JP2006021954A - 炭化珪素単結晶膜の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 格子欠陥の少ない高品質のSiC単結晶膜を形成する。
【解決手段】 SiおよびCを含んだ原料ガスを用いて化学気相成長法によってSiC単結晶基板4上にSiC単結晶膜を形成する際、SiC単結晶基板4を第1加熱部で加熱し、SiC単結晶基板4とは別に原料ガス流通方向上流側に設けられた第2加熱部でSi材料5を加熱する。Si材料5は加熱によってその蒸気圧が変化するため、それによって成膜中の反応管2内のSi分圧を制御する。これにより、SiC単結晶基板4のマイクロパイプを高い率で閉塞し、格子欠陥の少ないSiC単結晶膜を形成することができるようになる。
【選択図】 図1

Description

本発明は炭化珪素単結晶膜製造方法および炭化珪素単結晶膜製造装置に関し、特に半導体デバイスに用いる炭化珪素単結晶膜の製造方法およびその製造装置に関する。
例えば、現在のモータの回転制御は半導体デバイスを用いて行われている。このような用途の半導体デバイスは、高耐圧と低オン抵抗の両立が要求される。従来、半導体デバイス材料には珪素(Si)が広く用いられてきた。しかし、近年、その材料にSiに代えて炭化珪素(SiC)を用いると一層高耐圧、低オン抵抗の半導体デバイスが実現できる可能性が見出され、SiC半導体デバイスの研究開発が精力的に進められている。SiC半導体デバイスは通常、SiC単結晶基板上にその結晶性を引き継ぐSiC単結晶を成膜して形成される。
SiC単結晶膜は、例えば、コールドウォール型化学気相成長装置を用い、シラン(SiH4)等その組成にSiを含むガスとプロパン(C38)等その組成に炭素(C)を含むガスを水素(H2)等と一緒に反応管内に流し、反応管内で加熱しているSiC単結晶基板上にSiCをエピタキシャル成長させることによって形成される。SiC単結晶基板は反応管内のサセプタに取り付けられており、このサセプタを加熱することによってSiC単結晶基板が加熱される。加熱は、反応管の周囲に加熱用コイルを設け、この加熱用コイルに高周波電流を流す高周波加熱で行うのが一般的である。成膜は、SiC単結晶基板の加熱温度、原料ガスの流量やそのC/Si比、成膜時のガス圧(成膜圧力)等を調整しながらできるだけ格子欠陥の少ないSiC単結晶膜が形成されるような条件で行う。例えば、SiC単結晶基板を1500℃に加熱し、反応管内にSiH4,C38と同時に多量のH2を流通させ、成膜圧力を2600Pa〜100000PaにしてSiC単結晶基板上にSiC単結晶膜をエピタキシャル成長させる。
しかしながら、これまでこのようにして形成されるSiC単結晶膜には、転移、空孔、格子間原子、積層欠陥等の格子欠陥が含まれてしまう場合があり、さらに、その膜表面には、キャロット欠陥や三角欠陥等の凹凸が生じてしまう場合もあった。このような膜で半導体デバイスを形成すると、耐圧が低い、リーク電流が大きい等、特性の良い半導体デバイスを得ることはできず、高性能な半導体デバイスを実現するためには、SiC単結晶基板上に格子欠陥の少ない高品質のSiC単結晶膜を形成することが重要になる。
また、エピタキシャル成長時の種結晶となるSiC単結晶基板には、大抵マイクロパイプと呼ばれる欠陥が存在している。このマイクロパイプは、半導体デバイス特性を悪化させる一因となるとともに、このSiC単結晶基板上に形成されるSiC単結晶膜の品質にも影響を及ぼす。
そこで、従来、このようなマイクロパイプを閉塞するための方法が提案されている。例えば、マイクロパイプが存在するSiC単結晶基板の表面にCVD(Chemical Vapor Deposition)法等でSiC膜を形成し、これを裏側に貼り付けた蓋体で成膜原料のSiC材料が入ったるつぼの口を閉じ、熱処理を行う(昇華法)。これにより、熱処理時にはるつぼ内をSiリッチな状態にし、SiC膜の熱エッチングを防いでマイクロパイプをSiC膜で塞ぐ(例えば特許文献1参照)。
これに対し、反応管内に原料ガスを流通させて行うタイプの化学気相成長装置を用いた場合に、原料ガス中のSi成分を増やしてC/Si比を0.6以下等の小さい値にすることによってマイクロパイプを100%に近い率で閉塞することができるといった報告もある(例えば非特許文献1参照)。
なお、SiC単結晶膜の形成に関しては、上記のもののほか、昇華法でSiC単結晶膜を形成する際、珪化タングステン等遷移金属の珪素化合物や窒化珪素を成膜原料のSiC材料に添加してその融点を調整し、結晶成長とともに変化するるつぼ内のSi分圧を制御しようとしたもの等が提案されている(例えば特許文献2,3参照)。
また、原料ガス流通タイプの化学気相成長装置を用いた場合に、サセプタ上に突起状の支持具を介してSiC単結晶基板を配置することで熱容量の異なる両者の接触面積を小さくし、さらに、基板上流側で原料ガスを予備的に加熱してその流れによる基板温度の低下を抑え、基板温度分布を均一化してスリップの発生を抑えるようにしたもの等が提案されている(例えば特許文献4参照)。
特開2001−158695号公報(段落番号〔0012〕〜〔0018〕、図4) 特開平6−1698号公報(段落番号〔0008〕〜〔0011〕、図1) 特開平6−56596号公報(段落番号〔0008〕〜〔0011〕、図1) 特開平9−7953号公報(段落番号〔0008〕〜〔0019〕、図3) "ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス(Japanese Journal of Applied Physics)",2002年10月,Vol.41,p.L1137−L1139
しかし、原料ガス流通タイプの化学気相成長装置を用いてSiC単結晶膜を形成する場合に、上記のように、原料ガスのC/Si比を小さくするとSiC単結晶基板のマイクロパイプの閉塞率を向上させることができるようになる反面、他の格子欠陥がSiC単結晶膜に含まれてしまうようになるという問題点がある。
高品質のSiC単結晶膜を形成するためには、その結晶構造上、成膜面でのCとSiの組成比が1:1に保たれていれば、格子欠陥を低減し、凹凸の少ない膜が形成されるようになるといえる。ところが、原料ガスのC/Si比が1ではマイクロパイプを十分に閉塞することができず、マイクロパイプの閉塞率向上を目的としてC/Si比を小さくするのみでは格子欠陥の少ない高品質のSiC単結晶膜を形成することは難しい。高性能な半導体デバイスの実現には、マイクロパイプの閉塞率向上とともに、他の格子欠陥も同時に低減することが重要である。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、マイクロパイプの閉塞率が高く、格子欠陥の少ない高品質のSiC単結晶膜の膜製造方法およびその製造装置を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、組成にSiを含むガスと組成にCを含むガスとを含む原料ガスを反応管内に流通させて前記反応管内に配置されているSiC単結晶基板上にSiC単結晶膜を形成するSiC単結晶膜の製造方法において、前記SiC単結晶基板を加熱するとともに、前記反応管内に配置したSi材料を前記SiC単結晶基板とは別に加熱し前記反応管内のSi分圧を制御して、前記SiC単結晶基板上に前記SiC単結晶膜を形成することを特徴とするSiC単結晶膜の製造方法が提供される。
このようなSiC単結晶膜の製造方法によれば、SiおよびCを含んだ原料ガスを反応管内に流通させてSiC単結晶基板上にSiC単結晶膜を形成する際、反応管内にSi材料を配置し、これをSiC単結晶基板とは別に加熱してその蒸気圧を変化させ、それによって反応管内のSi分圧を制御する。これにより、成膜中のSiC単結晶膜表面のCとSiの組成比をほぼ1:1に制御することが可能になり、SiC単結晶基板のマイクロパイプが閉塞されるとともに、格子欠陥の少ないSiC単結晶膜が形成されるようになる。
また、本発明では上記問題を解決するために、組成にSiを含むガスと組成にCを含むガスとを含む原料ガスを反応管内に流通させて前記反応管内に配置されているSiC単結晶基板上にSiC単結晶膜を形成するSiC単結晶膜の製造装置において、前記反応管内の前記SiC単結晶基板を加熱する第1加熱部と、前記SiC単結晶基板と共に前記反応管内に配置されたSi材料を加熱する第2加熱部と、を有することを特徴とするSiC単結晶膜の製造装置が提供される。
このようなSiC単結晶膜の製造装置によれば、第1加熱部がSiC単結晶基板を加熱し、このSiC単結晶基板とは別に第2加熱部がSi材料を加熱する。加熱によって変化するSi材料の蒸気圧で反応管内のSi分圧が制御され、成膜中のSiC単結晶膜表面のCとSiの組成比をほぼ1:1に制御することが可能になるので、SiC単結晶基板のマイクロパイプが閉塞されるとともに、格子欠陥の少ないSiC単結晶膜が形成されるようになる。
本発明では、SiおよびCを含んだ原料ガスを用いてSiC単結晶基板上にSiC単結晶膜を形成する場合に、SiC単結晶基板とSi材料を別々に加熱し、反応管内のSi分圧を制御するようにした。これにより、大きなC/Si比の原料ガスでもSiC単結晶基板のマイクロパイプの閉塞率を向上させ、格子欠陥の少ない高品質のSiC単結晶膜を形成することができ、高性能なSiC半導体デバイスが製造可能になる。
以下、本発明の実施の形態を、コールドウォール型の化学気相成長装置を用いてSiC単結晶基板上にSiC単結晶膜を形成する場合を例に図面を参照して詳細に説明する。
図1はコールドウォール型の化学気相成長装置の要部断面図である。
SiC単結晶膜製造装置として、ここではSiC単結晶膜を形成するSiC単結晶基板を集中的に加熱することができるコールドウォール型の化学気相成長装置1を用いる。この図1に示す化学気相成長装置1は、石英の横型の反応管2を有し、この反応管2内に、サセプタ3aに取り付けられたSiC単結晶基板4が配置されている。さらに、この反応管2内には、Si材料5がサセプタ3b内に入れられて配置されている。
また、反応管2の周囲には、SiC単結晶基板4に対応する部分とSi材料5に対応する部分にそれぞれ加熱用コイル6a,6bが設けられている。これらの加熱用コイル6a,6bに高周波電流を流すことによって反応管2内のサセプタ3a,3bが加熱され、それによってSiC単結晶基板4、Si材料5が加熱されるようになっている。加熱用コイル6a,6bにはそれぞれ別々に高周波電流を流せるようになっていて、SiC単結晶基板4とSi材料5の温度をそれぞれ制御できるようになっている。図1の化学気相成長装置1では、SiC単結晶基板4を加熱するための加熱用コイル6aおよびサセプタ3aによって第1加熱部が構成されており、Si材料5を加熱するための加熱用コイル6bおよびサセプタ3bによって第2加熱部が構成されている。
また、反応管2内に流通させる原料ガスは、図中矢印で示すようにSi材料5の側からSiC単結晶基板4の側へ、すなわち第2加熱部側から第1加熱部側へ流れるようになっている。
ここで、SiC単結晶基板4は、4H−SiC、6H−SiC、3C−SiC等いずれの結晶構造を有していてもよく、また、SiC単結晶基板4上へのSiC単結晶の成膜は、いずれの結晶面への成膜でも、いずれのOFF角度の成膜でもよい。Si材料には、塊状または粒状の固体のSiを用い、加熱温度は1300℃〜1900℃の範囲とする。加熱温度が1300℃を下回るとSi材料5からのSiの蒸発があまり起こらず、逆に1900℃を上回るとSiの蒸発量が多すぎ、原料ガスや成膜圧力の制御が難しくなるためである。原料ガスには、SiH4等その組成にSiを含んだガスとC38等その組成にCを含んだガスを所定のC/Si比で混合したガスが用いられ、通常はH2等を用いて希釈し、所定の流量で反応管2内に導入される。混合比は、例えば、マスフローコントローラ等を用いて各ガスの流量比から決定される。
このような化学気相成長装置1を用いてSiC単結晶基板4上にSiC単結晶を成膜する際には、まず、第1加熱部に配置されたサセプタ3a上にSiC単結晶基板4を取り付け、第2加熱部に配置されたサセプタ3b内にSi材料5を入れて、第1,第2加熱部をそれぞれ所定温度に加熱する。そして、この反応管2内に所定のC/Si比の原料ガスを流通させる。
SiC単結晶基板4上にSiC単結晶膜を形成する際には、成膜面のCとSiの組成比が1:1になるようにすれば格子欠陥を低減することが可能である。しかし、原料ガスのC/Si比を1にしても、基板加熱によって成膜中のSiC単結晶膜からSiが蒸発してしまったり、原料ガス中のH2によってSiC単結晶膜表面のSiがエッチングされてしまったりする。一方、原料ガスのC/Si比を小さくするとマイクロパイプは閉塞されるがSiC単結晶膜には他の格子欠陥が含まれてしまうようになる。そこで、本実施の形態では、原料ガスのC/Si比を1に近い値に制御するとともに、Si材料5を加熱することによって反応管2内のSi分圧を制御する。
化学気相成長装置1では、SiC単結晶基板4の原料ガス流通方向上流側にSi材料5を配置し、これをSiC単結晶基板4とは別に加熱用コイル6bで加熱する。Si材料5は、加熱されることによりその加熱温度に応じた蒸気圧になり、それによって反応管2内のSi分圧が変化するようになる。固体Siの蒸気圧は、1348℃で0.01Pa、1476℃で0.1Pa、1636℃で1.0Pa、1830℃で10Paになる。
Si材料5を加熱してその蒸気圧を増大させると、反応管2内では、一部のSiが原料ガス中のH2と反応してSiH、SiH2、SiH3等のガスになってそれらのガスの分圧が増大するとともに、一部のSiは未反応のままその分圧が増大する。反応管2内のSi分圧が増大すると、成膜中のSiC単結晶膜からのSiの蒸発やSiC単結晶膜表面のH2によるエッチングが抑えられ、成膜面でSiが不足する確率を大幅に低減することができるようになる。これにより、成膜面でCとSiの組成比をほぼ1:1に保つことが可能になり、その結果、マイクロパイプを閉塞し、格子欠陥および凹凸の少ないSiC単結晶膜を形成することができるようになる。
Si材料5を用いずにSiC単結晶基板4の加熱のみ行う従来法では、基板温度が1400℃を超える高温になると、成膜中のSiC単結晶膜からのSiの蒸発が活発化し、成膜面でSiが不足してCとSiの組成比が1:1にならない確率が高まり、格子欠陥が発生し易くなる。しかし、上記のように、Si材料5を加熱して反応管2内のSi分圧を制御することにより、SiC単結晶膜からのSiの蒸発を抑えることができるようになり、さらに、SiC単結晶膜表面のH2によるエッチングも抑えることができるようになる。
なお、Si材料5は、SiC単結晶基板4の原料ガス流通方向下流側に配置することも可能であるが、その場合、成膜条件の設定に当たっては、Si材料5から蒸発したSiが原料ガスに流されてSiC単結晶基板4まで到達しない可能性等に留意する。
以上の説明では、SiC単結晶基板4やSi材料5を集中的に加熱するコールドウォール型の化学気相成長装置1を例にして述べたが、反応管内をより広範囲にわたって加熱するホットウォール型の化学気相成長装置の場合にも同様に適用可能である。その場合、反応管内を広範囲に加熱する部分を第1加熱部とし、これとは別にSi材料加熱用の第2加熱部を設け、第1加熱部と第2加熱部とを別々に温度制御できるように構成すればよい。ただし、Si材料は、成膜を行うSiC単結晶基板よりも原料ガス流通方向上流側(反応室内にSiC単結晶基板が複数配置される場合には最上流側のSiC単結晶基板よりも上流側)に配置するようにすることが好ましい。
また、上記の化学気相成長装置1では、加熱用コイル6a,6bに高周波電流を流すことによって加熱を行う構成としたが、コールドウォール型とホットウォール型とを問わず、化学気相成長装置の加熱部にはコイルのほか、抵抗、赤外線ランプ、レーザ等を用いることもできる。
また、ここでは横型の化学気相成長装置1を例にして述べたが、反応管が垂直方向に立った縦型の化学気相成長装置でも同様である。
以下、SiC単結晶膜の形成方法を具体例を挙げて説明する。
まず第1の例について述べる。
ここではSiC単結晶基板4として4H−SiC(0001)面8°OFF基板を用い、まず、これをコールドウォール型の化学気相成長装置1の第1加熱部のサセプタ3a上に載せ、また、Si材料5を第2加熱部のサセプタ3b内に入れる。そして、4H−SiC基板を加熱用コイル6aによって温度1500℃に加熱し、Si材料5を加熱用コイル6bによって温度1430℃に加熱する。次いで、反応管2内にSiH4ガスを流量20mL/min(0℃,101.3kPa)、C38ガスを流量6mL/min(0℃,101.3kPa)、H2ガスを流量15L/min(0℃,101.3kPa)で混合して流す。このとき、原料ガスのC/Si比は0.9、成膜圧力は6650Paである。このような条件で成膜を3時間行い、4H−SiC基板上に厚さ約24μmの4H−SiC膜を形成した。
このように原料ガスのC/Si比を0.9と1よりも若干小さくするとともに、第2加熱部でSi材料5を所定温度で加熱し反応管2内のSi分圧を制御して4H−SiC膜を形成することにより、4H−SiC基板のマイクロパイプの閉塞率は70%と高い値を示した。
同様に、SiC単結晶基板4としてn型4H−SiC(0001)面8°OFF基板を用い、その上にn型4H−SiC膜をドナー密度4×1015cm-3で形成し、DLTS(Deep Level Transient Spectroscopy)測定を行った。DLTS測定により得られた深い準位(Z1/2センター)の密度は、2×1013cm-3であった。このZ1/2センターの密度は、格子欠陥密度を表す指標のひとつであり、この値が小さいほど格子欠陥が少ないということができる。
比較のため、原料ガスのC/Si比は1とし、Si材料5を第2加熱部に置かずにその他の加熱温度等の条件は同じにして、4H−SiC基板上に4H−SiC膜を形成した場合には、マイクロパイプの閉塞率は20%と低く、また、n型4H−SiC基板上にn型4H−SiC膜を形成した場合には、Z1/2センターの密度は3×1013cm-3とSi分圧を制御した場合に比べ大きな値を示した。
この第1の例ように、コールドウォール型の化学気相成長装置1を用い、Si材料5をSiC単結晶基板4とは別に加熱して反応管2内のSi分圧を制御することにより、原料ガスのC/Si比を0.9と大きな値にしたままマイクロパイプの閉塞率を向上させ、さらに、Z1/2センターの密度を小さくすることができる。
次に第2の例について述べる。
ここでは4H−SiC(0001)面8°OFF基板を用い、まず、これをホットウォール型の化学気相成長装置の第1加熱部のサセプタ上に載せ、また、Si材料を第2加熱部のサセプタ内に入れる。そして、それぞれ加熱用コイルによって、4H−SiC基板を温度1550℃に加熱し、Si材料を温度1450℃に加熱する。次いで、反応管内にSiH4ガスを流量20mL/min(0℃,101.3kPa)、C38ガスを流量6mL/min(0℃,101.3kPa)、H2ガスを流量15L/min(0℃,101.3kPa)で混合して流す。このとき、原料ガスのC/Si比は0.9、成膜圧力は6650Paである。このような条件で成膜を2時間行い、4H−SiC基板上に厚さ約28μmの4H−SiC膜を形成した。
このように原料ガスのC/Si比を0.9とするとともに、第2加熱部でSi材料を加熱して反応管内のSi分圧を制御して4H−SiC膜を形成することにより、4H−SiC基板のマイクロパイプの閉塞率は80%と高い値を示した。
同様に、n型4H−SiC(0001)面8°OFF基板を用い、その上にn型4H−SiC膜をドナー密度5×1015cm-3で形成し、DLTS測定を行った。DLTS測定により得られたZ1/2センターの密度は、3×1013cm-3であった。
比較のため、原料ガスのC/Si比は1とし、Si材料を第2加熱部に置かずにその他の加熱温度等の条件は同じにして、4H−SiC基板上に4H−SiC膜を形成した場合には、マイクロパイプの閉塞率は25%と低く、また、n型4H−SiC基板上にn型4H−SiC膜を形成した場合には、Z1/2センターの密度は4×1013cm-3とSi分圧を制御した場合に比べ大きな値を示した。
この第2の例ように、ホットウォール型の化学気相成長装置を用い、Si材料をSiC単結晶基板と別に加熱して反応管内のSi分圧を制御することにより、原料ガスのC/Si比を0.9と大きな値にしたままマイクロパイプの閉塞率を向上させ、さらに、Z1/2センターの密度を小さくすることができる。
以上説明したように、成膜を行うSiC単結晶基板とは別にSi材料を加熱し、反応管内のSi分圧を制御することにより、原料ガスのC/Si比が1に近い値でもSiC単結晶基板のマイクロパイプの閉塞率を向上させることができるとともに、Z1/2センターの密度を小さくすることができる。したがって、SiC単結晶膜の格子欠陥を低減することができる。
コールドウォール型の化学気相成長装置の要部断面図である。
符号の説明
1 化学気相成長装置
2 反応管
3a,3b サセプタ
4 SiC単結晶基板
5 Si材料
6a,6b 加熱用コイル

Claims (8)

  1. 組成に珪素を含むガスと組成に炭素を含むガスとを含む原料ガスを反応管内に流通させて前記反応管内に配置されている炭化珪素単結晶基板上に炭化珪素単結晶膜を形成する炭化珪素単結晶膜製造方法において、
    前記炭化珪素単結晶基板を加熱するとともに、前記反応管内に配置した珪素材料を前記炭化珪素単結晶基板とは別に加熱し前記反応管内の珪素分圧を制御して、前記炭化珪素単結晶基板上に前記炭化珪素単結晶膜を形成することを特徴とする炭化珪素単結晶膜の製造方法。
  2. 前記珪素材料は、前記炭化珪素単結晶基板より原料ガス流通方向上流側に配置することを特徴とする請求項1記載の炭化珪素単結晶膜の製造方法。
  3. 前記珪素材料は、温度1300℃〜1900℃の範囲で加熱することを特徴とする請求項1記載の炭化珪素単結晶膜の製造方法。
  4. 前記珪素材料は、サセプタに配置して前記サセプタを加熱することによって加熱することを特徴とする請求項1記載の炭化珪素単結晶膜の製造方法。
  5. 組成に珪素を含むガスと組成に炭素を含むガスとを含む原料ガスを反応管内に流通させて前記反応管内に配置されている炭化珪素単結晶基板上に炭化珪素単結晶膜を形成する炭化珪素単結晶膜の製造装置において、
    前記反応管内の前記炭化珪素単結晶基板を加熱する第1加熱部と、前記炭化珪素単結晶基板と共に前記反応管内に配置された珪素材料を加熱する第2加熱部と、を有することを特徴とする炭化珪素単結晶膜の製造装置。
  6. 前記第2加熱部は、前記第1加熱部よりも原料ガス流通方向上流側に設けられることを特徴とする請求項5記載の炭化珪素単結晶膜の製造装置。
  7. 前記第2加熱部は、前記珪素材料を温度1300℃〜1900℃の範囲で加熱できるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の炭化珪素単結晶膜の製造装置。
  8. 前記第1加熱部は、前記反応管内に前記炭化珪素単結晶基板が配置されるサセプタを有し、前記第2加熱部は、前記反応管内に前記珪素材料が配置されるサセプタを有し、前記第1加熱部のサセプタおよび前記第2加熱部のサセプタが加熱されることによって前記炭化珪素単結晶基板および前記珪素材料がそれぞれ加熱されることを特徴とする請求項5記載の炭化珪素単結晶膜の製造装置。
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