部21の圧縮規制状態が解除される。これに伴って、目地溝Aを形成している連結板21bが弾性変形することで本体部21が容易に圧縮され、床板10の伸張量を確実に吸収することができるので、床板10の接合部分に突き上げが発生することがない。
【0025】
逆に、床板10が収縮した場合は、隣接する床板10同士が相互に離反することになるが、同図(b)に示すように、本体部21に作用する引張力によって、予め屈曲状態にある連結板21bが伸長するように弾性変形して、対向板21aの間隔が大きくなるので、床板10の接合端面10a間の広がりに本体部21が確実に追従することができ、床板10の接合部分に隙間が形成されることがない。
【0026】
図4〜図6は他の実施形態を示している。この床板30も上述した床板10と同様に、下部基材31、上部基材32及び表面化粧材33の3層構造の板材によって形成されているが、双方の床板30の接合端面30aに、単に凹部30bが形成されているだけではなく、一方の床板30の接合端面30aには、その上部に、後述する接合部材40とによって目地溝Aを形成する溝形成部30cが連設されていると共にその下部に張出部30dが連設されており、他方の床板30の接合端面30aの下部には前記張出部30dと係合する切欠部30eが形成されている。
【0027】
接合部材40は、接合部材20と同様に、ゴム系樹脂等の合成樹脂を用いて押出成形された樹脂成形体であり、図5に示すように、床板30の接合方向に伸縮可能な本体部41と、接合状態において隣接する2枚の床板30の接合端面30aに形成された凹部30bにそれぞれ嵌合する一対の凸部42と、一方の床板30の接合端面30aに連設された溝形成部30cとによって目地溝Aを形成する張出片43と、本体部41の圧縮状態を規制する規制部44とを備えている。
【0028】
前記本体部41は、床板30の接合状態において他方の床板30の接合端面30aに接触する起立板41aと、この起立板41aから一方の床板30側に張りだす上方側に屈曲可能に形成された上位伸縮板41b及び下方側に屈曲可能に形成された下位伸縮板41cとから構成されており、この上位伸縮板41b及び下位伸縮板41cが共に弾性変形することによって、本体部41が床板30の接合方向に伸縮するようになっている。
【0029】
一対の凸部42のうち、一方の凸部42は上述した上位伸縮板41b及び下位伸縮板41cの先端部に連設されていると共に他方の凸部42は起立板41aに連設されており、各凸部42の上面及び下面には、上述した接合部材20の凸部22と同様に、断面形状が鋸歯状の抜止部が形成されている。
【0030】
前記張出片43は、一方の床板30側に向かって斜め下方に張り出すように、本体部41の上端部に連設されており、図4に示すように、2枚の床板30が接合された状態では、この張出片43が一方の床板30の接合端面30aに連設された溝形成部30cに下方側から当接することで、床板30の接合部分にV字状の目地溝Aが形成されるようになっている。また、この張出片43は可撓性を有しており、上下方向に変形することができるようになっている。
【0031】
前記規制部44は、起立板41aの下端部から一方の床板30側に張り出すように本体部41に連設されており、本体部41が床板30の接合方向に圧縮されたときに、その先端が一方の床板30の接合端面30aに当接することで、本体部41が必要以上に圧縮されないようになっている。
【0032】
以上のように構成された接合部材40を用いて隣接する2枚の床板30を接合しながら床下地材の上に敷設するには、まず、他方の床板30の裏面に接着剤を塗布した状態で床下地材の上に接着することで固定した後、この床板30の接合端面30aに形成された凹部30bに接合部材40の他方の凸部42を嵌合させながら、裏面に接着剤が塗布された一方の床板30の接合端面30aに形成された凹部30bに接合部材40の一方の凸部42を嵌合させて床下地材に接着すると、図4に示すように、2枚の床材30が接合部材40を介して相互に接合された状態で敷設される。
【0033】
このとき、上述したように、規制部44の先端が一方の床板30の接合端面30aに当接することで、本体部41の圧縮状態が規制された状態で、2枚の床板30が相互に接合されることになる。また、2枚の床板30が相互に接合された状態では、上述したように、接合部材40の張出片43と一方の床板30の溝形成部30cとによって、2枚の床板30の接合部分に目地溝Aが形成されることになる。
【0034】
また、床板30が相互に接合された状態では、図4に示すように、一方の床板30の接合端面30aに連設された張出部30dが他方の床板30の接合端面30aに形成された切欠部30eに完全に係合しているわけではなく、双方の床板30が接近可能な状態となっている。
【0035】
このようにして2枚の床板30が相互に接合された後に、床板30が膨張(伸張)した場合は、図6(a)に示すように、床板30の伸張力によって規制部44が上方に屈曲するように変形し、本体部41の圧縮規制状態が解除される。これに伴って、本体部41の上位伸縮板41b及び下位伸縮板41cがそれぞれ上下方向に屈曲するように弾性変形することで本体部41が圧縮され、床板30の伸張量を確実に吸収することができるので、床板30の接合部分に突き上げが発生することがない。
【0036】
このとき、張出片43は、溝形成部30cによって強制的に押し下げられて下方側に撓んだ状態に変形するので、張出片43と溝形成部30cとによって形成される目地溝Aの幅が小さくなると共に、張出部30dが切欠部30eに完全に係合し、本体部41がそれ以上圧縮されないようになっている。
【0037】
逆に、床板30が収縮した場合は、同図(b)に示すように、本体部41に引張力が作用するので、接合状態にある床板30同士が相互に離反することになるが、これに伴って、予め屈曲状態にある上位伸縮板41b及び下位伸縮板41cが伸長するように弾性変形するので、床板30の接合端面30a間の広がりに本体部41が確実に追従することができ、しかも、張出片43はある程度の張出長さを有しているので、溝形成部30cに当接した状態は保持され、床板30の接合部分に隙間が形成されることはない。ただし、張出片43と溝形成部30cとによって形成された目地溝Aの幅は広がることになる。
【0038】
なお、上述した各実施形態では、双方の床板10、30と接合部材20、40とが共に、凸部22、42と凹部10b、30bとが嵌合することで相互に接合されるように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、最初の実施形態の場合は、図7(a)、(b)に示すように、一方の凸部22を省略すると共に、一方の床板10の接合端面10aには凹部10bを形成せず、一方の対向板21aを一方の床板10の接合端面10aに溶着または接着剤等によって接着することも可能であり、第2の実施形態の場合は、図8(a)、(b)に示すように、本体部41の起立板41aに連設されている凸部42を省略すると共に、他方の床板30の接合端面30aには凹部30bを形成せず、起立板41aを他方の床板30の接合端面30aに溶着または接着剤等によって接着することも可能である。このように、接合部材20、40を一方の床板の接合端面に直接溶着または接着するようにしておくと、床板同士の接合力をさらに高めることができる。
【0039】
また、上述した実施形態では、木質材によって形成された床板10、30と、合成樹脂材料によって形成された接合部材20、40とをそれぞれ別部材として構成しているが、床板を構成している木質材に接合部材を一体的に形成することも可能である。その場合、張出片等の変形可能な部位については、木質材に樹脂を含浸させることによって強化すると共に可撓性を付与しておく必要がある。
【0040】
また、上述した各実施形態では、床板の接合構造について説明したが、本発明は床板に限定されるものではなく、壁板等、種々の板材を接合する場合に適用することができることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる接合部材を用いた床板の接合構造を示す断面図である。
【図2】同上の床板と接合部材を示す断面図である。
【図3】(a)は床板の接合後に床板が膨張(伸長)した状態を示す断面図、(b)は床板の接合後に床板が収縮した状態を示す断面図である。
【図4】他の実施形態である接合部材を用いた床板の接合構造を示す断面図である。
【図5】同上の床板と接合部材を示す断面図である。
【図6】(a)は床板の接合後に床板が膨張(伸長)した状態を示す断面図、(b)は床板の接合後に床板が収縮した状態を示す断面図である。
【図7】(a)、(b)は、他の実施形態を示す断面図である。
【図8】(a)、(b)は、他の実施形態を示す断面図である。
【図9】(a)、(b)は一般的な床板の接合構造を示す断面図である。
【図10】(a)は同上の接合構造において床板が膨張(伸長)した状態を示す断面図、(b)は同上の接合構造において床板が収縮した状態を示す断面図である。
【図11】(a)、(b)は接合部材を用いた床板の接合構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10、30 床板
10a、30a 接合端面
10b、30b 凹部
30c 溝形成部
30d 張出部
30e 切欠部
20、40 接合部材
21、41 本体部
21a 対向板
21b 連結板
22、42 凸部
23、44 規制部
43 張出片
A 目地溝

Claims (8)

  1. 隣接する板材同士を相互に接合する板材の接合部材であって、
    上面に目地溝が形成された、前記板材の接合方向に伸縮自在の本体部と、
    前記本体部に連設された、前記板材の接合端面にそれぞれ形成された凹部に嵌合する一対の凸部と、
    前記本体部の圧縮状態を規制する規制部とを備え、
    前記規制部は、接合後における前記板材の伸長力によって前記本体部の圧縮規制状態が解除されるように、変形可能に形成されている板材の接合部材。
  2. 隣接する板材同士を相互に接合する板材の接合部材であって、
    上面に目地溝が形成された、前記板材の接合方向に伸縮自在の本体部と、
    前記本体部に連設された、一方の前記板材の接合端面に形成された凹部に嵌合する凸部と、
    前記本体部の圧縮状態を規制する規制部とを備え、
    前記本体部は、他方の前記板材の接合端面に固着されるようになっており、
    前記規制部は、接合後における前記板材の伸長力によって前記本体部の圧縮規制状態が解除されるように、変形可能に形成されている板材の接合部材。
  3. 隣接する板材同士を相互に接合する板材の接合部材であって、
    前記板材の接合方向に伸縮可能な本体部と、
    前記本体部に連設された、隣接する前記板材の接合端面にそれぞれ形成された凹部に嵌合する一対の凸部と、
    前記本体部に連設された、一方の前記板材の接合端面から突出して目地溝の一方の内側面を形成する溝形成部にその下方側から当接することで前記目地溝の他方の内側面を形成する上下方向に変形可能な張出片と、
    前記本体部の圧縮状態を規制する規制部とを備え、
    前記規制部は、接合後における前記板材の伸長力によって前記本体部の圧縮規制状態が解除されるように、変形可能に形成されている板材の接合部材。
  4. 隣接する板材同士を相互に接合する板材の接合部材であって、
    前記板材の接合方向に伸縮可能な本体部と、
    前記本体部に連設された、一方の前記板材の接合端面に形成された凹部に嵌合する凸部と、
    前記本体部に連設された、一方の前記板材の接合端面から突出して目地溝の一方の内側面を形成する溝形成部にその下方側から当接することで前記目地溝の他方の内側面を形成する上下方向に変形可能な張出片と、
    前記本体部の圧縮状態を規制する規制部とを備え、
    前記本体部は、他方の前記板材の接合端面に固着されるようになっており、
    前記規制部は、接合後における前記板材の伸長力によって前記本体部の圧縮規制状態が解除されるように、変形可能に形成されている板材の接合部材。
  5. 隣接する板材同士を、接合部材を介して相互に接合する板材の接合構造であって、
    隣接する前記板材は、それぞれの接合端面に凹部が形成されており、
    前記接合部材は、
    上面に目地溝が形成された、前記板材の接合方向に伸縮自在の本体部と、
    前記本体部に連設された、前記板材の接合端面にそれぞれ形成された前記凹部に嵌合する一対の凸部と、
    前記本体部の圧縮状態を規制する規制部とを備え、
    前記規制部は、接合後における前記板材の伸長力によって前記本体部の圧縮規制状態が解除されるように、変形可能に形成されており、
    前記接合部材の前記本体部が前記規制部によって所定の圧縮状態に保持された状態で、前記接合部材の一対の前記凸部が隣接する前記板材の接合端面に形成された前記凹部にそれぞれ嵌合している板材の接合構造。
  6. 隣接する板材同士を、接合部材を介して相互に接合する板材の接合構造であって、
    一方の前記板材は、その接合端面に凹部が形成されており、
    前記接合部材は、
    上面に目地溝が形成された、前記板材の接合方向に伸縮自在の本体部と、
    前記本体部に連設された、一方の前記板材の前記凹部に嵌合する凸部と、
    前記本体部の圧縮状態を規制する規制部とを備え、
    前記規制部は、接合後における前記板材の伸長力によって前記本体部の圧縮規制状態が解除されるように、変形可能に形成されており、
    前記接合部材の前記本体部が他方の前記板材の接合端面に固着され、前記接合部材の前記本体部が前記規制部によって所定の圧縮状態に保持された状態で、前記接合部材の前記凸部が一方の前記板材の接合端面に形成された前記凹部に嵌合している板材の接合構造。
  7. 隣接する板材同士を、接合部材を介して相互に接合する板材の接合構造であって、
    隣接する前記板材は、それぞれの接合端面に凹部が形成されていると共に、一方の前記板材の接合端面には、その接合端面から突出して目地溝の一方の内側面を形成する溝形成部が連設されており、
    前記接合部材は、
    前記板材の接合方向に伸縮可能な本体部と、
    前記本体部に連設された、隣接する前記板材の接合端面にそれぞれ形成された前記凹部に嵌合する一対の凸部と、
    前記本体部に連設された、一方の前記板材の前記溝形成部にその下方側から当接することで前記目地溝の他方の内側面を形成する上下方向に変形可能な張出片と、
    前記本体部の圧縮状態を規制する規制部とを備え、
    前記規制部は、接合後における前記板材の伸長力によって前記本体部の圧縮規制状態が解除されるように、変形可能に形成されており、
    前記接合部材の前記本体部が前記規制部によって所定の圧縮状態に保持された状態で、前記接合部材の一対の前記凸部が隣接する前記板材の接合端面に形成された前記凹部にそれぞれ嵌合している板材の接合構造。
  8. 隣接する板材同士を、接合部材を介して相互に接合する板材の接合構造であって、
    一方の前記板材の接合端面には、凹部が形成されていると共にその接合端面から突出して目地溝の一方の内側面を形成する溝形成部が連設されており、
    前記接合部材は、
    前記板材の接合方向に伸縮可能な本体部と、
    前記本体部に連設された、一方の前記板材の前記凹部に嵌合する凸部と、
    前記本体部に連設された、一方の前記板材の前記溝形成部にその下方側から当接することで前記目地溝の他方の内側面を形成する上下方向に変形可能な張出片と、
    前記本体部の圧縮状態を規制する規制部とを備え、
    前記規制部は、接合後における前記板材の伸長力によって前記本体部の圧縮規制状態が解除されるように、変形可能に形成されており、
    前記接合部材の前記本体部が他方の前記板材の接合端面に固着され、前記接合部材の前記本体部が前記規制部によって所定の圧縮状態に保持された状態で、前記接合部材の前記凸部が一方の前記板材の接合端面に形成された前記凹部に嵌合している板材の接合構造。
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